JP4536276B2 - 体積型ホログラム記録用感光性組成物及び体積型ホログラム記録用感光性媒体 - Google Patents
体積型ホログラム記録用感光性組成物及び体積型ホログラム記録用感光性媒体 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は体積型ホログラムを記録できる新規感光性組成物、それを用いた体積型ホログラム記録媒体、及び、当該記録媒体を用いて作製した体積型ホログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
体積型ホログラムを製造するための感光性組成物としては、デュポン社のオムニデックスシリーズが唯一量産レベルで市販されている。この材料はラジカル重合モノマーとバインダーポリマー、光ラジカル重合開始剤、増感色素を主成分とするが、ラジカル重合モノマーとバインダーポリマーの屈折率差を利用したものである。すなわち、フィルム状に形成された該感光性組成物を干渉露光すると、光が強い部分にてラジカル重合が開始され、それに伴いラジカル重合モノマーの濃度勾配ができ、光が弱い部分から強い部分にラジカル重合モノマーの拡散移動が起こる。結果として干渉光の光の強弱に応じて、ラジカル重合モノマーの疎密ができ、屈折率の差として現れる。この材料系は現状報告されている体積型ホログラム用フォトポリマーとしては最も性能は良いが、耐熱性、透明性に問題が指摘されている。
【0003】
また、ラジカル重合とカチオン重合を併用した材料系が報告されている。例えば特許第2873126号では、高屈折率ラジカル重合性モノマーとしてジアリルフルオレン骨格を有するモノマー及び該ラジカル重合性モノマーより屈折率が小さいカチオン重合性モノマーを使用した系が開示されている。この系では、ホログラム露光時にラジカル重合により高屈折率成分が重合し、次いで定着露光でカチオン重合により像を固定する。
【0004】
また、カチオン重合を利用した材料系が、例えばUSP5759721等に開示されている。この材料系ではラジカル重合系における酸素阻害がないという利点があるが、カチオン重合の感度(Photospeed)は悪く、また、長波長領域に感度を持たせることが困難という問題がある。
【0005】
また、特許第2953200号には、無機物質ネットワークと光重合性モノマーを併用した材料系が開示されている。ネットワークを形成し得る無機材料をバインダーとして用いる場合には、耐熱性、対環境性、機械強度に優れると共に、光重合性の有機モノマーとの屈折率差を大きく取れるという利点があるが、この材料系で形成したホログラム記録膜はどちらかと言えば脆くて、柔軟性や加工適性、コーティング適性に劣るという問題、及び、無機バインダーと有機モノマーの相溶性が良くないので、均一な塗工材料を調製するのが困難だという問題がある。
【0006】
同特許第2953200号には、無機物質ネットワーク中に有機基を導入することによって無機バインダーに柔軟性を付与し、ホログラム記録膜の脆さを改善することも開示されている。しかし、同特許第2953200号は、側鎖に有機部を有する有機金属化合物又は有機モノマーと重合可能な官能基を有する有機金属化合物を加水分解、重縮合することによって無機ネットワーク中に有機基を導入することが開示されているだけである。すなわち、同特許第2953200号の開示によれば、無機ネットワークのネットワーク構造自体は無機化合物が相互に連結した鎖により構成され、有機基は無機ネットワークのネットワーク構造にペンダント状の側鎖として導入されるだけなので、無機ネットワークの剛直な構造を本質的に変化させるものではない。
【0007】
また、特表2000−508783号では、固体マトリックスに金属超微粒子を分散した材料がホログラム記録材料として開示されているが、マトリックスに流動性を持たせる必要があり、固形性が悪く問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
体積型ホログラム記録膜を形成するために様々な材料系が開示されているが、光学素子等の広範な分野への応用を視野に入れると十分ではなく、屈折率差、感度、透明性などのホログラム記録性能だけでなく、耐熱性、膜強度、対環境性、機械強度、柔軟性、加工適性、コーティング適性などの物理的性質を含む諸性能を十分に満たす材料系が要望されている。
【0009】
本発明は、上記実状に鑑みて成し遂げられたものであり、諸性能に優れたホログラム記録材料、それを用いた体積型ホログラム記録媒体、及び、体積型ホログラムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明により提供される体積型ホログラム記録用感光性組成物は、主鎖構成成分として少なくとも下記一般式(1)で表記される有機ケイ素化合物とエチレン性不飽和二重結合を有する有機モノマーとを共重合させてなる有機−無機ハイブリッドポリマー及び/又はその加水分解重縮合物、光重合反応性基を有すると共にその重合体の屈折率が上記有機−無機ハイブリッドポリマーの加水分解重縮合物とは異なる有機金属微粒子、及び、光重合開始剤を含有することを特徴としている。
【0011】
RmSi(OR’)n 一般式(1)
(上記式において、Rは同一でも異なってもよく炭素数1〜10のエチレン性二重結合含有基、R’は同一でも異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+n=4、m≧1、n≧1である。)
【0012】
バインダーポリマーとして上記の有機−無機ハイブリッドポリマー又はその部分的加水分解重縮合物を含有する体積型ホログラム記録用感光性組成物を基材上に塗布してから加水分解、重縮合するか、有機−無機ハイブリッドポリマーの加水分解縮合物を含有する体積型ホログラム記録用感光性組成物を基材上に塗布し、乾燥させることによって、諸性能に優れたホログラム記録材料層が形成され、体積型ホログラム記録用感光性媒体が得られる。
【0013】
このようにして得られる本発明の体積型ホログラム記録用感光性媒体は、主鎖構成成分として少なくとも下記一般式(1)で表記される有機ケイ素化合物とエチレン性不飽和二重結合を有する有機モノマーとを共重合させてなる有機−無機ハイブリッドポリマーの加水分解重縮合物と、光重合反応性基を有すると共にその重合体の屈折率が上記有機−無機ハイブリッドポリマーの加水分解重縮合物とは異なる有機金属微粒子と、光重合開始剤とを少なくとも含有する体積型ホログラム記録材料層を基材上に設けたことを特徴としている。
【0014】
RmSi(OR’)n 一般式(1)
(上記式において、Rは同一でも異なってもよく炭素数1〜10のエチレン性二重結合含有基、R’は同一でも異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+n=4、m≧1、n≧1である。)
【0015】
そして、本発明に係る体積型ホログラム記録用感光性媒体のホログラム記録材料層は干渉露光により干渉縞を生じてホログラム層となり、体積型ホログラムが得られる。
【0016】
本発明においては、有機ケイ素化合物から誘導される主鎖構成単位を含有する有機−無機ハイブリッドポリマー及び/又はその加水分解重縮合物をバインダーポリマーとして用いるが、有機ケイ素化合物は他の有機金属化合物と比べて非常に屈折率が低いので、後述する屈折率変調成分としての有機金属微粒子との屈折率差を大きく取ることが可能であり、屈折率変調量(Δn)の大きい体積型ホログラムが得られる。
【0017】
さらに、有機ケイ素化合物から誘導される無機系主鎖構成成分により、有機金属微粒子の分散性が良好であり、体積型ホログラム記録用感光性組成物を均一な塗工液に調製し易い。
【0018】
また、本発明に係る体積型ホログラム記録用感光性組成物を基材フィルム上に塗工して形成したホログラム記録材料層、及び、そこに干渉露光を行って干渉縞を生じさせて得られるホログラム層は、有機−無機ハイブリッドポリマーの加水分解重縮合物により形成されたネットワーク構造の間隙に有機金属微粒子や光重合開始剤などの他の成分が入り込んだ構造をとっている。従って、ネットワーク構造を形成する連鎖内に柔軟な部分が挿入されているので、膜物性として有機ポリマーの持つ柔軟性、無機ポリマーの持つ強靭性、耐熱性を併せ持ち、実用上、加工適性に優れている。
【0019】
本発明の一態様において、体積型ホログラム記録用感光性組成物は、下記一般式(2)で表記される有機ケイ素化合物を含有することを特徴とする。
【0020】
R”mSi(OR''')n 一般式(2)
(上記式において、R”は同一でも異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基、又は、アルコキシル基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、アミド基、スルホニル基、水酸基若しくはカルボキシル基を有する炭素数1〜10の炭化水素基、R'''は同一でも異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+n=4、m≧1、n≧1である。)
【0021】
また、別の態様において、体積型ホログラム記録用感光性組成物は、前記加水分解重縮合物として、前記有機−無機ハイブリッドポリマー及び/又はその加水分解重縮合物と上記一般式(2)で表記される有機ケイ素化合物との加水分解重縮合物が配合されている。
【0022】
これらの態様に属する体積型ホログラム記録用感光性組成物を用いて体積型ホログラム記録用感光性媒体を作製する場合には、前記体積型ホログラム記録材料層は、バインダーとして、前記有機−無機ハイブリッドポリマー及び/又はその加水分解重縮合物と上記一般式(2)で表記される有機ケイ素化合物との加水分解重縮合物を含有する。
【0023】
上記有機ケイ素化合物を配合することにより、体積型ホログラム記録用感光性組成物中に無機成分であるSiが多量に存在するので、有機金属微粒子の分散性がさらに向上するという効果もある。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明により提供される体積型ホログラム記録用感光性組成物は、主鎖構成成分として少なくとも下記一般式(1)で表記される有機ケイ素化合物とエチレン性不飽和二重結合を有する有機モノマーとを共重合させてなる有機−無機ハイブリッドポリマー及び/又はその加水分解重縮合物、光重合反応性基を有すると共にその重合体の屈折率が上記有機−無機ハイブリッドポリマーの加水分解重縮合物とは異なる有機金属微粒子、及び、光重合開始剤を含有するものである。
【0025】
RmSi(OR’)n 一般式(1)
(上記式において、Rは同一でも異なってもよく炭素数1〜10のエチレン性二重結合含有基、R’は同一でも異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+n=4、m≧1、n≧1である。)
【0026】
バインダーポリマーとして上記の有機−無機ハイブリッドポリマー又はその部分的加水分解重縮合物を含有する体積型ホログラム記録用感光性組成物を基材上に塗布してから加水分解、重縮合するか、有機−無機ハイブリッドポリマーの加水分解縮合物を含有する体積型ホログラム記録用感光性組成物を基材上に塗布し、乾燥させることによって、諸性能に優れたホログラム記録材料層が得られる。
【0027】
有機−無機ハイブリッドポリマーは、主鎖構成成分として少なくとも下記一般式(1)
RmSi(OR’)n 一般式(1)
(上記式において、Rは同一でも異なってもよく炭素数1〜10のエチレン性二重結合含有基、R’は同一でも異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+n=4、m≧1、n≧1である。)
で表記される有機ケイ素化合物とエチレン性不飽和二重結合を有する有機モノマーとを共重合させてなる共重合体、好ましくはランダム共重合体である。
【0028】
一般式(1)の有機ケイ素化合物としては、各種のビニルアルコキシシラン、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリアリルオキシシラン、ビニルテトラエトキシシラン、ビニルテトラメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が好ましく用いられる。
【0029】
また、エチレン性不飽和二重結合を有する有機モノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル類が例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
有機−無機ハイブリッドポリマーは、一般式(1)で表される有機金属化合物のエチレン性二重結合含有基と、有機モノマーのエチレン性不飽和二重結合とを一般的な方法で付加重合反応させることにより製造できる。例えば、有機金属化合物と有機モノマーとをベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類などの溶剤に投入し、さらに過酸化ベンゾイル、アゾイソブチロニトリルなどの重合開始剤を添加し、加熱しながらラジカル重合させた後、溶剤を除去することによって有機−無機ハイブリッドポリマーを製造することができる。
【0031】
この有機−無機ハイブリッドポリマーをゾル−ゲル反応により加水分解、重縮合すると、有機−無機ハイブリッドポリマーの異なる分子又は同一分子内の有機金属化合物部分が架橋し、ネットワーク(網目構造)を形成する。このネットワーク構造は、有機ケイ素化合物由来の主鎖成分と有機モノマー由来の主鎖成分との連鎖により構成されている。従って、無機化合物のみ連鎖したネットワーク上に有機基を側鎖としてペンダント状に導入する特許第2953200号開示の無機バインダーポリマーとは構造的に異なっており、有機−無機ハイブリッドポリマーはネットワークを構成する連鎖内に柔軟な部分が挿入されているので、膜物性として有機ポリマーの持つ柔軟性と共に無機ポリマーの持つ強靭性や耐熱性を併せ持ち、実用上、特許第2953200号開示のものと比べて、より加工適性に優れている。
【0032】
また、本発明においては、有機−無機ハイブリッドポリマーの無機系主鎖構成単位として、特に有機ケイ素化合物を用いる。ホログラム性能の指標の一つにKogelnik理論により計算される屈折率変調量(Δn)がある。Δnは感材中に入射した干渉光に応じて形成される屈折率分布における屈折率差を示すものであるが、このΔnが大きい程、優れたホログラムとなる。有機ケイ素化合物は、他の有機金属化合物と比べて非常に屈折率が低いので、有機−無機ハイブリッドポリマーの無機系主鎖構成単位として有機ケイ素化合物を用いることにより、後述する屈折率変調成分としての有機金属微粒子との屈折率差を大きく取ることができるので、有機系バインダーポリマーと屈折率変調成分としての有機モノマーを用いる従来の組み合わせと比べてKogelnik理論により計算される屈折率変調量(Δn)が大きくなり、性能面で有利である。
【0033】
さらに、有機−無機ハイブリッドポリマーは、有機ケイ素化合物から誘導される無機系主鎖構成成分を含有しているので、有機金属微粒子の分散性が良好であり、体積型ホログラム記録用感光性組成物を均一な塗工液に調製し易い。
【0034】
また、特表2000−508783号には、固体マトリックス中に反応性金属微粒子を分散させた系が開示されているが、固体マトリックスの流動性を高くしており、実用上、加工適性や量産性に問題があるが、本発明においては有機−無機ハイブリッドポリマーをバインダーポリマーとして使用するため、加工適性は向上している。
【0035】
本発明の体積型ホログラム記録用感光性組成物は、バインダーポリマーとして、前記有機−無機ハイブリッドポリマーの部分的な又は完全な加水分解縮合物を用いても良いし、有機−無機ハイブリッドポリマーとその部分的又は完全加水分解縮合物との混合物を用いても良い。
【0036】
本発明の体積型ホログラム記録用感光性組成物は、バインダーポリマーとして、用途に応じて、前記有機−無機ハイブリッドポリマーと各種有機ポリマーとを混合して用いてもよい。有機ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル又はそれらの部分加水分解物、ポリ酢酸ビニル又はその部分加水分解物、ポリビニルアルコール又はその部分アセタール化物、トリアセチルセルロース、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、シリコーンゴム、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリクロロプレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール又はその誘導体、ポリ−N−ビニルピロリドン又はその誘導体、スチレンと無水マレイン酸の共重合体またはその半エステル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリルニトリル、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル等の共重合可能なモノマー群の少なくとも一つを重合成分とする共重合体を例示することができる。
【0037】
また、バインダーと有機金属微粒子の屈折率差をさらに向上させるために、下記一般式(2)で表記される有機ケイ素化合物を、体積型ホログラム記録用感光性組成物に添加することもできる。
【0038】
R”mSi(OR''')n 一般式(2)
(上記式において、R”は同一でも異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基、又は、アルコキシル基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、アミド基、スルホニル基、水酸基若しくはカルボキシル基を有する炭素数1〜10の炭化水素基、R'''は同一でも異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+n=4、m≧1、n≧1である。)
【0039】
一般式(2)で表記される有機ケイ素化合物を体積型ホログラム記録用感光性組成物に添加すると、水、酸触媒の存在下でゾルゲル反応により、上記有機−無機ハイブリッドポリマーと共にネットワークを形成するため、バインダーの屈折率を下げるだけでなく、膜の強靭性、耐熱性を向上させる効果もある。一般式(2)で表記される有機ケイ素化合物の配合により、体積型ホログラム記録用感光性組成物中に無機成分であるSiが多量に存在するので、有機金属微粒子の分散性がさらに向上するという効果もある。
【0040】
一般式(2)の有機ケイ素化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が好ましく用いられる。
【0041】
有機−無機ハイブリッドポリマーと一般式(2)で表される有機ケイ素化合物は、通常、両者を混合後に加水分解、重縮合させることにより、両者が混在するネットワークを形成するが、原理的には、いずれか一方又は両方を部分加水分解重縮合させてから混合し、混合後さらに加水分解、重縮合させることによっても両者が混在するネットワークを形成することが可能である。
【0042】
有機金属微粒子は、干渉露光時に強露光部の屈折率を変調させて干渉縞を形成するための成分(屈折率変調成分)である。有機金属微粒子としては、少なくとも一つの光重合性反応性基を有し、且つ、当該有機金属微粒子を重合させて得られる重合体の屈折率が上記有機−無機ハイブリッドポリマーの加水分解重縮合物の屈折率と異なるもの、好ましくは両者の屈折率差が1.0以上となるものを用いる。
【0043】
有機金属微粒子は、金属微粒子の表面に、光ラジカル重合や光カチオン重合など光重合可能な何らかの官能基を少なくとも一つ結合させた化合物である。
【0044】
有機金属微粒子の金属成分は、有機−無機ハイブリッドポリマーとの屈折率差が得られるものであれば特に限定されないが、有機ケイ素化合物は屈折率が比較的低い有機金属化合物なので、当該有機ケイ素化合物に由来する主鎖構成成分を含有する有機−無機ハイブリッドポリマーとの屈折率差を大きくするためには、できるだけ屈折率の高い金属成分からなる有機金属微粒子を用いるのが好ましい。屈折率が高い金属成分として、例えば、Ti、Zr、Zn、In、Sn等を例示することができる。
【0045】
また、金属微粒子のサイズは特に制限されないが、解像度、及び、可視光の透過性の観点から、5〜200nm程度が好ましい。
【0046】
光ラジカル重合可能な官能基としては、付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を例示することができ、これは、エチレン性不飽和二重結合含有カップリング剤で金属微粒子を表面処理することにより導入できる。エチレン性不飽和二重結合含有カップリング剤としては、例えば、ビニルシラン、アクリロイルシラン、メタクリロイルシラン等のシランカップリング剤を用いることができる。
【0047】
光カチオン重合可能な官能基としては、エポキシ環やオキセタン環に代表される環状エーテル類、チオエーテル類、ビニルエーテル類等を用いることができ、これらの官能基を含有するカップリング剤で金属微粒子を表面処理することにより導入できる。エポキシ環含有カップリング剤としては、例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を用いることができる。
【0048】
光重合開始剤は、有機金属微粒子の干渉露光による重合を開始又は促進するために用いられ、重合反応の形式に合わせて、光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤などの中から適宜選択して用いる。
【0049】
光ラジカル重合開始剤としては1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、N−フェニルグリシン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、また、イミダゾール二量体類等を例示することができる。
【0050】
光カチオン重合開始剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ホスホニウム塩、混合配位子金属塩、例えば、(η6−ベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(II)、シラノール−アルミニウム錯体等を例示することができる。
【0051】
光重合開始剤は、記録されたホログラムの安定化の観点から、ホログラム記録後に分解処理されるのが好ましい。例えば有機過酸化物系にあっては紫外線照射することにより開始剤が容易に分解されるので好ましい。
【0052】
ホログラムの記録には可視レーザー光、例えば、アルゴンイオンレーザー(458nm、488nm、514.5nm)、クリプトンイオンレーザー(647.1nm)、YAGレーザー(532nm)等からのレーザー光が使用されるが、各レーザー光波長における感度を向上させる目的として、増感色素を添加することができる。
【0053】
増感色素としては、チオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム塩系色素等が例示される。可視光領域に吸収波長を有する増感色素は、光学素子のような高透明性が要求される場合には、ホログラム記録後の後工程、加熱や紫外線照射により分解等により無色になるものが好ましい。
【0054】
屈折率変調成分としての有機金属微粒子は、バインダーポリマーである有機−無機ハイブリッドポリマー100重量部に対して10〜1000重量部、好ましくは10〜100重量部の割合で使用される。
【0055】
必要に応じて配合される一般式(2)の有機ケイ素化合物は、バインダーポリマー100重量部に対して10〜100重量部、好ましくは20〜70重量部の割合で使用される。
【0056】
光重合開始剤は、バインダーポリマー100重量部に対して1〜10重量部、好ましくは5〜10重量部の割合で使用される。
【0057】
増感色素は、バインダーポリマー100重量部に対して0.01〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部の割合で使用される。
【0058】
上記したような各材料を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール等、またはそれらの混合溶剤に溶解することにより、本発明に係る体積型ホログラム記録用感光性組成物としての塗布液を調製することができる。
【0059】
上記塗布液は、スピンコーター、グラビアコーター、コンマコーター、バーコーター等の方法により適切な基材フィルムに塗布する。体積型ホログラム記録材料層の厚みは1〜100μm、好ましくは10〜40μmとするのが良い。
【0060】
体積型ホログラム記録用感光性媒体の基材フイルムとしては、透明性を有するものであり、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリフッ化エチレン系フイルム、ポリフッ化ビニリデンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリ塩化ビニリデンフイルム、エチレン−ビニルアルコールフイルム、ポリビニルアルコールフイルム、ポリメチルメタクリレートフイルム、ポリエーテルスルホンフイルム、ポリエーテルエーテルケトンフイルム、ポリアミドフイルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム等のポリエステルフイルム、ポリイミドフイルム等の樹脂が例示され、膜厚としては2〜200μm、好ましくは10〜50μmである。
【0061】
体積型ホログラム記録用感光性組成物の加水分解重縮合反応(ゾルゲル反応)は、基材フィルムに塗布する前又は塗布した後の任意のタイミングで、適量の水の存在下、−10℃〜35℃、好ましくは0℃〜25℃で15分〜12時間放置することにより容易に進行、完了させることが出来る。
【0062】
上記の加水分解重縮合においては触媒を用いることが好ましい。触媒としては塩酸、硝酸、硫酸又は酢酸等の酸が好ましく、これらの酸を0.001〜20.0N、好ましくは0.005〜5.0N程度の水溶液として用いることができる。
【0063】
体積型ホログラム記録用感光性媒体は、例えば、体積型ホログラム記録用感光性組成物の塗工液を基材フィルムに塗工し、塗工膜を十分に加水分解、重縮合させた後、乾燥させ、体積型ホログラム記録用感光性組成物の皮膜(体積型ホログラム記録材料層)を形成することにより得られる。
【0064】
また、体積型ホログラム記録用感光性組成物の塗工液を、部分的に又は完全に加水分解、重縮合させた後、適切な基材フィルムに塗工し、乾燥させることによっても体積型ホログラム記録用感光性媒体が得られる。
【0065】
バインダーポリマーである有機−無機ハイブリッドポリマーは、予め加水分解、重縮合させてから他の材料と混合しても良い。
【0066】
補助バインダーとして一般式(2)の有機ケイ素化合物を用いる場合には、有機−無機ハイブリッドポリマーと有機ケイ素化合物を加水分解、重縮合させてから他の材料と混合しても良い。さらに変形例としては、有機−無機ハイブリッドポリマーと有機ケイ素化合物の一方又は両方を、予め単独で部分的加水分解、重縮合させてから、それらを他の成分と混合して塗工液を調製し、塗工後に完全に重縮合させても良い。
【0067】
加水分解、重縮合反応に必要な水、及び酸やアルカリなどの触媒は、溶剤中に各材料と同時に配合しても良いし、後から添加しても良い。例えば、塗工後に加水分解、重縮合を行う場合には、塗工直前に塗工液中に添加してもよく、また、塗工前に加水分解、重縮合を行う場合には、加水分解、重縮合反応を行う直前に添加しても良い。
【0068】
また、乾燥後の体積型ホログラム記録材料層に粘着性がある場合、保護フィルムとして、上記基材フィルムで例示されているフィルムをラミネートすることができる。この場合、ラミネートフィルムの体積型ホログラム記録材料層との接触面は、後から剥がしやすいように離型処理されていても良い。
【0069】
こうして得られた体積型ホログラム記録用感光性媒体は基材フィルム上にホログラム記録材料層を設けたものであり、当該ホログラム記録材料層は、有機−無機ハイブリッドポリマーの加水分解重縮合物又は有機−無機ハイブリッドポリマーと有機ケイ素化合物とが混在する加水分解重縮合物、屈折率変調成分としての有機金属微粒子、及び、光重合開始剤を必須成分として含有し、有機−無機ハイブリッドポリマーの加水分解重縮合物又は有機−無機ハイブリッドポリマーと有機金属化合物とが混在する加水分解重縮合物のネットワークの間隙に有機金属微粒子や光重合開始剤などの他の成分が入り込んだ構造をとっている。
【0070】
本発明に係る体積型ホログラム記録用感光性媒体には、従来から知られている方法により干渉露光を行って体積型ホログラムを形成することが出来る。
【0071】
例えば、体積型ホログラム記録用感光性媒体のホログラム記録材料層にホログラム原版を向き合わせて密着させ、透明基材フィルム側から可視光、或いは紫外線や電子線のような電離放射線を用いて干渉露光を行うことにより体積型ホログラムが形成される。
【0072】
また、干渉露光による屈折率変調を促進し或いは重合反応を完結させるのために、干渉露光後に紫外線による全面露光や加熱等の処理を適宜行うことができる。
【0073】
本発明における体積型ホログラム記録用感光性組成物の体積型ホログラム記録メカニズムは、従来から言われているメカニズムと同様であると考えられる。すなわち、フィルム状に形成された該感光性組成物を干渉露光すると、光が強い部分にて屈折率変調成分としての有機金属微粒子が光重合を開始し、それに伴い屈折率変調成分としての有機金属微粒子の濃度勾配ができ、光が弱い部分から強い部分に有機金属微粒子の拡散移動が起こる。結果として干渉光の光の強弱に応じて、有機金属微粒子又はその重合体の疎密ができ、屈折率の差として現れる。この屈折率差が干渉縞となり、体積型ホログラムが形成される。
【0074】
このようにして本発明に係る体積型ホログラム記録用感光性媒体のホログラム記録材料層は干渉露光により干渉縞を生じてホログラム層となり、体積型ホログラムが得られる。
【0075】
本発明においてホログラム層の干渉縞に生じた屈折率差はバインダーポリマーである有機−無機ハイブリッドポリマーを高い割合で含有する部分と有機金属微粒子又はその重合体を高い割合で含有する部分との屈折率差と考えられるが、本発明で用いられる有機−無機ハイブリッドポリマーは無機成分としてSiを含有しており屈折率が非常に低いので、有機金属微粒子との屈折率差を大きくとることが可能であり、屈折率変調量(Δn)の大きい体積型ホログラムが得られる。
【0076】
本発明に係る体積型ホログラム記録用感光性媒体のホログラム記録材料層は干渉露光により干渉縞を生じてホログラム層となるが、このホログラム層は上記したホログラム記録材料層と同様に、有機−無機ハイブリッドポリマーの加水分解重縮合物又は有機−無機ハイブリッドポリマーと有機ケイ素化合物とが混在する加水分解重縮合物のネットワーク構造を有している。従って、ネットワーク構造を形成する連鎖内に柔軟な部分が挿入されているので、膜物性として有機ポリマーの持つ柔軟性、無機ポリマーの持つ強靭性、耐熱性を併せ持ち、実用上、加工適性に優れている。
【0077】
【実施例】
1.有機−無機ハイブリッドポリマー出発溶液の作製
メタクリル酸エチルとγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM503;信越化学工業(株)製)をモル比で6:4とし、溶媒としてベンゼン、開始剤として過酸化ベンゾイルを用い、還流下で8時間重合させた。反応終了後、未反応物及びベンゼンを除いて精製し、減圧乾燥して有機−無機ハイブリッドポリマーを得た。
【0078】
上記で得た有機−無機ハイブリッドポリマーをアセトンに溶解し、更に水、塩酸及び有機ケイ素化合物としてのテトラエトキシシラン(KBE04;信越化学工業(株)製)を添加し、ゾルゲル反応により有機−無機ハイブリッドポリマー出発溶液を得た。
【0079】
2.体積型ホログラムの作製
次に、下記組成の体積型ホログラム記録用感光性組成物溶液を作製した。
【0080】
<体積型ホログラム記録用感光性組成物溶液>
・上記で作製した有機−無機ハイブリッドポリマー出発溶液:100重量部(固形分)
・エチレン性不飽和二重結合を導入したジルコニア微粒子(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで処理したジルコニア微粒子):60重量部
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):2重量部
・3−エチル−5−[(3−エチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)エチリデン]−2−チオキソ−4−オキサゾリジノン(NK−1473;(株)林原生物化学研究所製):0.02重量部
・メタノール:30重量部
・メチルエチルケトン:30重量部
上記溶液を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ製ルミラーT−60)上にバーコーターを使用して、乾燥膜厚20μmとなるように塗布し、さらに加熱することでゲル状のホログラム記録材料層を形成し、体積型ホログラム記録用感光性媒体を作製した。
【0081】
次に、体積型ホログラム記録用感光性媒体のホログラム記録材料層側をミラーにラミネートし、PET側から514.5nmアルゴンイオンレーザー光を入射して干渉露光を行い、体積型ホログラムを記録した。
【0082】
次に、加熱、紫外線重合により干渉縞を固定し、体積型ホログラムを得た。分光評価結果から計算した結果、屈折率変調量Δnは0.051であった。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、屈折率差、感度、透明性などのホログラム記録性能だけでなく、膜物性として有機ポリマーの持つ柔軟性、無機ポリマーの持つ強靭性、耐熱性を併せ持つ体積型ホログラム記録材料、体積型ホログラム記録媒体、及び、体積型ホログラムを提供することができ、光学素子等の広範な分野への応用が期待される。
Claims (12)
- 主鎖構成成分として少なくとも下記一般式(1)で表記される有機ケイ素化合物とエチレン性不飽和二重結合を有する有機モノマーとを共重合させてなる有機−無機ハイブリッドポリマー及び/又はその加水分解重縮合物、光重合反応性基を有すると共にその重合体の屈折率が上記有機−無機ハイブリッドポリマーの加水分解重縮合物とは異なる有機金属微粒子、及び、光重合開始剤を含有することを特徴とする体積型ホログラム記録用感光性組成物。
RmSi(OR’)n 一般式(1)
(上記式において、Rは同一でも異なってもよく炭素数1〜10のエチレン性二重結合含有基、R’は同一でも異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+n=4、m≧1、n≧1である。) - 更に、下記一般式(2)で表記される有機ケイ素化合物を含有することを特徴とする、請求項1記載の体積型ホログラム記録用感光性組成物。
R”mSi(OR''')n 一般式(2)
(上記式において、R”は同一でも異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基、又は、アルコキシル基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、アミド基、スルホニル基、水酸基若しくはカルボキシル基を有する炭素数1〜10の炭化水素基、R'''は同一でも異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+n=4、m≧1、n≧1である。) - 前記加水分解重縮合物が、前記有機−無機ハイブリッドポリマー及び/又はその加水分解重縮合物と下記一般式(2)で表記される有機ケイ素化合物との加水分解重縮合物であることを特徴とする、請求項1記載の体積型ホログラム記録用感光性組成物。
R”mSi(OR''')n 一般式(2)
(上記式において、R”は同一でも異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基、又は、アルコキシル基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、アミド基、スルホニル基、水酸基若しくはカルボキシル基を有する炭素数1〜10の炭化水素基、R'''は同一でも異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+n=4、m≧1、n≧1である。) - 更に、増感色素を含有することを特徴とする、請求項1〜3いずれかに記載の体積型ホログラム記録用感光性組成物。
- 前記有機金属微粒子が光重合反応性基として付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物であり、且つ、前記光重合開始剤が光ラジカル重合開始剤であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の体積型ホログラム記録用感光性組成物。
- 前記有機金属微粒子が光重合反応性基としてカチオン重合性基を有する化合物であり、且つ、前記光重合開始剤が光カチオン重合開始剤であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の体積型ホログラム記録用感光性組成物。
- 前記請求項1〜6いずれかに記載の体積型ホログラム記録用感光性組成物の皮膜を基材上に設けたことを特徴とする、体積型ホログラム記録用感光性媒体。
- 主鎖構成成分として少なくとも下記一般式(1)で表記される有機ケイ素化合物とエチレン性不飽和二重結合を有する有機モノマーとを共重合させてなる有機−無機ハイブリッドポリマーの加水分解重縮合物と、光重合反応性基を有すると共にその重合体の屈折率が上記有機−無機ハイブリッドポリマーの加水分解重縮合物とは異なる有機金属微粒子と、光重合開始剤とを少なくとも含有する体積型ホログラム記録材料層を基材上に設けたことを特徴とする、体積型ホログラム記録用感光性媒体。
RmSi(OR’)n 一般式(1)
(上記式において、Rは同一でも異なってもよく炭素数1〜10のエチレン性二重結合含有基、R’は同一でも異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+n=4、m≧1、n≧1である。) - 前記体積型ホログラム記録材料層に含有される加水分解重縮合物は、前記有機−無機ハイブリッドポリマー及び/又はその加水分解重縮合物と下記一般式(2)で表記される有機ケイ素化合物との加水分解重縮合物であることを特徴とする、請求項8記載の体積型ホログラム記録用感光性媒体。
R”mSi(OR''')n 一般式(2)
(上記式において、R”は同一でも異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基、又は、アルコキシル基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、アミド基、スルホニル基、水酸基若しくはカルボキシル基を有する炭素数1〜10の炭化水素基、R'''は同一でも異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+n=4、m≧1、n≧1である。) - 前記体積型ホログラム記録材料層が、更に、増感色素を含有することを特徴とする、請求項8又は9記載の体積型ホログラム記録用感光性媒体。
- 前記前記有機金属微粒子が光重合反応性基として付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物であり、且つ、前記光重合開始剤が光ラジカル重合開始剤であることを特徴とする請求項8〜10いずれかに記載の体積型ホログラム記録用感光性媒体。
- 前記有機金属微粒子が光重合反応性基としてカチオン重合性基を有する化合物であり、且つ、前記光重合開始剤が光カチオン重合開始剤であることを特徴とする請求項8〜10いずれかに記載の体積型ホログラム記録用感光性媒体。
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