JP4529333B2 - 車輌の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アイドルストップ機能を有する車輌の制御装置に係り、特に自動変速機にモータ(ジェネレータ機能をも含む)を付設したハイブリッド車輌に用いて好適であり、詳しくはアイドルストップ時に、SOC(バッテリ残量)等の要求により運転者の意志を表していない場合にエンジンが作動する際の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、走行中において車輌が停止し、所定の停止条件が成立したときにエンジンを自動停止させ、燃料の節約、排気エミッションの低減及び騒音の低減等を図る、いわゆるアイドルストップ機能を有する車輌が多数提案されており、特に特開2000−264096号公報には、例えばバッテリの充電量が不足したとき或いは室内温が上昇したためエアコンのコンプレッサを作動させるときのように、運転者(ドライバ)が発進の意思を有していない場合に、前進クラッチが係合することによるショックや振動等の不快感をドライバに与えることを防止した、エンジン再始動時の制御装置が提案されている。
【0003】
このものは、前進クラッチを有する自動変速機を備えた車輌において、シフトポジションがDレンジ等の駆動ポジションであってもアクセルオフ、ブレーキオン等の所定停止条件が成立したときにエンジンを自動停止すると共に、アクセルオン等の所定再始動条件が成立したときに該自動停止したエンジンを再始動し、かつ該再始動を、前記前進クラッチを解放した状態で実施するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記エンジン再始動時の制御装置は、アクセルオン等のドライバの発進意思を検出した場合、例えバッテリの充電要求等によりエンジンが回転して、自動変速機の油圧が発生して、かつ急速増圧制御によりライン圧が直接前進クラッチの油圧サーボに供給されるとしても、該油圧サーボの油圧は、解放状態から立ち上がるため、前進クラッチの係合遅れを生じてドライバに違和感を与える可能性があり、また、切換えバルブは、上記急速増圧制御指令により開状態として、前進クラッチ用油圧サーボにライン圧を急速に供給して比較的ゆっくりと油圧上昇して、前進クラッチの係合を滑らかにしているが、このため切換えバルブのタイミング等の制御が複雑で面倒になっている。
【0005】
そこで本発明は、車輌の停車中におけるエンジン始動状態にあっては、クラッチの油圧を係合直前の状態にする低圧制御を行うことにより、上述した課題を解決した車輌の制御装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は、エンジン(2)の始動条件を判定するエンジン始動条件判定手段(13)と、前記エンジン始動条件判定手段(13)の判定に基づいて前記エンジン(2)を始動するエンジン始動手段(14)と、を備え、停止条件に基づいてエンジン(2)を自動停止制御し、前記始動条件に基づいて該エンジン(2)を再始動制御する車輌の制御装置において、
前記エンジン(2)の出力と駆動車輪との動力伝達を係合自在な摩擦係合要素(例えばC1)と、
前記摩擦係合要素(例えばC1)の係合状態を操作自在な油圧サーボと、
前記油圧サーボに油圧(P C1 )を供給自在な電動オイルポンプ(8)と、
前記エンジン(2)の自動停止制御、又は前記エンジン(2)の再始動制御に基づき、前記エンジン(2)の自動停止制御中に前記電動オイルポンプ(8)を駆動制御する電動オイルポンプ制御手段(15)と、を備え、前記エンジン(2)の自動停止制御中に、前記摩擦係合要素(例えばC1)を係合状態にすると共に、
前記車輌が停車中で、かつ前記エンジン(2)が自動停止制御されている状態にて、前記エンジン始動条件判定手段(13)が発進要求以外のエンジン(2)の始動条件を判定して前記エンジン(2)が前記再始動制御された際に、前記油圧サーボの油圧(PC1)を前記摩擦係合要素(例えばC1)が係合直前となる状態に低圧制御する低圧制御手段(17)を備える、
ことを特徴とする車輌の制御装置にある。
【0007】
請求項2に係る本発明は、前記エンジン(2)の出力が入力される入力軸(37)と前記駆動車輪との間に介在し、流体伝動装置(4)と複数の摩擦係合要素(例えばC1,C2,C3,B1,B2,B3,B4,B5,F1,F2)により伝達経路を切換えられるギヤ伝動手段とを有し、前記複数の摩擦係合要素(例えばC1,C2,C3,B1,B2,B3,B4,B5,F1,F2)の接・断により前記入力軸(37)の回転(Ni)を変速して前記駆動車輪に出力する自動変速機(10)を備え、
前記摩擦係合要素は、前記複数の摩擦係合要素(例えばC1,C2,C3,B1,B2,B3,B4,B5,F1,F2)のうちの、すくなくとも前進1速段に係合して前記入力軸(37)の回転(Ni)を接続する入力クラッチ(C1)である、
請求項1記載の車輌の制御装置にある。
【0008】
請求項3に係る本発明は、前記エンジン(2)の回転数(Ne)と前記入力軸(37)の回転数(Ni)との回転数差(ΔN)を検出する回転数差検出手段(18)を備え、
前記低圧制御は、前記回転数差検出手段(18)に基づくフィードバック制御である、
請求項2記載の車輌の制御装置にある。
【0009】
請求項4に係る本発明は、前記低圧制御は、前記油圧サーボの油圧(PC1)を目標の一定圧(PC1w)に制御する一定圧制御である、
請求項1または2記載の車輌の制御装置にある。
【0011】
請求項5に係る本発明は、前記低圧制御手段(17)は、前記エンジン始動条件判定手段(13)の判定に基づいて直ちに前記低圧制御を開始してなる、
請求項1ないし4のいずれか記載の車輌の制御装置にある。
【0012】
請求項6に係る本発明は、前記エンジン始動手段(14)は、前記エンジン始動条件判定手段(13)の判定の後、所定時間後(Ta)に前記エンジン(2)を始動してなる、
請求項5記載の車輌の制御装置にある。
【0013】
請求項7に係る本発明は、前記エンジン始動条件判定手段(13)は、バッテリ(28)の残量低下、又はエアコン(29)の始動に基づいて前記発進要求以外のエンジン(2)の始動条件を判定してなる、
請求項1ないし6のいずれか記載の車輌の制御装置にある。
【0014】
請求項8に係る本発明は、前記発進要求を検出する発進要求検出手段(19)を備え、
前記低圧制御手段(17)は、前記発進要求検出手段(19)により前記発進要求が検出されるまで前記低圧制御を継続してなる、
請求項1ないし7のいずれか記載の車輌の制御装置にある。
【0015】
請求項9に係る本発明は、前記発進要求検出手段(19)は、ブレーキペダルの操作状態(23)、又はスロットル開度(27)に基づいて前記発進要求を検出してなる、
請求項8記載の車輌の制御装置にある。
【0016】
請求項10に係る本発明は、前記摩擦係合要素(例えばC1)は、複数の摩擦板を有し、
前記油圧サーボは、前記油圧(PC1)に基づいて前記複数の摩擦板を押圧自在なピストンを有し、
前記低圧制御は、前記複数の摩擦板及び前記ピストンに介在する隙間を詰めた状態に前記油圧(PC1)を制御してなる、
請求項1ないし9のいずれか記載の車輌の制御装置にある。
【0019】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【0020】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によると、低圧制御手段が、車輌が停車中で、かつエンジンが自動停止制御されて摩擦係合要素が係合状態である状態から発進要求以外のエンジンの再始動制御がされた際に、エンジンの出力と駆動車輪との動力伝達を係合自在な摩擦係合要素が係合直前となるように油圧サーボの油圧を低圧制御するので、発進要求以外のエンジンの再始動制御がされた際に摩擦係合要素が係合せずにドライバの意図しない車輌の発進を防ぐことができるものでありながら、ドライバの発進要求がある際には直ぐに摩擦係合要素を係合させることができる。また、従来のような複雑な制御を不要とすることができ、比較的簡単な制御によってショックや振動等の不快感を与えないようにすることができる。
【0021】
請求項2に係る本発明によると、摩擦係合要素は、複数の摩擦係合要素のうちの、すくなくとも前進1速段に係合して、エンジンの出力が入力される入力軸の回転を接続する入力クラッチであるので、エンジンと駆動車輪との動力伝達を断ち、かつ直ぐに接続し得るようにすることができる。
【0022】
請求項3に係る本発明によると、低圧制御は、エンジンの回転数と入力軸の回転数との回転数差を検出する回転数差検出手段に基づくフィードバック制御であるので、経時的変化に対応して摩擦係合要素を係合直前にすることができる。
【0023】
請求項4に係る本発明によると、低圧制御は、油圧サーボの油圧を目標の一定圧に制御する一定圧制御であるので、比較的簡単な制御によって摩擦係合要素を係合直前にすることができる。
【0025】
請求項5に係る本発明によると、低圧制御手段は、エンジン始動条件判定手段の判定に基づいて直ちに低圧制御を開始するので、エンジンが始動される前に油圧サーボの油圧の低圧制御を開始することができる。
【0026】
請求項6に係る本発明によると、エンジン始動手段は、エンジン始動条件判定手段の判定の後、所定時間後に前記エンジンを始動するので、油圧サーボの油圧を低圧制御する間、エンジンを始動しないようにすることができる。それにより、摩擦係合要素の係合状態においてエンジンが始動することを防止することができる。
【0027】
請求項7に係る本発明によると、エンジン始動条件判定手段は、バッテリの残量低下、又はエアコンの始動に基づいて発進要求以外のエンジンの始動条件を判定するので、バッテリの残量低下、又はエアコンの始動により例えばドライバの意図しないエンジンの始動が行われても、摩擦係合要素が係合せずにドライバの意図しない車輌の発進を防ぐことができる。
【0028】
請求項8に係る本発明によると、発進要求を検出する発進要求検出手段を備えて、低圧制御手段が、発進要求検出手段により発進要求が検出されるまで低圧制御を継続するので、ドライバの発進要求がある際には直ぐに摩擦係合要素を係合させることができ、直ぐに車輌を発進させることができる。
【0029】
請求項9に係る本発明によると、発進要求検出手段は、ブレーキペダルの操作状態、又はスロットル開度に基づいて発進要求を検出するので、ブレーキペダルの操作状態、又はスロットル開度に基づき、ドライバの発進要求がある際には直ぐに摩擦係合要素を係合させることができ、直ぐに車輌を発進させることができる。
【0030】
請求項10に係る本発明によると、低圧制御は、摩擦係合要素の複数の摩擦板及び油圧サーボのピストンに介在する隙間を詰めた状態に油圧を制御するので、摩擦係合要素を係合直前の状態にするものでありながら、油圧サーボの油圧を上昇させることで、直ぐに摩擦係合要素を係合させることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を図に沿って説明する。まず、本発明の車輌の制御装置を適用し得る車輌の駆動系及びそこに設けられた自動変速機構について図2及び図3に沿って説明する。図2は本発明に係る車輌の駆動系を示すブロック模式図、図3は本発明に適用される自動変速機構5を示す図で、(a)は自動変速機構5のスケルトン図、(b)はその作動表である。
【0034】
図2に示すように、駆動源は、エンジン2及びモータ・ジェネレータ(M/G)3により構成されており、その駆動力は自動変速機10に出力される。自動変速機10は、流体伝動装置の一例であるトルクコンバータ(T/M)4、自動変速機構5、油圧制御装置6、機械式オイルポンプ7、及び電動オイルポンプ8から構成されている。該自動変速機構5は、入力される駆動力を所定の車輌走行状況に基づいて変速し、車輪等に出力する。また、該自動変速機構5には、変速を行うための複数の摩擦係合要素が配設されており、その摩擦係合要素の係合を油圧制御して変速し、かつ上記トルクコンバータ4を制御するための油圧制御装置6が備えられている。そして、該油圧制御装置6に油圧を供給するための機械式オイルポンプ7及び電動オイルポンプが、それぞれ配設されている。該機械式オイルポンプ7は、トルクコンバータ4と連動するように配設されており、エンジン2及びモータ・ジェネレータ3の駆動力により駆動される。また、電動オイルポンプ8は、エンジン2及びモータ・ジェネレータ3の駆動力とは独立しており、不図示のバッテリから電力供給されるモータにより駆動される。
【0035】
ついで、自動変速機構5について説明する。図3(a)に示すように、主自動変速機構30は、エンジン出力軸に整列して配置される第1軸(以下、「入力軸」とする。)37上に配置されており、エンジン2(E/G)及びモータ・ジェネレータ(M/G)3よりロックアップクラッチ36を有するトルクコンバータ4を介して上記入力軸37に駆動力が伝達される。該入力軸37には、トルクコンバータ4に隣接する機械式オイルポンプ7及び電動オイルポンプ8、ブレーキ部34、プラネタリギヤユニット部31、クラッチ部35が順に配置されている。
【0036】
プラネタリギヤユニット部31はシンプルプラネタリギヤ32とダブルピニオンプラネタリギヤ33から構成されている。該シンプルプラネタリギヤ32は、サンギヤS1、リングギヤR1、及びこれらギヤに噛合するピニオンP1を支持したキャリヤCRからなり、また、該ダブルピニオンプラネタリギヤ33は、サンギヤS2、リングギヤR2、並びにサンギヤS1に噛合するピニオンP2及びリングギヤR2に噛合するピニオンP3を互に噛合するように支持するキャリヤCRからなる。そして、サンギヤS1及びサンギヤS2は、それぞれ入力軸37に回転自在に支持された中空軸に回転自在に支持されている。また、キャリヤCRは、前記両プラネタリギヤ32,33に共通しており、それぞれサンギヤS1,S2に噛合するピニオンP1及びピニオンP2は一体に回転するように連結されている。
【0037】
ブレーキ部34は、内径側から外径方向に向って順次ワンウェイクラッチF1、ブレーキB1そしてブレーキB2が配設されており、また、カウンタドライブギヤ39はスプラインを介してキャリヤCRに連結している。更に、リングギヤR2にワンウェイクラッチF2が介在しており、該リングギヤR2外周とケースとの間にはブレーキB3が介在している。また、クラッチ部35は、入力クラッチ(摩擦係合要素)であるフォワードクラッチ(以下、単に「クラッチ」とする。)C1及びダイレクトクラッチC2を備えており、該クラッチC1は、リングギヤR1外周に介在しており、また、該ダイレクトクラッチC2は、不図示の可動部材の内周と中空軸先端に連結されたフランジ部との間に介在している。
【0038】
副変速機構40は、入力軸37に平行に配置された第2軸43に配設されており、これら入力軸37及び第2軸43は、ディファレンシャル軸(左右車軸)45l ,45rからなる第3軸と合せて、側面視3角状に構成されている。そして、該副変速機構40は、シンプルプラネタリギヤ41,42を有しており、キャリヤCR3とリングギヤR4が一体に連結すると共に、サンギヤS3,S4同士が一体に連結して、シンプソンタイプのギヤ列を構成している。更に、リングギヤR3がカウンタドリブンギヤ46に連結して入力部を構成し、またキャリヤCR3及びリングギヤR4が出力部となる減速ギヤ47に連結している。更に、リングギヤR3と一体サンギヤS3,S4との間にUDダイレクトクラッチC3が介在し、また一体サンギヤS3(S4)がブレーキB4にて適宜係止し得、かつキャリヤCR4がブレーキB5にて適宜係止し得る。これにより、該副変速機構40は、前進3速の変速段を得られる。
【0039】
また、第3軸を構成するディファレンシャル装置50は、デフケース51を有しており、該ケース51には前記減速ギヤ47と噛合するギヤ52が固定されている。更に、デフケース51の内部にはデフギヤ53及び左右サイドギヤ55,56が互に噛合してかつ回転自在に支持されており、左右サイドギヤから左右車軸45l,45rが延設されている。これにより、ギヤ52からの回転が、負荷トルクに対応して分岐され、左右車軸45l,45rを介して左右の前輪に伝達される。
【0040】
上記クラッチC1,C2及びブレーキB1,B,2B,3,B4,B5のそれぞれには、前述の油圧制御装置6により制御された油圧が供給されることにより駆動制御される油圧サーボ(不図示)が備えられており、該油圧サーボは、それらクラッチやブレーキに隙間を介在させて配設されている複数の内摩擦板と外摩擦板とを押圧するためのピストンを有して、それらクラッチやブレーキの係合状態を操作自在になっている。なお、以下の説明において、クラッチC1の係合直前の状態とは、上記ピストン、内摩擦板及び外摩擦板のそれぞれの間に介在する隙間を詰めているで、かつクラッチC1が係合しない状態である。
【0041】
ついで、本自動変速機構5の作動を、図3(b)に示す作動表に沿って説明する。1速(1ST)状態では、クラッチC1,ワンウェイクラッチF2及びブレーキB5が係合する。これにより、主変速機構30は、1速となり、該減速回転がカウンタギヤ39,46を介して副変速機構40におけるリングギヤR3に伝達される。該副変速機構40は、ブレーキB5によりキャリヤCR4が停止され、1速状態にあり、前記主変速機構30の減速回転は、該副変速機構40により更に減速されて、そしてギヤ47,52及びディファレンシャル装置50を介して車軸45l,45rに伝達される。
【0042】
2速(2ND)状態では、クラッチC1の外、ブレーキB2が係合すると共に、ワンウェイクラッチF2からワンウェイクラッチF1に滑らかに切換わり、主変速機構30は2速状態となる。また、副変速機構40は、ブレーキB5の係合により1速状態にあり、この2速状態と1速状態が組合さって、自動変速機構5全体で2速が得られる。
【0043】
3速(3RD)状態では、主変速機構30は、クラッチC1、ブレーキB2及びワンウェイクラッチF1が係合した上述2速状態と同じであり、副変速機構40がブレーキB4を係合する。すると、サンギヤS3,S4が固定され、リングギヤR3からの回転は2速回転としてキャリヤCR3から出力し、従って主変速機構30の2速と副変速機構40の2速で、自動変速機構5全体で3速が得られる。
【0044】
4速(4TH)状態では、主変速機構30は、クラッチC1、ブレーキB2及びワンウェイクラッチF1が係合した上述2速及び3速状態と同じであり、副変速機構40は、ブレーキB4を解放すると共にUDダイレクトクラッチC3が係合する。この状態では、リングギヤR3とサンギヤS3(S4)が連結して、両プラネタリギヤ41,42が一体回転する直結回転となる。従って、主変速機構30の2速と副変速機構40の直結(3速)が組合されて、自動変速機構5全体で、4速回転が得られる。
【0045】
5速(5TH)状態では、クラッチC1及びダイレクトクラッチC2が係合して、入力軸37の回転がリングギヤR1及びサンギヤS1に共に伝達されて、主変速機構30は、ギヤユニット31が一体回転する直結回転となる。また、副変速機構40は、UDダイレクトクラッチC3が係合した直結回転となっており、従って主変速機構30の3速(直結)と副変速機構40の3速(直結)が組合されて、自動変速機構5全体で、5速回転が得られる。
【0046】
後進(REV)状態では、ダイレクトクラッチC2及びブレーキB3が係合すると共に、ブレーキB5が係合する。この状態では、主変速機構30にあっては、後進回転が取り出され、また副変速機構40は、ブレーキB5に基づきキャリヤCR4が逆回転方向にも停止され、1速状態に保持される。従って、主変速機構30の逆転と副変速機構40の1速回転が組合されて、逆転減速回転が得られる。
【0047】
なお、図3(b)において、三角印は、エンジンブレーキ時に作動することを示す。即ち、1速にあっては、ブレーキB3が係合して、ワンウェイクラッチF2に代ってリングギヤR2を固定する。2速、3速、4速にあっては、ブレーキB1が係合して、ワンウェイクラッチF1に代ってサンギヤS2を固定する。
【0048】
次に、本発明に係る車輌の制御装置について図1に沿って説明する。図1は本発明の実施の形態に係る車輌の制御装置を示すブロック図である。図1に示すように、車輌の制御装置は制御部(ECU)Uを備えており、該制御部Uは上述したエンジン(E/G)2、油圧制御装置6、電動オイルポンプ(EOP)8、及びモータ・ジェネレータ(M/G)3(図2参照)に接続されている。また、該制御部Uには、例えば運転席に配設されているシフトレバー22、ブレーキペダル(及びサイドブレーキ)に設けられているブレーキセンサ23、自動変速機10の出力軸である上記車軸45l,45r上に設けられている出力軸回転センサ24、上記入力軸37上に設けられている入力軸回転センサ25、上記エンジン2に設けられているエンジン回転数センサ26、スロットル開度センサ27、が接続されており、更に、バッテリ28、(室内)エアコン29等が接続されている。
【0049】
制御部Uには、エンジン停止条件判定手段11と、エンジン停止手段12、エンジン始動条件判定手段13、エンジン始動手段14、電動オイルポンプ(EOP)制御手段15、エンジン状態検出手段16、クラッチ低圧制御手段17、回転数差検出手段18、発進要求検出手段19、ニュートラル(N)制御手段20、及び学習制御手段21、が備えられている。
【0050】
エンジン停止条件判定手段11は、例えば車速センサ24により車輌が停止状態で、かつブレーキセンサ23によりブレーキがONで、かつスロットル開度センサ27によりスロットル開度が0%で、かつエンジン回転数センサ26によりエンジン回転数Neがアイドル回転数付近であることが検出され、更に、バッテリの残量が充分あり、エアコンの稼動されてない、等の条件に該当する際に、エンジン2の停止条件として判定する。すると、エンジン停止手段12は、該判定に基づいてエンジン2を停止する。また、EOP制御手段15は、上述ように機械式オイルポンプ7がエンジン2に連動して停止するため、電動オイルポンプ8を駆動制御して油圧制御装置6に油圧を供給する。
【0051】
エンジン始動条件判定手段13は、上述したエンジン停止手段12によりエンジン2が停止されている状態から、発進要求以外のエンジン始動条件、つまりバッテリの残量が不足する状態になった場合、又はエアコンが稼動されてエンジン2に連動する不図示のコンプレッサが駆動された場合、等の条件が成立すると、エンジン2の始動条件として判定する。すると、エンジン始動手段14は、該判定に基づいてエンジン2を始動する。また、EOP制御手段15は、上記機械式オイルポンプ7がエンジン2に連動して駆動し、油圧制御装置6に油圧を供給するため、電動オイルポンプ7を停止制御する。
【0052】
クラッチ低圧制御手段17は、車輌が停車中で、かつエンジン停止手段12によりエンジン2が停止されている状態で、エンジン始動条件判定手段13によりエンジン2の始動条件が判定されると、該エンジン2の出力が入力される入力軸37の回転と自動変速機構5との係合を行うクラッチC1(図3参照)の油圧PC1を低圧(詳しくは後述する)に制御する。またこの際、エンジン始動手段14は、エンジン2が始動する前に、上記クラッチ低圧制御手段17によりクラッチC1の油圧PC1を低圧に下げる必要があるため、所定時間Ta後にエンジン2の始動を行う。
【0053】
エンジン状態検出手段16は、クラッチ低圧制御手段17によりクラッチC1の油圧PC1を低圧に制御した状態で、エンジン始動手段14によりエンジン2の始動が完了したこと検出すると、クラッチ低圧制御手段17によるクラッチC1の低圧制御を終了し、ニュートラル(N)制御手段20によるニュートラル制御を開始させる。
【0054】
ニュートラル制御手段20には、エンジン回転数センサ26と入力軸回転数センサ25とにより、エンジン回転数Neと入力軸回転数Niとの回転数の差を検出する回転数差検出手段18が接続されており、回転数差検出手段18の検出に基づき、クラッチC1の油圧PC1を、該クラッチC1を係合直前の状態となる待機圧PC1wに制御するようなニュートラル制御(詳しくは後述する)を行う。また、該ニュートラル制御手段20には、スロットル開度センサ27ないしブレーキセンサ23等に基づいてドライバの発進要求を検出する発進要求検出手段19が接続されており、該発進要求検出手段19の検出に基づいてニュートラル制御を終了する。なお、本実施の形態において、ニュートラル制御手段20は、上述のようにエンジン回転数Neと入力軸回転数Niとの回転数差に基づいてクラッチC1の係合直前の状態となる待機圧PC1wを検出しているが、これに限らず、自動変速機10の状態(例えば入力軸回転数Niの変化、クラッチC1の回転数変化など)に基づいて上記待機圧PC1wを検出するようにしてもよい。
【0055】
学習制御手段21は、上述のようにニュートラル制御を終了した際のベース圧PC1mを記憶し(詳しくは後述する)、クラッチ制御手段17に出力する。それを受けたクラッチ制御手段17は、上述のようにクラッチC1の油圧PC1を低圧制御する際(エンジン始動条件が判定された際)に、該油圧PC1を該待機圧PC1wになるように低圧制御する。
【0056】
ここで、通常のニュートラル制御について図14に沿って説明する。図14はニュートラル制御の一例を示すタイムチャートである。例えばシフトレバー22がDレンジに選択されており、かつエンジンが停止していない状態で車輌が停止する場合においては、図14に示すように、エンジン回転数Neが略一定のアイドル回転数である。時点taから時点tbにおいて、車輌の速度が下がると、クラッチC1が係合しているため、不図示の車輪から自動変速機構5を介して入力軸37の回転数Niも降下する。この際、ニュートラル制御手段20は、該入力軸回転数Niの降下率に基づいて車速がゼロになるときを推定する。なお、この状態では、入力軸37とエンジン2との間に介在するトルクコンバータ4がその回転の相違を吸収している状態である。
【0057】
時点tbにおいて、入力軸回転数Niがゼロになると、例えばスロットル開度センサ27によりスロットル開度が所定値以下であること、ブレーキセンサ23によりブレーキがONであること、不図示の油温センサにより油温が所定温度以上であること、などを条件として検出し、ニュートラル制御開始の判断を行う。該ニュートラル制御開始の判断がなされると、時点tbから時点tcにおいて、ニュートラル制御手段20は、クラッチC1の油圧PC1を徐々に下げる(スイープダウンする)クラッチ解放制御を行い、詳しくは後述するクラッチC1が係合直前の状態となるように該油圧PC1を制御する。なお、入力軸回転数Niは、クラッチC1の係合が断たれるので、トルクコンバータ4からのトルクを受けて回転を開始する。
【0058】
その後、時点tcから時点tdの間において、クラッチC1の油圧PC1がその係合を断つように制御され、入力軸37と車輪との動力伝達が断たれている状態、即ち略々ニュートラル状態となるインニュートラル制御(詳しくは後述する)を行う。またこの際に、ニュートラル制御手段20は、油圧制御装置6に信号を出力し、例えばクラッチC1、ブレーキB1,B2,B5を係合して、ワンウェイクラッチF1を係合させると共にワンウェイクラッチF2の逆回転阻止によりヒルホールド制御を行う。なお、入力軸回転数Niは、トルクコンバータ4からのトルクにより回転されている状態となる。
【0059】
時点tdにおいて、ドライバによる発進要求(例えばブレーキペダルが所定踏力が所定量以下となる等)を検出すると、ニュートラル制御手段20は、インニュートラル制御を終了し、また、ヒルホールド制御を終了する(ブレーキB1、B2を解放して1速状態にする。)と共に、クラッチC1の油圧PC1を上昇させるクラッチ係合制御を行い、エンジン回転数Neと入力軸回転数Niとの回転数差に応じて該クラッチC1を徐々に係合(スウィープアップ)させる。すると、入力軸37と停止している車輪とが係合され、入力軸回転数Niが0となる。更に時点teにおいて、クラッチC1が係合状態となると、トルクコンバータ4からのトルクにより入力軸回転数Niが上昇し、係合しているクラッチC1を介して車輪が回転して、つまり車輌が発進する。
【0060】
ついで、上記インニュートラル制御中について図15ないし図17に沿って詳細説明する。図15はインニュートラル制御中の油圧制御を詳示するタイムチャート、図16は入力クラッチが引きずり領域にある場合を示すタイムチャート、図17は入力クラッチがスリップ領域にある場合を示すタイムチャートである。図15に示すように、インニュートラル制御中(図14に示す時点tcから時点td)においては、上述のようにクラッチC1の油圧PC1が、該クラッチC1が係合直前になるような油圧に制御されている。この状態で、ニュートラル制御手段20は、クラッチC1の油圧PC1を1段階の増圧分ΔPUPだけ増圧させ、回転数差検出手段18によりエンジン回転数センサ26及び入力軸回転数センサ25からエンジン回転数Neと入力軸回転数Niとの回転数差ΔNを検出する。そして、ニュートラル制御手段20は、該回転数差検出手段18により検出された回転数差ΔNに基づく変化率ρ、つまり該回転数差ΔNの変化量δとその時間との関係によりフィードバック制御を開始する。
【0061】
この際、図16に示すように、ニュートラル制御手段20は、開始時点tS0より終了時点tS3までのサンプリングタイムTsamを設定し、該サンプリングタイムTsamを例えば3等分することにより得られる開始時点tS0より時点tS1までの第1時間TS1、開始時点tS0より時点tS2までの第2時間TS2及び該サンプリングタイムTsamのそれぞれに対応した回転数差ΔNの変化量閾値ΔNRiを、それぞれ変化量閾値ΔNRA、ΔNRB、ΔNRCとして基準変化量ΔNmに対して設定する。例えば入力クラッチC1が係合せず、僅かに接触するような引きずり領域である場合、第1時間TS1、第2時間TS2及びサンプリングタイムTsamの間に、回転数差ΔNの変化量δがそれぞれ設定された変化量閾値ΔNRA、ΔNRB、ΔNRCを超えることがなく、該サンプリングタイムTsamを終えて再度クラッチC1の油圧PC1を増圧分ΔPUPだけ増圧させ、繰り返して同様のサンプリングタイムTsamの設定を行って、以降この制御を繰り返す。
【0062】
図17に示ように、例えば時点tS4において、回転数差ΔNの変化量δが上記変化量閾値ΔNRA(ΔNRB、ΔNRCの場合も同様であるので説明を省略する)を超えた場合には、クラッチC1が係合を開始してスリップ領域にあるとして、クラッチC1の油圧PC1を1段階の減圧分ΔPDOWNだけ減圧すると共に、上記サンプリングタイムTsamの設定し、つまり上述と同様に開始時点tS4より終了時点tS7までのサンプリングタイムTsamと、開始時点tS4より時点tS5までの第1時間TS1と、開始時点tS4より時点tS6までの第2時間TS2とに対応した回転数差ΔNの変化量閾値ΔNRA、ΔNRB、ΔNRCを基準変化量ΔNmに対して設定する。この場合、クラッチC1の油圧PC1が1減圧分ΔPDOWNだけ減圧されているため、クラッチC1の係合状態は、スリップ領域より引きずり領域に戻される形であるので、回転数差ΔNの変化量δは略々変化せず、開始時点tS4より終了時点tS7までのサンプリングタイムTsamが終了する。すると、再度クラッチC1の油圧PC1を増圧分ΔPUPだけ増圧させるが、同様に変化量δが変化量閾値ΔNRAを超えて、クラッチC1の油圧PC1が1段階の減圧分ΔPDOWNだけ減圧される。これにより、エンジン回転数Neと入力回転数Niとの回転数差ΔNの変化率ρに基づくフィードバック制御が行われる。
【0063】
つづいて、本発明に係る車輌の制御装置の制御について図4ないし図12に沿って説明する。図4及び図5は本発明に係る車輌の制御装置の制御を示すフローチャート、図6はクラッチ解放制御S50を示すフローチャート、図7はインニュートラル制御S130を示すフローチャート、図8はクラッチ係合制御S150を示すフローチャート、図9及び図10はインニュートラル制御におけるフィードバック制御S132を示すフローチャート、図11はフィードバック制御における閾値の更新処理S132dを示すフローチャート、図12は電動オイルポンプ(EOP)制御を示すフローチャートである。なお、図4に示す▲1▼は図7の▲1▼に、図7に示す▲2▼は図4の▲2▼に、図4に示す▲3▼は図5の▲3▼に、図4に示す▲4▼は図5の▲4▼に、図4に示す▲5▼は図5の▲5▼に、図4に示す▲6▼は図5の▲6▼に、図9に示す▲7▼は図10の▲7▼に、図9に示す▲8▼は図10の▲8▼に、それぞれ接続されていることを示している。
【0064】
まず、電動オイルポンプ(EOP)制御S200について図12に沿って説明する。制御をスタートすると(S201)、エンジン回転数Neが例えばアイドリング回転数よりも低い値である第1の所定値以下であるか否かを判定し(S202)、該第1の所定値以下である場合には電動オイルポンプ8を駆動し(S203)、機械式オイルポンプ7がエンジン2と連動して停止(ないし駆動力の低下)したことに伴う油圧供給の停止(ないし低下)を該電動オイルポンプ8の油圧供給により補う。また、ステップS202において、エンジン回転数Neが第1の所定値以下でない場合には、ステップS204に進み、エンジン回転数Neが第2の所定値以上であるか否かを判定する(S204)。エンジン回転数Neが第2の所定値以上でない場合は、そのまま電動オイルポンプ8を駆動又は停止状態に維持する。また、エンジン回転数Neが第2の所定値以上である場合には、電動オイルポンプ8を停止する(S205)。
【0065】
以上のように、機械式オイルポンプ7の油圧供給がエンジン回転数Neに比例して上下するので、該機械式オイルポンプ7の油圧供給が下がった場合には、電動オイルポンプ8により油圧供給を行う。それにより、クラッチC1の油圧PC1に常に油圧供給を行うことができる。なお、第1の所定値と第2の所定値との値を相違させることにより、ハンチングを防止することができる。また、以下の説明において、エンジン2の停止は電動オイルポンプ8の駆動を意味し、エンジン2の始動は電動オイルポンプ8の停止を意味するが、その説明を省略する。
【0066】
ついで、本発明に係る車輌の制御装置の制御が制御部Uにより制御を開始されると(S10)、まず上述した各センサ(図1参照)からの入力信号を処理し(S20)、エンジン停止条件判定手段11により停止条件が判定されてエンジン停止手段12によってエンジン2が自動停止中であるか否かを判定する(S30)。エンジン2が自動停止中でない、つまりエンジン2が駆動中である場合は、ステップS40に進み、例えばブレーキON、スロットル開度が所定値以下、車速が(推定)ゼロ、シフトレンジがDレンジ、などの条件に基づくニュートラル制御開始の条件が成立しているか否か判定する。該条件に該当しない場合は、車輌が走行中であるか、又は発進要求があるような場合であるので、▲6▼を介して図5中のステップS170に進み、そのままリターンする。
【0067】
ステップS40において、ニュートラル制御開始の条件が成立すると(図14の時点tb参照)、ステップS50に進み、ニュートラル制御手段20は上述したようなニュートラル制御を開始する。該ニュートラル制御においては、図6に示すように、まず、クラッチC1の油圧PC1を下げてクラッチC1を解放制御(図14の時点tbから時点tc参照)を開始し(S51)、クラッチC1の油圧PC1を待機圧PC1wにスイープダウンする(S52)。そして、回転数差検出手段18により検出されるエンジン回転数Neと入力軸回転数Niとの回転数差ΔNが所定以内になったか否かを判定する(S53)。該回転数差が所定以内になっていない場合は(ステップS53のNo)、つまりクラッチC1の油圧PC1が目標とする待機圧PC1wになっていないため、上記スイープダウン(S53)を継続する。その後、該回転数差ΔNが所定以内になると(ステップS53のYes)、上記スイープダウンを終了する(S54)。
【0068】
上記スイープダウンを終了すると(つまりS50を終了すると)、該クラッチC1の解放制御が終了したか否か判断する(S70)。該クラッチC1の解放制御が終了していない場合は、ステップS50に戻り、クラッチC1の解放制御を再度行う。そして、クラッチC1の油圧PC1が待機圧PC1wになり、クラッチ解放制御が終了したことを判定すると(ステップS70のYes)、▲4▼を介して図5中のステップS130に進む。また、この間に、ニュートラル制御終了の条件、つまりスロットル開度が所定値以上、ブレーキがOFFなどに基づく発進要求が発進要求検出手段19により検出された場合、又はシフトレンジが非走行レンジ以外(例えばN、Pレンジなど)に選択された場合、などの条件が成立すると(S60)、該ニュートラル制御を終了する。この際は、▲3▼を介して図5中のステップS150に進み、クラッチC1の解放途中にある油圧PC1を再び上昇させて係合させるため、後述するクラッチ係合制御を行う。なお、シフトレンジが非走行レンジに選択された場合には、クラッチC1の係合(S150)は行わずに、クラッチC1の油圧PC1を解放する。
【0069】
上述のように、クラッチC1の解放制御が終了すると(S70)、図5中のステップS130において、インニュートラル制御(図14の時点tcから時点td参照)を開始する。該インニュートラル制御においては、図7に示すように、まず、インニュートラル制御を開始し(S131)、上述したエンジン回転数Neと入力軸回転数Niとの回転数差ΔNに応じたクラッチC1の油圧PC1の制御を行う(S132)。
【0070】
図9に示すように、該回転数差ΔNに応じたクラッチC1の油圧PC1の制御を開始すると(S132a)、まず、回転数差ΔNをエンジン回転数Neと入力回転数Niとの差より検出しつつ(S132b)、上述したサンプリングタイムTsam(図16、図17参照)が経過したか否かを判定する(S132c)。該制御の初期状態では、サンプリングタイムTsamが経過していないとして(S132のNo)、ステップS132dに進み、回転数差ΔNの変化量閾値を更新(設定)の制御を開始する。
【0071】
該ステップS132dに進むと、図11に示すように、閾値更新処理を開始し(S132d−1)、まず、サンプリングタイムTsamが第1時間TS1を経過したか否かを判定し(S132d−2)、該第1時間TS1が経過していない場合は(S132d−2のNo)、変化量閾値ΔNRiを該第1時間TS1に対応した変化量ΔNRAに設定して(S132d−3)、リターンする(S132d−7)。また、該該第1時間TS1が経過している場合は(S132d−2のYes)、サンプリングタイムTsamが第2時間TS2を経過したか否かを判定し(S132d−4)、該第2時間TS2が経過していない場合は(S132d−4のNo)、変化量閾値ΔNRiを該第2時間TS2に対応した変化量ΔNRBに設定して(S132d−5)、リターンする(S132d−7)。そして、該該第2時間TS2が経過している場合は(S132d−4のYes)、変化量閾値ΔNRiをサンプリングタイムTsamに対応した変化量ΔNRCに設定して(S132d−6)、リターンし(S132d−7)、以上の制御を繰り返し行う。
【0072】
ついで、図9に示すように、上記ステップS132dにおいて変化量閾値の更新の制御を行いつつ、変化量δが変化量閾値ΔNRiを超えたか否かを判定する(S132e)(図16、図17参照)。変化量δが変化量閾値ΔNRiを超えていない場合には(S132eのYes)(図16参照)、つまりクラッチC1が引きずり領域であるので、▲8▼を介してステップS132mに進み、ステップS132aにリターンする。また、変化量δが変化量閾値ΔNRiを超えている場合には(S132eのNo)(図17参照)、クラッチC1がスリップ領域であると判断して、上述のようにクラッチC1の油圧サーボの油圧PC1を1段階の減圧分ΔPDOWNだけ減圧し、後述するカウンタCを例えば「1」加算して、サンプリングタイムTsamをリセットする(S132f)。そして、該クラッチC1の油圧PC1がスリップ領域であると判断される前、即ち引きずり領域であった最後の段階の油圧PC1を待機圧PC1mとして記憶し(S132g)、その後は、▲8▼を介してステップS132mに進んでステップS132aにリターンする。なお、この際に記憶する待機圧PC1mは、該クラッチC1の油圧PC1がスリップ領域であると判断される前の油圧PC1であるが(即ち、一段階増圧される前の油圧であるが)、1段階の減圧分ΔPDOWNだけ減圧した後の油圧PC1であってもよい。
【0073】
一方、上記ステップS132cにおいて、サンプリングタイムTsamが経過していると判定された場合には(S132cのYes)、▲7▼を介してステップS132hに進み、変化量δの絶対量が該サンプリングタイムTsamに対する変化量閾値ΔNRCを超えているか否かを判定する。上記ステップS132eにおいて、変化量δが変化量閾値ΔNRCを超えていない場合には(S132hのNo)、例えば図16に示すような1段階増圧された場合に拘らず変化量δが変化量閾値ΔNRCを超えていない場合と、例えば図17に示すような1段階減圧されて次回の増圧まで変化量δが変化量閾値ΔNRCを超えない場合と、の2通りがある。そこで、カウンタ閾値CRを設定し、上述したサンプリングタイムTsamがリセットされた場合に対して例えば「1」加算されるカウンタCに基づいて、それらの判定を行う。例えば図16に示すような1段階増圧された場合に拘らず引きずり領域であって、変化量δが変化量閾値ΔNRCを超えていない場合は、カウンタCがカウンタ閾値CR以下であって(ステップS132iのYes)、クラッチC1の油圧PC1を1段階増圧すると共に、カウンタCを例えば「1」減算して(S132j)、リターンする(S132m)。また、図17に示すような1段階減圧された後の引きずり領域であって、変化量δが変化量閾値ΔNRCを超えていない場合は、カウンタCがカウンタ閾値CR以上(即ち、サンプリングタイムTsamが繰り返しリセットされていくことで、カウンタCが繰り返し加算された状態)であって(ステップS132iのNo)、そのままリターンし(S132m)、つまり図17に示すようにサンプリングタイムTsamの間において、クラッチC1の油圧PC1が増圧されることはない。
【0074】
そして、図17に示すように、サンプリングタイムTsamが終了した場合に1段階増圧され、ステップS132hにおいて変化量δが変化量閾値ΔNRCを超えると(S132hのYes)、この際のクラッチC1はスリップ領域であるはずなので、1段階減圧し(S132k)、上記ステップS132gと同様に、該クラッチC1の油圧PC1がスリップ領域であると判断される前、即ち引きずり領域であった最後の段階の油圧PC1を待機圧PC1mとして記憶し(S132l)、ステップS132mに進んでステップS132aにリターンする。なお、この際も同様に記憶する待機圧PC1mは、該クラッチC1の油圧PC1がスリップ領域であると判断される前の油圧PC1であるが(即ち、一段階増圧される前の油圧であるが)、1段階の減圧分ΔPDOWNだけ減圧した後の油圧PC1であってもよい。
【0075】
以上のように回転数差に応じたクラッチC1の油圧PC1の制御を行うと(S132)、まず、インニュートラル制御を終了するか否かを判断し(S134)、終了しない場合は(ステップS134のNo)、インニュートラル制御を継続する。その後、発進要求検出手段19によりドライバの発進要求(ブレーキがOFF、スロットル開度が所定値以上、等)を検出した場合、或いはシフトレンジが前進レンジ以外に選択された場合には、インニュートラル制御を終了し(S134のYes)、上述のように待機圧PC1wを学習(記憶)して(S135)、終了する(S136)。また、この間に、エンジン回転数Neが所定回転数以下になったことを検出すると、エンジン2が自動停止されたことを判定し(S133)、▲2▼を介してステップS9に進み、クラッチ低圧待機指令(詳しくは後述する)を行う。
【0076】
上記インニュートラル制御(S130)が終了すると、ニュートラル制御終了の条件、つまり発進要求検出手段19によりドライバの発進要求(ブレーキがOFF、スロットル開度が所定値以上、等)を検出した場合、或いはシフトレンジがDレンジ以外に選択された場合などの条件が成立しているか否かを判定し(S140)、該条件が成立していない場合は(ステップS140のNo)、再度インニュートラル制御(S130)を行う。また、該条件が成立している場合は(ステップS140のYes)(図12、及び図14の時点td参照)、クラッチ係合制御を行う(S150)。該クラッチ係合制御では、図8に示すように、まず、クラッチ係合制御を開始し(S151)、上述のようにエンジン回転数Neと入力軸回転数Niとの回転数差ΔNに応じてクラッチC1の油圧PC1をスイープアップする(S152)。そして、クラッチC1の油圧PC1が所定圧以上であるか否かを判定し(S153)、該クラッチC1の油圧PC1が所定圧以上でない場合には(ステップS153のNo)、上記スイープアップを継続する。その後、該クラッチC1の油圧PC1が所定圧以上になると(ステップS153のYes)、クラッチ係合制御を終了し(S154)、ステップS160に進む。
【0077】
ステップS160において、クラッチC1の係合制御が終了しているか否かを判定し、該係合制御が終了していない場合には(ステップS160のNo)、再度クラッチ係合制御を行う。そして、上述のようにクラッチC1の油圧PC1が所定圧以上になり、該係合制御が終了している場合には(ステップS160のYes)、ステップS170に進み、ステップS10にリターンする。
【0078】
つづいて、本発明の要部である、車輌の停止状態においてエンジン2の停止状態から発進要求以外の始動条件によりエンジン2が再始動した際の制御について図4ないし図13にそって説明する。図13は車輌の停止状態においてエンジン停止状態からエンジンの再始動が行われた際を示すタイムチャートである。例えば図13の時点t1に示すように、車輌が停車すると共にエンジン停止条件が成立し、エンジン停止条件判定手段11により判定されると、つまりエンジン制御指令が「停止」となって、エンジン停止手段12によりエンジン2の停止が開始される。なお、この際、モータ・ジェネレータ3を逆駆動し、エンジン停止に伴うショックの低減を行う。また、該エンジン停止に伴って、機械式オイルポンプ7が連動して停止するため、時点t2において、EOP制御手段15により電動オイルポンプ8がONされる。時点t3において、エンジン停止が完了すると、モータ・ジェネレータ3も停止され、エンジン停止が完了する。すると、図4中のステップS30において、エンジン2が自動停止中であると判定され、まず、エンジン2が自動再始動したか否かを判定する(S80)。エンジン2がそのまま停止している場合には(S80のNo)、▲6▼を介してステップS170に進み、つまり何れの制御も行わないので、クラッチC1は係合されている状態(例えば通常のDレンジの状態)である。
【0079】
時点t4において、上述したような発進要求以外のエンジン始動条件(例えばバッテリ残量の不足、エアコンのONなどに伴うエンジン始動条件)が成立すると、エンジン制御指令が「始動」になると共に、エンジン始動条件判定手段13により判定され、つまりエンジン自動再始動の判定がなされる(ステップS80のYes)。すると、まず、クラッチ低圧制御手段17によりクラッチC1の油圧PC1を目標の一定圧である待機圧PC1wになるように低圧制御が開始される(S90)。一方、エンジン始動手段13は、不図示のタイマなどにより所定時間Taが経過するまでエンジン2の始動を開始せず、該所定時間Ta後にエンジン2の始動を開始する。つまり、クラッチC1の油圧PC1を低圧制御する間、エンジン2を始動しないので、クラッチC1が係合状態でエンジン2の始動することを防止することができる。即ち、発進要求以外の(つまりドライバの予期しない)エンジン2の再始動によりショックや振動等の不快感をドライバに与えることを防止することができる。
【0080】
時点t5において、所定時間Taが経過すると、エンジン始動手段14はエンジン2の始動を開始する。一方、時点t6において、エンジン2の始動に連動して機械式オイルポンプ7が駆動するので、EOP制御手段15により電動オイルポンプ8がOFFされる。そして、時点t7において、エンジン2の始動が完了し、エンジン状態検出手段16により該エンジン2の始動が検出されると(S100)、ニュートラル制御手段20によりインニュートラル制御を開始する(S131)。なお、この間(時点t5から時点t7の間)において、発進要求検出手段19によりドライバの発進要求が検出された場合には(S110)、クラッチC1を係合させるため、上記低圧制御により下げられた油圧PC1を再び上昇させてクラッチを係合し(S120)、車輌を発進させて、上述の制御を繰り返す(S170)。
【0081】
時点t7において、インニュートラル制御を開始すると(S130)、上述のように回転数差検出手段18により検出される回転数差ΔNに応じてクラッチC1の油圧PC1をフィードバック制御するので、クラッチC1を係合直前の状態にすることができる。その後、時点t8において、発進要求検出手段19がドライバの発進要求を検出すると(或いはシフトレンジが前進レンジ以外に選択されたことを検出すると)、ニュートラル制御手段20はインニュートラル制御を終了してフィードバック制御を解除すると共に、学習制御手段21が次回のクラッチC1の低圧制御を上述した待機圧PC1wに基づいて行えるように解除する際の待機圧PC1wを記憶する(S132g、S132l)。そして、クラッチC1の係合制御を行い(S150及びS160)、車輌を発進させる。
【0082】
このように、ニュートラル制御手段20は、エンジン始動後にニュートラル制御を行ってクラッチC1を係合直前の状態にすることで、ドライバの発進要求があった際にクラッチC1の係合が遅れることを防止している。また、学習制御手段21は、次回のクラッチC1の低圧制御を待機圧PC1wに基づいて行えるように上記解除する際の待機圧PC1wを記憶することで、クラッチ低圧制御手段17により低圧制御を行う際に、クラッチC1の油圧PC1を該クラッチC1が係合直前の状態となる最適な油圧に低圧制御する。それにより、経時的変化等に対応する低圧制御を行うことを可能とし、発進要求以外のエンジン2の再始動によりショックや振動等の不快感をドライバに与えずに、経時的変化等に対応している。
【0083】
なお、本発明に係る実施の形態において、電動オイルポンプ8及びEOP制御手段15により常にクラッチC1の油圧サーボに油圧供給されているため、上記クラッチ低圧制御手段17の行う制御は、エンジン2の再始動制御の際に係合直前の油圧に下げる制御であるが、電動オイルポンプ8及びEOP制御手段15を備えていないような車輌においては、クラッチ低圧制御手段17の制御を、エンジン2の再始動制御によって駆動された機械式オイルポンプ7によりクラッチC1の油圧サーボの油圧供給が上昇してくる油圧を係合直前の油圧に抑える制御としてもよい。
【0084】
以上のように、本発明に係る車輌の制御装置によると、車輌が停車状態であり、かつエンジン2が自動停止制御されている状態にて、該エンジン2が再始動制御されると、クラッチ低圧制御手段17がクラッチC1の油圧PC1をクラッチC1が係合直前の状態になるように低圧制御するので、該エンジン2の再始動時にはクラッチC1が係合せずにドライバの意図しない車輌の発進を防ぐことができるものでありながら、ドライバの発進要求がある際にはクラッチC1の油圧PC1を直ぐに係合することができる。また、従来のように、例えばクラッチC1に油圧供給するライン圧を急速増圧してから比較的ゆっくりとクラッチC1の油圧上昇をすること、切換えバルブ等の制御を複雑にすること、などのような複雑な制御を不要とすることができ、上述のように比較的簡単な制御によってショックや振動等の不快感をドライバに与えることを防止することができる。
【0085】
なお、本実施の形態において、エンジンの始動が完了した後にニュートラル制御を行っているが、クラッチ低圧制御手段によりクラッチの係合直前の状態に低圧制御しているので、発進要求が検出されるまで低圧制御を行ってもよく、この際も、ドライバの発進要求があった際にクラッチの係合が遅れることを防止することができる。
【0086】
また、本実施の形態においては、入力クラッチの低圧制御によってエンジン2と駆動車輪との動力伝達を断ち、かつ直ぐに係合し得るように制御しているが、その他のクラッチ、ブレーキ、また、複数のクラッチ、複数のブレーキ、クラッチとブレーキとの組合せ、などの油圧における低圧制御であってもよく、これに限らず、エンジン2と駆動車輪との動力伝達を断ち、かつ直ぐに係合し得るように低圧制御できるものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る車輌の制御装置を示すブロック図。
【図2】本発明に係る車輌の駆動系を示すブロック模式図。
【図3】本発明に適用される自動変速機構を示す図で、(a)は自動変速機構5のスケルトン図、(b)はその作動表。
【図4】本発明に係る車輌の制御装置の制御を示すフローチャート。
【図5】本発明に係る車輌の制御装置の制御を示すフローチャート。
【図6】クラッチ解放制御を示すフローチャート。
【図7】インニュートラル制御を示すフローチャート。
【図8】クラッチ係合制御を示すフローチャート。
【図9】インニュートラル制御におけるフィードバック制御を示すフローチャート。
【図10】インニュートラル制御におけるフィードバック制御を示すフローチャート。
【図11】フィードバック制御における閾値の更新処理を示すフローチャート。
【図12】電動オイルポンプ(EOP)制御を示すフローチャート。
【図13】車輌の停止状態においてエンジン停止状態からエンジンの再始動が行われた際を示すタイムチャート。
【図14】ニュートラル制御の一例を示すタイムチャート。
【図15】インニュートラル制御中の油圧制御を詳示するタイムチャート。
【図16】入力クラッチが引きずり領域にある場合を示すタイムチャート。
【図17】入力クラッチがスリップ領域にある場合を示すタイムチャート。
【符号の説明】
2 エンジン
4 流体伝動装置(トルクコンバータ)
8 電動オイルポンプ
10 自動変速機
13 エンジン始動条件判定手段
14 エンジン始動手段
15 電動オイルポンプ制御手段
17 クラッチ低圧制御手段
18 回転数差検出手段
19 発進要求検出手段
23 ブレーキペダルの操作状態(ブレーキセンサ)
27 スロットル開度(センサ)
28 バッテリ
29 エアコン
37 入力軸
C1 クラッチ(入力クラッチ)
Ne エンジン回転数
Ni 入力軸回転数
ΔN 回転数差
PC1 (入力クラッチの)油圧サーボの油圧
PC1w 目標の一定圧(待機圧)
Ta 所定時間
Claims (10)
- エンジンの始動条件を判定するエンジン始動条件判定手段と、前記エンジン始動条件判定手段の判定に基づいて前記エンジンを始動するエンジン始動手段と、を備え、停止条件に基づいてエンジンを自動停止制御し、前記始動条件に基づいて該エンジンを再始動制御する車輌の制御装置において、
前記エンジンの出力と駆動車輪との動力伝達を係合自在な摩擦係合要素と、
前記摩擦係合要素の係合状態を操作自在な油圧サーボと、
前記油圧サーボに油圧を供給自在な電動オイルポンプと、
前記エンジンの自動停止制御、又は前記エンジンの再始動制御に基づき、前記エンジンの自動停止制御中に前記電動オイルポンプを駆動制御する電動オイルポンプ制御手段と、を備え、前記エンジンの自動停止制御中に、前記摩擦係合要素を係合状態にすると共に、
前記車輌が停車中で、かつ前記エンジンが自動停止制御されている状態にて、前記エンジン始動条件判定手段が発進要求以外のエンジンの始動条件を判定して前記エンジンが前記再始動制御された際に、前記油圧サーボの油圧を前記摩擦係合要素が係合直前となる状態に低圧制御する低圧制御手段を備える、
ことを特徴とする車輌の制御装置。 - 前記エンジンの出力が入力される入力軸と前記駆動車輪との間に介在し、流体伝動装置と複数の摩擦係合要素により伝動経路を切換えられるギヤ伝動手段とを有し、前記複数の摩擦係合要素の接・断により前記入力軸の回転を変速して前記駆動車輪に出力する自動変速機を備え、
前記摩擦係合要素は、前記複数の摩擦係合要素のうちの、すくなくとも前進1速段に係合して前記入力軸の回転を接続する入力クラッチである、
請求項1記載の車輌の制御装置。 - 前記エンジンの回転数と前記入力軸の回転数との回転数差を検出する回転数差検出手段を備え、
前記低圧制御は、前記回転数差検出手段に基づくフィードバック制御である、
請求項2記載の車輌の制御装置。 - 前記低圧制御は、前記油圧サーボの油圧を目標の一定圧に制御する一定圧制御である、
請求項1または2記載の車輌の制御装置。 - 前記低圧制御手段は、前記エンジン始動条件判定手段の判定に基づいて直ちに前記低圧制御を開始してなる、
請求項1ないし4のいずれか記載の車輌の制御装置。 - 前記エンジン始動手段は、前記エンジン始動条件判定手段の判定の後、所定時間後に前記エンジンを始動してなる、
請求項5記載の車輌の制御装置。 - 前記エンジン始動条件判定手段は、バッテリの残量低下、又はエアコンの始動に基づいて前記発進要求以外のエンジンの始動条件を判定してなる、
請求項1ないし6のいずれか記載の車輌の制御装置。 - 前記発進要求を検出する発進要求検出手段を備え、
前記低圧制御手段は、前記発進要求検出手段により前記発進要求が検出されるまで前記低圧制御を継続してなる、
請求項1ないし7のいずれか記載の車輌の制御装置。 - 前記発進要求検出手段は、ブレーキペダルの操作状態、又はスロットル開度に基づいて前記発進要求を検出してなる、
請求項8記載の車輌の制御装置。 - 前記摩擦係合要素は、複数の摩擦板を有し、
前記油圧サーボは、前記油圧に基づいて前記複数の摩擦板を押圧自在なピストンを有し、
前記低圧制御は、前記複数の摩擦板及び前記ピストンに介在する隙間を詰めた状態に前記油圧を制御してなる、
請求項1ないし9のいずれか記載の車輌の制御装置。
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