JP4647371B2 - 車体強度調整装置 - Google Patents
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Description
また、例えば加速度センサ等の検出結果に基づき衝突発生の有無を判定し、衝突発生時にフロントバンパビームの変形を促すようにして、フロントバンパビームの一部を破損させて強度を低下させる装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、上記従来技術に係るビームの一部を破損させる装置では、衝突発生時に常に所定の程度だけビームの強度を低下させるだけであって、衝突の程度や衝突対象物に応じて適切に強度を変更することができないという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、車体の強度状態を適切に制御することが可能な車体強度調整装置を提供することを目的とする。
上記構成の車体強度調整装置によれば、接続分離部材によって板状部材の所定位置にて複数の板状部材のそれぞれを分離可能に接続することで強度可変装置の強度を容易に変更することができる。
また、接続部材によって板状部材に大きな加工を施すことなく板状部材と接続分離部材を分離可能に接続することができる。
更に、可動ピン部材を接続部材に備えた挿入孔に挿入または抜き出すことによって板状部材と接続分離部材を分離可能に接続することができる。
上記構成の車体強度調整装置によれば、接続分離部材をベース部材とアクチュエータとアクチュエータによって駆動される可動ピン部材とから構成したので装置構成を単純化でき、部品点数を削減することができる。
上記構成の車体強度調整装置によれば、前記板状部材の変形時に前記板状部材の前記接続分離部材に対する回動動作を許容することが可能となる。更に板状部材からの曲げモーメントが伝達されないため、前記接続分離部材の曲げ変形を防止することができる。
上記構成の車体強度調整装置によれば、前記可動ピン部材が前記接続部材の挿入孔に対して挿入されていない場合に、前記接続分離部材が前記接続部材に対して支持具により仮保持され、前記接続分離部材が前記接続部材から脱落するのを防止できる。
上記構成の車体強度調整装置によれば、前記板状部材の端部の回動動作を許容することで、前記板状部材の圧縮による座屈変形における端部の曲げ拘束の剛性に起因した高荷重発生状態を回避できる。
上記構成の車体強度調整装置によれば、衝突荷重の入力点を板状部材の位置に対してずらすことにより、板状部材の変形初期において板状部材に適正な曲げモーメントを付与することができる。
上記構成の車体強度調整装置によれば、ブラケットを介して車体部材に取り付けることが可能となる。
上記構成の車体強度調整装置によれば、板状部材が最大歪みを超えて破断するような大きな荷重が作用した場合でも、前記ブラケットのストッパ部がこれを阻止ことができる。
上記構成の車体強度調整装置によれば、板状部材の端部を穴部に格納し外部への露出を防止できる。
上記構成の車体強度調整装置によれば、外部から入力される衝突エネルギを適切に吸収することができる。
また、接続部材によって板状部材に大きな加工を施すことなく板状部材と接続分離部材を分離可能に接続することができる。
更に、可動ピン部材を接続部材に備えた挿入孔に挿入または抜き出すことによって板状部材と接続分離部材を分離可能に接続することができる。
請求項2に記載の本発明の車体強度調整装置によれば、接続分離部材をベース部材とアクチュエータとアクチュエータによって駆動される可動ピン部材とから構成したので装置構成を単純化でき、部品点数を削減することができる。
請求項3に記載の本発明の車体強度調整装置によれば、前記板状部材の変形時に前記板状部材の前記接続分離部材に対する回動動作を許容するために板状部材の3次モード変形を妨げることがなくなる。更に、前記接続分離部材の曲げ変形を防止することができるため、板状部材の座屈荷重を荷重変動の少ないフラットな荷重特性に維持することができる。
請求項4に記載の本発明の車体強度調整装置によれば、可動ピン部材が作動して挿入孔に挿入された後に再度挿入されない状態に復帰した場合でも、接続分離部材が接続部材から脱落して強度調整機能が損なわれることがなくなる。
請求項5に記載の本発明の車体強度調整装置によれば、前記板状部材の端部の回動動作を許容することで、前記板状部材の圧縮による座屈変形における高荷重発生状態を回避できるため、低荷重で座屈変形が開始できる。
請求項6に記載の本発明の車体強度調整装置によれば、衝突荷重の入力点を板状部材の位置に対してずらすことにより、板状部材の圧縮による座屈変形において板状部材に適正な曲げモーメントを付与することができるため、高速で衝突した場合でも慣性力を影響とする板状部材の高次モード変形を回避することが可能となる。これにより板状部材の1次モード座屈変形が実現でき、低荷重を出力することができる。
請求項7に記載の本発明の車体強度調整装置によれば、ブラケットを介して車体部材に取り付けることが可能となるため、組み付け工数が削減できる。
請求項8に記載の本発明の車体強度調整装置によれば、板状部材が最大歪みを超えて破断するような大きな荷重が作用した場合でも、前記ブラケットのストッパ部がこれを阻止できるため、板状部材の破断を防止して板状部材の破断に伴うノイズの発生や、接続分離部材の脱落や破損を防止できる。
請求項9に記載の本発明の車体強度調整装置によれば、板状部材の端部を穴部に格納し外部への露出を防止できるため、石跳ねなどによる損傷から保護できると共に設置スペースを削減でき、強度可変機能を損なうことがなくなる。
請求項10に記載の本発明の車体強度調整装置によれば、外部から入力される衝突エネルギを適切に吸収することができる。
以下、本発明の第1実施形態に係る車体強度調整装置について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による車体強度調整装置は、例えば車体ビーム構造の部位の強度を可変に制御するものであって、この車体ビーム構造は、例えば図1に示すように、車体前部1に配置されたフロントバンパビーム10とされ、この車体前部1には、例えば、車体骨格部材であるフロントサイドフレーム11が車体前後方向に沿う状態で車幅方向に離間して一対設けられている。これら1対のフロントサイドフレーム11,11は、各先端部がブラケット等の接続部材10aを介して車幅方向に沿うフロントバンパビーム10に連結され、各基端部が車幅方向に沿う車体骨格部材であるダッシュボードロアクロスメンバ14と交差して、車体前後方向に沿う車体骨格部材であるフロアフレーム15に個別に連結されている。
そして、接続部材42の各端部42aには、後述する可動ピン部材45を挿入可能な挿入孔42bが形成されている。
例えば図7(a)に示すように、板状部材31に対して、2つの接続分離部材32,32が分離された状態では、板状部材31の長手方向に沿った最大荷重が最も低下し、1つの腹51aを有するようにして座屈する1次モード変形となり、例えば図7(b)に示すように、2つの接続分離部材32,32のうち何れか一方が接続状態とされ、他方が分離状態とされた場合には、板状部材31の長手方向に沿った最大荷重が相対的に増大し、2つの腹51b,51bを有するようにして座屈する2次モード変形となり、例えば図7(c)に示すように、2つの接続分離部材32,32の両方が接続状態とされた場合には、板状部材31の長手方向に沿った最大荷重が最も増大し、3つの腹51c,51c,51cを有するようにして座屈する3次モード変形となる。
そして、形状記憶合金からなる板状部材31に対しては、例えば図8に示すように、2つの接続分離部材32,32の両方が接続状態とされて板状部材31が3次モード変形にて座屈する際に、座屈の発生以後(例えば、図8に示す変位が所定の変位x1よりも大きい領域)に一時的に低下した強度が、変位xの増大に伴い増加傾向に変化するようになっている。
しかも、衝突あるいは接触の程度や衝突あるいは接触の対象物に応じて強度可変装置22の強度状態を適切に設定することができる。
また、車体構造の他の箇所に強度可変装置22を備えてもよい。例えば車幅方向に沿うリヤバンパビームの内部または外部に設けて後面衝突時の衝突エネルギ吸収を行ったり、車体前後方向に沿うサイドシル内に設けて側面衝突時の衝突エネルギ吸収を行ったり、上下方向に沿うピラー内に設けて側面衝突時の衝突エネルギ吸収を行ったりすることができる。また、前記板状部材31の端部をビーム部材21,21に回動可能に支持してもよい。ここで、これら変形例は後述する第2、第3実施形態にも適用可能である。
端部接続部材242は両端部242a,242aが同方向に屈曲して略コの字状に形成された部材で、板状部材131の表面131A上にボルト等により固定されると共に、屈曲した両端部242a、242aが板状部材131の裏面131B上から突出している。
端部接続部材242の各端部242aには、ピン245を挿入可能な挿入孔242bが形成されている。
つまり、支持具140は接続分離部材132と接続部材142との間に設けられ可動ピン部材145が前記接続部材142の端部142aの挿入孔142bに挿入されていない場合に、前記接続分離部材132の接続部材142に対する回動を許容した状態で、接続分離部材132を接続部材142に対して仮保持することとなると共に可動ピン部材145が前記接続部材142の端部142aの挿入孔142bに挿入されている場合には、3次モード変形時の板状部材131の回動を規制する機能を有することとなる。
したがって、図19、図20において、1つの板状部材131を例にして説明すると、上側から衝突荷重が作用した場合に、図19にも示すように前述したオフセット量OFが設定してあるため板状部材131の上側と下側が矢印(1)で示すように内側に回転するモーメントを受けるため、図20に示すように上側の接続部材142よりも上の板状部材131は左に凸に変形し、上側と下側の接続部材142に挟まれた板状部材131は、右に凸に変形する。同じく下側の接続部材142よりも下の板状部材131は左に凸に変形する。ところで、この場合に支持具140には切欠部140gが形成されているため接続部材142と板状部材131の回動動作に影響を与えない。
また、支持具140に形成した回動規制部140iにより板状部材131が曲げ変形により所定量回動したところで回動が規制されるため、板状部材131の破断を防止できる。これによりバンパビーム10等の部品の脱落を防止できる。
ここで、図21〜図23に基づいて、前述した端部の曲げ剛性に起因する高荷重発生について説明する。図21、図22は荷重が印加された強度可変装置122を模式的に示すものであり、図21は一対の板状部材131の上下の端部をブラケット100に固定した曲げ拘束剛性が高い強度可変装置122(A)の変形の状態を示し、図22は一対の板状部材131の上下の端部をブラケット100に回動可能にピン支持(ピン245)した曲げ拘束剛性が極端に低い強度可変装置122(B)の変形の状態を示している。
これによれば、(B)では板状部材131が回動可能にピン支持されているため、板状部材131の上下方向中央部が大きく外側に膨らむ形状に変形する。
よって、図23に荷重に応じた変位の変化として示すように、(B)の荷重は(A)の荷重に比較して大きく減少することとなる。その結果、強度可変装置122の1次モード変形荷重が低下し、3次モード変形荷重との荷重・エネルギー差を大きく取ることが可能となる。
また、前記挿入孔242bが、前記板状部材131の面外方向に平行な方向に向かって該板状部材131からオフセット量OFを確保して配置されていることにより、突荷重の入力点を板状部材131の位置に対してずらし板状部材131の座屈変形において板状部材131に適正な曲げモーメントを付与することができる。よって、高速で衝突した場合でも慣性力による影響を受けずに板状部材131の長手方向中央が衝撃荷重の方向と略直交した方向に変形する1次モードの座屈変形が実現でき、低荷重を出力することができる。
また、ブラケット100には、前記板状部材131が座屈方向に変形する際に、他方のブラケット100に対して当接して両ブラケット100の近接方向の移動を規制するストッパ部102を設けてあるため、板状部材131が最大歪みを超えて破断するような大きな荷重が作用した場合でも、前記ブラケット100のストッパ部102がこれを阻止することができる。よって、板状部材131の破断を防止して板状部材13の破断に伴うノイズの発生や、接続分離部材132の脱落や破損を防止できる。尚、前記第2実施形態には両方のブラケット100,100にストッパ部102を設けた場合について説明したが、板状部材131の破断を防ぐことができれば、ブラケット100の少なくとも何れか一方にストッパ部102を設ければよい。
前記ブラケットピース100aは前記ビーム部材21に取り付けられる取付孔103を備えた取付座104の内側縁を下側に折り曲げて2つの側壁部105,105を形成し、各側壁部105には板状部材131に取り付けられた端部接続部材242の挿入孔242bに対応してピン245を挿入可能な挿入孔106が形成されている。そして、隣接して配置されるブラケットピース100aの側壁部105間に、板状部材131の端部に回動可能に支持される端部接続部材242が前記ピン245により支持されるようになっている。つまり、3つのブラケットピース100aの各々が隣接する板状部材131に取付られた端部接続部材242の端部242aを支持することにより、板状部材131を分割構成されていない1つのブラケット100で支持した場合と同様の効果を与えているのである。
21a 長角穴(穴部)
22、122 強度可変装置
31、131 板状部材
32、132 接続分離部材
42、142 接続部材
42a、142a 挿入孔
43、143 ベース部材
45、145 可動ピン部材
46 、146 アクチュエータ
100 ブラケット
100A ブラケット
101 取付孔(取付部)
102 ストッパ部
102c 挿入孔(支持部)
108 凸部
140 支持具
Claims (10)
- 衝突荷重の方向に対して略平行に配設され、該衝突荷重が加えられる複数の板状部材と、
前記複数の板状部材の所定位置に設けられ、前記複数の板状部材の各々を分離可能に接続する接続分離部材を備え、
前記接続分離部材と分離可能に接続する接続部材を前記板状部材に備えた車体強度調整装置であって、
前記接続分離部材に可動ピン部材を備え、前記板状部材に備えた前記接続部材に該可動ピン部材が挿入可能な挿入孔を備えたことを特徴とする車体強度調整装置。 - 前記接続分離部材は前記可動ピン部材と、前記可動ピン部材を駆動するアクチュエータと、前記可動ピン部材と前記アクチュエータを搭載するベース部材とから構成されることを特徴とする請求項1に記載の車体強度調整装置。
- 前記接続分離部材の可動ピン部材は、この可動ピン部材が挿入される前記接続部材の挿入孔に対して回動可能に構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車体強度調整装置。
- 前記接続分離部材と前記接続部材との間には、前記可動ピン部材が前記接続部材の挿入孔に対して挿入されていない場合に、前記接続部材の前記接続分離部材に対する回動を許容した状態で、前記接続分離部材を前記接続部材に対して仮保持する支持具を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかひとつに記載の車体強度調整装置。
- 前記複数の板状部材の各端部が、該板状部材の面外方向への湾曲変形を許容すべく該板状部材の幅方向を軸として車体部材に対して回動可能に支持される支持部を有することを特徴とする請求項1〜4の何れかひとつに記載の車体強度調整装置。
- 前記支持部が、前記板状部材の面外方向に平行な方向に向かって該板状部材からオフセット配置されたことを特徴とする請求項5に記載の車体強度調整装置。
- 前記板状部材の両端側に、少なくとも隣接する板状部材同士を前記各支持部で拘束するブラケットを設け、このブラケットに車体部材に対する取付部を設けたことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の車体強度調整装置。
- 前記板状部材の両端側に設けたブラケットの少なくとも何れか一方に、前記板状部材が座屈方向に変形する際に、他方のブラケットに対して当接して両ブラケットの近接方向の移動を規制するストッパ部を設けたことを特徴とする請求項7に記載の車体強度調整装置。
- 前記ブラケットの少なくとも一方に車体部材側に突出する凸部を設け、この凸部が車体部材の対応する位置に形成された穴部に格納された状態で、前記ブラケットが車体部材に取り付け可能に構成されたことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の車体強度調整装置。
- 前記板状部材は形状記憶合金であることを特徴とする請求項1から請求項9の何れかひとつに記載の車体強度調整装置。
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