図1はカードコネクタの外観を示す斜視図、図2は第1のカードが正常に装着されたときのカードコネクタを蓋体を外して示す斜視図、図3は第1のカードが前後逆向きに装着されたときのカードコネクタを蓋体を外して示す斜視図である。図4は、カードが装着されていないカードコネクタを前方から見た正面図、図5はカードが装着されていないカードコネクタを蓋体を外して示す平面図である。図6と図7は第1のカードが装着されるときのカードコネクタを蓋体を外して動作別で示す平面図である。図8は第2のカードが装着されたときのカードコネクタを蓋体を外して示す平面図である。図9はスライダと回動部材を示す斜視図である。図10は第1のカードの平面図、図11は第1のカードの左側面図、図12は第1のカードを斜め下側から示す斜視図である。図13は第2のカードの平面図である。
(第1のカードの形状)
図10ないし図12に示される第1のカードC1は、いわゆるマルチメディアカードなどのメモリデバイスとして使用されるものである。第1のカードC1は、プラスチック製のケース1を有しており、このケース1内に、フラッシュメモリなどのメモリチップや、メモリコントローラとして機能するICチップなどが収納されている。
図11に示すように、ケース1は、第1の面である表面1aと第2の面である裏面1bを有している。表面1aと裏面1bは互いに平行な平面であり、表面1aと裏面1bの間隔が第1のカードC1の厚み寸法T1である。図12に示すように、裏面1bの前方には、複数個(13個)の外部接続部5が露出している。外部接続部5の表面はケース1の裏面1bとほぼ同一面である。
ここで、「表面」と「裏面」とは外部接続部5を有する面と有しない面を識別するための便宜上の名称であり、カードコネクタ20に対し、表面1aを上向きにして装着してもよいし、裏面1bを上向きにして装着してもよい。
図10ないし図12に示すように、ケース1は前端部1cと、後端部1dを有している。また右側部1eと左側部1fを有している。
図11に示すように、前端部1cは、表面1aと垂直な平面であり、表面1aと裏面1bとの角部には前方傾斜面2が形成されている。後端部1dは、表面1aおよび裏面1bと垂直な平面である。右側部1eと左側部1fは、表面1aおよび裏面1bと垂直な平面である。図10に示すように、前端部1cと右側部1eとの境界部および前端部1cと左側部1fとの境界部、すなわち前端部1cの左右両側部には、円筒面の一部である前方コーナー曲面3,3が形成されている。後端部1dと右側部1eとの境界部および後端部1dと左側部1fとの境界部、すなわち後端部1dの左右両側部にも、円筒面の一部である後方コーナー曲面4,4が形成されている。
図10に示すように、ケース1を表面1a側から見た平面図では、ケース1の形状は前後に延びる中心線O−Oを介して左右に対称の形状である。そして、前端部1cから後端部1dまでの寸法である縦方向の長さ寸法L0が、右側部1eから左側部1fまでの寸法である幅寸法W0よりも長い長方形状である。
ケース1の前方部分では、右側部1eと左側部1fから中心線O−Oに向けて窪む案内溝6,6が形成されている。案内溝6,6は、右側部1eおよび左側部1fと平行で且つ右側部1eおよび左側部1fから中心線O−Oに向けて距離W1だけ内側に位置する内側面6a,6aと、裏面1bと平行な内底面6c,6cとを有している。そして、右側の案内溝6の後端部と右側部1eとの間、および左側の案内溝6の後端部と左側部1fとの間には、それぞれ傾斜部6b,6bが形成されている。傾斜部6b,6bは、後方に向かうにしたがって中心線O−Oから徐々に離れる面であり平面または曲率を有する曲面である。
図11に示すように、案内溝6,6は、ケース1の表面1aから裏面1bに向けて窪んでいる。ケース1の表面1aから案内溝6の内底面6cまでの距離、すなわち案内溝6,6の表面1aから裏面1bに向けた深さ寸法t1は、第1のカードC1の全体の厚み寸法T1のほぼ1/2である。また、前記案内溝6,6が表面1aから窪んで形成された結果、それよりも裏面側には、裏面1bと前記内底面6c,6cとで挟まれた部分である薄肉部7,7が形成されている。この薄肉部7,7の厚さ寸法t2も、第1のカードC1の全体の厚み寸法T1のほぼ1/2である。
案内溝6,6は、前端部1cの左右両側部にて前方に開放されている。よって、図12に示すように、前端部1cの厚さ寸法は、その中央のほとんどの部分がT1であるが、両側部においては、厚さ寸法はt2である。
ケース1の右側部1eと左側部1fでは、案内溝6,6の後端部よりも後方位置に、掛止凹部8,8が形成されている。掛止凹部8,8は、右側部1eおよび左側部1fよりも中心線O−O側に位置し且つ右側部1eおよび左側部1fと平行な内側端8a,8aを有している。右側部1eから内側端8aまでの幅寸法ならびに左側部1fから前内端8bまでの幅寸法W2は、前記案内溝6,6の幅寸法W1とほぼ同じである。また、掛止凹部8,8は前内端8bと後内端8cを有している。
図11と図12に示すように、掛止凹部8,8は内底端8d,8dを有しており、この内底端8d,8dは、裏面1bと平行である。表面1aから内底端8d,8dまでの寸法が、掛止凹部8,8の深さ寸法t3であり、この深さ寸法t3は、前記案内溝6の深さ寸法t1よりもわずかに大きい。
この第1のカードC1がカードコネクタ20に装着される際に、板ばねで形成された保持部53(図2参照)が、案内溝6内を通過して掛止凹部8に嵌合し、第1のカードC1がカードコネクタ20内のスライダ41に保持される。図10に示すように、案内溝6,6の後端部に傾斜部6b,6bが形成されているため、案内溝6内を通過した保持部53が、傾斜部6b,6bに導かれてスムースに掛止凹部8,8内に嵌合する。
さらに、図11に示すように、掛止凹部8,8の深さ寸法t3は、案内溝6,6の深さ寸法t1よりも大きいため、案内溝6,6内を通過した保持部53が、掛止凹部8,8に入り込みやすくなる。
図10に示すように、ケース1の後端部1dよりも少し内側には、表面1aから窪む摘み凹部9が形成されている。図1に示すように、第1のカードC1がカードコネクタ20に装着されると、前記摘み凹部9を有する後端部分が、カードコネクタ20から突出する。この摘み凹部9に指の爪を掛けるなどして、第1のカードC1をカードコネクタ20から引き出すことができる。
(第2のカードの形状)
図8に示すように、カードコネクタ20には、前記第1のカードC1の他に第2のカードC2が装着可能である。
第2のカードC2は、プラスチック製のケース11を有しており、ケース11内に、フラッシュメモリなどのメモリチップや、メモリコントローラとして機能するICチップなどが収納されている。
図13に示すように、ケース11は、図13の紙面手前に向けられている表面11aとこれに対向する裏面を有している。ケース11は、前端部11cと後端部11dおよび右側部11eと左側部11eを有しており、前端部11cと後端部11dと右側部11eおよび左側部11eは、いずれも前記表面11aおよび裏面と垂直な端面である。そして、裏面の前方部分には、ケース11内の回路に導通する外部接続部が複数設けられている。
第2のカードC2の縦方向の長さ寸法L3は、図10に示す第1のカードC1の縦方向の長さ寸法L0よりも短い。第2のカードC2は、右側部11eの前方部分に欠損部16が形成されており、この欠損部16の後端部には傾斜部16bが形成されている。欠損部16はケース11を厚さ方向へ貫通して形成されている。その結果、第2のカードC2は、傾斜部16bよりも後方での幅寸法W3よりも、欠損部16が形成されている前方部分の幅寸法W4の方が短い。
前記幅寸法W3と幅寸法W4は、共に第1のカードC1の幅寸法W0よりも短い。また、幅寸法W3と幅寸法W4との差、すなわち欠損部16の幅寸法は、第1のカードC1の案内溝6の幅寸法W1よりもやや広い。
ケース11の前端部11cの左右両側には、前方コーナー曲面13,13が形成されており、後端部11dの左右両側部には、後方コーナー曲面14,14が形成されている。
第2のカードC2の右側部には、前記傾斜部16bよりも後方に位置する掛止凹部18が形成されている。この掛止凹部18は、ケース11を厚さ方向に貫通して形成されている。掛止凹部18の縦方向の長さ寸法L5および幅寸法W5は、第1のカードC1に形成された掛止凹部8の長さ寸法L4および幅寸法W2とほぼ同じである。
図13に示すように、ケース11の表面11aの後端部分には、摘み凹部19が形成されている。
第2のカードC2の厚み寸法は、第1のカードC1の厚み寸法T1よりも小さい。この第2のカードC2は、例えば、「microSDカード」と称されているものと同じ形状である。
第1のカードC1と第2のカードC2は、ケース1とケース11の形状が相違するのみならず仕様も相違している。この仕様の違いは、例えば、駆動電圧の違い、すなわち、電源用の外部接続部を介してケース1,11内の回路に供給すべき電圧の相違である。または、ケース1とケース11の内部に収納されているメモリチップのメモリ容量の違いである。
(カードコネクタの構造)
次に、前記各種カードが装着されるカードコネクタ20の構造を説明する。
図1および図4に示すように、カードコネクタ20は筐体21を有している。筐体21は、合成樹脂製の筐体本体22と、金属板で形成されて筐体本体22の上方に被せられた蓋体23とで構成されている。
図2ないし図4に示すように、筐体本体22は枠体形状である。筐体本体22は、前壁部24、後壁部25、右壁部26、左壁部27および底壁部28が一体に形成されている。前壁部24の上面24a、後壁部25の上面25a、右壁部26の上面26aならびに左壁部27の上面27aは、互いに同一面である。図1と図4に示すように、蓋体23の天井板23aは、筐体本体22の前記各上面24a,25a,26a,27aに密着するように設置されている。蓋体23には、後側板23bと右側板23cおよび左側板23dが設けられ、これらは天井板23aから直角に折り曲げられている。後側板23bは、筐体本体22の後壁部25の外面に設置され、右側板23cと左側板23dは、それぞれ筐体本体22の右壁部26の外面と左壁部27の外面に設置されている。
図4に示すように、筐体21の厚さ寸法は、筐体本体22の底壁部28の下面28aから、蓋体23の天井板23aの上面までの高さ寸法で決められている。また、カードを案内して収納する収納領域の高さ寸法Taは、筐体本体22の底壁部28の上面28bから、蓋体23の天井板23aの下面までの高さ寸法で決められる。この高さ寸法Taは、第1のカードC1の厚み寸法T1とほぼ同じか、または厚み寸法T1よりもわずかに大きい寸法である。
図2および図4に示すように、筐体本体22の左壁部27の内面が案内基準面27bであり、第1のカードC1は、その左側部1fが前記案内基準面27bを摺動しながら、筐体21の奥側((a)側)へ向けて挿入される。筐体本体22の前壁部24には、右案内面24bが形成されており、第1のカードC1の右側部1eは、右案内面24bに沿って案内される。
左壁部27の内面の案内基準面27bと、前壁部24の右案内面24bとの間隔が、収納領域の幅寸法Waであり、この幅寸法Waは、第1のカードC1の幅寸法W0とほぼ同じか、またはわずかに大きい寸法である。
図4に示すように、筐体21の前端には、Ta×Waの開口面積の挿入口29が開口しており、第1のカードC1および第2のカードC2はいずれもこの挿入口29から筐体21の内部に向けて挿入される。
図2と図4に示すように、筐体本体22の内部では、左壁部27と一体に形成されて、前記収納領域内に延びる上方案内部31が設けられている。図4に示すように、底壁部28の上面28bから上方案内部31の下面までの高さ寸法Tbは、図11に示す第1のカードC1の薄肉部7の厚さ寸法t2とほぼ同じか、またはそれよりもやや広く形成されている。したがって、図2および図6と図7に示すように、第1のカードC1が、前端部1cを前方に向け、表面1aを上に向けた正常な向きで挿入されると、左側部1fの前方に形成されている薄肉部7が、上方案内部31の下側に入り込み、第1のカードC1を筐体21の奥まで装着することができる。ただし、図3に示すように、第1のカードC1が、その後端部1dを前方に向けて挿入されたり、表裏逆向きに挿入されると、筐体本体22が、上方案内部31に当たって、第1のカードC1が筐体21の奥部まで挿入されなくなる。
図4と図5に示すように、前記上方案内部31よりも手前側には、規制昇降部材32が設けられている。図4に示すように、規制昇降部材32は、底壁部28に形成された切欠き部から上方へ突出し、図示しないばね部材により、規制昇降部材32は突出姿勢に向けて付勢されている。また、規制昇降部材32の挿入口29側に向く面は、傾斜面32aとなっている。この傾斜面32aは、筐体21の奥側((a)側)に向かうにしたがって、底壁部28の上面28bから徐々に高くなる形状である。
図5に示すように、規制昇降部材32の右側面とスライダ41の内側面41aまでの幅寸法はWbである。この幅寸法Wbは、図10に示す第1のカードC1の幅寸法W0よりも狭く、図13に示す第2のカードC2の後方部分の幅寸法W3とほぼ同じか、またはそれよりもわずかに広く設定されている。
したがって、図8に示すように、挿入口29から第2のカードC2が挿入されると、この第2のカードC2は、規制昇降部材32とスライダ41の内側面41aとの間を通って筐体21の奥へ入り込むことができる。また、第1のカードC1が挿入口29から挿入されたときは、第1のカードC1の前方傾斜面2および裏面1bが、規制昇降部材32の傾斜面32aに乗り上がり、そのときの力によって、規制昇降部材32が押し下げられる。その後は、押し下げられた規制昇降部材32の上を第1のカードC1が通過して、筐体21の奥まで移動する。
なお、前記規制昇降部材32と挿入口29との間で、左壁部27の内面である案内基準面27bから右方へ突出する山折り形状の板ばねを設けてもよい。この場合、第2のカードC2が挿入されたときは、前記板ばねによって第2のカードC2が右方向へ押されることになり、第2のカードC2の左側部11fが規制昇降部材32の右側を通過する位置に案内されやすくなる。また、第1のカードC1が挿入されたときには、第1のカードC1の左側部1fによって板ばねが押されて変形させられ、且つ第1のカードC1の裏面1bによって規制昇降部材32が押し下げられる。この板ばねを設けることで、第2のカードC2を、図8に示す挿入位置に案内しやすくなる。しかも板ばねを設けることによって、第1のカードC1の挿入を妨げることはない。
図2と図5などに示すように、筐体本体22の右側では、底壁部28の上面28bに前後方向((a)−(b)方向)に延びるガイド部34が形成されている。このガイド部34は、前記上面28bから隆起形成されたレールである。筐体本体22の右壁部26の内側にはスライダ41が設けられており、このスライダ41が、前記ガイド部34に沿って、前後方向へ直線的に往復移動自在に支持されている。
スライダ41の左側部には、内側面41aが形成されている。内側面41aは、前記前壁部24に形成された右案内面24bと同じ位置にあり、図5に示すように、左壁部27に形成された案内基準面27bと前記内側面41aまでの幅寸法はWaである。図6と図7に示すように、案内基準面27bと内側面41aとの間で、第1のカードC1を案内することができ、図8に示すように、規制昇降部材32と前記内側面41aとの間で、第2のカードC2を案内することができる。
スライダ41と筐体本体22との間には、コイルばねなどの付勢部材が設けられており、スライダ41は、前壁部24に向けて手前側((b)側)へ付勢されている。
スライダ41と筐体21との間には、スライダ41を奥側((a)側)でロックするためのロック機構35が設けられている。図5などに示すように、ロック機構35は、スライダ41の上面に形成された溝カム42と、筐体21に設けられたロックピン36とで構成されている。
ロックピン36は、基端部36aと先端部36bが直角に折り曲げられている。図5などに示すように、ロックピン36の基端部36aは、筐体本体22の前壁部24の上部に形成された保持凹部24c内に回動自在に支持されている。ロックピン36の先端部36bは、溝カム42内に摺動自在に挿入されている。図1に示すように、金属板で形成された蓋体23の天井板23aには、右手前側にロック板ばね37が一体に形成されている。このロック板ばね37は、天井板23aの一部を切り抜いて形成された片持ち支持ばねである。前記ロックピン36はこのロック板ばね37によって押圧され、先端部36bが溝カム42の溝底部に押し付けられている。
図5などに示すように、スライダ41に形成された溝カム42は、奥側((a)側)の端部に位置するロック解除部42aと、このロック解除部42aよりも手前側((b)側)に位置するロック部42bを有している。ロック解除部42aとロック部42bとの間には、左側に往路溝42cが形成され、右側に復路溝42dが形成されている。溝カム42の内部では、ロック解除部42a,往路溝42c,ロック部42b,復路溝42dの各部の境界部に段差が形成されており、ロックピン36の先端部36bは、ロック解除部42a→往路溝42c→ロック部42b→復路溝42d→ロック解除部42aの順でのみ摺動でき、その逆の行程を辿ることができない。
図5では、スライダ41が付勢部材によって手前側((b)側)へ移動させられて、筐体本体22の前壁部24に突き当てられている。このとき、ロックピン36の先端部36bは、溝カム42のロック解除部42a内に位置している。第1のカードC1または第2のカードC2が挿入口29から挿入され、カードと共にスライダ41が奥側((a)側)へ押し込まれると、図6に示すように、ロックピン36の先端部36bが、溝カム42の往路溝42c内を通過し、その後、図7に示すように、先端部36bが溝カム42のロック部42bに至り、スライダ41は手前側((b)側)へ戻らないようにロックされる。
その後、カードを押してスライダ41を短い距離だけ奥側((a)側)へ移動させると、ロックピン36の先端部36bが、溝カム42のロック部42bから抜け出て、復路溝42dに案内されて、スライダ41のロックが解除される。よって、スライダ41は付勢部材の力で、図5に示す初期位置に復帰し、この間に、ロックピン36の先端部36bが、復路溝42dからロック解除部42aに戻る。
図2と図5さらに図9に示すように、スライダ41には、内側面41aよりも奥側((a)側)の上面に窪み部41bが形成されている。この窪み部41bの手前側には上方に突出する支持ピン43が、合成樹脂材料によってスライダ41と一体に形成されており、この支持ピン43に回動部材44が回動自在に支持されている。
図5および図9に示すように、回動部材44の基部には、左方向へ一体に突出する誤挿入防止凸部44aが設けられている。図9に示すように、誤挿入防止凸部44aは、回動部材44の左側部の上方部分にのみ設けられており、図4に示すように、誤挿入防止凸部44aの下面と、筐体本体22の底壁部28の上面28bとの間隔の寸法はTbであり、これは、前記上面28bから前記上方案内部31の下面までの高さ寸法と同じである。図4および図9に示すように、回動部材44には、誤挿入防止凸部44aの下側に摺動面44bが形成されている。図4と図5に示すように、回動部材44が反時計方向へ回動していると、挿入口29の奥側に前記誤挿入防止凸部44aと共に前記摺動面44bが対向している。
図2と図6に示すように、第1のカードC1が挿入口29へ正常な向きで挿入されると、第1のカードC1の右側の薄肉部7が、誤挿入防止凸部44aの下側へ入り込み、また薄肉部7の先端の前方コーナー曲面3が、前記摺動面44bに当接して、第1のカードC1の挿入力で回動部材44が時計方向へ回動させられる。一方、図8に示すように、第2のカードC2が正常な向きで挿入されると、この第2のカードC2の右前方の欠損部16が、回動部材44の誤挿入防止凸部44aと摺動面44bの双方に当たることなく、その左側を通過する。よって、回動部材44が回動することなく、第2のカードC2が、回動部材44の左側の領域に装着される。
図5に示すように、スライダ41の奥端部には、内側面41aよりも左側に張り出している基準ストッパ部45が一体に形成されている。図4および図9に示すように、基準ストッパ部45の手前側((b)側)に向く面が基準ストッパ面45aである。
図5と図9に示すように、前記基準ストッパ面45aよりも奥側((a)側)で且つスライダ41の上部には、前記基準ストッパ部45から右側に向けて直線的に延びるレール状のストッパガイド部46が一体に形成されている。このストッパガイド部46には、可動ストッパ部47が左右方向へ摺動自在に支持されている。図9に示すように、可動ストッパ部47の上面47bは、前記基準ストッパ部45の上面45bとほぼ同一面である。また、可動ストッパ部47の上面47bと基準ストッパ部45の上面45bは共に、スライダ41の上面41bとほぼ同一面に位置している。
図9に示すように、可動ストッパ部47には上面47bから下向き窪む凹部47cが形成されており、凹部47cの底面から上方へ垂直に延びる連結ピン47aが一体に形成されている。前記回動部材44の先部には長穴44cが形成されており、前記連結ピン47aが長穴44c内に摺動自在に挿入されている。よって、スライダ41上では、回動部材44の回動動作に伴なって、可動ストッパ部47が左右方向へ移動する。
図9に示すように、前記支持ピン43の上面、回動部材44の上面および前記連結ピン47aの上面は、スライダ41の上面41dとほぼ同じ高さであり、支持ピン43、回動部材44および連結ピン47aは、スライダ41の上面41dよりも上方へはほとんど突出していない。
図5に示すように、スライダ41上では、支持ピン43の外周に回動付勢部材として機能するトーションばね51が装着されており、回動部材44はトーションばね51によって反時計方向へ付勢されている。図5に示すように、カードが装着されていないときは、回動部材44が反時計方向に回動し、これに伴なって、可動ストッパ部47が左方向へ移動して基準ストッパ部45に当たっている。可動ストッパ部47は、図5に示す位置が規制位置である。
図9に示すように、可動ストッパ部47の挿入口29に向く面は可動ストッパ面48である。可動ストッパ面48は、その左側部分が第1のストッパ面48aで、それよりも右側が第2のストッパ面48bである。図4に示すように、第1のストッパ面48aは、底壁部28の上面28bから上方へ距離をTbだけ空けた位置に形成されている。また第2のストッパ面48bは、それよりも下側に形成されている。
図5および図9に示すように、スライダ41の手前側((b)側)の上部には、保持凹部41cが形成されており、この保持凹部41c内に、保持部材として機能する保持板ばね52が設けられている。保持板ばね52は、板ばね材料として機能する金属板で形成されており、U字状に曲げられて保持凹部41c内に嵌着されている。
保持板ばね52の自由端には、保持部53が一体に形成されており、この保持部53が、スライダ41の内側面41aよりも図示左側に突出している。保持部53は、V字状に曲げられており、手前側((b)側)に向く部分が傾斜案内部53aである。傾斜案内部53aは、手前側((b)側)に向かうにしたがって徐々にカードから離れる向きに傾斜している。保持部53は奥側((a)側)に向く部分が係止部53bであり、この係止部53bは、前後方向((a)−(b)方向)に対してほぼ直交する向きに形成されている。
図9に示すように、保持部53は、スライダ41の内側面41aの上方部分において左方向へ突出している。図4に示すように、筐体本体22の底壁部28の上面28bから、保持部53の下縁までの高さ寸法は、前記Tbとほぼ同じか、またはTbよりも少しだけ広めに設定されている。
図3および図5に示すように、筐体本体22の奥側((a)側)には、第1の接続端子55が設けられている。第1の接続端子55は、図12に示した第1のカードC1の裏面1bに露出している外部接続部5と同じ数で且つ同じピッチで配列している。筐体本体22の底部奥側には、端子支持板57が設けられ、この端子支持板57に複数の小孔57aが上下に貫通して形成されている。図3に示すように、第1の接続端子55は、上向きに山形に折り曲げられており、それぞれが前記小孔57a内から上方へ突出している。第1の接続端子55は、小孔57a内へ後退できるように弾性変形自在である。
それぞれの第1の接続端子55には、第1の外部端子56が一対一の関係で連続して形成されている。図5に示すように、それぞれの第1の外部端子56は、筐体本体22の後壁部25よりも後方へ突出している。第1の接続端子55と第1の外部端子56は、個別に連結されており、表面に金などの低抵抗の貴金属材料がメッキされた導電性の金属板で形成されている。
図3と図5に示すように、第1の接続端子55よりも挿入口29側には、第2の接続端子58が設けられている。第2の接続端子58は、図13に示す第2のカードC2の下面に露出する外部接続部と同じ数で且つ同じピッチで配列している。図3に示すように、筐体本体22の底部には可動支持板61が設けられ、この可動支持板61に複数の小孔61aが上下に貫通して形成されている。それぞれの第2の接続端子58は上向きに山形に折り曲げられて、小孔61aから上方へ突出している。
可動支持板61は、第2の接続端子58よりも手前側((b)側)に設けられた軸を支点として上下へ回動自在に支持されている。そして、可動支持板61は、第2の接続端子58の弾性力によって上方へ持ち上げられている。
第1のカードC1が挿入口29から挿入されるときは、第1のカードC1の前方傾斜面2が可動支持板61に乗り上がり、第1のカードC1の裏面1bによって、可動支持板61が押し下げられる。可動支持板61が押し下げられて下向きに回動するときに、この可動支持板61によって、第2の接続端子58が押し下げられ、それぞれの第2の接続端子58が、可動支持板61の小孔61aの内部に後退する。よって、第1のカードC1の裏面1bに設けられた外部接続部5は、第2の接続端子58に当たることなく、この第2の接続端子58の上を通過して奥側へ移動する。
一方、図13に示す第2のカードC2が挿入口29から挿入されると、第2のカードC2は、第1のカードC1よりも厚み寸法が小さいために、第2の接続端子58と可動支持板61によって持ち上げられて、第2のカードC2は蓋体23の天井板23aの下面に押し付けられる。そして、それぞれの第2の接続端子58が、第2のカードC2の裏面に設けられた外部接続部に導通される。
図5に示すように、それぞれの第2の接続端子58には、第2の外部端子59が一体に形成されており、それぞれの第2の外部端子59は、筐体本体22の底部において手前側((b)側)へ突出している。第2の接続端子58と第2の外部端子59は、表面に金などの低抵抗の貴金属材料がメッキされた導電性の金属板で一体に形成されている。
(第1のカードの正常な装着動作)
次に、前記カードコネクタ20への第1のカードC1の装着動作を説明する。
図2と図6および図7は、第1のカードC1が正常な向きで装着されるときの動作を示している。
カードが装着されていない状態では、図5に示すように、スライダ41が挿入口29側((b)側)へ移動しており、スライダ41上では、回動部材44が反時計方向へ回動し、可動ストッパ部47が左側へ移動している。このときの回動部材44の姿勢が第1の姿勢であり、可動ストッパ部47は規制位置である。
回動部材44が第1の姿勢のとき、図4に示すように、挿入口29から筐体21の内部を見たときに、挿入口29の奥の右側上部に、可動ストッパ部47に形成された第1のストッパ面48aと第2のストッパ面48bが現れており、その手前に保持板ばね52で形成された保持部53が現れている。また、挿入口29の奥の左側上部に、上方案内部31が現れており、左側下部には規制昇降部材32が現れている。また、筐体本体22の底壁部の上面28aからは、可動支持板61が持ち上がっており、可動支持板61のそれぞれの小孔61aから、第2の接続端子58が上方へ突出している。
第1のカードC1が、その前端部1cが前方に向けられ、表面1aが上に向けられた正常な姿勢で挿入口29から挿入されると、第1のカードC1の筐体1の右側に形成された薄肉部7が、スライダ41に設けられた保持板ばね52で形成された保持部53の下側を通過する。
さらに、右側の薄肉部7が、図9に示されている回動部材44の誤挿入防止凸部44aの下側を通過し、図4に示す高さTbの領域内を奥側に向けて移動する。このとき、第1のカードC1の右側の前方コーナー曲面3が、回動部材44の誤挿入防止凸部44aの下側に位置する摺動面44bに当たる。第1のカードC1が押し込まれると、前方コーナー曲面3で摺動面44bが押され、図2と図6に示すように、回動部材44が時計方向へ回動させられ、これに伴なって、スライダ41上の可動ストッパ部47が右方向へ移動させられる。よって、第1のカードC1の右側の薄肉部7の先部は、可動ストッパ部47に形成されているストッパ面48のうちの左側に位置する第1のストッパ面48aの下側を通過してさらに奥側に移動する。このときの回動部材44の姿勢が第2の姿勢であり、可動ストッパ47は規制解除位置である。
一方、第1のカードC1の左側前方の薄肉部7は、図4と図5に示される規制昇降部材32の傾斜面32aを摺動して、規制昇降部材32の上に乗り上がり、規制昇降部材32が押し下げられる。そして、左側の薄肉部7は、図4に示す底壁部28の上面28bと、上方案内部31との間の高さ寸法がTbの隙間内に入り込む。そして、図2および図6に示すように、第1のカードC1の前端部1cが、スライダ41の奥側に設けられた基準ストッパ部45の基準ストッパ面45aに当たる。
この間、スライダ41に設けられた保持板ばね52の保持部53は、第1のカードC1の右側の案内溝6の内部を通過し、すなわち薄肉部7の上を通過して、案内溝6の後方の傾斜部6bに当たる。保持部53は傾斜部6bによって右方向へ押されるため、保持板ばね52が変形して、保持部53がスライダ41の保持凹部41c内に一旦後退する。そして、保持部53は、第1のカードC1の右側部1eを摺動し、掛止凹部8に至ると、保持板ばね52の弾性復帰力によって右側の掛止凹部8の内部に嵌合する。
このとき、保持部53の手前側に向く傾斜案内部53aが、同じ向きに傾斜している傾斜部6bを摺動するため、第1のカードC1を軽い力で筐体21内に押し込んで、保持部53を掛止凹部8に嵌合させることができる。そして、嵌合後は、保持部53においてカードの挿入方向に対してほぼ直交する向きに形成された係止部53bが、掛止凹部8の前内端8bに掛止されるため、第1のカードC1が手前方向((b)方向)へ抜け出にくくなる。
保持部53が掛止凹部8に嵌合した後に、さらに第1のカードC1を押し込むと、第1のカードC1の前端部1cによって、スライダ41に形成された基準ストッパ面45aが押され、第1のカードC1とスライダ41とが一体となって奥側へ移動する。そして、第1のカードC1が図7に示す装着完了位置に至ると、スライダ41に形成された溝カム42のロック部42bが、ロックピン36の先端部36bに係止されて、スライダ41がその位置でロックされる。
このとき、筐体本体22の奥側に設けられた第1の接続端子55のそれぞれが、第1のカードC1の裏面1bに露出する外部接続部5のそれぞれに弾圧して接続される。なお、このとき、第1のカードC1の裏面1bによって可動支持板61が押し下げられ、第2の接続端子58が可動支持板61の上面から下側へ後退する。よって、第2の接続端子58は、第1のカードC1の外部接続部5に接触しない。
第1のカードC1をカードコネクタ20から離脱させるときは、図7に示すように、正常に装着されている状態から第1のカードC1を奥側((a)側)へ押す。第1のカードC1と共にスライダ41が少しだけ奥側へ移動すると、ロックピン36の先端部36bが、溝カム42のロック部42bから外れ、スライダ41が付勢部材の力で手前側((b)側)へ戻される。よって、図2および図6に示すように、スライダ41が初期位置に復帰し、第1のカードC1の後端部が挿入口29から突出させられる。
(第1のカードの誤挿入)
図3は、第1のカードC1が、後端部1dを前方に向けて挿入口29から挿入された状態を示している。
図4に示すように、回動部材44の誤挿入防止凸部44aは、カードの挿入経路上に位置しているため、第1のカードC1の後端部1dは、この誤挿入防止凸部44aに当たる。そのまま、第1のカードC1を押し込むと、回動部材44が時計方向へ回動し、可動ストッパ部47が右方向へ移動する。ただし、このときも後端部1dが誤挿入防止凸部44aに当たったままであり、第1のカードC1は、スライダ41に対してそれ以上は相対的に奥側へ進めなくなる。その後、第1のカードC1が押し込まれると、スライダ41が一緒に奥側へ押し込まれるが、第1のカードC1の後端部1dが誤挿入防止凸部44aに当たったままであるため、第1のカードC1が筐体21内に完全に入り込むことはできない。
また、第1のカードC1と共にスライダ41が奥側へ押し込まれると、第1のカードC1の後端部1dが、収納領域の左側に位置する上方案内部31に当たり、それ以上は、第1のカードC1とスライダ41が奥側へ移動できなくなる。
そのために、第1のカードC1の外部接続部5と筐体21に設けられた第1の接続端子55とが接続されるまで第1のカードC1が挿入されることはない。このとき、挿入口29からの第1のカードC1の突出量が正常な装着時よりも長くなるため、使用者は第1のカードC1を誤挿入したことを認識しやすい。
また、第1のカードC1が、前端部1cを前方に向け且つ裏面1bを上向きにして挿入口29から挿入されたときも、図3に示すように、後端部1dを前方へ向けて挿入されたときと同じである。
(第2のカードの正常な挿入動作)
図8は、カードコネクタ20に第2のカードC2が正常に装着された状態を示している。
第2のカードC2は、その幅寸法W3が、第1のカードC1の幅寸法W0よりも小さい。そのため、第2のカードC2が挿入口29に対して右寄りに偏るようにして挿入されると、第2のカードC2は、規制昇降部材32とスライダ41の内側面41aの間の幅寸法Wbの領域(図5参照)の内部を移動して奥側へ差し込まれる。
第2のカードC2は右側に欠損部16を有しているため、カードの先端が回動部材44の誤挿入防止凸部44aに当たることがない。そのため、回動部材44は反時計方向へ回動した第1の姿勢のままであり、可動ストッパ部47は左側へ移動したままである。そして、第2のカードC2の前端部が、可動ストッパ部47の第1のストッパ面48aおよび第2のストッパ面48b(図4と図9参照)に当たり、このとき、保持板ばね52の保持部53が、第2のカードC2のケースの右側部を上下に貫通する凹部18に嵌合する。
図9に示すように、可動ストッパ部47のストッパ面48は、第1のストッパ面48aと第2のストッパ面48bを有している。第1のストッパ面48aは、第1のカードC1が挿入されたときに、この第1のカードC1の薄肉部7と重なる位置にまで延びている。このように、第1のストッパ面48aが第1のカードC1と重なる位置まで左方向へ延びていることにより、第2のカードC2が挿入されたときには、その前端部11cが、第1のストッパ面48aと第2のストッパ面48bの双方に当たることができる。つまり、第2のカードC1の前端部11cと可動ストッパ部47との当たる面積を、第1のストッパ面48aを設けた分だけ広く確保できる。よって、その後、第2のカードC2を押し込む際に、第2のカードC2と共にスライダ41を奥側へ確実に押し込めるようになる。
第2のカードC2と共にスライダ41が筐体21の奥に押し込まれると、図8に示すように、第2のカードC2の左側部は上方案内部31に当たることなく筐体21の奥側まで挿入される。よって、ロックピン36の先端部36bが、溝カム42のロック部42bに掛止されて、スライダ41がロックされる。
第2のカードC2の厚さ寸法は、第1のカードC1の厚さ寸法よりも小さいために、第2のカードC2によって可動支持板61が押し下げられることはなく、可動支持板61の小孔61aから突出している第2の接続端子58が、第2のカードC2の下面に設けられた外部接続部に個別に接続される。
(第2のカードの誤挿入)
第2のカードC2が、図8に示す向きと前後逆向きで、すなわち後端部11dが挿入口29に向けられた姿勢で挿入されると、図3に示す第1のカードC1の誤挿入時と同様に、ケース11の後端部11dが、回動部材44に設けられた誤挿入防止凸部44aに当たる。よって、第2のカードC2が筐体21の内部に入り込むことが防止される。このとき、挿入口29からの第2のカードC2の突出量が長くなるため、使用者は誤った向きの挿入であることを認識しやすい。またこのときに、誤挿入を認識できずに誤った姿勢で挿入された第2のカードC2をさらに筐体21の内部に押し込もうとしたときも、カードが誤挿入防止凸部44aよりも奥に入り込まないために、挿入口29からの突出量が長いままであり、誤挿入を認識しやすくなる。
第2のカードC2が、前端部11cを挿入口29に向け、ただし表面11aが下向きとなるように表裏逆向きの姿勢で挿入されたときも、第2のカードC2の左側部11fと前端部11cとの境界部付近が誤挿入防止凸部44aに当たるために、同様に誤挿入を認識しやすい。
すなわち、第2のカードC2は、欠損部16が誤挿入防止凸部44aに対向する正常な向きで挿入されない限り、第2のカードC2の外部接続部が第2の接続端子58に接続されるまで挿入されることがない。
この種のカードコネクタでは、第1のカードC1の外部接続部5が、第1の接続端子55に接触したことを制御部が検知することで、第1のカードC1が正常な姿勢で装着されたことが認識される。すなわち、この種のカードはいずれかの外部接続部5どうしがカード内で短絡されているため、所定の第1の接続端子55どうしが短絡したか否かを監視することで第1のカードC1が正常な位置に装着されたか否かを検知できる。これは、第2のカードC2に関しても同じであり、所定の第2の接続端子58どうしが短絡したか否かを監視することで、第2のカードC2が正常な装着位置に至ったか否かを検知できる。
ここで、図3に示すように、第1のカードC1が誤った姿勢で挿入されたとき、および第2のカードC2が誤った姿勢で挿入されたときは、いずれも、カードに設けられた外部接続部が第1の接続端子55に正常に接続されることがなく、またはカードに設けられた外部接続部が第2の接続端子58に正常に接続されることはない。よって、第1のカードC1が誤った向きで挿入されたとき、および第2のカードC2が誤った向きで挿入されたとき、制御部はカードが正常に装着されたと判断しない。