JP4642802B2 - 電子レンジ調理用の生タイプ即席麺の液体pH調整剤 - Google Patents
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すなわち、本願第一の発明は、
電子レンジ調理用の生タイプ即席麺の液体pH調整剤であって、5〜10重量%のエタノールを含有し、pHが9以上である液体pH調整剤、
である。
ここで、液体pH調整剤に澱粉等を添加し、粘度を付与した場合、麺塊の隙間を容易に通過することなく、液体pH調整剤が麺塊の内部に留まることを見出した。
すなわち、本願第二の発明は、
前記液体pH調整剤がさらに、澱粉又は増粘剤を含有する請求項1に記載の液体pH調整剤、
である。
すなわち、本願第三の発明は、
前記液体pH調整剤の25℃での粘度が、200〜1,000cpsである請求項2に記載の液体pH調整剤、
である。
すなわち、本願第四の発明は、
前記液体pH調整剤がさらに、色素を含有する請求項1ないし3のいずれかに記載の液体pH調整剤、
である。
本発明は、生タイプ即席麺の液体pH調整剤に関するものである。生タイプ即席麺とは、製麺後に蒸し、又は茹でを施し、これを有機酸溶液中で処理したものを密封包装し加熱殺菌したものをいう。生タイプ即席麺における水素イオン濃度はpHが3.8〜4.8以下とされているが、この範囲内であると酸味を感じるという問題がある。使用されている酸としては、乳酸、酢酸、アジピン酸、クエン酸、リンゴ酸等が挙げられるが、本発明の液体pH調整剤は、対象とする生タイプ即席麺がこれらのいずれの酸を使用していた場合にも利用できる。
本発明は、pH調整剤を用いて生タイプ即席麺塊の酸味を低減するものであるが、従来、このようなpH調整剤には粉末タイプのものがあったが、本発明は特に液体タイプを用いる。
本液体pH調整剤においては、液体に緩衝能を付与することが好ましい。緩衝能を付与することのメリットとしては、pH9程度の低アルカリ状態でありながら、高濃度のアルカリ溶液とすることができるため、生タイプ即席麺の持つpH調整の効果を高めることができるという点にある。
本発明は、エタノールを必須とする。エタノールは抗菌作用があることが知られているが、エタノールの添加量が増加するに従い、食味に悪影響を及ぼすことが知られている。
尚、電子レンジの調理の時間によっては、含有させるエタノール含量は、さらに増やせるものと推定される。
通常の醤油やソースであれば、酸性状態を呈するのでこれとエタノールの添加により保存性を高めていることが多く、食味との関係から添加するエタノールの量としては少ない方がよい。一方、本発明は従来までの酸性側での制御に代えて、アルカリ側での制御に加えて、電子レンジ調理によって調理時に揮発するという特性を利用して、エタノールを比較的高い含量である5〜10重量%含有させ、これらの組み合わせで微生物を制御するという特徴を有する。
本発明においては、澱粉や増粘剤を添加することが好ましい。通常、アルカリ物質と酸性物質及び塩類等のみからなる液体pH調整剤では粘度が低いために、例えば、容器に生タイプ即席麺塊を収納し、麺塊に調整液を添加した場合、麺線の隙間を調整液が通過して、そのまま容器の底に溜まってしまうことになる。そこで、一定の粘度を付与することで、麺塊の隙間に浸透するが、容器の底に溜まらない程度の粘度を付与することができる。
本願発明の液体pH調整剤には、色素を含有することもできる。本願発明は、生タイプ即席麺塊のpHを調整するものであるため、麺塊の全域に万遍なく本調整液を絡める必要がある。そこで、本調整液に色素で色を付与しておけば、麺塊に絡めた場合に絡みの程度を目視的に確認することができる。
その他の添加物としては、エタノール以外の抗菌剤、酸化防止剤等を適宜選択することができる。例えば、抗菌の目的として、グリシン、リン酸塩類、プロタミン等を添加することができる。
本発明の液体pH調整剤は、プラスチック等の種々の包装材料に封入して保持することができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アルミニウム等の種々の包装材料を組み合わせて使用することができる。
後述する微生物制御のための熱間充填の場合には、シール性等の問題から、内層を
熱間充填に適した素材にするのが好ましい。
以下に、本発明の液体pH調整剤の製造工程の一例について説明する。本液体pH調整剤の製造は、種々の方法を選択することができる。例えば、次のように製造することができる。まず、澱粉を添加しないタイプのものであれば、水、アルカリ性物質、酸性物質、エタノール、その他の塩類、色素等を水に溶解することで簡単に調製することができる。
本液体pH調整剤を用いた電子レンジによる生タイプ即席麺の調理方法としては、種々の方法が考えられるが、例えば次のような方法が挙げられる。
pH調整について粉末タイプと比較して液体タイプを比較して検討した。緩衝能を付与した場合の効果について検討した。
また、試験区4の方が試験区3よりも、中和の効果が大きく、麺が良く中和されていることが判明した。
液体pH調整剤について、中性及びアルカリ側のpH7、9、11の3段階と各pHにおけるエタノール濃度を、無し、1、3、5重量%の4段階に調整し、各液体pH調整剤に各種の細菌を植菌し、菌数の増減を調査することで、各pHとエタノール含量の組み合わせで菌の増殖を制御できるかを検討した。pHが9.0の場合の使用した原料の配合比(重量%)を表3に示す。尚、pHが7.0のものについては、水の量を減らしたpH9.0の液体pH調整剤について0.1Nの塩酸によってpH7.0に調整した後、不足する水を加えて調整した。pHが12.0のものについては、pH7.0の場合と同様にして、0.1Nの水酸化ナトリウムでpHを12.0に調整して作製した。
+ + :初発菌数の10倍以上の菌数の増加が見られたもの
± ± :初発菌数から菌数の増減がないもの
− :初発菌数から菌数のゆるやかな減少があるもの
− − :細菌が死滅するか、又は著しい減少がみとめられたもの
とする。
の死滅又は著しい減少が認められた。
また、好アルカリ菌のBacillus haloduransでは、緩やかに細菌数は減少し、静菌状態
が保たれた。以上より、pHが9以上で、エタノール含量が5重量%以上であれば静菌状態が保たれることが判明した。
水分活性を有しており、また澱粉は細菌の栄養源となるものであるため、澱粉を含まない
場合にもpHが9以上で、エタノール含量が5重量%以上であれば同様に静菌状態が保た
れるものとなる。
エタノール含量がどのような範囲までであれば、電子レンジ調理で揮発して食味に影響を与えないかを検討した。表5に記載する配合比(重量%)の各種濃度となるエタノールを含有する液体pH調整剤を調製した。
本発明の液体pH調整剤は、容器に入れた生タイプ即席麺塊に添加して使用するが、本液体pH調整剤の粘性が低いと、生タイプ即席麺塊に添加したとき液体pH調整剤は速やかに、麺塊を通過して容器底部に溜まってしまう。このため、液体pH調整剤を麺線に均一に絡ませるためには、麺線を十分に混ぜることが必要になり、操作が煩雑である。
Claims (4)
- 電子レンジ調理用の生タイプ即席麺の液体pH調整剤であって、5〜10重量%のエタノールを含有し、pHが9以上である液体pH調整剤。
- 前記液体pH調整剤がさらに、澱粉又は増粘剤を含有する請求項1に記載の液体pH調整剤。
- 前記液体pH調整剤の25℃での粘度が、200〜1,000cpsである請求項2に記載の液体pH調整剤。
- 前記液体pH調整剤がさらに、色素を含有する請求項1ないし3のいずれかに記載の液体pH調整剤。
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