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JP4532359B2 - 直流成分検出回路 - Google Patents

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JP4532359B2 JP2005194204A JP2005194204A JP4532359B2 JP 4532359 B2 JP4532359 B2 JP 4532359B2 JP 2005194204 A JP2005194204 A JP 2005194204A JP 2005194204 A JP2005194204 A JP 2005194204A JP 4532359 B2 JP4532359 B2 JP 4532359B2
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Description

本発明は、交流電流に重畳された直流成分を検出する直流成分検出回路に関する。
太陽電池や燃料電池等の直流発電設備により発電された電力を商用電力系統に連系させる場合、商用電力系統に同期した周波数の電力に変換するために系統連系インバータが使用される。このような系統連系インバータでは、回路素子の温度ドリフトや経時変化等の様々な理由で変換された交流電力に僅かに直流成分が重畳され、連系した商用電力系統に変圧設備があると、この直流成分により偏磁現象が発生する。
そのため、直流成分が大きくなると偏磁現象により大電流が発生し、変圧器が破壊される虞があるため、変圧器を無くすと共に系統連系インバータの交流出力側に直流検出器を備えて電流を監視し、重畳された直流電流が所定の大きさを超えたら連系を停止するシステムがある。
このシステム場合、直流検出器の検出レベルは系統連系インバータの定格交流電流の例えば1%以下、且つ検出時限0.5秒以内(分散型電源系統連系技術指針(JEAG9701−2001))となっている。
また、連系する商用電力系統には接地回路が備えられているため、直流発電設備側で地絡が発生した場合、地絡電流が流れて感電や火災が発生する虞がある。そのため、直流地絡が発生したら、それを検知して遮断する装置が備えられている。
このようなシステムに使用される直流検出回路及び地絡検出回路は、例えば非特許文献1に示す構成のものがある。この場合、直流検出は直流電流検出器(DCCT)で出力電流を検出し、運転開始直前に記憶したデータによりゼロ電流校正をした後、フィルタ処理を行い、直流分を検出している。また、直流地絡検出は、インバータ出力を交流変流器(ACCT)に通し、ACCTには交流バイアス電圧を加え、直流地絡電流が流れた時に急増する交流励磁電流を測定することで検出している。
桑原 祐、他3名、「平成16年電気学会 電力・エネルギー部門大会論文集,No.442」、平成16年8月5日、第49−7〜49−8頁(CD−ROM)
しかし、上記DCCTを用いて直流分を検出する方法は、ホール素子と内部増幅回路を有するので、オフセットが大きい上に、その値の個体差、温度、経時変化、大電流が流れることによる鉄芯の磁化で変動するため、装置定格の1%という小さな直流分を正確に測定するのが困難であった。
また、地絡検出も含めるとDCCT、ACCTの2個のCTが必要であり、コスト高であるし、大きな設置スペースが必要であった。
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、DCCTやACCTを使用することなく低コストで且つ高精度で直流分及び直流地絡の検出が可能な直流成分検出回路を提供することを目的とする。
上記課題を解決する為に、請求項に係る直流成分検出回路の発明は、電路電流を検出するために電路に直列に設けた抵抗素子と、前記抵抗素子で検出した電路電流から直流成分を抽出する直流抽出手段と、抽出した直流電流が所定値を越えたかどうか判定する直流判定手段とを、電路の両極に対して夫々設け、前記直流判定手段は、並列配置した一対の比較回路で構成され、一方の比較回路で前記直流電流のプラス側所定値を越えたか判定すると共に、他方の比較回路で直流電流のマイナス側所定値を越えたか判定し、前記直流電流がゼロ点を中心とした所定の範囲を外れたら信号を出力し、前記一対の比較回路が出力した信号が入力されるCPUを備えた制御部を有し、前記CPUは、前記一対の比較回路の双方から一定時間以上前記信号が入力されたら前記電路電流に直流成分が重畳されていると判断し、前記一対の回路の内の一方から一定時間以上前記信号が入力されたら前記電路に直流地絡が発生したと判断することを特徴とする。
この構成により、電路に抵抗を介在させる簡易な構成で直流電流成分を検出できる。そして、両極に設けた直流判定手段により、双方で所定値を越えた直流分を検出したら電路に直流成分が重畳されていると判断できるし、一方の電路の直流判定手段のみ所定値を越えたら直流地絡発生と判断でき、電路の安全確保に有効である。
また、直流判定手段をオペアンプで作成でき、温度ドリフト等の特性変化の小さい回路で構成できる。その結果、直流成分重畳の判定を高精度に而も安価に実現できる。
請求項の発明は、請求項1記載の発明において、前記直流抽出手段を、2段の反転増幅回路とフィルタ回路で構成し、前段の反転増幅回路で交流分を削減し、後段の反転増幅回路で直流分を増幅することを特徴とする。
この構成により、直流抽出手段をオペアンプで作成でき、温度ドリフト等の特性変化の小さい回路で構成できる。そのため、直流成分を高精度で抽出でき而も安価に実現できる。また、増幅する段階で直流成分のみ増幅するため、簡易な回路で直流成分を充分増幅させることができる。
本発明によれば、電路に抵抗を介在させる簡易な構成で直流電流成分を検出できる。そして、電路の双方の極に直流判定手段を設けることで検出した直流成分が所定値を越えたと判定したら電路に直流成分が重畳されていると判断できるし、一方の電路の直流判定手段のみ所定値を越えたら直流地絡発生と判断できる。
更に、直流抽出手段、直流判定手段をオペアンプで作成でき、温度ドリフト等の特性変化の小さい回路で実現できる。その結果、直流成分の検出を高精度で而も安価に実現できる。
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る直流成分検出回路の一例を示す回路図であり、1は直流成分が検出される電路、10は電路1に直列に挿入した抵抗素子、2は電路1に重畳された直流成分を抽出する直流抽出手段、3は直流分の大きさを判定する直流判定手段、4はCPU等の制御部に信号を送出するための出力回路である。
直流抽出手段2は、2段に構成した反転増幅回路11a,11bと、交流分をカットするフィルタ回路12を備え、1段目の反転増幅回路11aで交流分を削減し、2段目の反転増幅回路11bで直流分を増幅している。具体的に、例えば抵抗r1=r2=20kΩ、コンデンサc1=0.47μF、電路1の周波数を60Hzとすると、1段目の反転増幅回路11aで交流分は0.28倍、直流分は1倍に増幅される。また、抵抗r3=3kΩ、r4=300kΩ、コンデンサc2=0.1μF、インバータの出力周波数60Hzとすると、2段目の反転増幅回路11bで交流分は8.84倍、直流分は100倍に増幅される。
この結果、抵抗素子10により電圧として検出した電路電流情報は、反転増幅回路11a,11bで直流分は100倍に、交流分は2.5倍に増幅される。そしてローパスフィルタとして形成されたフィルタ回路12で交流分は除去され、直流電流成分が抽出されて直流判定手段3に出力される。尚、抵抗素子10は、例えば、0.1Ωの低抵抗値となっている。
直流判定手段3は、並列接続した一対の比較回路(コンパレータ)13a,13bで構成され、直流抽出手段2の出力を受けて、直流分が予め設定した範囲を外れたら信号を出力する。具体的に、一方の比較回路13aはプラス側の電流に対する設定値を有し、他方の比較回路13bはマイナス側の電流に対する設定値を有し、直流分がゼロポイントを中心とした所定の範囲から外れたら信号を出力する。
また、出力回路4はフォトカプラ14で構成され、コンパレータ13a,13bの出力と電気的に分離された信号が出力される。
このように、電路に抵抗を介在させる簡易な構成で直流電流成分を検出できる。また、直流抽出手段、直流判定手段をオペアンプで作成でき、温度ドリフト等の特性変化の小さい回路で構成できる。そのため、直流成分を高精度で検出でき而も安価に実現できる。
また、増幅する段階で直流成分のみ選択増幅するため、簡易な回路で直流成分を充分増幅させることができる。
尚、上記実施形態では、出力回路4を設けてコンパレータ13a,13bの出力と電気的に分離した信号を出力しているが、分離する必要が無ければ設ける必要がない。
図2は、図1の直流成分検出回路を系統連系インバータに適用した要部回路ブロック図を示している。図2において、6は連系させる直流電源、7は昇圧して交流に変換するインバータ部、8は平滑回路、9は単相3線式で構成される商用電力系統を示している。そして、15は直流成分検出回路であり、電路の両極に対して夫々設けられている。尚、上記図1と同一の構成要素には同一の符号を付与してある。また、16はインバータ部7を制御するCPUである。
インバータ部7では、直流電源6をコイル、スイッチ、ダイオードで必要な電圧に昇圧してコンデンサC5に充電し、4個のスイッチで櫛形状にした後、平滑回路8で平滑して正弦波状の交流電力を生成している。この生成した交流電力は、単相3線式の商用電力系統9の200V回路に対して出力され、CPU16を備えた図示しない制御部により目標電流を出力するように制御される。
このように電路の両極に対して直流成分検出回路15を設けることで以下のような動作が可能となる。直流成分検出回路15の出力はCPU16に接続され、CPU16はその信号を受けて直流補償動作を行っている。出力電流に直流分が重畳された場合、双方の直流成分検出回路15がそれを検出して信号を出力する。CPU16は、双方の信号が一定時間以上入力されたら直流分重畳と判断してインバータ運転を停止する。また、直流地絡が発生した場合、双方の直流成分検出回路15の直流判定手段3が同時に信号を出力する事はなく、何れか一方のみ信号を出力する。従って、一方の出力のみ一定時間以上受けたらCPU16は直流地絡発生と判断してインバータ運転を停止する。或いは遮断回路を操作して連系を解除する。
このように、双方の直流成分検出回路が検出した直流成分が共に所定値を越えたと判定したら電路に直流成分が重畳されていると判断できるし、一方の電路の直流成分検出回路のみ所定値を越えたと判断したら直流地絡発生と判断でき、直流電流成分が異常値を示した場合、それが直流地絡であるか容易に判断でき、電路の安全確保に有効である。
尚、上記実施形態では、系統連系インバータの出力電流に直流が重畳された場合の検出を説明しているが、本発明の直流成分検出回路は、交流電流に含まれている直流成分を検出する場合に好適であり、例えば汎用のモータ制御用インバータにおいて適用すれば、モータに直流分が重畳された電力を供給した時に発生する編磁現象を防ぐことができる。
本発明に係る直流成分検出回路の実施形態の一例を示す回路図である。 図1の直流成分検出回路を系統連系インバータに適用した要部ブロック図である。
符号の説明
1・・電路、2・・直流抽出手段、3・・直流判定手段、10・・抵抗素子、11a,11b・・反転増幅回路、12・・フィルタ回路、13a,13b・・比較回路、15・・直流成分検出回路。

Claims (2)

  1. 電路電流を検出するために電路に直列に設けた抵抗素子と、前記抵抗素子で検出した電路電流から直流成分を抽出する直流抽出手段と、抽出した直流電流が所定値を越えたかどうか判定する直流判定手段とを、電路の両極に対して夫々設け
    前記直流判定手段は、並列配置した一対の比較回路で構成され、一方の比較回路で前記直流電流のプラス側所定値を越えたか判定すると共に、他方の比較回路で直流電流のマイナス側所定値を越えたか判定し、前記直流電流がゼロ点を中心とした所定の範囲を外れたら信号を出力し、
    前記一対の比較回路が出力した信号が入力されるCPUを備えた制御部を有し、
    前記CPUは、前記一対の比較回路の双方から一定時間以上前記信号が入力されたら前記電路電流に直流成分が重畳されていると判断し、前記一対の回路の内の一方から一定時間以上前記信号が入力されたら前記電路に直流地絡が発生したと判断することを特徴とする直流成分検出回路。
  2. 前記直流抽出手段を、2段の反転増幅回路とフィルタ回路で構成し、前段の反転増幅回路で交流分を削減し、後段の反転増幅回路で直流分を増幅する請求項1記載の直流成分検出回路。
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