JP4676918B2 - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
このようなデジタル記録方式に対応させる光源としては、例えば、小型で安価な信頼性の高い半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が多く使われている。現在最もよく使用されているLDの発振波長域は780〜800nm付近の近赤外光領域にある。また、代表的なLEDの発光波長は740nmにある。
d∝(π/4)(λf/D)・・・・(1)
(式中、dは感光体上のスポット径、λはレーザー光の波長、fはfθレンズの焦点距離、Dはレンズ径である。)
このように、410nmよりも短波長の光源を書き込み光として用いることで、輪郭の鮮明さを維持した状態で、1200dpi相当のドット径約30μm又は2400dpi相当のドット径約15μm程度のビームスポット系を感光体上に照射することが可能になる。
これらを解決するためのアプローチ方法は色々あると考えられるが、両者に共通して言えることは、これら画像形成装置に使用される感光体の静電疲労による劣化を如何に小さくするかと言える。具体的には、繰り返し使用時の露光部電位の上昇を如何に抑えるかということである。
露光部電位の上昇に関する対応方法としては、ここまでの開発においては感光体の設計(処方、構成など)を工夫することにより行われてきた。しかしながら、感光体の静電疲労は感光体処方、あるいはプロセス条件によって大きく異なるものであり、感光体の開発側から考えると、プロセス条件ごとに対応を迫られる。このような状況の下で、短波長光源に適した感光体処方という観点から、感光体の静電疲労に関する検討はほとんどなされていなかった。
感光体の繰り返し使用における疲労現象に関して、ここまでの検討では一般的には感光体の残留電位が議論されてきた。この測定では、帯電した感光体にそれほど強くない光(高々、数μW/cm2程度)を数十秒程度照射し、これ以上表面電位が低下しない電位を残留電位と称して評価が行なわれてきた。この方法は、蛍光灯等のアナログ光源を用いて画像形成を行なうような装置においては有効な評価方法であった。このような方法により、感光体の繰り返し使用後における残留電位の解析を行なうと、電荷輸送層のバルクに生成したトラップにより、残留電位が発生するという結果が得られる。このため、この残留電位上昇を抑制するためには、電荷輸送層の処方設計(改良)を行なう必要があるとの結論を得る。
このような状況下で、導電性支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した感光体を繰り返し使用すると、露光部電位が上昇してくる。この現象に関して解析を行なった結果、非常に短時間の書き込みに対する感光体の応答(正負キャリアの移動)が鍵を握ることが分かった。近年の電子写真感光体においては、画像形成装置の小型化・高速化に伴い、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質の開発が大きく進み、書き込み−現像時間が100msec以下のような高速プロセスにも十分対応ができるようになってきている。従って、電荷発生層で発生した光キャリアのうち、電荷輸送層を横切るキャリア(ほとんどの場合が正孔である)は、移動律速にならず、繰り返し使用における露光部電位上昇の原因とはなりにくい。
このうち、一般的には(i)の機能と(iv)の機能の両立が非常に難しい。電荷発生層に有機電荷発生物質を用いる所謂、OPCにおいては、表面に負帯電を施して動作させる。このため、中間層は電荷発生層で発生したキャリアのうち、電子を輸送する必要がある。同時に、導電性支持体からの正孔の注入を防止しなければならない。ここで中間層には、一般的にN型と呼ばれる電子のみを輸送する整流性を有する材料が用いられるが、実際の材料としては完全なN型の特性を示すものはほとんど存在せず、両者のバランスを考慮して、どちらかの機能を優先して設計がなされる場合が多い。
類似の技術としては、特開2002−268255号公報記載のものが挙げられる。同公報には、導電性支持体上に、短波長吸収層、感光層、表面保護層からなる感光体が開示されている。この短波長吸収層とは、N型ライクな有機顔料を含有し、400〜450nmの書き込み光を吸収する層である。これにより、モアレの発生を防止するものである。この方法に依れば、確かに支持体もしくは短波長吸収層からの反射が起こらなくなり、モアレを防止することはできる。
ここまでに知られている有機材料の光キャリア発生機構は、そのほとんどが図1に示すような2段階(光励起→中間体の生成→フリーキャリアの生成)からなる反応に基づく。この際、電荷発生物質は光吸収し、より高い励起状態に励起されるものの、中間体の生成はある一定のエネルギーレベルから起こる。この一定のエネルギーレベルが、最低励起一重項状態(S1)である。基底状態(S0)と最低励起一重項状態(S1)の間よりも小さなエネルギー(長い波長の光)を照射された場合には、光キャリアはほとんど生成しない。
一方、基底状態(S0)と最低励起一重項状態(S1)の間よりも大きなエネルギー(短い波長の光)を照射された場合には、(S1)よりも高いエネルギー準位(S*)に励起され、速やかに(S1)状態まで緩和され、(S1)より中間体が形成される。この際、(S*)と(S1)のエネルギー差に相当するエネルギーは、熱的に緩和される(図では、余剰エネルギーと示している)。
この余剰エネルギーが非常に大きい場合には、熱的緩和だけでは間に合わず電荷発生層の励起状態から直接別の反応が起こる場合がある。例えば、材料の酸化、分解などがそれに当たる。特に、短波長吸収層に有機顔料を使用する場合には、書き込み光の反射がほとんど存在しないように、電荷発生層よりも高濃度で有機顔料が使用されるため、その影響は大きいものである。このようなことから、特開2002−268255号公報に記載された技術では、モアレ防止は達成できても、本発明の課題である露光部電位上昇の抑制は、継続的に達成することは出来ない。
本発明は、特開2002−268255号公報に記載の技術と類似構成でありながら、全く思想の異なる技術であり、書き込みに対する安定性も全く異なるものである。このようにして、本発明を完成するに至った。
本発明では、中間層に含有される窒素ドープ酸化チタンに光吸収させて、キャリア発生させるものであるから、吸収がより長波長側に来るほど光源の選択性などの点で非常に有利になる。
(1)「静電潜像担持体と、該静電潜像担持体を帯電する手段と、光照射により静電潜像を形成する書き込み手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と静電潜像担持体の残留電荷を光除電する除電手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層を有し、該中間層に少なくとも窒素ドープ酸化チタンを含有し、かつ該電荷発生層中に有機電荷発生物質を含有すると共に、前記書き込み手段が500nmよりも短波長の光を照射する書き込み手段であることを特徴とする画像形成装置」、
(2)「前記窒素ドープ酸化チタンが表面処理を施していないものであることを特徴とする前記第(1)項に記載の画像形成装置」、
(3)「前記有機電荷発生物質が下記(I)式で表わされるアゾ顔料であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の画像形成装置;
(4)「前記アゾ顔料のCp1とCp2が互いに異なるものであることを特徴とする前記第(3)項に記載の画像形成装置」、
(5)「前記有機電荷発生物質がCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の画像形成装置」、
(6)「前記感光層上に保護層を有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(7)「前記保護層が書き込み光を30%以上透過することを特徴とする前記第(6)項に記載の画像形成装置」、
(8)「前記保護層が、比抵抗1010Ω・cm以上の無機顔料及び金属酸化物から選択される少なくともいずれかを含むことを特徴とする前記第(6)項又は第(7)項に記載の画像形成装置」、
(9)「前記保護層が、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成されることを特徴とする前記第(6)項又は第(7)項に記載の画像形成装置」、
(10)「前記保護層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(1)及び(2)の化合物からなる群から選択された少なくとも一種以上であることを特徴とする前記第(9)項に記載の画像形成装置;
(11)「前記保護層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(3)の少なくとも一種以上であることを特徴とする前記第(9)項又は第(10)項に記載の画像形成装置;
(12)「前記保護層の硬化手段が加熱又は光エネルギー照射手段であることを特徴とする前記第(9)項乃至第(11)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(13)「前記中間層が電荷ブロッキング層とモアレ防止層から構成され、窒素ドープ酸化チタンがモアレ防止層に含有されることを特徴とする前記第(1)項乃至第(12)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(14)「前記電荷ブロッキング層が絶縁性材料からなり、その膜厚が2.0μm未満、0.3μm以上であることを特徴とする前記第(13)項に記載の画像形成装置」、
(15)「前記絶縁性材料が、N−メトキシメチル化ナイロンであることを特徴とする前記第(14)項に記載の画像形成装置」、
(16)「前記モアレ防止層が窒素ドープ酸化チタンとバインダー樹脂を含有し、両者の容積比が1/1乃至3/1の範囲であることを特徴とする前記第(13)項乃至第(15)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(17)「前記除電手段に用いられる光源波長が、500nmよりも短波長の光源であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(16)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(18)「少なくとも静電潜像担持体、帯電手段、書き込み手段、現像手段、転写手段、及び除電手段を有する画像形成要素を複数備えたことを特徴とする前記第(1)項乃至第(17)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(19)「静電潜像担持体と、帯電手段、書き込み手段、現像手段、除電手段及びクリーニング手段から選択される1つ以上の手段とが一体となり、装置本体と着脱自在なプロセスカートリッジを搭載していることを特徴とする前記第(1)項乃至第(18)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(20)「静電潜像担持体上に帯電を行なう帯電工程と光照射により静電潜像を形成する書き込み工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、該可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と静電潜像担持体の残留電荷を光除電する除電工程とを少なくとも有する画像形成方法であって、前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層を有し、該中間層に少なくとも窒素ドープ酸化チタンを含有し、かつ該電荷発生層中に有機電荷発生物質を含有すると共に、前記書き込み工程が500nmよりも短波長の光を照射する書き込み工程であることを特徴とする画像形成方法」、
(21)「前記除電工程に用いられる光源波長が、500nmよりも短波長の光源であることを特徴とする前記第(20)項に記載の画像形成方法」、
(22)「少なくとも帯電工程、書き込み工程、現像工程、転写工程、及び除電工程を有する画像形成工程を複数備えたことを特徴とする前記第(20)項又は第(21)項に記載の画像形成方法」
また、本発明における書き込み光としての500nmよりも短波長の書き込み光とは、500nm以上の長波長側の光を含まない光であることを示している(以降、500nm未満の書き込み光と記す場合がある)。
1つは、中間層の分光反射スペクトルを測定し、長波長側の吸収端を求める方法である。これは市販の分光吸収スペクトル装置があれば容易に測定できる。本発明の実施例においては、この測定を用いている。中間層吸収可能な波長は、この方法で求められる吸収端よりも短波長側の光として求められる。
2つめは、中間層の分光吸収スペクトルと発光スペクトルを求め、両者を同一のグラフに記載し、両者の交点(分光吸収スペクトル曲線の長波長側の裾と、発光スペクトル曲線の短波長側の裾との交点)の波長を求める方法である。これらは、市販の分光光度計及び蛍光光度計があれば測定することが可能である。中間層吸収可能な波長は、この方法で求められる波長(交点)よりも短波長側の光として求められる。
3つめは、伝導帯と価電子帯のエネルギーレベルを測定し、両者の差を求め、エネルギーギャップとするものである。これらは、専用の測定装置を必要とし、あまり一般的ではない。中間層吸収可能な波長は、上記のエネルギーギャップ(単位はエネルギー)を波長単位に換算し、その波長よりも短波長側の光として求められる。
感光体の繰り返し使用において、窒素ドープ酸化チタンが吸収可能である波長よりも長波長光によって書き込みがなされると、感光体で生成する光キャリアは全て電荷発生層で生成される。この際、正孔は電荷輸送層に、電子は中間層に注入され、それぞれ感光体表面あるいは導電性支持体側に輸送され、表面電荷あるいは誘導電荷(メイン帯電時に支持体側に誘起される電荷)をキャンセルする。本発明が対象とするような高速プロセスでは、電荷輸送層における正孔輸送よりも中間層における電子輸送が遅いため、中間層においては繰り返し使用と共に電子が蓄積されるようになる。
ここまで電子写真感光体の電荷輸送物質として有用に用いられてきた材料の中には、500nm未満の光を吸収してしまうような材料も含まれている。このため、このような材料を使用した場合には本発明の効果が十分に得られない場合が存在する。また、500nm未満の光を十分に透過する材料であっても、電荷輸送物質としての能力が十分でないと、繰り返し使用における感光体の静電特性の安定性を確保することができない。
上記の条件を満足するような構成とすることにより、本発明の効果は一層顕著なものとなる。
本発明の画像形成装置は、前記のように、少なくとも導電性支持体上に、窒素ドープ酸化チタンを含有する中間層、有機電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送層からなる積層感光層を有する静電潜像担持体と、帯電手段と500nmよりも短波長の光源を有する書き込み手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と除電手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記帯電工程は前記帯電手段により行なうことができ、前記書き込み工程は前記書き込み手段により行なうことができ、前記現像工程は前記現像手段により行なうことができ、前記転写工程は前記転写手段により行なうことができ、前記除電工程は前記除電手段により行なうことができ、前記定着工程は前記定着手段により行なうことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行なうことができる。
前記静電潜像担持体としては、中間層に窒素ドープ酸化チタンを含有し、電荷発生層に有機電荷発生物質を含有することを必須要件とする以外は、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。前記支持体としては、導電性を有する導電性支持体が好ましい。
図3は、本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、支持体(31)上に、窒素ドープ酸化チタンを含有する中間層(39)と、電荷発生物質として少なくとも有機電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)とが、積層された構成をとっている。
中間層は、書き込み時の光キャリア発生他に、感光体の帯電時に電極側に誘起される逆極性の電荷の感光層への注入を防止する機能と、レーザー光のようなコヒーレント光による書き込み時に生じるモアレを防止する機能の少なくとも2つの機能を有する。この機能を2つ以上の層に機能分離した機能分離型中間層は、本発明に用いられる感光体には有効な手段である。以下に、電荷ブロッキング層(43)とモアレ防止層(45)の機能分離型中間層について説明する。
また、整流性のある導電性高分子や、帯電極性に合わせてアクセプター(ドナー)性の樹脂・化合物などを加えて、基体からの電荷注入を制抑するなどの機能を持たせても良い。
また、電荷ブロッキング層の膜厚は0.1μm以上2.0μm未満、好ましくは0.3μm以上2.0μm未満程度が適当である。電荷ブロッキング層が厚くなると、帯電と露光の繰返しによって、特に低温低湿で残留電位の上昇が著しく、また、膜厚が薄すぎるとブロッキング性の効果が小さくなる、また電荷ブロッキング層には、必要に応じて硬化(架橋)に必要な薬剤、溶剤、添加剤、硬化促進材等を加えて、常法により、ブレード塗工、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート法などにより基体上に形成される。塗布後は乾燥や加熱、光等の硬化処理により乾燥あるいは硬化させる。
また、機能分離型中間層を有する感光体では支持体(31)からの電荷注入を電荷ブロッキング層にて防止するものであるから、モアレ防止層においては少なくとも感光体表面に帯電される電荷とは同極性の電荷を移動できる機能を有することが残留電位防止の観点から好ましい。このため、例えば負帯電型感光体の場合、モアレ防止層には電子伝導性を付与することが望ましく、使用する窒素ドープ酸化チタンに電子伝導性を有するものを使用するか、導電性のものを使用することが望ましい。あるいは、モアレ防止層に電子伝導性の材料(例えば、アクセプター)などを使用することは本発明の効果を一層顕著なものにするものである。
電荷発生層(35)は、電荷発生物質としての有機電荷発生物質を主成分とする層である。有機電荷発生物質を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを中間層上に塗布し、乾燥することにより形成される。
有機電荷発生物質としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
この2種類の分散液の平均粒径並びに粒度分布を公知の方法に従って、市販の粒度分布測定装置(堀場製作所製:超遠心式自動粒度分布測定装置、CAPA700)により測定した。その結果を図8に示す。図8における「A」が図6に示す分散液に対応し、「B」が図7に示す分散液に対応する。両者を比較すると、粒度分布に関してはほとんど差が認められない。また、両者の平均粒径値は、「A」が0.29μm、「B」が0.28μmと求められ、測定誤差を加味した上では、両者に全くの差異が認められない。
従って、公知の平均粒径(粒子サイズ)の規定だけでは、微量な粗大粒子の残存を検出できずに、昨今の高解像度のネガ・ポジ現像には対応できていないことが理解される。この微量な粗大粒子の存在は、塗工液を顕微鏡レベルで観察することにより、初めて認識できたものである。
即ち、できる限り粒子を微細にした分散液を作製後、適当なフィルターで濾過してしまう方法である。分散液の作製に関しては一般的な方法が用いられ、有機電荷発生物質を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、超音波などを用いて分散することで得られるものである。この際、バインダー樹脂は感光体の静電特性などにより、また溶媒は顔料へのぬれ性、顔料の分散性などにより選択すればよい。
電荷輸送物質の量はバインダー樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜100μm程度とすることが好ましい。
先に、保護層中にフィラーを添加する構成について説明する。
また、感光体の保護層に用いられるフィラー材料のうち有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料が挙げられる。特に、フィラーの硬度の点からは、この中でも無機材料を用いることが有利である。特に、無機顔料や金属酸化物が好ましく、シリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。
もう一つの理由としては、フィラー、特に金属酸化物の表面における帯電性の違いによるものである。通常、液体中に分散している粒子はプラスあるいはマイナスに帯電しており、それを電気的に中性に保とうとして反対の電荷を持つイオンが集まり、そこで電気二重層が形成されることによって粒子の分散状態は安定化している。粒子から遠ざかるに従いその電位(ゼータ電位)は徐々に低くなり、粒子から充分に離れて電気的に中性である領域の電位はゼロとなる。したがって、ゼータ電位の絶対値の増加によって粒子の反発力が高くなることによって安定性は高くなり、ゼロに近づくに従い凝集しやすく不安定になる。一方、系のpH値によってゼータ電位は大きく変動し、あるpH値において電位はゼロとなり等電点を持つことになる。したがって、系の等電点からできるだけ遠ざけて、ゼータ電位の絶対値を高めることによって分散系の安定化が図られることになる。
ここで、本発明におけるフィラーのpHは、ゼータ電位から等電点におけるpH値を記載した。この際、ゼータ電位の測定は、大塚電子(株)製レーザーゼータ電位計にて測定した。
これらフィラー材料は、適当な分散機を用いることにより分散できる。また、保護層の透過率の点から使用するフィラーは一次粒子レベルまで分散され、凝集体が少ないほうが好ましい。
このような保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。尚、上述した保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。
架橋構造の形成に関しては、1分子内に複数個の架橋性官能基を有する反応性モノマーを使用し、光や熱エネルギーを用いて架橋反応を起こさせ、3次元の網目構造を形成するものである。この網目構造がバインダー樹脂として機能し、高い耐摩耗性を発現するものである。
このような網目構造を有する保護層は、耐摩耗性が高い反面、架橋反応時に体積収縮が大きく、あまり厚膜化するとクラックなどを生じる場合がある。このような場合には、保護層を積層構造として、下層(感光層側)には低分子分散ポリマーの保護層を使用し、上層(表面側)に架橋構造を有する保護層を形成しても良い。
特定の架橋型保護層とは、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成される保護層である。3官能以上のラジカル重合性モノマーを硬化した架橋構造を有するため3次元の網目構造が発達し、架橋密度が非常に高い高硬度且つ高弾性な表面層が得られ、かつ均一で平滑性も高く、高い耐摩耗性、耐傷性が達成される。この様に感光体表面の架橋密度すなわち単位体積あたりの架橋結合数を増加させることが重要であるが、硬化反応において瞬時に多数の結合を形成させるため体積収縮による内部応力が発生する。この内部応力は架橋型保護層の膜厚が厚くなるほど増加するため保護層全層を硬化させると、クラックや膜剥がれが発生しやすくなる。この現象は初期的に現れなくても、電子写真プロセス上で繰り返し使用され帯電、現像、転写、クリーニングのハザード及び熱変動の影響を受けることにより、経時で発生しやすくなることもある。
本発明に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
CH2=CH−X1−・・・・式10
(ただし、式10中、X1は、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R10)−基(R10は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わす。)、または−S−基を表わす。)
これらの官能基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
CH2=C(Y)−X2−・・・・式11
(ただし、式11中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR11基(R11は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、または−CONR12R13(R12およびR13は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わし、互いに同一または異なっていてもよい。)、また、X2は上記式10のX1と同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表わす。ただし、Y、X2の少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。)
これらの官能基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用であり、3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば水酸基がその分子中に3個以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を3個以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なっても良い。
すなわち、本発明において使用する上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以後EO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性(以後PO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(以後ECH変性)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは、単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
前記一般式(1)、(2)において、R1の置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていても良い。
R1の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基であり、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
前記Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C1〜C12、好ましくはC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキシエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールを表わし、アルキレンエーテル基アルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
ビニレン基は、
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基としては、前記Xのアルキレンエーテル2価基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル2価基としては、カプロラクトン2価変性基が挙げられる。
但し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマーを多量に含有させると架橋型保護層の3次元架橋結合密度が実質的に低下し、耐摩耗性の低下を招く。このためこれらのモノマーやオリゴマーの含有量は、3官能以上のラジカル重合性モノマー100重量部に対し50重量部以下、好ましくは30重量部以下であればより好ましい。
UV照射の場合、メタルハライドランプ等を用いるが、照度は50mW/cm2以上、1000mW/cm2以下、時間としては5秒から5分程度が好ましく、ドラム温度は50℃を越えないように制御する。
熱硬化の場合、加熱温度は100〜170℃が好ましく、例えば加熱手段として送風型オーブンを用い、加熱温度を150℃に設定した場合、加熱時間は20分〜3時間である。
硬化終了後は、さらに残留溶媒低減のため100〜150℃で10分〜30分加熱して、本発明の感光体を得る。
また、以上の様に記述した、フィラーを含有した保護層、架橋型保護層の他に真空薄膜作成法にて形成したa−C、a−SiCなど公知の材料を保護層として用いることができる。
保護層の透過率は電荷輸送層と同様な方法で測定される。即ち、感光体に使用する保護層を単独で形成し、これを市販の分光光度計により分光吸収スペクトルを測定する。スペクトルから画像形成装置に使用する除電光の波長における透過率を求めることにより得られる。
この様な場合に透過率は、電荷輸送層と保護層を積層した状態の塗膜を上述のように分光吸収スペクトルを測定することにより求めることができる。
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量%である。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行なうことができ、前記静電潜像形成手段により行なうことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電器により静電潜像担持体に印加される電界強度としては、20〜60V/μmが好ましく、30〜50V/μmがより好ましい。感光体に印加される電界強度は高いほどドット再現性が良好になるが、電界強度が高すぎると感光体の絶縁破壊や現像時のキャリア付着等の問題が発生する場合がある。
<数式(1)>
電界強度(V/μm)=SV/G
ただし、前記数式(1)中、SVは、現像位置における静電潜像担持体の未露光部における表面電位の絶対値(V)を表わす。Gは、少なくとも感光層(電荷発生層及び電荷輸送層)を含む感光層の膜厚(μm)を表わす。
前記書き込みは、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行なうことができる。前記露光器の種類としては、500nmよりも短波長の光を発するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行なう光背面方式を採用してもよい。
このような波長範囲にレーザー発振させる技術としてはいくつかの手法が挙げられる。一つは、非線形光学材料を利用し、第2高調波発生(SHG)を用いてレーザー光の波長を2分の1にするものである(例えば、特開平9−275242号公報、特開平9−189930号公報、特開平5−313033号公報等参照)。この系は、一次光源として、既に技術が確立し高出力可能なGaAs系LDやYAGレーザーを使用することができるため、長寿命化や大出力化が可能である。もう一つは、ワイドギャップ半導体を用いるもので、SHG利用のデバイスと比べ、装置の小型化が可能である。ZnSe系半導体(特開平7−321409号公報、特開平6−334272号公報等参照)や、GaN系半導体(特開平8−88441号公報、特開平7−335975号公報等参照)を用いたLDが、その発光効率の高さから、以前から多くの研究の対象となっている。また、比較的最近の技術として、日亜化学工業から、GaN系半導体を用いたLD(405nm発振)が実用化され、上記の技術よりも格段に進んだ書き込み系が開発され、本発明にも有益に用いることができる。また、上記材料を用いたLEDランプ等も上市されており、これらも有効に使用することができる。
一方、現時点では次の課題により下限値が定められる。即ち、感光体(書き込み光入射側に存在する電荷輸送層や保護層)を構成する材料として、電荷輸送物質が挙げられるが、高移動度を有し、実用レベルで使用出来る電荷輸送物質の中で350nm程度よりも短波長側の成分の光に対して十分に透明な材料が存在しないことである。これは、現在開発されている電荷輸送物質の殆どがトリアリールアミン構造を有するものであり、この材料の長波長側の吸収端が概ね300〜350nmであることに由来する。従って、除電用光源の更なる短波長化と電荷輸送物質の更なる透明化(吸収の短波長化)が実現されれば、本発明に使用できる光源の発振波長の加減は更に短波長側に延びることになる。
前記現像は、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成することにより行なうことができる。前記トナーは、感光体の帯電極性と同極性のトナーを用いられ、反転現像(ネガ・ポジ現像)によって、静電潜像が現像される。また、トナーのみで現像を行なう1成分方式と、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤を使用した2成分方式の2通りの方法があるが、いずれの場合にも良好に使用できる。
前記転写手段は、前記可視像を記録媒体に転写する手段であるが、感光体表面から記録媒体に可視像を直接転写する方法と、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する方法がある。いずれの態様も良好に使用することができるが、高画質化に際して転写による悪影響が大きいような場合には、転写回数が少ない前者(直接転写)の方法が好ましい。
以上のような制御を加えることは、本発明における効果を顕著なものとして、有効に使用できるものである。
前記定着は、記録媒体に転写された可視像を、定着装置を用いて定着され、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行なってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行なってもよい。
前記除電手段としては、前記静電潜像担持体に対し除電を行なうことができれば良く、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、半導体レーザー(LD)、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネッセンス(EL)等が好適に挙げられる。また、除電光を500nm未満の波長とすることで、本発明の効果は一層顕著なものになる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行なうことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図9は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、後に示すような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図9において、静電潜像担持体としての感光体(1)は支持体上に少なくとも窒素ドープ酸化チタンを含有する中間層、有機系電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層からなる積層感光層が設けられてなる。感光体(1)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
現像ユニット(6)では、感光体の帯電極性と同極性のトナーが使用され、反転現像(ネガ・ポジ現像)によって、静電潜像が現像される。先の画像露光部に使用する光源によっても異なるが、近年使用するデジタル光源の場合には、一般的に画像面積率が低いことに対応して、書込部分にトナー現像を行なう反転現像方式が光源の寿命等を考慮すると有利である。また、トナーのみで現像を行なう1成分方式と、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤を使用した2成分方式の2通りの方法があるが、いずれの場合にも良好に使用できる。
このような転写部材は、構成上、本発明の構成を満足できるものであれば、公知のものを使用することができる。
また、前述のように転写電流を制御することで、転写後の感光体表面電位(書き込み光の未露光部)を低下させておくことは、画像形成1サイクルあたりの感光体通過電荷量を低減することができ、本発明においては有効に使用される。
図9中、(8)はレジストローラ、(11)は分離チャージャー、(12)は分離爪である。
図10において、符号(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)はドラム状の感光体であり、感光体は支持体上に少なくとも窒素ドープ酸化チタンを含有する中間層、有機系電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層からなる積層感光層が設けられてなる。
続いて、除電手段(27Y)、(27M)、(27C)、(27K)により、感光体上の余分な残留電荷が除去される。この後再び、帯電器で均一に帯電が施されて、次の画像形成が行なわれる。
また、先に述べたように転写後の感光体表面が、主帯電器により帯電させた極性側に100V以下に帯電させることが好ましく、逆極性側に帯電させることがより好ましく、逆極性側に100V以下に帯電させることが特に好ましい。これにより、感光体の繰り返し使用における残留電位の上昇を低減化することができる。
まず、本発明に用いたアゾ顔料及びチタニルフタロシアニン結晶の合成方法について述べる。以下の実施例で使用するアゾ顔料は、特公平60−29109号公報及び特許第3026645号公報に記載の方法に準じて作製したものである。また、チタニルフタロシアニン結晶は、以下に示すように特開2001−19871号公報及び特開2004−83859号公報に準じて作製した。
(合成例1)
特開2001−19871号公報、合成例1に準じて、顔料を作製した。即ち、1,3−ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラン200mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷した後、析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、次にメタノールで数回洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過し、次いで、洗浄液が中性になるまでイオン交換水(pH:7.0、比伝導度:1.0μS/cm)により水洗いを繰り返し(洗浄後のイオン交換水のpH値は6.8、比伝導度は2.6μS/cmであった)、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。得られたこのウェットケーキ(水ペースト)40gをテトラヒドロフラン200gに投入し、4時間攪拌を行なった後、濾過を行ない、乾燥して、チタニルフタロシアニン粉末を得た。これを顔料1とする。
前記ウェットケーキの固形分濃度は、15質量%であった。結晶変換溶媒は、前記ウェットケーキに対する質量比で33倍の量を用いた。なお、合成例1の原材料には、ハロゲン含有化合物を使用していない。
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
−チタニルフタロシアニン結晶の合成−
特開2004−83859号公報、実施例1の方法に従って、チタニルフタロシアニン顔料の水ペーストを合成し、次のように結晶変換を行ない、先の合成例1よりも一次粒子の小さなフタロシアニン結晶を得た。
先の合成例1で得られた結晶変換前の水ペースト60質量部にテトラヒドロフラン400質量部を加え、室温下でホモミキサー(ケニス、MARKIIfモデル)により強烈に撹拌(2000rpm)し、ペーストの濃紺色の色が淡い青色に変化したら(撹拌開始後20分)、撹拌を停止し、直ちに減圧濾過を行なった。濾過装置上で得られた結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、顔料のウェットケーキを得た。これを減圧下(5mmHg)、70℃で2日間乾燥して、チタニルフタロシアニン結晶8.5質量部を得た。これを顔料2とする。合成例2の原材料には、ハロゲン含有化合物を使用していない。前記ウェットケーキの固形分濃度は、15質量%であった。結晶変換溶媒は、前記ウェットケーキに対する質量比で44倍の量を用いた。
合成例1で作製した顔料1を下記組成の処方にて、下記に示す条件にて分散を行ない電荷発生層用塗工液として、分散液を作製した。
チタニルフタロシアニン顔料(顔料1) 15部
ポリビニルブチラール(積水化学製:BX−1) 10部
2−ブタノン 280部
市販のビーズミル分散機に直径0.5mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラールを溶解した2−ブタノン及び顔料を全て投入し、ローター回転数1200r.p.m.にて30分間分散を行ない、分散液を作製した。これを分散液1とした。
分散液作製例1で使用した顔料1に変えて、合成例2で作製した顔料2を使用して、分散液作製例1と同じ条件にて分散液を作製した。これを分散液2とした。
分散液作製例1で作製した分散液1を、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−1−CS(有効孔径1μm)を用いて、濾過を行なった。濾過に際しては、ポンプを使用し、加圧状態で濾過を行なった。これを分散液3とした。
分散液作製例3で使用したフィルターを、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−3−CS(有効孔径3μm)に変えた以外は、分散液作製例3と同様に加圧濾過を行ない分散液を作製した。これを分散液4とした。
下記組成の処方にて、下記に示す条件にて分散を行ない、電荷発生層用塗工液として、分散液を作製した。
下記構造のアゾ顔料 5部
シクロヘキサノン 250部
2−ブタノン 100部
ボールミル分散機に直径10mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラールを溶解した溶媒およびアゾ顔料を全て投入し、回転数85r.p.m.にて7日間分散を行ない、分散液を作製した(分散液5とする)。
分散液作製例5で使用したアゾ顔料を下記構造のものに変更した以外は、分散液作製例5と同様に分散液を作製した(分散液6とする)。
φ30mmのアルミドラム(JIS 1050)上に、下記組成の中間層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、3.5μmの中間層、0.5μmの電荷発生層、25μmの電荷輸送層を形成し、積層感光体を作製した(電子写真感光体1とする)。
◎中間層塗工液
窒素ドープ酸化チタン(表面未処理;豊田通商) 112部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 260部
先に作製した分散液1を用いた。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
塩化メチレン 80部
上記中間層塗工液を用いて、厚さ1mmのアルミ板上に、感光体1と同様に中間層を形成した。市販の分光光度計(島津:UV−3100)を用いて、中間層の分光反射スペクトルを測定した。分光反射スペクトルから、中間層の吸収端(吸収可能な長波長側の上限波長)を求め、窒素ドープ酸化チタンの吸収端はおよそ520nmと求められた。
使用した窒素ドープ酸化チタンをXPSにより置換率を求めたところ、およそ1.0at.%と求められた。このことから、概ね酸素原子の1%が窒素原子に置換されていると考えられる。
以上のように作製した電子写真感光体1を図9に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を407nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として470nmLED(日亜化学製)を用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャート(A4全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、連続5万枚印刷を行なった。
感光体帯電電位(未露光部電位):−900V
現像バイアス:−650V(ネガ・ポジ現像)
露光部表面電位:−120V
測定方法としては、図9に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体を−900Vに帯電した後、上記半導体レーザーでベタ書込みを行ない、現像部位における未露光部表面電位及び露光部電位を測定した。結果を表3に示す。
実施例2における除電光源として、523nmLED(ローム製:半値幅36nm)に変更した以外は、実施例2と同様に評価を行なった。結果を表3に示す。
実施例2における書き込み光源として、780nmLD(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)に変更した以外は、実施例2と同様に評価を行なった。結果を表3に示す。
実施例1において、試験に使用したチャートを前述の書き込み率6%チャートから、図14に示すような白ベタ部と黒ベタ部が、感光体長手方向に対して半分ずつのチャートを用いて試験を行なった。この際、5万枚後における白ベタ部と黒ベタ部の露光部電位を測定した。結果を表4に示す。
実施例2において、試験に使用したチャートを前述の書き込み率6%チャートから、図14に示すような白ベタ部と黒ベタ部が、感光体長手方向に対して半分ずつのチャートを用いて試験を行なった。この際、5万枚後における白ベタ部と黒ベタ部の露光部電位を測定した。結果を表4に示す。
感光体作製例1において、電荷発生層塗工液として、先に作製した分散液2を用いた以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体2とする)。
感光体作製例1における電荷発生層塗工液(分散液1)を、分散液3に変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体3とする)。
感光体作製例1における電荷発生層塗工液(分散液1)を、分散液4に変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体4とする)。
実施例1と同じ条件で、電子写真感光体1の代わりに電子写真感光体2を用いて評価を行なった。また、5万枚の画像出力後に、白ベタの画像を出力して、地汚れの評価を実施した。実施例1の結果と併せて表5に示す。
実施例1と同じ条件で、電子写真感光体1の代わりに電子写真感光体3を用いて評価を行なった。また、5万枚の画像出力後に、白ベタの画像を出力して、地汚れの評価を実施した。結果を表5に示す。
実施例1と同じ条件で、電子写真感光体1の代わりに電子写真感光体4を用いて評価を行なった。また、5万枚の画像出力後に、白ベタの画像を出力して、地汚れの評価を実施した。結果を表5に示す。
感光体作製例1における電荷輸送層の膜厚を23μmとし、電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を塗布乾燥し、2μmの保護層を設けた以外は感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体5とする)。
◎保護層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
感光体作製例5における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例5と同様に感光体を作製した(電子写真感光体6とする)。
酸化チタン微粒子 4部
(比抵抗:1.5×1010Ω・cm、平均一次粒径:0.5μm)
感光体作製例5における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例5と同様に感光体を作製した(電子写真感光体7とする)。
酸化錫−酸化アンチモン粉末 4部
(比抵抗:106Ω・cm、平均1次粒径0.4μm)
感光体作製例5における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例5と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体8とする)。
◎保護層塗工液
下記構造式の高分子電荷輸送物質 17部
(重量平均分子量:約140000)
感光体作製例5における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例5と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体9とする)。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
感光体作製例5における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例5と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体10とする)。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
酸化防止剤(サノール LS2626:三共化学社製) 1部
ポリカルボン酸化合物 BYK P104:ビックケミー社製 0.4部
硬化剤(ジブチル錫アセテート) 1部
2−プロパノール 200部
感光体作製例5における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例5と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体11とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
{トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
(例示化合物No.54)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
保護層は、スプレー塗工してから20分間自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射強度:500mW/cm2、照射時間:60秒の条件で光照射を行なうことによって塗布膜を硬化させた。
感光体作製例11において、保護層塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のラジカル重合性モノマーに変更した以外は、すべて感光体作製例11と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体12とする)。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
(ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR−295、化薬サートマー製)
分子量:352、官能基数:4官能、分子量/官能基数=88)
感光体作製例11の保護層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記の電荷輸送性構造を有さない2官能のラジカル重合性モノマー10部に換えた以外は、すべて感光体作製例11と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体13とする)。
電荷輸送性構造を有さない2官能のラジカル重合性モノマー 10部
(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(和光純薬製)
分子量:226、官能基数:2官能、分子量/官能基数=113)
感光体作製例11において、保護層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のラジカル重合性モノマーに換えた以外は、すべて感光体作製例11と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体14とする)。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬製)
分子量:1947、官能基数:6官能、分子量/官能基数=325)
感光体作製例11の保護層用塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を下記構造式に示される2官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物10部に換えた以外は感光体作製例11と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体15とする)。
感光体作製例11において、保護層用塗工液を下記組成に換えた以外は、感光体作製例11と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体16とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 6部
{トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 14部
(例示化合物No.54)
感光体作製例11において、保護層用塗工液を下記組成に換えた以外は、感光体作製例11と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体17とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 14部
{トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 6部
(例示化合物No.54)
感光体作製例11において、保護層用塗工液を下記組成に換えた以外は、感光体作製例11と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体18とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 2部
{トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 18部
(例示化合物No.54)
感光体作製例11において、保護層用塗工液を下記組成に換えた以外は、感光体作製例11と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体19とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 18部
{トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 2部
(例示化合物No.54)
以上のように作製した電子写真感光体1を図9に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を407nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として下記のものを用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャートを用い、連続7万枚印刷を行なった。
感光体帯電電位(未露光部電位):−900V
現像バイアス:−650V(ネガ・ポジ現像)
露光部表面電位:−120V
除電光源:キセノンランプに分光器を組み合わせて450nmの単色光を作り、これを光ファイバーによって画像形成装置に導き、スリット状の光を除電部にて感光体表面に照射した。
(1)表面電位測定
評価は、7万枚の画像印刷前後における感光体露光部電位を測定した。7万枚印刷後においても、書き込み条件(露光量)は初期状態での値に固定して電位測定を実施した。
測定方法としては、図9に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体を−900Vに帯電した後、上記半導体レーザーでベタ書込みを行ない、現像部位における露光部電位を測定した。結果を表6に示す。
また、7万枚の画像出力後(表面電位測定終了後)に、白ベタの画像を出力して、地汚れの評価を実施した(22℃−50%RH)。地汚れ評価は、前述の4段階のランク評価にて、評価を実施した。結果を表6に示す。
更に、地汚れ評価後に、低温低湿環境下(10℃、15%RH)で、図15に示すようなテストチャートを用い、実施例1と同じ条件下で、黒ベタ部から白ベタ部の方向で画像出力し、連続50枚の印刷を実施し、クリーニング性の評価を実施した。この際、50枚目の白ベタ部の画像を目視にて評価した。評価は4段階にて行ない、極めて良好なもの(クリーニング不良全くなし)を◎、良好なもの(うっすらと黒スジが入るレベル、長手方向で1〜2カ所)を○、やや劣るもの(うっすらと黒スジが入るレベル、長手方向で3〜4カ所)を△、非常に悪いもの(明確に黒スジが入るレベル)を×で表わした。結果を表6に示す。
先のクリーニング性試験に引き続き、高温高湿環境(30℃−90%RH)にて、更に1000枚の通紙試験(先の6%チャーと使用)を行い、1000枚通紙後に1ドット画像評価(独立ドットを書き込んだ画像を出力)を実施した。1ドット画像を光学顕微鏡で観察し、ドット輪郭の明確さをランク評価した。ランク評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。結果を表6に示す。
感光体初期膜厚を測定し、上記(1)〜(4)の試験を全て終了した後に再び膜厚を測定した。全ての試験前後における膜厚の差(摩耗量)を評価した。尚、膜厚の測定は、感光体長手方向の両端5cmを除き、1cm間隔に測定し、その平均値を膜厚とした。
実施例8と同じ条件で、上述のように作製した電子写真感光体5〜19を評価した。結果を表6に示す。表6には実施例番号に対応する使用した電子写真感光体番号も併せて記載する。
保護層を設けた場合でも、書き込み光の波長を407nmとし、中間層に含有される窒素ドープ酸化チタンに光吸収させることにより、残留電位上昇防止の効果が認められる。
保護層を設けることにより(実施例9〜23)、設けない場合(実施例8)に比べて、耐摩耗性が向上する。
無機顔料(金属酸化物)を含有する保護層を設けた場合(実施例9〜11)のうち、比抵抗が1010Ω・cm以上の無機顔料(金属酸化物)を含有することにより、高温高湿下でもドット再現性がそれほど低下しない(実施例9、10)。
架橋構造を保護層中に有することにより、有さない場合よりも耐摩耗性が向上する。更に、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成された保護層を用いた場合には、より高い耐摩耗性が得られる(実施例12、15、18、20〜23)。
またこれら電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成された保護層を用いた場合には、クリーニング性も良好である。
実施例18における除電光源として、523nmLED(星和電機製:半値幅36nm)に変更した以外は、実施例18と同様に露光部電位を測定し評価した。除電後の感光体表面電位が、実施例18の場合と同じになるように、除電光量を調整した。実施例18の結果と併せて結果を表7に示す。
実施例24における書き込み光源として、780nmLD(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)に変更した以外は、実施例24と同様に評価を行なった。書き込み光量は、初期状態での露光部表面電位が実施例24と等しくなるように調整した。結果を表7に示す。
感光体作製例14における保護層膜厚を2.2μmに変更した以外は、感光体作製例14と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体20とする)。
感光体作製例14における保護層膜厚を4.1μmに変更した以外は、感光体作製例14と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体21とする)。
以上のように作製した電子写真感光体20を図9に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を407nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として下記のものを用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャートを用い、連続7万枚印刷を行なった。
感光体帯電電位(未露光部電位):−900V
現像バイアス:−650V(ネガ・ポジ現像)
露光部表面電位:−130V
除電光源:キセノンランプに分光器を組み合わせて450nmの単色光を作り、これを光ファイバーによって画像形成装置に導き、スリット状の光を除電部にて感光体表面に照射した。
測定方法としては、図9に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体を−900Vに帯電した後、上記半導体レーザーでベタ書込みを行ない、現像部位における未露光部表面電位及び露光部電位を測定した。結果を表8に示す。
更に、7万枚出力後に上記電位計測を行なった後に、図16に示すようなチャート(手前半分がストライプ、後半分がハーフトーン)を出力し、ハーフトーン部における画像のムラを観察した。
実施例25において、使用した電子写真感光体20の代わりに電子写真感光体21を用いた以外は、実施例25と同様に評価を行なった。結果を表8に示す。
実施例25において、書き込み光源を380nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)に変更した以外は、実施例25と同様に評価を行なった。光量は、実施例25(初期状態)と等しくなるように調整した。結果を表8に示す。
実施例26において、書き込み光源を380nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)に変更した以外は、実施例26と同様に評価を行なった。結果を表8に示す。
また、図16のチャート出力において、実施例25〜26のハーフトーン部は全く正常な画像を形成したが、実施例27及び28においては、問題にならないレベルではあったが、ハーフトーン部にストライプに対応した僅かな残像が認められた。この程度は、実施例28の方が実施例27よりも悪かった。
上記の結果から、500nm未満の書き込み光を照射し、中間層に含有される窒素ドープ酸化チタンに光吸収させることにより、繰り返し使用後の露光部電位上昇を抑制することが出来るが、保護層の書き込み光に対する透過率が30%未満であると、僅かに副作用を生じる場合があることが分かる。
感光体作製例1における中間層を、電荷ブロッキング層とモアレ防止層の積層構成とした。それぞれの下記組成の電荷ブロッキング層塗工液、モアレ防止層塗工液を塗布乾燥して、1.0μmの電荷ブロッキング層、3.5μmのモアレ防止層とした以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体23とする)。
◎電荷ブロッキング層塗工液
N−メトキシメチル化ナイロン(鉛市:ファインレジンFR−101) 4部
メタノール 70部
n−ブタノール 30部
◎モアレ防止層塗工液
窒素ドープ酸化チタン(表面未処理;豊田通商) 126部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
感光体作製例22において、電荷ブロッキング層の膜厚を0.3μmとした以外は、感光体作製例22と同様に感光体を作製した(電子写真感光体23とする)。
感光体作製例22において、電荷ブロッキング層の膜厚を1.8μmとした以外は、感光体作製例22と同様に感光体を作製した(電子写真感光体24とする)。
感光体作製例22において、電荷ブロッキング層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例22と同様に感光体を作製した(電子写真感光体25とする)。
◎電荷ブロッキング層塗工液
アルコール可溶性ナイロン(東レ:アミランCM8000) 4部
メタノール 70部
n−ブタノール 30部
感光体作製例22において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例22と同様に感光体を作製した(電子写真感光体26とする)。
◎モアレ防止層塗工液
窒素ドープ酸化チタン(表面未処理;豊田通商) 252部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、3/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
感光体作製例22において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例22と同様に感光体を作製した(電子写真感光体28とする)。
◎モアレ防止層塗工液
窒素ドープ酸化チタン(表面未処理;豊田通商) 84部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
以上のように作製した電子写真感光体22〜27を、実施例9と同じ条件下で7万枚のランニング試験を行なった(評価方法、項目も同じ)。結果を実施例8の場合と比較して、表9に示す。
感光体作製例1における電荷発生層塗工液(分散液1)を分散液5に変更した以外は、感光体作製例1と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体28とする)。
感光体作製例1における電荷発生層塗工液(分散液1)を分散液6に変更した以外は、感光体作製例1と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体29とする)。
先に作製した電子写真感光体28を図11に示すようなプロセスカートリッジに装着し、図10に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を407nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材として接触ローラー帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として470nmLED(日亜化学製)を用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャート(A4全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、連続5万枚印刷を行なった。
感光体帯電電位(未露光部電位):−900V
現像バイアス:−650V(ネガ・ポジ現像)
露光部表面電位:−60V
また、5万枚の印刷前後において、ISO/JIS−SCID画像N1(ポートレート)を出力して、カラー色の再現性について評価した。
実施例35における除電光源として、523nmLED(星和電機製:半値幅36nm)に変更した以外は、実施例35と同様に評価を行なった。結果を表10に示す。
実施例36における書き込み光源として、655nmLD(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)に変更した以外は、実施例36と同様に評価を行なった。光量は、実施例35(初期状態)の露光部表面電位と等しくなるように調整した。結果を表10に示す。
実施例35において使用した電子写真感光体28の代わりに、電子写真感光体29を用いた以外は、実施例35と同様に評価を行なった。結果を表10に示す。
テストチャートの結果から、実施例35の場合には、5万枚印刷後においても、初期とほぼ同等の画像を出力したが、比較例3の場合には、5万枚印刷後に、カラーバランスが多少崩れた画像になった。
また、実施例35と実施例37の露光部電位の比較から、実施例35における露光部表面電位の方が低い。このことから、実施例35に使用したアゾ顔料のカップラー成分の非対称化が高感度化に寄与していることが分かる。
31 導電性支持体
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 中間層
41 保護層
43 電荷ブロッキング層
45 モアレ防止層
(図9について)
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電器
5 画像露光部
6 現像ユニット
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャー
11 分離チャージャー
12 分離爪
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
(図10について)
16Y、16M、16C、16K 感光体
17Y、17M、17C、17K 帯電器
18Y、18M、18C、18K 露光器
19Y、19M、19C、19K 現像手段
20Y、20M、20C、20K クリーニング手段
21Y、21M、21C、21K 転写ブラシ
22 転写搬送ベルト
23 レジストローラ
24 定着装置
25Y、25M、25C、25K 画像形成要素
26 転写紙
27Y、27M、27C、27K 除電手段
(図11について)
101 感光体
102 帯電器
103 画像露光部
104 現像手段
105 転写体
106 転写手段
107 クリーニング手段
108 除電手段
Claims (22)
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体を帯電する手段と、光照射により静電潜像を形成する書き込み手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と静電潜像担持体の残留電荷を光除電する除電手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層を有し、該中間層に少なくとも窒素ドープ酸化チタンを含有し、かつ該電荷発生層中に有機電荷発生物質を含有すると共に、前記書き込み手段が500nmよりも短波長の光を照射する書き込み手段であることを特徴とする画像形成装置。
- 前記窒素ドープ酸化チタンが表面処理を施していないものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記有機電荷発生物質が下記(I)式で表わされるアゾ顔料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記アゾ顔料のCp1とCp2が互いに異なるものであることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記有機電荷発生物質がCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記感光層上に保護層を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記保護層が書き込み光を30%以上透過することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記保護層が、比抵抗1010Ω・cm以上の無機顔料及び金属酸化物から選択される少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
- 前記保護層が、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成されることを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
- 前記保護層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(1)及び(2)の化合物からなる群から選択された少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
- 前記保護層の硬化手段が加熱又は光エネルギー照射手段であることを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記中間層が電荷ブロッキング層とモアレ防止層から構成され、窒素ドープ酸化チタンがモアレ防止層に含有されることを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記電荷ブロッキング層が絶縁性材料からなり、その膜厚が2.0μm未満、0.3μm以上であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
- 前記絶縁性材料が、N−メトキシメチル化ナイロンであることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
- 前記モアレ防止層が窒素ドープ酸化チタンとバインダー樹脂を含有し、両者の容積比が1/1乃至3/1の範囲であることを特徴とする請求項13乃至15の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記除電手段に用いられる光源波長が、500nmよりも短波長の光源であることを特徴とする請求項1乃至16の何れかに記載の画像形成装置。
- 少なくとも静電潜像担持体、帯電手段、書き込み手段、現像手段、転写手段、及び除電手段を有する画像形成要素を複数備えたことを特徴とする請求項1乃至17の何れかに記載の画像形成装置。
- 静電潜像担持体と、帯電手段、書き込み手段、現像手段、除電手段及びクリーニング手段から選択される1つ以上の手段とが一体となり、装置本体と着脱自在なプロセスカートリッジを搭載していることを特徴とする請求項1乃至18の何れかに記載の画像形成装置。
- 静電潜像担持体上に帯電を行なう帯電工程と光照射により静電潜像を形成する書き込み工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、該可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と静電潜像担持体の残留電荷を光除電する除電工程とを少なくとも有する画像形成方法であって、前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層を有し、該中間層に少なくとも窒素ドープ酸化チタンを含有し、かつ該電荷発生層中に有機電荷発生物質を含有すると共に、前記書き込み工程が500nmよりも短波長の光を照射する書き込み工程であることを特徴とする画像形成方法。
- 前記除電工程に用いられる光源波長が、500nmよりも短波長の光源であることを特徴とする請求項20に記載の画像形成方法。
- 少なくとも帯電工程、書き込み工程、現像工程、転写工程、及び除電工程を有する画像形成工程を複数備えたことを特徴とする請求項20又は21に記載の画像形成方法。
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