JP4510390B2 - 内燃機関用潤滑油組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用潤滑油組成物に関し、より詳しくは、高温清浄性が優れ、さらに、湿式クラッチの静摩擦係数が高く動力伝達機構の摩擦特性に優れた動力伝達用潤滑油兼エンジン用潤滑油組成物に関する。また本発明の潤滑油は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン用潤滑油として利用できるとともに、エンジン潤滑油と動力伝達用潤滑油とを同一の油剤で潤滑する二輪自動車等の動力伝達用潤滑油兼エンジン用潤滑油である内燃機関用潤滑油組成物として有用である。
【0002】
【従来の技術】
二輪自動車用4サイクルエンジンに供されるエンジン用潤滑油は、四輪自動車用4サイクルエンジン用潤滑油とは異なり、エンジンとトランスミッション等の動力伝達装置双方の潤滑を行うため、双方の要求性能を満たすものが必要とされる。
したがって、湿式クラッチを持つ多くの二輪自動車等のエンジン潤滑油と動力伝達用潤滑油とを同一の油剤で潤滑するシステムに対しては、四輪自動車4サイクルエンジン用潤滑油をそのまま適用することは好ましくなく、二輪自動車4サイクルエンジンに適したエンジン用潤滑油組成物に関する多くの改良研究がおこなわれている(例えば、特許文献1、2参照)。
自動車エンジン用潤滑油には(1)清浄性が良い、(2)耐摩耗性に優れる、(3)熱・酸化安全性に優れる、(4)オイル消費が少ない(5)エンジン摩擦損失が少ない等の各特性が要求されている。特に二輪自動車は、同じ4サイクルエンジンでも、四輪自動車と比べて常用使用時のエンジン回転数が高く、排気量当りの出力も高い。更に二輪自動車エンジン用潤滑油は、四輪自動車4サイクルエンジン用潤滑油とは異なり、エンジンとトランスミッション等の動力伝達装置双方の潤滑を行うため、油温が高くなり、四輪自動車エンジン用潤滑油よりも高い高温清浄性が要求される。
【0003】
さらに、近年の環境問題、特に二酸化炭素の排出量削減の観点から、自動車の省燃費化が重要な課題の一つとなっている。自動車の省燃費化に際して、エンジン用潤滑油に対しても省燃費技術の適用が求められている。トランスミッション等の動力伝達装置の省燃費性能向上のためには、動力伝達率の向上や小型軽量化が求められており、なかでもクラッチ容量の確保およびクラッチの軽量化、といった観点から、クラッチディスクおよびクラッチプレート間の摩擦係数を高めることが求められている。したがって二輪自動車4サイクルエンジン用潤滑油にはエンジンシステムの潤滑油として要求される性能を兼ね備え、かつ、動力伝達装置には湿式クラッチの摩擦特性の更なる向上(高静摩擦係数化)が望まれている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−214184号公報(第2頁)
【特許文献2】
特開2001−31984号公報(第2頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、エンジンシステムに対する要求性能とともに、動力伝達性能(湿式クラッチに対する高静摩擦係数化)に優れた内燃機関用潤滑油組成物を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、内燃機関用潤滑油組成物(以下潤滑油組成物と言うことがある。)に含まれる硼素含有量と窒素含有量との比を特定の値以上にすることで、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)潤滑油基油に、組成物全量基準で(a)ジアルキルジチオリン酸亜鉛をリン量として0.03〜0.20質量%、(b)アルキル又はアルケニルコハク酸にジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びペンタエチレンヘキサミンから選ばれる少なくとも一種のポリアミンを反応させて得られたものを硼素化合物で処理した硼素含有無灰分散剤を硼素量として0.02〜0.2質量%含有し、無灰分散剤中の硼素含有量Bと窒素含有量Nの質量比(B/N)が0.41〜0.60であり、潤滑油組成物中の窒素含有量が0.05〜0.2質量%であることを特徴とする二輪自動車4サイクルエンジン用潤滑油組成物、
(2)硼素含有無灰分散剤(b)として、硼素含有量Bと窒素含有量Nの質量比(B/N)が0.5以上の硼素含有アルキルもしくはアルケニルコハク酸イミドを含む上記(1)に記載の二輪自動車4サイクルエンジン用潤滑油組成物、
を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の内燃機関用潤滑油組成物に用いる基油としては、鉱油又は合成油が用いられる。この鉱油や合成油の種類については特に制限はないが、通常100℃における動粘度が通常2〜50mm2/s、好ましくは3〜30mm2/s、特に好ましくは4〜25mm2/sのものである。100℃における動粘度が2mm2/s未満であると、蒸発損失が多くなる可能性があり好ましくない。一方50mm2/sを超えると、粘性抵抗による動力損失が大きくなる可能性があり燃費改善効果が得られないので好ましくない。
また、基油としては、粘度指数が60以上、さらには70以上、特に80以上のものが好ましい。粘度指数が60未満の基油は温度の変化による粘度変化が大きくなる恐れがあり好ましくない。
【0008】
ここでいう鉱油としては、例えばパラフィン基系原油、中間基系原油あるいはナフテン基系原油を常圧蒸留するか、あるいは常圧蒸留の残渣油を減圧蒸留して得られる留出油、またはこれを常法にしたがって精製することによって得られる精製油、例えば、溶剤精製油、水添精製油、脱蝋処理油、白土処理油などを挙げることができる。
また、合成油としては、例えば、炭素数8〜14のα−オレフィンオリゴマーであるポリ(α−オレフィン)、ポリブテン、ポリオールエステル、アルキルベンゼンなどが挙げられる。本発明においては、基油として上記鉱油、合成油を一種用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。また、鉱物油と合成油を混合して使用してもよい。
【0009】
次に、本発明で使用される(a)及び(b)成分について説明する。
本発明の潤滑油組成物においては、(a)成分としてジアルキルジチオリン酸亜鉛が用いられる。通常、ジアルキルジチオリン酸亜鉛のアルキル基は、炭素数3〜22の第1級又は第2級のアルキル基、炭素数3〜18のアルキル基で置換されたアルキルアリール基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛が使用される。本発明においては、これらいずれかのジアルキルジチオリン酸亜鉛を単独又は2種以上組み合わせて用いてもよいが、特に、第2級のアルキル基のジアルキルジチオリン酸亜鉛を主成分とするものが、耐摩耗性を高めるため好ましい。
ジアルキルジチオリン酸亜鉛の具体例としては、ジプロピルジチオリン酸亜鉛、ジブチルジチオリン酸亜鉛、ジペンチルジチオリン酸亜鉛、ジヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジイソペンチルジチオリン酸亜鉛、ジエチルヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジオクチルジチオリン酸亜鉛、ジノニルジチオリン酸亜鉛、ジデシルジチオリン酸亜鉛、ジドデシルジチオリン酸亜鉛、ジプロピルフェニルジチオリン酸亜鉛、ジペンチルフェニルジチオリン酸亜鉛、ジプロピルメチルフェニルジチオリン酸亜鉛、ジノニルフェニルジチオリン酸亜鉛、ジドデシルフェニルジチオリン酸亜鉛、ジドデシルフェニルジチオリン酸亜鉛等が挙げられる。
本発明の潤滑油組成物においては、この(a)成分のジアルキルジチオリン酸亜鉛は、潤滑油組成物中にリン含有量が0.03〜0.20質量%、好ましくは0.05〜0.15質量%になるように配合される。このリン含有量が0.03質量%未満では、耐摩耗性や高温清浄性が十分でなく、0.20質量%を超えると、排気ガス触媒の触媒被毒が著しくなって好ましくない。
【0010】
本発明の潤滑油組成物においては、(b)成分として硼素含有無灰分散剤が用いられる。硼素含有無灰分散剤としては、様々なものがあり、例えば、[1]アルキル又はアルケニルコハク酸イミドを硼素化合物で処理したもの、[2]脂肪酸アミドを硼素化合物で処理したもの、[3]アルキル又はアルケニルベンジルアミンを硼素化合物で処理したものなどを用いることができる。
前記[1]におけるアルケニル又はアルキルコハク酸イミドは、分子量200〜4000、好ましくは500〜3000のアルケニル基又はアルキル基を有するコハク酸イミドであり、代表例はポリブテニル基又はポリイソブテニル基が挙げられる。ここでいうポリブテニル基とは、1−ブテンとイソブテンの混合物あるいは高純度のイソブテンを重合させたもの又は、ポリイソブテニル基を水添した物として得られる。
【0011】
ポリブテニルコハク酸イミドの製造法は任意の従来の方法を採用することができる。例えば、分子量200〜4000のポリブテン又は塩素化ポリブテンと無水マレイン酸とを100〜200℃で反応させて得られるポリブテニルコハク酸にポリアミンを反応させることで得ることができる。
ポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等が挙げられる。
次に、硼素含有コハク酸イミドの製造方法についても、従来の方法を採用することができる。例えば、アルコール類、ヘキサン、キシレンなどの有機溶媒に前記ポリアミンとポリブテニルコハク酸(無水物)を硼酸などの硼素化合物を混合し、適当な条件で過熱することで得ることができる。
また、このアルケニル又はアルキルコハク酸イミドには、これとアルキルフェノール、硫化アルキルフェノール等の芳香族化合物をマンニッヒ縮合させたアルキルフェノール又は硫化アルキルフェノール誘導体も好ましく用いられる。このアルキルフェノールのアルキル基は通常炭素数3〜30のものが使用される。
【0012】
前記[2]における脂肪酸アミドは、脂肪酸とポリアミンとから得られ、脂肪酸としては、好ましくは炭素数8〜24の飽和又は不飽和の直鎖もしくは分岐のカルボン酸が用いられる。また、ポリアミンについては[1]の場合と同じものが用いられる。
さらに、前記[3]におけるアルケニル又はアルキルベンジルアミンのアルケニル又はアルキル基についても、上記[1]の場合と同じである。なお、前記[1]〜[3]に用いられる硼素化合物としては、硼酸、硼酸無水物、ハロゲン化硼素、硼酸エステル、硼酸アミド、酸化硼素などが挙げられる。中でも、硼酸が特に好ましい。
上記硼素含有無灰分散剤の中では、特に、アルケニル又はアルキルコハク酸イミドを硼素化合物で処理した硼素含有コハク酸イミドが好ましい。
無灰分散剤は、硼素含有無灰分散剤を単独で使用してもよく又は硼素含有無灰分散剤と硼素を含まない無灰分散剤とを組み合わせて使用してもよい。
また、前記無灰分散剤は、二種以上組み合わせて使用してもよい。
【0013】
本発明の潤滑油組成物においては、(a)成分としてジアルキルジチオリン酸亜鉛を、リン量として0.03〜0.20質量%、潤滑油組成物中の(b)成分として、アルキル又はアルケニルコハク酸にジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びペンタエチレンヘキサミンから選ばれる少なくとも一種のポリアミンを反応させて得られたものを硼素化合物で処理した硼素含有無灰分散剤の含有量を硼素量として0.02〜0.2質量%で、潤滑油組成物中の窒素含有量が0.05〜0.2質量%で無灰分散剤中の硼素含有量Bと窒素含有量Nの質量比(B/N)が0.41〜0.60である潤滑油組成物にすることで、クラッチディスクおよびクラッチプレート間の摩擦係数を高めることができる。
しかし、潤滑油組成物中に例えば、ジアルキルジチオリン酸亜鉛とポリブテニルコハク酸イミドを配合した場合、各々を単独で配合するとクラッチディスクおよびクラッチプレート間の静摩擦係数を高める機能を有するが、エンジン用潤滑油組成物のように両添加剤を混合して使用する場合には、ジアルキルジチオリン酸亜鉛はポリブテニルコハク酸イミドと相互作用を起こし、クラッチディスクおよびクラッチプレート間の静摩擦係数を高める効果がなくなってしまう。ポリブテニルコハク酸イミドを硼素化合物で変性することにより、ジアルキルジチオリン酸亜鉛との相互作用が弱められ、クラッチディスクおよびクラッチプレート間の静摩擦係数を高める機能が発現する。
このとき、潤滑油組成物に含有されている無灰分散剤中の硼素含有量Bと窒素含有量Nの質量比(B/N)は0.41〜0.60であることが必要であり、0.41未満ではクラッチディスクおよびクラッチプレート間の静摩擦係数を高める機能は発現しない。
【0014】
また、静摩擦係数を高めるためには、潤滑油組成物中の硼素含有無灰分散剤の含有量は硼素量として0.02質量%以上であることが必要である。潤滑油組成物中の硼素量が0.02質量%未満では静摩擦係数を高められないばかりでなく、耐摩耗及び高温清浄性が不充分になる恐れがある。
また、硼素含有無灰分散剤に関して硼素含有量の上限値は、貯蔵安定性に優れる点から硼素として0.2質量%以下であることが必要であり、0.1質量%以下であることが特に好ましい。さらに、硼素含有無灰分散剤は、その化合物中の硼素含有量Bと窒素含有量Nの質量比(B/N)が0.5以上であることが好ましく、0.5未満では、添加量を増加させても静摩擦係数を高める効果は得られないことがある。
【0015】
一方、潤滑油組成物中の窒素含有量は、B/N比を大きくし、静摩擦係数を高めるという点では、低いほど好ましいが、窒素含有量が0.05質量%未満であると清浄性が非常に悪化する。潤滑油組成物中の窒素含有量の上限値には特に制限はないが、0.2質量%を超える場合には、含有量に見合うだけの清浄性効果が得られない上に、抗乳化性が悪化するため好ましくない。
【0016】
本発明の潤滑油組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて他の添加剤を配合する。ここで用いる添加剤としては、各種金属(Ca,Ba,Mg等)のスルホネート、フィネート、サリチレート等の金属系清浄剤、ヒンダードフェノール系、アミン系あるいはリン系の酸化防止剤、イオウ系(スルフィド、スルフォキサイド、スルフォン、チオホスフィネートなど)、ハロゲン系(塩素化炭化水素等)あるいは有機金属系(ジチオリン酸モリブデン、ジチオカルバミン酸モリブデン等)などの耐摩耗剤、極圧剤、ポリメタクリレート、オレフィン共重合体、ポリブテンなどの粘度指数向上剤や流動点降下剤、さらには防錆剤、腐食防止剤、消泡剤等を適宜添加すればよい。
【0017】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、潤滑油組成物の評価は下記の方法に従って行った。評価結果を第1表に示す。
<摩擦特性試験>
試料油の摩擦特性は図1に示す往復動摩擦摩耗試験機[AFT−15M(株)オリエンテック社製]を用いて評価した。2輪車用クラッチ材(ホンダ部品番号22201−MASA−X30)を試料プレート上にセットし、クラッチ材上に試料油を数滴滴下する。試験球として1/2インチのSUJ−2製ボールを用い、プレート温度170℃、荷重400gの条件下で摺動速度1.0mm/sで慣らし試験を実施した後、摺動速度0.4mm/sで測定し10サイクル後の摩擦係数を静摩擦係数とした。値の大きいほうが、クラッチディスクおよびクラッチプレート間の静摩擦係数が高いことを示す。
<ホットチューブ試験>
JPI−5S−55−99に準拠して280℃、16Hrの条件で試験を実施し、ガラス管中に付着したラッカーの色をメリットレイティング(MR)で評価した。評点が高い程、高温清浄性が高いことを示す。
また、各実施例及び比較例における各成分の配合割合は、第1表に示す通りである。
【0018】
【表1】
【0019】
1)パラフィン系鉱油:100℃の動粘度5.35、粘度指数105
2)第2級アルキル型ジアルキルジチオリン酸亜鉛:ジ−(sec−プロピル)ジチオリン酸亜鉛及びジ−(sec−ヘキシル)ジチオリン酸亜鉛の混合物、リン含有量8.6質量%
3)金属系清浄剤:Caスルホネート及びCaフェネート混合、Ca含有量5.0質量%
4)分子量1000のポリブテニル基を有する硼素変性コハク酸イミドA:窒素量2.3質量%、硼素含有量1.9質量%、B/N質量比=0.83
5)分子量1000のポリブテニル基を有する硼素変性コハク酸イミドB:窒素量1.6質量%、硼素含有量0.9質量%、B/N質量比=0.56
6)分子量2000のポリブテニル基を有する硼素変性コハク酸イミドC:窒素量1.5質量%、硼素含有量0.5質量%、B/N質量比=0.33
7)分子量1000のポリブテニル基を有するコハク酸イミドD:窒素量1.5質量%、硼素未含有
8)分子量2000のポリブテニル基を有するコハク酸イミドE:窒素量1.0質量%、硼素未含有
9)消泡剤、腐食防止剤等
【0020】
第1表の結果から、本発明の潤滑油組成物である実施例1〜4の組成物は、静摩擦係数が高く高温清浄性も優れている。一方、比較例1の組成物は静摩擦係数は高いものの、組成物中の窒素含有量が規定量未満となるため高温清浄性に劣るものであった。また、比較例2〜4は、高温清浄性は優れるものの、無灰分散剤中の硼素含有量Bと窒素含有量Nの質量比(B/N)が0.4未満であるため、静摩擦係数が低く、特に比較例2及び3は硼素含有コハク酸イミドを5.0質量部及び4.5質量部添加したにも関わらず、B/N質量比0.33と0.5未満の硼素含有コハク酸イミドを配合したため静摩擦係数が低くなっている。比較例5は硼素含有無灰分散剤を配合していないため、静摩擦係数が低く、高温清浄性も劣るものであった。
【0021】
【発明の効果】
本発明の内燃機関用潤滑油組成物は、湿式クラッチの静摩擦係数が高く、動力伝達機構の摩擦特性に優れた潤滑油組成物を提供すること及び高温清浄性が優れる潤滑油組成物を提供することができる。
従って、二輪自動車等の動力伝達用潤滑油兼エンジン用潤滑油である内燃機関用潤滑油組成物として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】往復動摩擦摩耗試験機の断面図である。
【符号の説明】
1.試料プレート
2.ヒーター
3.熱電対
4.クラッチ材
5.試験球
6.荷重
Claims (2)
- 潤滑油基油に、組成物全量基準で(a)ジアルキルジチオリン酸亜鉛をリン量として0.03〜0.20質量%、(b)アルキル又はアルケニルコハク酸にジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びペンタエチレンヘキサミンから選ばれる少なくとも一種のポリアミンを反応させて得られたものを硼素化合物で処理した硼素含有無灰分散剤を硼素量として0.02〜0.2質量%含有し、無灰分散剤中の硼素含有量Bと窒素含有量Nの質量比(B/N)が0.41〜0.60であり、潤滑油組成物中の窒素含有量が0.05〜0.2質量%であることを特徴とする二輪自動車4サイクルエンジン用潤滑油組成物。
- 硼素含有無灰分散剤(b)として、硼素含有量Bと窒素含有量Nの質量比(B/N)が0.5以上の硼素含有アルキルもしくはアルケニルコハク酸イミドを含む請求項1に記載の二輪自動車4サイクルエンジン用潤滑油組成物。
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