JP4521115B2 - 貼付型つぼ用湿布並びに該貼付型つぼ用湿布を用いた貼付型つぼ用湿布パック及び貼付型つぼ用湿布シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、患部を治療する貼付型湿布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、捻挫、腰痛等を治療するために、患部に貼り付けて熱効果によって治療をする貼付型湿布が種々提案されている。この貼付型湿布は発熱材又は冷却材を具備するものがある。かかる貼付型湿布の構成にあっては、包袋内に発熱材又は冷却材を充填し、かつ該包袋の患部に貼付する面に粘着層を形成してなるものである。この貼付型湿布は該粘着層を介して人体に貼付され、発熱材による発熱効果又は冷却材による冷却効果により、患部組織の新陳代謝や血液循環の改善を促進させて治療効果を発揮するものである。さらに、体温による蒸散効果を利用して冷感作用を起こさせる高含水性高分子ポリマーを主成分とするポリマー層を具備した構成の貼付型湿布も知られている。この場合も上述の構成のものと同様に人体に貼付され、熱効果によって患部を治療するものである。
【0003】
また、薬剤によって治療効果を発揮する貼付型湿布も知られている。かかる薬用貼付型湿布の構成は、不織布等の基材上に薬効成分を塗着し、さらに該基材を患部に貼着保持するための粘着層を有するものである。この薬効成分は人体に貼付されると温感あるいは冷感作用を示し、患部組織の新陳代謝と血液循環とを改善させて治療効果を発揮するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の薬剤を利用しない貼付型湿布の公知例にあっては、湿布の平面形状がおよそ名刺大からはがき大の大きさのもののみに限定されている。このように、湿布の効能有効面積が比較的大きいものに限定されているのは、特に打撲等の外傷性疾患に効果を発揮するためである。したがって、貼付型湿布は外傷性疾患に対しては有効な治療手段であるが、大きさが20mm四方程度であるつぼや、つぼ相互を結ぶ経絡(けいらく)を刺激することによって腰痛等の神経性疾患を治療する場合には、従来の大きさの湿布を用いるのは適切ではない。そこで特に神経性疾患に対して有効な治療手段として、発熱または冷却効果がつぼや経絡の部分にのみ作用する湿布が求められている。
【0005】
また、上述の貼付型湿布は特有の臭気を発するものがある。さらに、外気に接触することによって発熱反応が開始されて熱効果を発揮する構成のものがあることから、使用する直前までは包装体によって密閉状態で保存される必要がある。しかし、従来からの包装体にあっては密閉性は確保されるものの、湿布ごとに包装するものであるため、生産効率が低く、高価となるという問題があった。
【0006】
さらには、貼付型湿布によって神経性疾患を治療する場合には、つぼや経絡を症状別にかつ適切に刺激させる必要があるため、当該つぼ等に正確に貼付される必要がある。しかるに現状ではこのような貼付位置の設定は、経験により行われ、部位のずれにより適切な効果を得ていない場合を生じやすかった。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、貼付型湿布の平面形状の大きさを直径5〜50mmである円の範囲内としたことを特徴とする貼付型つぼ用湿布である。この平面形状の大きさは、一般成人の平均的なつぼの大きさに相当するものである。したがって、この平面形状の大きさである貼付型つぼ用湿布は、熱効果の刺激をつぼや経絡に効率よく与えることが可能となり、肩こりや腰痛等の神経性疾患に対して特に有効な治療手段であると共に、人体の自然治癒力または免疫力を高めることとなり、患部のみならず身体全体の健康を促進する効果も得られることとなる。ここで、この貼付型つぼ用湿布は前記の大きさの範囲内であれば任意の平面形状とすることができる。
【0008】
また、上述の貼付型つぼ用湿布は、外気に接触させることによって発熱作用が開始される構造のものや、特有の臭気を発するものがあるため使用前は包装体内に密閉保存される必要がある。そこで、易破断性材料からなる基部シートと、該基部シートに重ね合わされ、該基部シートとの間で単一又は複数の収納空部を生ずる凹部を有するシート成形体とを備えたブリスターパックによって、貼付型つぼ用湿布を担持する貼付型つぼ用湿布パックが提案される。かかる構成にあっては、貼付型つぼ用湿布がブリスターパックに形成される収納空部に収納されるものである。このような構成としたから、貼付型つぼ用湿布を使用直前まで確実に未使用状態のままで密閉保存することが可能となる。さらにこの貼付型つぼ用湿布パックは、各貼付型つぼ用湿布が列整されて、板状に保持されるから、携帯性の点においても優れたものとなると共に、一体の湿布ごとに密閉包装される従来の包装手段に比して、生産性の点においても有利である。
【0009】
ここで、このブリスターパックに収納される貼付型つぼ用湿布には、包袋に発熱材あるいは冷却材を充填してなる構成のものの他に、基材に高含水性高分子ポリマーを主成分とするポリマー層を具備する構成のものが用いられる。また、薬効成分の効果を利用する貼布型湿布にあっても、特有の臭気を発し、また薬効成分の効果を使用直前まで維持する必要がある理由から密閉包装される必要がある。したがって、上述の平面形状の大きさに成形され、薬剤を含有する薬剤層を含む構成からなる貼付型つぼ用湿布を前記ブリスターパックに収納して、貼付型つぼ用湿布パックとすることもできる。
【0010】
また、つぼや経絡を刺激する治療は、症状別に適切なつぼや経絡の位置の知識をもって対応しなければ十分な治療効果が得られない。そのため、使用者が貼付型つぼ用湿布を使用する際には、症状別に体のどの部位に貼付すればよいかを示す指標が必要となる。そこで、上述の貼付型つぼ用湿布パックのブリスターパックの平面形状が全身あるいは患部周辺の一部分のみを模倣した人体型であり、このブリスターパック上にあって、つぼに相当する複数の部位に前記凹部形状の収納空部を形成する貼付型つぼ用湿布パックが提案される。したがって、この人体形状を有する貼付型つぼ用湿布パックの指標機能により、症状別に適切な貼付すべきつぼや経絡の箇所が一目瞭然に理解し得るため、専門知識をもたない者でも容易にかつ効果的に貼付型つぼ用湿布による効能を得ることができることとなる。
この人体型の貼付型つぼ用湿布パックにあっても上述の貼付型つぼ用湿布パックと同様に、包袋を具備する貼付型つぼ用湿布、ポリマー層を具備する貼付型つぼ用湿布及び薬剤層を具備する貼付型つぼ用湿布等が収納空部に収納され得る。
【0011】
また、人体を模倣した人体型指標シートを備え、該人体型指標シート上のつぼに相当する複数の部位に前記貼付型つぼ用湿布を粘着層を介して貼付して、つぼ用湿布を担持する貼付型つぼ用湿布シートが提案される。この人体型指標シートは、全身あるいは患部周辺の一部分のみを模倣した人体の平面形状であり、該シート上のつぼに相当する複数の部位に粘着層を介して貼付型つぼ用シートが貼付されて担持されることとなる。さらに、貼付型つぼ用湿布が貼付される位置にはマークが記載してあるため、貼付型つぼ用湿布を使用した後であっても該人体型指標シートを保存しておくことによって、症状別に適切なつぼの位置が記載される文献として人体型指標シートを利用することが可能となる。ところで、この貼付型つぼ用湿布シートに貼付される貼付型つぼ用湿布には、上述の貼付型つぼ用湿布パックと同様に、包袋を具備する貼付型つぼ用湿布、ポリマー層を具備する貼付型つぼ用湿布及び薬剤層を具備する貼付型つぼ用湿布等が適用され得る。また、この貼付型つぼ用湿布シートは、利用し易いように症状ごとに成形された人体の形状別に密閉包装されるのが好適である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を添付図面にしたがって説明する。
本発明である貼付型つぼ用湿布A1,A2は、図1,2で示されるように、包袋1内に発熱材2又は冷却材3を充填し、かつ該包袋1の患部に貼付する面に粘着層4を形成し、さらに該粘着層4を剥離可能な保護シート5で被覆してなるものである。
【0013】
ここで図1の貼付型つぼ用湿布A1は温感作用を示すものであって、包袋1内に発熱材2を充填してなる。この発熱材2としては鉄粉等が選択され、該発熱材2を充填する包袋1には不織布等が提案される。さらに、粘着層4に剥離可能に被覆される保護シート5にはプラスチックフィルム等からなるものが好適である。
【0014】
また、図2の貼付型つぼ用湿布A2は冷感作用を示すものであって、包袋1内に冷却材3を充填してなる。この冷却材3としては保冷性を有する高吸水性ポリマー等が適用され、該冷却材3を充填する包袋1は合成樹脂フィルム等を用いるのが好適である。
【0015】
ここで、冷感作用を示す他の構成として、図3で示す貼付型つぼ用湿布A3が提案される。このものは、不織布又はプラスチックフィルム等からなる可撓性基材6に、高含水性高分子ポリマーを主成分とするポリマー層7を形成し、さらに該基材6を患部に貼着保持するための粘着層4を積層してなり、該粘着層4を剥離可能な保護シート5で被覆する構成のものもある。この構成からなる貼付型つぼ用湿布A3は、粘着層4を介して貼付された患部の体温によってポリマー層7に含まれる水分が蒸散し、該蒸散した水分が熱を奪う効果を利用して冷却効果を得るものである。
【0016】
また、上述の貼付型つぼ用湿布A1〜A3の平面形状は、任意に決定することができる。本実施例にあっては、図4で示されるように円形形状とした。ここで平面形状としては、矩形、三角形、楕円形、ハート形、星形等にしても良い。さらに、貼付型つぼ用湿布A1〜A3の平面形状の大きさを直径5〜50mmである円の範囲内とした。これは一般成人の平均的なつぼの大きさに対応したものであり、この平面形状の大きさとしたから効率良く熱効果をつぼや経絡に伝えることが可能となる。
【0017】
ここで上述の構成からなる貼付型つぼ用湿布A1〜A3の使用例を説明する。
包袋1に不織布を利用し、発熱材2として鉄粉を充填した構成の貼付型つぼ用湿布A1が、使用するために密閉包装体から取り出された場合には、鉄粉が不織布を介して外気と接触して発熱反応を開始するため、貼付型つぼ用湿布A1は全体として温熱を帯びる。さらに、該貼付型つぼ用湿布A1に接着される保護シート5を剥離し、粘着層4を介して人体のつぼ等に貼付される。この温熱を帯びた貼付型つぼ用湿布A1の熱効果によってつぼや経絡に刺激を与えることとなり、治療効果を得ることができる。
【0018】
また、包袋1に合成樹脂フィルムを用い、冷却材3として高吸水性ポリマーを充填した構成の貼付型つぼ用湿布A2にあっては、貼付型つぼ用湿布A2を事前に冷蔵室等に保存して加冷しておくことによって利用可能となる。そして使用する直前に前記保護シート5を剥離し、粘着層4を介してつぼ等に貼付されることとなる。この高吸水性ポリマーは保冷性を有するため、加冷された貼付型つぼ用湿布A2は、一定時間つぼや経絡を冷却して刺激を与えることができる。したがって、治療効果を得ることができる。
【0019】
さらに、不織布等からなる基材6に、高含水性高分子ポリマーを主成分とするポリマー層7を形成した構成からなる貼付型つぼ用湿布A3にあっては、粘着層4より保護シート5を剥がし取り、該粘着層4を介してつぼや経絡に貼付されることとなる。かかる構成にあっては、患部の体温によってポリマー層7に含まれる水分が蒸散し、該蒸散した水分が熱を奪う効果を利用して冷却効果が得られ、患部を治療可能とするものである。
【0020】
上述の貼付型つぼ用湿布A1〜A3は、図5で示されるように、貼付型つぼ用湿布パックBとして担持かつ保存される。この貼付型つぼ用湿布パックBは、貼付型つぼ用湿布A1〜A3と密閉包装が可能なブリスターパック10とからなる。このブリスターパック10は、易破断性材料からなる基部シート11と、該基部シート11に重ね合わされ、該基部シート11との間で、複数の収納空部12を生ずる凹部を有するシート成形体13とで構成される。ここで、このシート成形体13は単一の収納空部12を形成するように成形加工されたものでも良い。この基部シート11は容易に破断される薄膜金属フィルム等が好適とされるが、薄膜プラスチックフィルムを用いても良い。また、収納空部12を形成するシート成形体13は、合成樹脂フィルムシート等からなり、該合成樹脂フィルムシート等を凹状に成形加工したものである。このシート成形体13は、熱接着性樹脂層14を介して収納空部12を閉塞するように前記基部シート11と重ね合わされる。そして該凹部形状の収納空部12には、貼付型つぼ用湿布A1〜A3が収納されることとなる。このため、該貼付型つぼ用湿布A1〜A3は使用直前まで密閉状態で保存することができる。
【0021】
さらに、このブリスターパック10に収納される貼付型つぼ用湿布A1〜A3には、上述の平面形状の大きさに成形され、薬剤によって患部治療の効果を得る貼付型つぼ用湿布A4を前記ブリスターパック10に収納して、貼付型つぼ用湿布パックBとすることもできる。この薬剤を用いる貼付型つぼ用湿布A4にあっては、不織布又はプラスチックフィルム等からなる可撓性基材6に、薬効成分を含む薬剤層19を形成し、さらに該基材6を患部に貼着保持するための粘着層4を積層してなり、該粘着層4を剥離可能な保護シート5で被覆する構成からなるものである(図5参照)。
【0022】
ここで、上記の貼付型つぼ用湿布パックBの使用例を説明する。
上述のブリスターパック10に収納される貼付型つぼ用湿布A1〜A4を使用する場合には、シート成形体13の凹部形状の底面部を基部シート11の方向に、収納される貼付型つぼ用湿布A1〜A4と共に押圧する。この基部シート11は薄膜シートであるからこの押圧力によって容易に破断され、収納空部12内は外部と連通することとなり、収納されている貼付型つぼ用湿布A1〜A4を取り出すことが可能となる。また別の手段としては、基部シート11側から基部シート11を直接破断して、収納されている貼付型つぼ用湿布A1〜A4を取り出しても良い。さらに、この取り出された貼付型つぼ用湿布A1〜A4の保護シート5を剥がし取り、前記粘着層4を介して人体のつぼ等に貼付される。
【0023】
また、図7に示される人体型の貼付型つぼ用湿布パックB1は、ブリスターパック10の平面形状を、全体として、人体を模倣した形状としたものである。この人体型のブリスターパック10は、該ブリスターパック10上で人体のつぼの位置に相当する複数の部位に、上述のシート成形体13に形成される凹部形状の収納空部12を配設したものである。この収納空部12内には、貼付型つぼ用湿布A1〜A4が密閉状態で包装される。ここでこの人体型のブリスターパック10は、全身を模倣したものや患部周辺の一部部分のみを模倣した人体型の平面形状であっても良い。
【0024】
ところで、この人体型の貼付型つぼ用湿布パックB1にあっても上述の貼付型つぼ用湿布パックBと同様に、包袋1を具備する貼付型つぼ用湿布A1,A2、ポリマー層7を具備する貼付型つぼ用湿布A3及び薬剤層19を具備する貼付型つぼ用湿布A4等が収納空部12に収納され得る。また、人体型の貼付型つぼ用湿布パックB1は、頭痛用、肩こり用、腰痛用、便秘用、筋肉疲労回復用、目の疲労用等の症状別に対応し、各々について全身あるいは患部周辺の一部分のみを模倣した人体形状であるブリスターパック10上で効能を発揮するつぼに相当する位置に収納空部12が形成される。ここで図7に示される人体型の貼付型つぼ用湿布パックB1の実施例は、腰痛治療に対応するものである。
【0025】
また図8は、人体を模倣した人体型指標シート20を具備する貼付型つぼ用湿布シートCを示している。この貼付型つぼ用湿布シートCは、貼付型つぼ用湿布A1〜A4と人体型指標シート20とからなり、貼付型つぼ用湿布A1〜A4の粘着層4を介して貼付型つぼ用湿布A1〜A4と人体型指標シート20とは剥離可能に接着される。この人体型指標シート20はプラスチックフィルム等からなり、全身を模倣した形状や患部周辺の一部部分のみを模倣した人体形状に成形される。貼付型つぼ用湿布A1〜A4と剥離可能に接着される人体型指標シート20の表面上には、人体のつぼに相当する複数の位置にマーク21が記載される。このマーク21上には、前記貼付型つぼ用湿布A1〜A4が粘着層4を介して貼付されて担持される。ここで人体型指標シート20は、頭痛用、肩こり用、腰痛用、便秘用、筋肉疲労回復用、目の疲労用等の症状別に対応しており、夫々症状別に効能を発揮するつぼや経絡の位置が人体型指標シート20上に示される。図8に示される本実施例は腰痛用の貼付型つぼ用湿布シートCである。
【0026】
ここで、この貼付型つぼ用湿布シートCの使用例を説明する。
まず、症状別に対応した複数の貼付型つぼ用湿布シートCの中から所望の症状に対応したものを選択する。そして、貼付型つぼ用湿布シートCに貼付される貼付型つぼ用湿布A1〜A4を剥がし取り、粘着層4を介して人体のつぼ等に貼付する。このときに貼付する患部の位置は、該貼付型つぼ用湿布A1〜A4が担持されていた人体型指標シート20に記載されるマーク21の指標に従って、治療に適切かつ有効な位置に貼付することとなる。
【0027】
また、貼付型つぼ用湿布シートCに貼付される貼付型つぼ用湿布A1〜A4には上述の貼付型つぼ用湿布パックBと同様に、包袋1を具備する貼付型つぼ用湿布A1,A2、ポリマー層7を具備する貼付型つぼ用湿布A3及び薬剤層19を具備する貼付型つぼ用湿布A4等が適用され得る。また、この貼付型つぼ用湿布シートCは利用し易いように、症状ごとに成形された人体の形状別に密閉包装されるのが好適である。
【0028】
【発明の効果】
本発明である貼付型つぼ用湿布は、貼付型湿布の平面形状の大きさをつぼの平均的な大きさに相当する直径5〜50mmである円の範囲内としたものであるため、熱効果をつぼや経絡に効率よく与えることが可能となり、肩こりや腰痛等の神経性疾患に対して特に有効な治療手段とすることができると共に、人体の自然治癒力または免疫力を高めることとなり、患部のみならず身体全体の健康を促進する効果も得られることとなる。
【0029】
またこの貼付型つぼ用湿布は、外気に接触させることによって発熱作用が開始される構造のものや、特有の臭気を発するものがあるため使用前は包装体内に密閉保存される必要がある。そこで、易破断性材料からなる基部シートと、該基部シートに重ね合わされ、該基部シートとの間で単一又は複数の収納空部を生ずる凹部を有するシート成形体とを備えたブリスターパックによって、貼付型つぼ用湿布を担持する貼付型つぼ用湿布パックが提案される。かかる構成にあっては、貼付型つぼ用湿布を使用直前まで確実に未使用状態のままで密閉保存することが可能となり、効能を発揮するのに最適な状態で使用することができることとなる。さらにこの貼付型つぼ用湿布パックは、各貼付型つぼ用湿布が列整されて、板状に保持されるから、携帯性の点においても優れたものとなると共に、一つの湿布ごとに密閉包装される従来の包装手段に比して、生産性の点においても有利である。
【0030】
また、使用者が貼付型つぼ用湿布を使用する際には症状別に体のどの部位に貼付すればよいかを示す指標が必要となる。そこで本発明においては、上述の貼付型つぼ用湿布パックの平面形状を人体を模倣した人体型とし、さらにこのブリスターパック上にあって、症状別に効能を発揮するつぼに相当する複数の部位に収納空部を形成して貼付型つぼ用湿布を収納する人体型の貼付型つぼ用湿布が提案される。したがって、症状別に適切な貼付すべきつぼや経絡の箇所が一目瞭然に理解し得ることとなり、専門知識をもたない者でも容易にかつ効果的に貼付型つぼ用湿布による効能を得ることができる。
ところで、この人体型の貼付型つぼ用湿布パックにあっては、上述の貼付型つぼ用湿布パックと同様に、包袋を具備する貼付型つぼ用湿布、ポリマー層を具備する貼付型つぼ用湿布及び薬剤層を具備する貼付型つぼ用湿布とが収納空部に収納され得る。
【0031】
また、人体を模倣した人体型指標シートを備え、該人体型指標シート上のつぼに相当する複数の部位に前記貼付型つぼ用湿布を粘着層を介して貼付して、貼付型つぼ用湿布を担持する貼付型つぼ用湿布シートが提案される。この人体型指標シートは、全身あるいは患部周辺の一部分を模倣した人体の平面形状であり、該シート上のつぼに相当する複数の部位に粘着層を介して貼付型つぼ用シートが貼付されて担持されることとなる。さらに、貼付型つぼ用湿布が貼付される位置にはマークが記載してあるため、症状別に適切な貼付すべきつぼや経絡の箇所が一目瞭然に理解し得ると共に、貼付型つぼ用湿布を使用した後であっても該人体型指標シートを保存しておくことによって、適切なつぼの位置が記載される文献として人体型指標シートを利用することが可能となる。ところで、この貼付型つぼ用湿布シートに貼付される貼付型つぼ用湿布には、上述の貼付型つぼ用湿布パックや人体型の貼付型つぼ用湿布パックと同様に、包袋を具備する貼付型つぼ用湿布、ポリマー層を具備する貼付型つぼ用湿布及び薬剤層を具備する貼付型つぼ用湿布等が適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】貼付型つぼ用湿布の縦断面図である。
【図2】貼付型つぼ用湿布の縦断面図である。
【図3】貼付型つぼ用湿布の縦断面図である。
【図4】貼付型つぼ用湿布の上面図である。
【図5】貼付型つぼ用湿布パックの縦断面図である。
【図6】貼付型つぼ用湿布の縦断面図である。
【図7】人体型の貼付型つぼ用湿布パックの上面図である。
【図8】貼付型つぼ用湿布シートの上面図である。
【符号の説明】
A1〜A4 貼付型つぼ用湿布
B 貼付型つぼ用湿布パック
B1 人体型の貼付型つぼ用湿布パック
C 貼付型つぼ用湿布シート
1 包袋
2 発熱材
3 冷却材
4 粘着層
5 保護シート
6 基材
7 ポリマー層
10 ブリスターパック
11 基部シート
12 収納空部
13 シート成形体
19 薬剤層
20 人体型指標シート
21 マーク
Claims (6)
- 易破断性材料からなる基部シートと、該基部シートに重ね合わされ、該基部シートとの間で単一又は複数の収納空部を生ずる凹部を有するシート成形体とからなるブリスターパックを備え、
該ブリスターパックに形成された収納空部に、包袋内に発熱材又は冷却材を充填し、かつ該包袋の患部に貼付する面に粘着層を形成し、さらに該粘着層を剥離可能な保護シートで被覆してなり、その平面形状の大きさを直径5〜50mmである円の範囲内とした貼付型つぼ用湿布を収納してなり、
シート成形体の平面形状が人体を模倣した人体型であり、該シート成形体上にあって、つぼに相当する複数の部位に、凹部形状の収納空部を形成してなることを特徴とする貼付型つぼ用湿布パック - 易破断性材料からなる基部シートと、該基部シートに重ね合わされ、該基部シートとの間で単一又は複数の収納空部を生ずる凹部を有するシート成形体とからなるブリスターパックを備え、
該ブリスターパックに形成された収納空部に、可撓性材料からなる基材に、高含水性高分子ポリマーを主成分とするポリマー層を形成し、該ポリマー層上に基材を患部に貼着保持するための粘着層を積層し、さらに該粘着層を剥離可能な保護シートで被覆してなり、その平面形状の大きさを直径5〜50mmである円の範囲内とした貼付型つぼ用湿布を収納してなり、
シート成形体の平面形状が人体を模倣した人体型であり、該シート成形体上にあって、つぼに相当する複数の部位に、凹部形状の収納空部を形成してなることを特徴とする貼付型つぼ用湿布パック。 - 易破断性材料からなる基部シートと、該基部シートに重ね合わされ、該基部シートとの間で単一又は複数の収納空部を生ずる凹部を有するシート成形体とからなるブリスターパックを備え、
該ブリスターパックに形成された収納空部に、可撓性材料からなる基材に、薬効成分を含有する薬剤層を塗着し、さらに該薬剤層上に基材を患部に貼着保持するための粘着層を積層し、さらに該粘着層を剥離可能な保護シートで被覆してなり、その平面形状の大きさを直径5〜50mmである円の範囲内とした貼付型つぼ用湿布を収納してなり、
シート成形体の平面形状が人体を模倣した人体型であり、該シート成形体上にあって、つぼに相当する複数の部位に、凹部形状の収納空部を形成してなることを特徴とする貼付型つぼ用湿布パック。 - 人体を模倣した人体型指標シートを備え、該人体型指標シート上のつぼに相当する複数の部位に、
包袋内に発熱材又は冷却材を充填し、かつ該包袋の患部に貼着する面に粘着層を形成してなり、その平面形状の大きさを直径5〜50mmである円の範囲内とした貼付型つぼ用湿布を、その粘着層を介して貼付したことを特徴とする貼付型つぼ用湿布シート。 - 人体を模倣した人体型指標シートを備え、該人体型指標シート上のつぼに相当する複数の部位に、
可撓性材料からなる基材に、高含水性高分子ポリマーを主成分とするポリマー層を形成し、該ポリマー層上に基材を患部に貼着保持するための粘着層を積層してなり、その平面形状の大きさを直径5〜50mmである円の範囲内とした貼付型つぼ用湿布を、その粘着層を介して貼付したことを特徴とする貼付型つぼ用湿布シート。 - 人体を模倣した人体型指標シートを備え、該人体型指標シート上のつぼに相当する複数の部位に、
可撓性材料からなる基材に、薬効成分を含有する薬剤層を塗着し、さらに該薬剤層上に基材を患部に貼着保持するための粘着層を積層してなり、その平面形状の大きさを直径5〜50mmである円の範囲内とした貼付型つぼ用湿布を、その粘着層を介して貼付したことを特徴とする貼付型つぼ用湿布シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000391208A JP4521115B2 (ja) | 2000-12-22 | 2000-12-22 | 貼付型つぼ用湿布並びに該貼付型つぼ用湿布を用いた貼付型つぼ用湿布パック及び貼付型つぼ用湿布シート |
Applications Claiming Priority (1)
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