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JP4518429B2 - 炭素繊維撚糸 - Google Patents

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JP4518429B2 JP2007525179A JP2007525179A JP4518429B2 JP 4518429 B2 JP4518429 B2 JP 4518429B2 JP 2007525179 A JP2007525179 A JP 2007525179A JP 2007525179 A JP2007525179 A JP 2007525179A JP 4518429 B2 JP4518429 B2 JP 4518429B2
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Description

本発明は、連続炭素繊維のストランドが少なくとも2本撚り合わされることによって成る糸、前記糸の製法、および前記糸の使用に関する。
例えば産業用途用として、繊維複合材料や濾材のごとき繊維プリフォームの製造および使用を増加させるために必要なものの1つとして、好適な縫糸が挙げられる。前記糸の目的は前記プリフォームを安定させることである。しかしながら、例えば、ファイバーセラミックスを製造する場合あるいは高化学物質および/または熱応力に曝される処理において濾材を用いる場合に必要とされるように、時には非常に高い温度において、前記プリフォームを構造的に補強するために用いられることも次第に多くなってきている。
炭素繊維の機械的性質および熱安定性および化学安定性は、この材料を、縫糸、とりわけ前記用途に特に好適にさせる。
裁縫の最中に起こる数多くの、主として強制的な糸の分裂は糸に損傷を与える。そして、一般に、損傷した糸は、完成した複合材料において、その本来の機械的安定性を発揮することはない。とりわけ、傷みやすい炭素繊維は、特定の条件下でしか縫うことができない。前記繊維の理論的に達成できる機械的性質は、縫製後の部品では得られない。
かつて、特定の状況下でのみ縫うことが可能なTorayca T900と呼ばれる東レ株式会社製の製品が市場に出ていたことがある。この糸は、1,000本のフィラメント、あるいは、各々が1,000本のフィラメントを含んでなる2つの構成材料、あるいは、各々が1,000本のフィラメントを含んでなる3つの構成材料から作られる。各々の構成材料は、S222〜225t/mの撚りを有する。2つまたは3つの構成材料を撚り合わせてストランドにする場合、これらストランドは、おおよそZ162〜Z164t/mで撚り合わされる。好ましからざる糸の分裂が多い一般的な撚り方法を用いた場合、おそらく、この撚糸は、直径が約5.5μm以下である細い、すなわち柔軟な、フィラメントでしか製造することができないであろう。しかしながら、直径が6μmよりも小さい炭素繊維を製造するにはかなりの費用を要するため、それ故にこの種の糸は非常に高価である。
また、炭素繊維を芯として有し、かつ、別の糸によって覆われている縫糸がこれまでに作り出されている(例えば、特許文献1または特許文献2参照)。様々な方法を用いて、例えば、前記芯の周りに巻かれているまたはクローシェ編みされている鞘を作製することができる。被覆処理は糸材料に大きな荷重をかけるため、例えばポリエステル糸またはポリアミド糸が用いられる。しかしながら、これらの糸はプラスチック母材に対する接着強度が低く、繊維複合材料中の炭素繊維の容積を被覆糸の容積分だけ減らしてしまう。さらに、縫糸の芯材料は縫われる物にあまり近接することができないが、これは嵩のある鞘がそれらの間に位置するためである。
また、ガラス撚糸、またはアラミドあるいはPBO繊維、も縫製に用いられる。その理由は、これらは炭素繊維よりも横強度が高いので、磨損を伴う縫製工程において炭素繊維よりも損傷が少ないためである。しかしながら、プラスチックのごときマトリクスとの複合材料におけるそれらの圧縮特性および機械的特性は、炭素繊維の圧縮特性および機械的特性よりもはるかに劣るため、真の構造補強を提供することはできない。
一般に、フィラメント糸繊維のフィラメントは、製造後の糸の内部において互いに平行であり、密接に統合された糸複合材料は形成しない。しかしながら、とりわけ縫糸にとって、そのような複合材料は、完全な縫い目を確実に作り出す唯一の方法であるため、重要である。
フィラメント糸を撚り合わせることによって、密接に統合された糸複合材料が得られる。この、通常は付加的な、製造工程は、フィラメントの初期損傷をもたらし、そして前記初期損傷は、続く縫製工程において、結果として糸の断裂が生じるほどのさらなるフィラメントの損傷の原因となる。
特開平2−133632号公報 特開昭64−61527号公報 国際公開第WO02/103097号パンフレット
従って、本発明の目的は、前述の問題点が少なくとも少なくなった連続炭素繊維からなる糸、特に、これまで市場に出ていた糸よりも縫糸としての使用に適している糸を提供することである。
本発明の目的は、連続炭素繊維のストランドが少なくとも2本撚り合わされることによって成る糸であって、前記ストランドの炭素繊維は糸の方向に配置されていることを特徴とする前記糸によって達成される。ストランドの炭素繊維は糸の方向に対してほぼ平行に配置されていることが好ましい。
本発明において、炭素繊維は、連続炭素繊維(炭素繊維フィラメント)であると理解される。単一の処理工程において炭素繊維を糸軸に対してほぼ平行に配置することを選択するということは、二段階製造工程におけるフィラメントの断線または糸内部におけるフィラメントの不可避な斜め配置の結果として、糸を二段階撚糸法において撚り合わせることによって生じる強度の損失は、一段階撚糸法と比較して、はるかに少ない。
本発明の糸は、少なくとも2本の炭素繊維ストランドの直接撚り合せによって製造することができる。この直接撚り合せは、これまで、タイヤコードを製造するためにのみ使用されてきた(例えば、WO02/103097(特許文献3)を参照)。しかしながら、本発明の糸を製造するには、現在市場に出ている直接撚り合せ装置を改造する必要がある。特に、本発明の糸を製造するために用いられるストランドが通されて互いに撚り合わされるアセンブリアイレットは、前記ストランドと接触する領域において、少なくとも4mm、好ましくは4〜40mm、特に好ましくは少なくとも6〜12mmの半径を有する必要がある。直接撚り合せ装置で用いられるスレッドガイド部品の各々が、1本以上のストランドまたは完成した糸との接触が生じる領域において、少なくとも4mm、好ましくは4〜40mm、特に好ましくは6〜12mmの半径を有すれば特に有利であることも分かっている。これらの寸法に合えば、本発明の糸は、直接撚り合せの技術分野に精通している当業者の知識を使って製造することができる。
前記アセンブリアイレットの表面は、97%のAlと3%のTiOとを含んでなるプラズマ被覆剤が塗布された後、光沢が出るまで研磨される。これにより、フィラメントを特に保護する方法で炭素繊維を処理することができる。
直接撚り合せを用いることによって、個々のストランドが撚られることなく、2本のストランドが一回の操作で撚り合わされる。とりわけ炭素繊維は、そのほぼ完全に伸長した平行なフィラメントのため、非常に高い糸強度を生み出すことができる。さらに、両ストランドにおける糸張力はコードレギュレーターによって非常に正確に設定することができるので、実質的に同じ長さであるストランドを撚り合せることができる。これにより、両ストランドが全応力を等しい量で吸収できるようになり、両糸成分が最大限に生かされることになる。
通常は傷みやすい炭素繊維を処理するための直接撚り合せのさらなる利点とは、この処理に必要とされるスレッドガイド部品の数が少ないことであるが、これらの部品は前述の寸法に適合している必要はない。これによるフィラメントへのダメージは、従来技術の撚糸法によるダメージよりもずっと少ない。
フィラメントの直径が5〜8μmであり、フィラメントの本数が100〜2,000本、好ましくは500〜1,000本である炭素繊維が、本発明の糸を製造する場合の出発材料に非常に適していることが試験によって示されている。直接撚り合せを用いた場合、撚り回数を50〜1,000t/m、好ましくは150〜250t/mに設定すれば、特に縫糸に用いることができる特に好適な糸が製造される。150〜400t/m、とりわけ160〜290t/mの撚り回数が特に良い結果を生み出すことが分かっている。
酸化および/または炭化によって炭素繊維へと加工することができる繊維である前駆体も、前記酸化および/または炭化が完了する前に、直接撚り合せることができる。同様に、炭素繊維製造におけるすべての中間生成物を工程から取り出し、直接撚り合わせ、そして炭素繊維製造工程におけるそれらが取り出された段階に再度送り込むことも考えられる。炭化の前に生成される中間生成物は、これに特に適している。
本発明の糸は、50〜350、好ましくは175〜300の平均摩耗耐久性を有することを特徴とする。
摩耗耐久性は、以下の方法で規定されているように測定される。
糸の摩耗耐久性を測定するために、糸Gをスレッドクランプ7に固定し、図1に示すようにして縫針5に通し、糸のもう一方の固定されていない端部に10gのおもり6を付けた。摩耗試験では、トラバース1は、縫針5と共に、約75mmの移動幅を繰り返し水平に動く。トラバース1は、ベアリング4によってガイド2に取り付けられている。約75mmの移動幅は、停止部材3’および3”によって定められている。1分間につき、約60ストローク実行する。
糸の一端は前記スレッドクランプに固定されているので、糸Gは、ヤーンクランプ7と針5の穴との間の距離が絶えず変化していることにより、針5の穴を通じて運動し、この方法で摩耗応力に曝される。糸が裂けた後、その時点までに実行されたストロークの回数を記録する。この測定を、異なる8ヶ所の糸部分について行う。試験が終了した後、8つの値すべてを平均し、小数点第1位で四捨五入して整数にする。この整数を平均摩耗耐久性とする。
前記糸は、縫製工程と同様に、応力を受けた状態で且つかなりの角度で針の穴に通されることが多いため、前記平均摩耗耐久性を測定することは、試験対象の糸の縫製特性を評価するのに優れた方法である。
本発明の糸は、下記条件を満たすことでとりわけ特徴付けられる。
S = −35 × 10−4 + 2D − A
ここで、Sは平均摩耗耐久性であり、Dは1メートル当たりのストランドの撚りの回数であり、そしてAは170〜−35の範囲内の値である。
本発明の糸は、下記条件を満たすことでとりわけ特徴付けられる。
K = −105 × 10−4 + 590D − B
ここで、KはMPaで表された平均結節強度であり、Dは1メートル当たりのストランドの撚りの回数であり、そしてBは250〜450の範囲内の値である。
結節強度は、糸の両端部をボール紙のキャップストリップで固定してから引張試験機に固定すること以外は、DIN 53842に従って測定する。また、材料が傷みやすいという理由から、先行荷重力は設定しない。
さらに、本発明の糸は、ストランド中の炭素繊維の直径が3〜10μm、特に6〜10μmであることを特徴とする。
以下、本発明を下記実施例を用いて詳しく説明する。
出願人が販売している糸であるTenax HTA 5641 67tex f1000 Z15から成り、かつ、各々が1,000本の炭素繊維フィラメントを含んでなる2本の炭素繊維ストランドを直接撚り合せを用いて撚り合わせた。このとき、ストランドを異なる撚り回数で撚り合わせた。前記糸がアセンブリアイレットと接触する前記アセンブリアイレットの開口部の断面は湾曲しており、その湾曲部の最小半径は約15mmである。前記アセンブリアイレットの糸入口領域および糸出口領域の曲線半径はやや小さく、1〜3mmである。もう一方のスレッドガイドの断面も同様に湾曲しており、その最小半径は約8mmである。
このようにして製造された糸が示す摩耗耐久性および結節強度を表1に示す。
Figure 0004518429
上記表は、糸Bおよび糸Cが摩耗耐久性および結節強度に関して最良の結果を示したことを示している。従って、それらは縫糸として最適である。
糸の実際の縫製特性に加えて、主に縫い目の辺りにおける繊維とマトリクスとの接合は、前記材料の機械的性質、とりわけ、繊維複合材料の三次元的補強にとって特に重要である。(縫製処理による影響のごとき)破壊的影響無しで繊維とマトリクスとの接合の強度を検証するために、糸Bおよび糸Cに樹脂フィルムを組み合わせてプリプレグを作製し、EN 2850−B2に従って圧縮強度を測定し、そしてEN 2563に従って見掛け層間せん断強度を測定した。
下記工程を行って試験を実施した。単位面積当たりの重さが72g/mであるプリプレグフィルム(Hexcel Composite (Dagneux, France) HexPly 6376 プリプレグフィルム)を、断面積の形状が八角形であり且つ各面の長さが100mmである金属製の巻体に貼り付けた。このフィルムに、実験室規模の巻付け装置を用いて、500cNの糸張力および23.1mm/sの巻付け速度で、巻付け軸に垂直に糸を巻き付けることによって、一方向(UD)構造体を作製した。単位面積当たりの重さが72g/mである新しいプリプレグフィルムを前記層の周りに巻き付けた。
このUD構造体全体と金属性の芯とを絶えず回転させながらオーブンで加熱した。すなわち、20分かけて80℃まで加熱した後、80℃で20分間加熱し続け、そして60分かけて室温まで冷ました。得られたUD体を8つの縁で切開することによって、8つの長方形のプリプレグ材料を作製した。これらのプリプレグ材料を、EN 2850−B2基準およびEN 2563基準に従って、オートクレーブおよび慣用の真空構造内において多層積層物へとさらに加工し、標準気圧条件下において試験した。
比較のため、上記と同じ様にしてさらなる多層積層物を作製した。これにより、下記糸、すなわち、
炭素繊維糸E(出願人から入手可能な糸であるTenax HTA 5131 400tex f6000)、
クローシェ編みされたポリエステル繊維(PES 84 dtex f12)で被覆された炭素繊維F(Tenax HTA 5641 67tex f1000 Z15)、および
東洋紡績株式会社がZylon PBO Fiberの商品名で製造する、ポリ(p−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール)からなるPBO繊維G、
が得られた。
EN 2563に準拠した見掛け層間せん断強度(ILSS)の試験結果およびEN 2850−B2に準拠した圧縮強度試験の結果を表2に示す。
Figure 0004518429
本発明の糸Bおよび糸Cは、慣用の炭素繊維糸Eと同様の高い見掛け層間せん断強度と圧縮強度とを有することは明白である。前記糸のフィラメントは、本発明の撚り合わせ操作によって糸の長手方向軸と平行な方向から実質的に逸れてはいない。もしそうでなければ、得られた圧縮データはもっと低かったであろう。
一方、炭素繊維フィラメントを芯とし、クローシェ編みされたポリエステル糸を鞘とする比較用糸Fは、圧縮強度値がかなり低い。換言すれば、荷重吸収炭素繊維フィラメントが、もはや糸の長手方向軸に沿って伸びていないため、圧縮応力に曝されると一層速く傷むことになる。さらに、ポリエステルの鞘は、荷重吸収炭素繊維とマトリクス材との間の必要とされる接着を妨げてしまう。
もう一つの比較用糸Gは、横強度および延性が高いため、優れた縫製特性を示すが、剪断強度および圧縮強度は非常に低いので、繊維複合材料の補強に用いることはできない。
特に衝撃荷重に対する縫製繊維複合材料の利点を説明するために、試験片を作製し、EN 6038に従って試験した。EN 6038から逸れて、作製された試験片の肉厚は4mmであったが、試験は15mmのスパンで始めた。4層の準等方性、4重多軸複合材料(NCF、複合織物の一層の単位面積当たりの繊維重量:267g/m)を試験用に縫い合わせた。縫い合わせは、縫い目長さを4mm、縫い目間隔を3mmとして、前記糸Cと伸長した下糸(糸C)とを用いて、二重縫いで行った。
このようにして作製された底面積が315mmであり、肉厚が4mmである織物予備成形物に、Hexcel RTM6樹脂を樹脂製造業者の手引きに従って含浸させることによって、繊維容量パーセントが60±4%である無孔繊維複合材料を製造した。この材料から試験片(以下、「NCF縫合」と呼ぶ)を切り出し、EN 6038試験規格に従って試験した。
前述の多軸複合材料(4つの4重層)を縫い合わせていないもの(以下、「NCF未縫合」と呼ぶ)と、同じように構成されたプリプレグ積層物(16層からなり、各層の単位面積当たりの繊維重量が267g/mであり、樹脂フィルム(フランス、Dagneuxに所在するHexcel Composite社製のHexPly 6376)と炭素繊維(出願人のTenax HTS 5631 800tex f12000 t0)とで構成される中間層に対して完全な対照を成す)(以下、「プリプレグ」と呼ぶ)とを用いて、同様の試験片を作製した。
表3は、未縫合の多軸複合材料(NCF未縫合)および同じように構成された積層物(プリプレグ)と比較した、本発明の糸(NCF縫合)を用いた試験(EN 6038に準拠した衝撃応力後の残留圧縮強度[MPa])の結果を示している。
Figure 0004518429
特に、高い衝撃エネルギーにおいて、縫合は一連のほぼ一定の残留圧縮強度値を得るのに役立っていることは明らかである。一方、慣用の未縫合の比較用積層物は、残留圧縮強度が、先に導入された衝撃エネルギーに大きく依存していることを示している。従って、縫合していない慣用の部品がこの種の応力に対抗するには、その大きさが十分に大きく、従って重量がある必要があった。
本発明の糸は、実質的に、繊維で補強することができるあらゆるマトリクスに用いることができる。熱可塑性材料(例えば、ポリエチレンイミン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリスルホン)、デュロマー(例えばエポキシド)、エラストマーおよびゴムの如きポリマーは、マトリクス材料として用いることができる。炭素繊維は、耐温度性が優れているため、セラミック材料(例えば、炭化ケイ素または窒化ホウ素)または金属材料(例えば、スチール、スチール合金、チタン)に用いることができる。熱可塑性材料およびデュロマーはこれに特に適している。その理由は、これらポリマー材料と炭素繊維との間の必要な繊維−マトリクス接合が特に良好であるからである。本発明の糸によるエラストマーおよびゴムの補強も同様に有利であるが、その理由は、炭素繊維は一般に非常に強いが、これら材料に特有である弾性特性を備えてはいないからである。本発明の糸の糸構造は弾性を向上させ、それらをエラストマー材料およびゴム材料を補強するのにより好適にさせる。
炭素繊維の直接撚り合せは、例えば、縫糸の製造にも、コンクリートを補強するための糸の製造にも用いることができる。例えば、直接撚り合せ用にストランドが選択され、かつ、これらのストランドのうちの1本が他のストランドよりも高い引張強度を有する場合、引張強度の低い方のストランドが、引張強度の高い方のストランドに巻き付くことになる。これにより、例えばコンクリート用の鉄筋に見られるような、一種のうね立てのある糸が得られる。この特徴により、前記糸をコンクリート内に固定することができる。
この糸を構築する上で、様々な構成材料が考えられる。1本以上の伸長したストランドを含んでなる芯としては、フィラメントの本数が6,000本よりも多い、好ましくは24,000本よりも多い炭素繊維が好適である。さらに細い糸は、必ずしも炭素繊維からなる必要はないが、外部ストランドとしての使用に適している。撚り回数値は、1メートル当たりほんの数回、好ましくは10t/m未満であるべきである。
糸の摩耗耐久性を測定方法を示す図である。

Claims (19)

  1. 連続炭素繊維のストランドが少なくとも2本撚り合わされることによって成る糸であって、前記ストランドの炭素繊維は糸方向に配置されている、ことを特徴とする前記糸。
  2. 連続炭素繊維のストランドが少なくとも2本撚り合わされることによって成り、かつ、直接撚り合せによって製造される糸。
  3. 前記ストランドは、1メートル当たり150〜400回、撚り合わされている、請求項1または2に記載の糸。
  4. 前記ストランドは、1メートル当たり160〜290回、撚り合わされている、請求項3に記載の糸。
  5. 平均摩耗耐久性が50〜350である、請求項3または4に記載の糸。
  6. 平均摩耗耐久性が175〜300である、請求項5に記載の糸。
  7. 下記条件、すなわち、
    S = −35 × 10−4 + 2D − A
    ここで、Sは平均摩耗耐久性であり、Dは1メートル当たりのストランドの撚りの回数であり、そしてAは170〜−35の範囲内の値である、
    が満たされる、請求項3〜6の1つ以上に記載の糸。
  8. 下記条件、すなわち、
    K = −105 × 10−4 + 590D − B
    ここで、KはMPaで表された平均結節強度であり、Dは1メートル当たりのストランドの撚りの回数であり、そしてBは250〜450の範囲内の値である、
    が満たされる、請求項3〜7の1つ以上に記載の糸。
  9. 前記ストランド中の炭素繊維の直径は6〜10μmである、請求項1〜の1つ以上に記載の糸。
  10. 縫糸である、請求項1〜9の1つ以上に記載の糸。
  11. 連続炭素繊維からなるストランドが少なくとも2本、直接撚り合せによって撚り合わされ、そしてアセンブリアイレットが、前記ストランドと前記アセンブリアイレットとが接触する領域において少なくとも4mmの半径を有するアイレットである、ことを特徴とする請求項1〜10の1つ以上に記載の糸を製造するための方法。
  12. 前記アセンブリアイレットが、少なくとも前記ストランドと前記アセンブリアイレットとが接触する領域において、4〜40mmの半径を有するアイレットである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記アセンブリアイレットが、少なくとも前記ストランドと前記アセンブリアイレットとが接触する領域において、6〜12mmの半径を有するアイレットである、請求項11に記載の方法。
  14. 少なくとも前記ストランドとスレッドガイドとが接触する領域において、少なくとも4mmの半径を有するスレッドガイドが用いられる、請求項11〜13の1つに記載の方法。
  15. 少なくとも前記ストランドと前記スレッドガイドとが接触する領域において、少なくとも4〜40mmの半径を有するスレッドガイドが用いられる、請求項14に記載の方法。
  16. 少なくとも前記撚糸と前記スレッドガイドとが接触する領域において、少なくとも6〜12mmの半径を有するスレッドガイドが用いられる、請求項14に記載の方法。
  17. 請求項1〜9の1つ以上に記載の糸の、縫糸としての使用。
  18. 熱可塑性材料、熱硬化性樹脂/エラストマー、とりわけゴム、またはセラミック材料のごとき繊維複合材料における、請求項1〜9の1つ以上に記載の糸の使用。
  19. 請求項1〜9の1つ以上に記載の糸の、コンクリートを補強するための使用。
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