JP4538720B2

JP4538720B2 - 樹脂基材又は金属基材の加飾方法

Info

Publication number: JP4538720B2
Application number: JP2004117999A
Authority: JP
Inventors: 真也福田
Original assignee: 株式会社フクダコーポレーション
Priority date: 2004-04-13
Filing date: 2004-04-13
Publication date: 2010-09-08
Anticipated expiration: 2024-04-13
Also published as: JP2005296841A

Description

本発明は樹脂基材又は金属基材の加飾方法に関するものであり、更に詳細には、非常に薄く耐摩耗性に劣っている酸化化合物又は酸化金属又は金属を真空蒸着技術等で積層した多色多層膜を耐摩耗性が求められるモバイル機器の操作ボタンや外装カバー、レンズカバー等に実施する樹脂基材又は金属基材の加飾方法に関するものである。

一般的にこれらの酸化化合物又は酸化金属又は金属を蒸着技術等で積層した多色多層膜はレインボーカラー等に加飾でき美しいものであるが、非常に薄く耐摩耗性に劣っているため用途が限定され、加飾性、デザイン性の要求される携帯電話のケースやデジタルカメラ、デジタル家電等の耐摩耗性を要求されない部分にのみに用いられていた。

又、従来、多色多層膜の上面に撥水コートを施しているものが多く、その場合、撥水コートの上面からシリコン系の樹脂でハードコートを形成するときに塗料が多色多層膜の上面に密着せず球状となりハードコートの形成が不可能なものであった。

例えば、先に開示された、この印刷塗装金属板は、昇華性染料に対して染着性を呈する下塗り塗膜層、アクリル樹脂４０〜１０重量％及びポリフッ化ビニリデン樹脂６０〜９０重量％からなる透明又は半透明の上塗り塗膜層が金属板表面に形成され、下塗り塗膜には、昇華性染料を含む転写紙の印刷面を重ね合わせて加熱処理することにより上塗り塗膜を透過した昇華性染料が浸透しており、上塗り塗膜層及び／又は下塗り塗膜層には、トリアジン系紫外線吸収剤及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を単独又は複合で配合しても良いもの（特許文献１参照）や、高分子樹脂基板上に、厚みが５０〜３００μｍの、鉛筆硬度が３Ｈ以上である活性光線硬化層（Ａ）と、厚みが１〜２０μｍの、荷重４．９Ｎ、１０００サイクルのテーバー摩耗試験におけるヘーズの増加が１０％以下であって、鉛筆硬度が４Ｈ以上であるハードコート層（Ｂ）とがこの順に積層されてなる高分子樹脂積層体（特許文献２参照）や、染料、紫外線吸収剤、または、防曇剤の１種ないし２種以上を浸透染着した樹脂フィルムの片面に、無機酸化物の蒸着薄膜を設けたことを特徴とする無機蒸着樹脂フィルムおよびそれを使用した積層材に関するもの（特許文献３参照）が開示されている。
特開２０００−７０８４６号公報特開２００１−３２２１９７号公報特開２００４−５０４６０号公報

然し乍ら、この印刷塗装金属板は、昇華性染料に対して染着性を呈する下塗り塗膜層、アクリル樹脂４０〜１０重量％及びポリフッ化ビニリデン樹脂６０〜９０重量％からなる透明又は半透明の上塗り塗膜層が金属板表面に形成され、下塗り塗膜には、昇華性染料を含む転写紙の印刷面を重ね合わせて加熱処理することにより上塗り塗膜を透過した昇華性染料が浸透しており、上塗り塗膜層及び／又は下塗り塗膜層には、トリアジン系紫外線吸収剤及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を単独又は複合で配合しても良いものでは、意匠性は有し且つ紫外線吸収剤を配合しているものの多色多層膜を用いる加飾では無いものである。

更に、高分子樹脂基板上に、厚みが５０〜３００μｍの、鉛筆硬度が３Ｈ以上である活性光線硬化層（Ａ）と、厚みが１〜２０μｍの、荷重４．９Ｎ、１０００サイクルのテーバー摩耗試験におけるヘーズの増加が１０％以下であって、鉛筆硬度が４Ｈ以上であるハードコート層（Ｂ）とがこの順に積層されてなる高分子樹脂積層体では、高分子樹脂基板上にハードコート層（Ｂ）を形成するものであるが、多色多層の蒸着層は形成されていないものである。

更には、染料、紫外線吸収剤、または、防曇剤の１種ないし２種以上を浸透染着した樹脂フィルムの片面に、無機酸化物の蒸着薄膜を設けたことを特徴とする無機蒸着樹脂フィルムおよびそれを使用した積層材に関するものでは、強度を有しており、更に、無機酸化物の蒸着薄膜を設けているものであるが、樹脂フィルムの片面に形成したものである。

本発明は、前述の課題に鑑み、鋭意研鑽の結果、請求項１に記載の樹脂基材の加飾方法は、樹脂基材の表面に接着層を形成する工程と、接着層に多色多層膜を形成する工程と、多色多層膜に１〜５０ミクロンの特殊金属プライマー層又は特殊プライマー層を形成する工程と、特殊金属プライマー層又は特殊プライマー層に１〜５０ミクロンのハードコート層を形成する工程と、を含み、レインボーカラー又は玉虫色の加飾をするものである。

更には、請求項２に記載の金属基材の加飾方法は、金属基材の表面に表面被膜を形成する工程と、表面被膜に接着層を形成する工程と、接着層に多色多層膜を形成する工程と、多色多層膜に１〜５０ミクロンの特殊金属プライマー層又は特殊プライマー層を形成する工程と、特殊金属プライマー層又は特殊プライマー層に１〜５０ミクロンのハードコート層を形成する工程と、を含み、レインボーカラー又は玉虫色の加飾をするものである。

本発明の樹脂基材又は金属基体の加飾方法は、樹脂基材又は金属基体に接着層又は表面被膜を形成し、接着層又は表面被膜に多色多層膜を形成し、多色多層膜に特殊金属プライマー又は特殊プライマー層を形成し、特殊金属プライマー又は特殊プライマー層にハードコート層を形成してレインボーカラー又は玉虫色の加飾をするもので、多色多層膜の最終コートにシリコン系のハードコートや撥水コートを形成しないことで、生産コストも低くなり、更には、特殊金属プライマー又は特殊プライマー層及びハードコート層とにより耐摩耗性が一気に向上し、装飾性やデザイン性が要求され且つ耐摩耗性が要求される樹脂製品又は金属製品に好適に使用でき、加えて、クリアー塗装のみならず、特殊金属プライマー又は特殊プライマー層やハードコート層に顔料や染料を混ぜて調色し、光沢感や高級感等を醸し出す加飾加工も可能とするものであり、画期的で実用性の高い発明である。

本発明は樹脂基材又は金属基材の加飾方法に関するものであり、更に詳細には、非常に薄く耐摩耗性に劣っている酸化化合物又は酸化金属金属を真空蒸着技術で積層した多色多層膜を耐摩耗性が求められるモバイル機器の操作ボタンや外装カバー、レンズカバー等に実施する樹脂基材又は金属基材の加飾方法に関するものであり、請求項１に記載の樹脂基材の加飾方法は、樹脂基材Ａの表面に吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又はインモールド転写でＵＶ硬化性樹脂又は１液アクリルシリコン樹脂の接着層１を形成する工程と、該接着層１の上面に酸化化合物又は酸化金属又は金属をエレクトリックビーム型の真空蒸着機又はスパッタリング装置又はＣＶＤ装置又はイオンプレーティング装置で多色多層膜２を形成する工程と、該多色多層膜の上面に１液アクリルウレタン系樹脂又は２液アクリルウレタン系樹脂又は１液アクリルシリコン系樹脂又は２液アクリルシリコン系樹脂又は２液塩ビ系樹脂又はＵＶ硬化性樹脂で１〜５０ミクロンの特殊金属プライマー層又は特殊プライマー層を形成する工程と、該特殊金属プライマー層又は特殊プライマー層３の上面にＵＶ硬化性樹脂又は１液アクリルウレタン系樹脂又は２液アクリルウレタン系樹脂又は２液アクリルシリコン系樹脂で１〜５０ミクロンのハードコート層４を形成する工程と、を含み、レインボーカラー又は玉虫色の加飾をするものである。

更には、請求項２に記載の金属基材の加飾方法は、金属基材Ａの表面に化学前処理や化成処理や陽極酸化法と電気メッキ法や電解発色法で表面被膜Ａａを形成する工程と、該表面被膜のＡａ上面に吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又は熱転写加工でＵＶ硬化性樹脂又は１液アクリルシリコン樹脂の接着層１を形成する工程と、該接着層１の上面に酸化化合物又は酸化金属又は金属をエレクトリックビーム型の真空蒸着機又はスパッタリング装置又はＣＶＤ装置又はイオンプレーティング装置で多色多層膜２を形成する工程と、該多色多層膜２の上面に１液アクリルウレタン系樹脂又は２液アクリルウレタン系樹脂又は１液アクリルシリコン系樹脂又は２液アクリルシリコン系樹脂又は２液塩ビ系樹脂又はＵＶ硬化性樹脂で１〜５０ミクロンの特殊金属プライマー層又は特殊プライマー層３を形成する工程と、該特殊金属プライマー層又は特殊プライマー層３の上面にＵＶ硬化性樹脂又は１液アクリルウレタン系樹脂又は２液アクリルウレタン系樹脂又は２液アクリルシリコン系樹脂で１〜５０ミクロンのハードコート層４を形成する工程と、を含み、レインボーカラー又は玉虫色の加飾をするものである。

以下、本発明の樹脂基材又は金属基材の加飾方法の実施例の図面を用いて詳細に説明すると、図１は基材の表面に本発明の樹脂基材の加飾方法の実施例１の説明のための断面図であり、図２は基材の表面に本発明の金属基材の加飾方法の実施例２の説明のための断面図である。

即ち、本発明の樹脂基材の加飾方法の実施例１は図１に図示する如く、樹脂基材Ａと接着層１と多色多層膜２と特殊金属プライマー層又は特殊プライマー層３とハードコート層４とから構成されるものである。

そして、加飾される樹脂基材Ａは、ＰＣ樹脂（ポリカーボネート）又はＡＢＳ樹脂（アクリルニトリルブタジエンスチレン）或いはアクリル系樹脂、ウレタン系エラストマー樹脂、スチレン系エラストマー樹脂、ポリエステル系エラストマー樹脂、オレフィン系エラストマー樹脂、ポリアミド系エラストマー樹脂、ポリアミド系軟質アクリル樹脂、シリコン樹脂、ＮＢＲ樹脂、ＡＳ樹脂や、シリコンゴム、塩素化ブチル等の成型可能な合成樹脂であり、携帯電話やデジタルカメラ、デジタル家電製品等の接触性の高い耐摩耗性を求められる操作ボタン、外装カバー、レンズカバー等に用いるものである。

次に、接着層１を形成する工程は後述する多色多層膜２を形成するためのものであり、樹脂基材Ａの表面に成型後に吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又はインモールド転写でＵＶ硬化性樹脂又は１液アクリルシリコン樹脂の接着層１を形成するものである。

次いで、多色多層膜２を形成する工程は、前記接着層１の上面に多種類で多色の酸化化合物又は酸化金属又は金属の薄膜を多層にエレクトリックビーム型の真空蒸着機又はスパッタリング装置又はＣＶＤ装置又はイオンプレーティング装置により形成するもので、例えば真空蒸着をしてレインボーカラー又は玉虫色の加飾をするために積層するものである。

更に、特殊金属プライマー層又は特殊プライマー層３を形成する工程では、前記多色多層膜２の上面に１液アクリルウレタン系樹脂又は２液アクリルウレタン系樹脂又は１液アクリルシリコン系樹脂又は２液アクリルシリコン系樹脂又は２液塩ビ系樹脂又はＵＶ硬化性樹脂を吹き付けることにより１〜５０ミクロンの特殊金属プライマー層又は特殊プライマー層３を形成するものである。

更には、ハードコート層４を形成する工程は、前記特殊プライマー層３の上面にＵＶ硬化性樹脂又は１液アクリルウレタン系樹脂又は２液アクリルウレタン系樹脂又は２液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により１〜５０ミクロンのハードコート層４を形成するものである。

更には、本発明の金属基材の加飾方法の実施例２は図２に図示する如く、金属基材Ａと表面被膜Ａａと接着層１と多色多層膜２と特殊金属プライマー層又は特殊プライマー層３とハードコート層４とから構成されるもので、実施例１の樹脂基材の加飾方法の樹脂基材Ａに代えて、金属基材Ａを用いるもので、金属基材Ａはアルミニウム、ステンレス、チタン、マグネシウム、真鍮等の金属をプレス成形やダイキャスト成型、押し出し成形で成型したものである。

次いで、表面被膜Ａａを形成する工程では、金属基材Ａの表面に化学前処理や化成処理や陽極酸化法と電気メッキ法や電解発色法で１〜５０ミクロンの表面被膜Ａａを形成して以後の工程を容易とするもので、表面被膜Ａａに前述と同様に、接着層１を形成する工程と、多色多層膜２を形成する工程と、特殊金属プライマー層又は特殊プライマー層３を形成する工程と、ハードコート層４を形成する工程とを実施するものである。

本発明の樹脂基材又は金属基材の加飾方法は、非常に薄く耐摩耗性に劣っている酸化化合物又は酸化金属又は金属を真空蒸着技術で積層した多色多層膜を耐摩耗性と意匠性とが求められるモバイル機器の操作ボタン、外装カバー、レンズカバー等に実施するものである。

図１は基材の表面に本発明の樹脂基材の加飾方法の実施例１の説明のための断面図である。図２は基材の表面に本発明の金属基材の加飾方法の実施例２の説明のための断面図である。

Ａ樹脂基材又は金属基材
Ａａ表面被膜
１接着層
２多色多層膜
３特殊金属プライマー層又は特殊プライマー層
４ハードコート層

Claims

樹脂基材の表面に吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又はインモールド転写でＵＶ硬化性樹脂又は１液アクリルシリコン樹脂の接着層を形成する工程と、該接着層の上面に酸化化合物又は酸化金属又は金属をエレクトリックビーム型の真空蒸着機又はスパッタリング装置又はＣＶＤ装置又はイオンプレーティング装置で多色多層膜を形成する工程と、該多色多層膜の上面に１液アクリルウレタン系樹脂又は２液アクリルウレタン系樹脂又は１液アクリルシリコン系樹脂又は２液アクリルシリコン系樹脂又は２液塩ビ系樹脂又はＵＶ硬化性樹脂で１〜５０ミクロンの特殊金属プライマー層又は特殊プライマー層を形成する工程と、該特殊金属プライマー層又は特殊プライマー層の上面にＵＶ硬化性樹脂又は１液アクリルウレタン系樹脂又は２液アクリルウレタン系樹脂又は２液アクリルシリコン系樹脂で１〜５０ミクロンのハードコート層を形成する工程と、を含み、レインボーカラー又は玉虫色の加飾をすることを特徴とする樹脂基材の加飾方法。
金属基材の表面に化学前処理や化成処理や陽極酸化法と電気メッキ法や電解発色法で表面被膜を形成する工程と、該表面被膜の上面に吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又は熱転写加工でＵＶ硬化性樹脂又は１液アクリルシリコン樹脂の接着層を形成する工程と、該接着層の上面に酸化化合物又は酸化金属又は金属をエレクトリックビーム型の真空蒸着機又はスパッタリング装置又はＣＶＤ装置又はイオンプレーティング装置で多色多層膜を形成する工程と、該多色多層膜の上面に１液アクリルウレタン系樹脂又は２液アクリルウレタン系樹脂又は１液アクリルシリコン系樹脂又は２液アクリルシリコン系樹脂又は２液塩ビ系樹脂又はＵＶ硬化性樹脂で１〜５０ミクロンの特殊金属プライマー層又は特殊プライマー層を形成する工程と、該特殊金属プライマー層又は特殊プライマー層の上面にＵＶ硬化性樹脂又は１液アクリルウレタン系樹脂又は２液アクリルウレタン系樹脂又は２液アクリルシリコン系樹脂で１〜５０ミクロンのハードコート層を形成する工程と、を含み、レインボーカラー又は玉虫色の加飾をすることを特徴とする金属基材の加飾方法。