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JP4517345B2 - リクライニング装置 - Google Patents

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JP4517345B2 JP2004189972A JP2004189972A JP4517345B2 JP 4517345 B2 JP4517345 B2 JP 4517345B2 JP 2004189972 A JP2004189972 A JP 2004189972A JP 2004189972 A JP2004189972 A JP 2004189972A JP 4517345 B2 JP4517345 B2 JP 4517345B2
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直明 星原
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Aisin Corp
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本発明は、自動車用のシートに適したリクライニング装置に関する。
車両用シートのシートクッションフレームとシートバックフレームとの間にリクライニング装置を配し、シートバックの傾き角を乗員の好みの角度に調整自在とさせたり、又、ウォークインのためにシートバックを前倒し可能とさせたりすることはよく知られている。この種の装置には、シートバックを元の位置に戻すためのメモリー機構は欠かせない。
従来のリクライニング装置は、シートバックの角度調整用のレバーと、前倒し専用のレバーの2本のレバーを必須としている。このため、乗員は目的に応じてレバーの使い分けをしている。
特開平11−70028号公報
シートバックの傾きを調整するレバーと、前倒し専用のレバーの使い分けは、乗員がレバーを用途に応じて使い分ける煩わしさと、レバーを2個設けるスペースの必要性、さらに部品点数の増加という問題が生じている。特に、レバーの回動角を許容するスペース、乗員の手が入るスペースはトータル的に大きなものとなり、シートの設計の自由度を拘束している。
それ故に、本発明は、前述した従来技術の不具合を解消させることを解決すべき課題とする。
本発明は前述した課題を解決するために、操作軸と一体回動するカムの表面にカム穴を設け、そのカム穴に作動プレートの爪部を係合させかつカムの動きに応じて作動プレートを径方向に往復動させ、作動プレートの動きに応じてメモリープレートをカバーに係脱自在とさせる技術手段を採用する。
この技術手段の採用は、メモリープレートを、操作軸まわりに、作動プレートとは独立した形で、カバーとともに回動させることを可能にする。このため、メモリープレートのための操作レバーは不要となる。
本発明では、作動レバーをカムの動きに応じて径方向に移動させる。この径方向の動きはメモリープレートを径方向に移動させることになるが、メモリープレートの操作軸まわりの回動は作動プレートにより阻止されない。
本発明によれば、ハウジングと、ハウジングに対し相対回動自在でありかつ内歯を有するケースと、操作軸の回動に追従して回動するカムと、カムの動きに応じ径方向に往復動しかつケースの内歯と噛合い自在なポールと、操作軸に嵌合しかつカムに設けたカム穴に係合する爪部を有する作動プレートと、操作軸に嵌合しかつ作動プレートの動きに応じて径方向に往復動自在なメモリープレートとを有し、メモリープレートがケースに係止自在であり、カムの回動によりメモリープレートとケースとが係脱されることを特徴とするリクライニング装置が提供される。
好ましくは、カムと作動プレートとの間に保持プレートが配され、保持プレートがポールの突起部を受け入れる溝部、メモリープレートに接する爪部及びケースのピンと接触自在な係合面を有し、該突起部と該溝部との係合がケースのハウジングに対する回動を許容する。カム、保持プレート、メモリープレートがスプリングの付勢力を受け、ハウジングがシートのクッションフレームにかつケースがシートバックフレームに固定される。
さらに好ましくは、ポールが等間隔に配された3個のポールよりなり、ポールの一つが作動プレートの長孔と嵌合する突起部を有し、作動プレートの円筒部がメモリープレートの中心孔を押す。カムに設けたピンが各ポールのカム穴に挿入され、メモリープレートがケースの別の内歯に係止されかつポールがケースの内歯と非係合の状態でケースをハウジングに対し相対回動可能とする。保持プレートの係合面とケースのピンとの当接が保持プレートを操作軸の軸心に対しオフセットさせる。
上記構成により、リクライニング装置の操作レバーは1つでシートバックの角度調整と、後席への乗降などのためのシートバックの前倒し、及び前倒し前のシートバック角度への復帰を行うことが可能となり、前倒し復帰した後で乗員がシートバック角度を再度調整し直す煩わしさを解消し、操作レバーを簡略化できるため、部品点数の低減により、低コスト軽量化を実現できる。
シート用リクライニング装置1は、図1に示すように、円形のハウジング2、円形のケースとしてのアッパギヤ3、ハウジング2とアッパギヤ3の周縁を結合させるリング4を有す。ハウジング2とアッパギヤ3とにより画定される内部空間にカム5、3個のポール6,7,8、保持プレート9、作動プレート10、メモリープレート11とが収容される。
カム5は、ロックスプリング12により一方向に付勢され、メモリープレート11は第1スプリング18の付勢力を受け、保持プレート9が第2スプリング13の付勢力を受ける。
図2を参照する。ハウジング2の内面に複数個形成された対のガイド14間にポール6,7,8が径方向に移動自在に配され、各ポール6,7,8は操作軸15の二面幅15aと嵌合するカム5の動きにより、径方向外方又は内方へと移動する。
カム5は、3個のピン5a,5a,5aと、カム穴5bとを有し、ピン5a,5a,5aがポール6,7,8のカム穴6a,7a,8aに挿入される。
ポール6は、径方向に長い突起部6bを有し、ポール8は周方向に長い突起部8bを有す。
ポール6,7,8は、その外縁に外歯6c,7c,8cが切られており、これら外歯6c,7c,8cは、アッパギヤ3の内側に切られた内歯16と噛合い自在となっている。
ハウジング2はシートのシートクッションフレームに固定され、アッパギヤ3がシートバックフレームに固定されるが、ポール6,7,8の外歯6c,7c,8cがアッパギヤ3の内歯16と噛合っているとき(図2の状態)、シートバックの位置は一定に保たれる。
図2の状態で、操作軸15が時計方向に回転させられると、ピン5a,5a,5aが時計方向に移動し、各ポール6,7,8を径方向内側にロックスプリング12の付勢力に抗して移動させ、内歯16と外歯6c,7c,8cとを非噛合いとさせ、ハウジング2に対しアッパギヤ3を自由状態とさせる。即ち、シートバックの前倒し、リクライニング位置への移動を可能にする。
尚、ハウジング2をシートバックフレームに、アッパギヤ3をシートクッションフレームに固定してもよい。
図3に示すように、ポール6,7,8に重なるように、保持プレート9を配す。保持プレート9は、突起部9a、突起部9aと対向する爪部9b、アッパギヤ3の突起部3aと対向する係合面9c、突起部9aを画定する溝部9dを有し、操作軸15の円筒部に挿入される中心長孔9e、さらに、周方向に延在する作業孔9fを有す。
保持プレート9に作動プレート10を重ねる。作動プレート10は、操作軸15の円筒部に嵌合する円筒部10c、径方向に延在する長孔10b、カム5のカム穴5bに係合する爪部10aを有す。
カム5がポール6,7,8の外歯6c,7c,8cを内歯16から離脱させる方向に動くと、作動プレート10の爪部10aがカム穴5bにより作動プレート10を径方向に動かす。この動きは、長孔10bがポール6の突起部6bに対して径方向内側へ直線移動する方向の動きである。
作動プレート10にメモリープレート11を重ねる。メモリープレート11は中心孔11a、外歯11bを有す。外歯11bはメモリープレート11の径方向の動きに応じてアッパギヤ3の別の内歯17と係脱自在である。カム5がポール6,7,8の外歯6c,7c,8cを内歯16に対して非係合とさせる方向に動くと、作動プレート10の円筒部10cがメモリープレート11を径方向へ移動させ、その外歯11bを別の内歯17に係合させる。これによりシート位置のメモリーを可能とさせる。
シートバックの傾き角の固定(ロック)操作について述べる。操作軸15に係合された操作レバー(図示なし)を解放すると、ロックスプリング12の付勢力を受けるポール6,7,8が径方向外方に移動し、その外歯6c,7c,8cが内歯16と噛合い、シートクッションに対しシートバックは固定関係となる。カム5とポール6,7,8は各ポールの裏面に設けたカム面がカム5の周縁のカム面と接し、カム5の回動にポール6,7,8を追従させ、ピン5a,5a,5aにより径方向に案内される。
この際の各部材の位置関係を図6に示す。メモリープレート11の外歯11bは内歯17から離脱し、保持プレート9の側縁が爪部9bに当接し、突起部9aがポール8の突起部8bと対接する。
操作レバーをロックスプリング12の付勢力に抗して操作すると、操作軸15がカム5を回動させ、ポール6,7,8を径方向内方へと移動させる。これによりポール6,7,8の外歯6c,7c,8cが内歯16から離脱する。カム5のカム穴5bは作動プレート10の爪部10aと係合しているので、カム5の回動は、作動プレート10を径方向外方へ直線運動させる。この作動プレート10の直線運動は、メモリープレート11を径方向外方へ移動させ、外歯11bを内歯17に係合させる。即ち、シートバックの位置メモリーを行う(図7参照)。
メモリープレート11の中心孔11aが作動プレート10の円筒部10cに嵌合しているので、作動プレート10の動きにメモリープレート11が追従することになる。
図7に示すように、ポール6,7,8の外歯6c,7c,8cが内歯16と離脱しかつメモリープレート11の外歯11bが内歯17と噛合う状態で、シートバックを好みの位置に移動させると、メモリープレート11はアッパギヤ3とともに回動するが、操作レバーを解放すれば、ロックスプリング12の付勢力を受けたカム5がポール6,7,8を径方向へ移動し、その外歯6c,7c,8cが内歯16と噛合い、メモリープレート11の外歯11bは内歯17から離脱する。
その後、メモリープレート11を付勢する第1スプリング18又は保持プレート9を付勢する第2スプリング13により、シートバックは基準位置に戻る。この状態で、保持プレート9の突起部9aがポール8の突起部8bに対接し、メモリープレート11が保持プレート9の爪部9bに対接する。これらの対接は両スプリング18,13により保持される。
シートバックの前倒しを、図8を参照して説明する。操作レバーを操作し、操作軸15をして、カム5とポール6,7,8を作動させ、ポール6,7,8の外歯6c,7c,8cとアッパギヤ3の内歯16との噛合いを解除し、かつメモリープレート11の外歯11bをアッパギヤ3の別の内歯17と噛合せる。シートバックの前倒し位置への移動は、アッパギヤ3のピン3aが保持プレート9の係合面9cを押し、保持プレート9を突起部8bに対しオフセットさせることにより、溝部9d内に突起部8bが入ることになる。この結果、ポール8は図8に示す位置に強制的に維持され、これによりカム5、ポール6,7は静止状態となり、外歯6c,7c,8cの解除状態は保持され、シートバックの前倒し状態が保たれる。
シートバックを着座位置に戻すため、シートバックを後方へ戻すと、アッパギヤ3はメモリープレート11とともに回動する。このとき、保持プレート9はポール8を噛合い解除状態に保持する。さらなるアッパギヤ3の回動は、ピン3cを係合面9cから離反させ、保持プレート9の前述オフセットを解消させる。メモリープレート11が前倒し操作前の角度に戻ったときに、メモリープレート11は保持プレート9の爪部9bを押し、保持プレート9を回動させ、ポール8の突起部8bと保持プレート9の溝部9dとの係合を解除する。これにより、ポール6,7,8は径方向外方への移動が可能となり、ポール6,7,8がアッパギヤ3と固定(ロック)関係となる。
かくして、シートバックは前倒し前のメモリー位置へ戻ることになる。
上記構成により、リクライニング装置の操作レバーは1つでシートバックの角度調整と、後席への乗降などのためのシートバックの前倒し、及び前倒し前のシートバック角度への復帰を行うことが可能となり、前倒し復帰した後で乗員がシートバック角度を再度調整し直す煩わしさを解消し、操作レバーを簡略化できるため、部品点数の低減により、低コスト軽量化を実現できる。
本発明の一例のシート用リクライニング装置の分解斜視図である。 カムとポールとの関係を示す平面図である。 カムとポールに、保持プレート、作動プレートを組合せた状態を示す平面図である。 メモリープレートの平面図である。 シートリクライニング装置の縦断面図である。 ハウジングに対しカバーがロックされた状態を示す平面図である。 メモリープレートの外歯が内歯と噛合うロック解除時を示す平面図である。 シートバックの前倒し状態を示す平面図である。
符号の説明
1 リクライニング装置
2 ハウジング
3 アッパギヤ
3b 突起部
5 カム
5a,5a,5a ピン
6,7,8 ポール
6a,7a,8a カム穴
6b,8b 突起部
6c,7c,8c 外歯
9 保持プレート
9a 突起部
9b 爪部
9c 係合面
9d 溝部
9e 長孔
9f 作業孔
10 作動プレート
10a 爪部
10b 長孔
10c 円筒部
11 メモリープレート
11a 中心孔
11b 外歯
12,13,18 スプリング
14 ガイド
15 操作軸
16,17 内歯

Claims (6)

  1. ハウジングと、ハウジングに対し相対回動自在でありかつ内歯を有するケースと、操作軸の回動に追従して回動するカムと、カムの動きに応じ径方向に往復動しかつケースの内歯と噛合い自在なポールと、操作軸に嵌合しかつカムに設けたカム穴に係合する爪部を有する作動プレートと、操作軸に嵌合しかつ作動プレートの動きに応じて径方向に往復動自在なメモリープレートとを有し、メモリープレートがケースに係止自在であり、カムの回動によりメモリープレートとケースとが係脱されることを特徴とするリクライニング装置。
  2. カムと作動プレートとの間に保持プレートが配され、保持プレートがポールの突起部を受け入れる溝部、メモリープレートに接する爪部及びケースのピンと接触自在な係合面を有し、該突起部と該溝部との係合がケースのハウジングに対する回動を許容する請求項1記載のリクライニング装置。
  3. カム、保持プレート、メモリープレートがスプリングの付勢力を受け、ハウジングがシートのクッションフレームにかつケースがシートバックフレームに固定される請求項2記載のリクライニング装置。
  4. 等間隔に配された3個のポールよりなり、ポールの一つが作動プレートの長孔と嵌合する突起部を有し、作動プレートの円筒部がメモリープレートの中心孔を押すことを特徴とする請求項3記載のリクライニング装置。
  5. カムに設けたピンが各ポールのカム穴に挿入され、メモリープレートがケースの別の内歯に係止されかつポールがケースの内歯と非係合の状態でケースをハウジングに対し相対回動可能とする請求項4記載のリクライニング装置。
  6. 保持プレートの係合面とケースのピンとの当接が保持プレートを操作軸の軸心に対しオフセットさせる請求項5記載のリクライニング装置。
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