JP4676081B2 - Output control method for pulse arc welding power supply - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消耗電極パルスアーク溶接電源装置において、外部特性を形成するための出力制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
消耗電極パルスアーク溶接において、良好な溶接品質を得るためには溶接中のアーク長を適正値に維持する必要がある。このアーク長を適正値に維持するための溶接電源装置の出力制御方法としては、図3で後述するように、周波数変調制御、パルス幅変調制御、ピーク電流変調等がある。本発明では、図3で後述するように、溶接ワイヤを複数使用する多電極パルスアーク溶接において、上記の出力制御方法の中で優れた特質を有するピーク電流変調制御方法を対象とする。以下、従来技術のピーク電流変調制御方法について説明する。
【0003】
図2は、パルスアーク溶接の電流・電圧波形図である。同図(A)は出力電流Ioの時間変化を示し、同図(B)は出力電圧Voの時間変化を示し、同図(C1)〜(C3)は各時刻におけるアーク発生状態を示す。以下、同図を参照して説明する。
【0004】
▲1▼ 時刻t1〜t2の期間(ピーク期間Tp)
予め定めたピーク期間Tp(約1〜3[ms]の範囲)中は、同図(B)に示すように、予め定めたピーク電圧設定値Vspに相当するピーク電圧Vpが溶接ワイヤ・被溶接物間に印加する。このピーク電圧設定値Vspによって、適正なアーク長となるようにピーク電圧Vpを設定する。一方、この期間中は、同図(A)に示すように、上記のピーク電圧Vpとアーク負荷によって定まるピーク電流Ipが通電する。したがって、ピーク電流Ipの値は、ピーク電圧Vp及びアーク負荷によって変化する。ただし、スパッタの付着のない良好なビード外観を得るためには、このピーク電流Ipの変化幅は、1パルス1溶滴移行の電流範囲内であることが必要である。直径1.2[mm]の軟鋼ワイヤでは、この電流範囲は約400〜550[A]の範囲となる。
また、このときのアーク発生状は、同図(C1)に示すように、大電流値のピーク電流Ipの通電によって、溶接ワイヤ1の溶融が促進されてワイヤ先端部に溶滴1aが形成された状態となる。
【0005】
▲2▼ 時刻t2〜t3の期間(ベース期間Tb)
予め定めたベース期間Tb(約2〜20[ms]の範囲)中は、同図(A)に示すように、溶接ワイヤの溶融を促進させない値に予め定めたベース電流Ibが通電する。このベース電流Ibの値は、30〜80[A]程度である。一方、この期間中は、同図(B)に示すように、上記のベース電流Ibの通電に対応したベース電圧Vbが印加する。
このときのアーク発生状態は、同図(C2)に示すように、ピーク期間Tp終了直後に溶滴がワイヤ先端から離脱して被溶接物2へ移行する。その後は、同図(C3)に示すように、ベース電流Ibの値が小さいために溶接ワイヤの溶融はほとんど行われず、ワイヤ送給によってワイヤ先端位置が被溶接物2に接近する。
【0006】
上述したように、溶接ワイヤ1はピーク期間Tp中のみ溶融し、ベース期間Tb中はほとんど溶融しない。ここで、ワイヤ送給速度をWf[mm/s]とすると、時刻t1〜t3期間中のワイヤ送給量はWf1=Wf×(Tp+Tb)[mm]となる。他方、ピーク期間Tp中のワイヤ溶融量をWm1[mm]とすると、アーク長を一定値に維持するためには、Wf1=Wm1が成立する必要がある。上記のワイヤ溶融量Wm1は、ピーク期間Tpの時間長さとピーク電流値Ipとの積に比例する。ピーク期間Tpが一定値のときには、ピーク電流Ipの値によってワイヤ溶融量Wm1が変化する。また、ワイヤ溶融量Wm1とワイヤ送給量Wf1との差によって、時刻t1〜t3期間中のアーク長が変化する。したがって、ピーク電流Ipの値の変化によってアーク長を制御することができる。このアーク長を制御するための出力制御方法を、ピーク電流変調制御方法という。
【0007】
図3は、上述したパルス電流変調制御方法の優れた特質を説明するための2電極パルスアーク溶接における電流波形図である。同図は、同図(A)に示すように、2本の溶接ワイヤA1及びB1を使用して、同時に2つのアークA3及びB3を発生させて行う2電極パルスアーク溶接の場合である。同図(B1)及び(B2)は、出力制御方法が周波数変調制御の場合であり、同図(B1)は第1のアークA3を通電する第1の出力電流AIoの時間変化を示し、同図(B2)は第2のアークB3を通電する第2の出力電流BIoの時間変化を示す。また、同図(C1)及び(C2)は、出力制御方法がパルス電流変調制御の場合であり、同図(C1)は第1のアークA3を通電する第1の出力電流AIoの時間変化を示し、同図(C2)は第2のアークB3を通電する第2の出力電流BIoの時間変化を示す。以下、同図を参照して説明する。
【0008】
▲1▼ 周波数変調制御の場合
同図(B1)に示すように、第1のアークA3には、時刻t1〜t2の予め定めたピーク期間Tp中は予め定めたピーク電流Ipを通電し、続けて時刻t3までの第1のパルス周期Tf1の期間中は予め定めたベース電流Ibを通電する。周波集変調制御では、出力電圧Voの平均値が予め定めた電圧設定値と等しくなるように、上記の第1のパルス周期Tf1を制御してアーク長制御を行う。したがって、第1のパルス周期Tf1はアーク負荷の変動に応じて、毎周期ごとに刻々と変化する。
他方、同図(B2)に示すように、第2のアークB3にも。上記と同様に、時刻t1〜t2のピーク期間Tp中はピーク電流Ipを通電し、続けて時刻t4までの第2のパルス周期Tf2の期間中はベース電流Ibが通電する。2つのアークA3及びB3はそれぞれ独立して周波数変調制御(アーク長制御)されているために、上記の第1のパルス周期Tf1の時間長さと上記の第2のパルス周期Tf2の時間長さとは異なった値となる。このために、時刻t1〜t2のピーク期間Tpは同期を取ることができても、次のピーク期間Tpの同期を取ることはできない。
【0009】
2電極パルスアーク溶接では、隣接して2つのアークA3及びB3が発生するために、互いに干渉してアーク発生状態が不安定になりやすい。これを解決するためには、2つのアークA3及びB3を通電する大電流値のピーク電流Ipを完全に同期させて通電する方法が提案されている。しかし、上述したように、周波数変調制御では、2つのアークのピーク電流Ipを完全に同期させて通電することはできないために、アークの相互干渉を抑制してアーク発生状態を安定化することはできない。
【0010】
また、図は省略しているが、パルス幅変調制御では、上記のパルス周期Tfを一定値とし、ピーク期間Tpを変化させてアーク長制御を行う。このために、パルス幅変調制御においても、ピーク期間Tpの完全な同期を取ることはできず、その結果、アークの相互干渉を抑制してアーク発生状態を安定化することはできない。
【0011】
▲2▼ ピーク電流変調制御の場合
同図(C1)に示すように、第1のアークA3には、時刻t1〜t2の予め定めたピーク期間Tp中はピーク電流Ip1が通電し、続けて時刻t2〜t3の予め定めたベース期間Tb中は予め定めたベース電流Ibが通電する。他方、同図(C2)に示すように、第2のアークB3には、上記と同様にピーク期間Tp中はピーク電流Ip2が通電し、続いて上記と同様にベース期間Tb中はベース電流Ibが通電する。したがって、2つのアークA3及びB3を通電するピーク電流Ip1及びIp2の完全な同期を取ることができるので、アークの相互干渉を抑制してアーク発生状態を安定化することができる。上述したように、多電極アーク溶接においては、ピーク電流変調制御は、他の変調制御にはない優れた特質を有している。
【0012】
図4は、上述した従来技術のピーク電流変調制御方法を搭載した溶接電源装置PSのブロック図である。以下、同図を参照して説明する。
出力制御回路INVは、商用交流電源(3相200[V]等)を入力として、インバータ制御、サイリスタ位相制御等によって、後述する誤差増幅信号Eaに従ってアーク負荷に適した出力電圧Vo及び出力電流Ioを出力する。直流リアクトルDCLは、出力電流Ioの平滑を行う。溶接ワイヤ1は、ワイヤ送給装置の送給ロール5aによって溶接トーチ4を通って送給されて、被溶接物2との間でアーク3が発生する。
【0013】
電圧検出回路VDは、直流リアクトルDCLによる平滑前の出力電圧を検出して、電圧検出信号Vdを出力する。ピーク電圧設定回路VSPは、予め定めたピーク電圧設定信号Vspを出力する。この信号Vspは、溶接電源装置の外部から設定される場合もある。電圧誤差増幅回路EVは、上記の電圧検出信号Vdとピーク電圧設定信号Vspとの誤差を増幅して、電圧誤差増幅信号Evを出力する。
電流検出回路IDは、出力電流Ioを検出して、電流検出信号Idを出力する。ベース電流設定回路ISBは、予め定めたベース電流設定信号Isbを出力する。この信号Isbは、溶接電源装置の外部から設定される場合もある。電流誤差増幅回路EIは、上記の電流検出信号Idとベース電流設定信号Isbとの誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。
【0014】
切換タイマ回路TPBは、予め定めたピーク期間Tp中はHighレベルとなり、続けて予め定めたベース期間Tb中はLowレベルとなり、これらの出力を繰り返す切換信号Tpbを出力する。切換回路SWは、上記の切換信号TpbがHighレベルのときはa側に切り換って上記の電圧誤差増幅信号Evを誤差増幅信号Eaとして出力し、上記の切換信号TpbがLowレベルのときはb側に切り換って上記の電流誤差増幅信号Eiを誤差増幅信号Eaとして出力する。したがって、切換信号TpbがHighレベルとなるピーク期間Tp中はピーク電圧設定信号Vspを目標値とする定電圧制御によって溶接電源装置の外部特性は定電圧特性となり、他方、切換信号TpbがLowレベルとなるベース期間Tb中はベース電流設定信号Isbを目標値とする定電流制御によって溶接電源装置の外部特性は定電流特性となる。
【0015】
図5は、上述したピーク電流変調制御方法によるアーク長制御を説明するための外部特性・アーク特性関係図である。同図はピーク期間中の外部特性L1を示しており、横軸はピーク電流Ipを示し、縦軸はピーク電圧Vpを示す。以下、同図を参照して説明する。
図4の説明の項で前述したように、ピーク期間Tp中はピーク電圧設定信号Vspを目標値とする定電圧制御によって溶接電源装置の外部特性L1は定電圧特性となる。一般的に、溶接電源装置の内部インピーダンスの影響によって、上記の定電圧特性L1の傾きSsは−2[V/100A]程度となる。
【0016】
アーク長が適正値の定常状態のときのアーク特性を特性Y1とすると、上記の外部特性L1とアーク特性Y1との交点P1が、定常状態での動作点となる。この動作点P1では、ピーク電流IpはIp1[A]となり、ピーク電圧Vpはピーク電圧設定信号Vspに相当するVp1[V]となる。
この動作点P1の定常状態において、ワイヤ送給速度の変動、溶融池の不規則運動、手触れ等によるチップ・被溶接物間距離の変動等(以下、外乱という)によって、過渡的にアーク長が長くなると、それに応じてアーク特性は特性Y1から特性Y2へと変化する。外部特性L1は変化しないので、外部特性L1とアーク特性Y2との交点P2が変化後の動作点となる。この動作点P2では、ピーク電流Ipは減少してIp2[A]となり、ピーク電圧Vpはアーク長が長くなったために増加してVp2[V]となる。図2の説明の項で前述したように、ピーク電流Ipが動作点P1のときのIp1[A]から動作点P2のときのIp2[A]へと減少するために、ワイヤ溶融速度Wmは動作点P1のときのWm1[mm/s]から動作点P2のときのWm2[mm/s]へと小さくなる。一方、ワイヤ送給速度Wf[mm/s]は溶接中は一定値である。動作点P1のときはアーク長は適正値に維持されているので、Vf=Wm1となる。しかし、動作点P2では、ワイヤ送給速度Wf>ワイヤ溶融速度Wm2となるので、アーク長は短くなる方向へと変化する。この変化は、動作点P2が外部特性L1上を右方向へと移動して動作点P1に戻るまで続く。したがって、外乱によって過渡的に長くなったアーク長は、上記の動作点の移動に伴い適正値の定常状態に戻る。
【0017】
上記の動作を具体的な数字によって説明すると、以下のようになる。以下の説明は、直径1.2[mm]の軟鋼ワイヤを使用したパルスアーク溶接の場合である。上記の動作点P1でのピーク電流Ip1=500[A]、ピーク電圧Vp1=45[V]とする。外乱によってアーク長が少し長くなり、その結果、動作点P2のピーク電圧Vp2=46[V]に増加すると、ピーク電流Ip2=500+(1/−2)×100=450[A]へと減少する。図2の説明の項で前述したように、この変化後のピーク電流Ip2=450[A]は、1パルス1溶滴移行の電流範囲内にある。
【0018】
上述したように、溶接中に外乱によってアーク長が過渡的に長くなると、定電圧特性L1によってピーク電流Ipが減少してワイヤ溶融量が小さくなり、その結果、アーク長は元の状態に引き戻される。逆に、溶接中に外乱によってアーク長が短くなると、定電圧特性L1によってピーク電流Ipが増加してワイヤ溶融量が大きくなり、その結果、アーク長は元の状態に引き戻される。この作用を、一般的に、外部特性によるアーク長の自己制御作用という。
【0019】
図6は、上述したアーク長が過渡的に長くなったときの電流波形・アーク長関係図である。同図(A)は出力電流Ioの時間変化を示し、同図(B1)〜(B6)は各時刻におけるアーク発生状態を示す。同図は、時刻t1〜t2の期間中に外乱によってアーク長が瞬間的に長くなった場合である。以下、同図を参照して説明する。
【0020】
▲1▼ 時刻t1以前の期間(動作点P1)
時刻t1以前の動作点は図5で前述した動作点P1となるので、同図(A)に示すように、ピーク電流はIp1[A]となり、ベース電流はIb[A]となる。また、同図(B1)に示すように、アーク長は適正値のLa1[mm]の定常状態にある。
▲2▼ 時刻t1〜t2の期間(動作点P2)
時刻t1〜t2の期間中に、同図(B2)に示すように、外乱によってアーク長がLa2[mm]へと瞬間的に長くなる。
▲3▼ 時刻t2〜t3の期間(動作点P2)
前述した外部特性によるアーク長の自己制御作用によって、時刻t2〜t3の期間中の動作点はP2となり、同図(A)に示すように、ピーク電流はIp2[A]へと減少するし、同図(B3)に示すように、アーク長はLa3[mm]へと短くなる方向へ変化する。
【0021】
▲4▼ 時刻t3〜t4の期間(動作点P2から動作点P1への移動途中)
前述した外部特性によるアーク長の自己制御作用によって、時刻t3〜t4の期間中の動作点はP2からP1への移動の途中となり、同図(A)に示すように、ピーク電流はIp21[A]へと増加する方向へ変化し、同図(B4)に示すように、アーク長はLa31[mm]へと短くなる方向へ変化する。
▲5▼ 時刻t4〜t5の期間(動作点P2から動作点P1への移動途中)
前述した外部特性によるアーク長の自己制御作用によって、時刻t4〜t5の期間中の動作点はP2からP1への移動の途中となり、同図(A)に示すように、ピーク電流はIp22[A]へと増加する方向へ変化し、同図(B5)に示すように、アーク長はLa32[mm]へと短くなる方向へ変化する。
▲6▼ 時刻t5以降の期間(動作点P1)
時刻t5以降の期間中の動作点はP1となるので、同図(A)に示すように、ピーク電流はIp1[A]へと戻り、同図(B6)に示すように、アーク長はLa1[mm]へと戻る。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
図7は、本発明の解決課題を説明するための前述した図5に対応する外部特性・アーク特性関係図である。同図はピーク期間中の外部特性L1を示しており、横軸はピーク電流Ipを示し、縦軸はピーク電圧Vpを示す。また、同図に示す外部特性L1及びアーク特性Y1は、図5のときと同一である。以下、同図を参照して説明する。
【0023】
前述した図5のときと同様に、外部特性L1とアーク特性Y1との交点P1が定常状態での動作点となる。この動作点P1では、ピーク電流IpはIp1[A]となり、ピーク電圧Vpはピーク電圧設定信号Vspに相当するVp1[V]となる。
この動作点P1の定常状態において、外乱によって過渡的にアーク長が非常に長くなると、アーク特性は特性Y1から特性Y3へと変化する。外部特性L1は変化しないので、外部特性L1とアーク特性Y3との交点P3が変化後の動作点となる。この動作点P3では、ピーク電流Ipは大きく減少してIp3[A]となり、ピーク電圧Vpはアーク長が非常に長くなったために大きく増加してVp3[V]となる。したがって、同図に示すように、動作点P3でのピーク電流値Ip3は、1パルス1溶滴移行の電流範囲外の値となる。このために、動作点P3では、1パルス1溶滴移行とならないために、大粒のスパッタが発生して不良なビード外観となる。
【0024】
前述した図5のときと同様に、上記の動作を具体的な数字によって説明すると、以下のようになる。以下の説明は、直径1.2[mm]の軟鋼ワイヤを使用したパルスアーク溶接の場合である。動作点P1でのピーク電流Ip1=500[A]、ピーク電圧Vp1=45[V]とする。外乱によってアーク長が非常に長くなり、動作点P3のピーク電圧Vp3=48[V]へと増加すると、ピーク電流Ip3=500+(3/−2)×100=350[A]へと減少する。したがって、変化後のピーク電流Ip3=350[A]は、前述したように、約400〜550[A]の1パルス1溶滴移行の電流範囲外の値となる。
【0025】
前述したように、パルスアーク溶接では、ピーク電流Ipの通電によって1パルス1溶滴移行させることで、溶滴移行を微細化してスパッタの付着のない良好なビード外観を得ることができる。しかし、上述したように、外乱によってアーク長が大きく変化すると、定電圧特性L1によってピーク電流がIp3[A]へと大きく減少する。このために、ピーク電流値Ip3が1パルス1溶滴移行の電流範囲外となり、1パルス1溶滴移行が維持されなくなるために、溶滴移行が大粒になり、大粒のスパッタの付着した不良なビード外観となる。前述したように、直径1.2[mm]の軟鋼ワイヤの場合、1パルス1溶滴移行をさせる電流範囲は約400〜550[A]の範囲である。したがって、Ip3=350[A]では、1パルス1溶滴移行させることはできない。ピーク電流Ipの変化幅を400〜550[A]の範囲内に収めるためには、アーク長の変化に伴うピーク電圧Vpの変化幅が+2〜−1[V]の非常に狭い範囲内での変化である必要がある。しかしながら、実際の溶接において、外乱によるアーク長の変化に伴うピーク電圧Vpの変化幅は、±5[V]程度になることも多い。したがって、従来技術のピーク電流変調制御方法では、常に1パルス1溶滴移行の状態を維持することができない場合が生じるために、常にスパッタの付着のない良好なビード外観を得ることは困難であった。
【0026】
そこで、本発明では、溶接中に外乱によってアーク長が大きく変化したときでも、1パルス1溶滴移行の状態を維持したままでピーク電流値Ipが変化して、アーク長を元の適正値に戻すことができるピーク電流変調制御方法を提供する。
【0027】
【課題を解決するための手段】
出願時の請求項1の発明は、図8〜11に示すように、
予め定めたピーク期間Tp中は溶滴移行をさせる値のピーク電流Ipを通電し、続けて予め定めたベース期間Tb中は溶接ワイヤの溶融を促進させない値のベース電流Ibを通電する消耗電極パルスアーク溶接電源装置の出力制御方法において、
上記ピーク期間Tp中は上記溶接電源装置の外部特性を垂下特性に制御し、上記ベース期間Tb中は上記溶接電源装置の外部特性を定電流特性に制御するパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法である。
【0028】
出願時の請求項2の発明は、図12に示すように、
出願時の請求項1に記載するピーク期間Tp中の垂下特性の傾きSsが、−5[V/100A]以下−20[V/100A]以上の範囲内の値である出願時の請求項1に記載するパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法である。
【0029】
出願時の請求項3の発明は、図12〜13に示すように、
出願時の請求項2に記載するピーク期間Tp中の垂下特性の傾きSsが、ワイヤ送給速度、溶接ワイヤの直径又は被溶接物の材質の少なくとも1つ以上に対応して適正値に変化する出願時の請求項2に記載するパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法である。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例は、図1(図8と同一図)に示すように、
予め定めたピーク期間Tp中は溶滴移行をさせる値のピーク電流Ipを通電し、続けて予め定めたベース期間Tb中は溶接ワイヤの溶融を促進させない値のベース電流Ibを通電する消耗電極パルスアーク溶接電源装置の出力制御方法において、
上記ピーク期間Tp中は、溶接電源装置の外部特性を、−5[V/100A]以下−20[V/100A]以上の範囲内でワイヤ送給速度、溶接ワイヤの直径又は被溶接物の材質の少なくとも1つ以上に対応して適正値に変化する傾きSsを有する垂下特性L2に制御し、上記ベース期間Tb中は溶接電源装置の外部特性を略定電流特性に制御するパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法(ピーク電流変調制御方法)である。
【0031】
【実施例】
[実施例1]
以下に説明する実施例1の発明は、出願時の請求項1の発明に対応する。実施例1の発明は、予め定めたピーク期間Tp中は溶接電源装置の外部特性を前述した従来技術のときの定電圧特性ではなく垂下特性に制御し、予め定めたベース期間Tb中は溶接電源装置の外部特性を前述した従来技術と同様に略定電流特性に制御するピーク電流変調制御方法である。以下、図面を参照して、実施例1の発明について説明する。
【0032】
図8は、実施例1のピーク電流変調制御方法を説明するための前述した図7に対応する外部特性・アーク特性関係図である。同図はピーク期間中の外部特性L2を示しており、横軸はピーク電流Ipを示し、縦軸はピーク電圧Vpを示す。また、同図において、ピーク期間Tp中の外部特性L2は、傾きSs=−10[V/100A]を有する垂下特性に制御されている。アーク特性Y1及びY3は、図7のときと同一である。以下、同図を参照して説明する。
【0033】
前述した図7と同様に、外部特性L2とアーク特性Y1との交点P1が定常状態での動作点となる。この動作点P1では、ピーク電流IpはIp1[A]となり、ピーク電圧Vpはピーク電圧設定信号Vspに相当するVp1[V]となる。
この動作点P1の定常状態において、前述した図7のときと同様に、外乱によって過渡的にアーク長が非常に長くなると、アーク特性は特性Y1から特性Y3へと変化する。外部特性L2は変化しないので、外部特性L2とアーク特性Y3との交点P4が変化後の動作点となる。この動作点P4では、ピーク電流IpはIp4[A]となり、ピーク電圧Vpはアーク長が非常に長くなったために増加してVp4[V]となる。
【0034】
前述した図7のときと同様に、上記の動作を具体的な数字によって説明すると、以下のようになる。動作点P1でのピーク電流Ip1=500[A]、ピーク電圧Vp1=45[V]とする。外乱によってアーク長が非常に長くなり、動作点P4のピーク電圧Vp4が48[V]に増加すると、ピーク電流Ip4=500+(3/−10)×100=467[A]へと減少する。このピーク電流Ip4=467[A]は1パルス1溶滴移行の電流範囲内にあるので、溶滴移行は微細化してスパッタの発生量は非常に少ない。かつ、アーク長の変化に応じてピーク電流値Ipが変化してアーク長を元の適正値に戻す外部特性によるアーク長の自己制御作用も有している。
【0035】
さらに、溶接中に外乱によってアーク長が上記の場合よりもさらに大きく変化しても、変化後のピーク電圧Vpが+10〜−5[V]の変化であれば、ピーク電流Ipは400〜550[A]の1パルス1溶滴移行の電流範囲内の変化となるので、スパッタの付着のない良好なビード外観を得ることができる。
【0036】
図9は、図8で上述したアーク長が過渡的に長くなったときの電流波形・アーク長関係図である。同図(A)は出力電流Ioの時間変化を示し、同図(B1)〜(B6)は各時刻におけるアーク発生状態を示す。同図は、前述した図6のときと同様に、時刻t1〜t2の期間中に外乱によってアーク長が、適正値La1[mm]からLa2[mm]へと長くなった場合である。以下、同図を参照して説明する。
【0037】
▲1▼ 時刻t1以前の期間(動作点P1)
時刻t1以前の動作点は図8で前述した動作点P1となるので、同図(A)に示すように、ピーク電流はIp1[A]となり、ベース電流はIb[A]となる。また、同図(B1)に示すように、アーク長は適正値のLa1[mm]となる。
▲2▼ 時刻t1〜t2の期間(動作点P4)
時刻t1〜t2の期間中に、同図(B2)に示すように、外乱によってアーク長がLa2[mm]へと瞬間的に長くなる。
▲3▼ 時刻t2〜t3の期間(動作点P4)
前述した外部特性によるアーク長の自己制御作用によって、時刻t2〜t3の期間中の動作点はP4となり、同図(A)に示すように、ピーク電流はIp4[A]に減少し、同図(B3)に示すように、アーク長はLa4[mm]へと短くなる方向へ変化する。
【0038】
▲4▼ 時刻t3〜t4の期間(動作点P4から動作点P1への移動途中)
前述した外部特性によるアーク長の自己制御作用によって、時刻t3〜t4の期間中の動作点はP4からP1への移動の途中となり、同図(A)に示すように、ピーク電流はIp41[A]へと増加する方向へ変化し、同図(B4)に示すように、アーク長はLa41[mm]へと短くなる方向へ変化する。
▲5▼ 時刻t4〜t5の期間(動作点P4から動作点P1への移動途中)
前述した外部特性によるアーク長の自己制御作用によって、時刻t4〜t5の期間中の動作点はP4からP1への移動の途中となり、同図(A)に示すように、ピーク電流はIp42[A]へと増加する方向へ変化し、同図(B5)に示すように、アーク長はLa42[mm]へと短くなる方向へ変化する。
▲6▼ 時刻t5以降の期間(動作点P4)
時刻t5以降の期間中の動作点はP1となるので、同図(A)に示すように、ピーク電流はIp1[A]へと戻り、同図(B6)に示すように、アーク長は適正値La1[mm]へと戻る。
上述したピーク電流Ip1、Ip2、Ip4、Ip41及びIp42は、1パルス1溶滴移行の電流範囲内にあるので、スパッタの付着のない良好なビード外観となる。
【0039】
図10は、実施例1のピーク電流変調制御方法を実施するための外部特性制御溶接電源装置CPSのブロック図である。同図において、前述した図4と同一回路ブロックには同一符号を付し、それらの説明は省略する。以下、図4とは異なる回路ブロックである点線で示す外部特性傾き設定回路SS及び外部特性制御回路VSCについて、同図を参照して説明する。
【0040】
外部特性傾き設定回路SSは、予め定めた100[A]当たりの外部特性傾き設定信号Ssを出力する。外部特性制御回路VSCは、上記の外部特性傾き設定信号Ss、電流検出信号Id及びピーク電圧設定信号Vspを入力として、下式の演算を行い、外部特性を形成するための電圧制御設定信号Vscを出力する。
Vsc=(Ss/100)×(Id−Ist)+Vsp (1)式
ただし、基準電流値Ist[A]は予め定めた定数である。この外部特性の制御方法については、図11で後述する。
【0041】
図11は、外部特性の制御方法を説明するための外部特性図である。同図において、横軸は電流検出信号Idを示し、縦軸は電圧制御設定信号Vscを示す。同図はピーク期間Tp中の外部特性であるので、横軸の電流検出信号Idはピーク電流Ipに対応し、縦軸の電圧制御設定信号Vscはピーク電圧Vpに対応する。
以下、同図を参照して説明する。
【0042】
同図において、横軸に示す電流検出信号Idの値が予め定めた定数の基準電流値Ist[A]であるときの、縦軸に示す電圧制御設定信号Vscの値がピーク電圧設定信号Vspとなる(P5点)。かつ、外部特性L3の傾きがSs[V/100A]であるので、外部特性L3の直線の式は、前述した(1)式で表わされる。
ここで、電流検出信号Idの値がP5点のId1(Ist)[A]からP6点のId2[A]に変化すると、(1)式によって下記のようにVsc2[V]が演算される。
Vsc2=(Ss/100)×(Id2−Ist)+Vsp
同様に、電流検出信号Idの値がP7点のId3[A]に変化すると、(1)式によって下記のようにVsc3[V]が演算される。
Vsc3=(Ss/100)×(Id3−Ist)+Vsp
上述したように、電流検出信号Idに対応した電圧制御設定信号Vscを(1)式に基づいて演算することによって、予め定めた外部特性傾きSsを有する所定の外部特性(垂下特性)を形成することができる。
【0043】
[実施例2]
以下に説明する実施例2の発明は、出願時の請求項2の発明に対応する。実施例2の発明は、前述した実施例1の発明におけるピーク期間Tp中の垂下特性の傾きSsが、−5[V/100A]以下−20[V/100A]以上の範囲内の値であるピーク電流変調制御方法である。以下、実施例2の発明について、図12を参照して説明する。
【0044】
実施例2のピーク電流変調制御方法は、前述した図10の外部特性制御溶接電源装置CPSによって実施することができる。すなわち、図10の外部特性傾き設定信号Ssの値を、−5以下−20以上の範囲内で所定値に設定すればよい。
図12は、種々の溶接条件下におぇる外部特性傾きSsの適正範囲を示す図である。同図において、横軸はワイヤ送給速度[m/分]を示し、縦軸はピーク期間Tp中の外部特性の傾きSs[V/100A]を示す。同図は、溶接ワイヤが直径1.2[mm]の軟鋼ワイヤ、直径1.6[mm]の軟鋼ワイヤ、直径1.2[mm]のステンレス鋼(SUS)ワイヤ及び直径1.2[mm]のアルミニウム合金(Al)ワイヤであるときの、ワイヤ送給速度に対する外部特性傾きSsの適正値を示す。同図から明らかなように、外部特性傾きSsの適正範囲は、−5以下−20以上の範囲であることがわかる。
【0045】
[実施例3]
以下に説明する実施例3の発明は、出願時の請求項3の発明に対応する。実施例3の発明は、前述した実施例2の発明におけるピーク期間Tp中の垂下特性の傾きSsが、ワイヤ送給速度、溶接ワイヤの直径又は被溶接物の材質の少なくとも1つ以上に対応して適正値に変化するピーク電流変調制御方法である。以下、図13を参照して実施例3の発明について説明する。
【0046】
実施例3のピーク電流変調制御方法を実施するための溶接電源装置のブロック図は、前述した図10の外部特性傾き設定回路SSを後述する図13の回路に置換したブロック図となる。上記以外の回路ブロックは図10と同一であるので、それらの説明は省略する。
図13は、実施例3の外部特性傾き設定回路SSのブロック図である。外部特性傾き設定回路SSは、ワイヤ送給速度、溶接ワイヤの直径及び被溶接物の材質に対応した適正値の外部特性傾き設定信号Ssを出力する。ワイヤ送給速度、溶接ワイヤの直径及び被溶接物の材質に対応した外部特性傾きSsの適正値は、前述した図12のようになる。例えば、ワイヤ送給速度が10[m/分]であり、溶接ワイヤの直径が1.2[mm]であり、被溶接物の材質が軟鋼のときの外部特性傾きSsの適正値は、同図に示すように、−9[V/100A]となる。また、ワイヤ送給速度が10[m/分]であり、溶接ワイヤの直径が1.2[mm]であり、被溶接物の材質がアルミニウム合金のときの外部特性傾きSsの適正値は、同図に示すように、−20[V/100A]となる。
【0047】
上述した実施例1〜3においては、パルスアーク溶接法として直流パルスアーク溶接法について説明したが、交流パルスアーク溶接法についても同様である。
すなわち、交流パルスアーク溶接において、電極プラス極性のピーク期間中は外部特性を垂下特性に制御し、電極プラス極性のベース期間中及び電極マイナス極性の電極マイナス期間中は外部特性を略定電流特性に制御するピーク電流変調制御方法である。
また、上述した実施例1〜3において、ベース期間Tb中の外部特性を略定電流特性としたが、略定電流特性には急な傾きSsを有する垂下特性を含んでいる。
【0048】
【発明の効果】
本発明では、ピーク期間Tp中の外部特性を垂下特性とすることによって、溶接中に外乱によってアーク長が大きく変化しても、常に1パルス1溶滴移行の電流範囲内でピーク電流Ipが変化してアーク長を適正値速やかに戻すので、スパッタの付着のない良好なビード外観を得ることができる。
さらに、実施例3の発明では、ピーク期間Tp中の外部特性の傾きSsがワイヤ送給速度、溶接ワイヤの直径又は被溶接物の材質の少なくとも1つ以上に対応して適正値に変化するので、種々の溶接条件下においても上記の効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態を例示する外部特性・アーク特性関係図
【図2】パルスアーク溶接の電流・電圧波形図
【図3】2電極パルスアーク溶接の電流波形図
【図4】従来の溶接電源装置のブロック図
【図5】従来技術のときの外部特性・アーク特性関係図
【図6】従来技術のときの電流波形・アーク長関係図
【図7】解決課題を説明するための外部特性・アーク特性関係図
【図8】実施例1の外部特性・アーク特性関係図
【図9】実施例1の電流波形・アーク長関係図
【図10】実施例1の溶接電源装置のブロック図
【図11】実施例1の外部特性図
【図12】外部特性の傾きの適正範囲図
【図13】実施例3の外部特性傾き設定回路SSのブロック図
【符号の説明】
1 溶接ワイヤ
1a 溶滴
2 被溶接物
3 アーク
4a 溶接トーチのコンタクトチップ
5a ワイヤ送給装置の送給ロール
A1 第1の溶接ワイヤ
A3 第1のアーク
AIo 第1の出力電流
B1 第2の溶接ワイヤ
B3 第2のアーク
BIo 第2の出力電流
CPS 外部特性制御溶接電源装置
DCL 直流リアクトル
Ea 誤差増幅信号
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
Ib ベース電流
ID 電流検出回路
Id 電流検出信号
INV 出力制御回路
Io 出力電流
Ip ピーク電流
ISB ベース電流設定回路
Isb ベース電流設定(値/信号)
Ist 基準電流値
L1〜L3 外部特性
La アーク長
P1〜P7 動作点
PS 溶接電源装置
SS 外部特性傾き設定回路
Ss 外部特性傾き(設定信号)
SW 切換回路
Tb ベース期間
Tf パルス周期
Tp ピーク期間
TPB 切換タイマ回路
Tpb 切換信号
Vb ベース電圧
VD 電圧検出回路
Vd 電圧検出信号
Vo 出力電圧
Vp ピーク電圧
VSC 外部特性制御回路
Vsc 電圧制御設定信号
VSP ピーク電圧設定回路
Vsp ピーク電圧設定(値/信号)
Y1〜Y3 アーク特性[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an output control method for forming external characteristics in a consumable electrode pulse arc welding power supply apparatus.
[0002]
[Prior art]
In consumable electrode pulse arc welding, it is necessary to maintain the arc length during welding at an appropriate value in order to obtain good welding quality. As an output control method of the welding power source apparatus for maintaining the arc length at an appropriate value, there are frequency modulation control, pulse width modulation control, peak current modulation, and the like, as will be described later with reference to FIG. In the present invention, as will be described later with reference to FIG. 3, in multi-electrode pulse arc welding using a plurality of welding wires, a peak current modulation control method having excellent characteristics among the above output control methods is targeted. Hereinafter, a conventional peak current modulation control method will be described.
[0003]
FIG. 2 is a current / voltage waveform diagram of pulse arc welding. 4A shows the time change of the output current Io, FIG. 2B shows the time change of the output voltage Vo, and FIGS. 1C1 to C3 show the arc generation state at each time. Hereinafter, a description will be given with reference to FIG.
[0004]
(1) Period from time t1 to t2 (peak period Tp)
During a predetermined peak period Tp (in the range of about 1 to 3 [ms]), as shown in FIG. 5B, the peak voltage Vp corresponding to the predetermined peak voltage set value Vsp is the welding wire / welded. Apply between objects. With this peak voltage setting value Vsp, the peak voltage Vp is set so as to have an appropriate arc length. On the other hand, during this period, the peak current Ip determined by the peak voltage Vp and the arc load is applied as shown in FIG. Therefore, the value of the peak current Ip varies depending on the peak voltage Vp and the arc load. However, in order to obtain a good bead appearance without spatter adhesion, the change width of the peak current Ip needs to be within the current range of 1 pulse per droplet transfer. In a mild steel wire having a diameter of 1.2 [mm], this current range is approximately 400 to 550 [A].
In addition, as shown in FIG. 1C1, the arc occurrence at this time is accelerated by the application of the peak current Ip having a large current value, and melting of the
[0005]
(2) Period from time t2 to t3 (base period Tb)
During a predetermined base period Tb (in the range of about 2 to 20 [ms]), as shown in FIG. 5A, a predetermined base current Ib is energized to a value that does not promote melting of the welding wire. The value of the base current Ib is about 30 to 80 [A]. On the other hand, during this period, the base voltage Vb corresponding to the energization of the base current Ib is applied as shown in FIG.
In the arc generation state at this time, as shown in (C2) in the figure, immediately after the end of the peak period Tp, the droplets are detached from the tip of the wire and transferred to the
[0006]
As described above, the
[0007]
FIG. 3 is a current waveform diagram in two-electrode pulse arc welding for explaining the superior characteristics of the above-described pulse current modulation control method. This figure shows a case of two-electrode pulse arc welding in which two arcs A3 and B3 are simultaneously generated using two welding wires A1 and B1, as shown in FIG. FIGS. (B1) and (B2) show the case where the output control method is frequency modulation control, and (B1) shows the time change of the first output current AIo energizing the first arc A3. FIG. (B2) shows the time change of the second output current BIo energizing the second arc B3. FIGS. (C1) and (C2) show the case where the output control method is pulse current modulation control. FIG. (C1) shows the time change of the first output current AIo energizing the first arc A3. FIG. 3C2 shows the change over time of the second output current BIo for energizing the second arc B3. Hereinafter, a description will be given with reference to FIG.
[0008]
(1) For frequency modulation control
As shown in FIG. 5B1, the first arc A3 is energized with a predetermined peak current Ip during a predetermined peak period Tp from time t1 to time t2, and then the first arc A3 until time t3. A predetermined base current Ib is applied during the period of the pulse period Tf1. In the frequency modulation control, the arc length control is performed by controlling the first pulse period Tf1 so that the average value of the output voltage Vo becomes equal to a predetermined voltage setting value. Therefore, the first pulse period Tf1 changes every period according to the fluctuation of the arc load.
On the other hand, as shown in FIG. Similarly to the above, the peak current Ip is energized during the peak period Tp from time t1 to t2, and then the base current Ib is energized during the second pulse period Tf2 until time t4. Since the two arcs A3 and B3 are independently subjected to frequency modulation control (arc length control), the time length of the first pulse period Tf1 and the time length of the second pulse period Tf2 are different from each other. Different values. For this reason, even if the peak period Tp between times t1 and t2 can be synchronized, the next peak period Tp cannot be synchronized.
[0009]
In the two-electrode pulse arc welding, since two arcs A3 and B3 are generated adjacent to each other, the arc generation state tends to become unstable due to interference with each other. In order to solve this, a method has been proposed in which energization is performed by completely synchronizing the peak current Ip having a large current value for energizing the two arcs A3 and B3. However, as described above, in the frequency modulation control, the peak currents Ip of the two arcs cannot be energized in complete synchronization. Therefore, it is impossible to stabilize the arc generation state by suppressing the mutual interference of the arcs. Can not.
[0010]
Although omitted in the figure, in the pulse width modulation control, the above-described pulse period Tf is set to a constant value, and the arc length control is performed by changing the peak period Tp. For this reason, even in the pulse width modulation control, the peak period Tp cannot be completely synchronized, and as a result, the arc generation state cannot be stabilized by suppressing the mutual interference of the arcs.
[0011]
(2) For peak current modulation control
As shown in FIG. 11C1, the first arc A3 is energized with a peak current Ip1 during a predetermined peak period Tp from time t1 to t2, and then a predetermined base period from time t2 to t3. A predetermined base current Ib is energized during Tb. On the other hand, as shown in FIG. 2C2, the second arc B3 is supplied with the peak current Ip2 during the peak period Tp as described above, and then the base current Ib during the base period Tb as described above. Is energized. Therefore, since the peak currents Ip1 and Ip2 that energize the two arcs A3 and B3 can be perfectly synchronized, it is possible to suppress the mutual interference of the arcs and stabilize the arc generation state. As described above, in multi-electrode arc welding, the peak current modulation control has excellent characteristics not found in other modulation controls.
[0012]
FIG. 4 is a block diagram of a welding power source apparatus PS equipped with the above-described conventional peak current modulation control method. Hereinafter, a description will be given with reference to FIG.
The output control circuit INV receives a commercial AC power supply (three-phase 200 [V], etc.) as an input, and outputs an output voltage Vo and an output current Io suitable for an arc load according to an error amplification signal Ea described later by inverter control, thyristor phase control, and the like Is output. The direct current reactor DCL smoothes the output current Io. The
[0013]
The voltage detection circuit VD detects the output voltage before being smoothed by the DC reactor DCL, and outputs a voltage detection signal Vd. The peak voltage setting circuit VSP outputs a predetermined peak voltage setting signal Vsp. This signal Vsp may be set from outside the welding power supply device. The voltage error amplification circuit EV amplifies the error between the voltage detection signal Vd and the peak voltage setting signal Vsp and outputs a voltage error amplification signal Ev.
The current detection circuit ID detects the output current Io and outputs a current detection signal Id. The base current setting circuit ISB outputs a predetermined base current setting signal Isb. This signal Isb may be set from the outside of the welding power supply device. The current error amplification circuit EI amplifies an error between the current detection signal Id and the base current setting signal Isb, and outputs a current error amplification signal Ei.
[0014]
The switching timer circuit TPB is at a high level during a predetermined peak period Tp and is subsequently at a low level during a predetermined base period Tb, and outputs a switching signal Tpb that repeats these outputs. The switching circuit SW switches to the a side when the switching signal Tpb is at a high level and outputs the voltage error amplification signal Ev as an error amplification signal Ea. When the switching signal Tpb is at a low level, Switching to the b side outputs the current error amplification signal Ei as the error amplification signal Ea. Therefore, during the peak period Tp in which the switching signal Tpb is at a high level, the external characteristics of the welding power source device are constant voltage characteristics by constant voltage control using the peak voltage setting signal Vsp as a target value, while the switching signal Tpb is at a low level. During the base period Tb, the external characteristic of the welding power source device becomes a constant current characteristic by constant current control using the base current setting signal Isb as a target value.
[0015]
FIG. 5 is an external characteristic / arc characteristic relationship diagram for explaining the arc length control by the above-described peak current modulation control method. The figure shows the external characteristic L1 during the peak period, the horizontal axis shows the peak current Ip, and the vertical axis shows the peak voltage Vp. Hereinafter, a description will be given with reference to FIG.
As described above in the description of FIG. 4, the external characteristic L1 of the welding power source device becomes a constant voltage characteristic by the constant voltage control using the peak voltage setting signal Vsp as a target value during the peak period Tp. Generally, the slope Ss of the constant voltage characteristic L1 is about −2 [V / 100 A] due to the influence of the internal impedance of the welding power source device.
[0016]
Assuming that the arc characteristic when the arc length is in a steady state with an appropriate value is the characteristic Y1, the intersection P1 between the external characteristic L1 and the arc characteristic Y1 is an operating point in the steady state. At this operating point P1, the peak current Ip is Ip1 [A], and the peak voltage Vp is Vp1 [V] corresponding to the peak voltage setting signal Vsp.
In the steady state at the operating point P1, the arc length is transiently caused by fluctuations in the wire feed speed, irregular movement of the molten pool, fluctuations in the distance between the tip and the workpiece due to touching, etc. (hereinafter referred to as disturbance). Becomes longer, the arc characteristic changes from characteristic Y1 to characteristic Y2 accordingly. Since the external characteristic L1 does not change, the intersection P2 between the external characteristic L1 and the arc characteristic Y2 becomes the operating point after the change. At this operating point P2, the peak current Ip decreases to Ip2 [A], and the peak voltage Vp increases to Vp2 [V] because the arc length is increased. As described above in the description section of FIG. 2, the wire melting rate Wm is increased because the peak current Ip decreases from Ip1 [A] at the operating point P1 to Ip2 [A] at the operating point P2. It decreases from Wm1 [mm / s] at the point P1 to Wm2 [mm / s] at the operating point P2. On the other hand, the wire feed speed Wf [mm / s] is a constant value during welding. At the operating point P1, since the arc length is maintained at an appropriate value, Vf = Wm1. However, at the operating point P2, since the wire feed speed Wf> the wire melting speed Wm2, the arc length changes in the direction of shortening. This change continues until the operating point P2 moves rightward on the external characteristic L1 and returns to the operating point P1. Therefore, the arc length that becomes transiently long due to the disturbance returns to the steady state of the appropriate value as the operating point moves.
[0017]
The above operation will be described with specific numbers as follows. The following description is for the case of pulse arc welding using a mild steel wire having a diameter of 1.2 [mm]. It is assumed that the peak current Ip1 = 500 [A] and the peak voltage Vp1 = 45 [V] at the operating point P1. As a result, the arc length becomes slightly longer due to the disturbance, and as a result, when the peak voltage Vp2 = 46 [V] at the operating point P2 increases, the peak current Ip2 = 500 + (1 / −2) × 100 = 450 [A] decreases. . As described above in the description of FIG. 2, the peak current Ip2 = 450 [A] after this change is within the current range of 1 pulse / one droplet transfer.
[0018]
As described above, when the arc length becomes transiently long due to disturbance during welding, the peak current Ip is reduced by the constant voltage characteristic L1 and the amount of wire melting is reduced. As a result, the arc length is pulled back to the original state. . Conversely, when the arc length is shortened due to disturbance during welding, the peak current Ip is increased by the constant voltage characteristic L1 and the amount of wire melting is increased. As a result, the arc length is pulled back to the original state. This action is generally referred to as an arc length self-control action due to external characteristics.
[0019]
FIG. 6 is a current waveform / arc length relationship diagram when the arc length described above becomes transiently long. FIG. 4A shows the change over time of the output current Io, and FIGS. 4B to 6B show the arc generation state at each time. This figure shows a case where the arc length is instantaneously increased due to disturbance during the period from time t1 to time t2. Hereinafter, a description will be given with reference to FIG.
[0020]
(1) Period before time t1 (operating point P1)
Since the operating point before time t1 is the operating point P1 described above with reference to FIG. 5, the peak current is Ip1 [A] and the base current is Ib [A] as shown in FIG. Further, as shown in FIG. 5B1, the arc length is in a steady state with an appropriate value La1 [mm].
(2) Period from time t1 to t2 (operation point P2)
During the period from the time t1 to the time t2, as shown in FIG. 5B2, the arc length is instantaneously increased to La2 [mm] due to the disturbance.
(3) Period from time t2 to t3 (operating point P2)
Due to the self-control action of the arc length due to the external characteristics described above, the operating point during the period from time t2 to t3 becomes P2, and as shown in FIG. 4A, the peak current decreases to Ip2 [A], As shown in the figure (B3), the arc length changes in the direction of shortening to La3 [mm].
[0021]
(4) Period from time t3 to t4 (middle of movement from operating point P2 to operating point P1)
Due to the self-control action of the arc length due to the external characteristics described above, the operating point during the period from the time t3 to the time t4 is in the middle of movement from P2 to P1, and as shown in FIG. ], And the arc length changes in a direction of shortening to La31 [mm], as shown in FIG.
(5) Period from time t4 to t5 (middle of movement from operating point P2 to operating point P1)
Due to the self-control action of the arc length due to the external characteristics described above, the operating point during the period from time t4 to t5 is in the middle of movement from P2 to P1, and as shown in FIG. ], And the arc length changes to La32 [mm] as shown in (B5).
(6) Period after time t5 (operating point P1)
Since the operating point during the period after time t5 is P1, the peak current returns to Ip1 [A] as shown in FIG. 5A, and the arc length is La1 as shown in FIG. Return to [mm].
[0022]
[Problems to be solved by the invention]
FIG. 7 is an external characteristic / arc characteristic relationship diagram corresponding to FIG. 5 described above for explaining the problem to be solved by the present invention. The figure shows the external characteristic L1 during the peak period, the horizontal axis shows the peak current Ip, and the vertical axis shows the peak voltage Vp. Further, the external characteristic L1 and the arc characteristic Y1 shown in the figure are the same as those in FIG. Hereinafter, a description will be given with reference to FIG.
[0023]
As in the case of FIG. 5 described above, the intersection P1 between the external characteristic L1 and the arc characteristic Y1 is an operating point in a steady state. At this operating point P1, the peak current Ip is Ip1 [A], and the peak voltage Vp is Vp1 [V] corresponding to the peak voltage setting signal Vsp.
In the steady state at the operating point P1, when the arc length becomes transiently very long due to disturbance, the arc characteristic changes from the characteristic Y1 to the characteristic Y3. Since the external characteristic L1 does not change, the intersection P3 between the external characteristic L1 and the arc characteristic Y3 becomes the operating point after the change. At this operating point P3, the peak current Ip is greatly reduced to Ip3 [A], and the peak voltage Vp is greatly increased to Vp3 [V] because the arc length is very long. Therefore, as shown in the figure, the peak current value Ip3 at the operating point P3 is a value outside the current range of 1 pulse per droplet transfer. For this reason, at the operating point P3, since 1 pulse per 1 droplet is not transferred, large spatter is generated, resulting in a poor bead appearance.
[0024]
As in the case of FIG. 5 described above, the above operation will be described with specific numerals as follows. The following description is for the case of pulse arc welding using a mild steel wire having a diameter of 1.2 [mm]. The peak current Ip1 at the operating point P1 = 500 [A] and the peak voltage Vp1 = 45 [V]. When the arc length becomes very long due to the disturbance and increases to the peak voltage Vp3 = 48 [V] at the operating point P3, the peak current Ip3 = 500 + (3 / −2) × 100 = 350 [A] decreases. Therefore, the peak current Ip3 = 350 [A] after the change is a value outside the current range of 1 pulse / one droplet transfer of about 400 to 550 [A] as described above.
[0025]
As described above, in pulse arc welding, by transferring one pulse per droplet by energization with a peak current Ip, it is possible to refine the droplet transfer and obtain a good bead appearance without spatter adhesion. However, as described above, when the arc length greatly changes due to disturbance, the peak current is greatly reduced to Ip3 [A] by the constant voltage characteristic L1. For this reason, the peak current value Ip3 is out of the current range of 1
[0026]
Therefore, in the present invention, even when the arc length greatly changes due to disturbance during welding, the peak current value Ip changes while maintaining the state of one pulse per droplet transfer, and the arc length is returned to the original appropriate value. A peak current modulation control method that can be returned is provided.
[0027]
[Means for Solving the Problems]
The invention of
A consumable electrode pulse that energizes a peak current Ip having a value that causes droplet transfer during a predetermined peak period Tp, and then energizes a base current Ib that does not promote melting of the welding wire during a predetermined base period Tb. In the output control method of the arc welding power supply device,
During the peak period Tp, the external characteristics of the welding power supply device are controlled to be drooping characteristics, and during the base period Tb, the external characteristics of the welding power supply apparatus are controlled. Constant current characteristics It is the output control method of the pulse arc welding power supply device to be controlled.
[0028]
The invention of
[0029]
The invention of
The slope Ss of the drooping characteristic during the peak period Tp described in
[0030]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
An example of an embodiment of the present invention is shown in FIG. 1 (same as FIG. 8),
A consumable electrode pulse that energizes a peak current Ip having a value that causes droplet transfer during a predetermined peak period Tp, and then energizes a base current Ib that does not promote melting of the welding wire during a predetermined base period Tb. In the output control method of the arc welding power supply device,
During the peak period Tp, the external characteristics of the welding power source are set within the range of -5 [V / 100A] or less and -20 [V / 100A] or more, the wire feed speed, the diameter of the welding wire, or the material of the workpiece. The pulse arc welding power source apparatus controls the drooping characteristic L2 having a slope Ss that changes to an appropriate value corresponding to at least one of the above and controls the external characteristic of the welding power source apparatus to a substantially constant current characteristic during the base period Tb. This is an output control method (peak current modulation control method).
[0031]
【Example】
[Example 1]
The invention of the first embodiment described below corresponds to the invention of
[0032]
FIG. 8 is an external characteristic / arc characteristic relationship diagram corresponding to FIG. 7 described above for explaining the peak current modulation control method of the first embodiment. The figure shows the external characteristic L2 during the peak period, the horizontal axis shows the peak current Ip, and the vertical axis shows the peak voltage Vp. Further, in the figure, the external characteristic L2 during the peak period Tp is controlled to a drooping characteristic having a slope Ss = −10 [V / 100A]. The arc characteristics Y1 and Y3 are the same as in FIG. Hereinafter, a description will be given with reference to FIG.
[0033]
Similarly to FIG. 7 described above, the intersection P1 between the external characteristic L2 and the arc characteristic Y1 is an operating point in a steady state. At this operating point P1, the peak current Ip is Ip1 [A], and the peak voltage Vp is Vp1 [V] corresponding to the peak voltage setting signal Vsp.
In the steady state of the operating point P1, as in the case of FIG. 7 described above, when the arc length becomes transiently long due to a disturbance, the arc characteristic changes from the characteristic Y1 to the characteristic Y3. Since the external characteristic L2 does not change, the intersection P4 between the external characteristic L2 and the arc characteristic Y3 becomes the operating point after the change. At this operating point P4, the peak current Ip becomes Ip4 [A], and the peak voltage Vp increases to Vp4 [V] because the arc length has become very long.
[0034]
As in the case of FIG. 7 described above, the above operation will be described with specific numerals as follows. The peak current Ip1 at the operating point P1 = 500 [A] and the peak voltage Vp1 = 45 [V]. When the arc length becomes very long due to the disturbance and the peak voltage Vp4 at the operating point P4 increases to 48 [V], the peak current Ip4 = 500 + (3 / −10) × 100 = 467 [A] decreases. Since this peak current Ip4 = 467 [A] is within the current range of 1 pulse per droplet transfer, the droplet transfer is miniaturized and the amount of spatter generated is very small. In addition, the peak current value Ip changes according to the change of the arc length, and it has a self-control action of the arc length by an external characteristic that returns the arc length to the original proper value.
[0035]
Furthermore, even if the arc length changes more greatly than in the above case due to disturbance during welding, the peak current Ip is 400 to 550 [if the peak voltage Vp after the change is +10 to -5 [V]. A] changes within the current range of 1-pulse 1-droplet transfer, so that a good bead appearance without spatter adhesion can be obtained.
[0036]
FIG. 9 is a current waveform / arc length relationship diagram when the arc length described above in FIG. 8 becomes transiently long. FIG. 4A shows the change over time of the output current Io, and FIGS. 4B to 6B show the arc generation state at each time. This figure shows a case where the arc length is increased from the appropriate value La1 [mm] to La2 [mm] due to the disturbance during the period from the time t1 to the time t2, as in FIG. Hereinafter, a description will be given with reference to FIG.
[0037]
(1) Period before time t1 (operating point P1)
Since the operating point before time t1 is the operating point P1 described above with reference to FIG. 8, the peak current is Ip1 [A] and the base current is Ib [A], as shown in FIG. Further, as shown in FIG. 5B1, the arc length is an appropriate value La1 [mm].
(2) Period from time t1 to t2 (operation point P4)
During the period from the time t1 to the time t2, as shown in FIG. 5B2, the arc length is instantaneously increased to La2 [mm] due to the disturbance.
(3) Period of time t2 to t3 (operating point P4)
Due to the self-control action of the arc length due to the external characteristics described above, the operating point during the period from time t2 to t3 becomes P4, and the peak current decreases to Ip4 [A] as shown in FIG. As shown in (B3), the arc length changes in a direction of shortening to La4 [mm].
[0038]
(4) Period from time t3 to t4 (middle of movement from operating point P4 to operating point P1)
Due to the self-control action of the arc length due to the external characteristics described above, the operating point during the period from the time t3 to the time t4 is in the middle of movement from P4 to P1, and as shown in FIG. ], And the arc length changes in a direction of decreasing to La41 [mm], as shown in FIG.
(5) Period from time t4 to t5 (while moving from the operating point P4 to the operating point P1)
Due to the self-control action of the arc length due to the external characteristics described above, the operating point during the period from time t4 to t5 is in the middle of movement from P4 to P1, and as shown in FIG. ], And the arc length changes in a direction of decreasing to La42 [mm] as shown in FIG.
(6) Period after time t5 (operating point P4)
Since the operating point during the period after time t5 is P1, the peak current returns to Ip1 [A] as shown in FIG. 5A, and the arc length is appropriate as shown in FIG. Return to the value La1 [mm].
Since the peak currents Ip1, Ip2, Ip4, Ip41, and Ip42 described above are within the current range of 1 pulse per droplet transfer, a good bead appearance without spatter adhesion is obtained.
[0039]
FIG. 10 is a block diagram of an external characteristic control welding power source device CPS for carrying out the peak current modulation control method of the first embodiment. In this figure, the same circuit blocks as those in FIG. 4 described above are denoted by the same reference numerals, and description thereof is omitted. Hereinafter, the external characteristic inclination setting circuit SS and the external characteristic control circuit VSC indicated by dotted lines, which are circuit blocks different from those in FIG. 4, will be described with reference to FIG.
[0040]
The external characteristic inclination setting circuit SS outputs an external characteristic inclination setting signal Ss per predetermined 100 [A]. The external characteristic control circuit VSC receives the above-described external characteristic slope setting signal Ss, current detection signal Id, and peak voltage setting signal Vsp as input, and calculates the voltage control setting signal Vsc for forming external characteristics by performing the following calculation. Output.
Vsc = (Ss / 100) × (Id−Ist) + Vsp (1) Formula
However, the reference current value Ist [A] is a predetermined constant. This external characteristic control method will be described later with reference to FIG.
[0041]
FIG. 11 is an external characteristic diagram for explaining a method for controlling the external characteristic. In the figure, the horizontal axis indicates the current detection signal Id, and the vertical axis indicates the voltage control setting signal Vsc. Since this figure shows external characteristics during the peak period Tp, the current detection signal Id on the horizontal axis corresponds to the peak current Ip, and the voltage control setting signal Vsc on the vertical axis corresponds to the peak voltage Vp.
Hereinafter, a description will be given with reference to FIG.
[0042]
In this figure, when the value of the current detection signal Id shown on the horizontal axis is a predetermined constant reference current value Ist [A], the value of the voltage control setting signal Vsc shown on the vertical axis is the peak voltage setting signal Vsp. (P5 point). In addition, since the slope of the external characteristic L3 is Ss [V / 100A], the straight line expression of the external characteristic L3 is expressed by the above-described expression (1).
Here, when the value of the current detection signal Id changes from Id1 (Ist) [A] at the point P5 to Id2 [A] at the point P6, Vsc2 [V] is calculated as follows according to the equation (1).
Vsc2 = (Ss / 100) × (Id2−Ist) + Vsp
Similarly, when the value of the current detection signal Id changes to Id3 [A] at the point P7, Vsc3 [V] is calculated as follows according to the equation (1).
Vsc3 = (Ss / 100) × (Id3−Ist) + Vsp
As described above, by calculating the voltage control setting signal Vsc corresponding to the current detection signal Id based on the expression (1), a predetermined external characteristic (sagging characteristic) having a predetermined external characteristic slope Ss is formed. be able to.
[0043]
[Example 2]
The invention of Example 2 described below corresponds to the invention of
[0044]
The peak current modulation control method according to the second embodiment can be implemented by the above-described external characteristic control welding power source device CPS of FIG. In other words, the value of the external characteristic inclination setting signal Ss in FIG.
FIG. 12 is a diagram showing an appropriate range of the external characteristic slope Ss under various welding conditions. In the figure, the horizontal axis represents the wire feed speed [m / min], and the vertical axis represents the slope Ss [V / 100A] of the external characteristic during the peak period Tp. The figure shows a mild steel wire having a diameter of 1.2 [mm], a mild steel wire having a diameter of 1.6 [mm], a stainless steel (SUS) wire having a diameter of 1.2 [mm], and a diameter of 1.2 [mm]. ] Shows an appropriate value of the external characteristic gradient Ss with respect to the wire feed speed when the aluminum alloy (Al) wire is used. As is apparent from the figure, the appropriate range of the external characteristic slope Ss is in the range of −5 or less and −20 or more.
[0045]
[Example 3]
The invention of Example 3 described below corresponds to the invention of
[0046]
The block diagram of the welding power source apparatus for carrying out the peak current modulation control method of the third embodiment is a block diagram in which the external characteristic slope setting circuit SS of FIG. 10 described above is replaced with a circuit of FIG. Circuit blocks other than those described above are the same as those in FIG.
FIG. 13 is a block diagram of the external characteristic inclination setting circuit SS of the third embodiment. The external characteristic inclination setting circuit SS outputs an external characteristic inclination setting signal Ss having an appropriate value corresponding to the wire feeding speed, the diameter of the welding wire, and the material of the workpiece. The appropriate values of the external characteristic inclination Ss corresponding to the wire feed speed, the diameter of the welding wire, and the material of the workpiece are as shown in FIG. For example, when the wire feed speed is 10 [m / min], the diameter of the welding wire is 1.2 [mm], and the material of the workpiece is mild steel, the appropriate value of the external characteristic inclination Ss is the same as As shown in the figure, −9 [V / 100 A] is obtained. Further, when the wire feed speed is 10 [m / min], the diameter of the welding wire is 1.2 [mm], and the material of the workpiece is an aluminum alloy, the appropriate value of the external characteristic inclination Ss is: As shown in the figure, −20 [V / 100 A] is obtained.
[0047]
In Examples 1 to 3 described above, the DC pulse arc welding method has been described as the pulse arc welding method, but the same applies to the AC pulse arc welding method.
In other words, in AC pulse arc welding, the external characteristic is controlled to a drooping characteristic during the peak period of the electrode positive polarity, and the external characteristic is set to a substantially constant current characteristic during the base period of the positive electrode polarity and the negative electrode period of the negative electrode polarity. This is a peak current modulation control method to be controlled.
In the first to third embodiments described above, the external characteristic during the base period Tb is a substantially constant current characteristic. However, the substantially constant current characteristic includes a drooping characteristic having a steep slope Ss.
[0048]
【The invention's effect】
In the present invention, by setting the external characteristic during the peak period Tp as the drooping characteristic, the peak current Ip always changes within the current range of 1 pulse / one droplet transfer even if the arc length greatly changes due to disturbance during welding. As a result, the arc length is quickly returned to an appropriate value, so that a good bead appearance without spattering can be obtained.
Furthermore, in the invention of Example 3, the slope Ss of the external characteristic during the peak period Tp changes to an appropriate value corresponding to at least one of the wire feed speed, the diameter of the welding wire, or the material of the workpiece. The above effects can be exhibited even under various welding conditions.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an external characteristic / arc characteristic relationship diagram illustrating an embodiment;
[Figure 2] Current / voltage waveform diagram of pulse arc welding
Fig. 3 Current waveform diagram of two-electrode pulse arc welding
FIG. 4 is a block diagram of a conventional welding power supply device.
FIG. 5: Relationship between external characteristics and arc characteristics in the prior art
FIG. 6 is a relationship diagram of current waveform and arc length in the prior art.
FIG. 7 is an external characteristic / arc characteristic relation diagram for explaining a problem to be solved.
FIG. 8 is an external characteristic / arc characteristic relationship diagram of Example 1.
9 is a current waveform / arc length relationship diagram of Example 1. FIG.
FIG. 10 is a block diagram of a welding power source apparatus according to the first embodiment.
11 is an external characteristic diagram of Example 1. FIG.
FIG. 12: Appropriate range of external characteristic slope
FIG. 13 is a block diagram of an external characteristic inclination setting circuit SS according to the third embodiment.
[Explanation of symbols]
1 Welding wire
1a droplet
2 Workpiece
3 Arc
4a Contact tip of welding torch
5a Feeding roll of wire feeding device
A1 first welding wire
A3 First arc
AIo first output current
B1 Second welding wire
B3 Second arc
BIo second output current
CPS external characteristic control welding power supply
DCL DC reactor
Ea Error amplification signal
EI current error amplifier circuit
Ei Current error amplification signal
EV voltage error amplifier circuit
Ev Voltage error amplification signal
Ib Base current
ID current detection circuit
Id Current detection signal
INV output control circuit
Io output current
Ip peak current
ISB base current setting circuit
Isb Base current setting (value / signal)
Ist reference current value
L1-L3 External characteristics
La Arc length
P1 to P7 operating point
PS welding power supply
SS External characteristic inclination setting circuit
Ss External characteristic slope (setting signal)
SW switching circuit
Tb base period
Tf pulse period
Tp peak period
TPB switching timer circuit
Tpb switching signal
Vb Base voltage
VD voltage detection circuit
Vd Voltage detection signal
Vo output voltage
Vp peak voltage
VSC external characteristic control circuit
Vsc Voltage control setting signal
VSP peak voltage setting circuit
Vsp peak voltage setting (value / signal)
Y1-Y3 arc characteristics
Claims (3)
前記ピーク期間中は前記溶接電源装置の外部特性を垂下特性に制御し、前記ベース期間中は前記溶接電源装置の外部特性を定電流特性に制御するパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法。A consumable electrode pulse arc welding power supply apparatus that supplies a peak current having a value that causes droplet transfer during a predetermined peak period, and subsequently supplies a base current that does not promote melting of the welding wire during a predetermined base period. In the output control method of
An output control method for a pulse arc welding power supply apparatus that controls the external characteristic of the welding power supply apparatus to a drooping characteristic during the peak period and controls the external characteristic of the welding power supply apparatus to a constant current characteristic during the base period.
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