以下本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の構成要素には同一符号を付与し、重複する説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における携帯電話端末1の概略構成図である。図1において、携帯電話端末1は通信手段20、近距離無線通信手段30、通信動作決定手段40を備える。
通信手段20は、通信処理を行う部分であり、携帯電話端末1を無線通信回線(図示せず)と接続して通信を行う。通信手段20は、通信動作を指示するための通信動作指示202に基づいて通信処理を実行する。また通信手段20は、着信時に無線通信回線から発呼者の情報を取得し、発呼者を識別する発呼者識別子201を出力する。
図1の近距離無線通信手段30は、近距離に存在する周辺装置と無線を介して通信を行う手段である。近距離無線通信手段30は、近距離に存在する周辺装置の情報を取得して前記周辺装置を識別する周辺装置識別子301を出力する。
通信動作決定手段40は、発呼者識別子201と周辺装置識別子301とに基づいて通信手段20の動作を決定し、通信動作指示202を出力する。
図2は、本発明の実施の形態1における携帯電話端末1をさらに詳しく示した構成図である。図2において携帯電話端末1は応答メッセージ保持手段21、マイク71、スピーカー72、バイブレータ73、RFIDリーダ31、RFIDタグ32、利用者情報保持手段51を備える。
応答メッセージ保持手段21は、着信時に発呼者に対して自動応答するための音声メッセージを保持する。マイク71は、携帯電話端末1の利用者の発話音声を電気信号である発話音声信号711に変換して通信手段20へ出力する。スピーカー72は、着信を通知するための電気信号である着信通知音信号721を通信手段20から受け取り、空気振動に変換して空気中へ放音する。バイブレータ73は、バイブレータ駆動信号731を通信手段20から受け取り、携帯電話端末1の筐体を振動させる。なお、マイク71は請求項記載の音声入力装置、スピーカー72は請求項記載の音声出力装置および着信通知装置、バイブレータ73は請求項記載の着信通知装置に相当する。
RFIDリーダ31は、携帯電話端末1外部の近距離に存在する周辺装置が備えるRFIDタグと通信してRFIDを取得し、周辺装置を識別する周辺装置識別子301を出力する。RFIDタグ32は、携帯電話端末1外部の近距離に存在する周辺装置が備えるRFIDリーダと通信し、自装置を識別する自装置識別子を送出する。RFIDタグ32およびRFIDリーダ31の無線通信動作は公知技術であるため、本明細書では説明を省略する。なお、RFIDリーダ31およびRFIDタグ32は図1における近距離無線通信手段30に相当する部分である。
利用者情報保持手段51は、通信動作決定手段40が通信動作を決定するために参照する利用者情報511を保持する。
図3は、本発明の実施の形態1における携帯電話端末1の外観図である。図3(a)は携帯電話端末1を開口部の方向から見た外観図、図3(b)は携帯電話端末1を開口部の裏側方向から見た外観図である。図3において携帯電話端末1はスピーカー72、マイク71を筐体表面に備え、RFIDリーダ31、RFIDタグ32を筐体内部に備える。RFIDリーダ31、RFIDタグ32を覆う部分はプラスチック部材を用いることにより無線通信のための電磁波が透過するようになっている。
図4は、本発明の実施の形態1における利用者情報511として利用者情報保持手段51が保持する個人情報テーブルの例を示す図である。個人情報テーブルT511は、携帯電話端末1の外部に存在する周辺装置である携帯電話端末(以下「外部端末」と呼ぶ)と外部端末の利用者の情報を格納するものである。
個人情報テーブルT511は、外部端末ごとのレコードR5111〜R5114から成り、各レコードR5111〜R5114のフィールドF5111〜F5114にはそれぞれ外部端末の利用者の氏名、外部端末の電話番号、外部端末の近距離においてRFIDリーダ31が外部端末と通信して得る周辺装置識別子、外部端末の利用者が属するグループが格納されている。なお、氏名(F5111)およびグループ(F5114)に格納されている情報が請求項記載の状況識別子に相当する。また、電話番号(F5112)に格納されている情報が請求項記載の発呼者識別子に相当する。
図5は、本発明の実施の形態1における利用者情報511として利用者情報保持手段51が保持する着信動作テーブルと着信個別動作テーブルの例を示す図である。着信動作テーブルT521と着信個別動作テーブルT531は、携帯電話端末1が着信した際の通信手段20の着信動作を記述したものである。着信動作テーブルT521は、状況識別子ごとのレコードR5211〜R5215から成り、各レコードR5211〜R5215のフィールドF5211〜F5212にはそれぞれ状況識別子、着信の際の動作が格納されている。
着信動作テーブルT521のフィールドF5212の値「通常通知」は、デフォルトの着信通知設定に従って着信を通知する動作を表している。ここでいう「デフォルトの着信通知設定」とは、着信通知音の有無や音種や音量、振動の有無や振動パターン等のパラメータの初期設定値や、設定メニュー等を用いて利用者があらかじめ設定した上記パラメータの設定値を指す。また、フィールドF5212の値「個別動作」は、着信個別動作テーブルT531に従って着信通知することを表している。
着信個別動作テーブルT531は、状況識別子ごとのレコードR5311〜R5312から成り、各レコードR5311〜R5312のフィールドF5311〜F5315には発呼者属性ごとの着信動作が格納されている。発呼者属性とは、発呼者識別子201から個人情報テーブルT511に基づいて導出される発呼者の属性を表し、氏名(F5111)、グループ(F5114)がこれに相当する。フィールド「不明」(F5311)には、発呼側の非通知設定等によって発呼者識別子201が取得できない場合の着信動作が格納されている。
着信個別動作テーブルT531のフィールドの値「着信拒否」は、デフォルトの着信通知設定にかかわらず着信を拒否する(着信通知を行わず、発呼側へビジー信号を返す)ことを表している。また「留守応答」は、デフォルトの着信通知設定にかかわらず留守応答を行う(発呼側へ応答メッセージを送出して発呼者の通話音声を録音する)ことを表している。また「無音通知」は、デフォルトの着信通知設定にかかわらずスピーカー72から放音せずに着信を通知することを表している。
図6は、本発明の実施の形態1における利用者情報保持手段51が保持する応答メッセージテーブルの例を示す図である。応答メッセージテーブルT211は、状況識別子ごとのレコードR2111〜R2112から成り、各レコードR2111〜R2112のフィールドF2111〜F2112にはそれぞれ状況識別子、応答メッセージIDが格納されている。応答メッセージID(F2112)は、応答メッセージ保持手段21が保持する複数の応答メッセージを識別するためのIDであり、本実施の形態においては応答メッセージID=1が応答メッセージ「ただいま仕事中です」を示し、ID=2が応答メッセージ「ただいま打ち合わせ中です」を示す。
図7は、本発明の実施の形態1における携帯電話端末1が着信を受けた際の通信動作決定手段40の処理手順を表すフローチャートである。まずステップS4001において、通信動作決定手段40は通信手段20から発呼者識別子201を取得する。次にステップS4002において、通信動作決定手段40はRFIDリーダ31から近距離に存在する周辺装置の周辺装置識別子301を取得する。RFIDリーダ31の近距離に複数の周辺装置が存在する場合には、通信動作決定手段40は近距離に存在するすべての周辺装置の周辺装置識別子301を取得する。
ステップS4003において通信動作決定手段40は、ステップS4001で取得した発呼者識別子201から個人情報テーブルT511(図4)に基づいて発呼者の氏名(F5111)とグループ(F5114)を取得して発呼者属性とする。ステップS4004において通信動作決定手段40は、ステップS4002で取得したすべての周辺装置識別子301について個人情報テーブルT511(図4)に基づいて近距離に存在する周辺装置の利用者の氏名(F5111)とグループ(F5114)を取得して状況識別子とする。
ステップS4005において通信動作決定手段40は、ステップS4004で取得した状況識別子に対応する着信動作テーブルT521(図5(a))のレコードを抽出する。ステップS4006において通信動作決定手段40は、着信動作の候補を表す変数「着信動作X」に「通常通知」を一時的にセットした上でステップS4007以降の処理を行う。
ステップS4007は、ステップS4005で着信動作テーブルT521(図5(a))から抽出したすべてのレコードについてステップS4008〜S4011の処理を完了したかどうかを判断する分岐である。通信動作決定手段40がすべてのレコードについての処理S4008〜S4011を完了すると(YES)ステップS4012へ進む。
ステップS4008において通信動作決定手段40は、着信動作テーブルT521(図5(a))のレコードの着信動作(F5212)の値を着信動作として選び、その値が「個別設定」であれば(YES)ステップS4009へ進み、そうでなければ(NO)ステップS4010へ進む。
ステップS4009において通信動作決定手段40は、着信個別動作テーブルT531(図5(b))を参照し、ステップS4004で取得した状況識別子と、ステップS4003で取得した発呼者属性に基づいて最も規制の強い着信動作を選ぶ。ここで「着信動作の規制の強さ」は、携帯電話端末1の着信動作が周囲に及ぼす影響の大きさに基づいてあらかじめ定められた規則に基づいて評価される。本実施の形態においては、規制が強いものから順に「着信拒否」、「留守応答」、「無音通知」、「通常通知」と定められているものとする。
ステップS4010〜S4011において通信動作決定手段40は、ステップS4009までの処理で選んだ着信動作と、それ以前に得た着信動作Xの規制の強さを比較し、規制が強い方の着信動作を着信動作Xとする。着信動作決定手段40は、ステップS4006〜S4011の処理により、着信動作の候補のうちで最も規制が強い着信動作Xを得ることになる。
ステップS4012において着信動作決定手段40は、着信動作Xにセットされた着信動作を通信動作指示とする。ステップS4013〜S4014において着信動作決定手段40は、着信動作として留守応答が得られた場合(S4013の「YES」)にステップS4004で得た状況識別子から応答メッセージテーブルT211(図6)に基づいて応答メッセージID(F2112)を取得して通信動作指示に追加する(S4014)。ステップS4015において通信動作決定手段40は、ステップS4014までの処理で得た通信動作指示202を出力して処理を終了する。
図8〜図10は、本発明の実施の形態1における携帯電話端末1を利用する生活場面の例を説明する図である。図8は、第1の携帯電話端末1の利用者U1が一人で過ごしている第1の生活場面において、家族の△野△子U1−bが利用する第2の携帯電話端末1−bが第1の携帯電話端末1へ発呼した第1の状況を表している。図9は、第1の携帯電話端末1の利用者U1が第3の携帯電話端末1−cの利用者である同僚の▽山▽美U1−cと仕事をしている第2の生活場面において、家族の△野△子U1−bが利用する第2の携帯電話端末1−bが第1の携帯電話端末1へ発呼した第2の状況を表している。図10は、第1の携帯電話端末1の利用者U1、第3の携帯電話端末1−cの利用者である同僚の▽山▽美U1−c、第4の携帯電話端末1−dの利用者である得意先の◇川◇郎U1−dが打ち合わせをしている第3の生活場面において、家族の△野△子U1−bが利用する第2の携帯電話端末1−bが第1の携帯電話端末1へ発呼した第3の状況を表している。なお、本発明の実施の形態の説明において、生活場面の例には場所、時間、外部雑音、移動速度等に特定の条件は設けないものとし、それぞれの生活場面の場所、時間、外部雑音、移動速度は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
以下、図2〜10を用いて本発明の実施の形態1における携帯電話端末1の動作を説明する。まず、第1の状況(図8)の場合の携帯電話端末1の動作を説明する。第1の携帯電話端末1が第2の携帯電話端末1−bからの着信を検知すると、図7のフローチャートのステップS4001において通信動作決定手段40は発呼者識別子「09022222222」を取得する。ステップS4003において通信動作決定手段40は発呼者属性「△野△子」「家族」を得る。一方、第1の携帯電話端末1の近距離に外部端末が存在しないので、ステップS4002、S4004、S4005の処理の結果、着信動作テーブルT521のレコードは抽出されない。したがって、ステップS4007の判断(YES)でステップS4008〜S4011の処理はスキップされ、ステップS4012へ進む。そのため、ステップS4012においてはステップS4006でセットされた着信動作Xの値「通常通知」がそのまま通信動作指示となる。つづくステップS4013における判断は「NO」であるので、ステップS4015において通信動作決定手段は通信動作指示202「通常通知」を出力する。
通信手段20は、通信動作指示202「通常通知」を受け取り、デフォルトの着信通知設定に従って着信を通知する。利用者があらかじめ着信音を鳴動する設定にしていた場合は、通信手段20は着信通知音信号721を出力し、スピーカー72がこれを受けて着信音を放音する。すなわち、携帯電話端末1の近距離に外部端末が存在しない場合には、携帯電話端末1はデフォルトの着信通知設定に従って着信を通知する。
次に、第2の状況(図9)の場合の携帯電話端末1の動作を説明する。第2の状況においては第1の状況と異なり、第1の携帯電話端末1の近距離に外部端末である第3の携帯電話端末1−cが存在する。したがって、図7のフローチャートのステップS4002において通信動作決定手段40は周辺装置識別子「333333CCCC」を得る。また、ステップS4004において通信動作決定手段40は状況識別子「▽山▽美」「同僚」を得る。さらにステップS4005において通信動作決定手段40はレコードR5213(図5(a))を得る。
ステップS4007の判断は「NO」であるので通信動作決定手段40はステップS4008へ進む。ステップS4008において、レコードR5213の着信動作フィールドF5212の値が「個別動作」であり判断は「YES」であるので通信動作決定手段40はステップS4009へ進む。ステップS4009において通信動作決定手段40は、状況識別子「同僚」に対応するレコードR5311のうち、発呼者属性「家族」に対応するフィールドF5313の値である着信動作「留守応答」を選ぶ。ステップS4010では着信動作「留守応答」が着信動作Xの値「通常通知」よりも規制が強い(YES)ので通信動作決定手段40はステップS4011へ進む。ステップS4011では通信動作決定手段40は着信動作Xに「留守応答」をセットする。ステップS4005で抽出したレコードは1個だけであるので次のステップS4007の判断は「YES」となり、通信動作決定手段40はステップS4012へ進む。
ステップS4012において通信動作決定手段40は、「留守応答」を通信動作指示とする。ステップS4013の判断は「YES」であるので通信動作決定手段40はステップS4014へ進む。ステップS4014において通信動作決定手段40は、応答メッセージテーブルT211(図6)から状況識別子「同僚」に対応する応答メッセージID「1」を得て通信動作指示「留守応答」に追加することにより、通信動作指示「留守応答,1」を得る。最後にステップS4015において通信動作決定手段40は、通信動作指示202として「留守応答,1」を通信手段20へ出力する。
通信手段20は、通信動作指示202「留守応答,1」を受け取り、発呼側端末である第2の携帯電話端末1−bへ応答メッセージ「ただいま仕事中です」を送出したのち、発呼者である△野△子U1−bの通話音声を録音する動作を行う。すなわち、携帯電話端末1の近距離に同僚の携帯電話端末1−cが存在する場合には、家族からの着信に対して携帯電話端末1は留守応答を行う。
最後に、第3の状況(図10)の場合の携帯電話端末1の動作を説明する。第3の状況においては、第1の携帯電話端末1の近距離に第3の携帯電話端末1−cの他に第4の携帯電話端末1−dが存在する。したがって、図7のフローチャートのステップS4002において通信動作決定手段40は周辺装置識別子「333333CCCC」「444444DDDD」を得る。また、ステップS4004において通信動作決定手段40は状況識別子「▽山▽美」「同僚」「◇川◇郎」「得意先」を得る。さらにステップS4005において通信動作決定手段40はレコードR5213およびR5214(図5(a))を得る。
ステップS4007の判断は「NO」であるので通信動作決定手段40はステップS4008へ進む。ステップS4008〜S4011の1回目の処理においては通信動作決定手段40はレコードR5213の処理を行い、第2の状況(図9)と同じく、着信動作Xに「留守応答」をセットする。ステップS4008〜S4011の2回目の処理のうち、ステップS4008〜S4009において通信動作決定手段40はレコードR5214の処理を行い、着信個別動作テーブルT531(図5(b))のレコードR5312のフィールドF5313の値である着信動作「着信拒否」を選ぶ。ステップS4010の判断では着信動作「着信拒否」が着信動作Xの値「留守応答」よりも規制が強いので、通信動作決定手段40は着信動作Xに「着信拒否」をセットする。つづくステップS4012〜S4015の処理を経て通信動作決定手段40は、通信動作指示202として「着信拒否」を通信手段20へ出力する。
通信手段20は、通信動作指示202「着信拒否」を受け取り、着信通知を行わずに発呼側へビジー信号を返す。すなわち、第2の状況と同様に携帯電話端末1の近距離に同僚の携帯電話端末1−cがある場合であっても、近距離に得意先の携帯電話端末1−dが存在する場合には、家族からの着信に対して携帯電話端末1はより規制の強い着信動作である着信拒否の動作を行う。
以上説明したとおり、本発明の実施の形態1における携帯電話端末1は、家族U1−bからの着信を受けた場合であっても、利用者U1が一人で過ごしている第1の生活場面、利用者U1が同僚U1−cと仕事をしている第2の生活場面、利用者U1が同僚U1−c、得意先U1−dと打ち合わせをしている第3の生活場面でそれぞれ異なる着信動作を行う。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態1における携帯電話端末は、通信動作決定手段40が周辺装置識別子301と発呼者識別子201とに基づいて通信手段20の動作を決定する構成によって、利用者の近距離に存在する周辺装置によって発呼者ごとの通信動作を決定することができるので、生活場面が場所や時間や外部雑音や移動速度に限定されない場合であっても、生活場面に合わせて自動的に通信動作を決定することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、携帯電話端末1の近距離に存在する外部端末の利用者の氏名や電話番号がわからない状況における実施例を説明する。なお、本発明の実施の形態2における携帯電話端末1の構成、外観、着信個別動作テーブル、通信動作決定手段40における処理手順は、本発明の実施の形態1の説明に用いた構成(図1〜2)、外観(図3)着信個別動作テーブルT531(図5(b))、フローチャート(図7)と同じであるものとして説明する。
図11は、本発明の実施の形態2における利用者情報511として利用者情報保持手段51が保持する個人情報テーブルT512を示す図である。個人情報テーブルT512には、本発明の実施の形態1における個人情報テーブルT511(図4)に加えてレコードR5125が格納されている。レコードR5125には、氏名(F5121)および電話番号(F5122)の各フィールドに値が格納されていない。レコードR5125に格納されている周辺装置識別子「555555EEEE」に対応する外部端末の利用者が、携帯電話端末1の利用者U1と面識はないが、特定の生活場面(本実施例においては利用者が車内に居る生活場面)において常に利用者U1の近距離に居るような場合、このように情報を格納しておくことにより、携帯電話端末1が利用者U1の生活場面を特定することが可能となる。
図12は、本発明の実施の形態2における利用者情報511として利用者情報保持手段51が保持する着信動作テーブルT522を示す図である。着信動作テーブルT522には、本発明の実施の形態1における着信動作テーブルT521(図5(a))に加えてレコードR5225が格納されている。図13は、本発明の実施の形態2における利用者情報保持手段51が保持する応答メッセージテーブルT212を示す図である。応答メッセージテーブルT212には、本発明の実施の形態1における応答メッセージテーブルT211(図6)に加えてレコードR2123が格納されている。
図14は、本発明の実施の形態2における携帯電話端末1を利用する生活場面の例を説明する図である。図14は、第1の携帯電話端末1の利用者U1が電車で移動中であり、利用者U1の近距離には第5の携帯電話端末1−eの利用者である乗客U1−eが居る第4の生活場面において、家族の△野△子U1−bが利用する第2の携帯電話端末1−bが第1の携帯電話端末1へ発呼した第4の状況を表している。以下、図2〜3、図5(b)、図7、図11〜14を用いて本発明の実施の形態2における携帯電話端末1の動作を説明する。
第1の携帯電話端末1が第2の携帯電話端末1−bからの着信を検知すると、図7のフローチャートのステップS4004において通信動作決定手段40は周辺装置識別子「555555EEEE」を得る。また、ステップS4004において通信動作決定手段40は状況識別子「乗客」を得る。さらにステップS4005において通信動作決定手段40はレコードR5225(図12)を得る。
ステップS4007の判断は「NO」であるので通信動作決定手段40はステップS4008へ進み、ステップS4008、S4009を経て着信動作「留守応答」を選ぶ。ステップS4010の判断は「YES」なので通信動作決定手段40はステップS4011で「留守応答」を着信動作Xにセットする。ステップS4012〜S4015の処理を経て通信動作決定手段40は通信動作指示202「留守応答,3」を出力する。
通信手段20は、通信動作指示202「留守応答,3」を受け取り、発呼側端末である第2の携帯電話端末1−bへ応答メッセージ「ただいま移動中です」を送出したのち、発呼者である△野△子U1−bの通話音声を録音する動作を行う。すなわち、携帯電話端末1の近距離に乗客U1−eの携帯電話端末1−eが存在する場合には、家族からの着信に対して携帯電話端末1は留守応答を行う。また、携帯電話端末1の近距離に乗客の携帯電話端末1−eが存在する場合の応答メッセージは、本発明の実施の形態1で説明した図9の第2の状況(携帯電話端末1の近距離に同僚の携帯電話端末1−cが存在する場合)における応答メッセージ(「ただいま仕事中です」)とは異なるものとなる。
以上説明したとおり、本発明の実施の形態2における携帯電話端末1は、家族U1−bからの着信を受けた場合であっても、利用者U1が同僚U1−cと仕事をしている第2の生活場面、利用者U1が乗客U−eとともに移動中である第4の生活場面でそれぞれ異なった着信動作を行う。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態2における携帯電話端末は、通信動作決定手段40が周辺装置識別子301と発呼者識別子201とに基づいて通信手段20の動作を決定する構成によって、利用者の近距離に存在する周辺装置によって発呼者ごとの通信動作を決定することができるので、生活場面が場所や時間や外部雑音や移動速度に限定されない場合であっても、生活場面に合わせて自動的に通信動作を決定することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3では、通信動作決定手段20が着信動作テーブルや着信個別動作テーブルではなく、状況識別子と発呼者属性の優先度情報を格納する状況優先度テーブルに基づいて通信動作を決定する実施例を説明する。
なお、本発明の実施の形態3における携帯電話端末1の構成、外観、個人情報テーブルは、本発明の実施の形態1の説明に用いた構成(図1〜2)、外観(図3)、個人情報テーブル(図4)と同じであるものとして説明する。また生活場面については、本発明の実施の形態1の説明に用いた生活場面(図8〜10)を用いて説明する。
図15は、本発明の実施の形態3における利用者情報511として利用者情報保持手段51が保持する状況優先度テーブルの例を示す図である。状況優先度テーブルT541は、携帯電話端末1が着信した際の状況と発呼者の優先度を記述したものである。状況優先度テーブルT541は、状況識別子または発呼者属性に対応する項目ごとのレコードR5411〜R5415から成り、各レコードR5411〜R5415のフィールドF5411〜F5412にはそれぞれ、状況識別子または発呼者属性に対応する項目、優先度が格納されている。ここで、フィールドF5412の優先度の値は0が最も低優先度であることを表し、数値が大きいほど優先度が高いことを表している。
図16は、本発明の実施の形態3における携帯電話端末1が着信を受けた際の通信動作決定手段40の処理手順を表すフローチャートである。ステップS4101〜S4104は、実施の形態1におけるフローチャート(図7)のステップS4001〜S4004と同じであるので説明を省略する。
ステップS4105において通信動作決定手段40は、状況優先度テーブルT541を参照し、ステップS4104で得た状況識別子(F5411)のうちで優先度(F5412)が最も高いレコードを抽出し、そのレコードの優先度(F5412)の値を優先度Xとする。ステップS4106において通信動作決定手段40は、状況優先度テーブルT541を参照し、ステップS4103で得た発呼者属性(F5411)のうちで優先度(F5412)が最も高いレコードを抽出し、そのレコードの優先度(F5412)の値を優先度Yとする。
ステップS4107において通信動作決定手段40は、優先度Xと優先度Yとを比較し、優先度Yが優先度Xより1以上高い場合(+1以上)はステップS4110へ、優先度Yが優先度Xと等しいか1低い場合(−1〜0)はステップS4109へ、優先度Yが優先度Xより2以上低い場合(−2以下)はステップS4108へそれぞれ進む。ステップS4108〜S4110で通信動作決定手段40は、それぞれ「着信拒否」、「無音通知」、「通常通知」を通信動作として選択する。すなわち通信動作決定手段40は、周辺装置の識別結果から得られる状況の優先度と発呼者の優先度とを比較した結果に基づいて着信動作を選択するのである。そしてステップS4111において通信動作決定手段40は、ステップS4110までの処理によって決定した通信動作を通信動作指示202として出力する。
以下、図2〜4、図8〜10、図15〜16を用いて本発明の実施の形態3における携帯電話端末1の動作を説明する。
まず第1の状況(図8)の場合の携帯電話端末1の動作を説明する。第1の携帯電話端末1が第2の携帯電話端末1−bからの着信を検知すると、図16のフローチャートのステップS4101〜S4104の処理を経て、通信動作決定手段40は、発呼者属性「△野△子」「家族」を得る。ステップS4105において通信動作決定手段40は、ステップS4104の処理で状況識別子が得られなかったので優先度Xを「0」とする。ステップS4106において通信動作決定手段40は、状況優先度テーブルT541を参照して発呼者属性「家族」(R5413)の優先度「2」(F5412)を優先度Yとする。
ステップS4107の判断は「+1以上」であるので、通信動作決定手段40はステップS4110へ進む。ステップS4110において通信動作決定手段40は「通常通知」を通信動作とし、ステップS4111において通信動作指示202として「通常通知」を出力する。
通信手段20は、通信動作指示202「通常通知」を受け取り、デフォルトの着信通知設定に従って着信を通知する。
第2の状況(図9)の場合、通信動作決定手段40はステップS4104で状況識別子「▽山▽美」「同僚」を得る。ステップS4105において通信動作決定手段40は、状況優先度テーブルT541のレコードR5414のフィールドF5412の値である「3」を優先度Xとする。ステップS4107の判断で通信動作決定手段40は「−1〜0」へ進むのでステップS4109で選択される「無音通知」を通信動作指示202として出力する。
第3の状況(図10)の場合、第1の状況、第2の状況と同様に処理することにより、通信動作決定手段40は通信動作指示202として「着信拒否」を出力することになる。
以上説明したとおり、本発明の実施の形態3における携帯電話端末1は、家族U1−bからの着信を受けた場合であっても、利用者U1が一人で過ごしている第1の生活場面、利用者U1が同僚U1−cと仕事をしている第2の生活場面、利用者U1が同僚U1−c、得意先U1−dと打ち合わせをしている第3の生活場面でそれぞれ異なり着信動作を行う。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態3における携帯電話端末1は、通信動作決定手段40が周辺装置識別子301と発呼者識別子201とに基づいて通信手段20の動作を決定する構成によって、利用者の近距離に存在する周辺装置によって発呼者ごとの通信動作を決定することができるので、生活場面が場所や時間や外部雑音や移動速度に限定されない場合であっても、生活場面に合わせて自動的に通信動作を決定することができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4では、状況識別子と発呼者属性との共起関係の情報を格納する共起規制テーブルに基づいて通信動作決定手段20が通信動作を決定する実施例を説明する。
なお、本発明の実施の形態4における携帯電話端末1の構成、外観、個人情報テーブルは、本発明の実施の形態1の説明に用いた構成(図1〜2)、外観(図3)、個人情報テーブル(図4)と同じであるものとして説明する。また生活場面については、本発明の実施の形態1の説明に用いた生活場面(図8〜9)を用いて説明する。
図17は、本発明の実施の形態4における利用者情報511として利用者情報保持手段51が保持する共起規制テーブルの例を示す図である。共起規制テ−ブルT551は携帯電話端末1が特定の状況において特定の発呼者による着信が生じた場合、すなわち特定の状況と特定の着信とが共起した場合に、着信動作をどのように規制するかを記述したものである。共起規制テーブルT551は、状況識別子または発呼者属性を表す第1識別子と第2識別子の組合せ(フィールドF5511とF5512)ごとのレコードR5511〜R5512から成り、各レコードR5511〜R5512のフィールドF5513にはその組合せが生じた場合に着信動作をどう規制するかの指示が格納されている。例えばレコードR5511は、状況識別子が△野△子である場合に発呼者属性▽山▽美からの着信があった場合に携帯電話端末1は着信動作を「着信拒否」とすることを表している。またレコードR5511は、状況識別子が▽山▽美である場合に発呼者属性△野△子からの着信があった場合に携帯電話端末1は着信動作を「着信拒否」とすることを表している。
図18は、本発明の実施の形態4における携帯電話端末1が着信を受けた際の通信動作決定手段40の処理手順を表すフローチャートである。ステップS4201〜S4202の処理は本発明の実施の形態1におけるフローチャート(図7)のステップS4001〜S4002と同じであるので説明を省略する。
ステップS4203〜S4204において通信動作決定手段40は、ステップS4201で取得した発呼者識別子に対応する個人情報テーブルT511(図4)のレコード、ステップS4202で取得した周辺装置識別子に対応する個人情報テーブルT511のレコードをそれぞれレコード1、レコード2とする。ステップS4202で取得する周辺装置識別子が複数個ある場合には、対応するすべてのレコードがレコード2として選ばれる。
ステップS4205において通信動作決定手段40は、着信動作の候補を表す変数「着信動作X」に「通常通知」を一時的にセットした上でステップS4206以降の処理を行う。
ステップS4206において通信動作決定手段40は、レコード1として抽出したレコードと同一のレコードがレコード2に含まれているかどうかを判断する。そして、判断が真であれば(YES)、ステップS4207へ進み、通信動作決定手段40は着信動作X(=「通常通知」)を通信動作指示202として出力して処理を終了する。すなわち、携帯電話端末1の近距離にある外部端末から発呼された着信に対しては着信規制を行わず、デフォルトの着信通知設定に従って着信を通知する。携帯電話端末1がこのように動作するのは、携帯電話端末1において着信動作の規制が行われているということを近距離に居る発呼者に知られないようにするためである。
ステップS4206の判断が「NO」である場合、通信動作決定手段40はステップS4208の処理へ進む。ステップS4208〜S4209において通信動作決定手段40は、レコード1の氏名(F5111)とグループ(F5114)から発呼者属性を、レコード2の氏名(F5111)とグループ(F5114)から状況識別子をそれぞれ得る。
ステップS4210において通信動作決定手段40は、共起規制テーブルT551のレコードのうち、ステップS4208で得た発呼者属性と、ステップS4209で得た状況識別子とが共起した場合の規制の情報が記載されているレコードを抽出し、レコード3とする。
ステップ4211は、ステップS4210で抽出したレコード3のすべてのレコードについてステップS4212〜S4214の処理を完了したかどうかを判断する分岐である。通信動作決定手段40がすべてのレコードについてステップS4212〜S4214の処理を完了すると(YES)ステップ4207へ進む。
ステップS4212において通信動作決定手段40は、レコード3の着信動作のフィールド(F5513)の値を着信動作Yとする。ステップS4213において通信動作決定手段40は、着信動作Yが着信動作Xよりも規制が強いかどうかを判断し、判断結果が「YES」であれば着信動作Yの値を新たな着信動作Xとする。すなわち、ステップS4211〜S4214の処理を繰り返すことにより、通信動作決定手段40はレコード3の中から最も規制の強い着信動作を選んで着信動作Xとし、ステップS4207において通信動作指示202として出力するのである。
以下、図2〜4、図8〜9、図17〜18を用いて本発明の実施の形態4における携帯電話端末1の動作を説明する。
まず第1の状況(図8)の場合の携帯電話端末1の動作を説明する。第1の携帯電話端末1が第2の携帯電話端末1−bからの着信を検知すると、図18のフローチャートのステップS4201〜S4202の処理を経て、通信動作決定手段40は、発呼者識別子「09022222222」を得る。ステップS4203において通信動作決定手段40は、レコード1としてレコードR5112(図4)を得るが、ステップS4204においてはレコード2に該当するレコードは得られない。したがって、ステップS4206の判断は「NO」となり、通信動作決定手段40はステップS4208の処理へ進む。
ステップS4208において通信動作決定手段40は、発呼者属性「△野△子」「家族」を得るが、ステップS4209においては状況識別子は得られない。したがって、ステップS4210の条件に合致するレコード3が得られないため、通信動作決定手段40はステップS4211の判断で「YES」へ進み、ステップS4205でセットした着信動作X「通常通知」をステップS4207で通信動作指示202として出力する。
通信手段20は、通信動作指示202「通常通知」を受け取り、デフォルトの着信通知設定に従って着信を通知する。
第2の状況(図9)の場合、通信動作決定手段40はステップS4202において周辺装置識別子「333333CCCC」を得るので、ステップS4204においてレコードR5113(図4)を抽出してレコード2とする。ステップS4206の判断は「NO」であるので通信動作決定手段40はステップS4208の処理へ進み、ステップS4208〜S4209において発呼者属性「△野△子」「家族」および状況識別子「▽山▽美」「同僚」を得る。
ステップS4210において通信動作決定手段40は条件に合致するレコードR5511(図17)を抽出してレコード3とする。ステップS4211の判断は「NO」であるので通信動作決定手段40はステップS4212の処理へ進み、レコードR5511の着信動作フィールド(F5513)の値「着信拒否」を着信動作Yとする。ステップS4213の判断において、着信動作Yの値「着信拒否」は着信動作Xの値「通常通知」よりも規制が強い(YES)ので、通信動作決定手段40はステップS4214において「着信拒否」を新たに着信動作Xの値とする。レコード3はR5511のみであるので、通信動作決定手段40はステップS4211からステップS4207へ進み、着信動作Xの値である「着信拒否」を通信動作指示202として出力する。
通信手段20は、通信動作指示202「着信拒否」を受け取り、着信通知を行わず、発呼者側へビジー信号を返す。
以上説明したとおり、本発明の実施の形態4における携帯電話端末1は、家族U1−bからの着信を受けた場合であっても、利用者U1が一人で過ごしている第1の生活場面、利用者U1が同僚U1−cと仕事をしている第2の生活場面でそれぞれ異なった着信動作を行う。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態4における携帯電話端末1は、通信動作決定手段40が周辺装置識別子301と発呼者識別子201とに基づいて通信手段20の動作を決定する構成によって、利用者の近距離に存在する周辺装置によって発呼者ごとの通信動作を決定することができるので、生活場面が場所や時間や外部雑音や移動速度に限定されない場合であっても、生活場面に合わせて自動的に通信動作を決定することができる。
(実施の形態5)
図19は、本発明の実施の形態5における携帯電話端末1の概略構成図である。図19において、携帯電話端末1は利用者情報保持手段51、利用者情報設定手段50を備える。
利用者情報保持手段51は、通信動作決定手段40が通信動作を決定するために参照する利用者情報511を保持する。利用者情報設定手段50は、利用者情報保持手段51が保持する利用者情報511を設定する手段である。利用者情報設定手段50はまた、近距離無線通信手段30が出力する周辺装置識別子301を受け付けて利用者情報511を設定する。
図20は、本発明の実施の形態5における携帯電話端末1をさらに詳しく示した構成図である。図20において携帯電話端末1はデバイス管理部80、十字キー81、テンキー82、LCD83を備える。
デバイス管理部80は、十字キー81、テンキー82、LCD83を管理する部分であり、メニューや項目等の表示を指示する表示指示801を受け付けて表示内容をLCD83へ出力する。またデバイス管理部80は、十字キー81、テンキー82が受け付ける操作入力の内容を操作通知802として出力する。デバイス管理部80は、VRAM等の記憶素子(図示せず)、CPU(図示せず)上で動作するデバイスドライバ、ウインドウ表示ソフトウエア、かな漢字変換フロントエンドプロセッサ等で構成される。
十字キー81は、利用者による上下左右方向および中央部分押下の操作入力を受け付けて操作入力の内容をデバイス管理部80へ通知する。テンキー82は、利用者による押下操作入力を受け付けて操作入力の内容をデバイス管理部80へ通知する。LCD83は、デバイス管理部80の指示に従って情報を表示する。なお、十字キー81およびテンキー82は請求項記載の操作入力装置に、LCD83は請求項記載の表示装置にそれぞれ相当する。
図21は、本発明の実施の形態5における携帯電話端末1の外観図である。図21(a)は携帯電話端末1を開口部の方向から見た外観図、図21(b)は携帯電話端末1を開口部の裏側方向から見た外観図である。図21において携帯電話端末1は十字キー81、テンキー82、LCD83を筐体表面に備える。
図22は、本発明の実施の形態5における利用者情報511として利用者情報保持手段51が保持する個人情報テーブルの例を示す図である。
図23は、本発明の実施の形態5における携帯電話端末1を用いて個人情報を設定する際のLCD83の表示例を説明する図である。以下、図20〜23を用いて、本発明の実施の形態5における利用者情報511を設定する際の携帯電話端末1の動作のうち、個人情報テーブルを設定する動作を説明する。なお、図22(a)に示す個人情報テーブルT513が個人情報テーブルの初期状態であるものとして以下の説明を行う。
図23(a)は、RFIDリーダ31の通信状態を表示している画面である。本画面は、利用者情報設定手段50が周辺装置識別子301を受け付け、デバイス管理部80へ表示指示801を出すことによりLCD83が表示するものである。図23(a)においてLCD83の表示は、携帯電話端末1の近距離に3台の周辺装置が存在することを項目8101〜8103により示している。またLCD83は、それぞれの項目8101〜8103に対応して電波強度を表すマーク8111〜8113を表示している。マーク8111〜8113は、3台の周辺装置が備えるRFIDタグとRFIDリーダ31との間で行われている通信における電波強度を表すものであり、3本のマーク8113が最も電波強度が強く、1本のマーク8112が最も電波強度が弱いことを示している。項目の周囲に表示されている枠8100はその項目にフォーカスがあることを表す。3つの項目8101〜8103のうち、第1の周辺装置の周辺装置識別子「333333CCCC」は既に個人情報テーブルT513のレコードR5133に登録されていることから、利用者情報設定手段50はテーブルT513から取得したレコードR5133の氏名フィールドF5131の値「▽山▽美」を表示するようデバイス管理部80へ表示指示801を与えている。また、周辺装置識別子の表示8102、8103において、周辺装置識別子を表す10個の文字のうち先頭6文字は伏字を表すアスタリスク(「*」)に替えた表示となっている。この伏字表示は、周辺装置識別子の一部を隠蔽することで、識別子のすべてを開示する場合に比べて秘匿性を高める目的によるものである。
図23(a)の画面表示において、利用者が十字キー81を操作することにより、新たに登録する周辺装置の識別子を選択することができる。ここで利用者が十字キー81を下方向へ2度操作し、第3の周辺装置に対応する項目8103にフォーカス8100がある状態とし、十字キー81の中央を押下すると、デバイス管理部80が操作入力の内容を操作通知802として出力し、利用者情報設定手段50がこれを受け付けて項目8103を選択し、LCD83の表示を図23(b)の登録画面へ遷移するようデバイス管理部80へ表示指示801を出力する。
図23(b)は、図23(a)で選択された周辺装置識別子を登録するための画面である。図23(a)で選択された周辺装置識別子8103が画面に表示され、利用者による情報入力を促すフォーカス8100が表示されている。図23(b)の画面において利用者が十字キー81、テンキー82を操作することにより、個人情報テーブルT513に登録するための情報である氏名、電話番号、グループを入力できるようになっている。画面に表示されている「名前」「電話」「グループ」の項目は個人情報テーブルT513のフィールド「氏名」(F5131)「電話番号」(F5132)「グループ」(F5134)にそれぞれ対応している。
図23(b)の画面右下の「受信」の表示8129は、利用者が十字キー81を右方向へ操作すると図23(a)の画面表示へ戻ることを示している。十字キー81の右方向操作により図23(a)の画面表示へ戻ると、利用者情報設定手段50はRFID31の最新の通信状態をRFIDリーダ31から取得し、LCD83の再表示をデバイス管理部80へ指示する。
図23(c)は、図23(b)の画面における情報入力を完了した画面である。「名前」の欄には第3の周辺装置の利用者の氏名である「◇川◇郎」(8131)が、「電話」の欄には第3の周辺装置の電話番号「09044444444」(8132)が、「グループ」の欄には第3の周辺装置の利用者が属するグループ「得意先」(8134)がそれぞれ入力されている。ここで利用者が画面左下の「完了」の表示8138に従って十字キー81を左方向に操作すると、入力された情報を利用者情報設定手段50が個人情報テーブルT513に登録する。登録の結果である個人情報テーブルT514の内容を図22(b)に示す。個人情報テーブルT514には、利用者による入力情報に基づいて生成された新たなレコードR5144が追加されている。
また前記十字キー81の左方向操作により、LCD83の表示はRFID31の通信状態の画面(図23(d))へ遷移する。図23(d)において第3の周辺装置の周辺装置識別子の表示位置8131には、今回登録した第3の周辺装置の利用者の氏名「◇川◇郎」が表示されている。
図24、25は、本発明の実施の形態5における利用者情報511として利用者情報保持手段51が保持する着信動作テーブルおよび着信個別動作テーブルの例を示す図である。また、図26、27は、本発明の実施の形態5における携帯電話端末1を用いて着信動作を設定する際のLCD83の表示例を説明する図である。以下、図20〜22、図24〜27を用いて、本発明の実施の形態5における利用者情報511を設定する際の携帯電話端末1の動作のうち、着信動作テーブルおよび着信個別動作テーブルを設定する動作を説明する。なお、図24(a)に示す着信動作テーブルT523が着信動作テーブルの初期状態であるものとして以下の説明を行う。また、初期状態において着信個別動作テーブルには何も設定されていないものとして以下の説明を行う。
図26(a)は、着信動作テーブルの設定において生活場面を選択する画面である。本画面は、利用者情報設定手段50がデバイス管理部80へ表示指示801を出すことによりLCD83が表示するものである。図26(a)において、「個人名で選択」(8201)は、個人情報テーブルT514(図22(b))の氏名フィールドF5141の値ごとに着信動作を設定する選択肢を表し、「グループ名で選択」(8202)は、個人情報テーブルT514のグループフィールドF5144の値ごとに着信動作を設定する選択肢を表している。利用者は十字キー81を上下方向に操作することにより、フォーカス8200を選択肢間で移動させ、十字キー81の中央を押下することによりフォーカス8200がある選択肢を選択することができる。ここで利用者が十字キー81を下方向へ1度操作し、選択肢8202にフォーカス8200がある状態とし、十字キー81の中央を押下すると、LCD83の表示は図26(b)の画面へ遷移する。
図26(b)は、生活場面ごとに着信動作を設定する画面である。LCD83は、各々の生活場面としてグループ名を表示し、現在の着信動作の設定をグループ名ごとに表示している。「通常」「無音」「留守」は、それぞれ着信動作「通常通知」「無音通知」「留守応答」を表している。
項目8211〜8214は、利用者情報設定手段50が個人情報テーブルT514のグループフィールドF5144の値と、その値が着信動作テーブルT523(図24(a))の状況識別子F5231に一致するレコードの着信動作フィールドF5232を参照することにより生成する。たとえば、項目8211「通常:友人」は、個人情報テーブルT514のレコードR5141のフィールドF5144の値「友人」と、その値を状況識別子(F5231)とする着信動作テーブルT523のレコードR5231のフィールドF5232の値「通常通知」から生成する。なお、個人情報テーブルT514に格納されているグループフィールドF5144の値に一致する着信動作テーブルT523のレコードが存在しない場合、すなわち前記グループの着信動作が未設定である場合には、利用者情報設定手段50は、着信動作として「通常」を表示するようデバイス管理部80へ表示指示801を出力する。
図26(b)の状態において利用者が十字キー81を下方向へ2度操作し、項目8213にフォーカス8200がある状態とし、十字キー81の中央を押下すると、LCD83の表示は図26(c)の画面へ遷移する。
図26(c)は、図26(b)で選択された生活場面「同僚」(8220)における着信動作を選択する画面である。図26(c)においてLCD83は、選択可能な着信動作の項目8221〜8225を表示する。また、着信動作テーブルT523において状況識別子(F5231)「同僚」に対応するレコードR5233のフィールドF5232の値は「無音通知」であるので、利用者情報設定手段50は、項目「無音通知」(8222)にフォーカス8200を表示するようデバイス管理部8に指示する。
図26(c)の状態において利用者が十字キー81を下方向へ1度操作し、項目8223にフォーカス8200がある状態とし、十字キー81の中央を押下すると、選択された結果を利用者情報設定手段50が着信動作テーブルT523に登録する。登録の結果である着信動作テーブルT524の内容を図24(b)に示す。着信動作テーブルT524の状況識別子(F5241)「同僚」に対応するレコードR5243の着信動作フィールドF5242の値が「留守応答」に変更されている。
また前記十字キー81の押下操作により、LCD83の表示は着信動作選択画面(図26(d))へ遷移する。図26(d)において項目8233の着信動作として、今回選択した「留守応答」を表す「留守」が表示されている。
図26(d)に示す画面において、利用者が十字キー81の中央を押下し、さらに十字キー81を下方向へ2度操作すると、LCD83の表示は図27(a)に示すように、項目「個別設定」にフォーカス8200がある状態となる。ここで利用者が十字キー81の中央を押下すると、LCD83の表示は、生活場面「同僚」における着信動作を個別に設定する図27(b)の設定画面へ遷移する。
図27(b)において、項目8241〜8245は、生活場面「同僚」における発呼者属性(氏名またはグループまたは「不明」)ごとの個別の着信動作を表している。利用者情報設定手段50が、個人情報テーブルT514の氏名フィールドF5141およびグループフィールド(F5144)の値、すなわち発呼者属性ごとの個別の着信動作を着信個別動作テーブルから抽出してデバイス管理部80へ表示を指示することにより、LCD83が図27(b)の画面を表示する。着信個別動作テーブルに個別の着信動作が未設定である場合、利用者情報設定手段50は、個別の着信動作の代わりに着信動作テーブルの着信動作フィールドの値を表示するようデバイス管理部80へ指示する。図27(b)の段階では、着信個別動作テーブルに生活場面「同僚」における個別の着信動作の情報が格納されていないので、利用者情報設定手段50は、着信動作テーブルT524の状況識別子フィールドF5241が「同僚」に一致するレコードR5243の着信動作フィールドF5242の値「留守応答」を項目8241〜8245に表示するようデバイス管理部80へ指示する。
図27(b)の状態において利用者が十字キー81を下方向へ4度操作し、項目8245にフォーカス8200がある状態とし、十字キー81の中央を押下すると、LCD83の表示は図27(c)の画面へ遷移する。
図27(c)は、図27(b)で選択された発呼者属性「得意先」(8245)に対応する個別の着信動作を選択する画面である。図27(c)においてLCD83は、選択可能な着信動作の項目8251〜8254を表示する。また、着信動作テーブルT524において状況識別子(F5241)「同僚」に対応するレコードR5243のフィールドF5242の値は「留守応答」であるので、利用者情報設定手段50は、項目「留守応答」(8253)にフォーカス8200を表示するようデバイス管理部80に指示する。
図27(c)の状態において利用者が十字キー81を上方向へ2度操作し、項目8251にフォーカス8200がある状態とし、十字キー81の中央を押下すると、LCD83の表示は生活場面「同僚」における着信動作を個別に設定する図27(d)の設定画面へ遷移する。図27(d)において項目8245の着信動作として、今回選択した「通常通知」を表す「通常」が表示されている。
図27(d)において利用者が十字キー81を左方向へ操作すると、利用者情報設定手段50は、図27(a)〜図27(d)で選択された結果を着信動作テーブルT524に登録する。登録の結果である着信動作テーブルT525の内容を図25(a)に示す。着信動作テーブルT525の状況識別子(F5251)「同僚」に対応するレコードR5253の着信動作フィールドF5252の値が「個別通知」に変更されている。また、新たに設定された着信個別動作テーブルT535の内容を図25(b)に示す。着信個別動作テーブルT535において、状況識別子「同僚」に対応するレコードR5351のフィールド「得意先」(F5355)の値が「通常通知」となっており、それ以外のフィールド(F5351〜F5354)の値が「留守応答」となっている。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態5における携帯電話端末1は、利用者情報511を設定する利用者情報設定手段50を具備する構成により、利用者の近距離に存在する周辺装置と利用者の状況との対応、利用者の状況と発呼者との対応を利用者が設定することができるので、生活場面が場所や時間や外部雑音や移動速度に限定されない場合であっても、利用者ごとの生活場面に合わせて自動的に通信動作を決定することができる。
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6は、利用者情報511として、着信動作テーブルおよび着信個別動作テーブルの替わりに共起規制テーブルを用いた場合の例を説明する。なお、本発明の実施の形態6における携帯電話端末1の構成は図19、20に示すとおりとする。また本発明の実施の形態6における携帯電話端末1の外観は図21に示すとおりとする。また本発明の実施の形態6における個人情報テーブルは図4に示す個人情報テーブルT511とする。
図28は、本発明の実施の形態6における利用者情報511として利用者情報保持手段51が保持する共起規制テーブルの例を示す図である。また、図29は、本発明の実施の形態6における携帯電話端末1を用いて着信動作を設定する際のLCD83の表示例を説明する図である。以下、図4、図19〜21、図28〜29を用いて、本発明の実施の形態6における利用者情報511を設定する際の携帯電話端末1の動作のうち、共起規制テーブルを設定する動作を説明する。なお、図28(a)に示す共起規制テーブルT552が共起規制テーブルの初期状態であるものとして以下の説明を行う。
図29(a)は、共起規制テーブルの設定において生活場面を選択する画面である。本画面は、利用者情報設定手段50がデバイス管理部80へ表示指示801を出すことによりLCD83が表示するものである。図29(a)においてLCD83は、生活場面に対応する項目8301〜8305として、個人情報テーブルT511(図4)の各レコードの氏名フィールドF5111とグループフィールドF5114の値、すなわち状況識別子または発呼者属性を表示している。
また、項目「△野△子」(8302)、「▽山▽美」(8303)の左に表示されているマーク「※」(8309)は、該当する状況識別子または発呼者属性に対して着信動作を規制する設定がなされていることを表す。マーク8309は、共起規制テーブルT552のレコードR5521に識別子「△野△子」(F5521)と識別子「▽山▽美」(F5552)とが共起した場合の規制動作「着信拒否」(F5523)が格納されていることに基づいて利用者情報設定手段50がデバイス管理部80へマーク「※」(8309)の表示を指示することにより、LCD83が表示する。
図29(a)において利用者が十字キー81を下方向へ2度操作し、項目8303にフォーカス8300がある状態とし、十字キー81の中央を押下すると、LCD83の表示は図29(b)の画面へ遷移する。
図29(b)は、前記十字キー81の操作によって選択した識別子「▽山▽美」(8303)と共起する可能性のある識別子、すなわち状況識別子または発呼者属性ごとに、共起した場合の着信動作を設定する画面である。図29(b)の設定画面には現在の設定の内容が一覧表示され、利用者が一覧表示中の項目を選択することにより、識別子ごとの着信動作の設定を変更できるようになっている。図29(b)において、着信動作「通常通知」「無音通知」「留守応答」「着信拒否」は文字列「通常」「無音」「留守」「着信」で表示される。「△野△子」と「▽山▽美」とが共起した場合の着信動作「着信拒否」が共起規制テーブルT552のレコードR5521に既に格納されているので、項目8312には「拒否」と表示されている。なお、着信動作が規制されていない識別子8311、8313〜8315の着信動作の欄には「通常」が表示される。
図29(b)において利用者が十字キー81を下方向へ3度操作することにより項目8314にフォーカス8300がある状態とし、さらに十字キー81の中央を押下すると、識別子「友人」(8314)が選択され、LCD83の表示は図29(c)の画面へ遷移する。
図29(c)は、図29(a)で選択した識別子「▽山▽美」(8303)と図29(b)で選択した識別子「友人」(8314)とが共起した場合の着信動作を選択する画面である。図29(c)においてLCD83は、選択可能な着信動作の項目8321〜8324を表示する。また、共起規制テーブルT552には識別子「▽山▽美」(8303)と識別子「友人」(8314)とが共起したときの着信動作の情報が格納されていないので、利用者情報設定手段50は、項目「通常通知」(8321)にフォーカス8300を表示するようデバイス管理部8に指示する。
図29(c)において利用者が十字キー81を下方向へ1度操作することにより項目8322にフォーカス8300がある状態とし、さらに十字キー81の中央を押下すると、選択された結果を利用者情報設定手段50が共起規制テーブルT552に登録する。登録の結果である共起規制テーブルT553の内容を図28(b)に示す。共起規制テーブルT553には、レコードR5532が新たに追加されており、レコードR5532には第1識別子「▽山▽美」(F5531)と第2識別子「友人」(F5532)とが共起した場合の着信動作「無音通知」(F5533)が格納されている。
また前記十字キー81の押下操作により、LCD83の表示は着信動作の設定画面(図29(d))へ遷移する。図29(d)において項目8334の着信動作として、今回選択された「無音通知」を表す「無音」が表示されている。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態6における携帯電話端末1は、利用者情報511を設定する利用者情報設定手段50を具備する構成により、利用者の状況と発呼者との対応を利用者が設定することができるので、生活場面が場所や時間や外部雑音や移動速度に限定されない場合であっても、利用者ごとの生活場面に合わせて自動的に通信動作を決定することができる。
(実施の形態7)
図30は、本発明の実施の形態7における携帯電話端末1の概略構成図である。図30において、携帯電話端末1は動作状態通知手段60を備える。また、通信動作決定手段40は、通信動作決定手段40が決定した通信動作の状態の通知を指示する動作状態通知指示601を出力するよう構成されている。動作状態通知手段60は、動作状態情報601を受け付けて通信動作の状態を通知する。
図31は、本発明の実施の形態7における携帯電話端末1をさらに詳しく示した構成図である。図31において通信動作決定手段40は、動作状態通知指示601をデバイス管理部80へ出力する。デバイス管理部80は、動作状態通知指示601に基づいて通信動作の状態を表示するための表示内容をLCD83へ出力する。また、利用者情報保持手段51は利用者情報511として個人情報テーブルT511(図4)および共起規制テーブルT552(図28(a))を保持している。なお、デバイス管理部80とLCD83が図30における動作状態通知手段60に相当する。
図32は、本発明の実施の形態7における通信動作決定手段40が、通信手段20における通信動作を決定して動作状態通知指示601を出力する際の処理手順を表すフローチャートである。まずステップS6001において、通信動作決定手段40はRFIDリーダ31から近距離に存在するすべての周辺装置の周辺装置識別子を取得する。次にステップS6002において通信動作決定手段40は、ステップS6001で取得したすべての周辺装置識別子に対応するレコードを個人情報テーブルT511(図4)から抽出してレコード1とする。
ステップS6003において通信動作決定手段40は、ステップS6002で得たレコード1の氏名フィールドF5111の値、グループフィールドF5114の値を状況識別子とする。ステップS6004〜S6012の処理は、共起規制テーブルT552(図28(a))のすべてのレコードについて通信動作決定手段40が実行する処理であり、ステップS6005の判断においてすべてのレコードについての処理が終了したと判断する(YES)ことにより処理を終了する。
ステップS6004で通信動作決定手段40は共起規制テーブルT552のレコードを1個取り出してレコード2とする。ステップS6006で通信動作決定手段40は、ステップS6003で得た状況識別子の中にレコード2の第1識別子フィールド(F5521)の値が含まれるか判断し、含まれる場合(YES)はステップS6010へ進み、含まれない場合(NO)はステップS6007へ進む。
ステップS6007で通信動作決定手段40は、ステップS6003で得た状況識別子の中にレコード2の第2識別子フィールド(F5522)の値が含まれるか判断し、含まれる場合(YES)はステップS6008へ進み、含まれない場合(NO)はステップS6004へ進む。ステップS6008で通信動作決定手段40は、レコード2の着信動作フィールド(F5523)の値を通信動作として決定する。ステップS6009で通信動作決定手段40は、ステップS6008までの処理で決定した通信動作とレコード2の第1識別子フィールド(F5521)の値を通知するよう、動作状態通知指示601をデバイス管理部80へ出力する。
ステップS6010で通信動作決定手段40は、ステップS6003で得た状況識別子の中にレコード2の第2識別子フィールド(F5522)の値が含まれるか判断し、含まれない場合(NO)はステップS6011へ進み、含まれる場合(YES)はステップS6004へ進む。ステップS6011で通信動作決定手段40は、レコード2の着信動作フィールド(F5523)の値を通信動作として決定する。ステップS6012で通信動作決定手段40は、ステップS6011までの処理で決定した通信動作とレコード2の第2識別子フィールド(F5522)の値を通知するよう、動作状態通知指示601をデバイス管理部80へ出力する。
ステップS6006→S6007→S6008の順に進む処理は、第2識別子フィールド(F5522)の値が示す状況識別子に対応する周辺装置が携帯電話端末1の近距離に存在した場合に、そのレコードの第1識別子フィールド(F5521)の値が示す発呼者属性に対応する携帯電話からの着信に対する着信動作を導出する処理に相当する。一方、ステップS6006→S6010→S6011の順に進む処理は、第1識別子フィールド(F5521)の値が示す状況識別子に対応する周辺装置が携帯電話端末1の近距離に存在した場合に、そのレコードの第2識別子フィールド(F5522)の値が示す発呼者属性に対応する携帯電話からの着信に対する着信動作を導出する処理に相当する。
すなわち、通信動作決定手段40は、携帯電話端末1の近距離に存在する周辺装置との共起が規制されている発呼者属性と、規制された着信動作とを、通信動作の状態として通知するよう動作状態通知手段60へ指示するのである。
また、ステップS6006→S6010→S6004の順に進む処理は、互いに共起が規制されている2個の識別子が共に状況識別子に含まれている場合、すなわち互いに共起が規制されている外部端末がいずれも携帯電話端末1の近距離に存在する場合に、その規制に関する情報を通知しないことを通信動作決定手段40が決定する処理に相当する。通信動作決定手段40がこのように動作するのは、携帯電話端末1において着信動作の規制が行われているということを近距離に居る外部端末の所有者に知られないようにするためである。
図33は、本発明の実施の形態7における携帯電話端末1の動作状態通知手段60に相当するLCD83の表示例を示す図である。図33(a)は、携帯電話端末1の近距離に利用者「▽山▽美」が所持する第3の携帯電話端末1−cが存在する場合のLCD83の表示を示す。図33(b)は、第3の携帯電話端末1−cに加えて利用者「△野△子」が所持する第2の携帯電話端末1−bが携帯電話端末1の近距離に存在する場合のLCD83の表示を示す。以下、図4、図28(a)、図30〜33を用いて本発明の実施の形態7における携帯電話端末1の動作を説明する。
まず、携帯電話端末1の近距離に第3の携帯電話端末1−cのみが存在する場合の動作を説明する。図32のフローチャートのステップS6001において通信動作決定手段40は、第3の携帯電話端末1−cの周辺装置識別子「333333CCCC」を取得する。ステップS6002において通信動作決定手段40は、個人情報テーブルT511(図4)のレコードR5113をレコード1とする。ステップS6003において通信動作決定手段40は、状況識別子「▽山▽美」「同僚」を得る。ステップS6004において通信動作決定手段40は、共起規制テーブルT552(図28(a))のレコードR5521をレコード2とする。
ステップS6005の判断は「NO」であるので通信動作決定手段40はステップS6006へ進む。ステップS6006の判断は「NO」、ステップS6007の判断は「YES」であるので、通信動作決定手段40はステップS6008へ進む。ステップS6008において通信動作決定手段40はレコードR5521の着信動作フィールド(F5523)の値「着信拒否」を通信動作とする。ステップS6009において通信動作決定手段40は、決定した通信動作「着信拒否」とレコードR5521の第1識別子フィールド(F5521)の値「△野△子」の通知を指示する動作状態通知指示601を出力する。
以上の処理の結果、図33(a)に示すとおり、LCD83は通信動作「着信拒否」に対応する文字列「拒否」(8401)、規制されている発呼者の発呼者属性を示す文字列「△野△子」(8402)を表示することにより、通信動作決定手段40が「△野△子」からの着信を拒否するよう通信動作を決定した状態であることを利用者に通知する。
次に、携帯電話端末1の近距離に第3の携帯電話端末1−cと第2の携帯電話端末1−bが存在する場合の動作を説明する。図32のフローチャートのステップS6001において通信動作決定手段40は、周辺装置識別子「222222BBBB」「333333CCCC」を取得する。ステップS6002において通信動作決定手段40は、個人情報テーブルT511(図4)のレコードR5112、R5113をレコード1とする。ステップS6003において通信動作決定手段40は、状況識別子「▽山▽美」「同僚」「△野△子」「家族」を得る。ステップS6005において通信動作決定手段40は、共起規制テーブルT552(図28(a))のレコードR5521をレコード2とする。
ステップS6005の判断は「NO」であるので通信動作決定手段40はステップS6006へ進む。ステップS6006の判断は「YES」であるので通信動作決定手段40はステップS6010へ進む。ステップS6010の判断も「YES」であるので通信動作決定手段40は動作状態通知指示601を出力せずにステップS6004へと進み、ステップS6005の判断で「YES」へ進んで処理を終わる。
以上の処理の結果、図33(b)に示すとおり、LCD83は規制されている発呼者を示す文字列を表示しない。
以上説明したとおり、本発明の実施の形態7における携帯電話端末1は、第3の携帯電話端末が近距離に存在するとき、第2の携帯電話端末からの着信を規制していることを示す表示を行う。また、本発明の実施の形態7における携帯電話端末1は、第3の携帯電話端末と、第3の携帯電話端末が近距離に存在する場合に着信を規制する第2の携帯電話端末が近距離に存在するとき、第2の携帯電話端末からの着信を規制していることを示す表示を行わない。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態7における携帯電話端末1は、通信動作決定手段40が決定した通信動作の状態を通知する動作状態通知手段60を具備することにより、利用者の近距離に存在する周辺装置によって決定される発呼者ごとの通信動作を利用者に通知するので、生活場面が場所や時間や外部雑音や移動速度に限定されない場合であっても、生活場面に合わせて自動的に通信動作を決定することができるとともに、決定された通信動作を利用者が確認することができる。
なお、本発明の実施の形態1〜7において、携帯電話端末の例を説明したが、発呼者を識別できる通信手段を有する装置であれば何であってもよく、たとえばスマートフォンやIP電話や固定電話であってもよいし、電子メールやショートメッセージやインスタントメッセージやプッシュトゥトークメッセージやチャットメッセージの受信機能を持つ情報端末であってもよい。
なお、本発明の実施の形態1〜7において、通信手段は無線通信回線に接続するものであるとしたが、発呼者を識別できる通信であればどのようなものであってもよく、近距離無線や有線による通信を行う通信手段であってもよい。
なお、本発明の実施の形態1〜7において、近距離無線通信手段はRFIDタグおよびRFIDリーダであるとしたが、近距離に存在する周辺端末を検出可能な無線通信手段であれば何であってもよく、たとえばBluetoothや無線LANや非接触型ICカードによる通信手段であってもよいし、赤外線や紫外線や可視光や超音波や可聴音や磁気等によるその他の通信手段であってもよい。
なお、本発明の実施の形態1〜7において、通信動作決定手段は「通常通知」「留守応答」「無音通知」「着信拒否」のいずれかから通信動作を決定するとしたが、これに限るものではなく、たとえば着信の通知における表示または音出力または振動出力または応答メッセージの内容やパターン、またはそれらの組合せを決定するようにしてもよい。
なお、本発明の実施の形態1〜7において、利用者情報は個人情報テーブルであるとしたが、これに限るものではなく、周辺装置識別子と状況識別子との対応を示す情報を含むものであればどのようなものであってもよい。
なお、本発明の実施の形態1〜7において、利用者情報は着信動作テーブル、着信個別動作テーブル、状況優先度テーブル、共起規制テーブルであるとしたが、これに限るものではなく、状況識別子と発呼者識別子との対応を示す情報を含むものであればどのようなものであってもよい。
なお、本発明の実施の形態7において、動作状態通知手段はデバイス管理部とLCDであるとしたが、通信動作の状態を通知するものであれば何であってもよく、たとえばCRTやプラズマや有機ELや光電管や電子紛流体や電子ペーパーやフラッシュランプやLEDによる表示手段であってもよいし、音または振動または筐体の一部変形または筐体表面の触感または温度または気流によって通知する手段であってもよい。