JP4514849B2 - Manufacturing method of decorative sheet - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅等の建築物の内外装材や、造作材、建具等の建築資材、家具什器類、住設機器や家電製品等の表面化粧等に使用するための化粧シートに関するものであり、特に、例えば引き戸や真板等の様に、複雑な二次元乃至三次元の立体形状の部材の表面化粧用として、真空成形法により貼着して使用する用途に好適な化粧シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記の様に立体形状に成形する用途に使用される化粧シートは、特有の優れた熱成形性を有し、しかも表面硬度、耐磨耗性、耐薬品性等の各種の表面物性や耐候性、二次加工性等に幅広くバランスの良い特性を有するポリ塩化ビニル樹脂製の化粧シートが、最も広く用いられて来た。しかし、近年になって、ポリ塩化ビニル樹脂は燃焼時に塩化水素等の有毒ガスやダイオキシン等の猛毒物質が発生する場合があるという問題点が指摘され、係る問題のない塩素を含有しない樹脂による代替が、社会的に強く要望される様になっている。
【0003】
係る要望に応える為に、例えば熱可塑性ポリオレフィン系樹脂を使用した化粧シートが既に提案され(特開平6−16832号公報参照)、ポリ塩化ビニル樹脂製の化粧シートに対する置き換えが徐々に進行しつつある。このポリオレフィン系樹脂からなる化粧シートは、最も一般的な化粧シートの用途である平面状の化粧板用やVカット加工用、ラッピング加工用等に対しては優れた性能を有することが示され、ポリ塩化ビニル樹脂製の化粧シートの代替品としては最も有力と看做されている。
【0004】
しかし、ポリオレフィン系樹脂は本質的に結晶性の高分子であり、それも非晶質のマトリクス中に結晶化部分が散在した構造を有するため、引張等の応力に対する強度は局所的に見ると不均一であり、塑性変形の際も局所的に不均一な変形を起こし易い。この原理に起因して、前述した様な立体形状に成形する用途の場合には、ネッキング等の成形不良や、エンボス部や被貼着基材のエッジ部・コーナー部等における不均一な伸長による柄伸び(シートの局所的な著しい伸びによって絵柄が歪む現象)を発生し易いといった欠点がある。また、上記した非晶部と結晶部の海島構造に起因して、特に被貼着基材のエッジ部やコーナー部等の高伸長部において白化を発生し易いという事情もあって、凹凸差の大きな複雑な立体形状に成形する用途には使用することができないという問題点があった。
【0005】
この問題点を解決する為には、不均一な変形を起こし難い、均一な構造を有する樹脂、例えば本質的に非晶質の樹脂、を使用することが好ましいと考えられ、具体的には例えば熱可塑性アクリル系樹脂等が候補として考えられる。熱可塑性アクリル系樹脂を使用した化粧シート自体は既に各種の提案があり、具体的には例えばオレフィン系樹脂の基材シートの表面にアクリル系樹脂の表面保護シートを積層した化粧シート(特開平10−157018号公報参照)や、アクリル系樹脂の基材シートの表面にアクリル系樹脂の表面保護シートを積層した化粧シート(特開平8−48014号公報参照)等の提案がある。
【0006】
しかし、これらのアクリル系樹脂を使用した化粧シートも、必ずしも立体成形用途において十分に満足できるものではなかった。その理由の第1としては、アクリル系樹脂はオレフィン系樹脂と比較して耐溶剤性や耐汚染性に劣る点が挙げられる。この問題点は、表面に耐溶剤性や耐汚染性に優れた硬質の硬化性樹脂からなるトップコート層を厚目に設けることで、ある程度は解決できるのではあるが、十分な耐溶剤性や耐汚染性を得ようとして、トップコート層を厚くし過ぎると、結果的に化粧シートの可撓性や熱成形性が低下し、複雑な立体形状への追従が困難となってしまう。
【0007】
第2の理由として、化粧シートには一般に、被貼着基材の表面の不陸や接着剤の塗工ムラ等を拾わない為には、或る程度の厚みが必要であり、係る厚みのあるシートに十分な立体成形性を持たせる為には、シートの総厚に占めるアクリル系樹脂層の厚みの比率を大き目に設定する必要があるが、アクリル系樹脂はオレフィン系樹脂と比較して高価であるので、アクリル系樹脂層の厚みの比率を増すと、結果的に得られる化粧シートが非常に高価なものとなってしまう点を挙げることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の様な問題点を解決するためになされたものであって、その課題とするところは、燃焼時に塩素ガス等の有毒物質を発生しない非ハロゲン系樹脂を使用した化粧シートであって、真空成形等の立体成形時にネッキングや破断、白化、柄伸び等の問題を生じることがなく、耐溶剤性や耐汚染性等の表面物性にも優れており、しかも安価に供給可能な化粧シートを提供することにある。
【0009】
【課題を解決する為の手段】
本発明は、熱可塑性オレフィン系樹脂からなる基材シート上に、熱可塑性アクリル系樹脂からなる中間樹脂層と、熱可塑性オレフィン系樹脂からなる透明表面樹脂層とを、基材シートの表面及び/又は中間樹脂層の裏面と、中間樹脂層の表面及び/又は透明表面樹脂層の裏面とに予め熱接着アンカー層を設けておき、3層を重ねてエンボスロールと圧ロールとの間に挿入し、熱ラミネートすると同時にエンボスを施してなることを特徴とする化粧シートである。
【0010】
また本発明は、上記化粧シートにおいて、前記熱可塑性アクリル系樹脂からなる中間樹脂層が透明であることを特徴とする化粧シートである。
【0011】
また本発明は、前記熱可塑性オレフィン系樹脂からなる基材シートが、裏面層、中間層及び表面層の3層から構成されてなり、中間層は裏面層及び表面層よりも軟質の熱可塑性オレフィン系樹脂からなることを特徴とする化粧シートである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の化粧シートの一例の模式断面図を示す。本発明の化粧シートは、熱可塑性オレフィン系樹脂からなる基材シート1上に、熱可塑性アクリル系樹脂からなる中間樹脂層4と、熱可塑性オレフィン系樹脂からなる透明表面樹脂層6とが、少なくともこの順に積層されて構成されるものである。なお、本発明において樹脂層の「透明」とは、必ずしも完全な無色透明を意味するものではなく、着色透明や半透明をも包含するものである。
【0013】
基材シート1を構成する熱可塑性オレフィン系樹脂の種類としては、例えば従来より化粧シート用の基材シートの素材として使用されていた公知の任意の熱可塑性オレフィン系樹脂を使用することができる。具体的には、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン−1樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂等のオレフィン系単独重合体や、エチレン−酢酸ビニル共重合体を始めとするエチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のオレフィン系共重合体等を挙げることができる。
【0014】
中でも本発明の目的に最も好適なのはポリプロピレン系樹脂、すなわちポリプロピレンを主成分とする単独又は共重合体であり、具体的には、例えばホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、及び、ポリプロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィン、好ましくはエチレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−1、のコモノマーを15モル%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体などを例示することができる。また、通常ポリプロピレン系樹脂の柔軟化に用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム等の改質剤を添加することもできる。
【0015】
また、基材シート1は同種又は異種の熱可塑性オレフィン系樹脂からなる複数層の積層体であっても良い。例えば、ポリプロピレン系樹脂からなる基材シート1にあっては、高結晶性ポリプロピレン樹脂を主体として構成される硬質の裏面層11と表面層13との間に、高結晶性ポリプロピレンを含有し又は含有せず、非晶質ポリプロピレン樹脂又は低密度ポリエチレン樹脂等の非晶質乃至低結晶性のオレフィン系樹脂や、低分子量オレフィン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム等のオレフィン系エラストマー等から選ばれる1種以上の軟質成分を含有するオレフィン系樹脂組成物から構成される軟質の中間層12を挟持した3層構成とすると、化粧シート用の基材シートとして十分な抗張力や腰を有しつつ、可撓性や立体成形性にも優れたものを容易に得ることができる(図2)。
【0016】
化粧シートには一般に、被貼着基材の表面の好ましくない色彩や欠陥等を隠蔽する目的で、隠蔽性が要求される場合が多い。化粧シートに隠蔽性を付与する方法としては、隠蔽性顔料を添加して不透明とした隠蔽性の基材シート1を用いる方法、基材シート1の表面又は裏面に隠蔽性顔料を含有する隠蔽性インキ乃至塗料による隠蔽層を設ける方法、その両者を併用する方法等があるが、高度の隠蔽性を得る為には、基材シート1に隠蔽性顔料を添加して隠蔽性とすることが最も有利である。
【0017】
特に、立体成形の用途の場合には、隠蔽性インキ乃至塗料による隠蔽層では、立体成形時の延伸により薄くなったり亀裂を生じたりして隠蔽性が不十分となり易いのに対し、十分な厚みのある基材シート1に隠蔽性顔料を添加しておけばその様な危惧はない。また、仮に成形時に基材シート1に白化の原因となるべき現象(例えば樹脂内部の微細な亀裂や樹脂分子の配列状態の変化等)が多少生じることがあっても、当該基材シート1に含有される隠蔽性顔料によってそれが隠蔽される結果、事実上白化として意匠性に影響を与えることがない利点がある。
【0018】
上記隠蔽性顔料とは従来周知の様に、分散媒たる樹脂と比較して著しく高い屈折率を有する微細粉末状顔料であって、その屈折率差による界面での光の反射や屈折による光散乱効果によって、シートの表裏面間での光の直接透過が妨げられ、隠蔽性が発現するのである。基材シート1を構成する熱可塑性オレフィン系樹脂等の樹脂の屈折率は概ね1.5前後であるから、隠蔽性顔料としては屈折率が概ね2.0以上の顔料が選ばれるのが一般的であり、また光(可視光線)に対する散乱能の観点から通常は粒径0.1〜1μm程度の範囲のものが使用される。なお、隠蔽性顔料の添加量は、隠蔽性の観点からは多い程好ましいが、あまり多過ぎると樹脂が脆化し熱成形性を損なう虞があるので、樹脂100重量部に対し1〜10重量部の範囲内とすることが好ましい。
【0019】
係る隠蔽性顔料の内、光吸収性の高い顔料は、入射した光の一部を吸収して着色作用を発現するので着色顔料と称され、逆に光吸収性の殆どない顔料は、光散乱効果により入射光の大部分を入射方向へ反射して色調を明るく(白く)見せる作用を発現するので白色顔料と称される。そして、光吸収係数と屈折率とのバランスの良い顔料を選択するか、若しくは、上述した着色顔料と白色顔料とを適宜の比率で配合して使用することにより、任意の所望の色調を得ることができる訳である。
【0020】
前記隠蔽性顔料としては、有機及び無機の各種の顔料が知られているが、一般に有機顔料よりも無機顔料の方が屈折率が高く隠蔽性に優れている他、耐光性(耐褪色性)や耐薬品性にも優れているので、耐久性や堅牢性の面からも、無機顔料を使用することが好ましい。特に立体成形用途の化粧シートの場合には、立体成形により樹脂が延伸を受けた際に、樹脂と無機顔料との間でミクロ的な剥離が起こり、内部応力を吸収する結果、優れた成形性を発現する効果があり、これは有機顔料を使用した場合には見られないことである。
【0021】
係る無機顔料の内、着色顔料としては例えば黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロー、バリウムイエロー、キナクリドン、オーレオリン、モリブデートオレンジ、カドミウムレッド、弁柄、鉛丹、辰砂、マルスバイオレット、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、コバルトブルー、セルリアンブルー、群青、紺青、エメラルドグリーン、クロムバーミリオン、酸化クロム、ビリジアン、鉄黒、カーボンブラック等、白色顔料としては例えば酸化チタン(チタン白、チタニウムホワイト)、酸化亜鉛(亜鉛華)、塩基性炭酸鉛(鉛白)、塩基性硫酸鉛、硫化亜鉛、リトポン、チタノックス等を使用することができる。中でも、隠蔽性や耐光性に優れ、意匠面でも色調的に化粧シート用に好適な顔料として、着色顔料としては弁柄、黄色酸化鉄、鉄黒等の酸化鉄系顔料、白色顔料としては酸化チタン系顔料を使用することが最も望ましい。
【0022】
なお、以上に詳述した酸化鉄系顔料及び酸化チタン系顔料に加えて、色調の調整の目的で他の隠蔽性又は非隠蔽性の無機顔料又は有機顔料を少量併用することは差し支えない。但し、飽くまでも酸化鉄系顔料及び酸化チタン系顔料を主体とすることが肝要であって、他の顔料の使用量は顔料全体に占める比率で概ね20重量%以下とすることが好ましい。併用する顔料としては耐光性の高いものを選択することが好ましく、無機顔料の中ではコバルトブルー又はカーボンブラック等、有機顔料の中ではフタロシアニンブルー等のフタロシアニン系顔料等を使用することが好ましい。その他、必要に応じて例えばシリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料を併用することもできる。
【0023】
その他、基材シート1を構成する熱可塑性オレフィン系樹脂には、目的の化粧シートの用途により必要に応じて、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、充填剤等の従来公知の各種の添加剤の1種以上が添加されていても良い。
【0024】
酸化防止剤としては例えばフェノール系、硫黄系、リン系等、紫外線吸収剤としては例えばベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリシレート系、シアノアクリレート系、ホルムアミジン系、オキザニリド系等、光安定剤としては例えばヒンダードアミン系、ニッケル錯体系等、熱安定剤としては例えばヒンダードフェノール系、硫黄系、ヒドラジン系等、可塑剤としては樹脂の種類にもよるが例えばフタル酸エステル系、リン酸エステル系、脂肪酸エステル系、脂肪族二塩基酸エステル系、オキシ安息香酸エステル系、エポキシ系、ポリエステル系等、滑剤としては例えば脂肪酸エステル系、脂肪酸系、金属石鹸系、脂肪酸アミド系、高級アルコール系、パラフィン系等、帯電防止剤としては例えばカチオン系、アニオン系、ノニオン系、両イオン系等、難燃剤としては例えば臭素系、リン系、塩素系、窒素系、アルミニウム系、アンチモン系、マグネシウム系、硼素系、ジルコニウム系等、充填剤としては例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、滑石、蝋石、カオリン等から選ばれる1種又は2種以上の混合系で使用される。
【0025】
基材シート1の厚さには特に制限はなく、従来の一般の化粧シートの基材シートと同様の厚さのものを使用することができる。具体的には、化粧シートの用途や樹脂の種類にもよるが、一般的には50〜200μm程度の範囲内とするのが良い。基材シート1の成形方法にも特に制限はなく、例えば押出成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、キャスト成形法等の従来公知の任意の成形方法によって製膜されたフィルム乃至シートを使用することができる。
【0026】
絵柄層2は、目的とする化粧シートに任意の所望の絵柄の意匠性を付与する目的で設けられるものである。従って、例えば単なる表面着色や色彩調整のみを目的とした無地の化粧シートの様に、基材シート1の着色や隠蔽層の形成等によって十分に前記表面着色や色彩調整が達せられる場合や、基材シート1自体に顔料の練り込みや昇華性乃至溶融移行性染料の移行等により絵柄が施されている場合等には、絵柄層2は特に設けられない場合もある。しかし一般的には、基材シート1の表面、中間樹脂層4の表面及び/又は裏面、及び/又は透明表面樹脂層6の裏面に、印刷法等の手段により適宜の絵柄層2が設けられる場合が多い。
【0027】
絵柄層2の構成材料や形成方法には一切制限はなく、従来より係る化粧シートの絵柄層に適用されて来た任意の画像形成材料や画像形成方法を適宜適用することができる。具体的には例えば、染料又は顔料等の着色剤を、適当な結着剤樹脂と共に、適当な溶剤中に溶解又は分散してなる印刷インキ又はコーティング剤等を使用することができる。
【0028】
前記着色剤としては、例えばカーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料や、アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料、金粉、銀粉、銅粉、アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料、魚鱗粉、塩基性炭酸鉛、酸化塩化ビスマス、酸化チタン被覆雲母等の真珠光沢顔料、蛍光顔料、夜光顔料等、又はこれらから選ばれる2種以上の混合物等を使用することができる。
【0029】
また、前記結着剤樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリビニル系樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等の各種合成樹脂類、又はそれらの2種以上の混合物、共重合体等を使用することができる。
【0030】
また、前記溶剤としては、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤や、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤等の各種有機溶剤や、水等の無機溶剤、又はそれらの2種以上の混合溶剤等を使用することができる。
【0031】
その他、必要に応じて例えば体質顔料や可塑剤、分散剤、界面活性剤、粘着付与剤、接着助剤、乾燥剤、安定剤、硬化剤、硬化促進剤又は硬化遅延剤等の各種の添加剤を適宜添加することもできる。
【0032】
絵柄層2の形成方法には特に制限はなく、例えばグラビア印刷法やオフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等の従来公知の各種の印刷方法を使用することができる。また、例えば全面ベタ状の場合には上記した各種の印刷方法の他、例えばロールコート法やナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種のコーティング方法によることもできる。その他、例えば手描き法、墨流し法、写真法、レーザービーム又は電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法やエッチング法等、又はこれらの方法を複数組み合わせて行うことも勿論可能である。
【0033】
また、絵柄層2の形成に先立ち必要に応じて、基材シート1の表面に例えばコロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理、アンカー又はプライマー処理等の表面処理を施すことによって、基材シート1と絵柄層2との間の密着性を向上することもできる。
【0034】
上記した絵柄層2が構成する絵柄の種類には特に制限はなく、例えば従来より係る化粧シートの分野において広く採用されている木目柄や、石目柄、布目柄、抽象柄、幾何学模様等、或いは単なる着色や色彩調整を目的とする場合には単色無地であっても良く、要するに、目的の化粧シートの用途に応じ任意の所望の絵柄を採用することができる。
【0035】
中間樹脂層4を構成する熱可塑性アクリル系樹脂は、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル等のアクリル酸誘導体を主成分として単独又は共重合して得られる熱可塑性樹脂である。特に好ましくはメチルメタクリレート等のメタクリル酸エステルを主成分とする樹脂であって、柔軟性や熱成形性の改善を目的として、例えばメタクリル酸ブチル等のメタクリル酸の長鎖アルキルエステルや、アクリル酸メチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸又はアクリル酸等から選ばれる単量体が共重合成分として添加され、所望の適宜の物性のフィルムが調製される。勿論、更に物性改善等の目的で他の適宜の共重合成分や添加剤等を併用することも差し支えない。
【0036】
なお、良好な熱成形性を達成する為に、中間樹脂層2を構成する上記熱可塑性アクリル系樹脂は、温度範囲50℃〜90℃における周波数10Hzに対する動的弾性率が4.0×108Pa以上1.0×1010Pa以下であり、動的損失が6.0×107Pa以上6.0×108Pa以下であることが望ましい。動的弾性率が1.0×1010Paを越えると、熱成形時の変形応答性が不足し、クラックや白化、成形不良等の原因となり、一方4.0×108Paを下回ると、熱成形時に軟化し過ぎて、ドローダウンや柄流れ等の原因となる。また、動的損失が6.0×108Paを越えると、本質的に応力緩和の速い塑性変形し易い樹脂であるので、これもドローダウンや柄流れ等の原因となり、一方6.0×107Paを下回ると応力緩和が遅過ぎ、熱成形時に成形速度に追従しにくい為の成形不良や、内部応力の残留等の原因となるからである。
【0037】
中間樹脂層4は、透明であっても良いし不透明であっても良い(不透明である場合には、絵柄層2は中間樹脂層4よりも表面側に設けられる)。しかしながら、化粧シートに高い意匠性を付与する為には、中間樹脂層4は透明とすることが有利である。それは、絵柄層2の表面側に中間樹脂層4及び透明表面樹脂層6を設けて、絵柄層2上の透明層の厚みを増すことによって、深み感や塗装感に優れたものが得られるし、特に化粧シートの表面にエンボス7を施す場合にあっては、エンボス7の深さを稼ぎ、より立体的な意匠性に優れた化粧シートを得ることができるからである。また、熱可塑性アクリル系樹脂の特有の高い透明性や耐白化性を化粧シートの性能上に十分に発揮させる意味でも、熱可塑性アクリル系樹脂からなる中間樹脂層4は透明とすることが、本発明の目的には最も適っている。
【0038】
中間樹脂層4を構成する熱可塑性アクリル系樹脂には、必要に応じて、例えば前述した基材シート1を構成する熱可塑性オレフィン系樹脂に添加することのできる添加剤として列挙したものの中から選ばれる一種以上の添加剤を添加することもできる。
【0039】
中間樹脂層4の厚みには特に制限はないが、薄すぎると熱可塑性アクリル系樹脂の持つ優れた熱成形特性が十分に発揮されず、一方厚すぎると折角の熱成形特性が減殺される虞がある他、不経済でもあるので、一般的には10〜100μm程度の範囲内とするのが良い。
【0040】
中間樹脂層4の基材シート1上への積層方法にも特に制限はなく、例えば熱接着アンカー層3を介した又は介さない熱ラミネート法や、ドライラミネート法又はウェットラミネート法等の接着剤を介したラミネート法、押し出しラミネート法、ポリサンドラミネート法等、従来より係る化粧シートの製造法として用いられている公知の任意のラミネート法を採用することができる。
【0041】
熱可塑性オレフィン系樹脂からなる透明表面樹脂層6は、基材シート1やその表面の絵柄層2、中間樹脂層4を外界から保護する目的で設けられるものであって、本発明においては耐溶剤性や耐汚染性等の観点から、特に熱可塑性オレフィン系樹脂を採用したものである。
【0042】
該透明表面樹脂層6を構成する熱可塑性オレフィン系樹脂として具体的には、例えば前述した基材シート1を構成する熱可塑性オレフィン系樹脂として列挙したものの中から適宜選択して使用することができる。但し、真空成形法による立体形状の基材への貼付に耐える柔軟性と、化粧シートの表面に要求される耐溶剤性や耐汚染性、耐擦傷性、耐磨耗性等の表面物性とを兼備すべく、選定にあたり配慮が必要である。具体的には例えば、表面物性の観点から高結晶性ポリプロピレン系樹脂を主体としつつ、柔軟性の付与の目的で例えば低結晶性ポリプロピレン系樹脂やエチレン−αオレフィン共重合体、オレフィン系ゴム等の軟質成分を添加してなるオレフィン系樹脂組成物などを好適に使用することができる。
【0043】
熱可塑性オレフィン系樹脂からなる透明表面樹脂層6の厚さには特に制限はないが、一般に、耐磨耗性や耐溶剤性等の表面物性、塗装感や深み感、エンボス深さ等の意匠性等の面では厚い程有利であるが、反面化粧シートとしての柔軟性や可撓性、真空成形時の基材表面形状への追従性等の面では不利となるので、両者のバランスの取れる厚み範囲を選ぶ必要がある。具体的には、化粧シートの用途やそれに応じた要求品質、使用する熱可塑性オレフィン系樹脂の種類等にもよるが、一般的には20〜200μm程度の範囲内とするのが良い。
【0044】
透明表面樹脂層6の積層方法にも特に制限はなく、例えば前述した中間樹脂層4の積層方法従来公知の任意の方法を適宜適用することができる。なお、基材シート1、中間樹脂層4及び透明表面樹脂層6の積層の工程順序にも特に制限はなく、基材シート1上にまず中間樹脂層4を積層した後に透明表面樹脂層6を積層しても良ければ、逆にまず中間樹脂層4と透明表面樹脂層6とを積層した後にその裏面に基材シート1を積層しても良い。また、3層の樹脂層を重ねて同時に熱ラミネートする方法や、基材シート1上に中間樹脂層4と透明表面樹脂層6とを溶融共押し出しラミネートする方法、基材シート1と透明表面樹脂層6との間に中間樹脂層4を溶融押し出すと同時に積層するサンドラミネート法等によって、3層を同時に積層することもできる。
【0045】
なお、押し出しラミネート法又はサンドラミネート法を採用する場合において、溶融押し出した樹脂層と被ラミネート樹脂層との間の接着性が劣る場合には、これも公知の様に、被ラミネート樹脂層上に予め感熱接着性のアンカー層を設けておくか、若しくは、別途用意した熱接着性樹脂との溶融共押し出しラミネート法により層間に接着性樹脂層を挟持させることによって、接着性の向上を図ることができる。勿論、必要に応じて両者を併用しても良い。
【0046】
かくして、基材シート1上に、中間樹脂層4と、透明表面樹脂層6とが少なくとも積層されて構成される本発明の化粧シートの総厚は、目的の用途や使用する樹脂の種類等にもよるが、概ね160〜450μm程度の範囲内とすることが好ましい。総厚が薄すぎると、真空成形時にシートが引き伸ばされて薄くなり破断に至ったり、被貼着基材の表面の不陸や接着剤の塗工ムラ等を拾って意匠性が低下したりし易い。一方厚すぎると、真空成形性に劣り被貼着基材の表面の細かい凹凸に追従できなかったり、曲率の大きなエッジ部やコーナー部で過度に引き伸ばされて白化したりし易いからである。
【0047】
透明表面樹脂層6の表面には、従来公知の如く、必要に応じて所望の適宜の模様のエンボス7を設けることもできる。エンボス7の模様の種類にも特に制限はなく、例えば木目調(特に導管模様状)、石目調、布目調、和紙調、幾何学模様状等の各種模様状であっても良いし、或いは例えば単なる艶消状や砂目状、ヘアライン状、スウェード調等であっても良い。また、これらのエンボス7の模様を絵柄層2の絵柄と同調させることによって更なる意匠性の向上を図ることも出来るが、その必要がなければ非同調であっても良く、また絵柄層2の絵柄と同調した模様と同調しない模様との両者を含む模様のエンボス7を設けることもできる。
【0048】
エンボス7の形成方法にも特に制限はないが、金属製のエンボス版を使用した機械エンボス法が最も一般的である。またエンボス7の形成時期にも特に制限はなく、透明表面樹脂層6の中間樹脂層4及び/又は基材シート1との積層前、積層と同時又は積層後の中から任意の時期を選択することができ、また前記の各時期から選ばれる複数の時期に同一又は異なる模様のエンボス7を複数回に亘って施すこともできる。
【0049】
中でも特に、基材シート1の表面及び/又は中間樹脂層4の裏面と、中間樹脂層4の表面及び/又は透明表面樹脂層6の裏面とに予め熱接着アンカー層3、6を設けておき、3層を重ねてエンボスロールと圧ロールとの間に挿入し、熱ラミネートすると同時にエンボスを施す方法によると、3層のラミネートとエンボスとを一工程で効率良く行うことができる利点がある。
【0050】
なお、エンボス7の凹陥部には、必要に応じてワイピング法等の手法により着色剤を充填しても良く、これによって表面の凹凸模様と同調した色彩模様を有する意匠性に優れた化粧シートを得ることができる。
【0051】
また、化粧シートの表面に更に優れた表面物性を付与する目的で、透明表面樹脂層6の表面上に更にトップコート層8を設けることもできる。トップコート層8の構成材料としては、従来より係る化粧シートのトップコート層の構成材料として使用されている公知の各種のトップコート剤の中から選ばれる任意のものを使用することができる。一般的には、少なくとも下地を透視可能な透明性を有する必要がある他、化粧シートの用途により要求される耐磨耗性や耐擦傷性、耐溶剤性、耐汚染性等の表面物性を具備させるべく、硬化性樹脂を主成分とする材料から構成することが好ましい。
【0052】
上記トップコート層8の構成材料として具体的には、例えばメラミン系樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、アミノアルキド系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等の熱硬化性樹脂や、アクリル系樹脂等の電離放射線硬化性樹脂等を、好適に使用することができる。また必要に応じて、艶調整剤、滑剤、帯電防止剤、結露防止剤、抗菌剤、防黴剤等の各種添加剤を適宜添加することができる。また、艶状態の異なる2種以上の樹脂組成物を使用し、その一部又は全部を任意の模様状に形成することによって、艶の変化による視覚的な立体感を有する高意匠性の化粧シートを得ることもできる。
【0053】
トップコート層8の形成方法にも特に制限はなく、全面ベタ状であれば例えばグラビアコート法、ロールコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、ナイフコート法、コンマコート法、ダイコート法、リップコート法、キスコート法、ロッドコート法、スプレーコート法、フローコート法等の従来公知の任意のコーティング法を適宜適用することができる。また模様状に設ける場合には、例えばグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法等の任意の印刷法によって設けることもできる。
【0054】
なお、透明表面樹脂層6とトップコート層8との密着性が不十分である場合には、トップコート層8の塗工形成に先立ち、透明表面樹脂層6の表面に例えばコロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理、アンカー又はプライマー処理等の表面処理を施すことによって、透明表面樹脂層6とトップコート層8との間の密着性を向上することができる。
【0055】
本発明の化粧シートは、既に説明した様に、従来の化粧シートと同様、木質系基材や無機質系基材等の各種の基材の表面に貼着(ラミネート)して使用するものであり、一般的には該貼付の際には例えばウレタン系や酢酸ビニル系等の適宜の接着剤が使用されるが、係る接着剤の種類によっては基材シート1を構成する熱可塑性オレフィン系樹脂との接着性が不十分である場合もある。係る場合に備えて、基材シート1の裏面に、ラミネート用接着剤との接着性に優れた樹脂からなるプライマー層9を設けておくことが好ましい。
【0056】
プライマー層9としては例えばウレタン系、アクリル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系等の各種のプライマー剤が知られており、これらの中から基材シート1を構成する熱可塑性オレフィン系樹脂に合わせたものを選んで使用する。なお、プライマー層9に例えばシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の粉末を添加しておくと、プライマー層9の表面が粗面化することによって化粧シートの巻取保存時のブロッキングが防止できる他、投錨効果による前記ラミネート用接着剤との接着性の向上を図ることもできる。
【0057】
【実施例】
以下に、本発明の化粧シートの具体的な実施例及び比較例を挙げ、本発明をより詳細に説明する。
【0058】
実施例1
厚さ90μmの着色ポリプロピレン系樹脂フィルムの表面に、建材用ウレタン樹脂系印刷インキを使用してグラビア印刷法により木目の絵柄を印刷し、該印刷面に塩酢ビ−ウレタン系熱接着アンカー剤を乾燥後の塗布量6g/m2に塗工して、印刷オレフィンフィルムを調製した。
【0059】
厚さ50μmの透明ポリプロピレン系樹脂フィルムの表面に、2液ウレタン系トップコート剤を乾燥後の塗布量6g/m2に塗工し硬化させ、一方裏面には、塩酢ビ−ウレタン系熱接着アンカー剤を乾燥後の塗布量6g/m2に塗工して、表面用フィルムを調製した。
【0060】
上記印刷オレフィンフィルムの印刷面上に、厚さ50μmの透明なアクリル系樹脂フィルムを載置し、更に上記表面用フィルムをその熱接着アンカー剤塗工面をアクリル系樹脂フィルム側に向けて載置して、ダブリングエンボス法により3層を積層接着すると同時に表面に導管柄のエンボスを施して、本発明の化粧シートを作製した。
【0061】
得られた化粧シートを、予め表面に水性2液ウレタン樹脂系接着剤を乾燥後の塗布量10g/m2に塗工して乾燥させた、曲率半径5Rの三次元立体形状を有する木質基材の表面に、真空成形機にて三次元成形ラミネートしたところ、ネッキングや破断、柄伸び、白化等の成形不良もなく、基材表面の不陸や接着剤の塗布ムラを拾うこともなく、耐溶剤性や耐汚染性にも優れた良好な製品を得ることができた。
【0062】
実施例2
上記実施例1において、厚さ90μmの着色ポリプロピレン系樹脂フィルムに代えて、アイソタクティックインデックス(沸騰デカン可溶残分)が10%の低結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とする厚さ70μmの着色軟質ポリオレフィン系樹脂層の表裏に、アイソタクティックインデックスが94%の高結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とする厚さ10μmの硬質ポリオレフィン系樹脂層を設けた3層構成のシートを使用し、その他は上記実施例1と全く同一の要領で本発明の化粧シートを作製した。
【0063】
得られた化粧シートを、上記実施例1と全く同一の要領で三次元立体形状を有する木質基材の表面にラミネートしたところ、上記実施例1の場合と同様、ネッキングや破断、柄伸び、白化等の成形不良もなく、基材表面の不陸や接着剤の塗布ムラを拾うこともなく、耐溶剤性や耐汚染性にも優れた良好な製品を得ることができた。
【0064】
比較例1
厚さ90μmの着色ポリプロピレン系樹脂フィルムの表面に、建材用ウレタン樹脂系印刷インキを使用してグラビア印刷法により木目の絵柄を印刷し、該印刷面に塩酢ビ−ウレタン系熱接着アンカー剤を乾燥後の塗布量6g/m2に塗工して、印刷オレフィンフィルムを調製した。
【0065】
上記印刷オレフィンフィルムの印刷面上に、予め表面に2液ウレタン系トップコート剤を乾燥後の塗布量6g/m2に塗工し硬化させた厚さ50μmの透明アクリル系樹脂フィルムを載置し、ダブリングエンボス法により積層接着すると同時に表面に導管柄のエンボスを施して化粧シートを作製した。
【0066】
得られた化粧シートを、上記実施例1と全く同一の要領で三次元立体形状を有する木質基材の表面にラミネートしたところ、化粧シートの白化は見られなかったが、接着剤の塗工ムラを拾って表面に凹凸が見られる他、耐溶剤性や耐汚染性にも劣るものであった。
【0067】
比較例2
厚さ90μmの着色ポリプロピレン系樹脂フィルムの表面に、建材用ウレタン樹脂系印刷インキを使用してグラビア印刷法により木目の絵柄を印刷し、該印刷面に塩酢ビ−ウレタン系熱接着アンカー剤を乾燥後の塗布量6g/m2に塗工して、印刷オレフィンフィルムを調製した。
【0068】
上記印刷オレフィンフィルムの印刷面上に、予め表面に2液ウレタン系トップコート剤を乾燥後の塗布量6g/m2に塗工し硬化させた厚さ60μmの透明ポリプロピレン系樹脂フィルムを載置し、ダブリングエンボス法により積層接着すると同時に表面に導管柄のエンボスを施して化粧シートを作製した。
【0069】
得られた化粧シートを、上記実施例1と全く同一の要領で三次元立体形状を有する木質基材の表面にラミネートしたところ、化粧シートの白化が発生した他、コーナー部等に著しい柄伸びが発生し、接着剤の塗工ムラを拾って表面に凹凸が見られた。
【0070】
【発明の効果】
以上詳細に説明した様に、本発明の化粧シートは、熱可塑性オレフィン系樹脂からなる基材シート上に、熱可塑性アクリル系樹脂からなる中間樹脂層と、熱可塑性オレフィン系樹脂からなる透明表面樹脂層とを順次積層して構成したので、熱成形性に優れた熱可塑性アクリル系樹脂からなる中間樹脂層が、その優れた均一成形性によって、真空成形時の破断やネッキング、白化、柄伸び等の成形不良の発生を防止することができると共に、熱成形時に裏面側の基材シートと表面側の透明表面樹脂層との間で謂わばクッションの様な役割を果たすことにより、熱可塑性アクリル系樹脂層が比較的に薄くても、十分な熱成形適性を持たせることができるので、真空成形性に優れた化粧シートを安価に得ることができる。しかも、表面には熱可塑性オレフィン系樹脂からなる透明表面樹脂層を具備することにより、耐溶剤性や耐汚染性等の表面物性に優れた化粧シートを容易に得ることができる。
【0071】
また特に、熱可塑性アクリル系樹脂からなる中間樹脂層を透明とすることにより、熱可塑性アクリル系樹脂の優れた透明性や耐白化性によって、化粧シートに優れた深み感や塗装感を付与し、深いエンボスの形成による優れた立体的意匠感の達成も可能であり、しかも真空成形による立体成形性にも優れた化粧シートを容易に得ることができる。
【0072】
また特に、熱可塑性オレフィン系樹脂からなる基材シートとして、軟質の熱可塑性オレフィン系樹脂からなる中間層の表裏に硬質の熱可塑性オレフィン系樹脂からなる表裏面層を積層した3層構成のシートを採用することにより、十分な抗張力や腰を有しつつ、より柔軟性や立体成形適性に優れた化粧シートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの一例の積層構造を示す模式断面図である。
【図2】本発明の化粧シートの一例の積層構造を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1‥‥基材シート
11‥‥裏面層
12‥‥中間層
13‥‥表面層
2‥‥絵柄層
3‥‥熱接着アンカー層
4‥‥中間樹脂層
5‥‥熱接着アンカー層
6‥‥透明表面樹脂層
7‥‥エンボス
8‥‥トップコート層
9‥‥プライマー層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a decorative sheet for use in interior and exterior materials of buildings such as houses, building materials such as construction materials and fittings, furniture fixtures, surface equipment such as housing equipment and home appliances, etc. In particular, the present invention relates to a decorative sheet suitable for use by applying it by a vacuum forming method as a surface decoration for a complicated two-dimensional or three-dimensional three-dimensional member such as a sliding door or a true plate. is there.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, decorative sheets used for applications to be molded into a three-dimensional shape as described above have unique excellent thermoformability, and various surface properties such as surface hardness, abrasion resistance, chemical resistance, and the like. A decorative sheet made of a polyvinyl chloride resin having a wide balance of properties such as weather resistance and secondary processability has been most widely used. However, in recent years, it has been pointed out that polyvinyl chloride resin may generate toxic gases such as hydrogen chloride and extremely toxic substances such as dioxin during combustion, and there is no such problem as a substitute for a resin that does not contain chlorine. However, there is a strong social demand.
[0003]
In order to meet such a demand, for example, a decorative sheet using a thermoplastic polyolefin-based resin has already been proposed (see JP-A-6-16832), and the replacement of the decorative sheet made of polyvinyl chloride resin is gradually progressing. . This decorative sheet made of polyolefin resin is shown to have excellent performance for the most common decorative sheet applications, such as flat decorative sheets, V-cut processing, wrapping processing, etc. It is regarded as the most prominent substitute for decorative sheets made of polyvinyl chloride resin.
[0004]
However, polyolefin resin is essentially a crystalline polymer, and it also has a structure in which crystallized portions are scattered in an amorphous matrix. Therefore, the strength against stress such as tension is not locally observed. It is uniform and tends to cause locally non-uniform deformation even during plastic deformation. Due to this principle, in the case of applications to form into a three-dimensional shape as described above, due to molding defects such as necking and uneven elongation at the edges and corners of the embossed part or substrate to be adhered. There is a drawback that pattern elongation (a phenomenon in which a pattern is distorted by significant local elongation of the sheet) is likely to occur. In addition, due to the sea-island structure of the amorphous part and the crystalline part described above, there is also a situation that whitening is likely to occur particularly in the high-elongation part such as the edge part or the corner part of the adherend base material, There was a problem that it could not be used for the purpose of molding into a large and complicated three-dimensional shape.
[0005]
In order to solve this problem, it is considered preferable to use a resin having a uniform structure that hardly causes uneven deformation, such as an essentially amorphous resin. Thermoplastic acrylic resins and the like are considered as candidates. Various proposals have already been made for decorative sheets using thermoplastic acrylic resins. Specifically, for example, decorative sheets in which an acrylic resin surface protective sheet is laminated on the surface of an olefin resin base material sheet (Japanese Patent Laid-Open No. Hei 10). And a decorative sheet (see JP-A-8-48014) in which an acrylic resin surface protective sheet is laminated on the surface of an acrylic resin base material sheet.
[0006]
However, decorative sheets using these acrylic resins have not always been sufficiently satisfactory in three-dimensional molding applications. The first reason is that acrylic resins are inferior in solvent resistance and contamination resistance compared to olefin resins. This problem can be solved to some extent by providing a thick topcoat layer made of a hard curable resin excellent in solvent resistance and stain resistance on the surface, but sufficient solvent resistance and If the top coat layer is made too thick in order to obtain stain resistance, the flexibility and thermoformability of the decorative sheet will eventually decrease, making it difficult to follow a complicated three-dimensional shape.
[0007]
As a second reason, the decorative sheet generally needs a certain thickness in order not to pick up unevenness of the surface of the substrate to be adhered or uneven coating of the adhesive. In order to give a certain sheet sufficient solid formability, it is necessary to set a large ratio of the thickness of the acrylic resin layer to the total thickness of the sheet, but the acrylic resin is compared with the olefin resin. Since it is expensive, when the ratio of the thickness of the acrylic resin layer is increased, the resulting decorative sheet becomes very expensive.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in order to solve the above-described problems, and the object of the present invention is a decorative sheet using a non-halogen resin that does not generate toxic substances such as chlorine gas during combustion. It does not cause problems such as necking, breakage, whitening, and pattern elongation during three-dimensional molding such as vacuum molding, and has excellent surface properties such as solvent resistance and contamination resistance, and can be supplied at low cost. It is to provide a decorative sheet.
[0009]
[Means for solving the problems]
In the present invention, on a base sheet made of a thermoplastic olefin resin, an intermediate resin layer made of a thermoplastic acrylic resin, and a transparent surface resin layer made of a thermoplastic olefin resin, A thermal bonding anchor layer is provided in advance on the surface of the base sheet and / or the back surface of the intermediate resin layer, and the surface of the intermediate resin layer and / or the back surface of the transparent surface resin layer, and three layers are stacked to form an embossing roll and a pressure. Insert between rolls, heat laminate and emboss at the same time The decorative sheet is characterized in that.
[0010]
The present invention also provides the decorative sheet, wherein the intermediate resin layer made of the thermoplastic acrylic resin is transparent.
[0011]
In the present invention, the base sheet made of the thermoplastic olefin resin is composed of three layers of a back surface layer, an intermediate layer, and a surface layer, and the intermediate layer is a thermoplastic olefin that is softer than the back surface layer and the surface layer. The decorative sheet is made of a resin.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 shows a schematic sectional view of an example of the decorative sheet of the present invention. The decorative sheet of the present invention has at least a base resin sheet 1 made of a thermoplastic olefin resin, an
[0013]
As a kind of thermoplastic olefin resin which comprises the base material sheet 1, the well-known arbitrary thermoplastic olefin resin conventionally used as a raw material of the base material sheet for decorative sheets can be used, for example. Specifically, for example, olefinic homopolymers such as polyethylene resin, polypropylene resin, polybutene-1 resin, poly-4-methylpentene-1 resin, and ethylene-vinyl esters such as ethylene-vinyl acetate copolymer. Examples thereof include olefin copolymers such as copolymers, ethylene- (meth) acrylic acid (ester) copolymers, and ethylene-vinyl alcohol copolymers.
[0014]
Among them, the most suitable for the purpose of the present invention is a polypropylene-based resin, that is, a homopolymer or a copolymer based on polypropylene, specifically, for example, a homopolypropylene resin, a random polypropylene resin, a block polypropylene resin, and a polypropylene crystal. And a comonomer of 2 to 20 carbon atoms other than propylene, preferably ethylene, butene-1, 4-methylpentene-1, hexene-1 or octene-1, containing at least 15 mol% And propylene-α-olefin copolymer. Further, modifiers such as ethylene-α-olefin copolymer, ethylene-propylene copolymer rubber, ethylene-propylene-nonconjugated diene copolymer rubber, which are usually used for softening polypropylene resins can be added. .
[0015]
Moreover, the base material sheet 1 may be a multi-layer laminate made of the same or different thermoplastic olefin resins. For example, in the base material sheet 1 made of a polypropylene-based resin, the highly crystalline polypropylene is contained or contained between the hard back surface layer 11 and the
[0016]
In general, a decorative sheet is often required to have a concealing property for the purpose of concealing undesirable colors or defects on the surface of the substrate to be adhered. As a method for imparting concealability to a decorative sheet, a method using a concealable base sheet 1 made opaque by adding a concealable pigment, and a concealability containing a concealable pigment on the front or back surface of the base sheet 1 There are a method of providing a concealing layer with ink or paint, a method of using both of them, etc., but in order to obtain a high concealing property, it is most preferable to add a concealing pigment to the base sheet 1 to make it concealable. It is advantageous.
[0017]
In particular, in the case of three-dimensional molding, a concealing layer made of a concealing ink or paint tends to be insufficient due to thinning or cracking due to stretching during three-dimensional molding, but sufficient thickness. If a concealing pigment is added to the base material sheet 1 having the above, there is no such concern. Even if a phenomenon that should cause whitening (for example, a minute crack inside the resin or a change in the arrangement state of resin molecules) may occur in the base sheet 1 during molding, As a result of being concealed by the concealing pigment contained, there is an advantage that the design property is not practically affected as whitening.
[0018]
As is well known in the art, the above-mentioned concealing pigment is a fine powder pigment having a remarkably high refractive index compared to a resin as a dispersion medium, and light scattering or light scattering at the interface due to the difference in refractive index. Due to the effect, direct transmission of light between the front and back surfaces of the sheet is hindered, and concealment is exhibited. Since the refractive index of the resin such as the thermoplastic olefin resin constituting the base sheet 1 is approximately 1.5, a pigment having a refractive index of approximately 2.0 or more is generally selected as the concealing pigment. From the viewpoint of light scattering ability (visible light), those having a particle size in the range of about 0.1 to 1 μm are usually used. The amount of the concealing pigment added is preferably as large as possible from the viewpoint of concealing property, but if it is too large, the resin may become brittle and the thermoformability may be impaired, so 1 to 10 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the resin. It is preferable to be within the range.
[0019]
Among such concealing pigments, pigments with high light absorption are called colored pigments because they absorb some of the incident light and develop a coloring action. Conversely, pigments with little light absorption are light scattering. It is called a white pigment because it exerts an effect of reflecting most of the incident light in the incident direction due to the effect and making the color tone appear bright (white). Then, select a pigment having a good balance between the light absorption coefficient and the refractive index, or obtain any desired color tone by blending and using the above-described colored pigment and white pigment in an appropriate ratio. That is why.
[0020]
Various organic and inorganic pigments are known as the concealing pigments. In general, inorganic pigments have a higher refractive index and have better concealing properties than organic pigments, and light resistance (fading resistance). In view of durability and fastness, it is preferable to use an inorganic pigment. In particular, in the case of decorative sheets for three-dimensional molding, when the resin is stretched by three-dimensional molding, micro-peeling occurs between the resin and the inorganic pigment, which absorbs internal stress, resulting in excellent moldability. This is not seen when an organic pigment is used.
[0021]
Among such inorganic pigments, for example, yellow lead, yellow iron oxide, cadmium yellow, titanium yellow, barium yellow, quinacridone, aureolin, molybdate orange, cadmium red, petal, red lead, cinnabar, mars violet, manganese Violet, cobalt violet, cobalt blue, cerulean blue, ultramarine, bitumen, emerald green, chrome vermilion, chromium oxide, viridian, iron black, carbon black, etc. White pigments such as titanium oxide (titanium white, titanium white), oxidation Zinc (zinc white), basic lead carbonate (lead white), basic lead sulfate, zinc sulfide, lithopone, titanox and the like can be used. Above all, it is excellent in concealment and light resistance, and is suitable as a pigment for decorative sheets in terms of design. Colored pigments are petal, iron oxide pigments such as yellow iron oxide and iron black, and white pigments are oxidized. It is most desirable to use a titanium pigment.
[0022]
In addition to the iron oxide pigments and titanium oxide pigments described in detail above, a small amount of other concealing or non-concealing inorganic pigments or organic pigments may be used in combination for the purpose of adjusting the color tone. However, it is important that the main component is an iron oxide pigment and a titanium oxide pigment until the tiredness, and the amount of other pigments used is preferably about 20% by weight or less as a percentage of the total pigment. As the pigment to be used in combination, it is preferable to select a pigment having high light resistance. Among the inorganic pigments, it is preferable to use a phthalocyanine pigment such as cobalt blue or carbon black, and among the organic pigments such as phthalocyanine blue. In addition, extender pigments such as silica, calcium carbonate, and barium sulfate can be used in combination as necessary.
[0023]
In addition, the thermoplastic olefin-based resin constituting the base sheet 1 may include, for example, an antioxidant, an ultraviolet absorber, a light stabilizer, a heat stabilizer, a plasticizer, and a lubricant depending on the intended use of the decorative sheet. One or more of various conventionally known additives such as an antistatic agent, a flame retardant, and a filler may be added.
[0024]
Examples of antioxidants include phenols, sulfurs, phosphoruss, etc., ultraviolet absorbers such as benzophenones, benzotriazoles, salicylates, cyanoacrylates, formamidines, oxanilides, etc. Hindered amines, nickel complexes, etc., heat stabilizers such as hindered phenols, sulfurs, hydrazines, etc., plasticizers depending on the type of resin, but phthalates, phosphates, fatty acids, etc. Type, aliphatic dibasic acid ester type, oxybenzoic acid ester type, epoxy type, polyester type, etc., as the lubricant, for example, fatty acid ester type, fatty acid type, metal soap type, fatty acid amide type, higher alcohol type, paraffin type, etc. Antistatic agents include, for example, cationic, anionic, and nonio Examples of flame retardants such as bromine, phosphorus, chlorine, nitrogen, aluminum, antimony, magnesium, boron, and zirconium, and fillers such as calcium carbonate and barium sulfate. , Talc, wax, kaolin and the like.
[0025]
There is no restriction | limiting in particular in the thickness of the base material sheet 1, The thing of the same thickness as the base material sheet of the conventional general decorative sheet can be used. Specifically, although it depends on the use of the decorative sheet and the type of resin, it is generally preferable to set the thickness within a range of about 50 to 200 μm. There is no restriction | limiting in particular also in the shaping | molding method of the base material sheet 1, For example, the film thru | or sheet | seat formed by arbitrary conventionally well-known shaping | molding methods, such as an extrusion molding method, an inflation molding method, a calendar molding method, a cast molding method, are used. be able to.
[0026]
The
[0027]
There are no limitations on the constituent material and the forming method of the
[0028]
Examples of the colorant include inorganic pigments such as carbon black, titanium white, zinc white, dial, bitumen, cadmium red, azo pigments, lake pigments, anthraquinone pigments, phthalocyanine pigments, quinacridone pigments, isoindolinone pigments, dioxazines. Organic pigments such as pigments, metal powder pigments such as gold powder, silver powder, copper powder, aluminum powder, and bronze powder, pearl luster pigments such as fish scale powder, basic lead carbonate, bismuth oxide chloride, and titanium oxide-coated mica, fluorescent pigments, night light A pigment or the like, or a mixture of two or more selected from these can be used.
[0029]
Examples of the binder resin include acrylic resins, styrene resins, polyester resins, urethane resins, polyvinyl resins, alkyd resins, petroleum resins, ketone resins, epoxy resins, and melamine resins. , Various synthetic resins such as fluorine-based resins, silicone-based resins, fiber derivatives, and rubber-based resins, or a mixture or copolymer of two or more thereof can be used.
[0030]
Examples of the solvent include petroleum organic solvents such as hexane, heptane, octane, toluene, xylene, ethylbenzene, cyclohexane, methylcyclohexane, ethyl acetate, butyl acetate, 2-methoxyethyl acetate, and 2-ethoxyacetate. Ester-based organic solvents such as ethyl, alcohol-based organic solvents such as methyl alcohol, ethyl alcohol, normal propyl alcohol, isopropyl alcohol, isobutyl alcohol, ethylene glycol, propylene glycol, and ketone-based organics such as acetone, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone, and cyclohexanone Solvents, ether-based organic solvents such as diethyl ether, dioxane, and tetrahydrofuran; salts such as dichloromethane, carbon tetrachloride, trichloroethylene, and tetrachloroethylene It can be used various organic solvents such systems an organic solvent, an inorganic solvent such as water, or two or more mixed solvents thereof.
[0031]
In addition, various additives such as extender pigments, plasticizers, dispersants, surfactants, tackifiers, adhesion assistants, desiccants, stabilizers, curing agents, curing accelerators, or curing retarders as necessary. Can also be added as appropriate.
[0032]
The method for forming the
[0033]
Further, prior to the formation of the
[0034]
There is no particular limitation on the type of the pattern that the above-described
[0035]
The thermoplastic acrylic resin constituting the
[0036]
In order to achieve good thermoformability, the thermoplastic acrylic resin constituting the
[0037]
The
[0038]
The thermoplastic acrylic resin constituting the
[0039]
The thickness of the
[0040]
There is no particular limitation on the method of laminating the
[0041]
The transparent
[0042]
Specifically, the thermoplastic olefin resin constituting the transparent
[0043]
The thickness of the transparent
[0044]
There is no particular limitation on the method of laminating the transparent
[0045]
In the case of adopting the extrusion laminating method or the sand laminating method, if the adhesion between the melt-extruded resin layer and the laminated resin layer is inferior, this is also known on the laminated resin layer. Adhesion can be improved by preliminarily providing a heat-sensitive adhesive anchor layer or by sandwiching the adhesive resin layer between layers by a melt co-extrusion laminating method with a separately prepared thermal adhesive resin. it can. Of course, you may use both together as needed.
[0046]
Thus, the total thickness of the decorative sheet of the present invention formed by laminating at least the
[0047]
The surface of the transparent
[0048]
A method for forming the
[0049]
In particular, the thermal bonding anchor layers 3, 6 are provided in advance on the surface of the base sheet 1 and / or the back surface of the
[0050]
In addition, the concave portion of the
[0051]
Further, a
[0052]
Specific examples of the constituent material of the
[0053]
The method for forming the
[0054]
If the adhesion between the transparent
[0055]
As described above, the decorative sheet of the present invention is used by being stuck (laminated) on the surface of various base materials such as a wooden base material and an inorganic base material as in the case of a conventional decorative sheet. In general, an appropriate adhesive such as urethane or vinyl acetate is used for the application, but depending on the type of the adhesive, the thermoplastic olefin resin constituting the base sheet 1 and In some cases, the adhesion of the resin is insufficient. In preparation for such a case, it is preferable to provide a primer layer 9 made of a resin excellent in adhesiveness with the laminating adhesive on the back surface of the base sheet 1.
[0056]
Various primer agents such as urethane-based, acrylic-based, ethylene-vinyl acetate copolymer system, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer system are known as the primer layer 9, and the base sheet 1 is constituted from these. Select one that matches the thermoplastic olefin resin to be used. In addition, when powder, such as a silica, an alumina, a calcium carbonate, barium sulfate, is added to the primer layer 9, the surface of the primer layer 9 can be roughened to prevent blocking during winding and storage of the decorative sheet. In addition, the adhesiveness with the laminating adhesive due to the anchoring effect can be improved.
[0057]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to specific examples and comparative examples of the decorative sheet of the present invention.
[0058]
Example 1
On the surface of a colored polypropylene resin film with a thickness of 90 μm, a pattern of wood grain is printed by gravure printing method using urethane resin printing ink for building materials. Coating amount after drying 6g / m 2 To prepare a printed olefin film.
[0059]
Application amount 6g / m after drying two-component urethane topcoat agent on the surface of transparent polypropylene resin film with a thickness of 50μm 2 On the other side, the coating amount after drying a vinegar vinyl urethane urethane adhesive agent is 6 g / m. 2 Was applied to prepare a surface film.
[0060]
A transparent acrylic resin film having a thickness of 50 μm is placed on the printing surface of the printed olefin film, and the surface film is placed with the thermal adhesive anchor agent coated surface facing the acrylic resin film side. Then, the three layers were laminated and bonded together by the doubling embossing method, and at the same time, the surface was embossed with a conduit handle to produce a decorative sheet of the present invention.
[0061]
The obtained decorative sheet is coated with an aqueous two-component urethane resin adhesive on the surface in advance, and the coating amount is 10 g / m. 2 3D molding lamination with a vacuum forming machine on the surface of a wooden base material having a three-dimensional shape with a radius of curvature of 5R, coated and dried, resulting in molding defects such as necking, breakage, pattern elongation, and whitening. In addition, it was possible to obtain a good product excellent in solvent resistance and contamination resistance without picking up unevenness of the substrate surface and uneven application of the adhesive.
[0062]
Example 2
In Example 1 above, instead of the colored polypropylene resin film having a thickness of 90 μm, the coloring having a thickness of 70 μm mainly composed of a low crystalline polypropylene resin having an isotactic index (boiling decane soluble residue) of 10%. A sheet with a three-layer structure in which a hard polyolefin-based resin layer having a thickness of 10 μm mainly composed of a highly crystalline polypropylene resin having an isotactic index of 94% is used on both sides of the soft polyolefin-based resin layer. A decorative sheet of the present invention was produced in exactly the same manner as in Example 1.
[0063]
When the obtained decorative sheet was laminated on the surface of a wooden substrate having a three-dimensional solid shape in exactly the same manner as in Example 1, necking, breaking, pattern elongation, and whitening were performed as in Example 1 above. Thus, it was possible to obtain a good product excellent in solvent resistance and contamination resistance without causing molding defects such as unevenness on the surface of the substrate and uneven application of the adhesive.
[0064]
Comparative Example 1
On the surface of a colored polypropylene resin film with a thickness of 90 μm, a pattern of wood grain is printed by gravure printing method using urethane resin printing ink for building materials. Coating amount after drying 6g / m 2 To prepare a printed olefin film.
[0065]
On the printing surface of the printing olefin film, the coating amount after drying the two-component urethane topcoat agent on the surface in advance is 6 g / m. 2 A transparent acrylic resin film having a thickness of 50 μm coated and cured was placed, laminated and adhered by a doubling embossing method, and simultaneously embossed with a conduit pattern on the surface to prepare a decorative sheet.
[0066]
When the obtained decorative sheet was laminated on the surface of a wooden base material having a three-dimensional solid shape in exactly the same manner as in Example 1, no whitening of the decorative sheet was observed, but uneven application of the adhesive As a result, the surface was uneven, and the solvent resistance and contamination resistance were inferior.
[0067]
Comparative Example 2
On the surface of a colored polypropylene resin film with a thickness of 90 μm, a pattern of wood grain is printed by gravure printing method using urethane resin printing ink for building materials. Coating amount after drying 6g / m 2 To prepare a printed olefin film.
[0068]
On the printing surface of the printing olefin film, the coating amount after drying the two-component urethane topcoat agent on the surface in advance is 6 g / m. 2 A transparent polypropylene resin film having a thickness of 60 μm coated and cured was placed, laminated and adhered by a doubling embossing method, and simultaneously embossed with a conduit handle on the surface to prepare a decorative sheet.
[0069]
When the obtained decorative sheet was laminated on the surface of a wooden base material having a three-dimensional solid shape in exactly the same manner as in Example 1, whitening of the decorative sheet occurred, and there was a significant pattern elongation at the corners and the like. As a result, irregularities were observed on the surface due to uneven coating of the adhesive.
[0070]
【The invention's effect】
As described above in detail, the decorative sheet of the present invention is a transparent surface resin made of a thermoplastic olefin resin and an intermediate resin layer made of a thermoplastic acrylic resin on a base sheet made of a thermoplastic olefin resin. Since the layers are layered one after another, the intermediate resin layer made of thermoplastic acrylic resin with excellent thermoformability, due to its excellent uniform formability, breakage, necking, whitening, pattern elongation, etc. during vacuum forming It is possible to prevent the occurrence of molding defects and to play a role like a so-called cushion between the base material sheet on the back surface side and the transparent surface resin layer on the front surface side during thermoforming. Even if the resin layer is relatively thin, sufficient thermoforming suitability can be provided, so that a decorative sheet excellent in vacuum formability can be obtained at a low cost. In addition, by providing a transparent surface resin layer made of a thermoplastic olefin resin on the surface, a decorative sheet excellent in surface properties such as solvent resistance and stain resistance can be easily obtained.
[0071]
In particular, by making the intermediate resin layer made of thermoplastic acrylic resin transparent, the excellent transparency and whitening resistance of the thermoplastic acrylic resin gives the decorative sheet an excellent depth feeling and paint feeling, An excellent three-dimensional design feeling can be achieved by forming deep embosses, and a decorative sheet excellent in three-dimensional formability by vacuum forming can be easily obtained.
[0072]
In particular, as a base sheet made of a thermoplastic olefin resin, a sheet having a three-layer structure in which front and back layers made of a rigid thermoplastic olefin resin are laminated on the front and back of an intermediate layer made of a soft thermoplastic olefin resin. By adopting it, it is possible to obtain a decorative sheet that is more excellent in flexibility and three-dimensional formability while having sufficient tensile strength and waist.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view showing a laminated structure of an example of a decorative sheet of the present invention.
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view showing a laminated structure of an example of a decorative sheet of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 ... Base sheet
11 ... Back layer
12 ... Middle class
13 ... Surface layer
2 ... Pattern layer
3... Thermal bonding anchor layer
4 ... Intermediate resin layer
5... Thermal bonding anchor layer
6 ... Transparent surface resin layer
7. Emboss
8. Top coat layer
9 ... Primer layer
Claims (3)
前記基材シートには、酸化鉄系顔料及び酸化チタン系 顔料が添加されていて、総厚が160〜450μmであることを特徴とする化粧シート。On a base sheet made of a thermoplastic olefin resin, an intermediate resin layer made of a thermoplastic acrylic resin having a thickness of 10 to 100 μm and a transparent surface resin layer made of a thermoplastic olefin resin having a thickness of 20 to 200 μm A heat-bonding anchor layer is provided in advance on the surface of the material sheet and / or the back surface of the intermediate resin layer, and on the surface of the intermediate resin layer and / or the back surface of the transparent surface resin layer, and the embossing roll and the pressure roll are stacked in three layers. It is inserted between and heat embossed at the same time,
Decorative sheet on the base sheet is iron pigments and titanium oxide pigments has not been added, the total thickness is equal to or is 160~450Myuemu.
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