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JP4512659B1 - スナック膨化装置及び膨化スナック菓子製造システム - Google Patents

スナック膨化装置及び膨化スナック菓子製造システム Download PDF

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JP4512659B1 JP2009028466A JP2009028466A JP4512659B1 JP 4512659 B1 JP4512659 B1 JP 4512659B1 JP 2009028466 A JP2009028466 A JP 2009028466A JP 2009028466 A JP2009028466 A JP 2009028466A JP 4512659 B1 JP4512659 B1 JP 4512659B1
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Abstract

【課題】 配線の問題を解消し、膨化スナック菓子の原料を加熱押圧する部材を加熱するためのコストの削減を実現するとともに、その装置の大規模化を可能にしてその生産効率を向上させたスナック膨化装置及び膨化スナック菓子製造システムを提供する。
【解決手段】 コンベア14上に供給されたペレットは、温水槽13内でブランチングされながら搬送される。その後、ペレットは温水中から引き上げられ、ヒータ15の下方まで搬送され、乾燥処理された後、所定時間に所定量ずつローラ21,22間に投入される。このローラ21,22間に投入されたペレットは、ローラ21,22により加熱挟圧され、膨化処理される。このローラ21,22内の空間には過熱水蒸気が充填されており、その表面を均一に加熱している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スナック膨化装置及び膨化スナック菓子製造システムに関し、特に、一対の圧延胴により高温下で押圧してスナック材料を膨化させるスナック膨化装置及び膨化スナック菓子製造システムに関する。
従来より、いも類、トウモロコシ、米粉、豆類などの炭水化物を原料とした膨化スナック菓子が広く親しまれており、美味でサクサクした軽い食感が好評を得ている。この膨化スナック菓子は、通常それら原料に膨化剤を加え、食用油で揚げて原料を膨化させることにより製造される。
しかしながら、このように揚げて製造された膨化スナック菓子は、大量の食用油を含んでいることから、高脂肪、高カロリーであり、食べ過ぎると栄養面での心配がある。加えて、近年、ヘルシー嗜好が高まっており、この流れからも逆行することになる。
このような膨化スナック菓子が抱える栄養面での問題を解決するために、食用油で揚げないノンフライ製法によるものが提案されている。ノンフライ製法とは、その名が表す通り、食用油で揚げることなく、前述のサクサクした軽い食感等を再現した製法をいうものである。
このノンフライ製法の1つに、ペレット化した原料に高温下で圧力をかけることにより、そのペレット化した原料を膨化させるというものがある。この製法では、前述の膨化スナック菓子特有の軽いサクサクとした口当たりを再現しつつ、原料を食用油で揚げないため低脂肪、低カロリーの膨化スナック菓子を提供することが可能となっている。
このような高温下で圧力をかけるノンフライ製法に係るものの1つとして、特許文献1に開示されるスナック膨化装置が提案されている。
このスナック膨化装置は、対向配置された一対のローラ間に原料を高温高圧下で挟んで押圧した後、瞬時に常温常圧状態に晒すことで、原料に含まれる水分を瞬時に蒸発させて膨化させるというものである。
特許文献1によれば、一対のローラに、ヒータにより220℃前後まで加熱されたオイルを供給し、そのオイルをローラ内で巡廻させることで、高温に維持することを可能としている。
特開2005−27575
前述のスナック膨化装置は、サクサクした軽い食感を再現しつつ栄養面に優れた膨化スナック菓子を製造することができるものではあるが、まだ改良すべき点も残されている。それは、前述の原料を加熱しながら押圧する一対のローラの加熱方法に係る点である。
すなわち、前述の通り、特許文献1に開示されるスナック膨化装置は、ヒータにより加熱されたオイルを巡回させることでローラを高温に維持するものであるが、そのためには、ヒータからローラまでの配管、そしてローラ内の空間をオイルで満たさなければならず、その配管の径や長さ、及びローラ内の空間の容積によっては大量のオイルが必要となるという点である。
よって、これら配管及びローラ内を満たす大量のオイルを加熱するためには、大量の熱量が必要となり、その加熱のための燃料コストも莫大なものとなってしまう。また、その巡回させるオイルの品質を維持するために、定期的なメンテナンスも必要となる。
その他、上記ローラを加熱する方式として、電熱線ヒータをローラ表面に沿って敷設する電気加熱方式もある。
しかしながら、この電気加熱方式を用いた場合、原料を均一に膨化させるためには、ローラ表面全体に隙間なく電熱線ヒータを配設して、その表面上を均一な温度に保つ必要がある。従って、ローラの径が大きくなればなるほど、その電熱線ヒータの設置個数も増加し、その加熱のために大量の電気が必要となることから、莫大なヒータの配設コスト及びエネルギーコストが生じてしまう。
また、上記ローラが回転するにつれて電熱線ヒータの配線がからまったり、配線同士が擦れて磨耗したりして、装置の故障を招くおそれもある。
このように、従来の加熱方式(オイル加熱方式、電気加熱方式)では、ローラ加熱のための燃料コストやメンテナンスの手間が膨大となるため、その装置を設計上小規模なものとせざるを得ず、結果として膨化スナック菓子の量産化も制限されてしまうことになる。また、上記のような電気加熱ヒータの配線の問題もある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、配線の問題を解消し、膨化スナック菓子の原料を加熱押圧する部材を加熱するためのコストの削減を実現するとともに、その装置の大規模化を可能にしてその生産効率を向上させたスナック膨化装置及び膨化スナック菓子製造システムを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明は、膨化スナック菓子を製造するスナック膨化装置であって、原料を加熱挟圧する加熱挟圧手段(ローラ、押圧部材)を有し、加熱挟圧手段は、内部が密閉された空間部を有し、空間部には過熱水蒸気が充填されることを特徴とする。
また、本発明は、膨化スナック菓子を製造するスナック膨化装置であって、原料を加熱挟圧する対向配置された一対の円筒形状のローラを有し、一対のローラは、内部が密閉された空間部を有し、空間部には過熱水蒸気が充填されることを特徴とする。
また、本発明におけるスナック膨化装置によれば、そのローラは、内部に略円筒形状の空間部が形成され、略円筒形状の空間部の円筒軸方向の一端には過熱水蒸気の供給口(給気通路)、他端には排気口(排気通路)がそれぞれ設けられ、略円筒形状の空間部の内壁に沿って円筒軸方向に螺旋状のリブが配設されてなることを特徴とする。
また、本発明におけるスナック膨化装置によれば、そのローラは、内部に略円筒形状の空間部が形成され、略円筒形状の空間部の円筒軸方向の一端には過熱水蒸気の供給口(給気通路)、他端には排気口(排気通路)がそれぞれ設けられ、略円筒形状の空間部の内壁に沿って円筒軸方向に複数のリング状のリブが配設されてなることを特徴とする。
また、本発明は、前述のスナック膨化装置と、スナック膨化装置に過熱水蒸気に供給する過熱水蒸気供給装置とを有する膨化スナック菓子製造システムであって、その過熱水蒸気供給装置は、過熱水蒸気を生成してローラへ供給し、ローラは、過熱水蒸気供給装置により生成された過熱水蒸気が供給されて充填されることを特徴とする。
また、本発明における膨化スナック菓子製造システムによれば、前述のスナック膨化装置が複数設置され、過熱水蒸気供給装置は、生成した過熱水蒸気を、分岐した給気管を介して複数のスナック膨化装置が有する複数組のローラに対し供給することを特徴とする。
本発明におけるスナック膨化装置及び膨化スナック菓子製造システムは、原料を加熱挟圧する部材内の空間部において過熱水蒸気を連続的に通過させることにより、低加熱コストでその加熱挟圧する部材表面全体を均一に高温に保つことが可能となる。また、その加熱挟圧する部材の加熱に用いる熱媒体が過熱水蒸気であることから、その装置のメンテナンスが簡易であり、また、装置の増設についても簡易な作業かつ低コストで行うことが可能となる。
本発明の第1の実施の形態における膨化スナック菓子製造システムの構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態におけるローラの回動軸方向(長手方向)の断面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるスナック膨化装置の構成を示す図であって、(a)はその上面図、(b)はその側面図である。 本発明の第2の実施の形態における膨化スナック菓子製造システムの構成を示す図である。
<第1の実施の形態>
(1)膨化スナック菓子製造システムの構成
図1は、本発明の第1の実施の形態における膨化スナック菓子製造システムの構成を示す図である。
図に示すように、膨化スナック菓子製造システムは、原料に膨化処理を施して膨化スナック菓子を製造するスナック膨化装置1と、このスナック膨化装置1に過熱水蒸気を供給する過熱水蒸気供給装置2と、そのスナック膨化装置1から過熱水蒸気のドレインを排出する排出機構3とを有して構成される。
スナック膨化装置1の詳細な構成及び具体的な処理動作については後述するが、このスナック膨化装置1は、対向配置される一対の回動するローラ21,22によってジャガイモのペレット等の原料を加熱挟圧することにより、膨化処理を行うものである(ローラ22は、ローラ21の図に向かって奥側に重なっているため図示されていない)。
そのローラ21,22には、後述するように空間部が形成されている。ローラ21,22は、当該空間部に過熱水蒸気を充填することにより、その表面を加熱可能に構成されている。
過熱水蒸気供給装置2は、過熱水蒸気を生成し、そのローラ21,22表面を加熱するために、前述のローラ21,22内の空間へ供給するものである。
この過熱水蒸気供給装置2は、図に示すように、以下のような構成を有する。
すなわち、過熱水蒸気供給装置2は、過熱水蒸気を生成する過熱水蒸気生成部61と、この過熱水蒸気生成部61により生成された過熱水蒸気を一旦収集し過熱水蒸気と復水(ドレイン)とに分離して復水のみを排出し、過熱水蒸気を各配管に分配する蒸気ヘッダ62と、蒸気ヘッダ62から排出される過熱水蒸気を所定の圧力に減圧する減圧バイパス部63と、前述の過熱水蒸気生成部61・蒸気ヘッダ62間、蒸気ヘッダ62・減圧バイパス部63間、減圧バイパス部63・ローラ21,22間にそれぞれ配管される給気管64〜66と、その給気管66の流路を開閉する電磁弁67とを有して構成される。
排出機構3は、スナック膨化装置1内の過熱水蒸気のドレインを外部へ排出するものである。
この排出機構3は、図に示すように以下のような構成を有する。
すなわち、排出機構3は、後述のスナック膨化装置1の排気接続部47と接続され、前述のローラ21,22から過熱水蒸気を排気する排出管68と、この排出管68に連設され、この排出管68に排気された過熱水蒸気を水蒸気と復水とに分けて復水のみを排出するスチームトラップ69と、前述の給気管66とローラ21,22の給気通路44(後述)とを接続する給気接続部81と、前述の排出管68とローラ21,22の排出通路46(後述)とを接続する排気接続部82とを有して構成される。
なお、図に示すように、給気管66の途中から他の給気管70が分岐するように構成してもよい。
以上のように構成される過熱水蒸気供給装置2は、以下のようにスナック膨化装置1のローラ21,22に対し過熱水蒸気を供給する。
過熱水蒸気生成部61は、300℃程度の過熱水蒸気を生成する装置である。例えば、その生成方法としては、一旦飽和水蒸気を生成した後、ヒータ等により再加熱して生成する方法により過熱水蒸気を生成する。
この過熱水蒸気生成部61により生成された過熱水蒸気は、給気管64を通過して蒸気ヘッダ62に給気される。ここで、過熱水蒸気を蒸気と復水に分離し、その蒸気のみを給気管65に給気する。一方、水は蒸気ヘッダ62から排水される。
その給気管65に給気された過熱水蒸気は、減圧バイパス部63を経て減圧され、給気管66に給気され、電磁弁67が開弁されている場合にはそのままローラ21,22に導入される。
そして、前述の排出機構3は、以下のように過熱水蒸気のドレインを排出する。
過熱水蒸気は、ローラ21,22内の空間を通過する際、冷却されて液化されて、ドレインが生成される。このドレインは、ローラ21,22内に溜まる。排出管68は、ローラ21,22内の過熱水蒸気とともに、このローラ21,22内に溜まったドレインをローラ21,22外へ排出する。
スチームトラップ69は、この排出管68から排出された過熱水蒸気及びドレインからドレインを分離して排出する。
なお、前述の給気接続部81及び排気接続部82には、例えば、ロータリージョイント又はロッキージョイントのいずれかが用いられる。
(2)ローラ21,22の構造
次に、過熱水蒸気が供給されるローラ21,22の構成について詳述する。
図2は、そのローラ21の回動軸方向(長手方向)の断面を示す図である。
なお、ローラ21,22は同構造をなしているので、以下、本図を用いて、ローラ21の構造についてのみ詳細に説明し、ローラ22の構造の説明については省略するものとする。
図に示すように、ローラ21は、内側に空間を形成する円筒状のローラ本体41と、そのローラ本体41内に形成された空間であって過熱水蒸気が充填される空間部42と、その空間部42を形成するローラ本体41の内壁に沿って形成される螺旋状のリブ43と、このローラ本体41の円筒軸方向の一端側に設けられその空間部42へ過熱水蒸気を供給する給気通路44と、空間部42内の過熱水蒸気及び空間部42の底面に溜まった水蒸気のドレインを吸い上げる吸上げパイプ45と、ローラ本体41の円筒軸方向の他端側に設けられ、その吸上げパイプ45により吸上げられた過熱水蒸気及びドレインを排出する排出通路46と、空間部42内を覗いて点検するための点検用孔部47,48とを有して構成される。
上記ローラ21を構成する各部材41,43,44〜48は、防錆性を備えた金属又は防錆処理を施された金属製であり、特に、ローラ本体41及びリブ43については、熱伝導性の高い金属であることが好ましい。
ローラ本体41は、円筒ドラム状の回転体であり、その円筒軸を回動軸として回動する。また、前述の空間部42を形成するローラ本体41の内壁から表面までの厚さは、過熱水蒸気の熱が内壁から表面に均一に伝達するように均一であることが好ましい。
螺旋状のリブ43は、その螺旋の間隔が一定幅に形成されており、回動軸と直交する方向から見て、ローラ本体41の内壁を均一に加熱可能に構成されている。
また、この螺旋の軸線は、略円筒形状の空間部42の円筒軸及びローラ21,22の回動軸と略一致するように構成されており、ローラ21,22の回動につれて、過熱水蒸気が、その回動軸方向から見て、ローラ本体41の内壁に均一に拡散するようになっている。
吸上げパイプ45は、一端が排出通路46に連設され、他端(先端部分)が開口しているパイプである。また、この吸上げパイプ45の中間部分にはベアリング等の可動手段が設けられており、吸上げパイプ45の先端部分は、この可動手段を支点として回動自在に設けられている。このように構成されていることから、図に示すように、ローラ21,22が回動しても、吸上げパイプ45の先端部分は自重により常に下方に向くように可動手段回りを回動する。
従って、吸上げパイプ45の先端部分は、空間部42の底面に溜まった過熱水蒸気のドレインを吸上げやすい方向を常に向くことになる。例えば、この先端部分の方向は、排出通路46方向に対して120度程度なすように下方を向いている。
点検用孔部47,48は、空間部42内を覗いて点検するための孔である。膨化スナック菓子製造システム稼動時には、この点検用孔部47,48は閉じられており、空間部42は密閉された状態となっている。
空間部42内全体を視認できるように、点検用孔部47,48は、複数設けられることが好ましい。また、図に示すように、側面視、対角線上に位置するようにそれら複数の点検用孔部47,48を設けることで、空間部42内部全体をより容易に点検することができる。
以上のように構成されるローラ21,22では、以下のように過熱水蒸気の流れが発生する。
過熱水蒸気が、給気管66から給気通路44を通過して空間部42へ供給されると、この空間部42に供給された過熱水蒸気は、ローラ21,22の回動に伴って、ローラ本体41の内壁に沿って形成された一定幅の螺旋状のリブ43に沿って進行し、給気通路44側から排出通路46側への螺旋状の過熱水蒸気の流れが起生される。
この螺旋状に流れる過熱水蒸気流は、リブ43に沿ってローラ本体41の内壁に均一に接触しながら移動することから、その内壁全面を均一に加熱することができる。その内壁に与えられた熱エネルギーは、ローラ本体41の内壁側から表面(外壁)側に放射状に伝達し、ローラ本体41表面を加熱し、均一の温度に保たせることができる。
そして、このローラ本体41の内壁に接触した過熱水蒸気は、冷却されて液化し、ドレインとして空間部42の底面側(垂直下方面側)に溜まる。また、過熱水蒸気が給気される空間部42内は、その外部と比べて気圧が高くなっている。吸上げパイプ45は、この空間部42内外の気圧差により、その空間部42の底面側に溜まったドレイン及び過熱水蒸気を吸上げ、排出通路46を介して排出管68から排出する。
なお、ローラ21,22は、圧力容器構造規格で定められる第二種圧力容器に該当する場合がある。この場合、ローラ21,22のローラ本体41の厚さは、「本体胴板」が下記の式(1)、「平板」が下記の式(2)でそれぞれ規定されることになる。なお、円筒状のローラ本体41の円筒側面を「本体胴板」といい、円筒両底面を「平板」という。
Figure 0004512659
なお、上記式(1)において、Pは最高使用圧力(MPa)、Diはローラ本体41の内径(mm)、σは本体胴板の材料の許容引張応力(N/mm)、ηは長手継手の最小効率(%)、αは腐れしろ(mm)を示す。
Figure 0004512659
なお、上記式(2)において、Pは最高使用圧力(MPa)、Dは直径(mm)、σは平板の材料の許容引張応力(N/mm)、Cfは平板の取付け方法によって定まる定数、mは胴の計算厚さを胴板厚さで割った数値、αは腐れしろ(mm)を示す。
(3)スナック膨化装置1の構成
次に、スナック膨化装置1全体の構成について説明する。
図3は、そのスナック膨化装置1の構成を示す図であって、(a)はその上面図、(b)はその側面図である。以下、本図を用いて、スナック膨化装置1の構成について説明を進める。
なお、本実施の形態では、スナック膨化装置1が製造する膨化スナック菓子の原料をジャガイモ等の野菜類やその他果物又は穀類とする。
図に示すように、本実施の形態におけるスナック膨化装置1は、装置の各部を支持する支持架台11と、その支持架台11の長手方向の一端に配設される、膨化スナック菓子の原料を投入するホッパ12と、前述の支持架台11の長手方向に沿って配設される温水を貯水する温水槽13と、その温水槽13内に配設され前述のホッパ12から供給される原料をその温水槽13内の温水に浸漬しながら搬送するコンベア14と、前述の支持架台11の長手方向の他端に配設され、そのコンベア14により搬送された原料を乾燥させるヒータ15と、そのヒータ15による乾燥処理の際発生した水蒸気を排気する排気部16と、そのヒータ15により乾燥処理が施された原料を投入するホッパ17と、ホッパ17に投入された乾燥処理後の原料を回動しながら加熱挟圧する、対向配置された一対のローラ21,22と、その一対のローラ21,22を駆動するサーボモータ23と、その一対のローラ21,22表面に付着した原料を掻き落とすドクターナイフ24と、前述の一対のローラ21,22により加熱挟圧された原料を次の加工工程を行う装置まで搬送するコンベア25とを有して構成される。
上記温水槽13は、温水を貯水する槽本体31と、その槽本体31内に温水を供給する給水口32と、温水を排水する排水口33と、その槽本体31内の温水の温度を計測する温度センサ34とを有して構成される。
その温度センサ34は、その槽本体31内の温水の温度を計測すると、その計測温度データを図示しない温水供給装置に送信する。温水供給装置は、その計測温度が予め定められた温度から所定温度以上、上下すると、その温度調整のために図示しない電磁弁を開弁し、温水又は冷水を給水口32から槽本体31へ供給するとともに、排水口33から温水を排水させる。
このようにして、温水槽13内の温水の温度は一定に保たれる訳であるが、その温度は、例えば原料がジャガイモであれば60〜70℃程度であって、その温水に浸漬することで原料に対しブランチングの効果をもたらすことができる。ここで、ブランチングとは、野菜等の原料に含まれる酵素を不活性化し、貯蔵中の品質の低下や変色を防ぐための軽い湯通し加工をいうものである。
上記コンベア14の搬送速度は、原料がブランチングに十分な時間浸漬されるように調整されている。例えば、原料がジャガイモであれば、その浸漬時間は2〜3分程度である。このコンベア14として、例えば、原料を温水に浸漬しながら搬送可能なネットコンベアが用いられる。
上記ヒータ15は、温水から引き上げられた原料表面に付着した水滴を除去するものである。そのためのものとして、例えば、遠赤外線ヒータが用いられる。
ローラ21,22は、それぞれサーボモータ18により駆動する一対の同形の円筒ドラム状の回動体であり、その円筒軸回りに回動するように構成されている。その回動方向は、図に示すように、ローラ21が時計回り、ローラ22が反時計回りにそれぞれ回動するよう構成されており、これらローラ21,22間に原料を投入すると、その投入された原料を垂直下方に押し出すようになっている。このローラ21,22間の間隔は、スライスされた原料が通過できる程度に幅狭に調整されている。
そして、これらローラ21,22の円筒内側には、前述のように密封された空間部42が形成されており、この空間部42内を過熱水蒸気が暖めることにより、ローラ21,22表面を高温に保つことが可能となっている。
(4)膨化スナック菓子の製造方法
次に、以上のように構成されるスナック膨化装置1による膨化スナック菓子の製造方法を説明する。
なお、本実施の形態では、一例として原料をジャガイモとした場合について説明する。
まず、皮剥きしたジャガイモを成形してペレット化する。そして、このペレットをホッパ12に投入する。このホッパ12に投入されたペレットは、所定時間に所定量ずつコンベア14上に供給される。
このコンベア14上に供給されたペレットは、温水槽13内の温水に浸漬(ブランチング)されながらヒータ15の方向へ搬送される。この搬送時間及び温水の温度は、原料にもよるが、原料がペレット化されたジャガイモの場合は、約60〜70℃程度の温水中を約2〜3分程度浸漬することが好ましい。
このようにペレットをブランチングすることにより、ペレットに含まれるデンプンをα化(糊化)し、ペレットが時間経過とともに褐色に変色して色合いが悪くなることを防止する。
温水中を搬送されたペレットは、その後温水中から引き上げられ、ヒータ15の下方まで搬送され、ヒータ15により加熱される。この乾燥処理により、ペレットの含水率は約5〜20%程度となる。
この乾燥処理によって蒸発したペレット中の水分は、排気部16により排気される。
ヒータ15により乾燥処理されたペレットは、ホッパ17に投入される。このホッパ17に投入されたペレットは、所定時間に所定量ずつローラ21,22間に投入される。
ローラ21,22間に投入されたペレットは、ローラ21,22により加熱挟圧され、膨化処理される。
このとき、ローラ21,22の表面温度は、過熱水蒸気により加熱されて、約180〜250℃程度であることが好ましい。また、ローラ21,22による挟圧の圧力は、700〜3000kg/cmの範囲が好ましく、望ましくは、2000〜3000kg/cm程度である。
この膨化処理により蒸発するペレットの水分もまた前述の排気部16により排気される。
この膨化処理されたペレットは、ローラ21,22の回動につれて自動的にコンベア25上に落下する。一部ローラ21,22の表面上に貼り付いたペレットは、ドクターナイフ24により掻き取られ、コンベア25上に落下する。
そして、コンベア25上に落下したペレットは次の工程が行われる作業場所へ搬送され、その後の選別工程、味付け工程、加熱工程及び袋詰め工程等による作業の後、膨化スナック菓子が完成する。
なお、好適な実施例としては、含水率が13%のペレットを200℃の温度で2500kg/cmの圧力によって加熱挟圧し、最終的に含水率が4%となるように乾燥させることが好ましく、この条件下で製造することにより、美味でサクサク感のある膨化スナック菓子を提供することが可能となる。
(5)第1の実施の形態のまとめ
以上説明したように、本実施の形態によれば、膨化スナック菓子を製造するスナック膨化装置において、原料を加熱挟圧するローラ21,22の内部を中空に形成し、その内部の空間に過熱水蒸気を充填するので、ローラ21,22表面を一定の温度で均一に加熱することが可能となる。
また、このように、ローラ21,22を水蒸気によって加熱しているので、その加熱コストも安価であるとともに、そのメンテナンスも容易である。
また、そのローラ21,22内の略円筒形状の空間の円筒軸方向の一端に過熱水蒸気の給気通路44、その他端に排出通路46を配設し、その空間の内壁に沿って円筒軸方向に螺旋状のリブ43が形成されている。従って、その給気通路44から供給された過熱水蒸気は、そのローラ21,22内の略円筒形状の空間を、その内壁に接触しながら螺旋状に円筒軸方向に向かって排出通路46側へ移動するので、その空間内に過熱水蒸気が滞留することなく流れて、過熱水蒸気による熱エネルギーをローラ21,22全体に均一かつ連続的に付与することが可能となる。
なお、本実施の形態では、ローラ21,22が原料を加熱挟圧して膨化スナック菓子を製造するが、その他、台上に載置した原料を上方から押圧部材により加熱押圧することにより製造するようにしてもよい。この場合、その押圧部材は、ローラ21,22と同様に、内部が中空であって、その空間は供給される過熱水蒸気で充填されるものとする。
また、前述のように、リブ43は、略円筒状の空間部42の内壁に沿って螺旋状に形成されているが、リング状のリブを回動軸方向に一定の間隔で複数形成するように構成してもよい。
<第2の実施の形態>
(1)膨化スナック菓子製造システムの構成
図4は、本発明の第2の実施の形態における膨化スナック菓子製造システムの構成を示す図である。以下、本図を用いて、本実施の形態における膨化スナック菓子製造システムについて説明するが、特記しない限り、第1の実施の形態とその構成および作用は同様であるものとする。
本実施の形態における膨化スナック菓子製造システムは、第1の実施の形態と同様に、スナック膨化装置1と、過熱水蒸気供給装置2とを有して構成されるものであるが、そのスナック膨化装置1を複数有する点で第1の実施形態と相違している。
図に示すように、第1の実施の形態と同様に過熱水蒸気生成部61により生成された過熱水蒸気は、蒸気ヘッダ62及び減圧バイパス部63を経た後に、複数に分岐した給気管101を通過して、複数のスナック膨化装置1がそれぞれ有する一対のローラ21,22に給気される。
そして、各スナック膨化装置1のローラ21,22に給気された過熱水蒸気は、第1の実施の形態と同様に、そのローラ21,22内部を移動して加熱した後、それぞれ各スナック膨化装置1に接続された排出管102から排気される。これら複数の排出管102は連結して、最終的に1本の排出管103にまとめられて排気される。
(2)第2の実施の形態のまとめ
以上説明したように、本実施の形態における膨化スナック菓子製造システムによれば、過熱水蒸気供給装置2が、生成した過熱水蒸気を分岐して複数のスナック膨化装置1に対しそれぞれ供給するように構成されているので、加熱対象のローラ21,22が増加する度に供給するオイルを補充する必要のあるオイル加熱方式や、電熱線ヒータを増設する必要のある電気加熱方式と比べて、その増設コストや加熱コストを大幅に節減することが可能となる。
<実施の形態のまとめ>
以上説明したように、上記実施の形態によれば、原料を加熱挟圧するローラ21,22内の空間部42において過熱水蒸気を連続的に通過させることにより、低加熱コストでそのローラ21,22表面全体を均一に高温に保つことが可能となる。従って、表面が均一に膨化処理され、割れが少なく美味でサクサクした食感の膨化スナック菓子を提供することが可能となる。
また、そのローラ21,22の加熱に用いる熱媒体が過熱水蒸気であることから、その装置のメンテナンスが簡易であり、また、装置を増設についても簡易な作業かつ低コストで行うことができる。
また、上記実施の形態によれば、そのローラ21,22内の空間部42の内壁には螺旋状のリブ43が形成されていることから、その空間部42へ供給された過熱水蒸気が滞留することなく流れを促進することができるとともに、その螺旋状のリブ43に沿った流れによりローラ21,22の内壁を均一に加熱することが可能となる。
なお、上記の実施例は本発明の好適な実施の一例であり、本発明の実施例は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能となる。
1 スナック膨化装置
2 過熱水蒸気供給装置
3 排出機構
11 支持架台
12,17 ホッパ
13 温水槽
14,25 コンベア
15 ヒータ
16 排気部
21,22 ローラ
23 サーボモータ
24 ドクターナイフ
41 ローラ本体
42 空間部
43 リブ
44 給気通路
45 吸上げパイプ
46 排出通路
47,48 点検用孔部
61 過熱水蒸気生成部
62 蒸気ヘッダ
63 減圧バイパス部
64〜66,70,101 給気管
67 電磁弁
68,102,103 排出管
69 スチームストラップ
81 給気接続部
82 排気接続部

Claims (6)

  1. 膨化スナック菓子を製造するスナック膨化装置であって、
    原料を加熱挟圧する加熱挟圧手段を有し、
    前記加熱挟圧手段は、内部が密閉された空間部を有し、該空間部には過熱水蒸気が充填されることを特徴とするスナック膨化装置。
  2. 膨化スナック菓子を製造するスナック膨化装置であって、
    原料を加熱挟圧する対向配置された一対の円筒形状のローラを有し、
    前記一対のローラは、内部が密閉された空間部を有し、該空間部には過熱水蒸気が充填されることを特徴とするスナック膨化装置。
  3. 前記ローラは、内部に略円筒形状の空間部が形成され、該略円筒形状の空間部の円筒軸方向の一端には過熱水蒸気の供給口、他端には排気口がそれぞれ設けられ、前記略円筒形状の空間部の内壁に沿って前記円筒軸方向に螺旋状のリブが配設されてなることを特徴とする請求項2記載のスナック膨化装置。
  4. 前記ローラは、内部に略円筒形状の空間部が形成され、該略円筒形状の空間部の円筒軸方向の一端には過熱水蒸気の供給口、他端には排気口がそれぞれ設けられ、前記略円筒形状の空間部の内壁に沿って前記円筒軸方向に複数のリング状のリブが配設されてなることを特徴とする請求項2記載のスナック膨化装置。
  5. 請求項2から4のいずれか1項に記載のスナック膨化装置と、該スナック膨化装置に過熱水蒸気を供給する過熱水蒸気供給装置とを有する膨化スナック菓子製造システムであって、
    前記過熱水蒸気供給装置は、過熱水蒸気を生成して前記ローラへ供給し、
    前記ローラは、前記過熱水蒸気供給装置により生成された過熱水蒸気が供給されて充填されることを特徴とする膨化スナック菓子製造システム。
  6. 前記スナック膨化装置が複数設置され、
    前記過熱水蒸気供給装置は、前記生成した過熱水蒸気を、分岐した給気管を介して前記複数のスナック膨化装置が有する複数組のローラに対し供給することを特徴とする請求項5記載の膨化スナック菓子製造システム。
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