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JP4649147B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置 Download PDF

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JP4649147B2
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Description

本発明は、超音波診断装置に係り、特に、被検体に対する超音波の送受波によって得られた画像データあるいは解析データとこれらのデータと並行して得られる生体信号とを同期させて表示する超音波診断装置に関する。
超音波診断装置は、超音波プローブに内蔵された超音波振動子から発生する超音波を被検体内に放射し、被検体組織の音響インピーダンスの差異によって生ずる反射信号を前記超音波振動子によって受信してモニタ上に表示するものである。この診断方法は、超音波プローブを体表に接触させるだけの簡単な操作でリアルタイムの2次元画像データが容易に得られるため、心臓などの臓器の機能診断や形態診断に広く用いられている。
被検体の組織あるいは血球からの反射波により生体情報を得る超音波診断法は、超音波パルス反射法と超音波ドプラ法の2つの大きな技術開発により急速な進歩を遂げ、上記技術を用いて得られるBモード画像データとカラードプラ画像データは、今日の超音波診断において不可欠なものとなっている。
超音波診断法においては、被検体に対する超音波の送受波によって得られた上記画像データを心電波形(以下、ECG信号と呼ぶ。)などの生体信号と同期させて表示する方法が従来から行なわれており、特に、心臓をはじめとする循環器診断においては、画像データの時相の把握を目的とした生体信号との同時表示は必須なものとなってきている。
しかしながら、例えば、Bモード画像データあるいはカラードプラ画像データとECG信号を同時表示する場合、被検体からのデータ収集と表示が略同時に行なわれるECG信号に対して、Bモード画像データあるいはカラードプラ画像データは、2次元的な画像データを生成するために無視できない処理時間を要するため、同期させて表示することが困難であった。
このような問題点に対して、上記画像データの生成に要する時間だけECG信号を遅延させて同期をとる方法が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、ネットワークを介して接続された複数の医療機器から得られる医療情報の時相を合わせる方法として、各々の医療機器が内蔵する内部時計をネットワークに接続された標準時計装置の時刻情報に基づいて補正する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平3−90141号公報 特開平11−7428号公報
しかしながら、上述の特許文献1の方法では、画像データの生成に要するおおよその時間を推定し、その時間分だけECG信号を遅延させる方法がとられているため十分な同期精度が得られなかった。更に、この方法は、所定の手順によって生成された画像データのECG信号に対する遅延時間を補正するためのものであり、画像データ及びECG信号はいずれも略リアルタイムで生成及び表示されることを前提としている。同様にして、特許文献2の方法においても、既に生成された画像データ等の医療情報に対して同期補正がおこなわれている。
ところで、超音波診断装置では、近年、画像データの生成に用いられる走査方向単位の超音波データ(以下、RAWデータと呼ぶ。)を装置内の記憶回路に一旦保存させ、後日、このRAWデータに対して種々の信号処理を行ない所望の画像データあるいは解析データを生成する方法が普及しつつある。この方法によれば、RAWデータに対する信号処理は被検者が不在であっても可能なため、時間的制約を受けずに行なうことができる。
このような場合においても、RAWデータを用いて生成された画像データや解析データとECG信号等の生体信号との同期表示は不可欠となるが、正確な同期表示方法についてはこれまで考慮されていなかった。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、被検体から得られたRAWデータを使用して画像データや解析データ等の生成を行う際に、生体信号あるいは生体信号に基づいて生成した時刻情報をRAWデータに付帯情報として付加することによって、このRAWデータを用いて生成した画像データあるいは解析データと生体信号との同期表示を精度よく行なうことを可能とした超音波診断装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、被検体に対して超音波送受波を行うための超音波振動子を備えた超音波プローブと、前記超音波振動子を駆動して前記被検体の複数の方向に対し超音波走査を行う送受信手段と、前記送受信手段によって得られた受信信号に基づいてRAWデータを生成するRAWデータ生成手段と、前記被検体から得られた生体信号に基づいて時刻情報を生成する時刻情報生成手段と、前記RAWデータに基づいて、記画像データ及び解析データの少なくとも何れかを生成する画像・解析データ生成手段と、前記時刻情報に基づいて、前記所定時刻における生体信号と、前記画像データ及び解析データの少なくとも何れかを同期させて表示する表示手段を備えたことを特徴としている。
又、上記課題を解決するために、本発明は、被検体に対して超音波送受波を行うための超音波振動子を備えた超音波プローブと、前記超音波振動子を駆動して前記被検体の複数の走査線方向に対して超音波走査を行う受信手段と、前記送受信手段によって得られた受信信号に基づいて、前記走査線ごとにRAWデータを生成するRAWデータ生成手段と、基準時刻情報を発生する基準時刻情報発生手段と、前記RAWデータに対して、前記走査線ごとに前記基準時刻情報を付加する第1の時刻情報付加手段と、前記基準時刻情報を前記被検体から得られた生体信号に付加する第2の時刻情報付加手段と、前記基準時刻情報に基づいて抽出された前記RAWデータに基づいて、所定時刻における画像データ及び解析データの何れかを生成する画像・解析データ生成手段と、前記抽出されたRAWデータの前記基準時刻情報に基づいて、前記所定時刻に対応する生体信号を抽出して、前記画像データ及び解析データの少なくともいずれかと同期させて表示する表示手段とを備えたことを特徴としている。
又、上記課題を解決するために、本発明は、被検体に対して超音波送受波を行なうための超音波振動子を備えた超音波プローブと、前記超音波振動子を駆動して前記被検体の複数の方向に対し超音波走査を行送受信手段と、前記送受信手段によって得られた受信信号に基づいてRAWデータを生成するRAWデータ生成手段と、前記RAWデータに対して、そのRAWデータを収集するための超音波送受信と略同時に収集される前記被検体の生体信号を付加する生体信号付加手段と、前記RAWデータに基づいて、所定時刻における画像データ及び解析データの少なくとも何れかを生成する画像・解析データ生成手段と、前記RAWデータに付加された生体信号に基づいて、前記所定時刻における生体信号と、前記画像データ及び解析データの少なくとも何れかを同期させて表示する表示手段を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、被検体から得られたRAWデータを用いて画像データや解析データ等の生成を行う際に、像データあるいは解析データと生体信号との間の時相合わせを高精度で行うことが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
以下に述べる本発明の第1の実施例では、被検体に対してRAWデータを収集する際に、このRAWデータと並行して収集されるECG信号に基づいた時刻情報を前記RAWデータの各々に付帯情報として付加し、付加した時刻情報に基づいて抽出された所定時相におけるRAWデータを用いて画像データあるいは解析データを生成することにより、画像データあるいは解析データとECG信号との同期表示を行なう。
(装置の構成)
以下では、本発明の第1の実施例における超音波診断装置の構成につき図1乃至図3を用いて説明する。尚、図1は、本実施例における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図であり、図2は、この超音波診断装置を構成する送受信部及びRAWデータ生成部のブロック図である。
図1に示す超音波診断装置100は、被検体に対して超音波の送受波を行なう超音波プローブ201と、超音波プローブ201に対して駆動信号の送信と反射信号の受信を行なう送受信部200と、この送受信部200によって得られた受信信号を信号処理してBモード用RAWデータ、I/Q信号、カラードプラ用RAWデータ等のRAWデータを生成するRAWデータ生成部250と、このRAWデータに対して後述する時刻情報生成部312から供給される時刻情報を付加する時刻情報付加部301と、時刻情報が付加されたRAWデータを走査方向(ラスタ)単位で保存するRAWデータ記憶部302を備えている。
又、超音波診断装置100は、被検体に対してECG信号等の生体信号を収集する生体信号計測ユニット311と、この生体信号を用いて時刻情報を生成する時刻情報生成部312と、生体信号と時刻情報を対応付けて保存する生体信号記憶部313と、RAWデータ記憶部302に保存されたRAWデータの中から、時刻情報に基づいて複数のRAWデータを読み出して生体信号の所定時相における画像データあるいは解析データを生成する画像・解析データ生成部300を備えており、更に、前記所定時相における画像データあるいは解析データと生体信号を同期させて合成し表示用データを生成する表示用データ生成部305と、この表示用データを表示する表示部306と、画像データ生成モードの選択や各種コマンド信号の入力を行なう入力部307と、上述の各ユニットを統括して制御するシステム制御部308を備えている。
超音波プローブ201は、被検体の表面に対してその前面を接触させ超音波の送受信を行なうものであり、例えば、1次元に配列した複数個(N個)の超音波振動子をその先端部分に有している。この超音波振動子は電気音響変換素子であり、送信時には電気パルス(駆動信号)を超音波パルス(送信超音波)に変換し、又受信時には超音波反射波(受信超音波)を電気信号(受信信号)に変換する機能を有している。この超音波プローブ201は小型、軽量に構成されており、Nチャンネルのケーブルを介して送受信部200に接続されている。超音波プローブ201は、セクタ走査対応、リニア走査対応、コンベックス走査対応等があり、これらの超音波プローブの中から診断部位に応じて任意に選択されるが、以下ではセクタ走査対応の超音波プローブ201を用いた場合について述べる。
次に、送受信部200は、図2に示すように超音波プローブ201から送信超音波を発生するための駆動信号を生成する超音波送信部202と、超音波プローブ201の超音波振動子から得られる複数チャンネルの受信信号に対して整相加算を行なう超音波受信部203を備えており、超音波送信部202は、レートパルス発生器211と、送信遅延回路212と、パルサ213を備えている。レートパルス発生器211は、被検体に放射する超音波パルスの繰り返し周期(Tr)を決定するレートパルスを送信遅延回路212に供給する。一方、送信遅延回路212は、超音波プローブ201において送信に使用される超音波振動子と同数(Nチャンネル)の独立な遅延回路から構成されており、送信において細いビーム幅を得るために所定の深さに超音波を収束するための集束用遅延時間と、所定の方向に超音波を送信するための偏向用遅延時間を前記レートパルスに与え、このレートパルスをパルサ213に供給する。
パルサ213は、送信に使用される超音波振動子と同数(Nチャンネル)の独立な駆動回路を有しており、超音波プローブ201に内蔵されたN個の超音波振動子を駆動し、被検体に対して送信超音波を放射するための駆動パルスを生成する。
一方、超音波受信部203は、Nチャンネルのプリアンプ214と、受信遅延回路215と、加算器216を備えている。プリアンプ214は、超音波振動子によって電気信号に変換された微小な受信信号を増幅し十分なS/Nを確保する。又、受信遅延回路215は、所定の深さからの受信超音波を集束して細い受信ビーム幅を得るための収束用遅延時間と、所定の方向に超音波ビームの受信指向性を設定するための偏向用遅延時間をプリアンプ214の出力に与えた後、加算器216に送り、加算器216において超音波振動子からのNチャンネルの受信信号は加算されて1つに纏められる。
次に、RAWデータ生成部250は、整相加算された超音波受信部203の受信信号に対してBモード画像用のRAWデータを生成するための信号処理を行なうBモードデータ生成部204と、上記受信信号に対してI/Q信号を生成するI/Q信号生成部205と、このI/Q信号に対してカラードプラ画像用のRAWデータを生成するための信号処理を行なうカラードプラデータ生成部206を備えている。
Bモードデータ生成部204は、包絡線検波器217と、対数変換器218と、A/D変換器219を備えている。Bモードデータ生成部204の入力信号は、包絡線検波器218によって包絡線検波が行なわれた後対数変換器217で対数変換され、弱い信号が相対的に強調される。そして、対数変換器217の出力はA/D変換器219においてA/D変換されてBモードデータが生成される。
一方、I/Q信号生成部205は、基準信号発生器220、π/2移相器221、ミキサ222−1及び222−2、2チャンネルから構成されるLPF(ローパスフィルタ)223及びA/D変換器224を備えている。そして、超音波の受信信号に対して直交位相検波を行なって受信信号のIQ成分を検出する。
即ち、超音波受信部203の出力信号は、ミキサ222−1及び222−2の第1の入力端子に入力される。一方、この入力信号の中心周波数とほぼ等しい周波数を有し、レートパルス発生器211のレートパルスと同期した基準信号発生器220の連続波出力は、ミキサ222−1の第2の入力端子に直接供給されると共にπ/2移相器221に供給され、π/2移相器221において位相が90度シフトされてミキサ222−2の第2の入力端子に送られる。そして、ミキサ222−1及び222−2の出力は、ローパスフィルタ223に供給され、I/Q信号生成部205の入力信号周波数と基準信号発生器220の出力信号周波数との和の成分が除去されて差の成分のみが検出される。
次いで、A/D変換器224は、LPF223の出力信号、即ち、直交位相検波されたアナログ信号を所定のサンプリング周期でサンプリングしデジタル信号に変換する。
次に、カラードプラデータ生成部206は、I/Q信号記憶回路225と、MTIフィルタ226と、自己相関器227と、演算器228を備えており、所定の走査方向に対して行なわれる連続した複数回の超音波送受波において得られる受信信号に対してI/Q信号生成部205が直交位相検波を行なって得られたI成分(受信信号の実数成分)及びQ成分(受信信号の虚数成分)はI/Q信号記憶回路225において順次保存される。
一方、前記カラードプラデータ生成部206のMTIフィルタ226は、高域通過用のデジタルフィルタであり、I/Q信号記憶回路225に一旦保存されたIQ信号に対して臓器等の固定反射体からの反射成分や呼吸性移動あるいは拍動性移動などに起因するドプラ信号成分(組織ドプラ成分)の除去を行なう。
又、自己相関器227は、MTIフィルタ226によって血流情報のみが抽出されたドプラ信号に対して自己相関処理を行ない、演算器228は、この自己相関処理結果に基づいて血流の平均流速値、分散値、更にはパワー値などを2次元的に算出してカラードプラデータを生成する。
次に、図1に戻って、時刻情報付加部301は、RAWデータ生成部250において生成された走査方向単位のRAWデータの各々に対して、後述する時刻情報生成部312が被検体の生体信号に基づいて生成した時刻情報(同期信号)を付加する。そして、RAWデータ記憶部302は、時刻情報が付加されたRAWデータを順次保存する。
図3は、RAWデータ記憶部302に保存されたRAWデータの構成を模式的に示したものであり、縦軸は走査方向θ1乃至θMに対応したRAWデータの配列、横軸は超音波送受波方向に対応している。例えば、1フレーム分のBモード画像データに必要なM個のRAWデータB−1乃至B−Mにおいて、第1の走査方向(θ1)の超音波送受波によって生成されたRAWデータB−1の画素a11乃至a1Lは各々12ビットで構成され、更に、これらL個の画素の先頭(ヘッダ)には時刻情報が保存される時刻情報記憶領域a10aと、走査方向(θ1)に関する情報が保存される走査情報記憶領域a10bが設けられている。
同様にして、第2の走査方向(θ2)乃至第Mの走査方向(θM)に対するRAWデータB−2乃至B−Mの各々も時刻情報記憶領域a20a乃至aM0a及び走査情報記憶領域a20b乃至aM0bとBモード用RAWデータが記憶された画素am1乃至amL(m=2乃至M)から構成されている。
尚、RAWデータ記憶部302には、第Mの走査方向(θM)に対して得られたRAWデータB−Mに後続して次以降のBモード画像データの生成に用いられる図示しないRAWデータB−1乃至B−Mが繰り返し保存される。
そして、被検体のECG信号におけるR波が計測された時刻において得られたRAWデータ(例えばRAWデータB−3)の時刻情報記憶領域a30aには「1」が付加され、その他の時刻情報記憶領域には「0」が付加される。
次に、図1の生体信号計測ユニット311は、被検体に対してECG信号、脳波、心音、血圧波形、呼吸波形、インピーダンス波形等の生体信号を計測し、計測した生体信号は図示しないA/D変換器によってデジタル信号に変換される。一方、時刻情報生成部312は、上記生体信号に基づいて時刻情報(同期信号)を生成する機能を有し、例えば、上記生体信号計測ユニット311から供給される生体信号がECG信号の場合には、このECG信号におけるR波のタイミングを検出する。
又、生体信号記憶部313は、生体信号計測ユニット311から供給される生体信号と、この生体信号に基づいて時刻情報生成部312が生成した時刻情報を対応付けて保存する。
一方、画像・解析データ生成部300は、RAWデータ記憶部302において保存されたRAWデータの中から、所定の時相における1つあるいは複数個のRAWデータを読み出し、この読み出したRAWデータに対して必要に応じてデータ処理し、更に、走査変換(スキャンコンバージョン)を行なって画像データを生成する。
この画像・解析データ生成部300は、RAWデータ処理部303と画像データ生成部304を備えている。そして、RAWデータ処理部303は、所定時相のRAWデータを、このRAWデータに付加された時刻情報に基づいて読み出し、Bモード用RAWデータやカラードプラ用RAWデータに対する画像処理や画像分析、I/Q信号に対するスペクトラム解析等のデータ処理を行なう。そして、画像データ生成部304は、RAWデータ処理部303において読み出された所定時相のBモード用RAWデータあるいはカラードプラ用RAWデータに対して走査変換を行ない画像データを生成する。
一方、表示用データ生成部305は、図示しない演算回路と記憶回路を備え、この演算回路は、画像・解析データ生成部300の画像データ生成部304から供給される画像データあるいはRAWデータ処理部303から直接供給される各種解析データと同じ時相における生体信号を前記時刻情報に基づいて読み出す。次いで、上記表示用データ生成部305は、画像・解析データ生成部300から供給される画像データあるいは解析データと前記生体信号を合成して表示用データを生成し前記記憶回路に一旦保存する。
表示部306は、図示しない変換回路とモニタを備え、表示用データ生成部305において生成された表示用データは、変換回路においてD/A変換とテレビフォーマット変換によって映像信号に変換されCRTあるいは液晶などのモニタに表示される。
一方、入力部307は、操作パネル上にキーボード、トラックボール、マウス等の入力デバイスと表示パネルを備え、患者情報や各種コマンド信号の入力、画像データ生成モードの選択等が上記入力デバイスと表示パネルを用いて行なわれる。
又、システム制御部308は、図示しないCPUと記憶回路を備え、入力部307から供給される各種の入力情報や選択情報等は前記記憶回路に保存される。そして、前記CPUは、これらの情報に基づいて送受信部200、RAWデータ生成部250、時刻情報付加部301、画像・解析データ生成部300、表示用データ生成部305、表示部306等の各ユニットの制御やシステム全体の制御を行なう。
(画像データと生体信号の同期表示手順)
次に、本実施例の超音波診断装置100の基本動作と、この超音波診断装置100によって得られる画像データと生体信号との同期表示の手順につき図1乃至図6を用いて説明する。尚、以下では、被検体に対して超音波送受波を行なって得られたBモード用RAWデータを用いて生成されるBモード画像データとこの超音波送受波と並行して収集されるECG信号の同期表示につき図4のフローチャートに沿って述べるが、これらに限定されるものではなく、Bモード画像データの替わりに、カラードプラ画像データやドプラスペクトラムデータ、更には、各種の解析データ等であってもよく、又、ECG信号の替わりに血圧波形等の他の生体信号であっても構わない。
被検体に対する超音波送受波に先だって、医師や検査技師(以下、操作者と呼ぶ。)は、被検体の所定の位置に生体信号計測ユニット(心電計)311の電極を装着し、次いで、入力部307の入力デバイスを用いて被検体情報の入力や画像データ生成モードとしてBモード画像データの選択等を行なったならば、超音波プローブ201の先端部を前記被検体の所定位置に配置する(図4のステップS1)。このとき、上述の入力情報や選択情報は、システム制御部308の記憶回路に保存される。
上記の初期設定が終了したならば、システム制御部308は、図2に示した超音波送信部202のレートパルス発生器211に対して送信制御信号を供給し、レートパルス発生器211は、システム制御部308からの制御信号に同期して被検体に放射する超音波パルスの繰り返し周期(Tr)を決定するレートパルスを送信遅延回路212に供給する。
次いで、送信遅延回路212は、所定の深さに超音波を集束するための集束用遅延時間と、第1の走査方向(θ1)に超音波を送信するための偏向用遅延時間をレートパルスに与え、このレートパルスをパルサ213に供給する。パルサ213は、レートパルスの駆動によって生成される駆動信号を、ケーブルを介して超音波プローブ201におけるN個の超音波振動子に供給し、被検体のθ1方向に超音波パルスを放射する。
被検体に放射された超音波パルスの一部は、音響インピーダンスの異なる臓器間の境界面あるいは組織にて反射する。被検体の組織にて反射した超音波反射波(受信超音波)は、超音波プローブ201の超音波振動子によって受信されて電気信号(受信信号)に変換され、この受信信号は、超音波受信部203におけるNチャンネルの独立なプリアンプ214にて増幅されてNチャンネルの受信遅延回路215に送られる。
受信遅延回路215は、所定の深さからの超音波を収束するための集束用遅延時間と、前記第1の走査方向に強い受信指向性をもたせて受信するための偏向用遅延時間を前記受信信号に与えた後、加算器216に送る。そして、加算器216は、受信遅延回路215から出力されたNチャンネルの受信信号を加算合成し、1つの受信信号に纏めた後、Bモードデータ生成部204に供給する。
次に、Bモード信号生成部204は、加算器216からの出力信号に対して包絡線検波、対数変換、A/D変換を行なってBモード用RAWデータを生成し、時刻情報付加部301に供給する。尚、このとき生成されるBモード用RAWデータは、図3に示したように、画素a11乃至a1Lとヘッダによって構成され、画素a11乃至a1LにはA/D変換後の信号振幅の大きさが12ビットで保存され、ヘッダの走査情報記憶領域a10bには第1の走査方向(θ1)に関する情報が保存される(図4のステップS2)。
一方、上述の第1の走査方向(θ1)に対する超音波送受波と並行して、生体信号計測ユニット311は、被検体のECG信号を計測し(図4のステップS3)、得られたECG信号を時刻情報生成部312に供給する。そして、このECG信号を受信した時刻情報生成部312は、上記超音波送受波のタイミングがECG信号のR波と一致しているか否かを検出し、その検出結果に基づいて時刻情報を生成して時刻情報付加部301及び生体信号記憶部313に供給する(図4のステップS4)。
次いで、時刻情報付加部301は、RAWデータ生成部250のBモードデータ生成部204から供給された第1の走査方向に対するBモード用RAWデータ(図3のBモード用RAWデータB−1)の時刻情報記憶領域a10aに対し、時刻情報生成部312から供給される時刻情報を付加する(図4のステップS5)。この場合、上記超音波送受波のタイミングがECG信号のR波に一致していない場合には図3に示すように時刻情報「0」がRAWデータB−1の時刻情報記憶領域a10aに付加され、一致している場合は時刻情報「1」が付加される。そして、時刻情報が付加されたBモード用RAWデータB−1はRAWデータ記憶部302に保存される(図4のステップS6)。
一方、生体信号記憶部313に供給されたECG信号データにも上記時刻情報が付加されて保存される(図4のステップS7及びS8)。
次いで、システム制御部308は、第2の走査方向乃至第Mの走査方向に対しても同様な超音波送受波を行ない、更に、第Mの走査方向に対する超音波送受波に後続して第1の走査方向乃至第Mの走査方向に対する超音波送受波を繰り返し行なう。そして、このとき得られたBモード用RAWデータの各々は、時刻情報付加部301において時刻情報が付加されてRAWデータ記憶部302に保存され、このBモード用RAWデータの生成及び保存と並行して収集されるECG信号に対しても前記時刻情報が付加されて生体信号記憶部313に保存される。
一方、画像・解析データ生成部300のRAWデータ処理部303は、RAWデータ記憶部302において一旦保存された図3のRAWデータB−1、B−2、・・・・に対して時刻情報の検索を行なう。そして、例えばRAWデータB−3においてECG信号のR波に対応する時刻情報「1」を検出したならば、RAWデータB−3を基準としてRAWデータを順次読み出す。次いで、RAWデータ処理部303は、読み出したRAWデータに対して、必要に応じて画像処理を行なって画像データ生成部304に供給する。
画像データ生成部304は、RAWデータ処理部303において読み出された所定時相における1フレーム分のBモード用RAWデータに対して走査変換を行なってBモード画像データを生成する(図4のステップS9)。
次いで、表示用データ生成部305は、時刻情報が付加された状態で生体信号記憶部313に保存されているECG信号の中から時刻情報「1」が付加されたECG信号(R波)を基準に一連のECG信号を順次読み出し(図4のステップS10)、更に、画像・解析データ生成部300の画像データ生成部304から供給されるBモード画像データにおける第3の走査方向(θ3)のデータ表示のタイミングと前記ECG信号のR波の表示が同期するように合成して表示用データを生成する。
そして、表示部306は、表示用データ生成部305において生成された表示用データをD/A変換及びテレビフォーマット変換して映像信号を生成しモニタに表示する(図4のステップS11)。
図5は、表示部306におけるBモード画像データとECG信号の表示例を示したものであり、セクタ走査法によって得られたBモード画像データ801とECG信号802が同一モニタ上に表示される。そして、このBモード画像データ801の時相(即ち、第1の走査方向(θ1)乃至第Mの走査方向(θM)に対するBモード用RAWデータが収集された期間t1乃至t2)に対応するECG信号802が高輝度表示(ハイライト表示)される。但し、時刻t2まで連続表示されたECG信号802の下方に、Bモード画像データ801の時相t1乃至t2を示す時相バー803を表示してもよい。
(変形例)
次に、本実施例の変形例につき図6を用いて説明する。上述の第1の実施例では、既に図3において示したように時刻情報生成部312から供給されるECG信号の時刻情報をBモード用RAWデータのヘッダに設けられた時刻情報記憶領域に保存する場合について述べたが、この変形例では、時刻情報をBモード用RAWデータの画素の一部に保存する。
図6は、本変形例におけるBモード用RAWデータの構造を示す図であり、例えば、第1の走査方向(θ1)に対して得られたBモード用RAWデータB−1の画素a11乃至a1Lの各々は12ビットで構成され、例えば、このBモード用RAWデータB−1の画素a1Lにおける最小ビット(LSB)を時刻情報記憶領域a10aに設定する。即ち、図1の時刻情報生成部312から供給される時刻情報「1」あるいは「0」は、上記画素a1Lに設けられた時刻情報記憶領域a10aに保存される。
上述のように画素の1部を用いて時刻情報を保存する場合、この時刻情報はBモード画像データの画質に影響を与えるが、時刻情報記憶領域a10aがLSBのみであるため、その影響は極めて小さく、更に、画素a1Lは被検体の最も深い部位からの受信信号が保存される画素であり、臨床的に重要な情報が保存されている可能性は少ない。
以上述べた本発明の第1の実施例によれば、被検体から得られたRAWデータを使用して画像データや解析データ等の生成を行う場合に、前記RAWデータの収集と並行して得られた生体信号に基づいて生成された時刻情報をRAWデータに付帯情報として付加することによって、前記RAWデータを用いて生成された画像データあるいは解析データと生体信号との間の時相合わせを前記時刻情報に基づいて行なうことが可能となり、時相合わせの精度が向上する。
又、本実施例の変形例によれば、RAWデータの画素に時刻情報が保存されているため、例えば、走査変換後に生成される画像データのようにヘッダ情報が削除されるような場合においても前記時刻情報を保存することができる。従って、画像データにおける時刻情報を用いて生体信号との同期表示を行なうことも可能となる。
更に、上述の実施例及びその変形例によれば、一旦保存されたRAWデータ及び生体信号には共通の時刻情報が付加されているため、このRAWデータを用いたオフライン処理によって生成した画像データあるいは解析データと生体信号との同期表示を精度よく行なうことができる。
又、本実施例によれば、上記時相合わせはソフトウエアによって行なうことが可能となり、従来のようなハードウエアによる遅延回路が不要となる。
尚、上述の実施例及び変形例における時刻情報生成部312は、ECG信号のR波のタイミングを示す時刻情報「1」あるいは「0」を生成する場合について述べたが、ECG信号のR波からの経過時間情報を時刻情報として生成してもよい。
一方、Bモード画像データの時相を示す方法として、上記実施例ではECG波形との同期表示を行なったが、ECG波形の替わりに例えばR波のタイミングを示すマーカを表示してもよい。
次に、本発明の第2の実施例につき図7及び図8を用いて説明する。この第2の実施例の特徴は、共通の基準時刻情報をRAWデータと生体信号の各々に付加し、この時刻情報に基づいて所定時相の画像データと生体信号を同期表示することにある。
図7は、本実施例における超音波診断装置110の全体構成を示すブロック図であり、図1に示した第1の実施例における超音波診断装置100と同様の機能を有するユニットは同一の符号で示し、その詳細な説明は省略する。
即ち、図7の超音波診断装置110は、基準時刻のデータを発生する基準時刻情報発生部314と、この基準時刻をRAWデータ生成部250から供給されるRAWデータに付加する時刻情報付加部316と、前記基準時刻を生体信号計測ユニット311から供給される生体信号に付加する時刻情報付加部315と、基準時刻が付加された生体信号を保存する生体信号記憶部313を備え、更に、第1の実施例と同様の機能を有する超音波プローブ201、送受信部200、RAWデータ生成部250、RAWデータ記憶部302、画像・解析データ生成部300、表示用データ生成部305、表示部306、入力部307、システム制御部308等の各ユニットを備えている。
次に、本実施例における画像データと生体信号との同期表示の手順を図8のフローチャートに沿って説明する。尚、本実施例においてもBモード用RAWデータから生成されるBモード画像データとECG信号の同期表示を例に説明するがこれらに限定されるものではない。
上述の第1の実施例と同様の手順によって装置の初期設定(図8のステップS1)、第1の走査方向に対する超音波送受波によりBモード用RAWデータの収集(図8のステップS2)及びECG信号の収集(図8のステップS3)が行なわれ、Bモード用RAWデータは時刻情報付加部316に、又、ECG信号は時刻情報付加部315に夫々供給される。
次いで、時刻情報付加部316は、Bモード用RAWデータの時刻情報記憶領域に対して基準時刻情報発生部314から供給される基準時刻情報を付加する(図8のステップS15)。そして、基準時刻情報が付加されたBモード用RAWデータはRAWデータ記憶部302に保存される(図8のステップS16)。同様にして、時刻情報付加部315は、ECG信号に対して前記基準時刻情報を付加し生体信号記憶部313に保存する。(図8のステップS17及びS18)。
次いで、システム制御部308は、第2の走査方向乃至第Mの走査方向に対しても同様な超音波送受波を行ない、更に、第1の走査方向乃至第Mの走査方向に対する超音波送受波を繰り返し行なう。そして、このとき得られたBモード用RAWデータの各々は、時刻情報付加部316において基準時刻情報が付加されてRAWデータ記憶部302に保存され、このBモード用RAWデータの生成及び保存と並行して収集されるECG信号も前記基準時刻情報が付加されて生体信号記憶部313に保存される。
一方、画像・解析データ生成部300のRAWデータ処理部303は、RAWデータ記憶部302において一旦保存されたBモード用RAWデータの中から所定時相におけるBモード用RAWデータを基準時刻情報に基づいて順次読み出し、読み出したRAWデータに対し必要に応じて画像処理を行なった後画像データ生成部304に供給する。次いで、画像データ生成部304は、RAWデータ処理部303において読み出された所定時相における1フレーム分のBモード用RAWデータを走査変換して画像データを生成する(図8のステップS19)。
又、表示用データ生成部305は、基準時刻情報が付加された状態で生体信号記憶部313に保存されているECG信号の中から前記画像データの生成に用いられたRAWデータの基準時刻情報と同一の基準時刻情報が付加されているECG信号を読み出し(図8のステップS20)、更に、画像・解析データ生成部300の画像データ生成部304から供給されるBモード画像データと合成して表示用データを生成する。
そして、表示部306は、表示用データ生成部305において生成された表示用データをD/A変換及びテレビフォーマット変換して映像信号を生成しモニタに表示する(図4のステップS21)。
以上述べた本発明の第2の実施例によれば、被検体から得られたRAWデータを使用して画像データや解析データ等の生成を行う際に、RAWデータと生体信号に共通の基準時刻情報を付加することによって、このRAWデータを用いて生成した画像データあるいは解析データと生体信号の同期表示を高精度で行なうことが可能となる。又、本実施例の方法では、ECG信号のR波のような特定のタイミングを基準にする必要がないため、同期表示のための処理が容易となる。
尚、本実施例においても、第1の実施例の変形例と同様に基準時刻情報をRAWデータの画素に付加してもよい。
次に、本発明の第3の実施例につき図9乃至図12を用いて説明する。この第3の実施例の特徴は、超音波送受波によるRAWデータの生成と並行して収集される生体信号を前記RAWデータに付加することによって、このRAWデータを用いて生成した画像データあるいは解析データと生体信号との同期表示を行なうことにある。
図9は、本実施例における超音波診断装置300の全体構成を示すブロック図であり、図1に示した第1の実施例における超音波診断装置100と同様の機能を有するユニットは同一の符号で示し、その詳細な説明は省略する。
即ち、図9の超音波診断装置200は、RAWデータ生成部250から供給されるRAWデータに対して生体信号を付加する生体信号付加部317を備え、更に、第1の実施例と同様の機能を有する超音波プローブ201、送受信部200、RAWデータ生成部250、RAWデータ記憶部302、画像・解析データ生成部300、表示用データ生成部305、表示部306、入力部307及びシステム制御部308の各ユニットを備えている。
次に、本実施例における画像データと生体信号との同期表示の手順を図10のフローチャートに沿って説明する。尚、本実施例においてもBモード用RAWデータから生成されるBモード画像データとECG信号の同期表示を例に説明するがこれらに限定されるものではない。
上述の第1の実施例あるいは第2の実施例と同様の手順によって装置の初期設定(図10のステップS1)、第1の走査方向に対するBモード用RAWデータの収集(図10のステップS2)及びECG信号の収集(図10のステップS3)が行なわれ、Bモード用RAWデータとECG信号は生体信号付加部317に供給される。
生体信号付加部317は、Bモード用RAWデータのヘッダ部あるいは画素に設けられた生体信号記憶領域に対して生体信号計測ユニット311から供給されるECG信号を保存する(図10のステップS24)。そして、ECG信号が付加されたBモード用RAWデータはRAWデータ記憶部302に保存される(図10のステップS25)。
次に、システム制御部308は、第2の走査方向乃至第Mの走査方向に対してもBモード用RAWデータの収集を行ない、更に、第1の走査方向乃至第Mの走査方向に対するBモード用RAWデータの収集を繰り返し行なう。そして、このとき得られたBモード用RAWデータの各々は、生体信号付加部317においてECG信号が付加されてRAWデータ記憶部302に保存される。
一方、画像・解析データ生成部300のRAWデータ処理部303は、RAWデータ記憶部302において一旦保存されたBモード用RAWデータの中から所定時相におけるBモード用RAWデータとECG信号を順次読み出し、読み出したBモード用RAWデータを画像データ生成部304に、ECG信号を表示用データ生成部305に供給する(図10のステップS26)。次いで、画像データ生成部304は、RAWデータ処理部303が読み出した所定時相における1フレーム分のBモード用RAWデータを走査変換してBモード画像データを生成し表示用データ生成部305に供給する(図10のステップS27)。
次に、表示用データ生成部305は、RAWデータ処理部303から供給されたECG信号と画像データ生成部304から供給されたBモード画像データを合成して表示用データを生成する。そして、表示部306は、表示用データ生成部305において生成された表示用データをD/A変換及びテレビフォーマット変換してモニタに表示する(図10のステップS28)。
図11は、本実施例におけるBモード用RAWデータの構造の具体例を示すものであり、例えば、第1の走査方向(θ1)に対して得られたBモード用RAWデータB−1の画素a11乃至a1Lの各々は12ビットで構成され、このBモード用RAWデータB−1の画素a1(L−11)乃至a1Lの12画素のLSBを生体信号記憶領域a10cに設定する。即ち、図9の生体信号計測ユニット311から供給される12ビットのECG信号は、生体信号記憶領域a10cに保存される。尚、この場合も図6の場合と同様にして、生体信号記憶領域a10cは各画素のLSBで構成されているため、Bモード画像データの画質に与える影響は小さい。
一方、図12は、本実施例におけるRAWデータの構造の他の具体例を示すものであり、図11の場合と同様にして、第1の走査方向(θ1)に対して得られたBモード用RAWデータB−1の画素a11乃至a1Lの各々は12ビットで構成されている。そして、このBモード用RAWデータB−1の画素a1Lにおける12ビット(LSB乃至MSB)を生体信号記憶領域a10cに設定する。この場合、画素a1Lは全てECG信号の情報が保存されているため、Bモード画像データを表示する際には画素a1Lを表示させないためのブランキング処理を行なうことが望ましい。
以上述べた本発明の第3の実施例によれば、被検体から得られたRAWデータを使用して画像データや解析データ等の生成を行う際に、RAWデータの収集と並行して得られる生体信号をRAWデータに付加することによって、このRAWデータを用いて生成した画像データあるいは解析データと生体信号との同期表示を正確かつ容易に行なうことが可能となる。
更に、この実施例の方法によれば、ECG信号に対する時刻情報の付加が不要となるため、装置の構成を簡略化することができる。
以上、本発明の実施例について述べたが、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、種々変形して実施することが可能である。例えば、既に述べたように上述の実施例ではBモード用RAWデータから生成されるBモード画像データとECG信号の同期表示について述べたが、これらに限定されるものではなく、生体信号と同期表示される画像データあるいは解析データはカラードプラ画像データやドプラスペクトラムデータ等であってもよい。又、上記生体信号は、脳波、心音、血圧波形、呼吸波形、インピーダンス波形等であってもよい。
特に、カラードプラ用RAWデータの画素に対して時刻情報あるいは生体信号を付加する場合には、使用頻度や重要性が比較的低い分散値画素を用いることが好適である。
又、上述の実施例におけるRAWデータは、走査方向単位のRAWデータ(即ち、ベクタデータ)としたが、走査変換を行なう前の超音波データであれば特に限定されない。一方、時刻情報の生成に用いた生体信号計測ユニットは超音波診断装置に内蔵される場合について述べたが、独立に設けられていてもよい。
更に、上記実施例では1つの画像データあるいは解析データと1つの生体信号との同期表示について述べたが、複数の生体信号と複数の画像データ及び解析データとの同期表示であってもよい。
尚、上述の第1の実施例の超音波受信部はアナログ方式について述べたがデジタル方式であっても構わない。又、これらの実施例におけるRAWデータは2次元的に収集される場合について述べたが、3次元的に収集されるものであってもよい。そして、この場合の超音波プローブは、3次元的なRAWデータを収集するために超音波振動子が2次元配列されていることが好適である。
本発明の第1の実施例における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図。 同実施例における送受信部及びRAWデータ生成部の構成を示すブロック図。 同実施例における時刻情報付きRAWデータの構成を示す図。 同実施例における画像データと生体信号の同期表示手順を示すフローチャート。 同実施例におけるBモード画像データとECG信号の表示例を示す図。 同実施例の変形例における時刻情報付きRAWデータの構成を示す図。 本発明の第2の実施例における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図。 同実施例における画像データと生体信号の同期表示手順を示すフローチャート。 本発明の第3の実施例における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図。 同実施例における画像データと生体信号の同期表示手順を示すフローチャート。 同実施例における生体信号付きRAWデータの構成を示す図。 同実施例における生体信号付きRAWデータの他の構成を示す図。
符号の説明
100、110、120…超音波診断装置
200…送受信部
201…超音波プローブ
202…超音波送信部
203…超音波受信部
204…Bモードデータ生成部
205…I/Q信号生成部
206…カラードプラデータ生成部
250…RAWデータ生成部
300…画像・解析データ生成部
301、316…時刻情報付加部
302…RAWデータ記憶部
303…RAWデータ処理部
304…画像データ生成部
305…表示用データ生成部
306…表示部
307…入力部
308…システム制御部
311…生体信号計測ユニット
312…時刻情報生成部
313…生体信号記憶部
314…基準時刻情報発生部
315…時刻情報付加部
317…生体信号付加部

Claims (8)

  1. 被検体に対して超音波送受波を行うための超音波振動子を備えた超音波プローブと、
    前記超音波振動子を駆動して前記被検体の複数の方向に対し超音波走査を行う送受信手段と、
    前記送受信手段によって得られた受信信号に基づいてRAWデータを生成するRAWデータ生成手段と、
    前記被検体から得られた生体信号に基づいて時刻情報を生成する時刻情報生成手段と、
    前記RAWデータに基づいて、記画像データ及び解析データの少なくとも何れかを生成する画像・解析データ生成手段と、
    前記時刻情報に基づいて、前記所定時刻における生体信号と、前記画像データ及び解析データの少なくとも何れかを同期させて表示する表示手段を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 被検体に対して超音波送受波を行うための超音波振動子を備えた超音波プローブと、
    前記超音波振動子を駆動して前記被検体の複数の走査線方向に対して超音波走査を行う受信手段と、
    前記送受信手段によって得られた受信信号に基づいて、前記走査線ごとにRAWデータを生成するRAWデータ生成手段と、
    基準時刻情報を発生する基準時刻情報発生手段と、
    前記RAWデータに対して、前記走査線ごとに前記基準時刻情報を付加する第1の時刻情報付加手段と、
    前記基準時刻情報を前記被検体から得られた生体信号に付加する第2の時刻情報付加手段と、
    前記基準時刻情報に基づいて抽出された前記RAWデータに基づいて、所定時刻における画像データ及び解析データの何れかを生成する画像・解析データ生成手段と、
    前記抽出されたRAWデータの前記基準時刻情報に基づいて、前記所定時刻に対応する生体信号を抽出して、前記画像データ及び解析データの少なくともいずれかと同期させて表示する表示手段とを備えた
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 被検体に対して超音波送受波を行なうための超音波振動子を備えた超音波プローブと、
    前記超音波振動子を駆動して前記被検体の複数の方向に対し超音波走査を行送受信手段と、
    前記送受信手段によって得られた受信信号に基づいてRAWデータを生成するRAWデータ生成手段と、
    前記RAWデータに対して、そのRAWデータを収集するための超音波送受信と略同時に収集される前記被検体の生体信号を付加する生体信号付加手段と、
    前記RAWデータに基づいて、所定時刻における画像データ及び解析データの少なくとも何れかを生成する画像・解析データ生成手段と、
    前記RAWデータに付加された生体信号に基づいて、前記所定時刻における生体信号と、前記画像データ及び解析データの少なくとも何れかを同期させて表示する表示手段を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 前記RAWデータ生成手段は、前記受信信号に基づいてBモード用RAWデータ、カラードプラ用RAWデータ、ドプラスペクトラム用RAWデータの少なくとも何れかであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載した超音波診断装置。
  5. 前記時刻情報生成手段は、前記被検体から収集される生体信号より検出された所定臓器の所定時相を特定するための情報を生成することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  6. 前記時刻情報生成手段は、前記被検体から収集されるECG信号のR波に基づいて前記時刻情報を生成することを特徴とする請求項5記載の超音波診断装置。
  7. 前記第1の時刻情報付加手段は、前記RAWデータのヘッダ部及び画素の1部の少なくとも何れかに前記時刻情報あるいは基準時刻情報を付加することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した超音波診断装置。
  8. 前記生体信号付加手段は、前記RAWデータのヘッダ部及び画素の1部の少なくとも何れかに前記生体信号を付加することを特徴とする請求項3記載の超音波診断装置。
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