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JP4678911B2 - Dental pretreatment composition and kit - Google Patents

Dental pretreatment composition and kit Download PDF

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JP4678911B2
JP4678911B2 JP2000089473A JP2000089473A JP4678911B2 JP 4678911 B2 JP4678911 B2 JP 4678911B2 JP 2000089473 A JP2000089473 A JP 2000089473A JP 2000089473 A JP2000089473 A JP 2000089473A JP 4678911 B2 JP4678911 B2 JP 4678911B2
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JP
Japan
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acid
tooth
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pretreatment material
compound
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敬志 松尾
昌宏 吉山
隆司 山本
秀幸 上木
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Sun Medical Co Ltd
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Sun Medical Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウ蝕歯質(虫歯の部分)および/または、その周りに存在するウ蝕によって変質した歯質に適用し、接着性を向上させるに好都合な前処理材組成物に関する。さらに詳しくは、ウ蝕歯質(虫歯)および/または、ウ蝕によって変質した歯質、すなわち、ウ蝕をもたらす細菌の存在する歯質に対して適用できそして歯質と修復材料を接着させる接着材の接着強さや辺縁封鎖性を高める効果を有する前処理材組成物並びにこの前処理材組成物を含むキットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ウ蝕は組織学的にはエナメル質ウ蝕、象牙質ウ蝕、セメント質ウ蝕に分類され、エナメル質ウ蝕に比べて、象牙質ウ蝕の進行が速い。多くのウ蝕は象牙質に至り、治療後に再発するウ蝕(二次カリエス)も治療の際に露出させた象牙質部分から生じている。
【0003】
象牙質ウ蝕病巣は、一般に、組織学的に表層から深層にかけて、軟化層、脱灰層、先駆菌層、混濁層、透明層、生活反応層に分類されている(新歯科衛生士教本 病理学、全国歯科衛生士教育協議会編集、医歯薬出版株式会社参照)。
ウ蝕歯牙(一本の歯)の修復は、細菌に感染した(細菌の存在する)部分、上記の分類では先駆菌層までを除去して、失った歯質を補うべく人工の修復材料で穴埋めして、再度、細菌の感染を防ぐことが理想といわれている。
【0004】
歯質と修復材料の接着性が不十分であった頃は、人工の修復材料が脱落して外れないように物理的な維持力を持たすべく、感染した歯質部分のみならず他の健全な歯質部分を多量に切削してきた。場合によっては、感染した歯質部分の除去量を上回る健全歯質を切削除去してきたので、理想と言われたウ蝕の修復とはかけ離れたものであった。このような治療方法は、最近、過剰な歯質除去が原因とみられる歯質強度の低下や歯髄(神経)の活性低下をもたらす危険が指摘されている。また、健全歯質に至るまで歯質を除去するという考え方を実際のすべての治療に実施することは極めて難しく、軟化したウ蝕部分から健全歯質に至るまでの歯質の変化は多様であるために、術者はどの深さ、または、どの部分まで除去するかの判断が極めて困難である。この問題は、ウ蝕検知液が例えば特公昭56−48490公報で提案されて臨床現場で効果を発揮し、ウ蝕部分の染色度合いを目安にウ蝕部分を除去する極めて有効な方法として励行されている。これは単なるウ蝕歯の修復のみならず細菌に感染したウ蝕部分の取り残しをしない利点から再発(二次カリエス)の防止を期待したものであった。しかし、ウ蝕検知液を使用して感染した歯質を除去した治療を実施しても、二次カリエスの発生は抑えられなかった。この原因として、健全歯質まで切削しても歯髄の活性を低下させたり、歯牙の物理的強度を低下させることがあること、歯質と修復物の間に隙間が発生して細菌が侵入して増殖することなどが挙げられた。一方、健全歯質まで切削しなくとも、存在する細菌数を減らして新たな侵入を阻止すれば二次カリエスになりにくいなどの報告がなされた。
【0005】
近年、歯質と修復材料を隙間なく強固に接着させる材料が多数提案されて治療に適用されるようになり、健全歯質の切削量は格段に少なくなってきた。さらに、ウ蝕は歯質組織内への細菌感染が原因であるので健全歯質まで切削して感染部分を除去することは必須であるという従来の考え方から、感染した歯質を必ずしも完全に除去せずとも新たな侵入や増殖を抑制すると再発は防げるのではないかという「シールド・レストレーション」などの新たな考え方が提案されている。この考え方は、細菌が僅かに存在する可能性のある歯質でも、隙間なく強固に接着することによって細菌を封じ込め、新たな侵入や増殖をできなくするというもので、もし歯質の切削が免れれば歯髄の活力を低下させずにまたは除去を行わずに済むことになり、さらには歯牙の物理的な強度を失わないなど、歯牙の延命のためにきわめて有効となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、細菌数の少ない歯質に隙間なく強固に接着すれば、歯質の切削量が極めて少なくなるので歯牙の物理的な強度を失わなず、歯牙の延命に役立つと期待して、ウ蝕検知液で淡く染色する歯質(先駆菌層)に種々の接着材を使用して適切な前処理材や処理方法や接着材を模索してきた。その結果、健全歯質に比べて先駆菌層における象牙質の接着強度は著しく低く、辺縁封鎖性も十分とは言えないことが分かった。
ウ蝕検知液で淡く染色される先駆菌層にも高い接着性能を付与できれば、無理に健全歯質まで切削除去せずに、より多くの歯質を残すことで歯牙の強度低下や二次カリエスの発生を抑制することが可能となると考えて研究を進め本発明に至った。すなわち、本発明は先駆菌層を残して接着材を適用すると接着強度が著しく低下するという問題を解決することに着目したものである。
【0007】
このような問題を解決するための研究は、例えば蛋白可溶化剤として尿素を用いた前処理方法や次亜塩素酸などのアルカリ処理については、「ウ蝕象牙質への接着−セルフエッチング法とウェットボンディング法との比較」デンタルダイヤモンド、第24巻、第11号、80−82頁、1999年8月号(デンタルダイヤモンド社)に記載されているが、蛋白可溶化剤だけでは十分な効果は得られていない。
また、EDTAと過酸化尿素を含む根管洗浄剤は、製品名「RCプレップ」として販売されているが、根管内の清掃を目的としているので、洗浄後接着材を適用することの示唆はなく、接着性能を向上させるに至らなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
健全歯質まで切削して接着させなければ、十分な接着力が得られなかったという問題を解決するために、先駆菌層での接着が健全歯質と比較して不十分となっている原因を検討した。その結果、接着に重要と言われる接着材成分の拡散を低下させ、かつ、機械的強度の低い泥様構造物が先駆菌層を露出させた最表層一面に存在するために接着力を低下させていると推察されそしてこの泥様構造物で覆われた歯質表面を接着に有効な状態に改善する必要性があることを究明し本発明に到達した。
【0009】
尿素を用いて前処理する方法や次亜塩素酸などのアルカリ処理による蛋白可溶化剤を用いる方法は、上述した雑誌(デンタルダイヤモンド)に記載されているが、蛋白可溶化剤だけでは十分な効果は得られていない。また、泥様構造物で覆われた歯面を接着に適した状態にするためには、ウ蝕検知液で淡く染色する先駆菌層を露出させた最表層に存在する泥様構造物が変性した象牙質コラーゲンのみならず、ハイドロキシアパタイトなどのカルシウム化合物との混合物であるため、象牙質コラーゲンを除去および/または改質するための機能とハイドロキシアパタイトを除去および/または改質するための機能を同時に併せ持つ性質が必要であることを究明し、本発明の歯科用前処理材組成物を発明するに至った。すなわち、本発明は、
(A)タンパク質またはコラーゲンを溶解ないし分解しうる化合物であって、尿素およびリン酸尿素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の尿素化合物、
(B)歯質を脱灰しうる化合物であって酸性化合物(b1)およびキレート化合物(b2)よりなる群から選ばれる少なくとも1種、ここで、酸性化合物(b1)はリン酸、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、酢酸、(モノ、ジまたはトリ)クロル酢酸、プロピオン酸、α−クロルプロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、フェノールまたはポリ(メタ)アクリル酸であり、キレート化合物(b2)は、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、またはエチレンジアミン四酢酸もしくはジエチレントリアミン五酢酸の金属塩、アンモニウム塩またはアミン塩である、
(C)水および/または水混合性有機溶媒 および
(D)塩化第二鉄
を含有することを特徴とする歯科用前処理材組成物である。
【0010】
また、本発明によれば、本発明の歯科用前処理材組成物のキットが同様に提供される。
本発明の歯科用前処理材組成物は、使用目的および用途から歯質に容易に塗布できる液状またはゲル状であることが好ましい。
本発明の組成物を構成する化合物の1つとして、(A)タンパク質またはコラーゲンを溶解ないしは分解しうる化合物が用いられる。かかる(A)成分は、歯質中のタンパク質またはコラーゲンを溶解ないしは分解しうる作用を有する。
本発明における(A)成分としては、尿素化合物である
【0011】
尿素化合物としては、尿およびリン酸尿素が用いられる。これら化合物は単独であるいは2種組合わせて使用することができる。
【0013】
本発明において(B)成分は歯質を脱灰できる化合物である。(B)成分はエッチング材成分であり、酸性化合物(b1)およびキレート化合物(b2)である。酸性化合物(b1)はリン酸、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、酢酸、(モノ、ジまたはトリ)クロル酢酸、プロピオン酸、α−クロルプロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、フェノールまたはポリ(メタ)アクリル酸(以後、アクリル酸とメタクリル酸の総称として記載する)である。
【0014】
また、キレート化合物(b2)は、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸並びにエチレンジアミン四酢酸またはジエチレントリアミン五酢酸の金属塩アンモニウム塩およびアミン塩である。これらの(B)成分は単独であるいは2種以上組合わせて使用することができる。
【0015】
本発明の(C)成分は、水および/または水混合性有機溶媒である。(C)成分は、歯質に適用するために必要となる液状またはゲル状にするために好ましく使用できる。ここで、液状またはゲル状にするために使用できる成分として、(A)成分と(B)成分を溶解または分散させ得る溶媒であることが好ましい。具体的には、蒸留水、イオン交換水、精製水または生理食塩水などの水が挙げられ、特に蒸留水、精製水およびイオン交換水が好ましく用いられる。また、電気分解によって調製される酸化還元水、例えば強酸性水、強アルカリ水などを使用することができる。さらに水混合性有機溶媒としては、37℃で30重量%以上の水を溶解でき、より好ましくは50重量%以上、特に好ましくは水と任意の比率で混和および/または溶解しうる溶媒が用いられる。さらに、該溶媒は25℃で液体であって、常温での沸点が180℃以下、好ましくは150℃以下、最も好ましくは100℃以下の液体である。かかる有機溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;N,N−ジメチルスルホキサイド(DMSO)などのスルホキサイド類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などのアミド類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールなどの高級アルコール類を挙げることができる。これらのうち、生体への安全性を考慮して、エタノール、プロパノールなどのアルコール、アセトン、THFおよびDMSOなどが好ましい。上記水混和性有機溶媒は単独であるいは2種以上組合せて使用することができる。
【0016】
本発明の前処理材組成物における(A)〜(C)成分の配合量は任意に選定できる。(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計100重量部当たり、通常、(A)成分は0.01〜99.9重量部、好ましくは0.05〜90重量部、さらに好ましくは0.1〜70重量部の範囲で使用される。(B)成分は、同じ基準で、0.01〜70重量部、より好ましくは0.05〜50重量部、さらに好ましくは0.1〜30重量部の範囲である。(C)成分は、同様に同じ基準で0.09〜99.98重量部、好ましくは0.5〜99.9重量部、さらに好ましくは1〜99.8重量部の範囲である。
【0017】
本発明において用いられる(D)成分は塩化第二鉄である。(D)成分の役割や機能については未だ明確にはされていないが、(A)成分や(B)成分が持つ機能のバランスを取って接着に有利な状態にする役割を果たしていると推察されている。
【0018】
歯面処理材中のイオン濃度は、通常、1ppm〜50重量%の範囲である。塩化第二鉄(D)は、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計100重量部に対して、通常0.0001〜50重量部であり、好ましくは0.0005〜40重量部、さらに好ましくは0.001〜30重量部の範囲で配合される。
【0019】
本発明の前処理材組成物は、さらに染料(E)を含有することができる。ここで(E)成分としては、軟化層、脱灰層および先駆菌層を選択的に染色させる染料または色素を挙げることができる。(E)成分は、それを含有する組成物を歯質に塗布した後、短時間例えば1分以内程度では水洗しても色落ちしないようなものが好ましい。(E)成分の色調は歯質と明らかに区別ができる色合い、例えば、赤、青、黒、紺、紫および緑などが好ましい。具体的には、フロキシンBK、アシッドレッド、ファストアシッドマゼンダ、フロキシンB、ファストグリーンFCF、ローダミンB、塩基性フクシン、酸性フクシン、エオシン、エチスロシン、サフラニン、ローズベンガル、ベーメル、ゲンチアナ紫、銅クロロフィルソーダ、ラッカイン酸、コチニールおよびシソシンなどを挙げることができる。これらの染料は単独であるいは2種以上組合わせて使用することができる。
【0020】
(E)成分は(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分からなる前処理材組成物100重量部に対して、通常0.001〜10重量部、好ましくは0.005〜5重量部、さらに好ましくは0.01〜3重量部の範囲で添加され使用される。
【0021】
本発明の前処理材組成物には、主に粘度を調整するための粘度調整材をさらに配合することができる。粘度調整材は、通常、粘度を増大させるために使用することから増粘材と呼ばれることがある。粘度調整材は、通常、(C)成分と同時に使用されることが好ましい。有機増粘剤として例えば、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポプロピレングリコールなどの水溶性の高分子化合物を挙げることができ、無機増粘剤として例えば、微粉末シリカ、微粉末アルミナ、微粉末ジルコニアなどの微粉末の無機化合物などを挙げることができる。これらの粘度調整材化合物はいずれも単独であるいは2種以上組合わせて使用することができる。
【0022】
粘度調整材は前処理材組成物100重量部に対して、通常、0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜80重量部、さらに好ましくは1〜60重量部の範囲で配合される。
【0023】
本発明の前処理材組成物は、用途や目的によって各成分をひとつに混合して、あるいは分割して保存することができ、さらにキットにすることができる。分割する方法としては、各成分を任意の組み合わせで2〜3つの容器に分割できる。分割ないしは分割した容器から構成されるキットの一例を挙げると以下のようになる。本発明の分割の方法は、これらの例示によって制限されるものではない。
(1)容器数1:(A)〜(D)成分を含む容器(V1)、
(2)容器数2:(D)成分を含む組成物の容器(V21)と(A)〜(C)成分を含む組成物の容器(V22)、
(3)容器数2:(A)成分を含む組成物の容器(V23)と(B)〜(D)成分を含む組成物の容器(V24)、
(4)容器数2:(A)および(B)成分を含む組成物の容器(V25)と(C)および(D)成分の組成物の容器(V26)、
(5)容器数2:(A)〜(C)成分を含む組成物の容器(V27)と(D)成分を含む容器(V28)、
(6)容器数3:(A)成分を含む容器(V31)と(B)および(C)成分を含む組成物の容器(V32)と(D)成分を含む組成物の容器(V33)、
本発明の使用方法としては、ウ蝕細菌に侵された歯質の除去を容易にすべくウ蝕部分に直接塗布し、歯科用メスや回転タービンなどの切削器具によって軟化層、脱灰層を除去する方法、あるいは歯科用メスや回転タービンなどの切削器具によって予め軟化層、脱灰層を除去して先駆菌層を露出させ、本発明の前処理材を適用する方法が例示される。後者の場合においては、適用後そのままエアブローによって余剰の液を吹き飛ばすかあるいは水洗して洗い落とすことができる。また、引き続き、プライマーや接着材を適用して人工の修復材料を接着させる方法を挙げることができる。先駆菌層の細菌の存在には、部位におけるバラツキが多いため、先駆菌層の一部または大部分を除去する方が好ましく、先駆菌層の削除量や混濁層の露出量は、歯髄の生活力、歯髄腔までの距離と歯牙の物理的強度などを勘案して判断することが好ましい。
【0024】
その際、本発明の前処理材組成物は、ウ蝕細菌が存在する歯質を(D)成分を含む組成物で染色しながら機械的あるいは化学的に除去し、接着材を適用する直前に、分割されていてもよい(A)〜(D)成分を含む組成物で逐次あるいは同時に適用することで、その場で(in situ)調製され、前処理に用いることができる。
また、本発明の前処理材組成物はウ蝕部分に直接に(A)〜(E)成分を同時にあるいは逐次的に接触させてその場で調製され、機械的あるいは化学的にウ蝕歯質あるいはウ蝕細菌が存在する歯質を除去するように用いることができる。その後、除去した部分に接着材を適用する方法あるいはそれに適したキットが本発明により提供される。
【0025】
本発明の前処理材組成物を構成する(A)〜(E)成分の少なくとも1種を含む成分を、前処理材組成物を塗布する際に使用する治具、例えばスポンジペレット、綿球、筆、フェルトなどに予め含有させておくこともできる。この方法によって成分を分割することによって、分割された成分を混合する手間や時間が短縮でき、また、前処理材組成物の機能や目的を損なうことなく長期間の保存が可能となる。塗布する際に使用する治具に含有させる成分に特に制限はないが、例えば、前述した本発明の分割方法に例示された(2)〜(6)の手段において、容器に分割した少なくともひとつの組成物を治具に含有させることができる。
【0026】
本発明によれば、健全象牙質への接着力のみならず先駆菌層への接着力をより強固にすることができそのために本発明の前処理材組成物が提供される。
本発明の歯科用前処理材組成物と組合せて使用される硬化性組成物(接着材)に特に制限はないが、例えばカンファーキノン、アシルホスフィンオキシドなどの可視光増感剤とスチリル基や(メタ)アクリレートなどのラジカル重合性単量体からなる可視光硬化性組成物、分子内にホウ素を含有する有機ホウ素化合物、過酸化ベンゾイルなどの有機過酸化物ラジカル重合開始剤、過硫酸カリウムなど無機過酸化物、亜硫酸ナトリウムやスルフィン酸ナトリウムなどの無機ないしは有機硫黄化合物などを用いたレドックス重合開始剤などとラジカル重合単量体を含有する硬化性組成物を挙げることができる。また、上記の硬化性組成物には、アセトンやエタノールなどの揮発性有機溶媒、シリカ、ジルコニア、アルミノシリケートガラス有機複合フィラーなどのフィラーを含んでいてもよい。
以下実施例により本発明の歯科用前処理材組成物およびそのキットを具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
【0027】
【実施例】
(天然ウ蝕象牙質の接着表面の調製)
中等度の咬合面象牙質ウ蝕を有する抜去直後のヒト大臼歯をウ蝕検知液(クラレ(株)製)によって先駆菌層に相当するピンク〜淡ピンク色に染色する象牙質が露出するまで歯科用ダイヤモンドポイントで除去した後、回転研磨装置(エコメット3、ビューラー(株)製)と耐水エメリー紙#600を用いて注水下で表面を研磨した。
(ウ蝕象牙質への辺縁封鎖性の評価)
象牙質と接着材で人工物を接着して、24時間水中浸漬した試料を低速ダイヤモンドカッター(アイソメット、ビューラー(株)製)によって接着界面に垂直に切断し、厚さ約1mmの試験片を作製した。切断面を注水下で耐水研磨紙#2000まで注意深く研磨して室温で1日乾燥し、実体顕微鏡、光学顕微鏡あるいは走査型電子顕微鏡(SEM)にて接着界面の接合状態を観察した。ピンク〜淡ピンク象牙質に接着した界面のうち、亀裂もしくは剥離と判断された長さを除き、どれだけの割合で隙間なく接着していたかを下記の式で算出した。
【0028】
【数1】

Figure 0004678911
【0029】
実施例1
本発明の前処理材組成物として、10重量部の尿素(A)、77重量部の水(B)、10重量部のクエン酸(C)および3重量部の塩化第二鉄(D)からなる歯科用前処理材組成物を調製した。本組成物は透明な均一溶液であった。
【0030】
露出させた象牙質に対して、本発明の歯科用前処理材組成物を用いて10秒間塗布して10秒間水洗後、乾かさないようキムワイプで軽く表面の水を拭う程度の湿潤状態を保ち、直ちにEGボンド(サンメディカル(株)製)のボンディングエージェントを2回続けて塗布した。軽くエアブローした後、クイックライト(VL−1、クラレ製(株))を用いて30秒間可視光を照射した。さらに、コンポジットレジンとしてメタフィルC(サンメディカル製)を築盛して硬化させた後、作製した試料を24時間水中浸漬した。例えば、日本歯科保存学雑誌、42巻3号、529−535頁(1999)に記載されている微小引張り試験を行って接着強度を測定した。その結果、微小引張り接着強さは15MPaと良好な接着強度であった。
辺縁封鎖率は約80%と良好であった。
【0031】
比較例1
実施例1で本発明の前処理材組成物を適用しなかった場合、引張り試験のためのサンプルが作成できないほど接着強さは低かった。
【0032】
比較例2
実施例1の本発明の前処理材組成物の代わりに、上述した雑誌に記載された3%の塩化第二鉄を含む10%クエン酸水溶液の前処理材を用いた場合は10MPaであり、辺縁封鎖率は約70%であった。
【0033】
実施例2
実施例1に記載した本発明の歯科用前処理材組成物を用いて、露出させた象牙質に対して10秒間塗布して10秒間水洗後、エアブローによって乾燥した。直ちにスーパーボンドC&B(サンメディカル(株)製)を用いて1cm×1cm×1cmのアクリル立方体を接着した。室温に約30分間静置後に24時間水中浸漬した。
微小引張り試験を行って接着強度を測定した結果、微小引張り接着強さは28MPaと良好な接着強度であり、辺縁封鎖率は100%であった。
【0034】
比較例3
実施例2の本発明の前処理材組成物の代わりに、上述した雑誌に記載された3%の塩化第二鉄を含む10%クエン酸水溶液の前処理材を用いた場合は17MPaであったが、辺縁封鎖率は100%であった。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、ウ蝕歯質(虫歯)および/または、ウ蝕によって変質した歯質、すなわち、ウ蝕をもたらす細菌の存在する歯質に対して適用できそして歯質と修復材料を接着させる接着材の接着強さや辺縁封鎖性を高める効果を有する前処理材組成物並びにこの前処理材組成物を含むキットが提供される。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a pretreatment material composition that can be applied to caries tooth (caries portion) and / or a tooth that has been altered by caries present around the carious tooth to improve adhesion. More specifically, an adhesive that can be applied to carious tooth (cavities) and / or tooth modified by caries, that is, a tooth in which bacteria that cause caries are present, and adheres the tooth to the restorative material. The present invention relates to a pretreatment material composition having an effect of increasing the adhesive strength and marginal sealing property of the present invention and a kit containing this pretreatment material composition.
[0002]
[Prior art]
In general, caries are histologically classified into enamel caries, dentin caries, and cementitious caries, and dentin caries progress faster than enamel caries. Many caries lead to dentin, and caries that recur after treatment (secondary caries) also arise from the dentin part exposed during the treatment.
[0003]
Dentin carious lesions are generally classified histologically from the surface layer to the deep layer into a softening layer, a decalcification layer, a precursor layer, a turbid layer, a transparent layer, and a living reaction layer (new dental hygienist textbook disease) Science, edited by National Dental Hygienist Education Council, see Medical and Dental Publishing Co., Ltd.).
To repair carious teeth (single teeth), remove the part infected with bacteria (existing bacteria), the precursor layer in the above classification, and use artificial restoration materials to make up the lost tooth substance. It is said that it is ideal to fill the hole and prevent bacterial infection again.
[0004]
When the adhesion between the tooth and the restorative material was inadequate, not only the infected tooth part but also other healthy parts should be physically maintained so that the artificial restorative material does not fall off and come off. A lot of teeth have been cut. In some cases, the healthy tooth was cut and removed in excess of the removal amount of the infected tooth part, which was far from the ideal caries repair. Recently, it has been pointed out that such a treatment method may cause a decrease in tooth strength and a decrease in pulp (nerve) activity, which may be caused by excessive tooth removal. In addition, it is extremely difficult to implement the idea of removing the tooth structure until it reaches the healthy tooth structure, and the changes in the tooth structure from the softened carious portion to the healthy tooth structure are diverse. For this reason, it is extremely difficult for the surgeon to determine which depth or which part is removed. This problem is proposed as an extremely effective method for removing a carious portion based on the degree of staining of the carious portion, which is proposed in Japanese Examined Patent Publication No. 56-48490, for example. ing. This was expected to prevent recurrence (secondary caries) from the advantage of not simply repairing carious teeth but leaving behind carious parts infected with bacteria. However, the occurrence of secondary caries was not suppressed even when treatment was performed using the caries detection solution to remove the infected tooth. This can be caused by reducing the activity of the pulp or reducing the physical strength of the tooth even after cutting to a healthy tooth, and creating a gap between the tooth and the restoration, causing bacteria to invade. And so on. On the other hand, it was reported that even if it was not cut to a healthy tooth, it was difficult to become secondary caries if the number of existing bacteria was reduced and new invasion was prevented.
[0005]
In recent years, a large number of materials that firmly bond a tooth and a restorative material without gaps have been proposed and applied to treatment, and the amount of cutting of a healthy tooth has been remarkably reduced. Furthermore, since dental caries is caused by bacterial infection in the tooth tissue, it is essential to remove the infected part by cutting to a healthy tooth, so the infected tooth is not completely removed. New ideas such as “Shield Restoration” have been proposed, in which it is possible to prevent recurrence by suppressing new intrusions and proliferation without it. The idea is that even if there is a slight amount of bacteria in the tooth, it can be tightly bonded without any gaps to contain the bacteria and prevent new invasion and proliferation. In this case, the vitality of the dental pulp is not reduced or removed, and the physical strength of the tooth is not lost.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The present inventor expects that the amount of cutting of the tooth will be extremely small if it adheres firmly to the tooth with a small number of bacteria without gaps, so that the physical strength of the tooth will not be lost and the life of the tooth will be extended. The inventors have sought for suitable pretreatment materials, treatment methods, and adhesive materials using various adhesive materials for the tooth structure (pioneer fungus layer) that is lightly stained with the caries detection liquid. As a result, it was found that the adhesive strength of the dentin in the precursor layer was remarkably lower than that of the healthy tooth, and the marginal sealing ability was not sufficient.
If high adhesion performance can be imparted even to the precursor fungus layer that is lightly stained with the caries detection solution, the strength of the teeth and the secondary caries are reduced by leaving more teeth without forcibly removing the healthy teeth. The present inventors have conducted research on the idea that it is possible to suppress the occurrence of this, and have reached the present invention. That is, this invention pays attention to solving the problem that adhesive strength will fall remarkably when an adhesive is applied leaving a precursor fungus layer.
[0007]
Studies to solve such problems include, for example, a pretreatment method using urea as a protein solubilizer and an alkali treatment such as hypochlorous acid as "adhesion to carious dentin-self-etching method". Comparison with the wet bonding method ”Dental Diamond, Vol. 24, No. 11, pp. 80-82, August 1999 (Dental Diamond Co., Ltd.) Not obtained.
In addition, the root canal cleaning agent containing EDTA and urea peroxide is sold under the product name “RC prep”, but it is intended for cleaning the root canal. The adhesive performance was not improved.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The reason why the adhesion in the precursor layer is insufficient compared to the healthy tooth to solve the problem that sufficient adhesive force could not be obtained unless it was cut and adhered to the healthy tooth It was investigated. As a result, the diffusion of the adhesive component, which is said to be important for bonding, is reduced, and the mud-like structure with low mechanical strength is present on the outermost surface layer where the precursor fungus layer is exposed. As a result, the present inventors have found that there is a need to improve the surface of the tooth covered with the mud-like structure to an effective state for adhesion.
[0009]
The pretreatment method using urea and the method using a protein solubilizer by alkali treatment such as hypochlorous acid are described in the above-mentioned magazine (Dental Diamond). Is not obtained. In addition, in order to make the tooth surface covered with the mud-like structure suitable for adhesion, the mud-like structure existing on the outermost layer that exposes the precursor layer that is lightly stained with the caries detection liquid is denatured. Since it is a mixture with calcium compounds such as hydroxyapatite as well as dentinal collagen, it has a function for removing and / or modifying dentin collagen and a function for removing and / or modifying hydroxyapatite. At the same time, it has been determined that the combined properties are necessary, and the dental pretreatment material composition of the present invention has been invented. That is, the present invention
(A) a compound capable of dissolving or degrading protein or collagen, and at least one urea compound selected from the group consisting of urea and urea phosphate;
(B) At least one compound selected from the group consisting of an acidic compound (b1) and a chelate compound (b2), which is a compound capable of decalcifying teeth, wherein the acidic compound (b1) is phosphoric acid, hydrochloric acid, nitric acid , Sulfuric acid, formic acid, acetic acid, (mono, di or tri) chloroacetic acid, propionic acid, α-chloropropionic acid, oxalic acid, citric acid, malonic acid, maleic acid, fumaric acid, phenol or poly (meth) acrylic acid And the chelate compound (b2) is ethylenediaminetetraacetic acid, diethylenetriaminepentaacetic acid, or a metal salt, ammonium salt or amine salt of ethylenediaminetetraacetic acid or diethylenetriaminepentaacetic acid,
(C) water and / or water-miscible organic solvent and
(D) A dental pretreatment material composition comprising ferric chloride .
[0010]
Moreover, according to this invention, the kit of the dental pretreatment material composition of this invention is provided similarly.
The dental pretreatment material composition of the present invention is preferably in the form of a liquid or gel that can be easily applied to the tooth structure from the intended purpose and application.
As one of the compounds constituting the composition of the present invention, (A) a compound capable of dissolving or degrading protein or collagen is used. The component (A) has an action capable of dissolving or degrading protein or collagen in the tooth.
As the component (A) in the present invention is a urea compound.
[0011]
The urea compounds, urea and urea phosphate is used. These compounds may be used singly, or two or pair together.
[0013]
In the present invention, the component (B) is a compound that can decalcify the tooth substance. The component (B) is an etching material component, and is an acidic compound (b1) and a chelate compound (b2). Acidic compound (b 1) is phosphoric acid, hydrochloric acid, nitric acid, sulfuric acid, ants acid, acetic acid, (mono, di or tri) chloroacetic acid, propionic acid, alpha-chloropropionic acid, oxalic acid, citric acid, malonic acid, maleic acid, fumaric acid, phenol or poly (meth) acrylic acid (hereinafter, described as a general term for acrylic acid and methacrylic acid) Ru der.
[0014]
Further, a chelate compound (b 2) is d ethylenediamine tetraacetate, metal salts of diethylenetriaminepentaacetic acid and ethylenediaminetetraacetic acid or diethylenetriaminepentaacetic acid, Ru ammonium salts and amine Shiodea. These components (B) can be used alone or in combination of two or more.
[0015]
Component (C) of the present invention is water and / or a water-miscible organic solvent. The component (C) can be preferably used for forming a liquid or gel necessary for application to the tooth. Here, as a component that can be used for forming a liquid or gel, a solvent capable of dissolving or dispersing the component (A) and the component (B) is preferable. Specific examples include water such as distilled water, ion exchange water, purified water, and physiological saline, and particularly, distilled water, purified water, and ion exchange water are preferably used. In addition, redox water prepared by electrolysis, such as strongly acidic water or strong alkaline water, can be used. Further, as the water-miscible organic solvent, a solvent that can dissolve 30% by weight or more of water at 37 ° C., more preferably 50% by weight or more, and particularly preferably a solvent that can be mixed and / or dissolved in an arbitrary ratio with water. . Further, the solvent is a liquid having a boiling point at room temperature of 180 ° C. or lower, preferably 150 ° C. or lower, and most preferably 100 ° C. or lower. Specific examples of the organic solvent include alcohols such as methanol, ethanol and propanol; ethers such as tetrahydrofuran (THF); ketones such as acetone and methyl ethyl ketone; N, N-dimethyl sulfoxide (DMSO) and the like. Sulphoxides; amides such as N, N-dimethylformamide (DMF); higher alcohols such as ethylene glycol, propylene glycol, and glycerol. Of these, alcohols such as ethanol and propanol, acetone, THF, DMSO, and the like are preferable in consideration of safety to the living body. The above water-miscible organic solvents can be used alone or in combination of two or more.
[0016]
The compounding amount of the components (A) to (C) in the pretreatment material composition of the present invention can be arbitrarily selected. The component (A) is usually 0.01 to 99.9 parts by weight, preferably 0.05 to 90 parts by weight, more preferably 100 parts by weight in total of the components (A), (B) and (C). Is used in the range of 0.1 to 70 parts by weight. (B) A component is 0.01-70 weight part on the same reference | standard, More preferably, it is 0.05-50 weight part, More preferably, it is the range of 0.1-30 weight part. The component (C) is similarly in the range of 0.09 to 99.98 parts by weight, preferably 0.5 to 99.9 parts by weight, and more preferably 1 to 99.8 parts by weight on the same basis.
[0017]
The need for Te present invention odor component (D) is ferric chloride. Although the role and function of component (D) have not yet been clarified, it is assumed that the role of component (A) or component (B) balances the functions of component (A) and component (B) and is advantageous for adhesion. Tei Ru.
[0018]
The iron ion concentration in the tooth surface treatment material is usually in the range of 1 ppm to 50% by weight. Ferric chloride (D) is usually 0.0001 to 50 parts by weight, preferably 0.0005 to 40 parts by weight based on 100 parts by weight of the total of component (A), component (B) and component (C). It is blended in the range of parts by weight, more preferably 0.001 to 30 parts by weight.
[0019]
The pretreatment material composition of the present invention can further contain a dye (E). Here, examples of the component (E) include dyes or pigments that selectively stain the softening layer, the decalcification layer, and the precursor layer. The component (E) is preferably one that does not lose color even after being washed with water for a short time, for example, within about 1 minute, after the composition containing it is applied to the dentin. The hue of the component (E) is preferably a hue that can be clearly distinguished from the tooth substance, for example, red, blue, black, dark blue, purple, and green. Specifically, Phloxine BK, Acid Red, Fast Acid Magenta, Phloxine B, Fast Green FCF, Rhodamine B, Basic Fuchsin, Acid Fuchsin, Eosin, Ethysine, Safranine, Rose Bengal, Bemel, Gentian Purple, Copper Chlorophyll Soda, Examples include lacaic acid, cochineal, and perilla. These dyes can be used alone or in combination of two or more.
[0020]
The component (E) is usually from 0.001 to 10 parts by weight, preferably 0 with respect to 100 parts by weight of the pretreatment material composition comprising the components (A) , (B), (C) and (D). 0.005 to 5 parts by weight, more preferably 0.01 to 3 parts by weight is added and used.
[0021]
The pretreatment material composition of the present invention can be further blended with a viscosity modifier for mainly adjusting the viscosity. The viscosity modifier is usually called a thickener because it is used to increase the viscosity. It is preferable that the viscosity modifier is usually used simultaneously with the component (C). Examples of the organic thickener include water-soluble polymer compounds such as polyvinyl pyrrolidone, carboxymethyl cellulose, polyvinyl alcohol, polyethylene glycol, and propylene glycol. Examples of the inorganic thickener include fine powder silica and fine powder alumina. And fine powder inorganic compounds such as fine powder zirconia. Any of these viscosity modifier compounds can be used alone or in combination of two or more.
[0022]
The viscosity modifier is usually blended in the range of 0.1 to 100 parts by weight, preferably 0.5 to 80 parts by weight, and more preferably 1 to 60 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the pretreatment material composition. .
[0023]
The pretreatment material composition of the present invention can be stored by mixing the components into one or by dividing them depending on applications and purposes, and can also be used as a kit. As a method of dividing, each component can be divided into 2 to 3 containers in any combination. An example of a kit composed of divided or divided containers is as follows. The division method of the present invention is not limited by these examples.
(1) Number of containers 1: containers (V1) containing components (A) to (D),
(2) Number of containers 2: container (V21) of composition containing component (D) and container (V22) of composition containing components (A) to (C),
(3) Number of containers 2: container (V23) of composition containing component (A) and container (V24) of composition containing components (B) to (D),
(4) Number of containers 2: container (V25) of composition containing components (A) and (B) and container (V26) of composition of components (C) and (D),
(5) Number of containers 2: container (V27) of composition containing components (A) to (C) and container (V28) containing component (D),
(6) Number of containers 3: container (V31) containing component (A), container (V32) of composition containing components (B) and (C), and container (V33) of composition containing component (D),
The method of use of the present invention is to apply directly to the carious portion to facilitate the removal of the tooth structure affected by carious bacteria, and to apply a softening layer and a demineralized layer with a cutting tool such as a dental knife or a rotating turbine. Examples thereof include a method of removing, or a method of applying the pretreatment material of the present invention by previously removing the softening layer and the decalcification layer by using a cutting tool such as a dental knife or a rotating turbine to expose the precursor layer. In the latter case, the excess liquid can be blown off by air blow as it is after application, or it can be washed off with water. Further, a method of adhering an artificial repair material by applying a primer or an adhesive can be mentioned. Since there are many variations in the presence of bacteria in the precursor fungus layer, it is preferable to remove part or most of the precursor fungus layer. It is preferable to make a judgment in consideration of the force, the distance to the pulp cavity and the physical strength of the tooth.
[0024]
At that time, the pretreatment material composition of the present invention is mechanically or chemically removed while staining the tooth substance in which carious bacteria are present with the composition containing the component (D), and immediately before applying the adhesive. By applying sequentially or simultaneously with the composition containing the components (A) to (D), which may be divided, they can be prepared in situ and used for pretreatment.
In addition, the pretreatment material composition of the present invention is prepared on the spot by directly or sequentially contacting the components (A) to (E) with the carious portion, and is mechanically or chemically prepared for caries or dentin. It can be used to remove tooth tissue in which carious bacteria are present. Thereafter, a method of applying an adhesive to the removed portion or a kit suitable for the method is provided by the present invention.
[0025]
The jig | tool used when apply | coating the component which contains at least 1 type of (A)-(E) component which comprises the pretreatment material composition of this invention, for example, a sponge pellet, a cotton ball, It can also be contained in advance in brushes, felts, and the like. By dividing the components by this method, labor and time for mixing the divided components can be shortened, and long-term storage can be performed without impairing the function and purpose of the pretreatment material composition. Although there is no restriction | limiting in particular in the component contained in the jig | tool used when apply | coating, For example, in the means of (2)-(6) illustrated by the division | segmentation method of this invention mentioned above, at least 1 divided | segmented into the container The composition can be contained in a jig.
[0026]
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, not only the adhesive force to healthy dentin but the adhesive force to a precursor microbe layer can be strengthened more, Therefore, the pretreatment material composition of this invention is provided.
Although there is no restriction | limiting in particular in the curable composition (adhesive material) used in combination with the dental pretreatment material composition of this invention, For example, visible light sensitizers, such as camphorquinone and acylphosphine oxide, and a styryl group ( Visible light curable composition comprising a radical polymerizable monomer such as (meth) acrylate, organic boron compound containing boron in the molecule, organic peroxide radical polymerization initiator such as benzoyl peroxide, inorganic such as potassium persulfate Examples thereof include a curable composition containing a redox polymerization initiator using an inorganic or organic sulfur compound such as peroxide, sodium sulfite or sodium sulfinate, and a radical polymerization monomer. The curable composition may contain a volatile organic solvent such as acetone or ethanol, or a filler such as silica, zirconia, or an aluminosilicate glass organic composite filler.
EXAMPLES The dental pretreatment material composition and kit thereof according to the present invention will be specifically described below with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0027]
【Example】
(Preparation of adhesion surface of natural carious dentin)
Immediately after removal of human molars with moderate occlusal surface dentin caries until dentin is stained with caries detection solution (Kuraray Co., Ltd.) corresponding to the pink to light pink color corresponding to the precursor layer After removing with a dental diamond point, the surface was polished under water injection using a rotary polishing device (Ecomet 3, manufactured by Buehler Co., Ltd.) and water-resistant emery paper # 600.
(Evaluation of marginal sealability to carious dentin)
A specimen that has been immersed in water for 24 hours is bonded perpendicularly to the bonding interface with a low-speed diamond cutter (Isomet, manufactured by Buehler Co., Ltd.) to produce a test piece with a thickness of about 1 mm. did. The cut surface was carefully polished to water-resistant abrasive paper # 2000 under water injection, dried at room temperature for 1 day, and the bonding state of the adhesive interface was observed with a stereomicroscope, an optical microscope or a scanning electron microscope (SEM). Of the interface bonded to pink to light pink dentin, except for the length determined to be crack or peeling, the ratio of the bonded without gap was calculated by the following formula.
[0028]
[Expression 1]
Figure 0004678911
[0029]
Example 1
As a pretreatment material composition of the present invention, 10 parts by weight of urea (A), 77 parts by weight of water (B), 10 parts by weight of citric acid (C) and 3 parts by weight of ferric chloride (D). The following dental pretreatment material composition was prepared. The composition was a clear homogeneous solution.
[0030]
For the exposed dentin, apply the dental pretreatment material composition of the present invention for 10 seconds, wash with water for 10 seconds, and then keep the wet state so that the surface water is gently wiped with Kimwipe so as not to dry, Immediately thereafter, a bonding agent of EG Bond (manufactured by Sun Medical Co., Ltd.) was applied twice in succession. After lightly air blowing, visible light was irradiated for 30 seconds using a quick light (VL-1, manufactured by Kuraray Co., Ltd.). Further, after metafil C (manufactured by Sun Medical) was built and cured as a composite resin, the prepared sample was immersed in water for 24 hours. For example, the adhesion strength was measured by performing a micro-tension test described in Japanese Dental Preservation Journal, Vol. 42, No. 3, pp. 529-535 (1999). As a result, the fine tensile bond strength was 15 MPa, which was a good bond strength.
The marginal blockage was as good as about 80%.
[0031]
Comparative Example 1
When the pretreatment material composition of the present invention was not applied in Example 1, the adhesive strength was so low that a sample for a tensile test could not be prepared.
[0032]
Comparative Example 2
In place of the pretreatment material composition of the present invention of Example 1, the pretreatment material of 10% aqueous citric acid solution containing 3% ferric chloride described in the above-mentioned magazine is 10 MPa, The marginal blockage was about 70%.
[0033]
Example 2
Using the dental pretreatment material composition of the present invention described in Example 1, it was applied to the exposed dentin for 10 seconds, washed with water for 10 seconds, and then dried by air blow. Immediately, an acrylic cube of 1 cm × 1 cm × 1 cm was bonded using Super Bond C & B (manufactured by Sun Medical Co., Ltd.). After standing at room temperature for about 30 minutes, it was immersed in water for 24 hours.
As a result of measuring the adhesive strength by performing a micro tensile test, the micro tensile adhesive strength was 28 MPa, which was a good adhesive strength, and the marginal blocking rate was 100%.
[0034]
Comparative Example 3
When the pretreatment material of 10% citric acid aqueous solution containing 3% ferric chloride described in the above-mentioned magazine was used instead of the pretreatment material composition of the present invention of Example 2, it was 17 MPa. However, the marginal blockage was 100%.
[0035]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, it can apply to a caries tooth (caries) and / or a tooth quality modified by caries, that is, a tooth in which bacteria causing caries are present, and bonds the tooth and the restoration material. Provided are a pretreatment material composition having an effect of increasing the adhesive strength and edge sealing property of an adhesive material, and a kit containing the pretreatment material composition.

Claims (4)

(A)タンパク質またはコラーゲンを溶解ないし分解しうる化合物であって、尿素およびリン酸尿素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の尿素化合物、
(B)歯質を脱灰しうる化合物であって酸性化合物(b1)およびキレート化合物(b2)よりなる群から選ばれる少なくとも1種、ここで、酸性化合物(b1)はリン酸、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、酢酸、(モノ、ジまたはトリ)クロル酢酸、プロピオン酸、α−クロルプロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、フェノールまたはポリ(メタ)アクリル酸であり、キレート化合物(b2)は、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、またはエチレンジアミン四酢酸もしくはジエチレントリアミン五酢酸の金属塩、アンモニウム塩またはアミン塩である、
(C)水および/または水混合性有機溶媒 および
(D)塩化第二鉄
を含有することを特徴とする歯科用前処理材組成物。
(A) a compound capable of dissolving or degrading protein or collagen, and at least one urea compound selected from the group consisting of urea and urea phosphate;
(B) At least one compound selected from the group consisting of an acidic compound (b1) and a chelate compound (b2), which is a compound capable of decalcifying teeth, wherein the acidic compound (b1) is phosphoric acid, hydrochloric acid, nitric acid , Sulfuric acid, formic acid, acetic acid, (mono, di or tri) chloroacetic acid, propionic acid, α-chloropropionic acid, oxalic acid, citric acid, malonic acid, maleic acid, fumaric acid, phenol or poly (meth) acrylic acid And the chelate compound (b2) is ethylenediaminetetraacetic acid, diethylenetriaminepentaacetic acid, or a metal salt, ammonium salt or amine salt of ethylenediaminetetraacetic acid or diethylenetriaminepentaacetic acid,
(C) water and / or water-miscible organic solvent and
(D) A dental pretreatment material composition comprising ferric chloride .
(B)成分が、クエン酸である請求項の歯科用前処理材組成物。 (B) component, dental pretreatment material composition according to claim 1 is citric acid. (E)染料
をさらに含む請求項1〜のいずれかの歯科用前処理材組成物。
(E) Any of the dental pretreatment material composition according to claim 1-2, further comprising a dye.
組成物の全成分が1つの容器に納められている請求項1〜のいずれかの歯科用前処理材組成物。The dental pretreatment material composition according to any one of claims 1 to 3 , wherein all components of the composition are contained in one container.
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