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JP4533203B2 - 廃棄物ガス化で発生する可燃性ガスの燃焼バーナ - Google Patents

廃棄物ガス化で発生する可燃性ガスの燃焼バーナ Download PDF

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本発明は、廃棄物をガス化することによって発生する可燃性ガスを燃焼させる燃焼バーナに関するものである。
一般廃棄物、産業廃棄物等の廃棄物の処理に、焼却処理やガス化溶融処理が行われている。廃棄物処理炉において発生する可燃性ダスト、熱分解ガスを含む可燃性ガスを2次燃焼室で燃焼させて熱回収している。
図5は廃棄物溶融処理の例を示す系統図である。廃棄物溶融炉11には、廃棄物が副資材であるコークス、石灰石と共に炉上部から装入装置12を介して装入され、乾燥、熱分解、燃焼、溶融の過程を経て出滓口13から溶融物として排出される。
可燃分は、可燃性ダスト、熱分解ガス(CO,H,CH,CO,N等)を含む可燃性ガスとして廃棄物溶融炉上部のガス管14から排出される。可燃性ガスは2次燃焼室1へ導入されて燃焼し、ボイラ15で熱交換により熱回収が行われ、ボイラ15で発生した蒸気は蒸気タービン・発電装置16へ送られる。ボイラ15の排ガスは、集じん装置17で固気分離され、ブロワ18により煙突19から排出される。
廃棄物溶融炉1で生成した可燃性ガスは、一般的に低位発熱量が800〜1100kcal/Nmの範囲の低カロリーガスであり、また可燃性ガス中には廃棄物をガス化する過程で副次的に発生するタールやダストが含まれている。廃棄物溶融炉の安定操業と未燃CO発生抑制のためには、2次燃焼室で可燃性ガスを燃焼させる燃焼バーナの性能が極めて重要である。
可燃性ガスを燃焼させる2次燃焼室における燃焼バーナの構造例が、例えば特許文献1に開示されている。
図6(a)は従来の図燃焼バーナを2次燃焼室に取り付けた状態を示す図、(b)は燃焼バーナの構造を示す断面図である。この燃焼バーナの構造は、可燃性ガスダクト2の可燃性ガスヘッダー2aから分岐した複数の可燃性ガスノズル2bの可燃性ガス噴出口2cと、燃焼空気ダクト3の燃焼空気ヘッダー3aから分岐した複数の燃焼空気ノズル3bの燃焼空気噴出口3cが2次燃焼室1の壁面に円周方向に交互に配列して形成されると共に各噴出口2c,3cをそれぞれ下向きに、かつ内部の仮想円の接線方向へ指向している。燃焼バーナは2次燃焼室内に旋回火炎を形成するため、バーナタイルや炉壁からの輻射熱によって可燃性ガスの発熱量が低下した場合においても着火性、保炎性が確保できるという特長がある。
特開昭56−127110号公報
しかしながらこの燃焼バーナ構造では次のような課題がある。
(1)燃性ガスヘッダーから2次燃焼室内の複数個のガス噴出口に向けて可燃性ガスノズルが配置されているが、この可燃性ガスノズル内に可燃性ガス中のタールやダストが付着・閉塞してガス流れが不均一となり易いという欠点がある。
(2)ガスヘッダーとは別個に燃焼空気ヘッダーを設け、燃焼空気ノズルが配置されている構造であるため、バーナ構成が複雑であり、設備費が嵩む傾向がある。
(3)噴出ガスと燃焼空気の境界面で可燃性ガスと空気が混合し、火炎が形成する拡散燃焼形式であるため、可燃性ガスと燃焼空気とが完全混合し燃焼が完結するまである程度時間が必要となるので、2次燃焼室の小型化が制約されていた。
そこで、本発明は廃棄物をガス化することによって発生する可燃性ガスを燃焼させる燃焼バーナにおいて、簡単な構造で燃焼性を向上させることが可能な部分予混合形式の燃焼バーナを提供するものである。
本発明は、廃棄物ガス化で発生する可燃性ガスを燃焼させる燃焼バーナにおいて、可燃性ガスダクトから導入される可燃性ガスと燃焼空気ダクトから導入される燃焼空気とを部分予混合させるガス混合室と、ガス混合室に次いでガス混合室で部分予混合したガスを2次燃焼室内に噴出し燃焼火炎を形成する、2次燃焼室内に複数並列に配置された混合ガス噴出口とを備え、前記混合ガス噴出口がスリット型ノズルであり、前記燃焼空気ダクトが接続された風箱により前記可燃性ガスダクトを、間隔をおいて取り囲んで燃焼空気通路を形成し、燃焼空気通路に整流板を設け、該燃焼バーナ内部の前記可燃性ガスダクト先端部に発生ガスを分流して流速を高め、燃焼空気との混合を行う縮小板を設置したことを特徴とする。
本発明は、燃焼バーナを従来のものより簡単な構造の部分予混合型燃焼バーナで代替するため、設備費を縮減できる。燃焼バーナの構造が簡単であるためバーナ内部におけるダスト閉塞トラブルの発生が少なく安定燃焼が可能である。
本発明の燃焼バーナは、部分予混合構造をとっているため、可燃性ガスと燃焼空気との混合性が従来の燃焼バーナより向上し、結果として可燃性ガスの燃焼完結時間を短縮できる。
本発明の燃焼バーナに供給する可燃性ガスは、キルン式、流動床式、シャフト炉式等の各形式の廃棄物処理炉で発生する可燃性ガスの燃焼バーナとして適用可能である。
本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は本発明の燃焼バーナを2次燃焼室に取り付けた状態を示す図、図2は2次燃焼室の燃焼バーナの断面図、図3(a)は図2のC−C断面を視た図、(b)は図2のB−B断面を視た図、(c)は2次燃焼室の内部からバーナタイルを視たA−A断面図である。
図1において、廃棄物処理炉で発生した可燃性ガスは、2次燃焼室1に可燃性ガスダクト2を経由して導入され、燃焼空気は燃焼空気ダクト3を経由して風箱4へ導入される。なお、可燃性ガスダクト2には熱保護のため断熱材を巻いたラギング2dが形成されている。導入された可燃性ガスと燃焼空気は、風箱4端部のバーナタイル9に形成された混合ガス噴出口6と可燃性ガスダクト2の出口との間に形成されたガス混合室5(図2)で部分予混合した上で複数の混合ガス噴出口6から2次燃焼室1内に噴出し火炎を形成する。
図2において、燃焼空気ダクト3が接続された風箱4により可燃性ガスダクトが間隔をおいて取り囲まれ、風箱4と可燃性ガスダクト2との間で燃焼空気通路7が形成さる。可燃性ガスダクト2の開口面積と風箱4の開口面積との比は、1:1.5から1:3.5の範囲とし、好ましくは1:2.4とする。風箱側の相対面積を1.5以下にすると燃焼空気の圧力損失によって必要な燃焼空気量が確保できず、また3.5以上にすると燃焼空気の流速が低く風箱内部で燃焼空気が偏り、可燃性ガスとの混合性が悪化することが懸念される。
図3(a)において、燃焼空気通路7には、燃焼空気を通す通孔8aが間隔おいて貫通している整流板8が設けられている。整流板8を設置することで低風量域においても燃焼空気を風箱4の内部で整流して均一に流すことが可能となる。
図3(c)において、混合ガス噴出口6の高さHと幅Wの比は、1:0.1から1:1の範囲とし、好ましくは1:0.25とする。混合ガス噴出口6を複数並列に設置することで相互に炙りあいバーナタイル9の表面をその輻射熱によって高温に保つため着火性、保炎性を確保できる。
可燃性ガスダクト2の出口には、可燃性ガスを分流して流速を速くしてガス混合室5に導入するため、ガス縮小板10が設けられている。特許文献1の燃焼バーナでは可燃性ガスヘッダーからの可燃性ガスを分流するノズル長が1mを超える長いものであるために可燃性ガスヘッダーから可燃性ガスノズルへのガス流が偏り、結果的にタールやダストによる閉塞が発生する場合がある。これに対して、本発明における燃焼バーナでは可燃性ガスを分流する縮小板10の長さが0.1〜1.0mの範囲と短いためガス偏流に起因したタール、ダスト類による閉塞が発生しにくい構造となっている。
燃焼空気ダクト3から風箱4に導入された燃焼空気は整流板8で整流後、ガス混合室5で可燃性ガスと衝突し部分混合ガスが形成される。可燃性ガスと燃焼空気の混合ガスは、混合ガス噴出口6から2次燃焼室内に噴出されバーナ火炎を形成する。可燃性ガスダクト2の周囲は燃焼空気の通過する風箱4で囲まれているため常に冷却されており、この結果、高温の可燃性ガスが可燃性ガスダクト2を通過してもダクトに特別の耐火構造を必要とせず、燃焼バーナ全体をコンパクト化できる。また、燃焼バーナのサイズに応じて、混合ガス噴出口6の個数を容易に増加させることができるため、燃焼性を変化させずにスケールアップが可能である。
本発明の燃焼バーナにおいて、可燃性ガスと燃焼空気の空気比を変化させて燃焼させた場合の同一構造及び寸法の2次燃焼室における出口ガス中CO濃度の比較を表1に示す。
Figure 0004533203
なお、2次燃焼室出口の残存O濃度とガス温度がほぼ一定になるように燃焼空気以外に2次空気ダクト3dから2次空気が2次燃焼室に吹き込まれている。燃焼バーナの空気比0.5から1.7の範囲ではCO濃度は数ppmであり良好な燃焼性を示している。なお空気比が0.5 未満では燃焼バーナが還元燃焼状態となり、また空気比1.7以上ではガス噴出口からのガス流速が早く、燃焼が不安定になるためCO濃度が上昇している。
図4は同じ組成の可燃性ガスを空気比1.0で従来の拡散燃焼バーナと本発明の部分予混合燃焼バーナでそれぞれ燃焼した場合の2次燃焼室内におけるCO濃度と滞留時間の関係を図示したグラフである。グラフより本発明による部分予混合の燃焼バーナの方が急速に燃焼が進むため炉内COガスの減衰が早いことが分かる。
本発明の燃焼バーナを2次燃焼室に取り付けた状態を示す図である。 2次燃焼室の燃焼バーナの断面図である。 (a)は図2のC−C断面を視た図、(b)は図2のB−B断面を視た図、(c)は2次燃焼室の内部からバーナタイルを視た図である。 従来の拡散燃焼バーナと本発明の部分予混合燃焼バーナでそれぞれ燃焼した場合のCO濃度と滞留時間の関係を図示したグラフである。 廃棄物溶融処理の例を示す系統図である。 (a)は従来の図燃焼バーナを2次燃焼室に取り付けた状態を示す図、(b)は燃焼バーナの構造を示す断面図である。
符号の説明
1:2次燃焼室
2:可燃性ガスダクト
2a:可燃性ガスヘッダー
2b:可燃性ガスノズル
2c:可燃性ガス噴出口
2d:ラギング
3:燃焼空気ダクト
3d:2次空気ダクト
3a:燃焼空気ヘッダー
3b:燃焼空気ノズル
3c:燃焼空気噴出口
3d:2次空気ダクト
4:風箱
5:ガス混合室
6:混合ガス噴出口
7:燃焼空気通路
8:整流板
8a:通孔
9:バーナタイル
10:ガス縮小板
11:廃棄物溶融炉
12:装入装置
13:出滓口
14:ガス管
15:ボイラ
16:蒸気タービン・発電装置
17:集じん装置
18:ブロワ
19:煙突

Claims (2)

  1. 廃棄物ガス化で発生する可燃性ガスを燃焼させる燃焼バーナにおいて、可燃性ガスダクトから導入される可燃性ガスと燃焼空気ダクトから導入される燃焼空気とを部分予混合させるガス混合室と、ガス混合室に次いでガス混合室で部分予混合したガスを2次燃焼室内に噴出し燃焼火炎を形成する、2次燃焼室内に複数並列に配置された混合ガス噴出口とを備え、前記混合ガス噴出口がスリット型ノズルであり、前記燃焼空気ダクトが接続された風箱により前記可燃性ガスダクトを、間隔をおいて取り囲んで燃焼空気通路を形成し、燃焼空気通路に整流板を設け、該燃焼バーナ内部の前記可燃性ガスダクト先端部に発生ガスを分流して流速を高め、燃焼空気との混合を行う縮小板を設置したことを特徴とする燃焼バーナ。
  2. 燃焼バーナが2次燃焼室内の同一平面上に複数基設置されることを特徴とする請求項1記載の燃焼バーナ。
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