以下、この発明を実施するための最良の形態である被検体内位置検出システムについて説明する。なお、図面は模式的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、それぞれの部分の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1にかかる被検体内位置検出システムについて説明する。本実施の形態1にかかる被検体内位置検出システムは、図1に示されるように、被検体1の内部に導入され、被検体内導入装置の一例として機能するテストカプセル2と、テストカプセル2の被検体1内部における位置の検出を行う位置検出装置3と、位置検出装置3によって検出されたテストカプセル2の位置情報を表示する表示装置4と、位置検出装置3と表示装置4との間の情報の受け渡しを行うための携帯型記録媒体5とを備える。
表示装置4は、位置検出装置3によって取得されたテストカプセル2の位置情報を表示するためのものであり、携帯型記録媒体5によって得られるデータに基づいて画像表示を行うワークステーション等のような構成を有する。具体的には、表示装置4は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ等によって直接画像を表示する構成としても良いし、プリンタ等のように、他の媒体に画像を出力する構成としても良い。
携帯型記録媒体5は、後述する位置情報導出装置8および表示装置4に対して着脱可能であって、両者に対する挿着時に情報の出力および記録が可能な構造を有する。具体的には、携帯型記録媒体5は、テストカプセル2が被検体1の体腔内を移動している間は位置情報導出装置8に挿着されてテストカプセル2の位置に関する情報を記録する。そして、テストカプセル2が被検体1から排出された後に、位置情報導出装置8から取り出されて表示装置4に挿着され、記録したデータが表示装置4によって読み出される構成を有する。位置情報導出装置8と表示装置4との間のデータの受け渡しをコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の携帯型記録媒体5によって行うことで、位置情報導出装置8と表示装置4との間が有線接続された場合と異なり、テストカプセル2が被検体1内部を移動中であっても、被検体1が自由に行動することが可能となる。
テストカプセル2は、カプセル型内視鏡等を被検体1内に導入するに先立って、被検体1内にカプセル型内視鏡の通過が困難な狭窄部等が存在するか否か等の事前検査を行う際に用いられるものである。すなわち、本実施の形態1にかかる被検体内位置検出システムは、かかるテストカプセル2が被検体1内でどのように移動するのかを調べるためのものであり、かかる目的を達成するために高精度の位置検出機構を設けている。
図2は、テストカプセル2の構造を示す模式図である。図2に示すように、テストカプセル2は、カプセル型内視鏡の筐体と同様のカプセル形状を有する筐体11と、筐体11内部に配置されたケース部材12と、筐体11の内面とケース部材12との間の隙間を埋める部材として機能する充填部材13とを備える。
筐体11は、例えば、生体適合性材料によって形成されており、被検体1内に数日間に渡って留まった場合に分解されるという特性を有する。
充填部材13は、筐体11の内面とケース部材12との間を充填し、ケース部材12の位置を固定するためのものである。なお、充填部材13を形成する材料は被検体1に対して悪影響を与えないものであって、例えば、硫酸バリウムによって充填部材13は形成される。硫酸バリウムは、X線検査における造影剤として利用することが可能であるため、本実施の形態1における位置検出に加えてX線検査による位置検出が可能となり、両者による検出結果を対比することによって、より正確な位置検出を行うことが可能である。なお、本実施の形態1において充填部材13として硫酸バリウムを用いることは必須ではなく、充填部材として機能するものであれば任意のものを用いることが可能なのはいうまでもない。
ケース部材12は、鉛直方向に磁場を発生するための機構を内部に備える。具体的には、ケース部材12は、内部が空洞状に形成されており、ケース部材12の内部には、液体14が封入され、液体14中に浮遊した状態で球殻部材15が配置されている。球殻部材15内部には、所定の回転運動を行わせるための駆動機構16と、磁場形成部17を形成するためのものであって、所定の磁場を形成する永久磁石17a、17bと、駆動機構16から供給されるトルクを永久磁石17a、17bに対して伝達するための軸部材18とが配置されている。
駆動機構16は、軸部材18を介して永久磁石17a、17bを回転させるためのものであり、例えば所定のバッテリーおよび電動モータによって構成されている。駆動機構16は、球殻部材15の内表面上に固定された状態で配置されるとともに所定の重量を有し、球殻部材15に対して加重部材としての機能も有する。すなわち、球殻部材15は液体14中を浮遊するよう配置されており、駆動機構16が所定の重量を有することによって、球殻部材15および球殻部材15内の構成要素の指向方向を安定化させている。具体的には、駆動機構16が加重部材として機能することによって、テストカプセル2の指向方向の変動にかかわらず、軸部材18および永久磁石17a、17bの長手方向が常に鉛直方向にほぼ一致した状態に維持されることとなる。
軸部材18は、駆動機構16から供給されるトルクを永久磁石17a、17bに伝達するためのものである。具体的には、軸部材18は、図2にも示すように長手方向を回転軸として矢印に示す方向に回転する機構を有する。
永久磁石17a、17bは、テストカプセル2の位置検出の際に用いられる磁場を形成するためのものである。具体的には、永久磁石17a、17bは、それぞれ静磁場を形成する棒磁石等によって形成され、駆動機構16の作用に基づき長手方向が常に鉛直方向とほぼ一致した状態で回転するよう構成されている。すなわち、駆動機構16が加重部材として機能することによって永久磁石17a、17bの長手方向は常にほぼ鉛直方向と一致した状態に維持され、駆動機構16から供給されるトルクによって、永久磁石17a、17bは、軸部材18の長手方向(鉛直方向)を回転軸とした回転運動を行うこととなる。
なお、永久磁石17a、17bは、互いに固着した状態で配置されており、回転運動の際には一体となって回転するよう構成されている。ここで、永久磁石17a、17bを備えた構成としたのは、外部に供給する磁場のうち、鉛直方向の磁場成分の強度を回転運動に伴う周期に従って強度変動させるためである。すなわち、永久磁石17bを配置することによって、回転軸周りにおける磁場の強度は、永久磁石17bの位置に対応した方向において他よりも高くなる。このため、本実施の形態1では、永久磁石17a、17bについて、軸部材18の長手方向を回転軸とした回転運動を行わせることにより、外部で検出される磁場強度について、回転周期に対応した周期的変動を与えることとしている。
次に、位置検出装置3について説明する。位置検出装置3は、テストカプセル2によって形成される磁場に基づいて、被検体1内部におけるテストカプセル2の位置を検出するためのものである。具体的には、位置検出装置3は、図1に示すように、テストカプセル2によって形成される磁場の強度を検出する磁場検出装置6a〜6hと、磁場検出装置6a〜6dを被検体1に対して固定する固定部材7aと、磁場検出装置6e〜6hを被検体1に対して固定する固定部材7bと、磁場検出装置6a〜6hによって検出された磁場強度に基づいてテストカプセル2の位置を導出する位置情報導出装置8とを備える。
磁場検出装置6a〜6hは、それぞれが配置された場所における磁場強度を検出するためのものである。図3は、磁場検出装置6a〜6hのそれぞれの具体的な構成について示す模式図である。図3に示すように、磁場検出装置6a〜6hは、磁場センサ部24を備える球状体22と、球状体22を浮遊状態で保持するために球状体22の外表面を覆うよう配置された液体23と、液体23を保持するためのケース部材21と、ケース部材21の外部に設けられた構成要素によって形成されている。
球状体22は、磁場センサ部24と、磁場センサ部24の駆動状態等を制御する磁場測定系制御部25と、球状体22の外部と無線通信を行う際に必要に応じて信号の変調および復調を行う送受信ユニット28と、外部との無線通信を行うための送受信アンテナ29とを備える。また、球状体22は、磁場センサ部24等を駆動する電力を保持する蓄電器26と、外部の給電アンテナ32(後述)から送信される給電用信号を電力に変換する受電ユニット27と、外部から送信される給電用信号を受信して受電ユニットに供給するための受電アンテナ30とを備える。
さらに、球状体22は、磁場センサ部24の磁場検出方向(後述)の延長上に配置され、他の構成要素よりも重い部材によって形成された加重部材31を備える。球状体22は、液体23中に浮遊した状態で保持されることから、加重部材31の作用によって、球状体22は磁場検出装置6の状態の変動に関わらず常に加重部材31が鉛直下方向底部に位置する状態を維持する。
磁場センサ部24は、所定方向に進行する磁場を検出する機能(以下、かかる磁場方向のことを「磁場検出方向」と称する)を有するMIセンサ等の磁場強度検出センサによって構成されている。MIセンサは、例えば例えばFeCoSiB系アモルファスワイヤを感磁媒体として用いた構成を有し、感磁媒体に高周波電流を通電した際に、外部磁界に起因して感磁媒体の磁気インピーダンスが大きく変化するMI効果を利用して磁場強度の検出を行っている。磁場センサ部24は、図3の矢印に示す方向の磁場検出方向を備えており、かかる磁場検出方向の延長上に加重部材31が配置された構成を有することから、磁場センサ部24は、磁場検出方向が常に鉛直方向と一致した状態で保持されることとなり、磁場検出装置6が配置された領域に存在する磁場のうち、鉛直方向に進行する磁場成分の強度を検出し、検出した磁場強度に対応した強度の電気信号を出力することとなる。
また、磁場検出装置6は、ケース部材21の外部近傍に配置され、給電用信号を送信する給電アンテナ32と、磁場センサ部24によって検出された磁場強度に対応した電気信号の受信等を行う送受信アンテナ33と、給電アンテナ32と電気的に接続された給電ユニット34と、送受信アンテナ33と電気的に接続された送受信ユニット35とを備える。また、給電ユニット34および送受信ユニット35は、制御部36と電気的に接続され、制御部36による制御の下で動作する。制御部36は、位置情報導出装置8と電気的に接続されており、位置情報導出装置8による制御に基づいて動作すると共に、磁場センサ部24によって検出された磁場強度を位置情報導出装置8に対して出力する機能を有する。
固定部材7a、7bは、磁場検出装置6a〜6hを被検体1に対して固定するためのものである。具体的には、固定部材7a、7bは、例えば弾性部材によって環状に形成されており、被検体1の胴部に密着した状態で固定される構成を有する。磁場検出装置6a〜6dおよび磁場検出装置6e〜6hは、固定部材7a、7bによってそれぞれ被検体1に対して所定の位置に固着されており、固定部材7a、7bを被検体1の胴部に密着固定することによって、磁場検出装置6a〜6hは、被検体1に対する相対位置が固定された状態で配置されることとなる。
次に、位置情報導出装置8について説明する。位置情報導出装置8は、磁場検出装置6a〜6hによって検出された磁場強度からテストカプセル2によって形成された磁場の強度を抽出し、抽出した磁場強度に基づいてテストカプセル2の位置を導出するためのものである。
図4は、位置情報導出装置8の構成を示すブロック図である。図4に示すように、位置情報導出装置8は、検出磁場強度に応じて磁場検出装置6a〜6hのそれぞれによって得られた電気信号について、所定の周波数成分を通過させるための帯域フィルタ部39と、帯域フィルタ部39を通過した電気信号のアナログ・ディジタル変換を行うA/D変換部40と、ディジタルデータに変換された電気信号の中から所定の周波数成分を抽出するためのロックインアンプ部41とを備える。また、位置情報導出装置8は、ロックインアンプ部41によって抽出された電気信号の強度に基づいてテストカプセル2と磁場検出装置6a〜6hのそれぞれとの間の距離を導出するための距離導出部42と、距離導出部42による距離導出時に用いられる対応関係データを記憶する対応関係データベース43と、距離導出部42によって導出された距離に基づいてテストカプセル2の位置を演算する位置導出部44と、位置導出部44によって得られたテストカプセル2の位置を記憶するための記憶部45とを備える。
帯域フィルタ部39は、磁場検出装置6a〜6hによって検出される鉛直方向の磁場成分のうち、磁場形成部17によって形成された磁場成分以外のものを排除するためのものである。具体的には、帯域フィルタ部39は、磁場検出装置6a〜6hのそれぞれから入力される電気信号に関して、磁場形成部17の回転周波数に応じた周波数成分以外のものをカットする機能を有する。
ロックインアンプ部41は、A/D変換部40によって変換されたディジタル信号に関して、所定の周波数成分のみを抽出して距離導出部42に対して出力する機能を有する。具体的には、ロックインアンプ部41は、入力される電気信号のうち、磁場形成部17の回転周波数とほぼ一致する周波数成分を抽出して距離導出部42に出力する機能を有する。ロックインアンプ部41は、具体的構成としては、PC等の電気計算機内に所定のプログラムをインストールすることによって実現しても良いし、ハードウェア的な構成によって実現することとしても良い。
上述のように、磁場形成部17は駆動機構16の作用により所定の周期で回転することから、磁場形成部17によって形成される鉛直方向の磁場成分は、所定の周期に従って強度が変化することとなる。本実施の形態1では、磁場形成部17より形成される磁場のこのような特性を踏まえ、帯域フィルタ部39およびロックインアンプ部41によって磁場形成部17以外から生じたノイズ成分を除去し、磁場形成部17によって形成された磁場に基づく電気信号のみを用いて距離導出部42による距離導出を行うこととしている。なお、本実施の形態1では、帯域フィルタ部39およびロックインアンプ部41の双方を備えることとしたが、少なくとも理論上は、いずれか一方のみによってノイズ成分を除去することとしても良い。
対応関係データベース43は、テストカプセル2によって形成された磁場の強度と、テストカプセル2からの距離との対応関係をあらかじめ記憶しており、記憶した情報を距離導出部42に対して出力するためのものである。具体的には、対応関係データベース43は、例えば磁場強度に応じた電気信号の強度Pj(j:自然数)の値に対して、対応する距離Ljの値を記憶している。
距離導出部42は、磁場検出装置6a〜6hのそれぞれにおいて検出された磁場の強度と、対応関係データベース43に記憶された情報とに基づいて、磁場検出装置6a〜6hのそれぞれと、テストカプセル2との間の距離を導出するためのものである。すなわち、距離導出部42は、磁場検出装置6a〜6hのそれぞれにおいて検出された鉛直方向の磁場成分に対応した電気信号を入力すると共に、対応関係データベース43に記憶された情報のうち、入力された電気信号の強度と最も近い強度Pjを検索し、例えば、検索した磁場強度に対応した距離Ljを磁場検出装置とテストカプセル2との間の距離として導出している。
位置導出部44は、距離導出部42によって導出された、磁場検出装置6a〜6hのそれぞれとテストカプセル2との間の距離に基づいて、被検体1内におけるテストカプセル2の位置を導出するためのものである。具体的には、位置導出部44は、あらかじめ把握した磁場検出装置6a〜6hのそれぞれの被検体1上における位置と、距離導出部42によって導出された距離の値とを用いて所定の演算処理を行うことによって、テストカプセル2の位置を導出することとしている。
記憶部45は、位置導出部44によって導出されたテストカプセル2の位置を記憶させるためのものである。具体的には、記憶部45は、図1に示した携帯型記録媒体5に対して所定の情報を記憶させる機能を有し、記憶部45によってテストカプセル2の位置情報が携帯型記録媒体5に記憶される。
次に、本実施の形態1にかかる被検体内位置検出システムの動作について説明する。本実施の形態1において、テストカプセル2内に備わる磁場形成部17は、駆動機構16の作用によって長手方向(磁力線の出力方向)が鉛直方向と一致した状態を維持しつつ、所定の角速度で回転した状態の磁場を形成する。磁場形成部17は、永久磁石17aに対して永久磁石17bを固着させた構成を有することから、磁場形成部17によって形成される磁場は、回転動作に応じた周期に従って鉛直方向成分の強度が変化することとなる。本実施の形態1にかかる被検体内位置検出システムは、かかる磁場に基づいて、以下の動作に従ってテストカプセル2の位置を検出することとしている。
まず、磁場検出装置6a〜6hは、磁場形成部17によって形成された磁場を含む鉛直方向の磁場を検出し(ステップS101)、検出強度に応じた強度の電気信号を位置情報導出装置8に対して出力する。かかる電気信号について、位置情報導出装置8は、帯域フィルタ部39およびロックインアンプ部41の双方によって磁場形成部17によって形成される磁場と無関係なノイズ成分を除去し(ステップS102)、ノイズ成分を除去した電気信号を距離導出部42に出力する。
そして、距離導出部42は、入力された電気信号の強度に基づいて、対応関係データベース43に記録された対応関係を検索し(ステップS103)、磁場検出装置6a〜6hのそれぞれに関して電気信号の強度に対応した距離の値を導出し(ステップS104)、導出結果を位置導出部44に出力する。これに対して、位置導出部44は、磁場検出装置6a〜6hのそれぞれについて導出されたテストカプセル2との間の距離と、磁場検出装置6a〜6hの被検体1上における位置情報とに基づいてテストカプセル2の位置を導出し(ステップS105)、導出結果を記憶部45を介して携帯型記録媒体5に記憶させる。かかる動作はテストカプセル2が被検体1の外部に排出されるまで繰り返し行われ、携帯型記録媒体5には、各時刻におけるテストカプセル2の位置が記憶される。その後、携帯型記録媒体5は位置情報導出装置8から排出されて表示装置4に装着され、医者、看護士等は、表示装置4の画面上に表示された情報に基づいて、被検体1内部におけるテストカプセル2の位置変化の内容を把握する。
なお、ステップS105では、磁場検出装置6a〜6hの位置と、テストカプセル2との間の距離に基づいてテストカプセル2の位置導出を行っている。ここで、テストカプセル2の位置を直交座標系で表した場合、位置導出に必要となる未知数はテストカプセル2のx座標、y座標およびz座標の3通りとなる。従って、理論上必要となる磁場検出装置6の個数は3個で足りることとなるが、本実施の形態1では、被検体1の姿勢変化等に伴う磁場検出装置の位置変動等を考慮して、6個の磁場検出装置6を用いた演算を行い、磁場検出装置6a〜6hのそれぞれに関する方程式によって導出されるテストカプセル2のx座標、y座標およびz座標の値の変動幅が最も小さくなるよう、最尤法等を用いて磁場検出装置6a〜6hの位置座標等を修正することとしている。
次に、本実施の形態1にかかる被検体内位置検出システムの利点について説明する。まず、本実施の形態1にかかる被検体内位置検出システムは、テストカプセル2に備わる磁場形成部17によって形成される磁場を用いて位置検出を行う構成を有する。このため、テストカプセル2は、位置検出のための無線送信機構等を備える必要がなく、テストカプセル2内において電力消費を伴うことなく位置検出を行うことが可能であるという利点を有する。
また、本実施の形態1にかかる被検体内位置検出システムでは、テストカプセル2内に保持された磁場形成部17は、テストカプセル2の指向方向の変動にかかわらず磁場方向が鉛直方向と平行となる状態を維持する。また、磁場検出装置6a〜6h内に保持される磁場センサ部24は、被検体1の姿勢等の変化にかかわらず、磁場検出方向が鉛直方向と平行となる状態を維持している。このため、本実施の形態1にかかる被検体内位置検出システムでは、磁場形成部17による磁場出力方向と磁場センサ部24の磁場検出方向とが常に平行となる状態を維持することとなる。
かかる構成を採用することによって、本実施の形態1にかかる被検体内位置検出システムは、高感度の磁場強度検出が可能という利点を有する。すなわち、磁場形成部17によって形成される磁場は、被検体1の外部においても大部分が磁場出力方向と平行方向に進行することとなるため、磁場センサ部24の磁場検出方向が磁場形成部17による磁場方向と平行となることによって、磁場形成部17によって形成された磁場を効率よく検出することが可能となり、高感度の磁場強度検出が可能となる。
また、本実施の形態1にかかる被検体内位置検出システムは、特に磁場検出装置6a〜6hに関して磁場センサ部の構成を単純化することが可能である。すなわち、磁場形成部17からの磁場出力方向と磁場センサ部の磁場検出方向とが相関関係を有さない場合には、磁場検出装置は3軸方向に関して磁場強度検出機構を備える必要があり、かかる場合、一般にはx方向、y方向およびz方向のそれぞれに関して磁場検出方向を有する磁場センサ部を備える必要がある。これに対して、本実施の形態1にかかる被検体内位置検出システムは、磁場センサ部24の磁場検出方向が磁場形成部17の磁場出力方向と一致する状態で配置されていることから、磁場検出機構は1方向にのみ磁場検出機能を有するものを用いることが可能であり、磁場検出機構の構成を単純化することが可能である。
また、本実施の形態1にかかる被検体内位置検出システムは、地磁気成分の影響を排除することが可能であるという利点を有する。すなわち、磁場形成部17からの磁場出力方向は鉛直方向であり、磁場強度検出装置6a〜6hは鉛直方向の磁場成分の強度を検出する機能を有する。これに対して、地磁気成分は鉛直方向とほぼ垂直な方向、すなわち地面に対してほぼ水平方向に進行することから、磁場強度検出装置6a〜6hは、本来的に地磁気成分の強度を検出することはなく、位置検出の際に地磁気成分の影響を排除することが可能である。
さらに、本実施の形態1では、テストカプセル2によって形成される磁場の強度が磁場形成部17の回転周期に対応した周期で変化するよう構成されている。このため、テストカプセル2によって形成された磁場とノイズ磁場とは周波数において違いが生じることとなり、位置情報導出装置8は、かかる違いに基づいてテストカプセル2からの磁場のみを抽出することを可能としている。すなわち、本実施の形態1では、磁場検出装置6a〜6hから入力された、検出磁場に対応した電気信号に関して、帯域フィルタ部39およびロックインアンプ部41の双方によって磁場形成部17の回転周期に対応した周波数成分のみを抽出する構成を採用している。かかる構成を採用することによって、位置情報導出装置8に備わる距離導出部42は、ノイズ成分を除去し、テストカプセル2によって形成された磁場成分に対応した電気信号のみを用いた高精度の距離導出が可能となるという利点を有する。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2にかかる被検体内位置検出システムについて説明する。本実施の形態2にかかる被検体内位置検出システムは、より簡易な構成として、位置導出部がテストカプセル2の具体的な位置を導出するのではなく、テストカプセル2が被検体内に位置するか否かの判定を行う構成を有する。
例えば、テストカプセル2を被検体1内に導入する目的の一つとして、テストカプセル2が被検体1内部を通過するのに要する時間を測定することが挙げられる。かかる目的に基づいてテストカプセル2を使用する場合には、テストカプセル2がいつ被検体1の外部に排出されたかを知ることは非常に重要なこととなる。このため、本実施の形態2では、テストカプセル2が被検体1内に位置するか否かを判定することとし、かかる目的を充分達成でき、かつ簡易な構成の被検体内位置検出システムを実現している。
図6は、本実施の形態2にかかる被検体内位置検出システムに備わる位置情報導出装置46の構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態2にかかる被検体内位置検出システムは、実施の形態1と同様にテストカプセル2、表示装置4、携帯型記録媒体5、磁場検出装置6等を備える。これらの構成要素は実施の形態1と全く同様のものであることから、本実施の形態2においては図示および説明を省略し、以下では、実施の形態1との相違点である位置情報導出装置46を中心に説明を行う。
位置情報導出装置46は、図6に示すように、実施の形態1と同様に帯域フィルタ部39、A/D変換部40、ロックインアンプ部41および記憶部45を備える他に、テストカプセル2が被検体1内に位置するか否かを判定する位置導出部47を備える。
次に、本実施の形態2にかかる被検体内位置検出システムの動作について、位置導出部47の動作を中心に説明する。図7は、本実施の形態2にかかる被検体内位置検出システムの動作を示すフローチャートであり、以下、図7を参照しつつ動作についての説明を行う。
まず、磁場検出装置6によって、鉛直方向の検出磁場に対応した電気信号が出力され(ステップS201)、位置情報導出装置46は、帯域フィルタ部39およびロックインアンプ部41によってテストカプセル2に備わる磁場形成部17によって形成された磁場と無関係なノイズ成分を除去する(ステップS202)。その後、位置導出部47は、ノイズ成分を除去された電気信号の強度が所定の閾値以上であるか否かの判定を行う(ステップS203)。
ノイズ成分が除去された電気信号の強度が閾値以上であると判定した場合(ステップS203,Yes)、位置導出部47は、テストカプセル2が被検体1内部に位置すると判定し(ステップS204)、終了する。一方、ノイズ成分が除去された電気信号の強度が閾値未満であると判定した場合(ステップS203,No)、位置導出部47は、テストカプセル2が被検体1の外部に排出されたものと判定し(ステップS205)、終了する。以上の動作は、テストカプセル2が被検体1の外部に排出されたと判定されるまで繰り返し行われ、判定結果は、記憶部45を介して携帯型記録媒体5に記憶される。
ステップS203における判定は、以下のメカニズムに基づいて行われる。テストカプセル2に備わる磁場形成部17によって形成される磁場は、テストカプセル2からの距離に応じて減衰する特性を有する。このため、あらかじめ磁場検出装置6が配置された位置と、被検体1の外部に排出される時点におけるテストカプセル2との間の距離に応じた閾値強度を導出・記憶しておくことにより、磁場検出装置6によって得られた、検出磁場に対応した電気信号の強度が閾値強度以上の値であるか否かの判定を行うことにより、テストカプセル2が被検体1内部に位置するか否かを導出することが可能となる。
本実施の形態2にかかる被検体内位置検出システムの利点について説明する。本実施の形態2にかかる被検体内位置検出システムは、テストカプセル2が被検体1内に位置するか否かの位置判定を簡易な構成によって高精度に行うことが可能である。すなわち、本実施の形態2にかかる被検体内位置検出システムは、具体的な距離導出および位置導出を行うことなく、磁場検出装置6における検出磁場から抽出された電気信号の強度と閾値強度とを比較するという簡易な構成のみによって位置導出を行っている。また、本実施の形態2では、実施の形態1と同様に、回転する磁場形成部17によって形成される磁場を検出するために磁場検出装置6が鉛直方向の磁場成分のみを検出し、さらに検出した磁場成分に対応した電気信号の中から、磁場形成部17の回転周波数に対応した成分のみを抽出することとしているため、ノイズ成分を除去した正確な値に基づいた位置導出が行われている。以上のことから、本実施の形態2にかかる被検体内位置検出システムは、簡易な構成によって、テストカプセル2が被検体1の内部に位置するか否かの判定を正確に行うことを可能としている。
なお、本実施の形態2においては、磁場検出装置6について、実施の形態1と同様に複数配置することとしても良いが、単一の磁場検出装置6を用いることとしてもテストカプセル2の位置導出を行うことが可能である。従って、本実施の形態2にかかる被検体内位置検出システムは、単一の磁場検出装置6を用いてシステムを構築できるという点でも利点を有することとなる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3にかかる被検体内位置検出システムについて説明する。本実施の形態3にかかる被検体内位置検出システムは、被検体内導入装置として磁場形成手段のみならず所定の被検体内情報取得部および無線部を備えたカプセル型内視鏡と、磁場形成手段より生じる磁場に基づいて、被検体内におけるカプセル型内視鏡の位置の検出結果に基づいてカプセル型内視鏡から送信された無線信号を受信する複数のアンテナを切り替える位置情報導出装置とを備えた構成を有する。
図8は、本実施の形態3にかかる被検体内位置検出システムの全体構成を示す模式図である。図8に示すように、本実施の形態3にかかる被検体内位置検出システムは、被検体内導入装置の一例たるカプセル型内視鏡50と、位置検出装置51とを備える。なお、図8には実施の形態1における表示装置4および携帯型記録媒体5に相当する構成要素を図示していないが、このことは本実施の形態3においてこれらを除外する趣旨ではない。また、本実施の形態3にかかる被検体内位置検出システムにおいて、実施の形態1、2と同様の符号、名称を付した構成要素については、以下で特に言及しない限り、実施の形態1と同様の構成・作用を有するものとする。
位置検出装置51は、図8に示すように、磁場強度検出装置6a〜6hと、磁場強度検出装置6a〜6hを被検体1に対して固定する固定部材7a、7bと、カプセル型内視鏡50から送信される無線信号を受信するための受信用アンテナA1〜Anと、磁場強度検出装置6a〜6hおよび受信用アンテナA1〜Anによって得られた情報を処理し、カプセル型内視鏡50の被検体1内における位置情報を取得する位置情報導出装置52とを備える。また、図8においては図示を省略したが、位置検出装置51は、後述するようにカプセル型内視鏡50に対して給電用信号等を供給する機能を有し、かかる機能を実現するために給電用アンテナB1〜Bmを有する。
受信用アンテナA1〜Anは、カプセル型内視鏡50から送信される無線信号を受信するためのものである。後述するように本実施の形態3におけるカプセル型内視鏡50は、被検体1内部の画像を撮像して外部に無線送信する機能を有し、受信用アンテナA1〜Anは、カプセル型内視鏡50から送信される無線信号を受信し、位置情報導出装置52に出力する構成を有している。受信用アンテナA1〜Anは、具体的には例えば、ループアンテナと、ループアンテナを被検体1に固定するための固着手段とによって構成されている。なお、カプセル型内視鏡50から無線信号が送信された際に受信用アンテナA1〜Anのすべてによって受信する構成としても良い。しかしながら、本実施の形態3では、複数存在する受信用アンテナA1〜Anのうち、後述するアンテナ選択部67によって受信に最も適していると判断される受信用アンテナを用いて受信することとしている。
図9は、カプセル型内視鏡50の構成を示すブロック図である。カプセル型内視鏡50は、実施の形態1におけるテストカプセル2と同様に、磁場形成手段としての磁場形成部17を備える。なお、図9においては磁場形成部17のみを記載しているが、実際の構成としては、図2に示した実施の形態1の構成と同様に、磁場形成部17に対して軸部材および駆動機構が設けられると共に、磁場形成部17の磁場出力方向が常に鉛直方向とほぼ一致した状態となる機構蒲生けられている。さらに、カプセル型内視鏡50は、被検体1の内部を撮影する際に撮像領域を照射するための照明手段として機能するLED53と、LED53の駆動状態を制御するLED駆動回路54と、LED53によって照射された領域からの反射光像の撮像を行う撮像手段として機能するCCD55と、CCD55の駆動状態を制御するCCD駆動回路56とを備える。なお、LED53、LED駆動回路54、CCD55およびCCD駆動回路56は、全体として所定の機能を果たす被検体内情報取得部57として定義される。
また、カプセル型内視鏡50は、CCD55によって撮像された画像データを変調して無線信号を生成する送信ユニット58と、送信ユニット58から出力された無線信号を送信する無線手段としての送信アンテナ部59と、LED駆動回路54、CCD駆動回路56および送信ユニット58の動作を制御するシステムコントロール回路60とを備える。
これらの機構を備えることにより、カプセル型内視鏡50は、被検体1内に導入されている間、LED53によって照明された被検部位の画像データをCCD55によって取得する。そして、取得された画像データは、送信ユニット58において無線信号に変換された後、送信アンテナ部59を介して外部に送信される。
また、カプセル型内視鏡50は、位置検出装置51側から送られてきた無線信号を受信する受信アンテナ部61と、受信アンテナ部61で受信した信号から給電用信号を分離する分離回路62とを備える。さらに、カプセル型内視鏡50は、分離された給電用信号から電力を再生する電力再生回路63と、再生された電力を昇圧する昇圧回路64と、昇圧された電力を蓄積する蓄電器65とを備える。また、カプセル型内視鏡50は、分離回路62で給電用信号と分離された成分からコントロール情報信号の内容を検出し、検出したコントロール情報信号をシステムコントロール回路60に対して出力するコントロール情報検出回路66を備える。なお、システムコントロール回路60は、蓄電器65から供給される駆動電力を他の構成要素に対して分配する機能も有する。
これらの機構を備えることにより、カプセル型内視鏡50は、まず、位置検出装置51側から送られてきた無線信号を受信アンテナ部61において受信し、分離回路62によって、受信した無線信号から給電用信号およびコントロール情報信号を分離する。分離回路62によって分離されたコントロール情報信号は、コントロール情報検出回路66を経てシステムコントロール回路60に出力され、LED53、CCD55および送信ユニット58の駆動制御に使用される。一方、給電用信号は、電力再生回路63によって電力として再生され、再生された電力は昇圧回路64によって電位を蓄電器65に適した電位にまで昇圧された後、蓄電器65に蓄積される。
次に、位置情報導出装置52の構成について説明する。図10は、位置情報導出装置52の構成を示すブロック図である。本実施の形態3における位置情報導出装置52は、カプセル型内視鏡50の被検体1内における位置を検出する構成要素として、帯域フィルタ部39、A/D変換部40、ロックインアンプ部41、距離導出部42、対応関係データベース43、位置導出部44を備えた構成を有する。なお、本実施の形態3におけるカプセル型内視鏡50の位置の検出動作については実施の形態1とほぼ同様であることとし、詳細な説明については省略する。
また、位置情報導出装置52は、カプセル型内視鏡50から無線送信された、被検体1内部の画像データを受信する受信装置としての機能も有する。具体的には、位置情報導出装置52は、受信用アンテナA1〜Anの中からデータ受信に使用するものを選択するアンテナ選択部67と、選択した受信用アンテナ受信された無線信号に対して復調等の所定の処理を行い、無線信号の中からカプセル型内視鏡50によって取得された画像データを抽出し、出力する受信ユニット68と、出力された画像データに必要な処理を行う画像処理ユニット69と、画像処理が施された画像データを記録するための記憶ユニット70とを備える。
アンテナ選択部67は、カプセル型内視鏡50から送信される無線信号を受信するのに最も適した受信用アンテナを選択するためのものである。具体的には、アンテナ選択部67は、あらかじめ受信用アンテナA1〜Anの位置を把握していると共に、位置導出部44によって導出されたカプセル型内視鏡50の位置に関する情報が入力される構成を有する。このため、アンテナ選択部67は、カプセル型内視鏡50の位置との関係において、最も良好な受信感度を有するものと推定される受信用アンテナを選択し、選択した受信用アンテナにおいて受信された無線信号を受信ユニット68に出力する機能を有する。
記憶ユニット70は、画像処理ユニット69から出力される画像データと、出力される画像データが撮像された時点におけるカプセル型内視鏡50の位置とを対応づけて記憶する機能を有する。すなわち、位置情報導出装置52は、図10にも示すように記憶ユニット70に位置導出部44および画像処理ユニット69において得られた情報が出力される構成を有しており、記憶ユニット70は、これらの情報を対応づけた状態で記憶する機能を有する。この結果、記憶ユニット70は、被検体1内部の所定領域の画像データと、かかる画像データを撮像した時点におけるカプセル型内視鏡50の位置とが対応づけられた状態で記憶されている。
また、位置情報導出装置52は、カプセル型内視鏡50に対して送信する給電用信号等を生成し、給電用アンテナB1〜Bmに対して出力する機能を有する。具体的には、位置情報導出装置52は、給電用信号を生成する機能および発振周波数を規定する機能を有する発振器71と、カプセル型内視鏡50の駆動状態の制御のためのコントロール情報信号を生成するコントロール情報入力ユニット72と、給電用信号とコントロール情報信号とを合成する重畳回路73と、合成された信号の強度を増幅する増幅回路74とを備える。増幅回路74で増幅された信号は、給電用アンテナB1〜Bmに送られ、カプセル型内視鏡50に対して送信される。なお、位置情報導出装置52は、所定の蓄電装置またはAC電源アダプタ等を備えた電力供給ユニット75を備え、位置情報導出装置52の各構成要素は、電力供給ユニット75から供給される電力を駆動エネルギーとしている。
次に、本実施の形態3にかかる被検体内位置検出システムの利点について説明する。まず、本実施の形態3にかかる被検体内位置検出システムでは、実施の形態1と同様にカプセル型内視鏡50内に磁場形成部17を備え、磁場形成部17によって形成される磁場に基づいてカプセル型内視鏡50の位置検出を行っている。既に述べたように磁場は、距離に応じて減衰する特性を有することから、無線信号を用いて位置検出を行った場合と比較して、カプセル型内視鏡50の位置を正確に検出できるという利点を有する。
また、本実施の形態3にかかる被検体内位置検出システムでは、導出されたカプセル型内視鏡50の位置に基づいて、アンテナ選択部67が受信用アンテナを選択する構成を有する。受信用アンテナにおける無線信号の受信感度は、カプセル型内視鏡50からの距離およびカプセル型内視鏡50内に備わる送信アンテナ部59の指向性に依存する。従って、カプセル型内視鏡50の位置に基づいて使用する受信用アンテナを的確に選択することが可能となり、カプセル型内視鏡50から送信される無線信号を常に高感度で受信可能な位置情報検出システムを実現することが可能である。
さらに、本実施の形態3にかかる被検体内位置検出システムでは、撮像された被検体1内の画像データと、導出されたカプセル型内視鏡50の位置を記憶ユニット70に出力する構成を有する。従って、カプセル型内視鏡50によって取得された画像データと、導出されたカプセル型内視鏡50の撮像時における位置とを対応づけて記憶することが可能であり、表示装置4によって画像データを表示する際に、所定の範囲に位置する画像データのみを表示するよう指定することが可能である。すなわち、表示装置4においてあらゆる画像データを表示するのではなく、使用者にとって関心のある領域、例えば小腸のみの画像データを表示させることが可能となり、医師等にとって利便性を有する位置情報検出システムを実現することが可能である。
以上、実施の形態1〜3に渡って本発明を説明してきたが、本発明は上記のものに限定されず、当業者であれば様々な実施例、変形例および応用例に想到することが可能である。例えば、実施の形態3にかかる被検体内位置検出システムは、位置検出機構に関して実施の形態1に示した構成を流用して構成されたものであるが、このほかにも、実施の形態2に示す位置検出機構を流用した構成としても良い。かかる場合には、例えば、位置検出機構によってカプセル型内視鏡50が被検体1の外部に排出されたものと判定された後には、位置情報導出装置の駆動を停止させる等の構成を具備させることとしても良い。
また、図2に示した磁場形成部17の構成として、棒状の永久磁石17a、17bによって形成することとしたが、かかる構成に限定して解釈する必要はない。実施の形態1〜3において重要となるのは、磁場形成部17が少なくとも所定の周期ごとに鉛直方向に所定の強度を有する磁場成分を形成することであり、より好ましくは鉛直方向の磁場成分の強度が所定の周期に従って変動することである。従って、かかる機能を実現できる構成であれば、図2に示した構成以外のものであっても本発明に用いることが可能である。