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JP4539335B2 - 多層膜反射鏡、euv露光装置、及び多層膜反射鏡におけるコンタミネーションの除去方法 - Google Patents

多層膜反射鏡、euv露光装置、及び多層膜反射鏡におけるコンタミネーションの除去方法 Download PDF

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Description

本発明は、EUV露光装置に用いられる多層膜反射鏡、この多層膜反射鏡を使用したEUV露光装置、及び多層膜反射鏡におけるコンタミネーションの除去方法に関するものである。
近年、半導体集積回路の微細化に伴い、光の回折限界によって制限される光学系の解像力を向上させるために、従来の紫外線に代えてこれより短い波長(11〜14nm)のEUV光を使用した投影リソグラフィ技術が開発されている(例えば、D.Tichenor, et al, SPIE 2437 (1995) 292:非特許得文献1参照)。この技術は、最近ではEUV(Extreme UltraViolet)リソグラフィと呼ばれており、従来の波長190nm程度の光線を用いた光リソグラフィでは実現不可能な、70nm以下の解像力を得られる技術として期待されている。
EUV光の波長領域での物質の複素屈折率nは、n=1−δ−ik(iは複素記号)で表わされる。この屈折率の虚部kは極短紫外線の吸収を表す。δは1に比べて非常に小さいため、この領域での屈折率の実部は1に非常に近い。又、kは非常に大きいので吸収率が高い。したがって従来のレンズのような透過屈折型の光学素子を使用できず、反射を利用した光学系が使用される。
このようなEUV露光装置の概要を図5に示す。EUV光源31から放出されたEUV光32は、照明光学系33に入射し、コリメータミラーとして作用する凹面反射鏡34を介してほぼ平行光束となり、一対のフライアイミラー35aおよび35bからなるオプティカルインテグレータ35に入射する。一対のフライアイミラー35aおよび35bとして、たとえば特開平11−312638号公報(特許文献1)に開示されたフライアイミラーを用いることができる。なお、フライアイミラーのさらに詳細な構成および作用については、特許文献1に詳しく説明されており、かつ、本発明と直接の関係がないので、その説明を省略する。
こうして、第2フライアイミラー35bの反射面の近傍、すなわちオプティカルインテグレータ35の射出面の近傍には、所定の形状を有する実質的な面光源が形成される。実質的な面光源からの光は、平面反射鏡36により偏向された後、マスクM上に細長い円弧状の照明領域を形成する(円弧状の照明領域を形成するための開口板は図示を省略している)。照明されたマスクMのパターンからの光は、複数の反射鏡(図4では例示的に6つの反射鏡M1〜M6)からなる投影光学系PLを介して、ウエハW上にマスクパターンの像を形成する。なお、マスクMはマスクステージ、ウエハWはウエハステージに保持され、このマスクステージ、ウエハステージを移動(走査)させることにより、マスクM面のパターン像全体をウエハWに転写するが、マスクステージ、ウエハステージの図示を省略している。
このようなEUV露光装置をはじめ、軟X線顕微鏡、軟X線分析装置などの軟X線光学機器に使用される反射鏡としては、基板の上に多層膜を形成し、界面での微弱な反射光を位相を合わせて多数重畳させて高い反射率を得る多層膜反射鏡が一般的に使用されている。
13.4nm付近の波長域では、モリブデン(Mo)層とシリコン(Si)層を交互に積層したMo/Si多層膜を用いると垂直入射で67.5%の反射率を得ることができ、波長11.3nm付近の波長域では、Mo層とベリリウム(Be)層を交互に積層したMo/Be多層膜を用いると垂直入射で70.2%の反射率を得ることができる(例えば、C. Montcalm、「Proceedings of SPIE」、1998年、第3331巻、p.42 :非特許文献2参照)。
これら、EUV光や軟X線用の反射鏡は、空気による吸収を防ぐために真空中で使用される。
しかしながら、露光装置内は完全な真空にはなっておらず、炭化水素等の有機物系のガス等が常に存在する環境にある。炭化水素を含んだ残留ガスには、真空排気系(真空ポンプ)に用いられるオイルに起因するもの、装置内部の可動部分の潤滑材に起因するもの、装置内部で使用される部品(例えば電気ケーブルの被覆材料など)に起因するものなどがある。
EUV露光装置の場合は、フォトレジストを塗布したウェハが装置内部の真空中に導入される。ここにEUV光が照射されると、残留していた溶剤の蒸発やレジストを構成する樹脂の分解脱離などにより、炭化水素を含んだガスが放出される。
炭化水素を含んだ残留ガス分子は、多層膜反射鏡の表面に物理吸着する。物理吸着したガス分子は、脱離と吸着を繰り返しており、そのままでは厚く成長することはない。
しかし、ここにEUV光が照射されると、反射鏡の基板内部で二次電子が発生し、この二次電子が表面に吸着している炭化水素を含んだガス分子を分解して炭素を析出させる。
吸着したガス分子がどんどん分解されて析出していくので、多層膜反射鏡の表面には炭素層が形成され、その厚さはEUV光の照射量に比例して増加していく(K. Boller et al., Nucl. Instr. and Meth. 208 (1983) 273 :非特許文献3参照)。
多層膜反射鏡の表面に炭素層が形成されると、反射鏡の反射率が低下してしまうという問題点が発生する。
図3に、Mo/Si多層膜(最上層Si)の表面に炭素層が形成されたときの反射率の変化を示す。厚さ2nmまでは反射率の低下はないが、6nm付くと6%以上も反射率が低下してしまうのがわかる。
なお、炭素層が薄い(〜2nm)場合に反射率の低下が生じないのは、表面に付着した炭素層の光学定数が多層膜を構成する重原子層(モリブデン層)と近いので、炭素層が多層膜の重原子層と同様の役割を果たすためである。
EUV露光装置においては、多層膜反射鏡のわずかな反射率低下が、露光装置のスループットに大きな影響を与える。図4は、実際のEUV露光装置を想定して、照明系6枚、反射マスク、投影系6枚の合計13枚の多層膜反射鏡を用いたシステムにおいて、多層膜反射鏡1枚あたりの反射率低下(ΔR)が光学系全体の透過率(スループット)に対してどの程度影響するかを計算した結果を示す図である。例えば、多層膜反射鏡1枚あたりの反射率が6%低下すると、光学系全体の透過率は元の値の3割にまで著しく低下してしまう。
このような炭素層析出による光学素子のコンタミネーションを防止する方法については、凡そ二つの方法が提案されている。その代表的なものを以下に示す。
(1)EUV光、UV光によるラジカル発生(M. Malinowski et al., Proc. SPIE 4343 (2001) 347:非特許文献4参照)
使用雰囲気中に酸素または水蒸気を導入する。EUV光照射により酸素または水蒸気が分解されて酸素ラジカルが生成される。酸素ラジカルは光学素子表面に物理吸着した炭化水素を含んだガス分子、および表面に析出した炭素層と反応して炭酸ガスとなる。炭酸ガスは気体なので、真空ポンプで排気されて炭素のコンタミネーションは除去される。
(2)酸素または水素ラジカルの輸送(S. Graham, et al., Proc. SPIE 4688 (2002) 431:非特許文献5参照)
RF放電プラズマ等により酸素または水素のラジカルを発生させる。これをミラー表面まで輸送する。酸素ラジカルは光学素子表面に物理吸着した炭化水素を含んだガス分子、および表面に析出した炭素層と反応して炭酸ガスとなる。水素ラジカルは光学素子表面に物理吸着した炭化水素を含んだガス分子、および表面に析出した炭素層と反応してメタンガスとなる。炭酸ガスあるいはメタンガスは気体なので、真空ポンプで排気されて炭素のコンタミネーションは除去される。
特開平11−312638号公報 特開2004−31491号公報 D.Tichenor, et al, SPIE 2437 (1995) 292 C. Montcalm、「Proceedings of SPIE」、1998年、第3331巻、p.42 K. Boller et al., Nucl. Instr. and Meth. 208 (1983) 273 M. Malinowski et al., Proc. SPIE 4343 (2001) 347 S. Graham, et al., Proc. SPIE 4688 (2002) 431
しかしながら、(1)の方法では、EUV露光装置としてミラーに照射されるEUV光をそのままラジカル発生用に使用するか、あるいは別のEUV光源またはUV光源を設ける必要がある。前者の場合には、必ずしも炭素のコンタミネーションを除去するのに十分なEUV光の照射量を得ることができない。後者の場合は、別の光源を設けて光学系へ光を導かなければならないので、装置が複雑化するという問題がある。UV光を使用する場合は、EUV光よりも光子のエネルギーが低いので効率良くラジカルを発生できないという問題がある。いずれにしても、(1)の方法では、ラジカルの発生量が不十分なために炭素コンタミネーションの除去効果が十分に得られないという問題があった。
(2)の方法では、ラジカルを発生させる電極機構等を光学系の内部に配置することは困難なので、光学系から離れた場所でラジカルを発生させて、それを輸送する方法がとられている。しかしながら、ラジカルの寿命はそれほど長くはないので、輸送中に活性を失ってしまい炭素コンタミネーションの除去効果が十分に得られないという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり鑑みてなされたものであり、表面に付着した炭素コンタミネーションを効率良く除去することができる多層膜反射鏡、及びこの多層膜反射鏡を使用したEUV露光装置、多層膜反射鏡の表面に付着した炭素コンタミネーションを効率良く除去する方法を提供することを課題とする。
前記課題を達成するための第1の手段は、EUV露光装置に使用される多層膜反射鏡であって、接地電位とされたミラー基板とその上に形成された多層膜とを備え、前記多層膜反射鏡の前記多層膜の周縁部と一部が重なり合うように成膜され、他の部分が前記多層膜の外側まで連続して形成された導電性薄膜を有し、電源と接続された導電体が、前記多層膜の外側に形成された前記導電性薄膜の前記他の部分と接触することにより前記多層膜に電圧を印加するように構成されたことを特徴とする多層膜反射鏡(請求項1)である。
本手段においては、多層膜に電圧を印加することにより多層膜反射鏡の表面近くでプラズマを発生させ、プラズマ中で発生したイオン、ラジカル等により、多層膜反射鏡の多層膜の表面に付着したコンタミネーションを除去することができる。
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段である多層膜反射鏡と、前記多層膜に電圧を印加したときにプラズマを形成するガスを前記多層膜表面に吹き付けるガス噴出装置を有することを特徴とするEUV露光装置(請求項2)である。
本手段においては、多層膜に電圧を印加すると共に、ガス噴出装置よりガスを多層膜に吹き付けて、多層膜近傍でプラズマを発生させ、プラズマ中で発生したイオン、ラジカル等により、多層膜反射鏡の多層膜の表面に付着したコンタミネーションを除去することができる。
前記課題を解決するための第3の手段は、光学系中の、前記第1の手段の多層膜反射鏡の多層膜に電圧を印加し、前記多層膜にガスを吹き付けることによって前記多層膜反射鏡の表面近傍にグロー放電によるプラズマを形成し、当該プラズマ中で発生したラジカル、イオンによって、前記多層膜反射鏡の多層膜の表面に付着したコンタミネーションを除去することを特徴とする多層膜反射鏡におけるコンタミネーションの除去方法(請求項3)である。
本手段においては、導入するガスの圧力と多層膜に印加する電圧によってプラズマを制御できるので、炭素コンタミネーションを除去するのに十分なラジカル、イオンを発生させることができる。又、コンタミネーションの付着したミラー表面のごく近傍にプラズマが形成されるので、プラズマ中で発生したラジカル、イオンを効率良く利用することができる。
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第3の手段であって、前記ガスが、酸素又は水素を含んだガスであることを特徴とするもの(請求項4)である。
コンタミネーションの主成分は炭素であるので、酸素イオン、ラジカルによる酸化、水素イオン、ラジカルによる還元により、炭素を気体の化合物として多層膜の表面から取り去り、系外に排出することができる。酸素又が水素を含んだガスとは、酸素又は水素が混合物として含まれて入れてもよいし、水蒸気のように化合物として含まれているガスでもよい。
本発明によれば、表面に付着した炭素コンタミネーションを効率良く除去することができる多層膜反射鏡、及びこの多層膜反射鏡を使用したEUV露光装置、多層膜反射鏡の表面に付着した炭素コンタミネーションを効率良く除去する方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1に、本発明の実施の形態1例であるEUV露光装置投影光学系のミラーを示す。図1において(b)は平面図であり、(a)は、(b)におけるA−A断面図である。
低熱膨張ガラスで形成された非球面ミラー基板1の上に反射コーティング用の多層膜2が形成されている。多層膜2は波長13.5nmのEUV光を効率良く反射するように設計されたモリブデン(Mo)とシリコン(Si)の交互層からなる多層膜である。多層膜2の最上層には、Mo層の代わりに表面の酸化を防ぐためのキャッピングレイヤとしてルテニウム(Ru)からなる層(図示せず)が形成されている。
ミラー基板1は、これを保持するための3箇所の凸部3を有する。この凸部3はミラー基板1と一体に形成されている。凸部3には、金物部品5が取り付けられる。この金物部品5を不図示の鏡筒機構のホールド部へネジ止めする。このような構成をとることにより、ホールドによるミラーの(有効反射面の)変形を最小限に抑えることができる。なお、具体的な取り付け方法は、特開2004−31491号公報(特許文献2)に記載されているので、その説明を省略する。又、凸部3と金物部品5の関係は3箇所とも同じであるが、図においては、1箇所のみを図示している。このようなミラー等の光学系は、真空チャンバーの中に設置される。
多層膜2は導電性薄膜4と一部が重なり合うように成膜されており、両者は電気的に接続されている。多層膜2と導電性薄膜4の重なる部分は、どちらが上でも下でも構わない。
導電性薄膜4を先に形成する場合(導電性薄膜4が多層膜2の下になる場合)には、多層膜を形成するまでの間にその表面が酸化して電気的接続が不良になることの無いよう、酸化しにくい材料を用いる。具体的には、貴金属である金(Au)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)などを用いるとよい。貴金属薄膜は後からエッチングすることが困難なので、所定の箇所だけに薄膜が形成されるように、余分な箇所をマスキングして成膜する。
多層膜2を先に形成する場合(多層膜2が導電性薄膜4の下になる場合)には、導電性薄膜4の材料は貴金属でなくてもかまわない。クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)など一般的な導電性材料を使用することができる。
導電性薄膜4は、ミラー基板1を保持するための凸部3まで連続して形成されている。ミラー基板1の縁のところで断線することの無いように、導電性薄膜4が形成される縁の部分15には適宜面取りが施されている。
導電性薄膜4は金物部品5を介して、13.56MHzの高周波電源6に接続されている。高周波電源6と導電性薄膜4の間には、インピーダンスを整合させて高周波電力が効率良く伝達されるようにするためにマッチングボックス7が挿入されている。この結果、導電性薄膜にかけられる高周波電力は、実効値で300Wとなるようにされている。マッチングボックス7と高周波電源6は真空チャンバーの外に設置される。真空チャンバーの中と外の電気的接続は、電流導入端子を介して行われる。
ミラー基板1の多層膜2が形成された表面近傍には、ミラー表面にガスを吹き付けるためのガス噴射機構8が設けられている。このガス噴射機構8は、複数の穴のあいたリング状の中空パイプであり、パイプの中に高圧ガスボンベ9から供給されるガスが充填され、パイプに設けられた穴からガスを噴出する。穴の位置・角度は噴出されるガスがちょうどミラー表面近傍に局在化するよう適宜決められる。ガス噴射機構8はミラーの有効領域を遮らないように配置される。ガス噴射機構8と高圧ガスボンベ9の間には、ガスの流量を制御するためのマスフローコントローラ14が挿入されている。マスフローコントローラ14と高圧ガスボンベ9は真空チャンバーの外に設置される。本実施の形態においては、ガスとして酸素ガスを用いている。なお、ミラー基板1、ガス噴射機構8をはじめ、高圧ガスボンベ9等の他の付属部品は接地電位とされている。
真空チャンバー内の圧力が1×10−2Paになるように酸素ガスの流量を調整して、多層膜2に高周波電圧を印加すると、ミラー表面近傍にグロー放電による酸素プラズマが発生し、その中で形成された酸素イオンと酸素ラジカルが多層膜2の表面に到達する。多層膜2の表面に付着していた炭素コンタミネーションは、酸素ラジカルおよび酸素イオンによって酸化されて気体(炭酸ガス)となり、真空チャンバーに接続されている真空排気装置によって除去される。
図2は、ミラー基板の凸部3と金物部品5の締結方法と、電源装置から多層膜2への電気的接続をさらに詳しく説明する図であり、図1(a)のB−B断面を示す詳細図である。電源装置から多層膜2へ電気的接続を行う方法はいくつか考えられる。ミラー表面の多層膜2上へ接点を押し付けたり、直接半田付けしたりネジ止めする方法も考えられる。しかしながら、EUV露光装置投影光学系のミラーは1nm以下の非常に高い形状精度で加工されているので、このようにミラー表面に力を加えたり、何らかの加工を施すような方法をとると、容易にその面形状が変化してしまい、光学系の結像性能が劣化してしまう。
そこで、本実施例ではやや複雑な接続方法を採用している。EUV露光装置の中でも、照明系用のミラーなどのようにそれほど高い形状精度が要求されないミラーの場合は、上記のような簡便な接続方法を用いてもよい。
図に示すように、金物部品5は上下左右から凸部3を挟み込んで固定するようになっている。すなわち、左右からは押さえ部材5cと5dに挟まれ、上下は、押さえ部材5aと5bに挟まれている。押さえ部材5cと5dはそれぞれ、図に矢印です示すような押さえ力を左右から与えるように付勢され、押さえ部材5aと5bはそれぞれ、図に矢印です示すような押さえ力を上下から与えるように付勢されて、凸部3を挟み込んで固定している。図1においては、これらの機構を省略して図示しているが、より具体的な構成は、特開2004−31491号公報(特許文献2)に記載されているので、その説明を省略する。
凸部3に設けられた導電性薄膜4は、押さえ部材5aの中に組み込まれた導電性部材11と接触する。導電性部材11は、テフロン(登録商標)で形成された絶縁性部材10により押さえ部材5aとは電気的に絶縁されている。導電性部材11には配線13がネジ12によりねじ止めされている。
このように、多層膜2に電気的に接続され、凸部3に沿って形成された導電性薄膜4と、導電性部材11が電気的に接触するようにし、導電性部材11から配線13を引き出すことにより、多層膜2の部分に加工を行ったり、力を加えたりすることなく、多層膜2に電圧を印加することができる。
以上の実施の形態においては、電源装置として高周波電源を用いたが、その代わりに直流電源を用いてもよい。この場合にはマッチングボックス7は不要である。多層膜2に印加する電圧を500Vとし、吹き付ける酸素ガスの圧力を5×10−1Paとすると、酸素プラズマが形成できる。
以上の説明においては、ガスとして酸素ガスを用いたが、酸素ガスの代わりに水素ガスを用いることができる。多層膜2に印加する電圧、及びガス圧力を酸素ガスと同程度にすることにより、水素プラズマが発生し、コンタミネーション中の炭素を還元して気体であるメタンとなり、系外に排出される。
また、ガスとして水蒸気を用いれば、コンタミネーション中の炭素と反応して炭酸ガスとなり、系外に排出される。
図1に示す実施の形態では、導電性薄膜4と多層膜2を別々の材料から構成して形成していたが、図1において導電性薄膜4の部分を、多層膜の一部として成膜し、これを導電性薄膜4として使用してもよい。このようにすると、導電性薄膜4に相当する部分を多層膜2の1部として、多層膜2の成膜と同時に形成できるので、その分工程が簡単になる。
本発明の実施の形態であるEUV露光装置は、図5に示した従来のものと基本的な構成は変わらず、多層膜反射鏡として、図1に示したようなものを使用し、図1に示したようなコンタミネーション除去装置を有するところのみが異なっているだけであるので、その説明を省略する。
本発明の実施の形態1例であるEUV露光装置投影光学系のミラーを示す図である。 ミラー基板の凸部3と金物部品5の締結方法と、電源装置から多層膜2への電気的接続を説明する図である。 Mo/Si多層膜(最上層Si)の表面に炭素層が形成されたときの反射率の変化を示す図である。 照明系6枚、反射マスク、投影系6枚の合計13枚の多層膜反射鏡を用いたシステムにおいて、多層膜反射鏡1枚あたりの反射率低下(ΔR)が光学系全体の透過率(スループット)に対してどの程度影響するかを計算した結果を示す図である。 EUV露光装置の概要を示す図である。
符号の説明
1…ミラー基板、2…多層膜、3…凸部、4…導電性薄膜、5…金物部品、5a〜5d…押さえ部材、6…高周波電源、7…マッチングボックス、8…ガス噴射機構、9…高圧ガスボンベ、10…絶縁性部材、11…導電性部材、12…ネジ、13…配線

Claims (4)

  1. EUV露光装置に使用される多層膜反射鏡であって、接地電位とされたミラー基板とその上に形成された多層膜とを備え、前記多層膜反射鏡の前記多層膜の周縁部と一部が重なり合うように成膜され、他の部分が前記多層膜の外側まで連続して形成された導電性薄膜を有し、電源と接続された導電体が、前記多層膜の外側に形成された前記導電性薄膜の前記他の部分と接触することにより前記多層膜に電圧を印加するように構成されたことを特徴とする多層膜反射鏡。
  2. 請求項1に記載の多層膜反射鏡と、前記多層膜に電圧を印加したときにプラズマを形成するガスを前記多層膜表面に吹き付けるガス噴出装置を有することを特徴とするEUV露光装置。
  3. 光学系中の、請求項1に記載された多層膜反射鏡の多層膜に電圧を印加し、前記多層膜にガスを吹き付けることによって前記多層膜反射鏡の表面近傍にグロー放電によるプラズマを形成し、当該プラズマ中で発生したラジカル、イオンによって、前記多層膜反射鏡の多層膜の表面に付着したコンタミネーションを除去することを特徴とする多層膜反射鏡におけるコンタミネーションの除去方法。
  4. 前記ガスが、酸素又は水素を含んだガスであることを特徴とする請求項3に記載の多層膜反射鏡におけるコンタミネーションの除去方法。
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