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JP4655510B2 - 表示デバイス用粒子群、画像表示デバイス、画像形成装置 - Google Patents

表示デバイス用粒子群、画像表示デバイス、画像形成装置 Download PDF

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JP4655510B2 JP2004146563A JP2004146563A JP4655510B2 JP 4655510 B2 JP4655510 B2 JP 4655510B2 JP 2004146563 A JP2004146563 A JP 2004146563A JP 2004146563 A JP2004146563 A JP 2004146563A JP 4655510 B2 JP4655510 B2 JP 4655510B2
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Description

本発明は、種々の粒子を用い表示デバイス等に供される表示デバイス用粒子群、当該表示デバイス用粒子群を用い、繰り返し書き換えが可能な画像表示デバイスおよび画像形成装置に関するものである。
従来より繰り返し書き換えが可能な画像表示媒体として、TwistingBall Display(2色塗り分け粒子回転表示)、電気泳動、磁気泳動、サーマルリライタブル媒体、メモリ性を有する液晶などの表示技術が提案されている。前記表示技術は、画像のメモリ性には優れるが、表示面を紙のような白色表示とすることができず、濃度コントラストが低いという問題があった。
一方、上記のような問題を解決するトナーを用いた表示技術として、導電性着色トナーと白色粒子とを対向する電極基板間に封入し、非表示側の電極基板の内側表面に設けた電荷輸送層を介して導電性着色トナーへ電荷を注入し、電荷注入された導電性着色トナーが、非表示側の電極基板に対向して位置する表示側の電極基板へ、両電極基板間に与えられた電界により移動し、表示側の電極基板内側へ付着して、導電性着色トナーと白色粒子とのコントラストにより画像表示する表示技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
上記表示技術は、画像表示媒体が全て固体で構成されており、白と黒(色)との表示を原理的に100%切り替えることができる点で優れている。しかし、上記技術では、非表示基板の電極内側表面に設けた電荷輸送層に接しない導電性着色トナーや、他の導電性着色トナーから孤立している導電性着色トナーが存在し、これらの導電性着色トナーは、電荷が注入されないことから電界によって移動せず、ランダムに両電極基板間に存在するため、濃度コントラストが低くなってしまうという問題がある。
粒子を用いた濃度コントラストに優れる画像表示媒体として、一対の基板と、印加された電界により前記基板間を移動可能に前記基板の間に封入されると共に、色および帯電特性が異なる複数種類の粒子群と、を含む画像表示媒体も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この提案によれば、例えば、表示色の1色を白色とすることにより、コントラストが向上するが、未だ十分なものではなかった。この提案における粒子の構成は、特に長期にわたって繰り返し書き換えを行ったときに、画像濃度が低下して濃度コントラストが低下することがあった。
表示色の1色を白色とする場合、白色表示の白色度を向上させることにより、十分なコントラストを得ることができる。このために、白色顔料として酸化チタンを用いることも行われている(例えば、特許文献2および3参照)。
しかしながら、酸化チタンは比重が大きく、縦置きの表示媒体中で使用すると、表示中に重力の影響で落下してしまい、画像を維持できない問題があった。酸化チタンの量を減らすとこの問題は解決するが、今度は白色粒子の隠蔽力が低下してしまい、十分なコントラストは得られなかった。
Japan Hardcopy’99 論文集 p.249〜252 特開2001−312225号公報 特開2002−10771号公報 特開2002−202531号公報
以上から、本発明は、上記課題を解決することを目的とする。すなわち、長時間表示後も鮮明な画像を維持し続け、さらに、十分な濃度のコントラストを発揮し、十分な隠蔽力を有する表示デバイス用粒子群、および、これを用いた画像表示デバイス、画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、本発明者らは、表示デバイス用粒子群中の少なくとも1種の表示デバイス用粒子に酸化チタンを含有させ、さらに、これを表示粒子表面近傍に偏在させると、上記課題を解決できることを見出した。
また、前記表示デバイス用粒子中の酸化チタンを表示粒子表面近傍に偏在させるには、親水性の処理を酸化チタンに施すことが有効であることが判明した。そして、その酸化チタンの親水性処理には親水性カップリング剤を用いることが最適であることが判明した。さらに、親水性カップリング剤としては、親水性シランカップリング剤を用いると良いことが判明した。
以上から、本発明は、正に帯電し得る性質および色彩を有する少なくとも1種の表示デバイス用粒子と、負に帯電し得る性質および色彩を有する少なくとも1種の表示デバイス用粒子と、を含む表示デバイス用粒子群であって、
少なくとも1種の前記表示デバイス用粒子に親水処理が施された酸化チタンが存在し、
親水処理が施された酸化チタンの含有量が当該酸化チタンを含む前記表示デバイス用粒子の15〜30質量%であることを特徴とする表示デバイス用粒子群である。
前記親水処理は、親水性カップリング剤を用いた処理であることが好ましい。そして、前記親水性カップリング剤は、親水性シランカップリング剤であることが好ましい。
また、本発明は、対向配置された一対の基板間に表示デバイス用粒子群が封入された画像表示デバイスであって、前記表示デバイス用粒子群が、既述の本発明の表示デバイス用粒子群であることを特徴とする画像表示デバイスである。
また、本発明は画像に応じた電界を発生させる電界発生手段を備え、既述の本発明の画像表示デバイスを用いて画像を形成することを特徴とする画像形成装置である。
酸化チタンによって白色粒子の隠蔽力が発現するが、酸化チタンは白色粒子全体に存在する必要は無く、光を散乱させるには、白色粒子の表面近傍にありさえすればよい。本発明においては、酸化チタンを親水処理することで、白色粒子の表面近傍に偏在させることができる。
本発明によれば、白色画像の白色度を低下させることなく、長期間表示しても表示画像を良好に維持することが可能であり、濃度コントラストが高く、安定した画像を形成できる表示デバイス用粒子、画像表示デバイス、および、画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明を「表示デバイス用粒子群の当該粒子」、「表示デバイス用粒子群の作用機構」、「画像表示デバイス」および「画像形成装置」に分けて詳細に説明する。
[表示デバイス用粒子群の当該粒子]
本発明の表示デバイス用粒子群を構成する粒子(以下、「本発明における粒子」という場合には、正負に帯電し得る双方の粒子の総称とする。)は、少なくとも、色材および樹脂から構成される。
また、少なくとも1種の表示デバイス用粒子には、親水処理が施された酸化チタンが存在し、その親水処理が施された酸化チタンの含有量は、当該親水処理が施された酸化チタンを含む前記表示デバイス用粒子の15〜30質量%となっている。
酸化チタンを親水処理することで、白色粒子の表面近傍に偏在させることができる。そのため、単なる酸化チタンを使用するよりも、少量で効率よく白色粒子の隠蔽力を発現させることができる。
親水処理が施された酸化チタンの含有量が、15質量%未満では、十分な隠蔽力が得られず、コントラストに劣る。30質量%を超えると、縦置き等の状態で使用した場合に表示中に重力の影響で落下してしまい、安定な画像を維持できない。親水処理が施された酸化チタンの含有量は、17〜28質量%であることが好ましい。
なお、安定な画像を維持できる範囲で、通常の酸化チタン(親水処理を施さない酸化チタン)を存在させてもよい。
また、必要に応じて帯電制御剤が含まれていてもよく、色材が帯電制御剤を兼ねる構成であってもよい。本発明において使用される色材としては、以下のものが挙げられる。
白色系の色材としては、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタン等の酸化チタンが挙げられる。
これらの酸化チタンは、既述のように、親水性の処理(親水処理)を施して用いられる。酸化チタンを親水処理する方法としては、親水性のシランカップリング剤や親水性のチタンカップリング剤など親水性のカップリング剤を用いる方法や、親水性の樹脂で表面を被覆する方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、具体的には、親水性のシランカップリング剤としては、HO(CH24Si(OCH33、(HO(CH242Si(OCH33、HO(CH26Si(OCH33、(HO(CH262Si(OCH33HOCO(CH24Si(OCH33、(HOCO(CH242Si(OCH33、HOCO(CH26Si(OCH33、(HOCO(CH262Si(OCH33等が挙げられる。
これら表面処理剤の添加量は、親水処理する酸化チタンの全量に対して、0.2〜40重量%であることが好ましく、0.5〜20重量%であることがより好ましい。親水性の樹脂としては、例えば、架橋性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
黒色系の色材としては、カーボンブラック、チタンブラック、磁性粉、その他、オイルブラック、有機、無機系の染・顔料系の黒色材が挙げられる。
その他、有彩色の色材としては、フタロシアニン系、キナクリドン系、アゾ系、縮合系、不溶性レーキ顔料、無機酸化物系の染顔料を挙げることができる。
具体的には、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デユポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
帯電制御剤を兼ねる色材の構造としては、電子吸引基あるいは電子供与基をもつもの、金属錯体等のものを挙げることができる。
その具体例としては、C.I.ピグメント・バイオレット1、C.I.ピグメント・バイオレット3、C.I.ピグメント・ブラック1、C.I.ピグメント・バイオレット23等を挙げることができる。
本発明における粒子を構成する樹脂としては、ポリオレフィン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、塩化ビニル、ポリビニルブチラール、等のポリビニル系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂およびその変性体;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンのようなフッ素樹脂;ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート;アミノ樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、複数の樹脂を混合して使用してもよい。これら樹脂は、架橋させていてもよい。さらに前記粒子には、従来電子写真のトナー用の主要成分として知られる公知の結着樹脂を、問題なく用いることができる。
本発明における粒子には、必要に応じて、帯電性をさらに制御するために、帯電制御剤を添加してもよい。帯電制御剤としては、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが使用でき、例えば、セチルピリジルクロライド、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRON E−84、BONTRON E−81(以上、オリエント化学工業社製)、COPY CHARGEPSY VP2038:クラリアントジャパン社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属微粒子、各種カップリング剤により表面処理された酸化金属微粒子を挙げることができる。
本発明における2種類以上の粒子においては、そのうちの少なくとも1種類が正に、他の少なくとも1種類が負に帯電し得る性質を有するように調整する必要がある。異なる種類の粒子が衝突したり、摩擦されたりすることで帯電するときには、両者の帯電列の位置関係により、一方が正に、他方が負にそれぞれ帯電する。
本発明における粒子(正負に帯電し得る双方の粒子)は、乳化工程を経て作製され、乳化助剤として、水に難溶性のカルシウム化合物等が用いられる。水に難溶性のカルシウム化合物としては、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム及びその混合物等が用いられ、好ましくは炭酸カルシウムが用いられる。乳化助剤としてさらに公知のアニオン、ノニオン、カチオン界面活性剤や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、メチルセルロース、ポリアクリル酸、でんぷん、カゼインなどの高分子分散剤をさらに加えて用いることもできる。
必要に応じて、樹脂を溶解させるために溶剤を用いることもできる、溶剤としては樹脂を溶解させ、水と混和しない物が望ましい。
具体的には、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素系溶剤等が挙げられる。これらの溶媒は、ポリマーを溶解できるものであって、かつ、水に溶解する割合が30質量%以下の程度のものであることが好ましい。
本発明における粒子の形状としては、真球に近いものであることが望ましい。真球に近い粒子とすれば、粒子相互間の接触はほぼ点接触となり、また、粒子と基板の内側表面との接触もほぼ点接触となり、粒子相互間および粒子と基板内側表面とのファンデルワールス力に基づく付着力が小さくなる。従って、基板内側表面が誘電体であっても、電界により帯電粒子が基板内を円滑に移動できると考えられる。さらに、真球に近い粒子とすれば、粒子が表示面に衝突した時の変形・固着を防ぐ意味もある。
本発明における粒子の製造方法としては、電子写真用トナーの製造方法として公知の、懸濁重合、乳化重合、溶解懸濁法等の湿式製法を用いることもできる。
乳化工程を有する場合に使用される装置としては、一般に乳化機、分散機として市販されているものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミクサー(特殊機化工業社製)、ナショナルクッキングミキサー(松下電器産業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKパイプラインホモミクサー、TKホモミックラインフロー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、クレアミックス(エムテクニック社製)、フィルミックス(特殊機化工業社製)等のバッチ、連続両用乳化機、マイクロフルイダイザー(みづほ工業社製)、ナノメーカー、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVゴウリン(ゴウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等を挙げることができる。
さらに乾燥工程を有する場合は、真空乾燥機、パドル式乾燥機、振動流動乾燥機、チューブドライヤー、棚段乾燥機、フラッシュドライヤー等の気流式乾燥機等の公知の乾燥機を用いることができるが、短時間で乾燥するためには、フラッシュドライヤー等の気流式乾燥機が好ましく用いられる。
湿式製法を用いた場合の当該製造方法について、以下に詳細に説明する。本発明における粒子を構成する成分、すなわち樹脂、色材、および必要に応じて添加される帯電制御剤、重合開始剤等を、モノマーもしくは溶剤に溶解および/または分散させて油相となる組成物を調製し、一方水相となる水系材料を用意する。
前記油相の組成物をと水相組成物を前記乳化機を用いて乳化し、所望の粒径の粒子を得る。
なお、前記油相となる組成物にモノマーを使用する場合は、前記油滴を作製した後、重合反応をさせる。また溶剤を用いた場合はこれを除去する。さらに洗浄し、イオン性物質、界面活性剤、高分子分散剤等を除去する。さらにこれを乾燥することにより得られる。また必要に応じて分級することもできる。
[表示デバイス用粒子群の作用機構]
次に、本発明の表示デバイス用粒子群の作用機構作用機構について説明する。対向配置された一対の基板間の空隙に封入される少なくとも2種類以上の粒子は、所定量の割合で攪拌用の容器中に混合され攪拌される。この機械的な攪拌混合の過程で各粒子間および粒子と容器内壁との間で摩擦帯電がなされて、各粒子は帯電すると考えられる。その後、混合された粒子は所定の体積充填率になるように前記一対の基板間の空隙に封入される。封入された粒子は、前記一対の基板間に印加される直流電圧の極性切替、あるいは交流電圧の印加により、電界に従って基板間を往復する(イニシャライズ工程)。このイニシャライズ工程における過程においても、各粒子は粒子間および粒子と基板表面層との間で、衝突して摩擦帯電すると考えられる。また、このイニシャライズ工程により、所望の摩擦帯電量を得ることができる。
上記摩擦帯電により、前記粒子のうち少なくとも1種類が正に(以下、正に帯電する粒子を第1の粒子と称する。)、他の少なくとも1種類が負に(以下、負に帯電する粒子を第2の粒子と称する。)、それぞれ帯電し、第1の粒子と第2の粒子との間のクーロン引力により、粒子間付着し凝集しようとするが、このイニシャライズ工程の最後に印加された電界の方向に従って各粒子は分離して、それぞれ一方の基板に付着する。
次に、画像信号に応じて電界を印加することにより、第1の粒子および第2の粒子が電界に従って分離・移動してそれぞれ異なる基板に付着する。すなわち、外部から印加される電界により、荷電された個々の粒子に働く静電気力が、各粒子間のクーロン力や、粒子と基板表面との間の影像力、あるいは接触電位差による力よりも勝れば、各粒子は分離してそれぞれ反対側の基板へ移動し付着すると考えられる。
基板表面に付着した粒子は、基板表面との間に生じる鏡像力やファンデルワールス力により基板表面に付着固定されると考えられる。
なお、上記説明においては、正に帯電する粒子と、負に帯電する粒子とが、それぞれ1種類ずつであることを前提とした表現を用いたが、両者はそれぞれ1種類のみであっても2種類以上であっても問題なく、2種類以上の場合においても、上記と同様の作用機構により本発明の効果が発揮される。
[画像表示デバイス]
本発明の画像表示デバイスは、対向配置された一対の基板間に表示デバイス用粒子群が封入された画像表示デバイスであって、当該表示デバイス用粒子群が、既述の本発明の表示デバイス用粒子群である。
上記基板は、対向配置された一対のものであり、該一対の基板間の空隙には前記粒子が封入される。本発明において、「基板」とは、導電性を有する板状体(導電性基板)であり、画像表示媒体としての機能を持たせるためには、一対の基板のうち少なくとも一方が透明な透明導電性基板であることが必要となる。このとき、当該透明導電性基板が表示基板となる。
本発明で使用する導電性基板としては、基板自体が導電性であっても、絶縁性の支持体表面を導電化処理したものであってもよく、また、結晶であるか非晶質であるかは問わない。基板自体が導電性である導電性基板としては、アルミニウム、ステンレススチール、ニッケル、クロム等の金属及びその合金結晶、Si,GaAs,GaP,GaN,SiC,ZnOなどの半導体を挙げることができる。
絶縁性の支持体としては、高分子フィルム、ガラス、石英、セラミック等を挙げることができる。絶縁性の支持体の導電化処理は、上記基板自体が導電性である導電性基板の具体例で挙げた金属又は金、銀、銅等を、蒸着法、スパッター法、イオンプレーティング法などにより成膜して行うことができる。
透明導電性基板としては、絶縁性の透明支持体の片面に透明電極が形成された導電性基板、または、それ自体導電性を有する透明支持体が用いられる。それ自体導電性を有する透明支持体としては、ITO、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅等の透明導電性材料を挙げることができる。
絶縁性の透明支持体としては、ガラス、石英、サファイア、MgO,LiF,CaF2等の透明な無機材料、また、弗素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、エポキシ等の透明な有機樹脂のフィルムまたは板状体、さらにまた、オプチカルファイバー、セルフォック光学プレート等が使用できる。
上記透明支持体の片面に設ける透明電極としては、ITO、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅等の透明導電性材料を用い、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の方法により形成したもの、あるいはAl,Ni,Au等の金属を蒸着やスパッタリングにより半透明になる程度に薄く形成したものが用いられる。
これら基板において、対向する側の表面は、前記粒子の帯電極性に影響を及ぼすので、適切な表面状態の保護層を設けることも好ましい態様である。保護層は、主に基板への接着性、透明性、および帯電列、さらには低表面汚染性の観点から選択することができる。具体的な保護層の材料としては、例えばポリカーボネート樹脂、ビニルシリコーン樹脂、フッ素基含有樹脂等を挙げることができる。樹脂の選択は、使用する粒子の主モノマーの構成、および、粒子との摩擦帯電の差が小さいものが選択される。
[画像形成装置]
本発明の画像形成装置は、画像に応じた電界を発生させる電界発生手段を備え、既述の本発明の画像表示デバイスを用いて画像を形成するものである。
以下、図面を参照して、画像に応じた電界を発生させる電界発生手段を備え、本発明の画像表示デバイスを用いた本発明の画像形成装置の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本実施の形態の画像表示装置の概略構成図であり、図2は図1におけるA−A断面図である。
本実施の形態に係る画像形成装置は、図1に示すように画像表示媒体10、および電圧発生手段26を備える。画像表示媒体10は、上記本発明の画像表示デバイスであり、表示基板8、黒色粒子22、白色粒子24、非表示基板18、およびスペーサ20から構成されている。表示基板8は、透明支持体2の片面に透明電極4および保護層6が順次積層されて構成され、同様に非表示基板18は、支持体12の片面に電極14および保護層16が順次積層されて構成される。また、表示基板8の透明電極4は、電界発生手段としての電圧発生手段26と接続されており、非表示基板18の電極14は接地されている。
次に、画像表示媒体10の詳細について説明する。画像表示媒体10の外側を構成する透明支持体2および透明電極4、並びに、支持体12および電極14には、例えば、50mm×50mm×1.1mmの透明電極ITO付き7059ガラス基板を使用する。なお、非表示基板18側の支持体12および電極14は、必ずしも透明である必要はない。ガラス基板の粒子と接する内側表面(透明電極4および電極14の表面)には、ポリカーボネート樹脂(PC−Z)により、厚さ5μmでコートされ、保護層6および16が形成されている。
スペーサ20は、40mm×40mm×0.3mmのシリコーンゴムプレートの中央部に15mm×15mmの正方形の切り抜き28を設けて、設置時に空間が形成されように成形されたものである。この切り抜き28が設けられたシリコーンゴムプレートを、非表示基板18の電極14および保護層16が形成された表面に設置することで、スペーサ20が構成される。
黒色粒子22および白色粒子24からなる混合粒子約15mgを、スペーサ20の切り抜き28により形成される空間に、スクリーンを通してふるい落とす。その後、透明電極4および保護層6が形成された表面が非表示基板18と対向するように、スペーサ20に表示基板8を密着させ、両基板8,18間をダブルクリップで加圧保持して、スペーサ20と両基板8,18とを密着させ、画像表示媒体10を形成する。
上記画像表示媒体10の表示基板2の透明電極4に、電圧発生手段26によって直流電圧150Vを印加すると、非表示基板18側にあった負極性に帯電された白色粒子24の一部が電界の作用により表示基板8側へ移動し初め、直流電圧500Vを印加すると表示基板8側へ多くの白色粒子24が移動して表示濃度はほぼ飽和する。この時、正極性に帯電された黒色粒子22は非表示基板18側へ移動する。このあと、電圧発生手段26による印加電圧を0Vとしても、表示基板8に付着した白色粒子24は移動せず、表示濃度に変化はなかった。
以上、本発明の画像表示デバイスを用いた本発明の画像表示装置について、実施の形態を挙げて説明したが、本発明はかかる実施の形態の態様に限定されるものではない。
例えば、粒子の色としては、白色および青色のものを例に挙げたが、種々の色の組み合わせを採用することができ、既述の通り、一方が白色であることが好ましい。また、各部材の大きさも単なる一例であり、様々な大きさのものが、その使用目的に応じて選択される。
なお、上記本発明の画像表示媒体は、その構成からなる単位を一つのセルとして、複数のセルを平面状に配置して(または、対向する基板間の間隙に、平面状に分割してセルを構成し)、複数の画像表示媒体からなる画像表示装置とすることもできる。セルの数を縦横所望の数とすることにより、所望の解像度の大画面の画像形成装置を製造することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。以下の実施例および比較例においては、既述の[画像形成装置]の項で説明した図1および図2の構成の画像形成媒体ないし画像表示装置を用い、白色粒子および青色粒子の構成を変えることにより、本発明の効果を確認することとした。このとき、各部材の大きさ、材質等も既述の[画像形成装置]の項で説明したものと同様とした。
<表示デバイス用粒子の作製>
以下のようにして、白色粒子および黒色粒子をそれぞれ作製した。
(1)白色母粒子の作製:
a)酸化チタンの表面処理:
・酸化チタン(タイペークCR63:石原産業社製): 100質量部
・HO(CH24Si(OCH33 : 1質量部
・トルエン : 400質量部
上記の組成物を室温で超音波を照射しながら2時間撹拌し、デカンテーションし上澄みを取り除いた後、80℃に設定した真空乾燥機中で4時間加熱真空乾燥して、表面に共有結合を介して親水性基を有する表面処理酸化チタン粒子A1を得た。
また、表面処理を施さない酸化チタン(タイペークCR63:石原産業社製)をA5とした。
b)分散液B1〜B5の調製:
・スチレンモノマー: 69質量部
・表面処理酸化チタンA1: 28質量部
・帯電制御剤(COPY CHARGE PSYVP2038:クラリアントジャパン(株)社製): 2質量部
・重合開始剤AIBN(アゾイソブチロニトリル): 1質量部
上記組成からなる混合物について、10mmφのジルコニアボールを使用したボールミル粉砕を20時間実施し、分散液B1を得た。
・スチレンモノマー: 80質量部
・表面処理酸化チタンA1: 17質量部
を用いたこと以外は分散液B1と同様にして分散液B2を得た。
・スチレンモノマー: 62質量部
・表面処理酸化チタンA1: 35質量部
を用いたこと以外は分散液B1と同様にして分散液B3を得た。
・スチレンモノマー: 84質量部
・表面処理酸化チタンA1: 13質量部
を用いたこと以外は分散液B1と同様にして分散液B4を得た。
表面処理酸化チタンA1の代わりに未処理の酸化チタンA5を用いたこと以外は分散液B1と同様にして分散液B5を得た。
c)炭酸カルシウム分散液Cの調製:
・炭酸カルシウム: 30質量部
・水: 70量部
上記組成からなる混合物について、分散液Aの作製と同様にボールミルにて、粉砕時間は3日間として微粉砕し、炭酸カルシウム分散液Cを得た。
d)乳化液Dの調製:
・炭酸カルシウム分散液C: 18質量部
・20%食塩水: 50質量部
上記組成からなる混合物について、乳化機(ウルトラタラックス)で攪拌混合液した後、「分散液B1:30質量部」を加え、乳化機(ウルトラタラックス)を用い20m/sで3分間乳化し、乳化液D1を得た。
「分散液B1」の代わりに、「分散液B2、B3、B4及びB5」それぞれを用いたこと以外は乳化液D1と同様にして乳化液D2、D3、D4及びD5を得た。
e)粒子の作製:
得られた乳化液D1を窒素気流下で70℃に加熱し20時間攪拌することで、重合し固形粒子をえた。これに、
・35%塩酸: 12質量部
・イオン交換水: 70質量部
を加えた後1時間攪拌して炭酸カルシウムを溶解した。その後、吸引ろ過・水洗を5回繰り返した後吸引ろ過した後、乾燥分級し白色粒子E1を得た。
乳化液D1の代わりに、乳化液D2、D3、D4及びD5を用いたこと意外は白色粒子E1と同様にして白色粒子E2、E3、E4及びE5を得た。
2)黒色母粒子の作製:
・スチレンモノマー: 90質量部
・カーボンブラック: 10質量部
・重合開始剤AIBN(アゾイソブチロニトリル): 1質量部
を用いて分散液Aを調整したこと以外は白色粒子E1と同様にして、黒色粒子F1を得た。
得られた粒子の組成を下記表1に示す。
Figure 0004655510
<混合粒子(表示デバイス用粒子群)の調製>
上記得られた各々の白色粒子を黒色粒子F1と組み合せて用い、これを混合して、実施例1,2および比較例1〜3で用いる混合粒子を調製した。このとき、白色粒子と黒色粒子との配合比率(質量比)が、白色粒子:黒色粒子=2:1となるようにした。これを手で振動攪拌し帯電させて混合粒子とした。
<画像表示デバイスおよび画像形成装置の作製>
得られた各混合粒子を、対向配置された基板(表示基板8、非表示基板18)間の空隙に封入し、図1に示す画像表示デバイスである画像形成装置を作製した。得られた画像形成装置の透明電極4−電極14間に電圧(500V)を印加して、所望の電界を表示基板8−非表示基板18間の粒子群に作用させることにより、それぞれの粒子22,24は表示基板8−非表示基板18間を移動する。印加する電圧の極性を切替えることにより、各粒子22,24は表示基板8−非表示基板18間を異なる方向へ移動し、電圧極性を繰り返し切替えることにより表示基板8−非表示基板18間を往復する。この過程で、それぞれの粒子22,24間、および、粒子22,24と表示基板8または非表示基板18との間の衝突により、粒子22と粒子24とはそれぞれ異なる極性にさらに帯電する。
本例においては、白色粒子は正極性に、黒色粒子は負極性に帯電して、表示基板8−非表示基板18間の電界に従って互いに異なる方向へ移動し、電界を一方向へ固定すると、各粒子22,24はそれぞれ表示基板8または非表示基板18に付着し、画像が表示される。
<評価試験>
実施例あるいは比較例の各混合粒子を用いた画像形成装置において、上記した電圧の極性切替えを1秒毎に行い、各粒子22,24を表示基板8−非表示基板18間の異なる方向へ1秒毎に移動させた。この切換えを1,000サイクル繰り返し、初期状態とした。この時、表示画面側に白粒子を移動させた時の画像濃度の濃度を白色画像濃度とし、表示画面側に白色粒子を移動させた時の画像濃度と黒粒子を移動させた時の画像濃度の差をコントラストとした。画像濃度はマクベス濃度計を用いて評価し、白色濃度が0.4以下の場合を十分白色度があると判定し、濃度差が0.7以上の場合を十分なコントラストがあると判定した。
これを印加電圧を切った状態で、表示画面を垂直に置いた状態で1週間放置し画像を評価した。結果を下記表2に示す。
Figure 0004655510
表2の結果から、親水処理が施された酸化チタンを所定量含有する実施例1および実施例2は、長時間表示後も鮮明な画像を維持し続け、さらに、十分な濃度のコントラストを発揮し、十分な隠蔽力を有することが確認できた。
本発明の画像表示媒体を用いた本発明の画像形成装置の実施形態を示す概略構成図である。 図1に示す画像形成装置のA−A断面図である。
符号の説明
2・・・透明支持体
4・・・透明電極
6・・・保護層
8・・・表示基板
10・・・画像表示媒体
12・・・支持体
14・・・電極
16・・・保護層
18・・・非表示基板
20・・・スペーサ
22・・・黒色粒子
24・・・白色粒子
26・・・電圧発生手段(電解発生手段)

Claims (5)

  1. 正に帯電し得る性質および色彩を有する少なくとも1種の表示デバイス用粒子と、負に帯電し得る性質および色彩を有する少なくとも1種の表示デバイス用粒子と、を含む表示デバイス用粒子群であって、
    少なくとも1種の前記表示デバイス用粒子に親水処理が施された酸化チタンが存在し、
    その酸化チタンの含有量が当該酸化チタンを含む前記表示デバイス用粒子の15〜30質量%であることを特徴とする表示デバイス用粒子群。
  2. 前記親水処理が、親水性カップリング剤を用いた処理であることを特徴とする請求項1に記載の表示デバイス用粒子群。
  3. 前記親水性カップリング剤が、親水性シランカップリング剤であることを特徴とする請求項2に記載の表示デバイス用粒子群。
  4. 対向配置された一対の基板間に表示デバイス用粒子群が封入された画像表示デバイスであって、
    前記表示デバイス用粒子群が、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示デバイス用粒子群であることを特徴とする画像表示デバイス。
  5. 画像に応じた電界を発生させる電界発生手段を備え、請求項4に記載の画像表示デバイスを用いて画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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