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JP4534546B2 - 液滴吐出装置、位置調整方法、電気光学装置の製造方法 - Google Patents

液滴吐出装置、位置調整方法、電気光学装置の製造方法 Download PDF

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JP4534546B2
JP4534546B2 JP2004087620A JP2004087620A JP4534546B2 JP 4534546 B2 JP4534546 B2 JP 4534546B2 JP 2004087620 A JP2004087620 A JP 2004087620A JP 2004087620 A JP2004087620 A JP 2004087620A JP 4534546 B2 JP4534546 B2 JP 4534546B2
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Description

本発明は、第1軸と第2軸を有している座標調整装置を有する液滴吐出装置、座標調整方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器に関する。
液滴吐出装置は、対象物であるワークに対して機能液を描画するための描画システムとして用いられることがあり、この描画システムはインクジェット式で液滴をワークに対して吐出するようになっている。この描画システムはたとえばフラットパネルディスプレイのような電気光学素子の製造に用いられることがある。
インクジェット式で液滴を吐出する装置のヘッドは、たとえば記録紙のようなワークに対してインクを吐出する形式のものがある(たとえば特許文献1)。
特開2003−89212号公報(第4頁、図1)
この種のインクジェット式記録装置のヘッドは、記録紙のようなワークに対して直交する方向に移動することで、ワークに対して液滴を吐出する構造である。ヘッドの移動方向に対してワークの移動方向は直交する方向に移動することで、ワーク上に液滴を吐出する。ヘッドを支えるキャリッジの移動軸とワークの移動軸は直交する方向であるので、ヘッドとワークは直交座標内で移動するようになっている。
ところが、ヘッドを支えるキャリッジの移動軸とワークの移動軸との相対的な位置精度が正しく設定されていないと、ワークに対する印字精度に大きく影響を与えることになる。したがって、ワークに対して液滴を吐出する吐出作業前に、ヘッドを支えるキャリッジの移動軸とワークの移動軸との相対的な位置精度を調整して向上することにより、印字精度(吐出精度)を正確にしたいという希望がある。従来、キャリッジの移動軸とワークの移動軸との相対的な位置精度を十分に確保するためには、液滴吐出装置を製作して組立てる際の精度をより高精度にする必要があり、コスト高になってしまった。
そこで本発明は上記課題を解消し、液滴を吐出するのに先立って、ヘッドを移動する第1移動軸とワークを移動する第2移動軸との座標の相対的な位置精度の調整を行って位置精度を向上することにより、精度の高い液滴吐出を行うことができる座標調整装置を有する液滴吐出装置、座標調整方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器を提供することを目的としている。
本発明の液滴吐出装置は、液滴をワークに吐出する際の位置を調整するための位置調整装置を有する液滴吐出装置であって、前記位置調整装置は、液滴を吐き出すヘッドを支えるキャリッジと、所定のピッチで配列された複数のマークからなるパターンを有している位置ずれ計測用部材と、前記位置ずれ計測用部材を保持するテーブルと、第1移動軸に沿って移動させる第1操作部と、前記テーブルを前記第1移動軸とは直交する第2移動軸に沿って移動させる第2操作部と、前記キャリッジに対して保持されるとともに、前記第1操作部により前記第1移動軸に沿って前記所定のピッチ分ずつ移動させて前記マークを撮像する撮像部と、前記マークと前記撮像部の撮像中心とのずれに基づき、前記マークが前記撮像中心にくるように、前記第1操作部及び第2操作部を制御して位置を調整する制御部と、前記制御部で調整した量を記録するデータ格納部と、を備える。
また、本発明の位置調整方法は、液滴を吐き出すヘッドを支えるキャリッジを第1操作部により第1移動軸に沿って移動させ、第2操作部によりテーブルを前記第1移動軸とは直交する第2移動軸に沿って移動させて前記ヘッドから前記テーブルにあるワークに対して前記液滴を与えるのに先立って行う位置調整方法であって、所定のピッチで前記第1移動軸に沿って配列された複数のマークからなるパターンを有している位置ずれ計測用部材を前記テーブルに搭載する搭載ステップと、前記第1操作部は、前記キャリッジ及び前記キャリッジに対して保持された撮像部を第1移動軸に沿って前記所定のピッチ分ずつ移動させるとともに、前記撮像部は、前記マークを撮像する撮像ステップと、前記マークと前記撮像部の撮像中心とのずれに基づき、前記マークが前記撮像中心にくるように位置を調整する位置調整ステップと、前記位置調整ステップで調整した量をデータ格納部に記録する記録ステップと、を有する。
また、本発明の電気光学装置の製造方法は、液滴を吐き出すヘッドを第1操作部により第1移動軸に沿って移動させ、第2操作部によりテーブルを前記第1移動軸とは直交する第2移動軸に沿って移動させて前記ヘッドから前記テーブルにあるワークに対して前記液滴を与えて電気光学装置を製造するのに先立って位置の調整を行う電気光学装置の製造方法であって、前記位置調整では、所定のピッチで前記第1移動軸に沿って配列された複数のマークからなるパターンを有している位置ずれ計測用部材を前記テーブルに搭載する搭載ステップと、前記第1操作部は、前記キャリッジ及び前記キャリッジに対して保持された撮像部を第1移動軸に沿って前記所定のピッチ分ずつ移動させるとともに、前記撮像部は、前記マークを撮像する撮像ステップと、前記マークと前記撮像部の撮像中心とのずれに基づき、前記マークが前記撮像中心にくるように位置を調整する位置調整ステップと、
前記位置調整ステップで調整した量をデータ格納部に記録する記録ステップと、を有する。
上記目的は、第1の発明にあっては、液滴をワークに吐出する際の座標を調整するための座標調整装置を有する液滴吐出装置であって、前記座標調整装置は、液滴を吐き出すヘッドを第1移動軸に沿って移動させる第1操作部と、前記ヘッドからワークに対して前記液滴を与える際に前記ワークを保持するためのテーブルを有しており、前記テーブルを前記第1移動軸とは直交する第2移動軸に沿って移動させる第2操作部と、前記テーブルに保持される位置ずれ計測用部材であって、前記第1移動軸と前記第2移動軸との位置ずれを計測するために所定のピッチで配列された複数のマークからなるパターンを有している前記位置ずれ計測用部材と、前記第1移動軸に沿って移動しながら前記位置ずれ計測用部材の前記パターンを撮像するための撮像部と、前記撮像部により得られた撮像結果から前記第1移動軸と前記第2移動軸との位置ずれデータを得て、前記位置ずれの補正を行う制
御部と、を備えることを特徴とする液滴吐出装置により、達成される。

第1の発明の構成によれば、第1操作部は、液滴を吐き出すヘッドを第1移動軸に沿って移動する。第2操作部は、ヘッドからワークに対して液滴を与える際にワークを保持するためのテーブルを有しており、この第2操作部はテーブルを第1移動軸とは直交する第2移動軸に沿って移動する。
位置ずれ計測用部材は、テーブルに保持される位置ずれ計測用の部材である。位置ずれ計測用部材は、第1移動軸と第2移動軸との位置ずれを計測するために所定のピッチで配列された複数のマークからなるパターンを有している。
撮像部は、第1移動軸に沿って移動しながら位置ずれ計測用部材のパターンを撮像する。制御部は、撮像部から得られた撮像結果から、第1移動軸と第2移動軸との位置ずれデータを得て、位置ずれの補正を行う。
これにより、液滴をワークに対して吐出する吐出作業の前に、ヘッドを移動するための第1移動軸と、テーブルを移動させるための第2移動軸との間の相対的な位置精度を予め調整して位置精度を向上することができる。これにより、ヘッドがワークに対して液滴を与える際に液滴をワークの適切な位置に吐出することができる。
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記位置ずれ計測用部材の前記複数のマークは、前記位置ずれ計測用部材が前記テーブルに保持された際に前記第1移動軸と平行になるように配列されることを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、位置ずれ計測用部材の複数のマークが第1移動軸と平行に配列されているので、第1移動軸と第2移動軸との間の相対的な位置精度をより確実に予め調整できる。
第3の発明は、、第1の発明または第2の発明の構成において、前記撮像部は、前記ヘッドを支えるキャリッジに設けられて前記第1操作部により前記第1移動軸に沿って移動されることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、撮像部は、ヘッドを支えるキャリッジに設けられている。この撮像部は第1操作部により第1移動方向に沿って移動される。
これにより、撮像部はキャリッジに設けるだけで、第1移動方向に移動させることができる。
第4の発明は第1の発明乃至第3の発明のいずれかの構成において、前記位置ずれ計測用部材の前記パターンは、第1パターン列と、前記第1パターン列と平行な第2パターン列を有し、前記撮像部は、前記第1パターン列を撮像する第1撮像素子と、前記第2パターン列を撮像する第2撮像素子を有していることを特徴とする。
第4の発明の構成によれば、位置ずれ計測用部材のパターンは、第1パターン列と第2パターン列を有している。撮像部の第1撮像素子は第1パターン列を撮像する。撮像部の第2撮像素子は第2パターン列を撮像する。
これにより、2つの撮像素子と2つのパターン列を用いて、第1移動軸と第2移動軸との相対的な位置精度をより正確に調整することができる。
上記目的は、第5の発明にあっては、液滴を吐き出すヘッドを第1操作部により第1移動軸に沿って移動させ、第2操作部によりテーブルを前記第1移動軸とは直交する第2移動軸に沿って移動させて前記ヘッドから前記テーブルにあるワークに対して前記液滴を与えるのに先立って行う座標調整方法であって、前記テーブルには、前記第1移動軸と前記第2移動軸との位置ずれを計測するために所定のピッチで前記第1移動軸に沿って配列された複数のマークからなるパターンを有している位置ずれ計測用部材を保持し、撮像部を前記第1移動軸に沿って移動させながら前記位置ずれ計測用部材の前記パターンを撮像する撮像ステップと、前記撮像部により得られた撮像結果から制御部が前記第1移動軸と前記第2移動軸との位置ずれ補正データを得て、前記位置ずれの補正を行う位置補正ステップと、を有することを特徴とする座標調整方法により、達成される。
これにより液滴をワークに対して吐出する前に、ヘッドを移動するための第1移動軸と、テーブルを移動させるための第2移動軸との間の相対的な位置精度を予め調整することができる。これにより、ヘッドがワークに対して液滴を与える際に液滴をワークの適切な位置に吐出することができる。
第6の発明は、第5の発明の構成において、前記位置ずれ補正データにより前記撮像部を再度前記第1移動軸に沿って移動させながら前記位置ずれ計測用部材の前記パターンを撮像することで、前記撮像部の撮像中心が前記位置ずれ計測用部材の前記パターンに一致するかどうかを確認する位置確認ステップをさらに有することを特徴とする。
第6の発明の構成によれば、位置確認ステップでは、次のようなことを行う。すなわち、位置ずれ補正データにより撮像部を再度第1移動軸に沿って移動させながら位置ずれ計測用部材のパターンを撮像する。そして撮像部の撮像中心が位置ずれ計測用部材のパターンに一致するかどうかを確認する。
これによって、第1移動軸と第2移動軸の相対的な位置精度が正しく得られているかどうかを確認することができる。
第7の発明は、第6の発明の構成において、前記位置ずれ補正データ外の位置に前記ヘッドを支えるキャリッジを移動する場合には、前記位置ずれ補正データを利用して補完することで、前記位置ずれ補正データ外の位置を定めることを特徴とする。
第7の発明の構成によれば、位置ずれ補正データ外の位置にヘッドを移動する場合には、位置ずれ補正データを利用して補完することで、位置ずれ補正データ外の位置を定める。
これによって、ヘッドが位置ずれ補正データ外の位置において液滴を吐出する場合でも、ワークの正しい位置に液滴を吐出することができる。
上記目的は、第8の発明あっては、液滴を吐き出すヘッドを第1操作部により第1移動軸に沿って移動させ、第2操作部によりテーブルを前記第1移動軸とは直交する第2移動軸に沿って移動させて前記ヘッドから前記テーブルにあるワークに対して前記液滴を与えて電気光学装置を製造するのに先立って座標の調整を行う電気光学装置の製造方法であって、前記座標調整では、前記テーブルには、前記第1移動軸と前記第2移動軸との位置ずれを計測するために所定のピッチで前記第1移動軸に沿って配列された複数のマークからなるパターンを有している位置ずれ計測用部材を保持し、撮像部を前記第1移動軸に沿って移動させながら前記位置ずれ計測用部材の前記パターンを撮像する撮像ステップと、前記撮像部により得られた撮像結果から制御部が前記第1移動軸と前記第2移動軸との位置ずれ補正データを得て、前記位置ずれの補正を行う位置補正ステップと、を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法により、達成される。
これにより液滴をワークに対して吐出する吐出作業の前に、ヘッドを移動するための第1移動軸と、テーブルを移動させるための第2移動軸との間の相対的な位置精度を予め調整することができる。これにより、ヘッドがワークに対して液滴を与える際に液滴をワークの適切な位置に吐出することができる。このため、電気光学装置の製造時の精度が向上する。
上記目的は、第9の発明にあっては、液滴を吐き出すヘッドを第1操作部により第1移動軸に沿って移動させ、第2操作部によりテーブルを前記第1移動軸とは直交する第2移動軸に沿って移動させて前記ヘッドから前記テーブルにあるワークに対して前記液滴を与えるのに先立って座標の調整を行った後に製造される電気光学装置であって、前記座標調整では、前記テーブルには、前記第1移動軸と前記第2移動軸との位置ずれを計測するために所定のピッチで前記第1移動軸に沿って配列された複数のマークからなるパターンを有している位置ずれ計測用部材を保持し、撮像部を前記第1移動軸に沿って移動させながら前記位置ずれ計測用部材の前記パターンを撮像する撮像ステップと、前記撮像部により得られた撮像結果から制御部が前記第1移動軸と前記第2移動軸との位置ずれ補正データを得て、前記位置ずれの補正を行う位置補正ステップと、を行い、この後に製造されたことを特徴とする電気光学装置により、達成される。
これにより液滴をワークに対して吐出する吐出作業の前に、ヘッドを移動するための第1移動軸と、テーブルを移動させるための第2移動軸との間の相対的な位置精度を予め調整することができる。これにより、ヘッドがワークに対して液滴を与える際に液滴をワークの適切な位置に吐出することができる。このため電気光学装置の精度が向上する。
第10の発明は、第9の発明の前記電気光学装置を搭載した電子機器である。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の座標調整装置を有する液滴吐出装置の好ましい実施形態を示す平面図である。
図1に示す液滴吐出装置10は、座標調整装置100を有している。この液滴吐出装置10は、描画システムとして用いることができる。この描画システムは、たとえばいわゆるフラットパネルディスプレイの一種であるたとえば有機EL(エレクトロルミネッセンス)装置の製造ラインに組み込まれるものである。この液滴吐出装置10は、有機EL装置の各画素となる発光素子を形成することができる。
液滴吐出装置10は、たとえばインクジェット式描画装置として用いることができる。液滴吐出装置10は、有機EL装置の発光素子を液滴吐出法(インクジェット法)で形成するためのものである。液滴吐出装置10のヘッド(機能液滴吐出ヘッドとも言う)は、有機EL素子の発光素子を形成できる。具体的には、有機EL素子の製造工程において、バンク部形成工程およびプラズマ処理工程を経て、バンク部が形成された基板(ワークの一例)に対して、発光機能材料を導入したヘッドを相対的に走査することにより、液滴吐出装置10は、基板の画素電極の位置に対応して正孔注入/輸送層および発光層の成膜部を形成することができる。
液滴吐出装置10はたとえば2台用意することにより、1台目の液滴吐出装置10が正孔注入/輸送層を形成し、もう1台の液滴吐出装置10はR(赤),G(緑),B(青)の3色の発光層を形成することができる。
図1の液滴吐出装置10はチャンバ12の中に収容されている。チャンバ12は別のチャンバ13を有している。このチャンバ13の中には、ワーク搬出入テーブル14を収容している。ワーク搬出入テーブル14は、ワークをチャンバ12内のテーブル30の上へ搬入したりあるいは処理後のワークをチャンバ12内のテーブル30の上から搬出するためのテーブルである。
図1に示すチャンバ12の中には、ヘッド11のメンテナンスを行うメンテナンス部15を収容している。またチャンバ12の外側には、回収部16を備えている。
ここで、簡単にメンテナンス部15と回収部16について説明する。メンテナンス部15は、図示しないがフラッシングユニット、吸引ユニット、ワイピングユニット、吐出検査ユニットあるいは重量測定ユニット等を有している。フラッシングユニットは、ヘッド11から予備的に吐出された液滴を受けるためのものである。吸引ユニットは、ヘッド11のノズルプレート面からインクや気泡を吸引するためのものである。ワイピングユニットは、ノズルプレート面に付着する汚れをワイピング部材により払拭するためのものである。吐出検査ユニットは、ヘッド11から吐出される液滴の吐出状態を検査する。重量測定ユニットは、ヘッド11から吐出される液滴の重量を測定する。
回収部16は、たとえば液滴を回収する液滴回収系とワイピングの後に用いる洗浄用の溶剤を供給する洗浄液供給系を有している。
チャンバ12とチャンバ13は、個別にエアー管理されており、チャンバ12とチャンバ13の中の雰囲気に変動が生じないようになっている。このようにチャンバ12とチャンバ13を用いるのは、たとえば有機EL素子を製造する場合には大気中の水分等を嫌うために大気の影響を排除できるようにするためである。チャンバ12とチャンバ13の中にはドライエアーを連続的に導入して排気することで、ドライエアー雰囲気を維持する。
次に、図1に示すチャンバ12内の構成要素について説明する。
チャンバ12の中には、フレーム20、ヘッド11、キャリッジ19、第1操作部21、第2操作部22、テーブル30、マスク40、撮像部50、ガイド基台17を収容している。
図1のフレーム20はX軸方向に沿って水平に設けられている。ガイド基台17はY軸に沿って水平に設けられている。フレーム20はガイド基台17の上方にある。X軸は第1移動軸に相当し、Y軸は第2移動軸に相当する。X軸とY軸は直交しており、Z軸に対しても直交している。Z軸は、図1において紙面垂直方向である。
座標調整装置100は、第1操作部21、第2操作部22、マスク40、撮像部50および制御部200により構成されている。制御部200はチャンバ12の外に設けられている。
ここで、座標調整装置100の各構成要素について順次説明する。
第1操作部21は、フレーム20に沿ってキャリッジ19、ヘッド11および撮像部50をX軸方向に沿って直線往復移動および位置決めするためのものである。
第2操作部22は、テーブル30を有している。このテーブル30は、図1に示すようなマスク40を着脱可能に搭載することもできるし、このマスク40に代えてワーク(図示せず)を搭載することができる。この第2操作部22のテーブル30は、ヘッド11からワークに対して液滴を与える際に、ワークを保持する。そして第2操作部22は、ワークをY軸に沿ってガイド基台17上を直線移動して位置決めすることができる。
第1操作部21は、ヘッド11および撮像部50をX軸方向に直線移動して位置決めするためのモータ21Aを有している。このモータ21Aは、たとえば送りねじを用いることによりヘッド11および撮像部50をX軸方向に直線移動することができる。モータ21Aはこの回転型の電動モータであってもよいし、リニアモータであってもよい。第2操作部22のモータ22Aは、やはりテーブル30をY軸方向に直線移動して位置決め可能である。モータ22Aはたとえば送りねじを回転する回転型の電動モータを用いることができる。モータ22Aとしては回転型のモータの他にリニアモータを用いることも可能である。
第2操作部22のテーブル30は、搭載面30Aを有している。この搭載面30Aは、図1のZ方向に垂直な面である。搭載面30Aは、吸着部30Bを有している。この吸着部30Bは、マスク40あるいはワークを真空吸着により吸着することができるものである。これにより、マスクまたはワークは、搭載面30Aに対してずれることなく確実に着脱可能に固定することができる。
図1に示すマスク40は、位置ずれ計測用部材の一例である。マスク40は、たとえば長方形状のガラスマスクを用いることができる。マスク40は、パターン40Aを有している。このパターン40Aは、撮像部50により撮像する対象である。パターン40Aは、たとえば第1パターン列41と第2パターン列42を有している。
図2は、このマスク40の形状例を示している。マスク40の第1パターン列41はマスク40の一方の長辺部40B側に形成されている。第2パターン列42は、もう1つの長辺部40C側に形成されている。第1パターン列41と第2パターン列42は、X軸方向と平行な方向である。第1パターン列41と第2パターン列42は、長辺部40Bと40Cにそれぞれ近い位置にあり、第1パターン列41と第2パターン列42は離して形成する方が、X軸とY軸との相対的な座標調整を行う際の調整精度を上げることができる。
第1パターン列41は、左端マークMLから右端マークMRまでの間で等間隔(所定ピッチ)に複数のマークMを有している。第2パターン列42は、左端マークNLから右端マークNRまでの間で等間隔(所定ピッチ)に複数のマークNを有している。第1パターン列41の各マークMの配列ピッチは、第2パターン列42の各マークNの配列ピッチと同じである。
このように、第1パターン列41と第2パターン列42は、ヘッド11およびヘッド11を保持しているキャリッジ19が直線移動するX軸方向に平行な方向に形成されている。
次に、図3と図4を参照して、キャリッジ19とヘッド11および撮像部50の構造例について説明する。
図3は、キャリッジ19とヘッド11および撮像部50の周りの形状例を示す斜視図であり、図4は、図3のE方向から見た正面図の例である。
キャリッジ19は、図1に示すモータ21AによりX軸方向に移動して位置決め可能である。図3と図4のキャリッジ19は、ヘッドホルダ61を用いてヘッド11を着脱可能に保持している。
撮像部50は、たとえばキャリッジ19のヘッドホルダ61に対して保持されている。図3に示すモータ62が作動すると、ヘッドホルダ61、ヘッド11および撮像部50が、キャリッジ19に対してZ方向に沿って上下動して位置決め可能である。もう1つのモータ63が作動することにより、ヘッド11と撮像部50は、U軸を中心としてθ方向に回転可能になっている。
図3に示すようにヘッド11はノズルプレート64を有している。ノズルプレート64は複数のノズル開口65を有している。ヘッド11は、図示しない機能液貯蔵部に接続されている。機能液貯蔵部の機能液は、ノズル開口65からたとえば圧電振動子の伸縮作動によりインクジェット式で吐出させることができるのである。図4に示すようにモータ62,63の動作は制御部200により制御される。
図3と図4では、撮像部50はキャリッジ19のヘッドホルダ61に対して保持されている。しかしこれに限らず撮像部50はキャリッジ19の他の部分に保持することで、U軸を中心としてθ方向に回転できるようにしても勿論構わない。
次に、図1と図2を参照して、撮像部50について説明する。
撮像部50は、支持部70と、第1カメラ71および第2カメラ72を有している。支持部70はたとえば長尺状の部材であり、第1カメラ71と第2カメラ72は、支持部70の一端部と他端部に設けられている。第1カメラ71は第1パターン列41と対応した位置にあり、第2カメラ72は第2パターン列42に対応した位置にある。第1カメラ71は第1撮像素子の一例であり、第2カメラ72は第2撮像素子の一例である。第1カメラ71と第2カメラ72は、たとえばCCD(電荷結合素子)カメラやその他の形式のカメラを用いることができる。
支持部70は、上述したU軸を中心としてθ方向に回転して位置決めできる。このU軸は図2の紙面垂直方向でありZ軸と平行な方向である。このU軸は図3のヘッド11の回転中心でもある。
次に、図5乃至図7を参照しながら、本発明の実施形態の液滴吐出装置10の座標調整装置100による座標調整方法の実施形態について説明する。
図5は、図2の第1カメラ71と第2カメラ72が、それぞれ第1パターン列41の各マークMと第2パターン列42の各マークNをそれぞれ画像認識することにより、X軸とY軸の相対的な位置精度を検出している例を示している。
図6は、図5のようにして画像認識して、撮像部50により得た撮像結果から、X軸とY軸との相対的な位置ずれ補正データを得て、位置ずれの補正を行った状態の例を示している。
図7は、本発明の座標調整方法の好ましい実施形態を示すフロー図である。
図7に示す座標調整方法は、マスク搭載ステップST1、図2のテーブル30上のマスク40の姿勢の調整をするステップST20、撮像ステップST6、位置補正ステップST30、そして位置確認(再現確認)ステップST12を有している。
マスク搭載ステップST1
マスク搭載ステップST1では、図1と図2に示すテーブル30の上にマスク40を搭載する。この搭載する場合にはマスク40はテーブル30のある定められた位置に位置決めしてセットする。
テーブル上のマスクの姿勢の調整をするステップST20
このステップST20では、ステップST2からステップST5を有している。
ステップST20は、テーブル30の上のマスク40のテーブル30に対する姿勢を予め調整するためのステップである。ステップST2では、図2に示す第1カメラ71の1ピクセル内に第1パターン列41の左端マークMLが入るように調整する。ステップST3では、テーブル30をY軸方向(+方向)に移動して、第1カメラ71の1ピクセル内に、第2パターン列42の左端マークNLが入るように調整する。
次に、ステップST4では、テーブル30をY軸(−方向)に移動して、第2カメラ72の1ピクセル内に、第1パターン列41の左端マークMLが入るように調整する。そしてステップST5では、テーブル30をY軸方向(+方向)に移動して、第2カメラ72の1ピクセル内に第2パターン列42の左端マークNLが入るように調整する。
このように第1カメラ71と第2カメラ72のそれぞれについて第1パターン列41の左端マークMLと第2パターン列42の左端マークNLを観察して、各カメラ71,72の1ピクセル内に入るようにする。これによって、マスク40がテーブル30の上において、X軸とY軸に対してほぼ正しい姿勢に調整することができる。
このようなテーブル上のマスクの姿勢の調整は、たとえば作業者が手動で行うことができる。この後、図1の吸着部30Bがマスク40を搭載面30Aに吸着して固定して、マスク40が動かないようにする。
次に、図7の撮像ステップST6に移る。
撮像ステップST6
撮像ステップST6では、図2に示すようにテーブル30の上にマスク40が上述した要領で姿勢を正しくした状態で搭載されている。撮像部50は、X軸に沿って直線移動することにより、撮像部50の第1カメラ71と第2カメラ72は、それぞれ第1パターン列41のマークMと第2パターン列42のマークNを順次撮像していくことになる。
この場合には、キャリッジ19およびヘッド11と共に第1カメラ71と第2カメラ72がX軸方向の+方向にマークMの1ピッチ分ずつ送ることにより、第1パターン列41の複数のマークMと第2パターン列42の複数のマークNを第1カメラ71と第2カメラ72によりそれぞれ撮像していくことができる。
第1カメラ71は、第1パターン列41の左端マークMLから右端マークMRまで1ピッチずつマークMを撮像していく。同時に第2カメラ72は、第2パターン列42の左端マークNLから右端マークNRまでマークNを1ピッチずつ撮像していく。
図5は、第1パターン列41の途中のマークMと第2パターン列42の途中のマークNの撮像例を代表して示している。図5は、第1パターン列41のマークM1とマークM2と、第2パターン列42のマークN1とマークN2の例を示している。各マークは図5に示すように基準線BLと各交差線CLにより形成されている。基準線BLはX軸に平行な線である。交差線CLは左端マークMLから右端マークMRまで同じピッチで形成されており、基準線BLに対して直交する方向に形成された線分である。
図5に示す例では、マークM1とマークM2およびマークN1とマークN2の例を拡大して示している。
マークM1では、第1カメラ71の撮像中心CCが基準線BLと交差線CLからずれた位置にある。この場合の撮像中心CCは、+ΔX1と+ΔY1だけ原点0からずれた位置にある。マークN1では、第2カメラ72の撮像中心CCが原点0から−ΔX2と−ΔY2だけずれた位置にある。
同様にしてマークM2では、第1カメラ71の撮像中心CCが原点0から−ΔX3と+ΔY3だけずれている。マークN2では、第2カメラ72の撮像中心が原点0から+ΔX4と−ΔY4だけずれている。これにより、マークM1とマークN1におけるそれぞれの第1カメラ71の撮像中心CCと第2カメラ72の撮像中心CCのずれの発生により、撮像中心CC,撮像中心CCを結ぶ傾き線LD1は、Y軸に対して角度θ1だけ傾いている。
同様にして、マークM2とマークN2については、第1カメラ71の撮像中心CCと第2カメラ72の撮像中心CCを結ぶ傾き線LD2は、Y軸に対して角度θ2傾いている。
このことから、マークM1はマークN1に対する第1カメラ71の撮像中心CCは、原点0に対して座標(ΔX1,ΔY1,Δθ1)となっている。同様にしてマークN1では、第2カメラ72の撮像中心CCは、座標(−ΔX2,−ΔY2,Δθ1)である。
さらにマークM2に関しては、第1カメラ71の撮像中心CCは、原点0に対して座標(−ΔX3,ΔY3,Δθ2)である。マークN2に関しては、第2カメラ72の撮像中心CCは、座標(ΔX4,−ΔY4,Δθ2)である。
図5では、マークM1、マークM2、マークN1、マークN2の4つについて代表して図示している。しかし左端マークMLから右端マークMRの各マークMと左端マークNLから右端マークNRにかけて、第1カメラ71と第2カメラ72は同様にして画像認識をすることができる。このような第1カメラ71の撮像中心CCと第2カメラ72の撮像中心CCが、原点0に対してずれている座標(ΔX,ΔY,Δθ)について調整して撮像中心CCを各マークの中心である原点0に移動して位置補正するために、図7の位置補正ステップST30を行う。
位置補正ステップST30
位置補正ステップST30では、ステップST7乃至ステップST9を有している。
ステップST7では、第1パターン列41のパターンのマークMが第1カメラ71の1ピクセル内に入り、第2パターン列のパターンのマークNが第2カメラ72の1ピクセル内に入るように、(X,Y,U)軸をそれぞれ調整する。
代表して図示したマークM1,M2,N1,N2について位置調整すると、たとえば図6のようになる。各マークにおいては、第1カメラ71の撮像中心CCと第2カメラ72の撮像中心CCはそれぞれ原点0にくるように調整される。
ステップST8では、この場合に、各座標のX,Y,U軸の調整した量については、エンコーダパルスによりX軸,Y軸,θ軸についての量を図2の制御部200のデータ格納部201に記録する。このように、調整後の(X,Y,U)軸についての調整量をステップST8で記録し、第1パターン列41の各マークMおよび第2パターン列の各マークNについて1ピッチ分ずつ送りながら(X,Y,U)軸についての調整後の補正量を記録していく。
このようにして、図5のように第1カメラ71と第2カメラ72の撮像中心CCがずれた量を位置補正する。この位置補正には、X軸,Y軸およびU軸に関する角度θの補正をすることにより、X軸,Y軸に関する相対的な位置精度を向上させることができる。
位置確認(再現確認)ステップST12
ステップST12では、このようにして図2の制御部200のデータ格納部201に記録した(X,Y,U)軸に関する位置補正データを指令値として、図2のキャリッジ19とヘッド11および撮像部50は、第1パターン列41と第2パターン列42のそれぞれのマークM,Nを1ピッチ分ずつに対応するように送っていく。
これによって、図6に示すように第1パターン列41の各マークM1,M2の原点0において第1カメラ71の撮像中心CCが位置され、第2パターン列42のマークN1,N2の原点0において第2カメラ72の撮像中心CCが位置しているかを確認する。つまり、キャリッジ19とヘッド11および撮像部50は、X軸にパターンのマークの1ピッチ分ずつを送りながら、各マークM,Nが第1カメラ71と第2カメラ72のそれぞれ1ピクセル内に入っているかどうかを確認するのである。
以上のように調整した後に、図1の液滴吐出装置10を用いてワークに対して液滴を吐出して描画することができる。この場合にはテーブル30の上のマスクを取り除いて、その代わりにテーブル30の上には有機EL装置の基板を搭載して吸着部30Bで吸着する。そして図2のキャリッジ19とヘッド11および撮像部50は、ワークに対してX軸とY軸に移動しながら発光機能材料を吐出することにより、正孔注入/輸送層および発光層の成膜部を形成することができる。
すでにX軸とY軸の相対的な位置精度を座標調整装置100を用いて調整しているので、このような基板に対して成膜部は正確な位置に形成することができる。これによって、得られた基板およびその基板を有する有機EL装置のようなディスプレイの製造品質を向上させることができる。
以上説明したように、本発明の実施形態の液滴吐出装置は、X軸とY軸が共に正確な直線性を有していて正確に直交するように製造し組立てられていれば、カメラの撮像中心は各マークの原点に一致することが考えられる。しかし実際には、撮像部50がX軸に沿って移動すると、撮像中心CCとマークの原点の間には変位(エラー)(ΔX,ΔY,Δθ)が生じる。
そこで本発明の実施形態の図2の座標調整装置の制御部200は、第1カメラの1ピクセル(撮像中心)と第1パターン列の各マークMの原点との間の変位(位置ずれ量)と、第2カメラの1ピクセル(撮像中心)と第2パターン列の各マークNの原点との間の変位(位置ずれ量)を求めた後に、その変位を各マークM,Nについて補正した補正データを得る。そして、制御部200は、補正データによりX軸とY軸の相対的な位置ずれ補正を行って、再度第1カメラと第2カメラによりマークM,Nを撮像することで、位置ずれの補正ができたかどうかを確認するのである。
これによって、第1移動軸(X軸)と第2移動軸(Y軸)との座標の相対的位置精度の調整を行って位置精度を向上することで、精度の高い液滴吐出作業が行えることになる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
図8は、テーブル30の上に搭載されたマスクの別の実施形態を示している。このマスク40は、位置決め計測用部材の一例であるが、このマスク40は、第1パターン列41と第2パターン列42を有している。この場合に、第1パターン列41の右端のマークMRと右端のマークNRの外の領域にまで、キャリッジ、ヘッドおよび撮像部50の組み立て体が移動する場合には、たとえば次のようにして補完データを得ることができる。
図9(A)は、第1パターン列41の右端マークMRを示している。この右端マークMRよりもさらに右側の破線で示す領域は、第1パターン列41から外れた領域である。つまり上述した実施形態において、位置の補正を行ったデータの外の位置の領域である。このような位置補正データ外の領域Tにおいて、X軸とY軸の相対的な位置関係の補正を行うためのデータ(ΔX50,ΔY50,Δθ50)を得る場合には、図9(B)に示すようなたとえば直線性を利用した補完方法により、たとえば複数個のマークM30,M31,M32、右端マークMRにおける第1カメラ71の撮像中心CCの座標(ΔX50,ΔY46,Δθ50),(ΔX50,ΔY47,Δθ50),(ΔX50,ΔY48,Δθ50),(ΔX50,ΔY49,Δθ50)を用いて、推定することができる。この例では、簡単化のために角度θは同じθ50としている。
図10は、本発明のさらに別の実施形態を示している。
図10に示す実施形態が、図2に示す実施形態と異なるのは、マスク40と撮像部50の構成である。マスク40と撮像部50以外の各構成要素については、図2の実施形態と同じであるので同じ符号を記してその説明を用いる。
マスク40は、1つのパターン列41のみを有している。これに対応して撮像部は1つのカメラ71を有している。このようにすることによっても、パターン列41を基準としてX軸とY軸の相対的な位置調整を行うことが可能である。
ただし、図2に示す実施形態では、図10の実施形態に比べて、第1パターン列41と第2パターン列42および第1カメラ71と第2カメラ72を用いているので、より高精度に位置精度の調整が行える。
図11(A)と図11(B)は、撮像部50の別の実施形態を示している。図11(A)の撮像部50は第1カメラ71と第2カメラ72および支持部70を有しているが、この支持部70の回転中心であるU軸は、第1カメラ71の中心にある点が異なる。図11(B)の実施形態では、撮像部50は1つのカメラ72と支持部70を有している。カメラ72は支持部70の一端部に設けられているが、U軸は支持部70の他端部に設けられている点が異なる。
本発明の座標調整装置を有する液滴吐出装置の実施形態は、上述したように電気光学装置(デバイス)を製造するのに用いることができる。この電気光学装置(デバイス)としては液晶表示装置、有機EL(Electro−Luminescence)装置、電子放出装置、PDP(Plasma Display Panel)装置および電気泳動表示装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、この他に金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する各種装置が考えられる。
図12は、本発明の液滴吐出装置を描画装置として用いて、フラットパネルディスプレイの一種類である有機EL装置の製造に用いる場合の有機EL装置の構造例を示している。有機EL装置701は、基板711、回路素子部721、画素電極731、バンク部741、発光素子751、陰極761(対向電極)、および封止用基板771から構成された有機EL素子702に対して、フレキシブル基板(図示省略)の配線および駆動IC(図示省略)を接続したものである。
有機EL素子702の基板711上には、回路素子部721が形成され、回路素子部721上には、複数の画素電極731が整列している。そして、各画素電極731間には、バンク部741が格子状に形成されており、バンク部741により生じた凹部開口744に、発光素子751が形成されている。バンク部741および発光素子751の上部全面には、陰極761が形成され、陰極761の上には、封止用基板771が積層されている。
有機EL素子702の製造プロセスは、バンク部741を形成するバンク部形成工程と、発光素子751を適切に形成するためのプラズマ処理工程と、発光素子751を形成する発光素子形成工程と、陰極761を形成する対向電極形成工程と、封止用基板771を陰極761上に積層して封止する封止工程とを備えている。
すなわち、有機EL素子702は、予め回路素子部721および画素電極731が形成された基板711(ワークW)の所定位置にバンク部741を形成した後、プラズマ処理、発光素子751および陰極761(対向電極)の形成を順に行い、さらに、封止用基板771を陰極761上に積層して封止することにより製造される。なお、有機EL素子702は、大気中の水分等の影響を受けて劣化しやすいため、有機EL素子702の製造は、ドライエアーまたは不活性ガス(窒素、アルゴン、ヘリウム等)雰囲気で行うことが好ましい。
また、各発光素子751は、正孔注入/輸送層752およびR(赤)・G(緑)・B(青)のいずれかの色に着色された発光層753から成る成膜部で構成されており、発光素子形成工程には、正孔注入/輸送層752を形成する正孔注入/輸送層形成工程と、3色の発光層753を形成する発光層形成工程と、が含まれている。
有機EL装置701は、有機EL素子702を製造した後、有機EL素子702の陰極761にフレキシブル基板の配線を接続すると共に、駆動ICに回路素子部721の配線を接続することにより製造される。
次に、本発明の実施形態の液滴吐出装置10を液晶表示装置の製造に適用した場合について説明する。
図13は、液晶表示装置801の断面構造を表している。液晶表示装置801は、カラーフィルタ802と、対向基板803と、カラーフィルタ802と対向基板803との間に封入された液晶組成物804と、バックライト(図示省略)と、で構成されている。
対向基板803の内側の面には、画素電極805と、TFT(薄膜トランジスタ)素子(図示省略)とがマトリクス状に形成されている。画素電極805に対向する位置に、カラーフィルタ802の赤、緑、青の着色層813が配列するようになっている。カラーフィルタ802および対向基板803のそれぞれ内側の面には、液晶分子を一定方向に配列させる配向膜806が形成されており、カラーフィルタ802および対向基板803のそれぞれ外側の面には、偏光板807が接着されている。
カラーフィルタ802は、透光性の透明基板811と、透明基板811上にマトリクス状に並んだ多数の画素(フィルタエレメント)812と、画素812上に形成された着色層813と、各画素812を仕切る遮光性の仕切り814と、を備えている。着色層813および仕切り814の上面には、オーバーコート層815および電極層816が形成されている。
液晶表示装置801の製造方法について説明すると、先ず、透明基板811に仕切り814を作り込んだ後、画素812部分にR(赤)・G(緑)・B(青)の着色層813を形成する。そして、透明アクリル樹脂塗料とスピンコートしてオーバーコート層815を形成し、さらに、ITO(Indium Tin Oxide)から成る電極層816を形成して、カラーフィルタ802を作成する。
対向基板803には、画素電極805とTFT素子を作り込んでおく。次に、作成したカラーフィルタ802および画素電極805が形成された対向基板803に配向膜806の塗布を行った後、これらを貼り合わせる。そして、カラーフィルタ802および対向基板803との間に液晶組成物804を封入した後、偏光板807およびバックライトを積層する。
本発明の液滴吐出装置の実施形態は、上記カラーフィルタのフィルタエレメント(R(赤)・G(緑)・B(青)の着色層813)の形成に用いることができる。また、画素電極805に対応する液体材料を用いることにより、画素電極805の形成にも用いることが可能である。
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の他、プレパラート形成を包含する装置が考えられる。上記した液滴吐出装置を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
本発明の電子機器は、上記電気光学装置を搭載している。この場合、電子機器としては、いわゆるフラットパネルディスプレイを搭載した携帯電話、パーソナルコンピュータの他、各種の電気製品がこれに該当する。
図14は、電子機器の一例である携帯電話1000の形状例を示している。携帯電話1000は、本体部1001と表示部1002を有している。表示部1002は、上述したような電気光学装置であるたとえば有機EL装置701や液晶表示装置801を用いている。
図15は、電子機器の他の例であるコンピュータ1100を示している。コンピュータ1100は本体部1101と表示部1102を有している。表示部1102は、上述したような電気光学装置の一例である有機EL装置701や液晶表示装置801を使用することができる。
本発明の実施形態では、液滴をワークに対して吐出する前に、ヘッドを直線移動するための第1移動軸と、ワークを直線移動させるための第2移動軸との間の相対的な位置精度を予め調整することができる。これにより、ヘッドがワークに対して液滴を与える際に液滴をワークの適切な位置に吐出することができる。撮像部はヘッドに設けるだけで、第1移動方向に直線移動させることができる。2つの撮像素子と2つのパターン列を用いて、第1移動軸と第2移動軸との相対的な位置精度をより正確に調整することができる。第1移動軸と第2移動軸の相対的な位置精度が正しく得られているかどうかを確認することができる。ヘッドが位置ずれ補正データ外の位置において液滴を吐出する場合でも、ワークの正しい位置に液滴を吐出することができる。
なお、撮像部は、キャリッジとは別の部分に設けてもよい。このキャリッジとは別の部分は、X軸方向に沿って第1操作部により直線移動して位置決め可能である。
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。さらに、上述の各実施形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
本発明の座標調整装置を有する液滴吐出装置の好ましい実施形態を示す平面図。 図1の液滴吐出装置の座標調整装置の好ましい実施形態を示す平面図。 キャリッジ、ヘッドおよび撮像部の形状例を示す斜視図。 キャリッジ、ヘッドおよび撮像部を示す正面図。 第1カメラと第2カメラが第1パターン列と第2パターン列を画像認識している例を示す図。 画像認識した後に位置調整した後の例を示す図。 本発明の座標調整方法の一例を示すフロー図。 本発明の別の実施形態を示す図。 図8の実施形態をより詳しく説明する図。 本発明のさらに別の実施形態を示す平面図。 本発明のさらに別の実施形態を示す図。 本発明の液滴吐出装置により製造される有機EL装置の形状例を示す断面図。 本発明の液滴吐出装置により製造される液晶表示装置の構造例を示す断面図。 本発明により製造された表示装置を備える電子機器の一例である携帯電話を示す斜視図。 電子機器の別の例であるコンピュータを示す斜視図。
符号の説明
10・・・液滴吐出装置、21・・・第1操作部、22・・・第2操作部、30・・・テーブル、40・・・マスク、40A・・・パターン、41・・・第1パターン列、42・・・第2パターン列、50・・・撮像部、71・・・第1カメラ(第1撮像装置)、72・・・第2カメラ(第2撮像装置)、100・・・座標調整装置、200・・・制御部、X軸・・・第1移動軸、Y軸・・・第2移動軸

Claims (5)

  1. 液滴をワークに吐出する際の位置を調整するための位置調整装置を有する液滴吐出装置であって、
    前記位置調整装置は、
    液滴を吐き出すヘッドを支えるキャリッジと、
    所定のピッチで配列された複数のマークからなるパターンを有している位置ずれ計測用部材と、
    前記位置ずれ計測用部材を保持するテーブルと、
    第1移動軸に沿って移動させる第1操作部と、
    前記テーブルを前記第1移動軸とは直交する第2移動軸に沿って移動させる第2操作部と、
    前記キャリッジに対して保持されるとともに、前記第1操作部により前記第1移動軸に沿って前記所定のピッチ分ずつ移動させて前記マークを撮像する撮像部と、
    前記マークと前記撮像部の撮像中心とのずれに基づき、前記マークが前記撮像中心にくるように、前記第1操作部及び第2操作部を制御して位置を調整する制御部と、
    前記制御部で調整した量を記録するデータ格納部と、
    を備える液滴吐出装置。
  2. 前記位置ずれ計測用部材の前記複数のマークは、前記位置ずれ計測用部材が前記テーブルに保持された際に前記第1移動軸と平行になるように配列されることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記位置ずれ計測用部材の前記パターンは、第1パターン列と、前記第1パターン列と平行な第2パターン列を有し、
    前記撮像部は、前記第1パターン列を撮像する第1撮像素子と、前記第2パターン列を撮像する第2撮像素子を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液滴吐出装置。
  4. 液滴を吐き出すヘッドを支えるキャリッジを第1操作部により第1移動軸に沿って移動させ、第2操作部によりテーブルを前記第1移動軸とは直交する第2移動軸に沿って移動させて前記ヘッドから前記テーブルにあるワークに対して前記液滴を与えるのに先立って行う位置調整方法であって、
    所定のピッチで前記第1移動軸に沿って配列された複数のマークからなるパターンを有している位置ずれ計測用部材を前記テーブルに搭載する搭載ステップと、
    前記第1操作部は、前記キャリッジ及び前記キャリッジに対して保持された撮像部を第1移動軸に沿って前記所定のピッチ分ずつ移動させるとともに、前記撮像部は、前記マークを撮像する撮像ステップと、
    前記マークと前記撮像部の撮像中心とのずれに基づき、前記マークが前記撮像中心にくるように位置を調整する位置調整ステップと、
    前記位置調整ステップで調整した量をデータ格納部に記録する記録ステップと、を有する位置調整方法。
  5. 液滴を吐き出すヘッドを第1操作部により第1移動軸に沿って移動させ、第2操作部によりテーブルを前記第1移動軸とは直交する第2移動軸に沿って移動させて前記ヘッドから前記テーブルにあるワークに対して前記液滴を与えて電気光学装置を製造するのに先立って位置の調整を行う電気光学装置の製造方法であって、
    前記位置調整では、
    所定のピッチで前記第1移動軸に沿って配列された複数のマークからなるパターンを有している位置ずれ計測用部材を前記テーブルに搭載する搭載ステップと、
    前記第1操作部は、前記キャリッジ及び前記キャリッジに対して保持された撮像部を第1移動軸に沿って前記所定のピッチ分ずつ移動させるとともに、前記撮像部は、前記マークを撮像する撮像ステップと、
    前記マークと前記撮像部の撮像中心とのずれに基づき、前記マークが前記撮像中心にくるように位置を調整する位置調整ステップと、
    前記位置調整ステップで調整した量をデータ格納部に記録する記録ステップと、を有する電気光学装置の製造方法。
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