JP4670123B2 - 農薬粒剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、農薬粒剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
樹脂による被覆によって、農薬活性成分の溶出を制御し、効力の持続性を高めた徐放化農薬粒剤が提案されている(特公昭60−44967号公報、特公昭64−4484号公報等)。しかしながら、これら従来の樹脂被覆された農薬粒剤の場合、農薬活性成分の徐放化効果を付与するためには、比較的多量の樹脂が必要とされているのが現状であり、使用する樹脂量当たりの徐放化の効率の高い農薬粒剤の開発が望まれていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】
かかる状況下、本発明者らは農薬粒剤について検討を重ねた結果、内核と被覆層からなる被覆粒剤において、低膨潤性水溶性高分子を内核の特定部位に存在させることにより、従来の被覆粒剤に比し効率的徐放化が達成されることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、(a) i) 固体担体を含有する固体連続相及び ii) 低膨潤性水溶性高分子を含有し、該固体連続相の表面または空隙部に存在する分散相からなる内核、並びに(b) 該内核を被覆してなる被覆層からなり、かつ固体連続相及び分散相の少なくとも一方に農薬活性成分を含有する農薬粒剤(以下、本発明粒剤と記す)及びその製造方法に関するものである。
【0004】
【発明の実施の形態】
本発明粒剤は、内核が被覆層で被覆された粒子からなる。
【0005】
本発明における内核は、農薬活性成分、固体担体及び低膨潤性水溶性高分子を含有する。そして、固体担体を含有する固体連続相及び、低膨潤性水溶性高分子を含有し、該固体連続相の表面または空隙部に存在する分散相からなる、通常は粒状の構造物である。該固体連続相は通常、その内部または表面に複数の孔、窪み等の空隙部を有する粒状物である。該分散相は通常、該固体連続相に形成された孔、窪み等の空隙部に、あるいは該固体連続相の表面上に分散して存在している。被覆層は、内核を3次元的に包囲する被膜状構造物である。
本発明粒剤における内核の含有量は、通常50〜99.9重量%、好ましくは85〜99.8重量%である。
【0006】
本発明において用いられる農薬活性成分としては、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、昆虫成長制御剤、植物成長制御剤等を挙げることができ、例えば次に示す化合物を具体的に挙げることができる。
フェニトロチオン[O,O−ジメチルO−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ホスホロチオエート]、フェンチオン[O,O−ジメチルO−(3−メチル−4−(メチルチオ)フェニル)ホスホロチオエート]、ダイアジノン[O,O−ジエチル−O−2−イソプロピル−6−メチルピリミジン−4−イルホスホロチオエート]、クロルピリホス[O,O−ジエチル−O−3,5,6−トリクロロ−2−ピリジルホスホロチオエート]、アセフェート[O,S−ジメチルアセチルホスホラミドチオエート]、メチダチオン[S−2,3−ジヒドロ−5−メトキシ−2−オキソ−1,3,4−チアジアゾール−3−イルメチルO,O−ジメチルホスホロジチオエート]、ジスルホトン[O,O−ジエチルS−2−エチルチオエチルホスホロジチオエート]、DDVP[2,2−ジクロロビニルジメチルホスフェート]、スルプロホス[O−エチルO−4−(メチルチオ)フェニルS−プロピルホスホロジチオエート]、シアノホス[O−4−シアノフェニルO,O−ジメチルホスホロチオエート]、ジオキサベンゾホス[2−メトキシ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−2−スルフィド]、ジメトエート[O,O−ジメチル−S−(N−メチルカルバモイルメチル)ジチオホスフェート]、フェントエート[エチル2−ジメトキシホスフィノチオイルチオ(フェニル)アセテート]、マラチオン[ジエチル(ジメトキシホスフィノチオイルチオ)サクシネート]、トリクロルホン[ジメチル2,2,2−トリクロロ−1−ヒドロキシエチルホスホネート]、アジンホスメチル[S−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン−3−イルメチルO,O−ジメチルホスホロジチオエート]、モノクロトホス[ジメチル−{(E)−1−メチル−2−(メチルカルバモイル)ビニル)ホスフェート]、エチオン[O,O,O′,O′−テトラエチル−S,S′−メチレンビス(ホスホロジチオエート)]等の有機リン系化合物、
【0007】
BPMC[2−sec−ブチルフェニルメチルカーバメート]、ベンフラカルブ[エチル N−{2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ}−N−イソプロピル−β−アラニネート]、プロポキスル[2−イソプロポキシフェニル−N−メチルカーバメート]、カルボスルファン[2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾ[b]フラニル N−ジブチルアミノチオ−N−メチルカーバメート]、カルバリル[1−ナフチル−N−メチルカーバメート]、メソミル[S−メチル−N−(メチルカルバモイルオキシ)チオアセトイミデート]、エチオフェンカルブ[2−(エチルチオメチル)フェニルメチルカーバメート]、アルジカルブ[2−メチル−2−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド O−メチルカルバモイルオキシム]、オキサミル[N,N−ジメチル−2−メチルカルバモイルオキシイミノ−2−(メチルチオ)アセトアミド]、フェノチオカルブ[S−4−フェノキシブチル−N,N−ジメチルチオカーバメート]等のカーバメート系化合物、
【0008】
エトフェンプロックス[2−(4−エトキシフェニル)−2−メチル−1−(3−フェノキシベンジル)オキシプロパン]、フェンバレレート[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート]、エスフェンバレレート[(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (S)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート]、フェンプロパトリン[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート]、シペルメトリン[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1RS)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、ペルメトリン[3−フェノキシベンジル (1RS)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、シハロトリン[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、デルタメトリン[(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R)−シス−3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、シクロプロトリン[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (RS)−2,2−ジクロロ−1−(4−エトキシフェニル)シクロプロパンカルボキシレート]、フルバリネート[α−シアノ−3−フェノキシベンジル N−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−D−バリネート]、ビフェンスリン[2−メチル−3−フェニルベンジル (1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、ハルフェンプロックス[2−(4−ブロモジフルオロメトキシフェニル)−2−メチル−1−(3−フェノキシベンジル)メチルプロパン]、トラロメトリン[(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R)−シス−3−(1,2,2,2−テトラブロモエチル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、シラフルオフェン[(4−エトキシフェニル)−{3−(4−フルオロ−3−フェノキシフェニル)プロピル}ジメチルシラン]、d−フェノトリン[3−フェノキシベンジル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]、シフェノトリン[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]、d−レスメトリン[5−ベンジル−3−フリルメチル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]、アクリナスリン[(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R,3Z)−シス−(2,2−ジメチル−3−{3−オキソ−3−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルオキシ)プロペニル}シクロプロパンカルボキシレート]、シフルトリン[(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、テフルトリン[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル (1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、トランスフルスリン[2,3,5,6−テトラフルオロベンジル (1R)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、テトラメトリン[3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル (1RS)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、アレトリン[(RS)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロペニル)−2−シクロペンテン−1−イル (1RS)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、プラレトリン[(S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテン−1−イル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、エンペントリン[(RS)−1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、イミプロスリン[2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)イミダゾリジン−1−イルメチル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、d−フラメトリン[5−(2−プロピニル)フルフリル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、5−(2−プロピニル)フルフリル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート等のピレスロイド系化合物、
【0009】
ブプロフェジン[2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−チアジアジン−4−オン]等のチアジアジン誘導体、ニトロイミダゾリジン誘導体、カルタップ[S,S′−(2−ジメチルアミノトリメチレン)ビス(チオカーバメート)]、チオシクラム[N,N−ジメチル−1,2,3−トリチアン−5−イルアミン]、ベンスルタップ[S,S′−2−ジメチルアミノトリメチレンジ(ベンゼンチオスルフォネート)]等のネライストキシン誘導体、N−シアノ−N′−メチル−N′−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)アセトアミジン等のN−シアノアミジン誘導体、エンドスルファン[6,7,8,9,10,10−ヘキサクロロ−1,5,5a,6,9,9a−ヘキサヒドロ−6,9−メタノ−2,4,3−ベンゾジオキサチエピンオキサイド]、γ−BHC[1,2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘキサン]、ジコホル[1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタノ−ル]等の塩素化炭化水素化合物、クロルフルアズロン[1−{3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)フェニル}−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア]、テフルベンズロン[1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア]、フルフェノクスロン[1−{4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−2−フルオロフェニル}−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア]等のベンゾイルフェニルウレア系化合物、アミトラズ[N,N′−{(メチルイミノ)ジメチリジン}−ジ−2,4−キシリジン]、クロルジメホルム[N′−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−N,N−ジメチルメチニミダミド]等のホルムアミジン誘導体、ジアフェンチウロン[N−(2,6−ジイソプロピル−4−フェノキシフェニル)−N′−t−ブチルカルボジイミド]等のチオ尿素誘導体、N−フェニルピラゾール系化合物、
【0010】
メトキサジアゾン[5−メトキシ−3−(2−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−(3H)−オン]、ブロモプロピレート[イソプロピル4,4′−ジブロモベンジレート]、テトラジホン[4−クロロフェニル 2,4,5−トリクロロフェニルスルホン]、キノメチオネート[S,S−6−メチルキノキサリン−2,3−ジイルジチオカルボネート]、プロパルギット[2−(4−tert−ブチルフェノキシ)シクロヘキシルプロピ−2−イルスルファイト]、フェンブタティンオキシド[ビス{トリス(2−メチル−2−フェニルプロピル)ティン}オキシド]、ヘキシチアゾクス[(4RS,5RS)−5−(4−クロロフェニル)−N−クロロヘキシル−4−メチル−2−オキソ−1,3−チアゾリジン−3−カルボキサミド]、クロフェンテジン[3,6−ビス(2−クロロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン]、ピリダベン[2−tert−ブチル−5−(4−tert−ブチルベンジルチオ)−4−クロロピリダジン−3(2H)−オン]、フェンピロキシメート[tert−ブチル (E)−4−[(1,3−ジメチル−5−フェノキシピラゾール−4−イル)メチレンアミノオキシメチル]ベンゾエート]、デブフェンピラド[N−4−tert−ブチルベンジル)−4−クロロ−3−エチル−1−メチル−5−ピラゾールカルボキサミド]、ポリナクチンコンプレックス[テトラナクチン、ジナクチン、トリナクチン]、ピリミジフェン[5−クロロ−N−[2−{4−(2−エトキシエチル)−2,3−ジメチルフェノキシ}エチル]−6−エチルピリミジン−4−アミン]、ミルベメクチン、アバメクチン、イバーメクチン、アザジラクチン[AZAD]、5−メチル[1,2,4]トリアゾロ[3,4−b]ベンゾチアゾール、メチル 1−(ブチルカルバモイル)ベンズイミダゾール−2−カーバメート、6−(3,5−ジクロロ−4−メチルフェニル)−3(2H)−ピリダジノン、1−(4−クロロフェノキシ)−3,3−ジメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタノン、(E)−4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)−N−〔1−(イミダゾール−1−イル)−2−プロポキシエチリデン〕アニリン、1−〔N−プロピル−N−〔2−(2,4,6−トリクロロフェノキシ)エチル〕カルバモイル〕イミダゾール、(E)−1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−ペンテン−3−オール、1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ペンタン−3−オール、(E)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−ペンテン−3−オール、1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ペンタン−3−オール、4−〔3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロピル〕−2,6−ジメチルモルホリン、2−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ヘキサン−2−オール、O,O−ジエチル O−2−キノキサリニル ホスホロチオエート、O−(6−エトキシ−2−エチル−4−ピリミジニル) O,O−ジメチル ホスホロチオエート、2−ジエチルアミノ−5,6−ジメチルピリミジン−4−イル ジメチルカーバメート、4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチル−5−ピラゾリル p−トルエンスルホナート、4−アミノ−6−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチルチオ−1,2,4−トリアジン−5(4H)−オン、2−クロロ−N−〔(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル〕ベンゼンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−〔(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル〕ベンゼンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−〔(4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)アミノカルボニル〕ベンゼンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−〔(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル〕ベンゼンスルホンアミド、2−エトキシカルボニル−N−〔(4−クロロ−6−メトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル〕ベンゼンスルホンアミド、2−(2−クロロエトキシ)−N−〔(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル〕ベンゼンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−〔(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル〕フェニルメタンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−〔(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル〕チオフェン−3−スルホンアミド、4−エトキシカルボニル−N−〔(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル〕−1−メチルピラゾール−5−スルホンアミド、2−〔4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル〕−3−キノリンカルボン酸、2−〔4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル〕−5−エチル−3−ピリジンカルボン酸、メチル 6−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソイミダゾリン−2−イル)−m−トルエート、メチル 2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソイミダゾリン−2−イル)−p−トルエート、2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソイミダゾリン−2−イル)ニコチン酸、N−(4−クロロフェニル)メチル−N−シクロペンチル−N’−フェニルウレア、(RS)−2−シアノ−N−[(R)−1(2,4−ジクロロフェニル)エチル]−3,3−ジメチルブチルアミド、N−(1,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチルイソベンゾフラン−4−イル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキシアミド、N−[2,6−ジブロモ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾ−ルカルボキシアミド、2,2−ジクロロ−N−[1−(4−クロロフェニル)エチル]−3−メチルシクロプロパンカルボキシアミド、メチル(E)−2−2−6−(2−シアノフェノキシ)ピリミジン−4−イルオキシ−フェニル−3−メトキシアクリレイト、5−メチル−1,2,4−トリアゾロ[3,4−b]ベンゾチアゾール、3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール−1,1−ジオキシド、ジイソプロピル=1,3−ジチオラン−2−イリデン−マロネート、O,O−ジプロピル−O−4−メチルチオプェニルホスフェート等。
【0011】
農薬活性成分は、本発明粒剤中に1種が含有されていてもよいし、2種以上が含有されていてもよい。農薬活性成分の含有量は本発明粒剤中、通常0.1〜90重量%、好ましくは0.2〜70重量%である。農薬活性成分は、内核の固体連続相及び分散相のいずれか一方またはその両方に存在することができる。また、農薬活性成分は固体連続相全体に分散されていてもよく、固体連続相内部、固体連続相の表面等に局在していてもよい。通常は、固体連続相に分散されて存在する。
【0012】
本発明粒剤の内核における固体連続相は固体担体を含有し、通常は農薬活性成分も含有する。さらに、必要に応じて、界面活性剤、溶媒、安定化剤、着色剤等が含有されていてもよい。
固体担体としては、鉱物質担体、植物質担体、合成担体等を挙げることができる。
【0013】
鉱物質担体としては、例えば、カオリナイト、ディッカナイト、ナクライト、ハロサイト等のカオリン鉱物、クリソタイル、リザータイト、アンチコライト、アメサイト等の蛇紋石、ナトリウムモンモリロナイト、カルシウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイト等のモンモリロナイト鉱物、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、ハイデライト等のスメクタイト、パイロフィライト、タルク、蝋石、白雲母、フェンジャイト、セリサイト、イライト等の雲母、クリストバライト、クォーツ等のシリカ、アタパルジャイト、セピオライト等の含水珪酸マグネシウム、ドロマイト、炭酸カルシウム微粉末等の炭酸カルシウム、ギプサム、石膏等の硫酸塩鉱物、ゼオライト、沸石、凝灰石、バーミキュライト、ラポナイト、軽石、珪藻土、酸性白土、活性白土などが挙げられる。
植物質担体としては、例えば、セルロース、籾殻、小麦粉、木粉、澱粉、糠、ふすま、大豆粉等が挙げられる。
合成担体としては、例えば、湿式法シリカ、乾式法シリカ、湿式法シリカの焼成品、表面改質シリカ、加工澱粉(松谷化学製パインフロー等)などが挙げられる。
固体担体の含有量は内核中、通常0.5〜99.9重量%、好ましくは25〜99.5重量%である。
【0014】
本発明粒剤の内核における分散相は、低膨潤性高分子を含有し、必要に応じて、溶媒、農薬活性成分、界面活性剤、安定化剤、着色剤等を含有していてもよい。
分散相に含有される低膨潤性水溶性高分子としては、通常、膨潤度が10以下、好ましくは5以下のものが用いられる。膨潤度は例えば、該水溶性高分子の皮膜を30℃の水に浸漬したときの膨潤前皮膜重量に対する吸水量の割合を測定することによって求めることができ、吸水量の被膜重量に対する百分率で表わされる。
【0015】
かかる低膨潤性水溶性高分子としては、アクリル系高分子、ビニル系高分子、ポリオキシアルキレン、セルロース誘導体、加工澱粉、リグニン誘導体、天然高分子等が挙げられる。その具体例としては、リグニン誘導体としては例えば、REAX85A、REAX75A(いずれもWestvaco製)、サンエキスP−205(山陽国策パルプ製)などのリグニンスルホン酸塩を挙げることができ、加工澱粉としては例えば、アミコールNo.1、アミコールNo.2(いずれも日澱化学製)などの酵素変性澱粉を挙げることができ、天然高分子としては、例えばアラビアガムなどの多糖類を挙げることができる。アクリル系高分子およびビニル系高分子としては、例えば、部分鹸化型酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、アクリル酸ナトリウム、メタアクリル酸ナトリウム等を挙げる事ができる。ポリオキシアルキレンとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等を挙げる事ができ、セルロース誘導体としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルメチルセルロース等が挙げられる。
本発明においては、これらの低膨潤性水溶性高分子の中でも比較的低分子量のものが好ましく、例えば分子量として700〜30000のものを挙げることができ、さらに好ましくは1500〜20000のものを挙げることができる。
【0016】
分散相は、固体連続相の表面または空隙部に存在する。
低膨潤性水溶性高分子を溶媒に溶解させた溶液、または溶媒に分散させた分散液として固体連続相に添加することにより、分散相は固体連続相の表面または空隙部に担持せしめられる。
低膨潤性水溶性高分子の含有量は内核中、通常0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0017】
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルフェノールホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルモノ脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、高級脂肪酸グリセリンエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキロールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン界面活性剤;ドデシルアミン塩酸塩などのアルキルアミン塩酸塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモルホリニウム塩などのアルキル四級アンモニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ポリアルキルビニルピリジニウム塩等のカチオン性界面活性剤;パルミチン酸ナトリウムなどの脂肪酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸ナトリウムなどのエーテルカルボン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸のアミノ酸縮合物、高級アルキルスルホン酸塩、ラウリン酸エステルスルホン酸塩などの高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、ジオクチルスルホサクシネートのどのジアルキルスルホコハク酸塩、オレイン酸アミドスルホン酸などの高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸塩などのアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ペンタデカンー2―サルフェートなどの高級アルコール硫酸エステル塩、ジポリオキシエチレンドデシルエーテルリン酸エステル等のポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、スチレンーマレイン酸共重合体等のアニオン性界面活性剤;N−ラウリルアラニン、N,N,N―トリメチルアミノプロピオン酸、N,N,N−トリヒドロキシエチルアミノプロピオン酸、N−ヘキシルーN,N―ジメチルアミノ酢酸、1―(2―カルボキシエチル)ピリミジニウムベタイン、レシチン等の両性界面活性剤などが挙げられる。界面活性剤の含有量は内核中、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
【0018】
溶媒としては、例えば、水、ヘキサン、デカン、トリデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの飽和脂肪族炭化水素、1―ウンデセン、1―ヘンエイコセンなどの不飽和炭化水素、セレクロールS45(ICI製溶剤)などのハロゲン化炭化水素類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、エタノール、ブタノール、オクタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、フタル酸ジメチル、ラウリル酸メチル、パルミチン酸エチル、酢酸オクチル、コハク酸ジオクチル、アジピン酸ジデシルなどのエステル類、キシレン、エチルベンゼン、オクタデシルベンゼン、ソルベッソ100(エクソン化学製溶剤)、ドデシルナフタレン、トリデシルナフタレン、ソルベッソ200(エクソン化学製溶剤)などのアルキルナフタレン類、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのグリコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類、オレイン酸、カプリン酸、エナント酸などの脂肪酸類、N,N―ジメチルホルムアミド、N,N―ジエチルホルムアミドなどの酸アミド類、オリーブ油、大豆油、菜種油、ヒマシ油、アマニ油、綿実油、パーム油、アボガド油、サメ肝油などの動植物油、マシン油などの鉱物油、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステルなどのグリセリン誘導体等が挙げられる。溶媒の含有量は内核中、通常30重量%以下、好ましくは0.1〜20重量%である。
【0019】
安定化剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、紫外線吸収剤、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化菜種油等のエポキシ化植物油、イソプロピルアシッドホスフェート、流動パラフィン、エチレングリコールなどが挙げられる。安定化剤の含有量は内核中、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。
【0020】
着色剤としては、例えば、ローダミンB,ソーラーローダミンなどのローダミン類、黄色4号、青色1号、赤色2号などの色素等が挙げられ、香料としては、例えば、アセト酢酸エチル、エナント酸エチル、桂皮酸エチル、酢酸イソアミル等のエステル系香料、カプロン酸、桂皮酸等の有機酸系香料、桂皮アルコール、ゲラニオール、シトラール、デシルアルコール等のアルコール系香料、バニリン、ピペロナール、ペリルアルデヒド等のアルデヒド類、マルトール、メチルβ―ナフチルケトン等のケトン系香料、メントールなどが挙げられる。着色剤及び香料の含有量は内核中、通常それぞれ0.01〜5重量%である。
【0021】
本発明粒剤の内核における固体連続相は、例えば、農薬の製剤化において通常用いられる造粒法によって造粒することによって得られる。該造粒法としては、例えば押出し造粒法、含浸造粒法、圧縮造粒法、攪拌造粒法、流動層造粒法、流動床造粒法、転動造粒法、被覆造粒法等を挙げることができる。押出し造粒法によって固体連続相を製造する一例を以下に示す。
農薬活性成分および固体担体、必要に応じて、低膨潤性高分子、界面活性剤、安定化剤、着色剤、香料等を混合して、混合物を調製する。この際に用いられる混合機としては、例えばリボンミキサー、ナウターミキサー、シュギミキサー、ヘンシェルミキサー、レディゲーミキサー等が挙げられる。次に、該混合物に水を滴下、噴射、あるいは噴霧し、混練して混練物を調製する。この際に用いられる混練機としては、例えばナウターミキサー、リボンミキサー、ヘンシェルミキサー、ニーダー等を挙げることができる。混練の際に用いられる水の量は、該混合物に対し通常、5〜35重量%、好ましくは、10〜25重量%である。次に、該混練物を造粒機を用いて造粒物を調製する。この際に用いられる造粒機としては、例えばバスケット式造粒機、スクリュー式造粒機、ペレタイザーなどの押出し造粒機、ローラーコンパクターなどの圧縮造機、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサーなどの攪拌造粒機、パングラニュレーターなどの転動造粒機、流動層造粒機等を挙げることができる。得られた造粒物に、通常の乾燥、整粒、篩別処理を付すことにより、固体連続相が得られる。この際に用いられる乾燥機としては、例えば流動層乾燥機やベッド式乾燥機を挙げることができる。整粒機としては、例えばマルメライザーやピンミル、解砕機等を挙げることができ、篩別機としては、例えばジャイロシフターや電磁振動式篩別機等を挙げることができる。こうして製造された固体連続相の平均粒子径は、一般に0.1〜5mm程度、好ましくは0.5〜3mm程度である。なお、固体連続相の平均粒子径とは、個々の固体連続相粒子の粒子径の体積平均径を意味するものであり、個々の固体連続相粒子の粒子径とは、個々の粒子の中での最大径を意味するものである。
【0022】
こうして得られた固体連続相を混合しながら、低膨潤性水溶性高分子の水溶液を滴下、噴射、あるいは噴霧して低膨潤性水溶性高分子を固体連続相の表面または空隙部に保持せしめる。この際に用いられる低膨潤性水溶性高分子の水溶液の濃度は、使用する低膨潤性水溶性高分子の種類によって異なるが、通常0.5〜50重量%であり、その粘度は20℃で、通常10〜2000m・Pas、好ましくは10〜200m・Pasである。低膨潤性水溶性高分子を固体連続相の表面または空隙部に保持せしめる際に用いられる混合機としては、リボンミキサー、回転パン、セメントミキサー、ドラムミキサーなどが挙げられる。かくして得られる内核は、必要に応じて乾燥、篩別された後、被覆に供される。
【0023】
本発明粒剤における被覆層の含有量は、通常0.1〜50重量%、好ましくは、0.2〜15重量%である。該被覆層は、主に被膜形成物質からなり、必要に応じて、固体担体、界面活性剤、溶媒、安定化剤、着色剤、香料等が含有される。
【0024】
該被膜形成物質としては、例えばワックス、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、硫黄等が挙げられる。
ワックスとしては、例えば、カーボワックス、ヘキストロウ、蔗糖エステル、脂肪酸エステルなどの合成ワックス、カルナウバワックス、ミツロウ、木ロウなどの天然ワックス、パラフィンワックス、ペトロラクタムなどの石油ワックス等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレンなどのポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどのビニル重合物、ブタジエン重合物、イソプレン重合物、クロロプレン重合物、ブタジエン−スチレン共重合物、エチレン−プロピレン−ジエン共重合物、スチレン−イソプレン共重合物などのジエン系重合物、エチレン−プロピレン共重合物、ブテン−エチレン共重合物、ブテン−プロピレン共重合物、エチレン−酢酸ビニル共重合物、エチレン−アクリル酸共重合物、エチレン−メタアクリル酸共重合物、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合物、エチレン−一酸化炭素共重合物、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合物などのポリオレフィン共重合物、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合物、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合物などの塩化ビニル共重合物等が挙げられる。
【0025】
熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレア・メラミン樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
ウレタン樹脂は、ポリイソシアナートとポリオールとを、例えば有機金属やアミン等の硬化剤の存在下に反応させることによって生成する。該硬化剤としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチルチオ錫酸、オクチル酸第一錫、ジ−n−オクチル錫ジラウレートなどの有機金属、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルジドデシルアミン、N−ドデシルモルホリン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−エチルモルホリン、ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、イソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、オキシイソプロピルバナデート、n−プロピルジルコネート、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
ウレタン樹脂のモノマーであるポリイソシアネート及びポリオールは、モノマー単独、溶媒に溶解させた溶液、水系エマルジョン、または、有機溶媒系エマルジョン等の形態で使用される。
【0026】
該ポリイソシアネートとしては、例えばトルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェイト等を挙げることができ、該ポリイソシアネートは2種以上の混合物であってもよい。また、該ポリイソシアネートに代えて、該ポリイソシアネートの変性体や該ポリイソシアネートのオリゴマーを用いることもできる。変性体としては、例えばアダクト変性体、ビウレット変性体、イソシアヌレート変性体、ブロック変性体、プレポリマー変性体、2量化変性体等が挙げられる。
該ポリオールとしては、縮合系ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリル酸ポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、天然ポリオール等、あるいは該ポリオールの変性物等が用いられる。
【0027】
縮合系ポリエステルポリオールは、通常、ポリオールと二塩基酸との縮合反応によって、ポリエーテルポリオールは、通常、環状オキシドの重合反応によって得られる。ポリ(メタ)アクリル酸ポリオールは、通常、ポリ(メタ)アクリル酸とポリオールとの縮合反応、(メタ)アクリル酸とポリオールとの縮合反応または、(メタ)アクリル酸エステルモノマーの重合反応によって得られる。ラクトン系ポリエステルポリオールは通常、多価アルコールを開始剤とするε−カプロラクタムの開環重合によって得られる。ポリカーボネートポリオールはポリオールとジフェニルカーボネート等のカーボネートとの反応によって得られ、この際に用いられるポリオールとしては、通常、メチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレンジオール、トリメチロールプロパン、ポリテトラメチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖等、あるいはこれらのオリゴマー等が挙げられる。二塩基酸としては、例えば、アジピン酸、フタル酸等を挙げることができる。
かかるポリオールは市販されており、例えば、スミフェン3086、スミフェン3900、スミフェン5200、スミフェンTS、スミフェンTM、スミフェンVN、 SBUポリオール0248、 SBUポリオール0363、SBUポリオール0474、SBUポリオール480J、 SBUポリオール0480、 SBUポリオール0485、 SBUポリオール0487、 SBUポリオール0248、 SBUポリオール0363、 SBUポリオール0262、デスモフェン550U、デスモフェン900U、デスモフェン1600U、デスモフェン1900U(いずれも住友バイエルウレタン株式会社の商品名)等が挙げられる。
【0028】
エポキシ樹脂は、例えば、硬化剤の存在下でのフェノール類又はアルコール類とエピクロルヒドリンとの反応、硬化剤の存在下でのカルボン酸類とエピクロルヒドリンとの反応、アミン類、シアヌル酸またはヒダントインとエピクロルヒドリンとの硬化剤の存在下での反応等によって生成する。
該硬化剤としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタキシリレンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ジアミノジフェニルメタン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシサンジアミド、有機酸ジヒドラジド、ポリアミド変性ポリアミン、ケトン変性ポリアミン、エポキシ変性ポリアミン、チオ尿素変性ポリアミン、マンニッヒ変性ポリアミン、マイケル付加変性ポリアミン、ドデセニル無水コハク酸、ポリアゼライン酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水トリメット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、テトラブロモ無水フタル酸、無水ヘット酸、ノボラック型ポリフェノール、ポリメルカプタン、ポリイソシアネート、カルボン酸含有ポリエステル樹脂、ベンジルジメチルアニリン、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール、2ーメチルイミダゾール、2ーエチル、4ーメチルーイミダゾール、2ーヘプタデシルイミダゾール、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、レゾール型フェノール樹脂、メチロール基含有尿素樹脂、メチロール基含有メラミン樹脂などが挙げられる。
生成するエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオレイン型、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、DPPノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型、トリグリシジルイソシアヌレート型、ヒダントイン型、アミノフェノール型、アニリン型、トルイジン型などのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0029】
アルキド樹脂は、必要に応じて、天然植物油または動物脂等の変成剤、金属石鹸、皮張防止剤の存在下で、多塩基酸と多価アルコールとの反応によって生成する。
多塩基酸としては、無水フタル酸、無水マレイン酸等が挙げられ、多価アルコールとしては、ペンタエリストール、グリセリン等が挙げられる。
変成剤としては、例えば、大豆油、アマニ油、桐油、サフラワー油、ヤシ油、パーム油、脱水ヒマシ油等が挙げられ、金属石鹸としては、通常、マンガン、コバルト、ジルコニウム、ニッケル、鉄、鉛等のナフテン類またはオクチル酸類、例えば、オクチル酸ジルコニウム、ナフテン酸マンガン、オクチル酸コバルト等、あるいはそれらの混合物等が挙げられる。皮張防止剤としては、通常、ジペンテン、メトキシフェノール、シクロヘキサノンオキシム、メチルエチルケトンオキシム等、あるいはそれらの混合物が挙げられる。
【0030】
本発明において被覆層として用いられる被膜形成物質としては、モノマーの取扱い易さや硬化反応の条件等から、ポリウレタン樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましく、操作性の点でウレタン樹脂は更に好ましい。
被覆層に添加し得る固体担体、界面活性剤、溶媒、安定化剤、着色剤、香料としては、前記した内核の項において挙げたものを同様に挙げることができる。
【0031】
本発明粒剤は、 i) 固体担体を含有する固体連続相及び ii) 低膨潤性水溶性高分子を含有し、該固体連続相の表面または空隙部に存在する分散相からなる内核を、被覆層で被覆することにより得ることができる。
被覆層による被覆方法としては、例えば、被膜形成物質を溶媒に溶解又は分散し、該溶液を回転パン、回転ドラム、流動層、流動床等で運動している内核に添加しつつ、熱風で同時に乾燥せしめて被覆層を形成・生長させて所定の被覆率にまで被覆する方法(被膜乾燥法)や、被膜形成物質の原料(該物質のモノマー、プレポリマー等)を、回転パン、回転ドラム、攪拌ミキサー等で運動している内核に添加しつつ、必要に応じて、加熱あるいは冷却しながら、必要に応じて、触媒を加え、被膜形成物質の原料を硬化せしめて被覆層を形成・生長させて、所定の被覆率にまで被覆する方法(被膜硬化法)等が挙げられる。これらの被覆方法のうち、一般的に、被膜乾燥法は熱可塑性樹脂を被覆する際に用いられることが多く、被膜硬化法は熱硬化性樹脂を被覆する際に用いられることが多い。ワックスや硫黄による被覆においては、被膜乾燥法及び被膜硬化法のいずれも適用され得る。また、内核を被覆するに際して、運動状態にある内核に、一度に多量の被膜形成物質を添加すると、被覆層の形成過程で被膜形成物質が曳糸性を帯びて内核が凝集した塊状となり易いことから、被膜形成物質は少量単位で間欠的に添加するのがよい。
【0032】
本発明粒剤における内核と被覆層から構成される粒子の平均粒子径は、一般に0.1〜5mm程度、好ましくは0.5〜3mm程度である。また、本発明粒剤の形状は通常、立方体状、直方体状、三角錐状、円錐状、円柱状、球状、ダンベル状、楕球状、卵状、凸レンズ状、凹レンズ状、板状等であるが、中でも、円柱状、球状または楕球状であることが好ましい。
【0033】
本発明粒剤の粒子径は通常、体積中位径として0.2〜20mm、好ましくは0.3〜10mmである。また、本発明粒剤の1gあたりの粒子数は通常、50〜5000粒、好ましくは200〜3000粒であり、本発明粒剤の見掛比重は通常、0.3〜1.5g/cc、好ましくは0.7〜1.2g/ccである。なお、粒剤の見掛比重は全農法により測定することができる。
【0034】
本発明粒剤は、含有する農薬活性成分種や使用目的に応じて、例えば、水田、乾田、育苗箱、畑地、果樹園、桑畑、温室、露地などの農耕地、森林、芝生、ゴルフ場、街路樹、道路、路肩、湿地などの非農耕地、池、貯水池、川、水路、下水道などの水系等で使用することができる。
本発明粒剤の使用に当たっては、本発明粒剤を単独で施用することもできるし、適宜その用途により他の剤、例えば他の農薬粒剤、粒状肥料、粒状培土、粒状植物栄養剤、粒状植物調整制御剤、粒状ホルモン剤、種子等の粒状農業資材等と混合して用いることもできる。
【0035】
本発明粒剤は、農薬が一般的に施用される方法によって施用することができ、例えば、手で直接散布する方法や、背負い式散粒機、パイプ散粒機、空中散粒機、動力散粒機、育苗箱用散粒機、トラクター搭載型散粒機、多口ホース散粒機、散粒機を搭載した田植機等による方法を挙げることができる。
本発明粒剤の施用に際しては、本発明粒剤の徐放化性能を活用できる場面での使用が好適である。例えば水稲栽培において、育苗箱施用、培土混和、田植時施用、育苗期施用、播種期施用、緑化期施用、発芽時施用等、通常農薬が施用される時期よりも早期の施用などは、本発明粒剤の特性の面から好適である。
本発明粒剤が育苗箱において使用される場合には、その施用量は育苗箱(通常、面積0.16m2程度)1枚あたり、通常10〜200g、好ましくは25〜100gであり、その際の施用方法としては、手で直接施用する方法、あるいは育苗箱用散粒機を用いて施用する方法が挙げられる。
本発明粒剤が水田や畑地において使用される場合には、その施用量は10アールあたり、通常0.1〜10kg、好ましくは0.25〜5kgであり、その際の施用方法としては、手で直接散布する方法や、背負い式散粒機、パイプ散粒機、空中散粒機、多口ホース散粒機、散粒機を搭載した田植機、散粒機を搭載した耕うん機等を用いる方法等を挙げることができる。
【0036】
【実施例】
次に、実施例及び試験例をあげて本発明を具体的に説明する。
実施例1
(1) N−(1,1,3−トリメチル−2−オキサ−4−インダニル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキサミド 4重量部と含水二酸化珪素0.8重量部とをジュースミキサーでよく混合した後、ピンミルで粉砕した。得られた粉砕物の平均粒子径は6.4μmであった(コールターカウンターTA−IIによる測定値)。
上記で得た粉砕物4.8重量部、ポリビニルアルコール3重量部、ベントナイト富士(豊順洋行製)20重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2重量部及び炭酸カルシウム微粉末(平均粒子径14.8μm)65.2重量部をジュースミキサーでよく混合し、粉末混合物を得た。粉末混合物に水30重量部を添加してよく練合した。得られた練合物を0.9mmφのスクリーン付き小型押し出し造粒機で造粒し、整粒した後に、60℃で15分間乾燥して粒径が1400〜850μmの粒状物を得た。
【0037】
(2)40重量部のリグニンスルホン酸塩を160重量部の水に溶解せしめ、リグニン水溶液を調製した。(1)で得られた粒状物1000重量部を、熱風発生機を付設した温度制御可能な傾斜パン型転動造粒機中で回転させ、80℃に保持しながらリグニン水溶液200重量部を噴霧し、リグニンを粒状物に担持せしめ、内核を得た。
【0038】
(3)得られた内核1000重量部を、熱風発生機を付設した温度制御可能な傾斜パン型転動造粒機中で回転させ、80℃に保持しながら、ポリメリックMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート) 37.6重量%、分岐型ポリエーテルポリオール33.2重量%、直鎖ポリエーテルポリオール28.2重量%及び2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール1.0重量%からなる混合物(以下、混合物Aと記す。)2.5重量部を添加し、5分間80℃に保った。混合物A 2.5gの添加と80℃に5分間保つ操作とを30回繰り返し行い、最後に80℃で10分間保持して農薬粒剤(1)を得た。
【0039】
実施例2
実施例1(2)においてリグニン水溶液200重量部に代えて、リグニン水溶液100重量部を用いる以外は実施例1と同様の実験を行い、農薬粒剤(2)を得る。
【0040】
実施例3
実施例1(2)においてリグニン水溶液200重量部に代えて、リグニン水溶液300重量部を用いる以外は実施例1と同様の実験を行い、農薬粒剤(3)を得る。
【0041】
実施例4
実施例1(2)においてリグニンスルホン酸塩に代えて、アミコールNo.1(日澱化学製)を用いる以外は実施例1と同様の実験を行い、農薬粒剤(4)を得た。
【0042】
実施例5
実施例1(2)においてリグニンスルホン酸塩に代えて、サンエキスP−201(山陽国策パルプ製)を用いる以外は実施例1と同様の実験を行い、農薬粒剤(5)を得た。
【0043】
実施例6
実施例1(2)においてリグニンスルホン酸塩に代えて、バニオールODP(山陽国策パルプ製)を用いる以外は実施例1と同様の実験を行い、農薬粒剤(6)を得る。
【0044】
実施例7
実施例1(2)においてリグニンスルホン酸塩に代えて、サンエキスP252(山陽国策パルプ製)を用いる以外は実施例1と同様の実験を行い、農薬粒剤(7)を得る。
【0045】
実施例8
実施例1(2)においてリグニンスルホン酸塩に代えて、バニオールODP(山陽国策パルプ製)を用いる以外は実施例1と同様の実験を行い、農薬粒剤(8)を得る。
【0046】
実施例9
実施例1(2)の操作に代えて、下記(2)の操作を行う以外は実施例1と同様の実験を行い、農薬粒剤(9)を得た。
(2)10重量部のポリビニルアルコールを190重量部の水に溶解せしめ、ポリビニルアルコール水溶液を調製した。(1)で得られた粒状物1000重量部を、熱風発生機を付設した温度制御可能な傾斜パン型転動造粒機中で回転させ、80℃に保持しながらポリビニルアルコール水溶液200重量部を噴霧し、ポリビニルアルコールを粒状物に担持せしめ、内核を得た。
【0047】
実施例10
実施例1(2)の操作に代えて、下記(2)の操作を行う以外は実施例1と同様の実験を行い、農薬粒剤(10)を得た。
(2)15重量部のポリビニルアルコールを185重量部の水に溶解せしめ、ポリビニルアルコール水溶液を調製した。(1)で得られた粒状物1000重量部を、熱風発生機を付設した温度制御可能な傾斜パン型転動造粒機中で回転させ、80℃に保持しながらポリビニルアルコール水溶液200重量部を噴霧し、ポリビニルアルコールを粒状物に担持せしめ、内核を得た。
【0048】
実施例11
実施例1(2)の操作に代えて、下記(2)の操作を行う以外は実施例1と同様の実験を行い、農薬粒剤(11)を得る。
(2)20重量部のポリビニルアルコールを180重量部の水に溶解せしめ、ポリビニルアルコール水溶液を調製した。(1)で得られた粒状物1000重量部を、熱風発生機を付設した温度制御可能な傾斜パン型転動造粒機中で回転させ、80℃に保持しながらポリビニルアルコール水溶液200重量部を噴霧し、ポリビニルアルコールを粒状物に担持せしめ、内核を得た。
【0049】
比較例1
(1) N−(1,1,3−トリメチル−2−オキサ−4−インダニル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキサミド 4重量部と含水二酸化珪素0.8重量部とをジュースミキサーでよく混合した後、ピンミルで粉砕した。得られた粉砕物の平均粒子径は6.4μmであった(コールターカウンターTA−IIによる測定値)。
上記で得た粉砕物4.8重量部、ポリビニルアルコール3重量部、ベントナイト富士(豊順洋行製)20重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2重量部及び炭酸カルシウム微粉末(平均粒子径14.8μm)65.2重量部をジュースミキサーでよく混合し、粉末混合物を得た。粉末混合物に水30重量部を添加してよく練合した。得られた練合物を0.9mmφのスクリーン付き小型押し出し造粒機で造粒し、整粒した後に、60℃で15分間乾燥して粒径が1400〜850μmの粒状物を得た。
【0050】
(2)得られた粒状物1000重量部を、熱風発生機を付設した温度制御可能な傾斜パン型転動造粒機中で回転させ、80℃に保持しながらポリメリックMDI 35.9重量%、分岐型ポリエーテルポリオール31.3重量%、直鎖ポリエーテルポリオール31.3重量%及び2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール1.5重量%からなる混合物(以下、混合物Bと記す。)2.5重量部を添加し、5分間80℃に保った。混合物Bの添加と80℃に5分間保つ操作とを64回繰り返し行い、最後に80℃に10分間保持して比較農薬粒剤(1)を製造した。
【0051】
試験例1
500mlビーカー中に、表1に示す農薬粒剤300mgと3度硬水300mlとを入れ、緩やかに攪拌した。水温を25±1℃に設定し、0、1、3、7、14、21、…(以下7日おき)日後にビーカーの中央部分より採取した1mlを液体クロマトグラフィーにより分析して、農薬活性成分(N−(1,1,3−トリメチル−2−オキサ−4−インダニル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキサミド)の量を測定し、次式により、溶出率を求め、内挿法により農薬活性成分が50%溶出するのに要する日数を求めた。結果を表1に示す。
【0052】
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、極めて効率的に農薬活性成分の溶出を制御できるので、従来の粒剤に比し、少ない被覆層量でも長期間にわたる農薬活性成分の徐放化が達成できる。
Claims (1)
- 農薬活性成分と固体担体を含有してなる固体連続相に、以下の膨潤度測定方法により求められ、吸水量の皮膜重量に対する百分率で表わされる膨潤度が10以下である低膨潤性水溶性高分子の水溶液を添加、混合し、該固体連続相に該低膨潤性水溶性高分子を吸収せしめた後、熱硬化性樹脂からなる被膜形成物質を添加して被覆層を形成せしめることを特徴とする、該固体連続相及び、該低膨潤性水溶性高分子を含有し、該固体連続相の空隙部に存在する分散相からなる内核と、熱硬化性樹脂からなる層である被覆層とから構成される粒子からなる農薬粒剤の製造方法。
膨潤度測定方法:
低膨潤性水溶性高分子の皮膜を30℃の水に浸漬したときの膨潤前皮膜重量に対する吸水量の割合を測定する方法。
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