JP4510493B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
誘電体層をもつ現像ローラ(現像剤担持体)上に、非磁性現像剤を担持し感光体の表面に接触させて現像を行う方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。現像装置(以下、現像器と記す)内の現像剤は機械的攪拌機構や重力により現像ローラに供給する。現像ローラに接触する弾性ローラを設け現像剤の搬送供給を行う。この弾性ローラは、現像ローラ上の現像剤を均一にする目的から、感光体に移行せずに現像ローラに残った現像剤を一旦除去する機能も担っている。感光体の基材と現像ローラの間にはDCバイアスが印加される。
(2)磁性非接触現像方式
この方式(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)は、磁性一成分現像剤を用い、マグネットを内包した現像スリーブ(現像剤担持体)に現像剤を担持し、現像スリーブの表面から所定の微小間隙をおいて感光体に対向させ、この間隙を飛翔する現像剤により現像する。現像器内の現像剤は、機械的攪拌機構や重力により現像スリーブに搬送されるとともに、現像剤はマグネットによる一定の磁力を受けて現像スリーブに供給される。そして、規制手段により現像スリーブ上に一定の現像剤層を形成し、現像に用いられる。マグネットにより現像剤に働く力は現像剤の搬送のみでなく、現像部においても積極的に使用される。現像部においては現像剤が非画像部に移行しカブリなどの画像不良が発生するのを防止する。つまり、現像時に現像剤は現像スリーブに内包したマグネットに向かい磁力を受けているからである。現像剤の飛翔にはDCバイアスにACバイアスを重畳したバイアスが使用される。DCバイアス電圧は、感光体の画像部電位と非画像部電位の間の値に調整される。更に、AC電圧を重畳し、画像部及び非画像部に対し現像剤が往復運動することにより現像剤で画像部を現像する。
装置構成の簡略化や廃棄物を無くすという観点から、転写方式の画像形成装置において感光体の転写工程後の表面清掃手段である専用のドラムクリーナーを廃し、トナーを装置内でリサイクルする電子写真プロセスの提案がされている。例えば、前述の非磁性接触現像方式を用いて、現像時に同時に転写残となった現像剤を回収する画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
像担持体と、該像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像する現像装置と、該像担持体の該現像剤を被転写材に転写する転写手段と、を有し、該現像装置が該像担持体上に残留した転写残現像剤を回収する画像形成装置において、
該現像装置は、現像剤担持体と、現像剤担持体上の現像剤を一定量に規制する現像剤量規制手段と、を有し、該現像剤担持体が該現像剤を介して該像担持体を押圧しながら該静電潜像を該現像剤で現像するよう構成され、
現像剤担持体表面が弾性体であり、該現像剤が一成分磁性トナーであり、該現像剤は現像剤担持体内部に設けられた固定の磁場発生手段によって該現像剤担持体に引き寄せられ、現像に臨み量規制された該現像剤の単位面積当たりの現像剤量が5〜16g/m2であるとともに、現像剤担持体上の現像剤が規制される該現像剤量規制手段と該現像剤担持体との当接位置において、該固定の磁界発生手段により発生する磁束密度Bの関係が(1)式を満たし、
|Br|/|B|≦0.5 ・・・ (1)式
ここで、|B|は、磁束密度Bの大きさ(|B|=|Br 2 +Bθ 2 | 1/2 )であり、Brは、該現像剤担持体表面に形成される磁束密度Bのうち、該現像剤担持体表面に対して垂直成分、Bθは該現像剤担持体表面に対して水平成分であり、
該現像剤担持体表面の弾性体の比誘電率εsと該現像剤量規制手段の比誘電率εbの関係が(2)式を満たすことを特徴とする画像形成装置。
εs≦εb ・・・ (2)式
該現像剤担持体上の現像剤が規制される該現像剤量規制手段と該現像剤担持体との当接位置において、該固定の磁界発生手段により発生する磁束密度の関係が(3)式を満たすことを特徴とする(1)に記載の画像形成装置。
|Br|/|B|≦0.3 ・・・ (3)式
直流バイアスを印加する電圧印加手段を具備し、該直流バイアスを該現像剤担持体に印加して、該静電潜像を該現像剤で現像することを特徴とする(1)または(2)に記載の画像形成装置。
直流バイアスに交番バイアスを重畳したバイアスVを印加する電圧印加手段を具備し、該現像バイアスの絶対値の最大値|V|maxと該帯電装置により像担持体表面を帯電する所定の電圧値Vd(暗電位)の関係が|V|max≦|Vd|を満たし、該現像バイアスVを該現像剤担持体に印加して、該静電潜像を該現像剤で現像することを特徴とする(1)乃至(3)の何れか1つに記載の画像形成装置。
現像剤担持体表面が弾性体であり、現像剤が一成分磁性トナーであり、該現像剤は該現像剤担持体内部に設けられた固定の磁場発生手段によって現像剤担持体に引き寄せられ、該現像剤担持体上の現像剤が規制される該現像剤量規制手段と該現像剤担持体との当接位置において、該固定の磁界発生手段により発生する磁束密度Bの関係が|Br|/|B|≦0.5を満たすことにより、現像剤を現像剤担持体表面に磁気的に搬送されるため、現像剤供給ローラを必要とせず、現像剤に与えるストレスを低下させることができ、水平磁界が支配的な領域で規制することで、現像剤量規制部材と現像剤担持体間の押圧力も小さいため、現像剤に与えるストレスを低下させることから、印字枚数(特に低印字率時に)が増えたときにも、著しく現像剤の劣化を抑制し、現像剤劣化に伴うカブリ量の増加を抑制することができる。
(効果1)の効果に加え、金属でない弾性層を有することから、現像剤表面の比誘電率を低下させるため、現像剤の入れ替わり性および電荷付与性の向上による現像剤の劣化が進行しても高い電荷付与性を有するため、現像剤劣化に伴うカブリ量の増加を抑制することができる。
現像剤担持体表面が弾性体であり、現像剤が一成分磁性トナーであり、該現像剤は該現像剤担持体内部に設けられた固定の磁場発生手段によって現像剤担持体に引き寄せられ、磁気的に搬送されるため、現像剤を現像剤担持体上に供給する現像剤供給ローラを必要としないことから、著しく現像剤の劣化を防止し、トナー切れ時にカートリッジ振りによる劣化現像剤と劣化の小さい現像剤の混合によるカブリ量の増加を抑制することができる。
現像剤担持体表面が弾性体であり、現像剤が一成分磁性トナーであり、該現像剤は該現像剤担持体内部に設けられた固定の磁場発生手段によって現像剤担持体に引き寄せられ、現像に臨み量規制された該現像剤の単位面積当たりの現像剤量が5〜16g/m2であるとともに、該現像剤担持体上の現像剤が規制される該現像剤量規制手段と該現像剤担持体との当接位置において、該固定の磁界発生手段により発生する磁束密度Bの関係が|Br|/|B|≦0.5を満たすことにより、現像剤を現像剤担持体表面に磁気的に搬送されるため、水平磁界が支配的な領域でのトナー量の規制、金属の比誘電率より低い弾性層を有し、トナーの入れ替わりが可能な現像剤の量を規制することにより、トナーの入れ替わり性の向上、電荷付与性の向上するため、ゴースト画像不良を抑制することができる。
現像剤担持体表面が弾性体であり、現像剤が一成分磁性トナーであり、該現像剤は該現像剤担持体内部に設けられた固定の磁場発生手段によって現像剤担持体に引き寄せられ、現像に臨み量規制された該現像剤の単位面積当たりの現像剤量が5〜16g/m2であるとともに、該現像剤担持体上の現像剤が規制される該現像剤量規制手段と該現像剤担持体との当接位置において、該固定の磁界発生手段により発生する磁束密度Bの関係が|Br|/|B|≦0.5を満たすことにより、現像剤を現像剤担持体表面に磁気的搬送されるため、カブリとゴースト画像不良を抑制を両立することができる。
現像剤担持体が像担持体に押圧しながら静電潜像を現像剤で現像し、該現像剤担持体表面が弾性体であり、現像剤が一成分磁性トナーであり、該現像剤は該現像剤担持体内部に設けられた固定の磁場発生手段によって現像剤担持体に引き寄せられ、現像に臨み量規制された該現像剤の単位面積当たりの現像剤量が5〜16g/m2であるとともに、該現像剤担持体上の現像剤が規制される該現像剤量規制手段と該現像剤担持体との当接位置において、該固定の磁界発生手段により発生する磁束密度Bの関係が|Br|/|B|≦0.5を満たすことにより、現像剤を現像剤担持体表面に磁気的に搬送されるため、水平磁界が支配的な領域でのトナー量の規制、金属の比誘電率より低い弾性層を有し、トナーの入れ替わり性を著しく低下させない量に現像剤の量を規制することにより、トナーの入れ替わり性の向上、電荷付与性の向上により、ベタ白画像不良を抑制することができる。
現像剤担持体表面が弾性体であり、現像剤が一成分磁性トナーであり、該現像剤は該現像剤担持体内部に設けられた固定の磁場発生手段によって現像剤担持体に引き寄せられ、該現像剤担持体上の現像剤が規制される該現像剤量規制手段と該現像剤担持体との当接位置において、該固定の磁界発生手段により発生する磁束密度Bの関係が|Br|/|B|≦0.5を満たすことにより、現像剤を現像剤担持体表面に磁気的に搬送されるため、現像剤供給ローラを必要とせず、現像剤に与えるストレスを低下させることができ、水平磁界が支配的な領域で規制することで、現像剤量規制部材と現像剤担持体間の押圧力も小さいため、現像剤に与えるストレスを低下し、金属より低い比誘電率を有する弾性層のため、入替わり性が向上するため、トナー凝集塊の生成を抑制し、異物の混入やトナー凝集体が生成しても中間調画像欠陥が発生するのを著しく抑制することができる。
現像剤担持体表面が弾性体であり、現像剤が一成分磁性トナーであり、該現像剤は該現像剤担持体内部に設けられた固定の磁場発生手段によって現像剤担持体に引き寄せられ、該現像剤担持体上の現像剤が規制される該現像剤量規制手段と該現像剤担持体との当接位置において、該固定の磁界発生手段により発生する磁束密度Bの関係が|Br|/|B|≦0.5を満たすことにより、現像剤を現像剤担持体表面に磁気的に搬送されるため、現像剤供給ローラを必要とせず、現像剤に与えるストレスを低下させることができ、水平磁界が支配的な領域で規制することで、現像剤量規制部材と現像剤担持体間の押圧力も小さいため、現像剤に与えるストレスを低下し、金属より低い比誘電率を有する弾性層のため、入替わり性が向上するため、トナーに外添したトナーより小粒径の剤の剥がれの発生を抑制し、外添剤の剥がれが生じ、スリーブ表面に外添剤が付着し、現像剤の電荷付与性の低下によるベタ黒濃度低下を抑制することができる。
現像剤担持体が像担持体に押圧しながら静電潜像を現像剤で現像し、該現像剤担持体表面が弾性体であり、現像剤が一成分磁性トナーであり、該現像剤は該現像剤担持体内部に設けられた固定の磁場発生手段によって現像剤担持体に引き寄せられ、該現像剤担持体上の現像剤が規制される該現像剤量規制手段と該現像剤担持体との当接位置において、該固定の磁界発生手段により発生する磁束密度Bの関係が|Br|/|B|≦0.5を満たすことにより、現像剤を現像剤担持体表面に磁気的に搬送されるため、水平磁界が支配的な領域でのトナー量の規制、金属の比誘電率より低い弾性層を有するため、電荷付与性の向上、コート層の均一電荷分布性の向上により階調性が向上する。
現像剤担持体が像担持体に押圧しながら静電潜像を現像剤で現像し、該現像剤担持体表面が弾性体であり、現像剤が一成分磁性トナーであり、該現像剤は該現像剤担持体内部に設けられた固定の磁場発生手段によって現像剤担持体に引き寄せられ、該現像剤担持体上の現像剤が規制される該現像剤量規制手段と該現像剤担持体との当接位置において、該固定の磁界発生手段により発生する磁束密度Bの関係が|Br|/|B|≦0.5を満たすことにより、現像剤を現像剤担持体表面に磁気的搬送されるため、水平磁界が支配的な領域でのトナー量の規制、金属の比誘電率より低い弾性層を有し、電荷付与性の向上、コート層の均一電荷分布性の向上により、環境変動、経時変化によるトナー層のコート量の変動に対して、ベタ黒濃度とゴーストの画像不良が生じにくく、マージンが広がる。 (効果11)・・・実施例9に記載
εs≦εbであることにより、現像剤担持体表面と現像剤量規制部材の当接位置上流において、トナーの入替わり性を向上、電荷付与性の向上によりゴースト画像不良を抑制することができる。
現像剤担持体上の現像剤が規制される現像剤量規制手段と現像剤担持体との当接位置において、固定の磁界発生手段により発生する磁束密度Bの関係が|Br|/|B|≦0.3を満たすことにより、前記効果1〜11の効果の向上をすることができる。
前記本発明(1)〜(2)の(効果1)〜(効果12)の効果があることはもちろん、それ以外において以下の点において効果がある。
現像バイアスとして、直流電圧を印加し、現像剤担持体が像担持体を押圧しながら静電潜像を現像剤で現像することでトナーの尾引きを抑制し、細線均一性を向上することができる。
現像バイアスとして、直流電圧を印加し、現像剤担持体が像担持体を押圧しながら静電潜像を現像剤で現像することで、高濃度部のエッジ、特にプロセス下流側が濃く現像され、また、高濃度部に隣接する中間調部分のエッジが薄く現像され画像エッジ不良を抑制することができる。
現像バイアスとして、直流電圧に交番電圧を重畳し、|V|max≦|Vd|をみたしものを印加し、現像剤担持体が像担持体を押圧しながら静電潜像を現像剤で現像することでトナーの尾引きを抑制し、細線均一性を向上することができる。
現像バイアスとして、|V|max≦|Vd|をみたし、直流電圧に交番電圧を重畳したものを印加し、現像剤担持体が像担持体を押圧しながら静電潜像を現像剤で現像することで、高濃度部のエッジ、特にプロセス下流側が濃く現像され、また、高濃度部に隣接する中間調部分のエッジが薄く現像され画像エッジ不良を抑制することができる。
図1は本発明に従う画像記録装置(画像形成装置)の概略構成図である。この画像記録装置は、転写式電子写真プロセス利用のレーザプリンタである。
1は像担持体(被現像体)であり、本例ではφ24mmの回転ドラム型の負極性OPC感光体(ネガ感光体、以下、感光ドラムと記す)である。この感光ドラム1は矢印の時計方向に周速度85mm/sec(=プロセススピードPS、印字速度)の一定速度をもって回転駆動される。
図2は本発明の現像装置を用いた第二の実施形態の画像記録装置を示す概略構成図である。本実施形態の画像記録装置は、転写式電子写真プロセス利用、トナーリサイクルプロセス(クリーナレスシステム)のレーザプリンタである。前述の実施形態1の画像記録装置と同様の点については再度の説明を省略し、異なる点について述べる。
[実施例1]
接触、弾性スリーブ、極間位置規制、(金属ブレード)
本実施例の現像装置60A(図1,図2)について説明する。
[比較例1]
接触 弾性スリーブ 極位置規制
本比較例の現像装置は基本的には実施例1記載の現像装置60Aに準ずるが規制ブレード60cの弾性スリーブ(現像スリーブ60b)への当接条件が異なる。
[比較例2]
磁性非接触現像方式 極間位置規制
本比較例の現像装置60Bについて述べる。本比較例を用いる実施形態1の概略図を図4に示す。現像剤として後述するトナーt1を用いた。
[比較例3]
磁性非接触現像 極位置規制
本比較例の現像装置は基本的には比較例2に記載の現像装置60Bに準ずるが規制ブレード60gの弾性スリーブ60fへの当接条件が異なる。
[比較例4]
剛体スリーブ、接触現像方式 極間位置規制
本比較例の現像装置は基本的には比較例2の現像装置60Bに準ずるが、以下の点で異なる(図5参照)。
[比較例5]
非接触 弾性スリーブ 極間位置規制
本比較例を用いる実施形態1の概略図を図6に示す。
[比較例6]
非接触 弾性スリーブ 極位置規制
本比較例を用いる実施形態1の概略図を図6に示す。
[比較例7]
回転式多極マグネットロール
本比較例の現像装置60Cについて説明する。比較例5を用いた実施形態1の概略図を図7に示す。
[比較例8]
非磁性接触現像方式
本比較例の現像装置60Dについて述べる。比較例6を用いた実施形態1の概略図を図8に示す。
[比較例9]
非接触搬送ローラ
本比較例の現像装置60Eについて述べる。比較例7を用いる実施形態1の概略図を図9に示す。
本発明において、トナーの比電荷およびコート量は以下の方法を用いて測定した。現像スリーブあるいは現像ローラ上にコーティングした現像剤の持つ電荷量の測定は、いわゆる吸引式ファラデーゲージ法を使用した。この吸引式ファラデーゲージ法は概ね図10に示すように構成された装置を用いて吸引口11を現像スリーブあるいは現像ローラに押し当てながら現像剤を吸引し、内筒内のフィルタ12にトナーを採集する。このとき内筒は外部から静電的にシールドされており、ここに蓄積された現像剤の電荷量:Q(C)は、接続されたエレクトロメータ(KEITHLEY社製6517A)によって測定される。また吸引された現像剤の重量:M(g)はフィルタの重量増加分より算出し、吸引した面積:S(m2)も計測する。そして、スリーブ上の現像剤の比電荷:Q/M(μC/g)とコート量:M/S(g/m2)を計算する。測定は、ベタ白印字中に記録装置本体を停止し、現像前の現像ローラまたは現像スリーブ上のトナーについて行った。
(実施例1及び比較例1〜9の評価方法)
以下では、実施例1と比較例1〜9の差異を調べるための画像評価について述べる。
a)カブリ評価
カブリとは、本来印字しない白部(未露光部)においてトナーがわずか現像され地汚れのように現れる画像不良のことである。
△:カブリ量が1〜2%である
○:カブリ量が0.5〜1%である
◎:カブリ量が0.5%未満である
カブリ評価は、初期100枚時と、3000枚印字後に行った。印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。また、以降述べる他の画像欠陥が生じた場合は、その個所を避けて測定し、カブリを純粋に評価できるよう配慮した。
印字テストを繰り返すことにより、現像器内に蓄えたトナーが減少し、横線の評価画像が徐々に薄くなり、場合によっては途切れる。このようにトナー残量が減少したときのカブリ特性を別途評価した。印字テストにおいて、先のような横線画像の不良が生じたときに、カブリ評価を行うとともに、その後現像器を記録装置から取り外し、手振りするなど中のトナーを現像スリーブあるいは現像ローラに送る動作を行い、再度装置に装着し、カブリ評価を行う。これらの、画像評価で、前述と同様のカブリ評価を行い、最も悪い(大きな)結果を用い、本評価のカブリ評価とする。
非磁性トナーの現像ローラへの供給はスポンジ状の供給ローラを現像ローラにカウンター回転になるように当接することで行われる。従って、この現像ローラと供給ローラの摺接により著しくトナーの劣化が発生し電荷付与性の低下が生じる。これにより印字枚数(特に低印字)が増えるとカブリ量が増加する。
これに対し磁性トナーの場合、磁力により搬送されるため、著しくトナー劣化が生じずトナー切れ直前でプロセスカートリッジの手振りを行っても極性の大きく異なるトナーが混合しないため、トナー切れ直前のカブリ量増加を防止することができる。
現像剤の供給剥ぎ取り性を現像ゴーストにより評価した。現像ローラあるいは現像スリーブの周速度とプロセススピードを考慮して、現像ローラあるいは現像スリーブ周期で現れるゴースト画像を評価した。具体的にゴーストは紙先端で5mm四方、25mm四方のベタ黒のパッチ画像を印字した中間調画像中の現像ローラあるいは現像スリーブ周期1周目に現れる濃度差を目視で認識できる場合にゴーストによる画像不良と判断した。各例のプリンタにおいて600dpiレーザスキャナを使用し画像記録を行った。本評価において中間調画像とは主走査方向の1ラインを記録し、その後4ラインを非記録とする縞模様を意味し、全体として中間調の濃度を表現している。
評価は初期100枚時に行った。
感光ドラムと現像スリーブを押圧してなり、剥ぎ取り供給ローラを持たない本発明の現像装置では、弾性スリーブ上において、前周回にトナーを消費した部分には、新たなトナーが供給され規制部に搬送されるが、ベタ黒を印字中は、コート量の約90%以上のトナーが消費される。消費した部分は、消費されずに残ったトナーに対し新たに供給されたトナーの比率が高い状態で弾性スリーブ上に供給され、規制部に搬送される。一方、前周回にトナーを消費しなかった部分ではその弾性スリーブ上のトナーがそのまま供給部に戻るため、消費されずに残ったトナーに対し、新たに供給されたトナーの比率が低い状態で弾性スリーブ上に供給され、規制部に搬送される。つまり、規制部に搬送されるトナーは、前周回でトナー消費の履歴による新旧トナーの比率に差を生じる。トナー層の上の層と下の層の入替わりすなわち剥ぎ取り供給が十分に行うことができない場合、均一な中間調画像中に前周回のトナー消費の履歴を反映したゴースト画像不良を生じる。
画像評価は縦、横の1ドットラインの連続性で行った。各例のプリンタにおいて600dpiレーザスキャナを使用し画像記録を行った。プロセス進行方向に平行な1ドットのラインと、レーザ走査系の主走査方向と平行な1ドットライン各々について行った。それぞれ、2cm長のヘアラインを、各例の装置において出力し、それぞれのラインについて、無作為に100ポイント抽出し、それぞれのポイントでラインを中心とする200μm四方を光学顕微鏡で観察し、ラインの濃度の半値巾を持って、ライン巾とし、それぞれの方向についてライン巾の標準偏差を計算する。そして、プロセス方向のライン標準偏差をσv、レーザ走査方向標準偏差σhとして、両者の比を計算して、ライン標準偏差比σv/σhを得る。この値を用いて以下の基準で評価を行った。
評価は初期100枚時に行った。
磁性非接触現像においては、ヘアラインの均一性が、縦横で異なるという問題がある。磁気穂が感光ドラム進行方向と並行に移動しながら現像するときは、ヘアラインの均一性が良く、それと直行する方向は途切れがちになる。
画像エッジ不良とは、大きな濃度を持った画像においてその2つの濃度差の境界が薄くなる画像不良である。
評価は初期100枚時に行った。
画像エッジ不良要因について図11を用いて考察する。AC電圧のVpp値を大きくすると、トナーの飛翔により現像される領域でトナーの行き来が起こる。このとき、図11に示すように、濃度差の大きな印字領域が存在すると、境界線付近でトナーが往復すると、トナーがより濃度の濃い印字領域に引き寄せられ、境界部における濃度の薄い方の領域がより薄くなると考えられる。
画像評価はベタ白中に、現像スリーブあるいは現像ローラ周期で生じる画像欠陥で行った。プロセススピード及び感光ドラムと現像スリーブの周速比などを加味して現像周期を正確に計算し、同周期の画像不良を抽出して評価した。画像欠陥の大きさは、短軸長さ2〜3mm、長軸長さ3〜10mm程度で、部分的な光学濃度は0.3から1ほどであり、他の画像欠陥とは区別して評価した。評価は欠陥の有り無しで明確に判別可能であり。以下の基準で評価した。
○:画像欠陥無し。
評価は、ベタ白画像を10枚ほど連続的に印字し評価した。
ベタ白画像において、トナー消費されないため、供給部に戻るトナー量が多くなる。その際に、新旧トナーの入替わりが十分行えない場合、規制ブレードを通過後にトナーコート層の比電荷の分布にムラあるいは、コート層の厚みムラを生じやすくなる。比電荷の分布ムラを生じた場合には、局所的に比電荷が適性値以上に高いトナーを生じる。このようなトナーはスリーブ表面との付着力が高いため、入替わりにくくなる。つまり、ベタ白を連続で印字することにより、著しく発生しやすくなる現象である。この高比電荷のトナーを形成した部分に新たなトナーを供給するとその部分に供給されたトナーは、スリーブ表面とトナーの電荷付与性が低下し、適性な比電荷をえることができない。その結果、トナーコート層表面に比電荷の低いあるいは逆極性電荷をもつトナーが一定量発生するため、スリーブをドラムに押圧、接触して現像を行うと、ドラム表面に触れることによりにドラム上非印字部にトナーが付着し、ベタ白画像不良が発生する。また、厚みムラを生じた場合には、周りに比べてトナーのコート量が高くなった部分を生じる。コート量が高い部分では、供給部に戻るトナー量が多くなるため、トナーの入替わり性が低下する。さらに、コート量が高い部分においては、感光ドラム、スリーブ間で周囲より高い圧力をうけ、スリーブ上で不動あるいは動きにくい部分ができ、その部分が消費されずに供給部まで到達すると弾性スリーブとトナーの物理的付着力が高くなり、新たに供給部で供給されたトナーとの入替わりが困難となる。そのため、供給部から新たにトナーが供給されると、弾性スリーブとトナーの電荷付与性が低下するため、比電荷の低いあるいは逆極性の電荷を有するトナーを生じ、ベタ白画像不良を生じる。
画像評価は中間調画像を出力して画像の欠陥数から評価を行った。各例のプリンタにおいて600dpiレーザスキャナを使用し画像記録を行った。本評価において中間調画像とは主走査方向の1ラインを記録し、その後2ラインを非記録とする縞模様を意味し、全体として中間調の濃度を表現している。
評価は2000枚の印字テスト後に行った。
トナーの凝集塊の発生や異物の混入により、コート層を乱すために、凝集塊や異物程度の大きさの欠陥を中間調画像中に生じる。
実施形態1において、全面に黒を印字するベタ黒画像を出力し、マクベス社製濃度計RD-1255により光学反射濃度を測定する。以下の基準により評価を行う。
△:1.2以上1.4未満
○:1.4以上
濃度評価は、初期100枚時と印字3000枚時に行った。印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。また、評価環境は、15.0℃、10%Rhにおいて行った。
実施形態1において、階調性の評価を行った。各例のプリンタにおいて600dpiレーザスキャナを使用し画像記録を行った。幅1cmの縦帯を隙間無く12本印字し、一方の端をベタ白の縦帯、他方の端の縦帯をベタ黒とし、他の10本はベタ白からベタ黒へと徐々に濃度変化させるため、網点で中間調画像を10段階の面積率の変化により形成した。12本の縦帯について、以下の基準により目視の評価を行う。
○:11〜12本の縦帯が識別可
階調性評価は、初期100枚印字後に行った。印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。
トナーの比電荷の均一性が低下すると、感光ドラム表面に形成したほぼ同一の潜像電位に対して、感光ドラムへ転移するための現像スリーブ上の各トナー粒子に働く電気的な力にムラを生じる。接触現像方式においては、その結果、潜像電位の差が小さくなると、電気的な力のムラにより、潜像電位を忠実に再現した画像をえることが困難となる。
記録画像先端において、30〜50mmほどのベタ黒画像を印字し、その後ベタ白画像を配置した評価パターンを印字中に、画像記録装置を停止する。停止するタイミングは、先端のベタ黒画像の中心位置がちょうど現像領域に達した時点とする。そして、現像の前後の感光ドラム上において、表面に付着したトナーを反射率として測定し、その比を求めることにより、トナーの回収効率の評価を行うことが可能になる。実際には、感光ドラム上のトナーを一旦透明性のテープに転写し、トナーが付着したテープを記録紙などに貼り付けテープの上から、カブリ測定同様にトナーの正味の反射率を測定する。
評価は初期100枚時に行った。
実施形態2において最も異なる点は、ドラムクリーナーを廃し、転写残りトナーを現像器に回収してリサイクルするところにある。本発明においては、現像剤担持体(現像スリーブ)は所定の加圧により感光ドラムに押圧され、現像バイアスが印加されており、ドラム表面上に形成された静電潜像をトナーにより現像(可視化)すると同時に非露光部(白地部)上の転写残りトナーを回収する。図12に示すように現像バイアスと印字部の電位(ベタ黒のときVl)との電位差を利用して現像剤担持体から感光ドラムへトナーの転移させ反転現像を行い、現像バイアスと非印字部の電位(Vd)の電位差を利用して感光ドラム上の戻りトナーを現像剤担持体上へ転移させて回収する。
実施形態1の時同様に、実施形態2についても中間調画像欠陥評価を行う。
中間調画像欠陥1同様に、トナー凝集塊や異物により、中間調画像欠陥2を生じる。しかし、実施形態2であるクリーナレスシステムにおいては、戻りトナーの回収をするため、中間調画像欠陥2を生じやすい。特に、非磁性接触現像のように、供給ローラが現像ローラに当接し、カウンター回転している場合、当接部において、物理的ストレスが高くなる。そのような構成を用いると戻りトナーや劣化トナーにより、凝集塊を生じやすく、顕著に中間調画像欠陥2を生じやすい。
実施形態2においては、記録紙から紙粉(紙繊維)が感光ドラムに付着し、帯電を経由し現像器に取り込まれることがある。現像器に取り込まれた場合、弾性ローラなど紙粉が絡み弾性ローラ周期のプロセス進行方向に伸びた画像不良を生じることがある。これを、B)の中間調画像欠陥とは区別して評価を行った。
戻りトナーに含まれる紙粉が現像器内に混入すると現像ローラにトナーを供給するスポンジ状の供給ローラに紙粉が付着し、剥ぎ取り供給性の低下を生じる。紙粉が供給ローラ間に蓄積した場合、現像ローラ上のトナー層が乱され、プロセス方向にのびた欠陥を生じる。
画像評価はベタ黒画像を出力して画像の欠陥数から評価を行った。
図13のように、AC電圧印加時、ベタ白を現像中に像担持体(感光ドラム)の表面電位(暗電位Vd)と現像バイアス電圧値の最大値(Vmax)の差が最大の電界強度となり、リークL3が発生しやすい状態となる。
はじめに、従来技術である、磁性非接触現像方式と非磁性接触現像方式に相当する比較例に対する優位性を示す。
磁性非接触現像方式である比較例2、3の現像器は実施形態1においては、ヘアライン均一性の低下や画像エッジ不良を生じる。これは、比較例2、3が磁場による磁気穂を形成して現像することにより、穂の移動方向であるかどうかにより、現像時のヘアライン均一性に差が生じやすくなる。また、現像スリーブと感光ドラム間距離が大きくAC電界により、画像部非画像部を問わずトナーが飛翔する結果、画像のエッジ部分にはトナーがはきよせられエッジ部と中央部に濃度差を生じる。また、耐久劣化により、ベタ黒濃度が低下した。この理由としては、トナーに外添された剤がトナーから剥がれ、現像スリーブ上に付着したためと考えられる。トナーから剥離した剤は、トナーより小粒径であるため、スリーブとの付着力が高い。さらに、剛体スリーブ表面は鏡映力が強く働きやすいため、耐久劣化によりトナーの電荷付与性の低下すると、剥離した剤が選択的にスリーブ表面に付着しやすくなる。表面に剥離した剤がスリーブ表面に付着すると、スリーブ表面とトナー間の電荷付与能力の低下により、感光ドラム上にトナーが飛翔できなくなり、ベタ黒濃度低下を生じる。
次に、非磁性接触現像方式である比較例8の現像器について述べる。実施形態1においては、カブリの耐久劣化を生じる。これは、弾性ローラによる供給剥ぎ取り動作によりトナーが機械的ストレスを受け、トナー帯電特性が低下することに起因する。また、このときトナー劣化による濃度低下も見られる。更に、現像器内のトナーが減少したときには、上記劣化トナーと循環に関与していなかった未劣化トナーが混合され著しくトナー帯電特性を低下させ、激しいカブリを生じる。一方、実施形態2によるクリーナレス評価においては回収性が良好であるが、弾性ローラに起因すると思われる中間調画像欠陥が生じる。実施形態1においては、軽微な画像欠陥であるが、実施形態2においては、弾性ローラによる機械的ストレスの他に、一旦現像されたトナーが転写や帯電の工程を経て再度現像器内に戻ってくることにより、より多くの劣化トナーを生み、トナーが凝集塊を作るなどして、中間調画像に欠陥を生じる。さらに、現像器に混入した紙粉による弊害も大きく、弾性ローラ表面に付着して周期的な画像不良を生じる。
(1−3a)実施形態1
一方、実施例1の現像器は、実施形態1、2いずれにおいても良好な画像形成装置を構成できる。では、実施形態1について、比較する。
次に、実施例1について実施形態2における評価を行う。
弾性スリーブと感光ドラムを接触して配置しているので、弾性スリーブと感光ドラム間距離が近づくことで電界あるいは磁界が働く領域および強度が増加し、感光ドラム上の未露光部に付着した転写残りトナーの回収性が向上したと考えられ、トナーの回収性もよく、更に、比較例8でみられた中間調画像欠陥や紙粉の影響も弾性ローラをなくした磁力による搬送を行っているため良好な結果であった。また、比較例1で見られたベタ黒画像欠陥も見られなかった。電界としては大きな電界が印加されるが、放電を生じるような大きな電位差が生じないためと考えられる。
(1−4)比較例7との比較
また、比較例7のように、多極マグネットを用い回転磁力による供給や剥ぎ取り性を向上することも考えられるが、結果的にはゴースト性能が劣る結果となった。また、規制部及び現像部において磁力が振動するため、若干カブリも悪い結果となった。多極マグネットにより磁力が多少弱くなるが磁気穂による影響は依然あり、ヘアライン均一性は劣っている。一方、接触DC現像により、画像エッジ不良やクリーナレス回収性は感光体の接触により良くなっている。
(1−5)比較例9との比較
比較例9は、比較例8に対し剥ぎ取り供給部材の構成を変更し、カブリとゴーストの両立を図ろうとした例であるが、カブリが若干改善されるが不十分であった。また、固定の剥ぎ取り部材を設けているために、特に実施形態2における中間調画像欠陥や紙粉による中間調画像欠陥が劣っている。画像としては固定の剥ぎ取り部材なので、周期性はないがスジ状に絶えず画像不良が生じた。印字後現像装置を解体した結果剥ぎ取り部材に紙粉などの付着物が確認された。クリーナーを有する実施形態1時よりクリーナレスである実施形態2において中間調画像不良を生じた理由としては、回収したトナーの影響により、トナー劣化が進んだ結果、あるいは、回収したトナーに含まれる異物を核にトナーの凝集を促進させ、凝集塊が発生したためと考えられる。
つぎに、実施例1、比較例1〜6を加えて規制ブレードの当接位置と磁極配置の関係について述べる。
実施例1において、ブレード規制位置を水平磁界が支配的な極間位置に設定したのに対し、比較例1は、垂直磁界が支配的な極位置に設定したものである。比較例1は、耐久劣化により、カブリを生じた。極位置規制において、適正な比電荷、および、トナーのコート層を得るためには、極間規制に比べ、ブレードの引抜き圧を強くする必要がある。極位置規制では、規制ブレードによる規制力が高いために、機械的な圧力がトナーに加わり、トナーの劣化を著しく加速させる。このために、カブリが悪化したと考えられる。
次に、ゴーストの画像評価結果について述べる。実施例1、比較例2、比較例5の極間位置規制においては、ゴースト画像評価は良好であり、比較例1、比較例3、比較例6の極位置規制は、軽微のゴーストを生じた。
次にベタ白画像不良について述べる。非接触現像システムである比較例2〜3および比較例5〜6では、良好な画像を得た。一方、接触現像方式である比較例1、比較例4において、ベタ白画像不良を生じた。まず、ベタ白画像不良の発生のメカニズムについて述べる。
次に中間調画像不良1について述べる。磁性非接触現像方式である比較例2において、極間規制のため、良好であるのに対し、比較例3においては軽微の中間調画像不良を生じた。実施形態1における中間調画像不良は比較例8のような供給剥ぎ取りローラを具備しない場合、生じにくいと考えられる。しかし、比較例3においては、極位置規制でかつ、剛体スリーブであるために、トナーの入替わり性、トナーの電荷分布の均一性が悪いために、小さな異物の混入、トナーの凝集を生じ中間調画像中に黒ポチあるいは白ポチとして画像欠陥を生じたと考えられる。一方、実施例1、比較例1、2、比較例4〜6においては、少なくとも極間規制あるいは弾性層を有しているために中間調画像不良を生じなかった。
ベタ黒濃度評価結果について述べる。まず、比較例4においては、印字枚数100枚目で軽微の濃度低下が見られた。比較例4におけるベタ黒濃度低下の要因としては、トナーの比電荷が適性比電荷以上の値となったために発生したものと考えられる。適性比電荷以上になるときの濃度低下のメカニズムについて述べる。トナーの比電荷が適性範囲を越えて大きい値となると、スリーブ表面とトナーの電気的な付着力が増加、すなわち、トナーコート層の下の層とスリーブ表面との付着力が増加すると、主に新しく供給されたトナーで構成された上の層と入替わることが出来なくなる。このため、上の層に適正な比電荷より低い値の比電荷を有するトナー層を生じ、濃度低下を引き起こす。特に低温低湿下においては、比電荷が高くなりやすい傾向にあるため、より顕著に生じやすい。
次に階調性の画像評価結果について述べる。まず、はじめに接触現像方式である比較例1について述べる。比較例1においては階調性の軽微な低下がみられた。この理由としては、極位置規制であるためにトナーコート層中のトナー比電荷の均一性が実施例1と比較して若干低下するために、階調性の低下が生じたと考えられる。比電荷の均一性が低下すると、感光ドラム表面に形成したほぼ同一の潜像電位に対して、感光体へ転移するためのスリーブ上の各トナー粒子に働く電気的な力にムラを生じる。接触現像方式においては、その結果、潜像電位の差が小さくなると、電気的な力のムラにより、潜像電位を忠実に再現した画像をえることが困難となる。つまり、本発明のような接触現像方式においては、均一な電荷分布を有したトナー層を形成することにより、潜像に忠実な画像をえることができる。
クリーナレス、トナー回収性については、非接触現像方式である比較例2、3、5、6は回収性が悪く、一方、実施例1、比較例1は接触現像であるために良好であった。ただし、接触現像である比較例4においては軽微であるがやや回収性の低下がみられた。剛体スリーブであるためにトナー層が不安定であること、および、低比電荷であるために回収性が低下したと考えられる。ベタ黒画像欠陥については、非接触現像で現像バイアスにAC電圧を重畳しているために、紙粉によるリークが発生し、ベタ黒画像欠陥を生じる。一方、実施例1、比較例1、4においては、紙粉よるリークもなくベタ黒画像欠陥を生じることなく、良好なベタ黒画像をえた。
極間位置規制の実施例1、比較例2、5においては、中間調画像不良2および紙粉による中間調画像不良が良好であった。戻りトナーによるトナー凝集塊、異物、紙粉等の混入しても極間位置規制であるためにトナーの入替わり性が高いため、また、供給を磁力より行っているため、紙粉が取込まれても磁力によりトナーを優先して搬送するためにどちらの中間調画像不良においても良好であった。極位置規制である比較例1、3、6においては、すべて悪いという結果ではなかった。この差について述べる。まず、比較例1においては、極位置規制であるために、戻りトナー、異物によりトナー凝集塊の生成や戻りトナーに含まれる紙粉との入れ替わり性が低下したため、紙粉による中間調画像不良が発生したと考えられる。ただし、トナー凝集塊に関しては弾性層を有し、トナーと弾性層の表面の付着性が低下しているために、画像不良としてあらわれなかった。一方、比較例6においては、比較例1同様に極位置規制であるにもかかわらず、中間調画像不良を生じなかった。この原因しては、比較例6が非接触現像方式であり、戻りトナーの回収性が悪いためと考えられる。つまり、回収性が悪いと現像容器内に回収させる戻りトナーが少なく、それと同時に戻りトナーに含まれる紙粉の量も少なくなる。このため、中間調画像不良を生じなかった。逆に比較例1においては、戻りトナーの回収性が高く、戻りトナーや紙粉の影響を大きく受けるために軽微の紙粉による中間調画像不良を生じていると考えられる。また、本発明である実施例1においては、回収性が高く、戻りトナーによる影響が大きいにもかかわず、入替わり性が良好なため中間調画像不良の抑制に著しく効果がある。
以下では、規制ブレードの弾性スリーブへの当接位置と磁極の関係(図3(b)の45〜90度の範囲)および現像により臨み量規制されたトナーの単位面積当たりの現像剤量に関して述べる。ここでは図3(b)の45〜90度についてのみ、述べているが、0〜45度、および、90〜135度においても|Br|/|B|の値に依存し、0〜45度、90〜135度においても本発明の効果を有する。さらに、異なる磁極配置のマグネットロールを用いた場合においても、|Br|/|B|の値に依存し、マグネットロールに依らず、本発明の効果を有する。
本実施例は実施例1の現像装置60Aに基本的に準ずるが、以下の点において異なる。
規制ブレードの設定において、引抜き圧を、50,55,55,50,50,55,60N/mとする。ブレード自由長を2.0,1.5,1.0,2.5,1.5,2.0,2.0mmとする。
本比較例は実施例1記載の現像装置60Aに基本的に準ずるが、以下の点において異なる。
実施形態1においては、前述のa)カブリ評価、c)ゴースト、d)ヘアライン均一性、f)ベタ白画像不良、i)ベタ黒濃度による画像評価を行った。
はじめに、h)ベタ黒濃度の評価結果を図14に示す。|Br|/|B|≦0.5では、実施例3、4から、コート量は最低5以上、必要である。コート量4の比較例10、13はベタ黒の濃度低下となった。
以上より、本発明においては、|Br|/|B|≦0.5の範囲でかつコート量が5以上であれば、ベタ黒濃度を安定的に維持することができる。
次に、3000枚印字後のカブリの画像評価について述べる。図15に3000枚印字後のカブリの画像評価結果を示す。比較例11、12、16、17,18の|Br|/|B|>0.5では、経時変化に対してカブリの悪化を生じた。一方、実施例4、8から、|Br|/|B|≦0.5であることにより、カブリ量の増加を抑えた。この理由としては、ベタ黒濃度同様に、|Br|/|B|≦0.5では、トナーへの低負荷性、トナーの高入替わり性のために、カブリに関与する弱比電荷や逆極性のトナーの生成を抑制することにより、カブリを抑制する。さらに、実施例6、比較例10のように、|Br|/|B|≦0.3とすることにより、経時的に変化するカブリ量を抑制した。つまり、より水平磁界が支配的な範囲に設定することで、よりトナーへの低負荷化、トナーの高入替わり性を向上させることによりカブリによる画像不良を抑制することができる。
次に、ベタ白画像不良について述べる。図16に画像評価結果を示す。図16から分かるように、|Br|/|B|>0.5の範囲では、ベタ白画像不良が発生した。一方、実施例4、8のように、|Br|/|B|≦0.5の範囲にすることによりベタ白画像不良を抑制した。この理由として、水平磁界が支配的となることで、トナーの入替わり性が高くなり、トナー層の上の層と下の層の入替わりを十分行うことが可能となったためと考えられる。従って、本発明においては、ベタ白画像不良を抑制するためには規制ブレードの当接位置を|Br|/|B|≦0.5に設定することが好ましい。
次にゴースト画像評価について述べる。ゴースト画像評価結果を図17に示す。
以上、実施例2〜8、比較例10〜18について整理すると、図18に示すように、規制ブレードの当接位置を|Br|/|B|≦0.5が好ましく、さらに、|Br|/|B|≦0.3がより好ましい。|Br|/|B|≦0.3においては、安定的にすべての画像評価が良好である。
また、ゴーストとベタ黒濃度の評価について述べる。図19は、両画像評価結果を示している。ゴーストランクで○または△の領域でかつ、ベタ黒濃度評価のランクで○の領域において、|Br|/|B|>0.5では、トナーのコート量が7〜13であり、|Br|/|B|≦0.5では、5〜16である。このことから、|Br|/|B|≦0.5においては、トナーのコート量の変動に対してマージンが広がったといえる。つまり、トナーのコート量の経時変化、環境変動等の変動に対して、安定的に良好な画像をえることができる。
以上述べたように、弾性層を有する現像スリーブへのトナーの供給を磁力によって行うことにより、トナーを劣化させることなくトナーの剥ぎ取り供給を行うことができる。さらに弾性スリーブと感光ドラムを接触させて現像することにより画像エッジ不良のない良好な画像を得ることができる。これらは弾性スリーブに当接する規制ブレードの当接位置を磁極強度の適正な範囲、トナー層のコート量を適正な範囲内に保つことをもって達成することが可能になる。また、トナー層のコート量の変動に対してマージンを有し、環境変動、経時に対して安定的に良好な画像をえることができる。
[実施例9]
接触現像 弾性スリーブ 極間位置規制 ウレタンブレード
本実施例は、実施例1の現像装置においる規制ブレードを比誘電率εb=4.3のウレタンに変更した。実施例1の規制ブレードは、リン青銅であるため、比誘電率は非常に高い。(一般に金属の比誘電率は∞である。)実施例1においてスリーブ表面の比誘電率εs(=6.5)と規制ブレードの比誘電率εbの関係は、εs<εbである。一方、実施例9では、εs>εbであり、この違いによる画像評価を行った。実施例1同様良好な画像であった。
[実施例10]
実施例1のACバイアス印加
本実施例は、実施例1の現像装置における現像バイアス印加電源S2の仕様を変更し、DC電圧−450VにAC電圧(1.2kHz、矩形波、ピーク間電圧300V)を重畳して印加した。即ち、直流バイアスに交番バイアスを重畳したバイアスVを印加する電圧印加手段を具備させている。
以上、本発明による現像装置は、従来の現像装置にある課題(カブリ、トナー切れ前のカブリ、濃度、ゴースト、ヘアライン均一性、画像エッジ不良、ベタ白画像不良、階調性低下、中間調画像欠陥)に対しバランスよく性能向上を図ることが出来る。特に、階調性、ベタ白画像不良と、ヘアライン均一性においては、トナー規制ブレードの現像スリーブへの当接位置と磁極の関係およびトナーコート層のコート量を適切に保つことにより、改善される。
1)実施形態では画像記録装置としてレーザプリンタを例示したが、これに限られず、電子写真複写機、ファクシミリ装置、ワードプロセッサ等他の画像記録装置(画像形成装置)でもよいことは勿論である。
Claims (4)
- 像担持体と、該像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像する現像装置と、該像担持体の該現像剤を被転写材に転写する転写手段と、を有し、該現像装置が該像担持体上に残留した転写残現像剤を回収する画像形成装置において、
該現像装置は、現像剤担持体と、現像剤担持体上の現像剤を一定量に規制する現像剤量規制手段と、を有し、該現像剤担持体が該現像剤を介して該像担持体を押圧しながら該静電潜像を該現像剤で現像するよう構成され、
現像剤担持体表面が弾性体であり、該現像剤が一成分磁性トナーであり、該現像剤は現像剤担持体内部に設けられた固定の磁場発生手段によって該現像剤担持体に引き寄せられ、現像に臨み量規制された該現像剤の単位面積当たりの現像剤量が5〜16g/m2であるとともに、現像剤担持体上の現像剤が規制される該現像剤量規制手段と該現像剤担持体との当接位置において、該固定の磁界発生手段により発生する磁束密度Bの関係が(1)式を満たし、
|Br|/|B|≦0.5 ・・・ (1)式
ここで、|B|は、磁束密度Bの大きさ(|B|=|Br2+Bθ2|1/2)であり、Brは、該現像剤担持体表面に形成される磁束密度Bのうち、該現像剤担持体表面に対して垂直成分、Bθは該現像剤担持体表面に対して水平成分であり、
該現像剤担持体表面の弾性体の比誘電率εsと該現像剤量規制手段の比誘電率εbの関係が(2)式を満たすことを特徴とする画像形成装置。
εs≦εb ・・・ (2)式 - 該現像剤担持体上の現像剤が規制される該現像剤量規制手段と該現像剤担持体との当接位置において、該固定の磁界発生手段により発生する磁束密度の関係が(3)式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
|Br|/|B|≦0.3 ・・・ (3)式 - 直流バイアスを印加する電圧印加手段を具備し、該直流バイアスを該現像剤担持体に印加して、該静電潜像を該現像剤で現像することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 直流バイアスに交番バイアスを重畳したバイアスVを印加する電圧印加手段を具備し、該現像バイアスの絶対値の最大値|V|maxと該帯電装置により像担持体表面を帯電する所定の電圧値Vd(暗電位)の関係が|V|max≦|Vd|を満たし、該現像バイアスVを該現像剤担持体に印加して、該静電潜像を該現像剤で現像することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の画像形成装置。
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