JP4662342B2 - ロース・ばら部の肋骨除骨装置 - Google Patents
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Description
従来肋骨の除骨方法としては、たとえば特許文献1(特開平10−179015号公報)には、ロース・ばら肉の肋骨関節部の肋骨基部の上部に切開溝を設け、同切開溝に一本の紐状部材を載置させ、同紐状部材により各肋骨基部上側より肋骨下部へかけ肋骨の間隙を潜らせ、骨部に同紐状部材を懸架した状態で除骨用ループ群を一括して同時に引っ張り、全肋骨に亘り一括除骨を可能にした方法が開示されている。
また前処理として、手作業による筋入れを必要とし、まだまだ手動部分を多く残し、煩雑であり、自動化にはほど遠い方法である。
また好ましくは、前記紐を前記基準位置に固定位置決めされたロース・ばら部の肋骨先端部側から背骨側に揺動可能なアームに取り付けるとともに、肋骨先端側では曲率半径の大きな軌跡を描き、肋骨末端側では曲率半径の小さな軌跡を描くように構成する。
また好ましくは、前記紐を前記基準位置に固定位置決めされたロース・ばら部の肋骨先端部側から背骨側に揺動可能なアームに取り付けるとともに、肋骨先端側では曲率半径の大きな軌跡を描き、肋骨末端側では曲率半径の小さな軌跡を描くように構成したことにより、まず紐引きの第一段階では、軟骨付近の形状合わせるために、曲率半径の大きな軌跡を描き、背骨に近づくにつれて、肋骨末端側では曲率半径の小さな軌跡を描くことで、肋骨形状に紐が沿うように動かすことができる。
図1〜5は、本発明の第1実施例に係る豚ロース・ばら部の除骨装置に係り、このうち、図1はロース・ばら部の水平方向位置決めのための装置構成に係る平面図、図2は同じく立面図、図3は、高さ方向位置決めのための装置構成に係る立面図、図4は同じく側面図、図5は同じく平面図である。
本実施例の装置は、ロース・ばら部aのバケット6への投入は人手で行なうが、その後は本装置がロース・ばら部aの処理基準面の位置決めを行なうため、投入作業は単純な作業となる。
すなわちロース・ばら部aをまな板1の上に置いたままであると、後ろ足方向へ行くにつれて肉が薄くなるため、肋骨のある高さが低くなってしまう。この高さの違いはロース・ばら部によって様々である。この個体差を吸収するために、通常は上方に位置されている上押えレール11が、図6に示すように、高さ方向位置決め時に上押えレール11を、エアシリンダ13を駆動させてロース・ばら部aの肋骨cの上部に当たる位置に下降させ、かつ押上げ丸棒9を下方から上昇させて、高さ方向の基準面である上押えレール11にロース・ばら部aを押し付けることにより、肋骨cの高さを基準面に揃え、ロース・ばら部aの個体差による除骨処理への影響を押えることができる。
この状態を示したのが図7で、基準丸棒2、押上げ丸棒9及び上押えレール11の3箇所でロース・ばら部aを確実に処理基準位置に保持している。
ローラ17を転がす場所は、肋骨cが存在する側の表面でもよいが、肋骨先端面を転がすことにより、肉が少ない分さらに計測精度を上げることができる。
この人手により紐を引く場合に引きやすくするためには、なるべく骨と肉を切り離しておく必要があり、そのため肋骨先端部の周囲に切り込み(筋入れ)を入れる必要がある。特に肋骨先端下部は肉と骨の結合が強く、切り離しをしないと、人手により紐を引くのは困難である。また切り込みを入れることにより、紐が掛けやすくなる。
また25は、ひも引き第二段階の支点26を中心にエアシリンダ28によって回動可能な腕27の先端に取り付けられたひもで、筋入れ開始の最初の段階では、パイプ状カッタ21の先端から突出した樹脂ガイド23に掛け渡された状態になっている。
またこのパイプ状カッタ21の周囲にひも25を掛けておき、パイプ状カッタ21がロース・ばら部aに刺さり、このときに上押えレール11のシャッタ15が開く。パイプ状カッタ21の中に肋骨cが入っている状態のままひも25をひも引き装置により肋骨側に移動させると、そのままひも25が肋骨cに掛かる仕組みとなっている。
このひもに当たる部分を機械が扱いやすい、金属製のものを使って肋骨cを剥がすと、その形状のまま肉をえぐり取ってしまい、骨のみを剥がし取ることができず、歩留まりがとても悪くなる。また肋骨cの形状に合わせることができればよいが、肋骨の形状は先端と根元とでは太さが違い、肋骨1本1本で形状が様々であるため、肋骨の形状に合わせた金属のような硬い物で処理を行なうのは困難である。
1本の肋骨cの処理が終わり、次の肋骨の処理に移るときに、パイプ状カッタ21に再度ひも25を掛けなければならないが、形状が不安定なひもを強引に掛けようとすると、パイプ状カッタ21自身の刃に引っかかり、ひも25を切ってしまうおそれがある。この問題を解決するために、パイプ状カッタ21の先端で出入りする樹脂ガイド23を設け、ひも25をパイプ状カッタ21に直接掛けるのではなく、一度樹脂ガイド23に掛けることにより、スムーズにパイプ状カッタ21にひも25を掛けることができる。
すなわち本実施例では、シャッタ15が開いた後、揺動支点26を支点として揺動する腕27にたとえば直径30mm程度のひもの輪25を取り付けたものであり、腕27はもうひとつの揺動支点29を支点として揺動する腕31に取り付けられている。
ひもの長さを長くして、おおよその軌跡を描くことにより、肋骨の剥離を良好に実施することはできるが、ひもを長くすることによって、ひもの形状が自由となり、装置によりひもの形状を管理することが困難になる。ひもを短くすることで、ひも自身がいつも同じ形状を保ちやすくなる。
さらに紐掛け工程前に肋骨位置を計測する工程を設け、計測ローラ17を肋骨側表面に転がすだけで簡単に肋骨位置を把握でき、またこれによって肋骨位置を精度良く把握できるため、以後のひも掛け及びひも引き工程をスムーズに行うことができる。
またひも引き工程においては、ひも25を第一段階と第二段階とで異なる支点を中心に揺動させているので、ひも25の軌跡を肋骨cの形状に合った軌跡とすることができる。
2 基準丸棒
3 支軸
4,7,10,13,16,22,24,28,30 エアシリンダ
5a,5b,14a,14b 支持腕
6 バケット
8 ばね
9 押上げ丸棒
11 上押えレール
12 支軸
15 シャッタ
17 計測ローラ
21 パイプ状カッタ
23 樹脂ガイド
25 ひも
26 ひも引き第二段階支点
27,31,33 腕
29 ひも引き第一段階支点
32 ストッパ
a ロース・ばら部
b 背骨
c 肋骨
d 肋軟骨断面
e 棘突起
Claims (8)
- ロース・ばら部の肋骨に紐を掛けて引くことにより肋骨を肉から剥離させる装置において、ロース・ばら部をある基準位置に固定位置決めする手段と、断面が肋骨断面形状に沿う先端刃を有するカッタで肋骨先端部の周囲に切り込みを入れ同切り込みに紐を掛ける手段と、同紐を背骨側に引いて肋骨を肉から剥離する手段とを備えたことを特徴とするロース・ばら部の肋骨除骨装置。
- 肋骨位置を計測する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のロース・ばら部の肋骨除骨装置。
- 前記固定位置決め手段が、テーブル面の上方に同テーブル面と平行に配置され、上下に平行移動可能な基準棒と、ロース・ばら部を肋骨側を上向きに肋軟骨側から前記基準棒に肋軟骨の断面を押し当てるように運ぶバケットと、前記基準棒より若干前記バケット側に同基準棒と平行に配置され、前記テーブル面の上下に昇降可能な押し上げ部材と、同押し上げ部材の上方に前記基準棒と平行に配置され、ロース・ばら部の肋骨の高さを固定位置決めする上押えレールとを備えたことを特徴とする請求項1記載のロース・ばら部の肋骨除骨装置。
- 前記カッタの先端刃から前方に突出かつ退入可能な紐ガイドを設けたことを特徴とする請求項1記載のロース・ばら部の肋骨除骨装置。
- 前記紐を前記基準位置に固定位置決めされたロース・ばら部の肋骨先端部側から背骨側に揺動可能なアームに取り付けるとともに、肋骨先端側では曲率半径の大きな軌跡を描き、肋骨末端側では曲率半径の小さな軌跡を描くように構成したことを特徴とする請求項1記載のロース・ばら部の肋骨除骨装置。
- 前記上押えレールの一部分が開放され、同開放部にシャッタを開閉可能に取り付け、同開放部に位置した肋骨を1本ごとに紐掛け及び紐引きによる肉剥離操作を行ない、次に前記基準位置を保持しながら前記上押えロールの開放部を移動させ、順次次の肋骨に対し紐掛け及び紐引きによる肉剥離を行なうことを特徴とする請求項3記載のロース・ばら部の肋骨除骨装置。
- 前記肋骨位置計測手段は、肋骨の上をローラを押付けながら転がし、同ローラの動きをエンコーダで読み取り肋骨の位置を計測することを特徴とする請求項2記載のロース・ばら部の肋骨除骨装置。
- 前記ローラを肋骨先端部側を押付けながら転がすことを特徴とする請求項6記載のロース・ばら部の肋骨除骨装置。
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