JP4524234B2 - ポジ型レジスト組成物およびそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Description
さらにX線やEUV光を用いるリソグラフィーにおいても同様に高感度と高解像性等を両立させることが重要な課題となっており、これらの解決が必要である。
(B)活性光線または放射線の照射により酸を発生する下記一般式(B−I)で表される化合物
を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
Ar1〜Ar3は、各々独立して、炭素数6〜20の芳香環を表す。但し、Ar1〜Ar3の内の少なくとも一つは、置換基として−Q−SO2Ra基又は−Q−CORb基を有する。式中、Ra及びRbは、各々独立して、アルキル基又はアリール基を表す。Qは、酸素原子又は−N(Ry)−を表す。Ryは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Xは、単結合又は2価の連結基を表す。
Yは、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン又はトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンを表す。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明の酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する化合物(A)は、少なくとも2つの酸分解性基と、芳香環と、アルキレン鎖またはシクロアルキレン鎖とを有する分子量2000以下の化合物である。なかでも、芳香環−アルキレン鎖−芳香環の連結で形成される部分があることが好ましい。
酸分解性基は、アルカリ可溶性基のOHの水素原子に代わる置換基であり、−C(R11
a)(R12a)(R13a)、−C(R14a)(R15a)(OR16a)、−CO−OC(R11a)(R12a)(R13a)が好ましい。ここで、R11a〜R13aは、それぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。R14aおよびR15aは、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を表す。R16aは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。尚、R11a、R12a、R13aのうちの2つ、またはR14a、R15a、R16aのうちの2つが結合して環を形成してもよい。
R1、R2、R3及びR4は、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のR1が結合して環を形成してもよい。また、複数あるR1、R2、R3及びR4は互いに同じであっても異なっていても良い。
R5及びR6は、水素原子、有機基を表し、複数あるR5及びR6は互いに同じであっても異なっていても良い。また、複数あるR5及びR6のうち少なくとも2つは酸分解性基である。
Wは、単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基を表す。
xは、正の整数を表す。
yは、0以上の整数を表し、Wが単結合の場合、yは0である。
zは、0以上の整数を表す。
vは、0以上の整数を表す。
m1、m3、及びm4は、正の整数を表す。
m2及びm5は、0以上の整数を表す。但し、m1+m2+z=5、m3+v=3、m4+m5=5、m2+m5≧2を満たす。
3〜25個、さらに好ましくは4〜20個である。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、x、y、z、m1、m2、m4及びm5は、一般式(I)におけるそれらと同義である。
W1は、単結合、アルキレン基またはシクロアルキレン基を表す。ここで、アルキレン基またはシクロアルキレン基は上記Wにおけるそれらと同義である。
Aは、下記構造を表す。
R2、R5、m1及びm2は、一般式(I)に於けるR2、R5、m1及びm2と同様のものである。
Raは、水素原子又はアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を表す。
nは、3〜8の整数を表す。
アルカリ可溶性基としては、水酸基、スルホン酸基、フェノール基、カルボン酸基、ヘキサフルオロイソプロパノール基〔−C(CF3)2OH〕が挙げられる。好ましくはフェノール基、カルボキシル基、ヘキサフルオロイソプロパノール基であり、さらに好ましくはフェノール基、カルボキシル基である。
本発明のポジ型レジスト組成物は、活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物として下記一般式(B−I)で表される化合物(以下、単に化合物(B)ともいう)を含有する。
Ar1〜Ar3は、各々独立して、炭素数6〜20の芳香環を表す。但し、Ar1〜Ar3の内の少なくとも一つは、置換基として−Q−SO2Ra基又は−Q−CORb基を有する。式中、Ra及びRbは、各々独立して、アルキル基又はアリール基を表す。Qは、酸素原子又は−N(Ry)−を表す。Ryは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Xは、単結合又は2価の連結基を表す。
Yは、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン又はトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンを表す。
Ra、Rbとしてのアリール基としては、炭素数6〜15のアリール基が好ましく、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
Ryとしてのシクロアルキル基としては、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数5〜15のシクロアルキル基であり、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基、アダマンチル基等を挙げることができる。
Xは好ましくは、単結合、酸素原子、炭素数1〜3のアルキレン基である。
一般式(B−I)におけるYとしては、好ましくは下記一般式(Y1)〜(Y4)の何れかで表される有機アニオンであることが好ましい。
Rc1は、有機基を表す。
Rc1における有機基としては、好ましくは炭素数1〜30のものが挙げられ、より好ま
しくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はこれらの複数が、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。Rd1は、水素原子又はアルキル基を表す。
Rc3、Rc4及びRc5は、各々独立に、有機基を表す。
Rc3、Rc4、Rc5の有機基として、好ましくはRc1に於ける好ましい有機基と同じものを挙げることができ、より好ましくは炭素数1〜4のパーフロロアルキル基である。
Rc3とRc4が結合して環を形成していてもよい。
Rc3とRc4が結合して形成される基としては、アルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2−4のパーフロロアルキレン基である。
Rc1、Rc3〜Rc5の有機基として、特に好ましくは1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。
本発明においては、化合物(B)以外に、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物(酸発生剤)を更に併用してもよい。
R201、R202及びR203は、各々独立に有機基を表す。
R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
X-は、非求核性アニオンを表す。
ス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
る。
2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
2−オキソシクロアルキル基は、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
R6c及びR7cは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R204〜R207におけるアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
R204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
R206、R207及びR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
また、併用してもよい活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物として、スルホン酸基を1つ有するスルホン酸を発生する化合物が好ましく、さらに好ましくは1価のパーフルオロアルカンスルホン酸を発生する化合物、またはフッ素原子または
フッ素原子を含有する基で置換された芳香族スルホン酸を発生する化合物であり、特に好ましくは1価のパーフルオロアルカンスルホン酸のスルホニウム塩である。
本発明においては、含窒素塩基性化合物を用いることが、解像力などの性能向上、保存安定性の向上などの観点から好ましい。
本発明で用いることができる好ましい含窒素塩基性化合物とは、フェノールよりも塩基性の強い化合物である。
好ましい化学的環境として、下記式(A)〜(E)の構造を挙げることができる。式(B)〜(E)は、環構造の一部であってもよい。
R253 、R254 、R255 及びR256 は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜20個のアルキル基を表す。
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、アミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。
これらの含窒素塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。
本発明においては、界面活性剤類を用いることができ、製膜性、パターンの密着性、現像欠陥低減等の観点から好ましい。
これらの界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中の固形分100質量部当たり、通常、2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。
これらの界面活性剤は、単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
これらの界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)基など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
本発明のポジ型レジスト組成物には必要に応じて、さらに、染料、光塩基発生剤などを含有させることができる。
本発明においては、染料を用いることができる。
好適な染料としては油性染料及び塩基性染料がある。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS,オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業株式会社製)、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等を挙げることができる。
本発明の組成物に添加できる光塩基発生剤としては、特開平4−151156号、同4−162040号、同5−197148号、同5−5995号、同6−194834号、同8−146608号、同10−83079号、欧州特許622682号に記載の化合物が挙げられ、具体的には、2−ニトロベンジルカルバメート、2,5−ジニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、N−シクロヘキシル−4−メチルフェニルスルホンアミド、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル−N−イソプロピルカーバメート等が好適に用いることができる。これらの光塩基発生剤は、レジスト形状などの改善を目的とし添加される。
本発明のポジ型レジスト組成物は、上記各成分を溶解する溶剤に溶かして支持体上に塗布する。全レジスト成分の固形分濃度として、通常2〜30質量%とすることが好ましく、3〜25質量%がより好ましい。
ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。
これらの現像液の中で好ましくは第四アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド、コリンである。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
反応容器中で下記に示すフェノール化合物(1)65.28g(0.05mol)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下PGMEAと省略)200gに溶解し、この溶液を60℃、20mmHgまで減圧して約40gの溶剤を系中に残存している水と共に留去した。20℃まで冷却し、保護反応剤(1)49.75g(0.18mol)、p−トルエンスルホン酸2.5gを添加し、室温にて2時間撹拌した。その後、トリエチルアミン3.0gを添加して中和し、酢酸エチル50g、水50gにより洗浄操作を3回行った。その後、溶媒量を調整して(A)成分化合物であるバインダー(T−1)の30質量%の溶液を得た。1Hおよび13C−NMR解析から、全フェノール性OHに対する保護率は59.3%であった。
反応容器中に下記に示すフェノール化合物(1)65.28g(0.05mol)、PGMEA200g、炭酸カリウム43.5g(0.30mol)、保護反応剤(4)(ブロモ酢酸t−Buエステル)61.5g(0.31mol)を加え、反応溶液を100℃に加熱した。3時間攪拌した後反応溶液を室温まで放冷し、0.1N−HCl水溶液を加え中和し、酢酸エチル50ml、蒸留水50mlを加え洗浄を行った。その後、溶媒量を調整してバインダー(T−3)の30質量%の溶液を得た。1Hおよび13C−NMR解
析から、全フェノール性OHに対する保護率は63.7%であった。
反応容器中に下記に示すフェノール化合物(2)27.42g(0.05mol)、PGMEA150ml、トリエチルアミン20.1g(0.20mol)、4-ジメチルアミノピリジン2.0gを加えて撹拌した。その後、保護反応剤(5)(ジ−t−ブチルジカーボネート)54.02g(0.2475mol)のテトラヒドロフラン100ml溶液を2時間かけて滴下した。滴下後さらに3時間撹拌した後、0.1NのHCl水溶液で中和し、酢酸エチル50ml、蒸留水50mlで洗浄、抽出を行った。有機層を分離した後、溶媒量を調整してバインダー(T−5)の30質量%の溶液を得た。1Hおよび13C−NMR解析から、全フェノール性OHに対する保護率は69.3%であった。
(i)レジスト組成物の調製
下記表2に示すように、
本発明のバインダー:0.945g(レジスト中固形分の94.5質量%)
添加樹脂:下記表2に示す量(ただし本発明のバインダーと置き換えて添加)
酸発生剤:0.05g(レジスト中固形分の5.0質量%)
塩基性化合物:0.003g(レジスト中固形分の0.3質量%)
界面活性剤:0.002g(レジスト中固形分の0.2質量%:レジスト液全体の99.7ppm)
を溶剤に溶解させ、固形分濃度が5.0質量%の溶液を調製した。この溶液を0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターで濾過し、実施例1〜18及び比較例1〜5のポジ型レジスト液を得た。
上記のように調製したポジ型レジスト液をスピンコータを利用して、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコンウエハー上に均一に塗布し、120℃90秒間加熱乾燥を行い、膜厚0.3μmのポジ型レジスト膜を形成した。このレジスト膜に対し、電子線描画装置((株)日立製作所製HL750、加速電圧50KeV)を用いて電子線照射を行った。照射後に110℃、90秒ベークし、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて60秒間浸漬した後、30秒間、水でリンスして乾燥した。得られたパターンを下記の方法で評価した。
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製 S−4300)を用いて観察した。150nmライン(ライン:スペース=1:1)を解像する時の最小照射エネルギーを感度とした。
上記の感度を示す照射量における限界解像力(ラインとスペースが分離解像)を解像力とした。
ライン幅150nm(ライン/スペース=1:1)の部分の断面をSEM((株)日立製作所製S−8840)で観察し、以下の基準で評価した。
A:パターン側壁と基板との角度、およびパターン側壁とパターン表面との角度がどちらも90±2度である場合。
B:パターン側壁と基板との角度が90±2度であるが、パターン側壁とパターン表面との角度が85度以上88度未満あるいは92度以上95度未満である場合。または、パターン側壁とパターン表面との角度が90±2度であるが、パターン側壁と基板との角度が85度以上88度未満あるいは92度以上95度未満である場合。
C:パターン側壁と基板との角度、およびパターン側壁とパターン表面との角度がどちらも85度以上88度未満あるいは92度以上95度未満である場合。
D:パターン側壁と基板との角度が85度未満あるいは95度以上である場合、T−トップ形状が見られる場合またはパターン表面全体が丸くなっている場合。
上記の感度を示す照射量における150nmラインパターンの長さ方向50μmにおける任意の30点について、走査型電子鞍微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いてエッジがあるべき基準線からの距離を測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。
前記感度評価で得られた露光量を露光した後の膜厚(F1)と露光前の膜厚(F0)から、下記式により求めた数値をアウトガスの数値とした。
アウトガス=((F0)−(F1))/F0
za1:トリフェニルスルホニウム ノナフレート
za2:トリフェニルスルホニウム トリフレート
za3:トリフェニルスルホニウム 2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート
N−1:トリオクチルアミン
N−2:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン
N−3:2,4,6−トリフェニルイミダゾール
D−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)
D−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)
D−3:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
D−4:ポリオキシエチレンラウリルエーテル
S−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S−2:プロピレングリコールモノメチルエーテル
S−3:乳酸エチル
Claims (6)
- (A)少なくとも2つの酸分解性基と、芳香環と、アルキレン鎖またはシクロアルキレン鎖とを有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する分子量2000以下の化合物及び
(B)活性光線または放射線の照射により酸を発生する下記一般式(B−I)で表される化合物
を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
Ar1〜Ar3は、各々独立して、炭素数6〜20の芳香環を表す。但し、Ar1〜Ar3の内の少なくとも一つは、置換基として−Q−SO2Ra基又は−Q−CORb基を有する。式中、Ra及びRbは、各々独立して、アルキル基又はアリール基を表す。Qは、酸素原子又は−N(Ry)−を表す。Ryは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Xは、単結合又は2価の連結基を表す。
Yは、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン又はトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンを表す。 - 一般式(B−I)における、Ar3が、−Q−SO2Ra基又は−Q−CORb基を有することを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
- 更に、(R1)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型レジスト組成物。
- 更に、(R2)アルカリ現像液に溶解性を有する樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
- (A)成分の酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する化合物が、カリックスアレン構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物により、レジスト膜を形成し、該レジスト膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
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