JP4509345B2 - Ethylene copolymer composition and use thereof, propylene polymer composition and molded article comprising the same - Google Patents
Ethylene copolymer composition and use thereof, propylene polymer composition and molded article comprising the same Download PDFInfo
- Publication number
- JP4509345B2 JP4509345B2 JP2000302526A JP2000302526A JP4509345B2 JP 4509345 B2 JP4509345 B2 JP 4509345B2 JP 2000302526 A JP2000302526 A JP 2000302526A JP 2000302526 A JP2000302526 A JP 2000302526A JP 4509345 B2 JP4509345 B2 JP 4509345B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- ethylene
- copolymer
- carbon atoms
- olefin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、ポリプロピレンなどの樹脂の改質剤として有用なエチレン共重合体組成物ならびにこのエチレン共重合体組成物を含むプロピレン重合体組成物およびこの組成物からなる成形体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来、ポリプロピレン樹脂の耐衝撃性を向上させる目的で、ポリプロピレン樹脂にエチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共重合体などのエラストマーを改質剤として配合する手法がよく知られている。
しかしながら、ポリプロピレン樹脂にエラストマーを配合すると、樹脂の剛性が低下してしまうため、エラストマーの配合量には制限があった。また、たとえばポリプロピレン樹脂成形体などの樹脂成形体には、常温での耐衝撃性だけではなく、低温での耐衝撃性が要求される場合がある。低温衝撃性は、常温での耐衝撃性と必ずしも一致するものではなく、このような低温衝撃性を高めるためには、改質剤として柔らかいゴムを使うことが考えられるが、このような柔らかいゴムをポリプロピレン樹脂に配合すると成形体の剛性を損なうことになり、上記と同じ問題を抱えることになる。
【0003】
このため、剛性と耐衝撃性とのバランスが高レベルで保持できるような改質剤が求められている。一方、上記のような樹脂成形体には、実用に際して破壊されないことが求められている。このため樹脂成形体には、高い剛性を維持したまま破断点強度・耐衝撃強度が高いことが求められており、すなわち剛性と引張破断点伸びとのバランスが高レベルであるような樹脂改質剤の出現が求められていた。
【0004】
特開平6−192500号公報には、ポリプロピレン重合体に特定の性状を有するエチレン・α-オレフィン共重合体を配合することによって、剛性と耐衝撃性の物性バランスのよい組成物を得ることが開示されている。しかしながら、この組成物では、剛性と低温衝撃強度、剛性と引張伸び特性のバランスに関して不充分であり、改良が求められていた。
【0005】
さらに、このように樹脂改質する際に、樹脂改質剤の中には、混練時に、混練機の供給部、たとえばホッパーなどでブロッキングを起こすものがあり、このため生産性が悪化し、また、得られた改質物の物性が一定しないなどの問題なることもあった。
このため、ポリプロピレン樹脂などの樹脂の剛性を保ったまま、特に引張破断点伸びや低温での耐衝撃性を改質し、しかも改質剤を用いる際に、ブロッキングなどの問題が起こりにくく、生産性・作業性にも優れた樹脂改質剤の出現が切望されていた。
【0006】
なお、本願出願人は、このような樹脂改質剤として、特開平10−273563号公報にて、特定の(A)エチレンと炭素原子数4〜20のα-オレフィン共重合体と、特定の(B)エチレンと炭素原子数3〜20のα-オレフィン共重合体または特定の(C)高密度ポリエチレンとからなる組成物を提案している。しかしながら、これらの組成物を用いて改質しても、必ずしも耐衝撃性および曲げ弾性率のバランスに優れた樹脂組成物を得られないことがあった。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、改質剤として用いたときに、ポリプロピレン樹脂などの樹脂の剛性と、特に低温での引張破断点伸びや耐衝撃性を改質できるとともに、かつ改質剤として使用する際にブロッキングなどの問題が起こりにくく生産性、作業性に優れたエチレン共重合体組成物を提供することを目的としている。
【0008】
また、本発明は、上記のようなエチレン共重合体組成物を含むプロピレン重合体組成物およびそれからなる成形体を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】
本発明に係るエチレン共重合体組成物は、
(A)エチレンと、炭素原子数4〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンとの共重合体であって、
(i)エチレンから誘導される構成単位の含量が50〜70モル%、炭素原子数4〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンから誘導される構成単位の含量が30〜50モル%の範囲にあり、
(ii)密度が0.863g/cm3以下であり、
(iii)135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が0.1〜10.0dl/gの範囲にあり、
(iv)示差走査型熱量計で測定したガラス転移温度が−60℃以下であって、結晶化度が1%以下であり、
(v)13C-NMRスペクトルにおけるTααに対するTαβの強度比(Tαβ/Tαα)が0.5以下であり、
(vi)下記一般式(1)
B値=[POE]/(2・[PE][PO]) …(1)
(式中、[PE]は共重合体中のエチレンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、[PO]は共重合体中のα-オレフィンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、[POE]は共重合体中の全ダイアド(dyad)連鎖に対するエチレン・α-オレフィン連鎖数の割合であり、13C-NMRスペクトルにより求められる。)
から求められるB値が0.9〜1.5の範囲にあるエチレン・α-オレフィン共重合体と、
(B)エチレンと、炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンおよび環状オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体であって、
(i)エチレンから誘導される構成単位の含量が80〜87モル%、炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンおよび環状オレフィンから誘導される構成単位の含量が13〜20モル%の範囲にあり
(ii)密度が0.860〜0.884g/cm3の範囲にあり、
(iii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.3〜50g/10分の範囲にあるエチレン共重合体と、
(C)エチレンと、炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンおよび環状オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体であって、
(i)エチレンから誘導される構成単位の含量が89〜99モル%、炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンおよび環状オレフィンから誘導される構成単位の含量が1〜11モル%の範囲にあり、
(ii)密度が0.885〜0.930g/cm3の範囲にあり、
(iii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.3〜50g/10分の範囲にあり、
(iv)示差走査型熱量計で測定した吸熱曲線における最大ピーク位置の温度(Tm(℃))と密度(d(g/cm3 ))とが、
Tm<400×d−250
で示される関係を満足するエチレン共重合体と
からなり、前記エチレン・α-オレフィン共重合体(A)を30〜70重量%、前記エチレン共重合体(B)を1〜69重量%、前記エチレン共重合体(C)を1〜69重量%の割合で含有することを特徴としている。
【0010】
本発明に係る樹脂改質剤は、上記エチレン共重合体組成物からなることを特徴としている
本発明に係るプロピレン重合体組成物は、プロピレン重合体(D)と、前記エチレン・α-オレフィン共重合体(A)と、前記エチレン共重合体(B)と、前記エチレン共重合体(C)とからなり、
ロピレン系重合体(D)を98〜60重量%の割合で含有し、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)、エチレン共重合体(B)およびエチレン共重合体(C)を合計で2〜40重量%の割合で含有し、かつエチレン・α-オレフィン共重合体(A)、エチレン共重合体(B)およびエチレン共重合体(C)の合計量を100重量%としたときに、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)を30〜70重量%、エチレン共重合体(B)を1〜69重量%およびエチレン共重合体(C)を1〜69重量%の割合で含有することを特徴としている。
【0011】
前記プロピレン重合体(D)は、230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.01g/10分以上であることが好ましい。
本発明に係るプロピレン重合体組成物は、弾性率の温度依存性を測定したときに、プロピレン重合体(D)のガラス転移温度に起因する減衰率のピークと、エチレン共重合体組成物(エチレン・α-オレフィン共重合体(A)とエチレン・α-オレフィン共重合体(B)とエチレン系共重合体(C)との組成物)のガラス転移温度に起因する減衰率のピークとが存在し、かつ両ピークが分離していることが好ましい。
【0012】
本発明に係る成形体は、前記プロピレン重合体組成物からなることを特徴としている。
【0013】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るエチレン共重合体組成物およびその用途ならびにプロピレン重合体組成物およびそれからなる成形体について具体的に説明する。
[エチレン共重合体組成物]
本発明に係るエチレン共重合体組成物は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)と、エチレン共重合体(B)と、エチレン共重合体(C)とから形成されている。
【0014】
まず本発明に係るエチレン共重合体組成物を構成する各成分について説明する。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)
本発明で用いられるエチレン・α-オレフィン共重合体(A)は、エチレンと炭素原子数4〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンとの共重合体である。
【0015】
この炭素原子数4〜20のα-オレフィンとして具体的には、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-ン1-オクテン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。これらのうち、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。
【0016】
(i)エチレン・α-オレフィン共重合体(A)は、エチレンから誘導される構成単位を50〜70モル%、好ましくは55〜68モル%、炭素原子数4〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンから誘導される構成単位を30〜50モル%、好ましくは32〜45モル%の割合で含有する。各構成単位の含有割合が上記範囲内にあると、耐ブロッキング性に優れた組成物を得ることができる。
【0017】
(ii)エチレン・α-オレフィン共重合体(A)は、密度が0.863g/cm3以下であり、好ましくは0.855〜0.860g/cm3の範囲にある。密度が上記範囲内にあると、耐ブロッキング性に優れた組成物を得ることができる。
(iii)エチレン・α-オレフィン共重合体(A)は、135℃、デカリン中で測定される極限粘度[η]が0.1〜10.0dl/g、好ましくは1〜8dl/g、より好ましくは2〜7dl/gの範囲にある。極限粘度[η]が上記範囲内にあると、表面硬度に優れた組成物を得ることができる。
【0018】
(iv)エチレン・α-オレフィン共重合体(A)は、示差走査型熱量計(DSC)で測定したガラス転移温度が−60℃以下、好ましくは−80〜−60℃であり、結晶化度が1%以下、好ましくは0〜0.5%以下である。ガラス転移温度および結晶化度が上記範囲内にあると、低温衝撃性に優れた組成物を得ることができる。
【0019】
(v)エチレン・α-オレフィン共重合体(A)は、13C-NMRスペクトルにおけるTααに対するTαβの強度比(Tαβ/Tαα)が0.5以下、好ましくは、0.2以下、より好ましくは0.01未満である。
ここで13C-NMRスペクトルにおけるTααおよびTαβは、炭素原子数4以上のα-オレフィンから誘導される構成単位中のCH2のピーク強度であり、下記に示すように第3級炭素に対する位置が異なる2種類のCH2を意味している。
【0020】
【化1】
【0021】
このようなTαβ/Tαα強度比は、下記のようにして求められる。
エチレン・α-オレフィン共重合体(A)の13C−NMRスペクトルを、たとえば日本電子(株)製JEOL-GX270 NMR測定装置を用いて測定する。測定は、試料濃度5重量%になるように調整されたヘキサクロロブタジエン/d6-ベンゼン=2/1(体積比)の混合溶液を用いて、67.8MHz、25℃、d6-ベンゼン(128ppm)基準で行う。測定された13C-NMRスペクトルを、リンデマンアダムスの提案(Analysis Chemistry43, p1245(1971))、J.C.Randall (Review Macromolecular Chemistry Physics, C29, 201(1989)) に従って解析して、Tαβ/Tαα強度比を求める。
【0022】
(vi)エチレン・α-オレフィン共重合体(A)は、下記一般式(1)で表されるB値が、0.9〜1.5、好ましくは1.0〜1.2の範囲にある。
B値=[POE]/(2・[PE][PO]) …(1)
(式中、[PE]は共重合体中のエチレンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、[PO]は共重合体中のα-オレフィンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、[POE]は共重合体中の全ダイアド(dyad)連鎖に対するエチレン・α-オレフィン連鎖数の割合であり、13C-NMRスペクトルにより求められる。)
このB値は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)中のエチレンと炭素原子数4〜20のα-オレフィンとの分布状態を表す指標であり、J.C.Randall(Macromolecules, 15, 353(1982))、J.Ray(Macromolecules, 10, 773(1977)) らの報告に基づいて求めることができる。
【0023】
上記B値が大きいほど、エチレンまたはα-オレフィンのブロック的連鎖が短くなり、エチレンおよびα-オレフィンの分布が一様であり、共重合ゴムの組成分布が狭いことを示している。なおB値が1.0よりも小さくなるほどエチレン・α-オレフィン共重合体の組成分布は広くなり、取扱性が低下することがある。
【0024】
エチレン・α - オレフィン共重合体(A)の製造方法
このようなエチレン・α-オレフィン共重合体(A)は、メタロセン系触媒の存在下にエチレンと炭素原子数4〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンとを共重合させることによって製造することができる。
このようなメタロセン系触媒は、
(a)メタロセン化合物と、
(b)有機アルミニウムオキシ化合物
および/または
(c)メタロセン化合物(a)と反応してイオン対を形成する化合物(以下「イオン化イオン性化合物」ということがある。)と
から形成されていてもよく、さらにメタロセン化合物(a)、有機アルミニウムオキシ化合物(b)および/またはイオン化イオン性化合物(c)とともに有機アルミニウム化合物(d)とから形成されていてもよい。
【0025】
以下にこれらの各成分について説明する。
(a)メタロセン化合物
本発明で用いられるメタロセン系触媒を形成するメタロセン化合物(a)は、周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物であり、具体的には下記一般式(2)で表される。
【0026】
MLx …(2)
一般式(2)において、Mは周期表第4族から選ばれる遷移金属を示し、Mで示される遷移金属の具体的なものとしては、ジルコニウム、チタンおよびハフニウムなどが挙げられる。
xは遷移金属Mの原子価を満たす数である。
【0027】
Lは遷移金属Mに配位する配位子であり、これらのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子である。このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子Lとしては、たとえばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n-またはi-プロピルシクロペンタジエニル基、n-、i-、sec-、t-、ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、メチルベンジルシクロペンタジエニル基等のアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジエニル基;インデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。
【0028】
上記シクロペンタジエニル骨格を有する基は、ハロゲン原子またはトリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。
一般式(2)で表される化合物が配位子Lとしてシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有する場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する基同士が、エチレン、プロピレンなどのアルキレン基;イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基;シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基などの置換シリレン基などを介して結合していてもよい。
【0029】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子(シクロペンタジエニル骨格を有しない配位子)Lとしては、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホン酸含有基(−SO3Ra)、ハロゲン原子または水素原子(ここで、Raはアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、アルキル基で置換されたアリール基などである。)などが挙げられる。
【0030】
炭素原子数1〜12の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基などが挙げられる。
具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;
フェニル基、トリル基などのアリール基;ベンジル基、ネオフィル基などのアラルキル基などが挙げられる。
【0031】
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基などが挙げられる。
アリーロキシ基としては、フェノキシ基などが挙げられる。
スルホン酸含有基(-SO3Ra)としては、メタンスルホナト基、p-トルエンスルホナト基、トリフルオロメタンスルホナト基、p-クロルベンゼンスルホナト基などが挙げられる。
【0032】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
前記一般式(2)で表されるメタロセン化合物は、たとえば遷移金属の原子価が4である場合、より具体的に、下記一般式(3)で表される。
R2 k R3 l R4 m R5 n M …(3)
(一般式(3)中、Mは一般式(2)と同じ遷移金属であり、R2はシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、R3、R4およびR5はそれぞれ独立にシクロペンタジエニル骨格を有するかまたは有しない基(配位子)であり、kは1以上の整数、k+l+m+n=4である。)
このようなメタロセン化合物(a)としては、例えばビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチル-n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキシクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムブトキシクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムベンジルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムフェニルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムハイドライドクロリドなどが挙げられる。なお、上記例示において、シクロペンタジエニル環の二置換体は、1,2-および1,3-置換体を含む。
【0033】
上記のようなジルコニウム化合物において、ジルコニウム金属を、チタン金属またはハフニウム金属に置き換えたメタロセン化合物(a)を例示することができる。
さらにメタロセン化合物(a)として、前記一般式(3)中の、R2、R3、R4およびR5の少なくとも2個、たとえばR2およびR3がシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、この少なくとも2個の基がアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基または置換シリレン基などを介して結合されているブリッジタイプのメタロセン化合物を挙げることもできる。このときR4およびR5は、互いに同一でも異なっていてもよく、一般式(2)中で説明したシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子Lと同様である。
【0034】
このようなブリッジタイプのメタロセン化合物(a)としては、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、および下記一般式(4)で表される特開平4-268307号記載のメタロセン化合物が挙げられる。
【0035】
【化2】
【0036】
上記一般式(4)において、M1は周期表第4族の金属であり、具体的にはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムなどが挙げられる。
一般式(4)において、R1およびR2は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基;炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルコキシ基;炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基;炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリールオキシ基;炭素原子数2〜10、好ましくは2〜4のアルケニル基;炭素原子数7〜40、好ましくは7〜10のアリールアルキル基;炭素原子数7〜40、好ましくは7〜12のアルキルアリール基;炭素原子数8〜40、好ましくは8〜12のアリールアルケニル基;またはハロゲン原子、好ましくは塩素原子から選ばれる。
【0037】
一般式(4)において、R3およびR4は、水素原子;ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子、塩素原子または臭素原子;ハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基;炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基;−N(R10)2、−SR10、−OSi(R10)3、−Si(R10)3または−P(R10)2基である。上記R10はハロゲン原子、好ましくは塩素原子;炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基;または炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基から選ばれる。R3およびR4は互いに同じでも異なっていてもよく、特に水素原子であることが好ましい。
【0038】
一般式(4)において、R5およびR6は、水素原子を除くR3およびR4で例示した基と同様のものが挙げられる。R5およびR6は、互いに同じでも異なっていてもよく、好ましくは同じである。R5およびR6としては、炭素原子数1〜4のアルキル基またはハロゲン置換アルキル基が好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基およびイソブチル基またはトリフルオロメチル基などであり、特にメチル基が好ましい。
【0039】
一般式(4)において、R7は
【0040】
【化3】
【0041】
−B(R11)−、−Al(R11)−、−Ge−、−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2、−N(R11)−、=CO、−P(R11)−または−P(O)(R11)−である。
一般式(4)において、R11、R12およびR13は、水素原子;ハロゲン原子;炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基、さらに好ましくはメチル基;炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基、好ましくはCF3基;炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基;炭素原子数6〜10のフルオロアリール基、好ましくはペンタフルオロフェニル基;炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルコキシ基、特に好ましくはメトキシ基;炭素原子数2〜10、好ましくは2〜4のアルケニル基;炭素原子数7〜40、好ましくは7〜10のアリールアルキル基;炭素原子数8〜40、好ましくは8〜12のアリールアルケニル基;または炭素原子数7〜40、好ましくは7〜12のアルキルアリール基から選ばれる。
【0042】
「R11とR12」または「R11とR13」とは、それぞれそれらが結合する原子と一緒になって環を形成してもよい。R11、R12およびR13は互いに同じでも異なっていてもよい。
上記M2はケイ素、ゲルマニウムまたは錫であり、好ましくはケイ素またはゲルマニウムである。
【0043】
上記R7は、−C(R11)(R12)−、−Si(R11)(R12)−、−Ge(R11)(R12)−、−O−、−S−、=SO、−P(R11)−または−P(O)(R11)−であることが好ましい。
一般式(4)において、R8およびR9としては上記R11と同じものが挙げられる。R8およびR9は互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0044】
一般式(4)において、mおよびnはそれぞれ0、1または2、好ましくは0または1であり、m+nは0、1または2、好ましくは0または1である。mおよびnは互いに同じであっても異なっていてもよい。
また、前記一般式(3)で表されるメタロセン化合物(a)としては、rac-エチレン(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド、rac-ジメチルシリレン(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライドなどが挙げられる。
【0045】
これらのような一般式(3)で表されるメタロセン化合物(a)は、公知の方法にて製造することができる(たとえば、特開平4-268307号公報参照)。
さらにまた、一般式(3)で表されるメタロセン化合物(a)として、下記一般式(5)で表されるメタロセン化合物を挙げることもできる。
【0046】
【化4】
【0047】
一般式(5)において、Mは周期表第4族の遷移金属原子を示し、具体的にはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムなどである。
一般式(5)において、R1およびR2は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基を示し、
具体的には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子;
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなどのアルキル基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、ナフチル、メチルナフチル、アントラセニル、フェナントリルなどのアリール基などの炭素原子数1〜20の炭化水素基;
前記炭化水素基にハロゲン原子が置換した炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基;
メチルシリル、フェニルシリルなどのモノ炭化水素置換シリル、ジメチルシリル、ジフェニルシリルなどのジ炭化水素置換シリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリルなどのトリ炭化水素置換シリル、トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリルのシリルエーテル、トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基、トリメチルシリルフェニルなどのケイ素置換アリール基、などのケイ素含有基;
ヒドロオキシ基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどのアルコキシ基、フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリロ−キシ基、フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールアルコキシ基などの酸素含有基;
前記酸素含有基の酸素がイオウに置換した置換基などのイオウ含有基;
アミノ基、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などの窒素含有基;
ジメチルフォスフィノ、ジフェニルフォスフィノ等のフォスフィノ基などのリン含有基などが挙げられる。
【0048】
これらのうち、炭化水素基が好ましく、特にメチル、エチルまたはプロピルの炭素原子数1〜3のアルキル基が好ましい。
一般式(5)において、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。これらは、前記R1およびR2と同様のものが挙げられる。これらのうち、水素、炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基であることが好ましい。
【0049】
またR3とR4、R4とR5、R5とR6のうち少なくとも1組が互いに結合して形成する単環の芳香族環を形成していてもよく、芳香族環を含む配位子としては、下記一般式(6)〜(8)で表されるものが挙げられる。
【0050】
【化5】
【0051】
このような一般式(5)で表されるメタロセン化合物(a)は、R3、R4、R5およびR6のうち(芳香族環を形成する基以外の基は)炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基が2種以上ある場合には、これらが互いに結合して環状になっていてもよい。なおR6が芳香族基以外の置換基である場合、水素原子であることが好ましい。
【0052】
一般式(5)において、X1およびX2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基を示す。
ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基の具体的なものとしては、前記R1およびR2で例示したものと同様のものが挙げられる。
【0053】
またイオウ含有基としては、前記R1、R2と同様の基、およびメチルスルホネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート基、メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンゼンスルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基が挙げられる。
【0054】
一般式(5)において、Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR7−、−P(R7)−、−P(O)(R7)−、−BR7−または−AlR7−(ただし、R7は水素原子、前記R1、R2と同様のハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。)を示す。
【0055】
このようなYとして具体的には、
メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレン、ジメチル-1,2-エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレンなどのアルキレン基、ジフェニルメチレン、ジフェニル-1,2-エチレンなどのアリールアルキレン基などの炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基;
クロロメチレンなどの上記炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素基;
メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、ジ(i-プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリレンなどのアルキルシリレン、アルキルアリールシリレン、アリールシリレン基、テトラメチル-1,2-ジシリレン、テトラフェニル-1,2-ジシリレンなどのアルキルジシリレン、アルキルアリールジシリレン、アリールジシリレン基などの2価のケイ素含有基;
上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲルマニウム含有基;
上記2価のケイ素含有基のケイ素をスズに置換した2価のスズ含有基置換基などが挙げられる。
【0056】
これらのうち、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基であることが好ましく、さらに2価のケイ素含有基が好ましく、特にアルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン基、アリールシリレン基が好ましい。
このような一般式(5)で表される化合物では、R3、R4、R5およびR6のうち、R3を含む2個の基が炭素原子数1〜20のアルキル基であることが好ましく、特に、R3とR5、またはR3とR6がアルキル基であることが好ましい。このアルキル基は、2級または3級アルキル基であることが好ましく、このようなアルキル基は、ハロゲン原子、ケイ素含有基で置換されていてもよい。
【0057】
ハロゲン原子、ケイ素含有基としては、前記R1、R2で例示した置換基が挙げられる。
さらにR3、R4、R5およびR6の中で、アルキル基以外の基は、水素原子であることが好ましい。
炭素原子数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、ドデシルアイコシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの鎖状アルキル基および環状アルキル基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、トリルメチル基などのアリールアルキル基などが挙げられ、2重結合、3重結合を含んでいてもよい。
【0058】
また、R3、R4、R5およびR6は、これらから選ばれる2種の基が互いに結合して芳香族環以外の単環あるいは多環を形成していてもよい。
このようなメタロセン化合物(a)として、具体的には、rac-ジメチルシリレン-ビス(4,7-ジメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2,4,7-トリメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2,4,6-トリメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0059】
上記のような化合物においてジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置換したメタロセン化合物(a)を用いることもできる。
上記メタロセン化合物(a)は、通常ラセミ体として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
また、一般式(5)で表されるメタロセン化合物(a)として、
R3がフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ピレニル基、アセナフチル基、フェナレニル基(ペリナフテニル基)、アセアントリレニル基などの炭素原子数6〜16のアリール基であるメタロセン化合物(a)も好ましく使用することができる。これらのアリール基は、前記R1と同様のハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基で置換されていてもよい。このうち、特にフェニル基、ナフチル基が好ましい。
【0060】
このようなメタロセン化合物として、具体的には、rac-ジメチルシリレン-ビス(4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4−フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(α-ナフチル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(β-ナフチル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(1-アントラセニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0061】
また上記化合物において、ジルコニウム金属をチタニウム金属またはハフニウム金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。また、下記一般式(9)で表される遷移金属化合物を用いることもできる。
【0062】
【化6】
【0063】
一般式(9)において、Mは周期表第4族の遷移金属原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。
一般式(9)において、R1は、互いに同一でも異なっていてもよく、そのうち少なくとも1個が炭素原子数が11〜20のアリール基、炭素原子数が12〜40のアリールアルキル基、炭素原子数13〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数が12〜40のアルキルアリール基またはケイ素含有基であるか、あるいはR1で示される基のうち隣接する少なくとも2個の基が、それらの結合する炭素原子とともに、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成している。この場合、R1により形成される環はR1が結合する炭素原子を含んで全体として炭素原子数が4〜20である。
【0064】
R1で示される基のうち隣接する少なくとも2個の基が、それらの結合する炭素原子とともに、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成した例としては、縮合したフェニル基、縮合したシクロヘキシル基、縮合したシクロペンタジエニル基、縮合したジヒドロシクロペンタジエニル基、縮合したインデニル基、縮合したテトラヒドロインデニル、縮合したフルオレニル基、縮合したテトラヒドロフルオレニル基、縮合したオクタヒドロフルオレニル基などが挙げられる。
【0065】
なお、これらの基は、鎖状アルキル基、環状アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン置換アルキル基、アリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基またはリン含有基で置換されていてもよい。
アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アルキルアリール基および芳香族環、脂肪族環を形成しているR1以外のR1は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10のアルキル基またはケイ素含有基である。
【0066】
炭素原子数が11〜20のアリール基としては、ビフェニリル、アントリル、フェナントリルなどが挙げられ、炭素原子数が12〜40のアリールアルキル基としては、フェナントリルメチル、フェナントリルエチル、フェナントリルプロピルなどが挙げられ、炭素原子数13〜40のアリールアルケニル基としては、ビニルフェナントリルなどが挙げられ、炭素原子数が12〜40のアルキルアリール基としては、メチルフェナントリル、エチルフェナントリル、プロピルフェナントリルなどが挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられ、炭素原子数が1〜10のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニルなどが挙げられる。
【0067】
ケイ素含有基としては、メチルシリル、フェニルシリル、ジメチルシリル、ジエチルシリル、ジフェニルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリルなどの基が挙げられる。
【0068】
なお、上記のようなアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アルキルアリール基は、ハロゲンが置換していてもよい。
一般式(9)において、R2は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10のアルキル基、炭素原子数が6〜20のアリール基、炭素原子数が2〜10のアルケニル基、炭素原子数が7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数が7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。
【0069】
また、R2で示される基のうち隣接する少なくとも2個の基が、それらの結合する炭素原子とともに、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成していてもよい。この場合、R2により形成される環はR2が結合する炭素原子を含んで全体として炭素原子数が4〜20であり、芳香族環、脂肪族環を形成しているR2以外のR2は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10のアルキル基またはケイ素含有基である。
【0070】
なお、R2で示される2個の基が、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成して構成される基にはフルオレニル基が下記のような構造となる態様も含まれる。
【0071】
【化7】
【0072】
炭素原子数が1〜10のアルキル基およびハロゲン原子としては、前記と同様の基および原子が例示できる。
炭素原子数が6〜20のアリール基としては、フェニル、ビフェニリル、α-またはβ-ナフチル、アントリル、フェナントリルなどが挙げられ、
炭素原子数が7〜40のアリールアルキル基としては、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェナントリルメチル、フェナントリルエチル、フェナントリルプロピルなどが挙げられ、
炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基としては、スチリル、ビニルフェナントリルなどが挙げられ、
炭素原子数が7〜40のアルキルアリール基としては、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、メチルナフチル、メチルフェナントリル、エチルフェナントリル、プロピルフェナントリルなどが挙げられ、
炭素原子数が2〜10のアルケニル基としては、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどが挙げられ、
ケイ素含有基としては、前記と同様の基が挙げられ、
酸素含有基としては、ヒドロオキシ基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどのアルコキシ基、フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリロキシ基、フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールアルコキシ基などが挙げられ、
イオウ含有基としては、前記酸素含有基の酸素がイオウに置換した置換基、およびメチルスルホネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート基、メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンゼンスルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基が挙げられ、
窒素含有基としては、アミノ基、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などが挙げられ、
リン含有基としては、ジメチルフォスフィノ、ジフェニルフォスフィノなどが挙げられる。
【0073】
これらのうちR2は、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、特に水素原子またはメチル、エチル、プロピルの炭素原子数が1〜3の炭化水素基であることが好ましい。
このような置換基としてR2を有するフルオレニル基としては、2,7-ジアルキル-フルオレニル基が好適な例として挙げられ、この場合の2,7-ジアルキルのアルキル基としては、炭素原子数が1〜5のアルキル基が挙げられる。
【0074】
また、上述したR1とR2は、互いに同一でも異なっていてもよい。
一般式(9)において、R3およびR4は、互いに同一でも異なっていてもよく、前記と同様の水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10のアルキル基、炭素原子数が6〜20のアリール基、炭素原子数が2〜10のアルケニル基、炭素原子数が7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数が7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。
【0075】
これらのうち、R3およびR4は、少なくとも一方が炭素原子数が1〜3のアルキル基であることが好ましい。
一般式(9)において、X1およびX2は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基もしくは窒素含有基、またはX1とX2とから形成された共役ジエン残基であり、具体的には、ハロゲン原子、酸素含有基、イオウ含有基および窒素含有基としては、前記と同様の原子または基を例示することができる。
【0076】
炭素原子数が1〜20の炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなどのアルキル基;ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基;フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、α−またはβ−ナフチル、メチルナフチル、アントリル、フェナントリル、ベンジルフェニル、ピレニル、アセナフチル、フェナレニル、アセアントリレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニリルなどのアリール基などが挙げられ、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基としては、前記炭素原子数が1〜20の炭化水素基にハロゲンが置換した基が挙げられる。
【0077】
X1とX2とから形成された共役ジエン残基としては、η4-1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエン、η4-1,3-ブタジエン、η4-1,4-ジベンジル-1,3-ブタジエン、η4-1-フェニル-1,3-ペンタジエン、η4-3-メチル-1,3-ペンタジエン、η4-1,4-ビス(トリメチルシリル)-1,3-ブタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、η4-2,4-ヘキサジエン、イソプレンなどが挙げられる。
【0078】
X1とX2とから形成された共役ジエン残基としては、1,3-ブタジエン、2,4-ヘキサジエン、1-フェニル-1,3-ペンタジエン、1,4-ジフェニルブタジエンの残基が好ましく、これらの残基はさらに炭素原子数が1〜10の炭化水素基で置換されていてもよい。
これらのうち、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素基またはイオウ含有基であることが好ましい。
【0079】
一般式(9)において、Yは、炭素原子数が1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数が1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR5 −、−P(R5)−、−P(O)(R5)−、−BR5−または−AlR5−(ただし、R5は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基である。)を示し、
具体的には、メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレンなどのアルキレン基、ジフェニルメチレン、ジフェニル-1,2-エチレンなどのアリールアルキレン基などの炭素原子数が1〜20の2価の炭化水素基;クロロメチレンなどの上記炭素原子数が1〜20の2価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素基;
メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、ジ(i-プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリレンなどのアルキルシリレン、アルキルアリールシリレン、アリールシリレン基、テトラメチル-1,2-ジシリレン、テトラフェニル-1,2- ジシリレンなどのアルキルジシリレン、アルキルアリールジシリレン、アリールジシリレン基などの2価のケイ素含有基;
上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲルマニウム含有基;
上記2価のケイ素含有基のケイ素をスズに置換した2価のスズ含有基などが挙げられる。
【0080】
これらの2価の基のうちでも、一般式(9)で表される−Y−の最短連結部が1個または2個の原子で構成されているものが好ましい。また、R5は、前記と同様のハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
これらのうちYは、炭素原子数が1〜5の2価の炭化水素基、2価のケイ素含有基または2価のゲルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン、アルキルアリールシリレンまたはアリールシリレンであることが特に好ましい。
【0081】
また、上記したようなジルコニウム化合物において、ジルコニウムを、チタニウムまたはハフニウムに置き換えた化合物を挙げることもできる。
なお、上記したジルコニウム化合物のうち、例えばジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリドの構造式は以下に示したものである。
【0082】
【化8】
【0083】
また、ジメチルシリレン(2,6-ジメチル-4,5-(1-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリドの構造式は以下に示したものである。
【0084】
【化9】
【0085】
これらの触媒は、本出願人に係る出願である特願平8−187563号(特開平9−235313号公報参照)により合成できる。
また本発明では、メタロセン化合物(a)として、下記一般式(10)で表される化合物を用いることもできる。
LaMX2 …(10)
一般式(10)において、Mは周期表第4族またはランタニド系列の金属である。
【0086】
Laは非局在化π結合基の誘導体であり、金属M活性サイトに拘束幾何形状を付与している基である。
一般式(10)において、Xはそれぞれ独立に水素、ハロゲン、20以下の炭素を含有する炭化水素基、20以下のケイ素を含有する、シリル基または20以下のルマニウムを含有するゲルミル基である。
【0087】
一般式(10)で表される化合物の中では、下記一般式(11)で表される化合物が好ましい。
【0088】
【化10】
【0089】
一般式(11)において、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウム、Xは一般式(10)と同様である。
CpはMにπ結合しているシクロペンタジエニル基である。
一般式(11)において、Zは酸素、イオウ、ホウ素または周期表第4族の元素(たとえばケイ素、ゲルマニウムまたは錫)、Yは窒素、リン、酸素またはイオウを含む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成してもよい。
【0090】
このような一般式(11)で表される化合物としては、
(ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン)チタンジクロリド、((t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)-1,2-エタンジイル)チタンジクロリドなどが挙げられる。
また上記メタロセン化合物において、チタンをジルコニウムまたはハフニウムに置換した化合物を挙げることもできる。
【0091】
一般式(10)または(11)で表されるメタロセン化合物(a)としては、中心の金属原子がジルコニウムであり、少なくとも2個のシクロペンタジエニル骨格を含む配位子を有するジルコノセン化合物が好ましく用いられる。なお前記一般式(4)または(5)で表されるメタロセン化合物(a)では、中心の金属原子がチタンであることが好ましい。
【0092】
本発明では、メタロセン化合物(a)は単独であるいは2種以上組合せて用いられる。またメタロセン化合物(a)は、炭化水素またはハロゲン化炭化水素などに希釈して用いてもよい。さらにメタロセン化合物(a)は、担体と接触させて用いることもできる。
用いられる担体は、無機あるいは有機の化合物であって、粒径が10〜300μm、好ましくは20〜200μmの顆粒状ないしは微粒子状の固体が使用される。このうち無機担体としては多孔質酸化物が好ましく、具体的にはSiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2等またはこれらの混合物、例えばSiO2-MgO、SiO2-Al2O3、SiO2-TiO2、SiO2-V2O5、SiO2-Cr2O3、SiO2-TiO2-MgO等を例示することができる。これらの中でSiO2およびAl2O3からなる群から選ばれた少なくとも1種の成分を主成分とするものが好ましい。
【0093】
なお、上記無機酸化物には少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO4)3、BaSO4、KNO3、Mg(NO3)2、Al(NO3)3、Na2O、K2O、Li2O等の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していても差しつかえない。
このような担体はその種類および製法により性状は異なるが、本発明に好ましく用いられる担体は、比表面積が50〜1000m2/g、好ましくは100〜700m2/gであり、細孔容積が0.3〜2.5cm3/gであることが望ましい。該担体は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して用いられる。
【0094】
さらに、担体としては、粒径が10〜300μmである有機化合物の顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。これら有機化合物としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンなどの炭素原子数2〜14のα-オレフィンを主成分として生成される(共)重合体あるいはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される重合体もしくは共重合体を例示することができる。
【0095】
有機アルミニウムオキシ化合物(b)
有機アルミニウムオキシ化合物(b)は、公知のアルミノオキサンであってもよく、またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物(b)であってもよい。
このような公知のアルミノオキサンは、具体的には下記一般式(12)または(13)で表される。
【0096】
【化11】
【0097】
(一般式(12)および(13)において、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基であり、好ましくはメチル基、エチル基、特に好ましくはメチル基であり、mは2以上、好ましくは5〜40の整数である。)
一般式(12)または(13)において、アルミノオキサンは一般式(OAl(R1))で表されるアルキルオキシアルミニウム単位および一般式(OAl(R2))
で表されるアルキルオキシアルミニウム単位(ここで、R1およびR2はRと同様の炭化水素基を例示することができ、R1およびR2は相異なる基を表す。)からなる混合アルキルオキシアルミニウム単位から形成されていてもよい。
【0098】
なお有機アルミニウムオキシ化合物(b)は、少量のアルミニウム以外の金属の有機化合物成分を含有していてもよい。上記のようなアルミノオキサンは、例えば下記のような方法によって調製することができる。
(1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して反応させて炭化水素の溶液として回収する方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水や氷や水蒸気を作用させて炭化水素の溶液として回収する方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエン等の媒体中でトリアルキルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシド等の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0099】
なお、このアルミノオキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノオキサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解してもよい。
アルミノオキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert-ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。
【0100】
これらのうち、トリアルキルアルミニウムおよびトリアルキルアルミニウムが特に好ましい。
また、この有機アルミニウム化合物として、一般式(14)
(i-C4H9)xAly(C5H10)z …(14)
(x、y、zは正の数であり、z≧2xである)で表わされるイソプレニルアルミニウムを用いることもできる。
【0101】
上記のような有機アルミニウム化合物は、単独であるいは組合せて用いられる。アルミノオキサンの調製の際に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。その他、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素が好ましい。
【0102】
また前記ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であり、ベンゼンに対して不溶性あるいは難溶性である。
このような有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼンに対する溶解性は、100ミリグラム原子のAlに相当する該有機アルミニウムオキシ化合物を100mlのベンゼンに懸濁した後、撹拌下60℃で6時間混合した後、ジャケット付G−5ガラス製フィルターを用い、60℃で熱時濾過を行い、フィルター上に分離された固体部を60℃のベンゼン50mlを用いて4回洗浄した後の全濾液中に存在するAl原子の存在量(xミリモル)を測定することにより求められる(x%)。
【0103】
イオン化イオン性化合物(c)
イオン化イオン性化合物(イオン性イオン化化合物、イオン性化合物と称される場合もある)(c)としては、ルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物を例示することができる。
ルイス酸としては、Mg含有ルイス酸、Al含有ルイス酸、B含有ルイス酸などが挙げられ、このうちB含有ルイス酸が好ましい。B含有ルイス酸としては、BR3(Rは、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素原子を示す。)で表される化合物であり、具体的には、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0104】
イオン性化合物は、カチオン性化合物とアニオン性化合物とからなる塩であり、アニオンは前記メタロセン化合物(a)と反応することによりメタロセン化合物(a)をカチオン化し、イオン対を形成することにより遷移金属カチオン種を安定化させる働きがある。このようなアニオンとしては、有機ホウ素化合物アニオン、有機ヒ素化合物アニオン、有機アルミニウムアニオンなどがあり、比較的嵩高で遷移金属カチオン種を安定化させるものが好ましい。カチオンとしては、金属カチオン、有機金属カチオン、カルボニウムカチオン、トリピウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが挙げられる。さらに詳しくは、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチルアンモニウムカチオン、フェロセニウムカチオンなどである。
【0105】
このようなイオン性化合物として具体的には、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などのトリアルキル置換アンモニウム塩、
トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などのトリアルキル置換アンモニウム塩、
ジ(1-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などのジアルキルアンモニウム塩などが挙げられる。
【0106】
また、ホウ素原子を含有するイオン性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることもできる。
前記ボラン化合物としては、デカボラン(14);ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオン塩などが挙げられる。
【0107】
前記カルボラン化合物としては、4-カルバノナボラン(14)、1,3-ジカルバノナボラン(13)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
上記のようなイオン化イオン性化合物(c)は、単独であるいは2種以上組合せて用いられる。また有機アルミニウムオキシ化合物(b)およびイオン化イオン性化合物(c)は、前記担体化合物に担持させて用いることもできる。
【0108】
またメタロセン系触媒を調製するに際しては、有機アルミニウムオキシ化合物(b)またはイオン化イオン性化合物(c)とともに、必要に応じて有機アルミニウム化合物(d)を用いてもよい。
有機アルミニウム化合物(d)
必要に応じて用いられる有機アルミニウム化合物(d)としては、例えば下記一般式(15)で表される有機アルミニウム化合物を例示することができる。
【0109】
R1 nAlX3-n …(15)
(式(15)中、R1は炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜3である。)
上記一般式(15)において、R1は炭素原子数1〜12の炭化水素基、例えばアルキル基、シクロアルキル基またはアリ−ル基であるが、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
【0110】
このような有機アルミニウム化合物(d)としては、具体的に、以下のような化合物が挙げられる。
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;
イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド;
メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;
メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライド;
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなど。
【0111】
また有機アルミニウム化合物(d)として、下記一般式(16)で表される化合物を挙げることもできる。
R1 nAlY3-n …(16)
(式(16)中、R1 は上記と同様であり、Yは−OR2基、−OSiR3 3基、−OAlR4 2基、−NR5 2基、−SiR6 3基または−N(R7)AlR8 2基であり、nは1〜2であり、R2、R3、R4およびR8はメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、R5は水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、R6 およびR7 はメチル基、エチル基などである。)このような有機アルミニウム化合物として具体的には、以下のような化合物が挙げられる。
(1)R1 nAl(OR2)3-n で表される化合物、例えばジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシドなど、
(2)R1 nAl(OSiR3 3)3-nで表される化合物、例えばEt2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2Al(OSiEt3)など;
(3)R1 nAl(OAlR4 2)3-nで表される化合物、例えばEt2AlOAlEt2 、(iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2 など;
(4) R1 nAl(NR5 2)3-n で表される化合物、例えばMe2AlNEt2 、Et2AlNHMe、Me2AlNHEt、Et2AlN(SiMe3)2、(iso-Bu)2AlN(SiMe3)2 など;
(5)R1 nAl(SiR6 3)3-n で表される化合物、例えば(iso-Bu)2AlSiMe3 など;
(6)R1 nAl(N(R7)AlR8 2)3-n で表される化合物、例えばEt2AlN(Me)AlEt2 、(iso-Bu)2AlN(Et)Al(iso-Bu)2 など。
【0112】
上記一般式(15)および(16)で表される有機アルミニウム化合物の中では、一般式R13Al、R1 nAl(OR2)3-n 、R1 nAl(OAlR4 2)3-n で表わされる化合物が好ましく、特にRがイソアルキル基であり、n=2である化合物が好ましい。
エチレン・α - オレフィン共重合体(A)の共重合
本発明では、上記のようなメタロセン化合物(a)と、有機アルミニウムオキシ化合物(b)および/またはイオン化イオン性化合物(c)と、必要に応じて有機アルミニウム化合物(d)とから形成される触媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数4〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンとを、通常液相で共重合させる。この際、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、α-オレフィンを溶媒として用いてもよい。
【0113】
この共重合は、バッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。共重合をバッチ法で実施するに際しては、前記触媒成分は以下のような濃度で用いられる。
メタロセン化合物(a)と有機アルミニウムオキシ化合物(b)またはイオン化イオン性化合物(c)とからなるメタロセン系触媒が用いられる場合には、重合系内のメタロセン化合物(a)の濃度は、通常0.00005〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/リットルである。また有機アルミニウムオキシ化合物(b)は、重合系内のメタロセン化合物中の遷移金属に対するアルミニウム原子のモル比(Al/遷移金属)で、1〜10000、好ましくは10〜5000の量で供給される。
【0114】
イオン化イオン性化合物(c)の場合は、重合系内のメタロセン化合物(a)に対するイオン化イオン性化合物(c)のモル比(イオン化イオン性化合物(c)/メタロセン化合物(a))で、0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給される。
また有機アルミニウム化合物を用いる場合には、通常約0〜5ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは約0〜2ミリモル/リットルとなるような量で用いられる。
【0115】
共重合反応は、通常、反応温度が−20〜+150℃、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは0〜100℃で、圧力が0を超えて7.8MPa(80kgf/cm2、ゲージ圧)以下、好ましくは0を超えて4.9MPa(50kgf/cm2、ゲージ圧)以下の条件下に行われる。
エチレンおよび炭素原子数4〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンは、上記特定組成のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)が得られるような量で重合系に供給される。共重合に際しては、水素などの分子量調節剤を用いることもできる。
【0116】
上記のようにしてエチレンと、炭素原子数4〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンとを共重合させると、通常エチレン・α-オレフィン共重合体(A)を含む重合液として得られる。この重合液は、常法により処理され、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)が得られる。
エチレン共重合体(B)
本発明で用いられるエチレン共重合体(B)は、エチレンと、炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンおよび環状オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体である。
【0117】
炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンとしては、具体的に、プロペン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン1-オクテン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。これらのうち、プロペン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンが好ましく使用される。
【0118】
環状オレフィンとしては、下記一般式(17)または(18)で表される環状オレフィンが挙げられる。
【0119】
【化12】
【0120】
上記一般式(17)において、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、kは0または1である。なおkが1の場合には、kを用いて表される環は6員環となり、kが0の場合にはこの環は5員環となる。
R1〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基である。ここで、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。
【0121】
さらに上記一般式(17)において、R15とR16とが、R17とR18とが、R15とR17とが、R16とR18とが、R15とR18とが、あるいはR16とR17とがそれぞれ結合して(互いに共同して)、単環または多環の基を形成していてもよく、しかもこのようにして形成された単環または多環が二重結合を有していてもよい。
【0122】
【化13】
【0123】
上記一般式(18)において、pおよびqはそれぞれ独立に、0または正の整数であり、rおよびsはそれぞれ独立に、0、1または2である。また、R21〜R39はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基またはアルコキシ基である。
ここでハロゲン原子は、上記一般式(17)中のハロゲン原子と同じである。また炭化水素基としては、通常、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または芳香族炭化水素基が挙げられる。より具体的には、炭素原子数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基などが挙げられる。これらアルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0124】
シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、アリール基、アラルキル基などが挙げられ、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。ここで、R29およびR30が結合している炭素原子と、R33が結合している炭素原子またはR31が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわち、上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合している場合には、R29とR33とが、または、R30とR31とが互いに共同して、メチレン基(-CH2-)、エチレン基(-CH2CH2-)またはプロピレン基(-CH2CH2CH2-)の内のいずれかのアルキレン基を形成している。
【0125】
さらに、r=s=0のとき、R35とR32またはR35とR39とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。
上記のような一般式(17)または(18)で表される環状オレフィンとしては、具体的には、ビシクロ-2-ヘプテン誘導体(ビシクロヘプト-2-エン誘導体)、トリシクロ-3-デセン誘導体、トリシクロ-3-ウンデセン誘導体、テトラシクロ-3-ドデセン誘導体、ペンタシクロ-4-ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、ペンタシクロ-3-ペンタデセン誘導体、ペンタシクロ-3-ヘキサデセン誘導体、ペンタシクロ-4-ヘキサデセン誘導体、ヘキサシクロ-4-ヘプタデセン誘導体、ヘプタシクロ-5-エイコセン誘導体、ヘプタシクロ-4-エイコセン誘導体、ヘプタシクロ-5-ヘンエイコセン誘導体、オクタシクロ-5-ドコセン誘導体、ノナシクロ-5-ペンタコセン誘導体、ノナシクロ-6-ヘキサコセン誘導体、シクロペンタジエン-アセナフチレン付加物、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレン誘導体、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒドロアントラセン誘導体などが挙げられる。
【0126】
(i)エチレン共重合体(B)は、エチレンから誘導される構成単位の含量が80〜87モル%であり、82〜85モル%であることが好ましく、炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンおよび環状オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから誘導される構成単位の含量が13〜20モル%であり、さらには15〜18モル%であることが好ましい。エチレン単位含量およびオレフィン単位含量が上記範囲内にあると、対ブロッキング性に優れた組成物を得ることができる。
【0127】
(ii)エチレン共重合体(B)は、密度が0.860〜0.884g/cm3、好ましくは0.860〜0.880g/cm3、さらに好ましくは0.865〜0.875g/cm3の範囲にある。
エチレン共重合体(B)の密度が、このような範囲にあると、樹脂改質剤として、たとえばポリプロピレンなどの樹脂に配合したときに剛性と耐衝撃性とのバランスに優れた組成物を得ることできる。この範囲を越えると、衝撃強度が低下することがあり、また、樹脂組成物が硬くなることがある。
(iii)エチレン共重合体(B)の190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートは、0.3〜50g/10分、好ましくは0.5〜20g/10分の範囲にある。メルトフローレートが上記範囲内にあると、流動性に優れた組成物を得ることができる。
【0128】
エチレン共重合体(B)の製造方法
このようなエチレン共重合体(B)は、バナジウム系触媒、メタロセン系触媒等、いずれを用いてもよく特に限定されるものではないが、例えば前述のメタロセン系触媒の存在下にエチレンと、炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンおよび環状オレフィンとからなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物とを共重合させることによって製造することができる。好ましいメタロセン系触媒としては、たとえば、以下のような化合物が挙げられる。
【0129】
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチル-n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキシクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムブトキシクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムベンジルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムフェニルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムハイドライドクロリドなど。なお、上記例示において、シクロペンタジエニル環の二置換体は1,2-および1,3-置換体を含む。また本発明では、上記のようなジルコニウム化合物において、ジルコニウム金属を、チタン金属またはハフニウム金属に置き換えたメタロセン化合物を用いることができる。
【0130】
エチレン共重合体(C)
本発明で用いられるエチレン共重合体(C)は、エチレンと、炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンまたは環状オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1つ化合物との共重合体である。
α-オレフィンとして具体的には、上記エチレン共重合体(B)の項で例示したようなα-オレフィンなどが挙げられる。これらのうち、プロペン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンが好ましく使用される。
【0131】
環状オレフィンとしては、上記一般式(17)または(18)で表される環状オレフィンが挙げられる。
(i)エチレン共重合体(C)は、エチレンから誘導される構成単位の含量が89〜99モル%であり、さらには90〜98モル%であることが好ましく、炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンおよび環状オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンから誘導される構成単位の含量が1〜11モル%であり、さらには2〜12モル%であることが好ましい。エチレン単位含量およびオレフィン単位含量が上記範囲内にあると、対ブロッキング性に優れた組成物を得ることができる。
【0132】
(ii)エチレン共重合体(C)の密度は、0.885〜0.93g/cm3、好ましくは0.890〜0.925g/cm3、さらに好ましくは0.895〜0.920g/cm3の範囲にある。
エチレン共重合体(C)密度が、このような範囲にあると、樹脂改質剤として、たとえばポリプロピレンなどの樹脂に配合したときに剛性と耐衝撃性とのバランスに優れた組成物を得ることできる。この範囲を越えると、衝撃強度が低下することがあり、また、樹脂組成物が硬くなることがある。
(iii)エチレン共重合体(C)の190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートは、0.3〜50g/10分、好ましくは0.5〜20g/10分の範囲にある。メルトフローレートが上記範囲内にあると、流動性に優れた組成物を得ることができる。
(iv)エチレン共重合体(C)は、示差走査型熱量計(DSC)で測定した吸熱曲線における最大ピーク位置の温度(Tm(℃))と密度(d(g/cm3))とが、
で示される関係を満足している。
エチレン共重合体(C)Tmと密度とが、このような関係を満たすと、樹脂改質剤として、たとえばポリプロピレンなどの樹脂に配合したときに剛性と耐衝撃性とのバランスに優れた組成物を得ることができる。この範囲を超えると、耐撃強度が低下することがあり、また、樹脂組成物が硬くなることがある。
【0133】
さらにエチレン共重合体(C)は、室温における溶融張力(MT(g))と、190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR(g/10分))とが、
MT≦2.2×MFR−0.84
で示される関係を満足していることが望ましい。
MTとMFRとがこのような関係を満たすと、樹脂改質剤としてたとえばポリプロピレンなどの樹脂に配合したときに、剛性と耐衝撃性に優れとともに、外観(ウェルド、フローマーク等)にも優れた組成物が得られる。
【0134】
さらにエチレン共重合体(C)は、室温におけるn-デカン可溶成分量分率(W(重量%))と密度(d(g/cm3))とが、
MFR≦10g/10分のとき、
で示される関係を満たし、
MFR>10g/10分のとき、
W<80×(MFR−9)0.26×exp(−100(d−0.88))+0.1
で示される関係を満たしていることがより好ましい。
【0135】
エチレン共重合体(C)の製造方法
このようなエチレン共重合体(C)は、バナジウム系触媒、メタロセン系触媒等、いずれを用いてもよく特に限定されるものではないが、例えば前述のメタロセン系触媒の存在下にエチレンと、炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンおよび環状オレフィンとからなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物とを共重合させることによって製造することができる。好ましいメタロセン系触媒としては、たとえば、上記エチレン共重合体(B)の製造方法の項で例示したような化合物が挙げられる。
【0136】
組成物
本発明に係るエチレン共重合体組成物は、
エチレン・α-オレフィン共重合体(A)を30〜70重量%、好ましくは30〜60重量%、より好ましくは30〜50重量%、
エチレン共重合体(B)を1〜69重量%、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%、
エチレン共重合体(C)を1〜69重量%、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%とからなる。(なお、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)とエチレン共重合体(B)とエチレン共重合体(C)との合計は100重量%である。)
エチレン共重合体組成物は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)と、エチレン共重合体(B)と、エチレン共重合体(C)とを例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスなどのインターナルミキサー類による混合法などの従来公知の方法で混練することにより製造することができる。
【0137】
このような本発明のエチレン共重合体組成物は、熱可塑性樹脂の耐衝撃性および剛性の改質剤として有用である。このような熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコールなどを例示することができる。なお、極性基含有熱可塑性樹脂を改質する場合には、本発明に係るエチレン共重合体組成物を不飽和カルボン酸によりグラフト変性してもよい。
【0138】
本発明に係るエチレン共重合体組成物を改質剤として用いて、ポリプロピレンなどの樹脂を改質するには、上記エチレン共重合体組成物から、押出成形または射出成形などにより、ペレットを成形し、このペレットを改質しようとする樹脂に溶融ブレンドすればよい。
本発明に係るエチレン共重合体組成物を改質剤として用いる際には、押し出し機などの連続的に混練・排出する装置を使用することが好ましい。混練は排出しようとする樹脂の融点または軟化点以上、かつ400℃以下で行うことが望ましい。
【0139】
本発明に係るエチレン共重合体組成物を改質剤として用いると、ポリプロピレン樹脂などの樹脂の剛性を保ったまま、特に低温での耐衝撃性や引張伸び強度を改質することができる。
樹脂の改質方法
本発明に係るエチレン共重合体組成物を用いて樹脂を改質するには、前記エチレン共重合体組成物からなるペレットを改質しようとする樹脂と溶融ブレンドすればよい。このような改質方法によれば、熱可塑性樹脂の改質に際して、ブロッキングなどが起こることなく、剛性と破断点強度・耐衝撃強度のバランスに優れた樹脂組成物を得ることが可能であり、このため、このような改質方法は、改質熱可塑性樹脂の生産性および操作性に優れる。
【0140】
[プロピレン重合体組成物]
本発明に係るプロピレン重合体組成物は、プロピレン重合体(D)と、前記エチレン・α-オレフィン共重合体(A)と、前記エチレン・α-オレフィン共重合体(B)と、前記エチレン系共重合体(C)とからなる組成物である。
プロピレン重合体(D)
プロピレン重合体(D)は、プロピレンの単独重合体、またはプロピレンとエチレンまたは炭素原子数が4〜20のα-オレフィンとの共重合体である。炭素原子数が4〜20のα-オレフィンとしては、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。これらのα-オレフィンは1種単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。これらのα-オレフィンは、プロピレンとランダム共重合体を形成してもよく、また、ブロック共重合体を形成してもよい。
【0141】
本発明では、プロピレン単独重合体、エチレン含量が2〜40モル%の結晶性プロピレン・エチレンブロック共重合体、エチレン含量が0.5〜10モル%の結晶性プロピレン・エチレンランダム共重合体が好ましい。
プロピレン重合体(D)の密度は、通常0.885〜0.910g/cm3、好ましくは0.890〜0.910g/cm3、より好ましくは0.895〜0.910g/cm3の範囲にあることが望ましい。
【0142】
プロピレン重合体(D)の屈折率は、通常1.490〜1.510、好ましくは1.495〜1.510、より好ましくは1.500〜1.510の範囲にある。
プロピレン重合体(D)は、230℃、2.16kg荷重で測定したMFRが0.01g/10分以上、好ましくは0.5〜200g/10分、さらに好ましくは1〜200g/10分の範囲にあることが望ましい。
【0143】
プロピレン重合体(D)のMFRが0.01g/10分以上であると、重合体自身の剛性を保ったまま、特に破断点強度や低温での耐衝撃性が改質された組成物を得ることができる。
このような特性を有するプロピレン重合体(D)は、種々の方法により製造することができるが、たとえば、固体状チタン触媒成分と有機金属化合物触媒成分とから形成される触媒、もしくはこれら両成分および電子供与体から形成される高活性チタン触媒、またはメタロセン化合物とアルミノキサンとから形成される触媒、またはこれらの触媒を混合した触媒を用いて製造することができる。また、プロピレン重合体(D)がブロック共重合体である場合には、多段重合時に、各段ごとに前記触媒から選ばれる異なった触媒を用いて製造することもできる。
【0144】
組成物
本発明に係るプロピレン重合体組成物は、
プロピレン重合体(D)を、98〜60重量%、好ましくは95〜65重量%、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)、エチレン共重合体(B)およびエチレン共重合体(C)を合計量で、2〜40重量%、好ましくは5〜35重量%の割合で含有する。
【0145】
また、本発明に係るプロピレン重合体組成物は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)、エチレン共重合体(B)およびエチレン共重合体(C)の合計量を100重量%としたときに、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)を30〜70重量%、好ましくは30〜60重量%、より好ましくは30〜50重量%、エチレン共重合体(B)を1〜69重量%、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%、エチレン共重合体(C)を1〜69重量%、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%、の割合で含有する
このようなプロピレン重合体組成物は、弾性率の温度依存性を3℃毎に測定しプロットしたとき、プロピレン重合体(D)のガラス転移温度に起因する減衰率(tan δ)のピークと、エチレン共重合体組成物(エチレン・α-オレフィン共重合体(A)とエチレン共重合体(B)とエチレン共重合体(C)との組成物)のガラス転移温度に起因する減衰率(tan δ)のピークとが存在し、かつ両ピークが分離している、すなわちエチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来するピーク、エチレン共重合体(B)に由来するピーク、エチレン共重合体(C)に由来するピークがいずれもプロピレン重合体(D)に由来するピークと分離していることが好ましい。なお、明確に2つのピークが現れる場合、すなわち2つのピークの最高点同士の間に鞍部が存在する場合を「分離している」と判定する。このような「分離している」2つのピークを有するプロピレン系重合体組成物は、耐衝撃性および剛性がともに優れている。
【0146】
なお、このような明確に2つのピークが現れずに、ピークが「融合している」場合、このようなプロピレン重合体組成物は、耐衝撃性および剛性が低下することがある。
このようなプロピレン重合体(D)を用いると、剛性と引張破断点伸びおよび/または低温衝撃性のバランスが優れ、しかも流動性に優れたプロピレン系重合体組成物を得ることができる。
【0147】
プロピレン重合体組成物の調製
本発明に係るプロピレン樹脂組成物の調製法としては特に制限はなく、前記プロピレン重合体(D)、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)、エチレン共重合体(B)およびエチレン共重合体(C)を一括して混練することが可能であり、また、プロピレン系重合体(D)と、前記したエチレン共重合体組成物とを、バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスなどのインターナルミキサー類による混合法等等の従来公知の方法で混練することにより製造することができる。本発明では、後者のほうが作業性の点から好ましい。
【0148】
なお、本発明に係るプロピレン重合体組成物の調製では、本発明の目的を損なわない範囲内で、スチレン系熱可塑性エラストマーを入れてもよい。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン類と共役ジエン化合物のブロック共重合体が挙げられる。
このスチレン類としては、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-t-ブチルスチレンまどのアルキルスチレン、p-メトキシスチレン、ビニルナフタレンおよびこれらの組合せなどが挙げられる。これらのうち、スチレンが好ましい。
【0149】
共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、メチルペンタジエン、フェニルブタジエン、3,4-ジメチル-1,3-ヘキサジエン、4,5-ジエチル-1,3-オクタジエンおよびこれらの組合せなどが挙げられる。これらの中でもブタジエン、イソプレンが好ましい。
このようなスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、具体的に、スチレン・ブタジエンジブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレントリブロック共重合体、スチレン・イソプレンジブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック共重合体、スチレン・ブタジエンジブロック共重合体の水素添加物、スチレン・ブタジエン・スチレントリブロック共重合体の水素添加物、スチレン・イソプレンジブロック共重合体の水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック共重合体の水素添加物を挙げることができる。
【0150】
本発明では、スチレン系化合物から導かれる構成単位と共役ジエン化合物から導かれる構成単位の重量比が、10/90〜65/35、好ましくは20/80〜50/50であるスチレン系熱可塑性エラストマーを用いることが望ましい。
なお、このスチレン系熱可塑性エラストマーの分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状またはこれらの組合せなどいずれであってもよい。また、本発明では、上記エチレン・α-オレフィン共重合体(A)、エチレン共重合体(B)、エチレン共重合体(C)およびプロピレン重合体(D)以外に、核剤、酸化防止剤、塩酸吸収剤、軟化剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、老化防止剤、加工助剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、分散剤、銅害防止剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、気泡防止剤、架橋剤、過酸化物などの流れ性改良剤、ウェルド強度改良剤、防曇剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。また、タルク、ガラス繊維などの公知の無機充填剤を配合しても良い。この場合、無機充填剤は、プロピレン重合体組成物100重量部に対して、1〜40重量部配合されていることが好ましい。
【0151】
本発明に係るプロピレン重合体組成物は、押出成形、射出成形、インフレーション成形、カレンダー成形などの成形方法により、フィルム、シート、パイプなどの各種成形体に成形することができる。得られた成形体は、歪み回復性などにも優れている。
【0152】
【発明の効果】
本発明のエチレン共重合体組成物は、特定のエチレン・α-オレフィン共重合体と、特定のエチレン共重合体とからなるため、熱可塑性樹脂、特にポリプロピレンの改質剤として使用すると、樹脂の剛性と破断点強度・耐衝撃強度のバランスを向上させることが可能であり、さらに改質の際に、ブロッキングなどをおこさないため、作業性がよい。
【0153】
本発明に係る樹脂の改質方法では、上記のようなエチレン・α-オレフィン共重合体組成物を改質剤として用いているので、熱可塑性樹脂の改質に際して、ブロッキングなどが起こりにくく、操作性、改質熱可塑性樹脂の生産性に優れる。
本発明のプロピレン重合体組成物は、特定のエチレン・α-オレフィン共重合体と特定のエチレン共重合体とを含有しているため、樹脂の剛性と破断点強度・耐衝撃強度のバランスに優れる。
【0154】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、各樹脂成分の物性は以下のようにして評価した。
[密度]
190℃、2.16kg荷重におけるMFR測定後のストランドを、120℃で1時間熱処理し、1時間かけて室温まで徐冷したのち、密度勾配管法により測定した。
[α-オレフィン含量、Tαβ/Tαα、B値]
13C−NMRスペクトルによって決定した。
[極限粘度[η]]
135℃、デカリン中で測定した。
[Mw/Mn]
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、オルトジクロロベンゼン溶媒で、140℃で測定した。
[MFR10/MFR2]
ASTM D-1238に準拠し、190℃における10kg荷重でのMFR10と、2.16kg荷重でのMFR2とを測定し、比を算出した。この比が大きいと、ポリマーの溶融時の流動性が優れていることを示し、すなわち加工性が高い。
[ガラス転移温度]
常温から30℃/分で200℃まで昇温した後、5分間保持し、10℃/分で−150℃まで降温し、次いで10℃/分で昇温する際の吸熱曲線から求めた。
[結晶化度]
DSC測定時の吸熱ピークから、単位重さ当たりの融解熱量を求め、これをポリエチレンの結晶の融解熱量70cal/gで除して求めた。
[溶融張力(MT)]
溶融したポリマーを一定速度で延伸したときの応力を測定することにより決定される。重合体の造粒ペレットを測定試料とし、東洋精機製作所製、MT測定器を用い、樹脂温度190℃、押出速度15mm/分、巻き取り速度10〜20m/分、ノズル径2.09mmφ、ノズル長さ8mmの条件で測定した。
[MFR]
ASTM D-1238に準拠し、所定の温度における2.16kg荷重でのMFRを測定した。
[軟化点(Tm)]
DSCの吸熱曲線を求め、最大ピーク位置の温度をTmとする。測定は、試料をアルミパンに詰め、10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持したのち、20℃/分で室温まで降温し、ついで10℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求めた。
【0155】
【製造例】
充分窒素置換した容量2リットルの撹拌機付きステンレス製オートクレーブに、23℃でヘキサン845mlを挿入した。このオートクレーブに、撹拌機を回し、かつ氷水で冷却しながら1-ブテンを155ミリリットル挿入した。次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、さらに、全圧が8kgとなるようにエチレンで加圧した。オートクレーブの内圧が8kgになったところで、トリイソブチルアルミニウムの1.0ミリモル/mlデカン溶液を1.0ml窒素で圧入した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で0.3ミリモル、rac-ジメチルシリレン-ビス[1-(2-メチル-4-フェニル-インデニル)]ジルコニウムジクロリドを0.001ミリモルの量で含むトルエン溶液0.3mlのトルエン溶液を、窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。
【0156】
その後30分間、オートクレーブを内温60℃になるように温度調整し、かつ圧力が8kgとなるように直接的にエチレンの供給を行った。重合開始30分後、オートクレーブにポンプでメタノール5mlを挿入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液に2リットルのアセトンを撹拌しながら注いだ。
【0157】
得られた溶媒を含むゴム鞠状の重合体を130℃、13時間、600torrで乾燥したところ、1-ブテンを39mmol含むエチレン・1-ブテン共重合体47gが得られた。
得られたエチレン・1-ブテン共重合体(A-1)の基本特性を表1に示す。
また、共重合体の組成が、表1に示すようになるように、モノマーの種類、仕込み量を変えたこと以外は同様にして、エチレン・α-オレフィン共重合体(A-2)〜(A-4)、エチレン共重合体(B-1)〜(B-2)、およびエチレン共重合体(C-1)〜(C-2)を得た。
【0158】
得られた共重合体(A-2)〜(A-4)、(B-1)〜(B-2)、および(C-1)〜C-2)の基本特性を表1に示す。
【0159】
【表1】
【0160】
【実施例1】
エチレン・1-ブテン共重合体(A-1)50重量%と、エチレン・1-ブテン共重合体(B-1)20重量%と、エチレン・1-ブテン共重合体(C-1)30重量%とを一軸押出機(サーモ20mmφ)を用いて、200℃で溶融混練し、ペレット化してエチレン共重合体組成物(E)を得た。
【0161】
得られたエチレン共重合体組成物(E)のペレットについて、ペレットブロッキング試験を行いブロッキング性の評価を行った。結果を表2に示す。
[ペレットブロッキング試験]
ポリエチレン製の袋にペレットを入れ、35℃に設定したオーブン内にて、100g/cm2荷重下で、72時間放置したのち、取り出しペレットのブロッキング状態を以下のように評価した。
【0162】
◎:ほとんどブロッキングなし
○:手で簡単にほぐすことができる
△:手で押してほぐすことができる
×:ペレットが融着し、ベール状になる
【0163】
【実施例2〜5】
表2に示すような配合で、実施例1と同様にしてエチレン共重合体組成物(F)ないし(I)を調製し、実施例1と同様にしてペレットブロッキング試験を行った。いずれもペレットブロッキングは起こりにくく、作業性は良好であった。結果を表2に示す。
【0164】
【比較例1〜2】
表2に示すような配合で、実施例1と同様にエチレン共重合体組成物(J)および(K)を調製し、ペレットブロッキング試験を行った。いずれもペレットブロッキングが発生し、作業性が悪かった。結果を表2に示す。
【0165】
【表2】
【0166】
【実施例6】
実施例1で得られたエチレン共重合体組成物(E)30重量%と、ホモポリプロピレン(D)(MFR:45g/10分)70重量%とに、安定剤としてステアリン酸カルシウムを0.1重量%、イルガノックス1010を0.1重量%、イルガノックス168を0.1重量%加え、二軸押出機を用いて200℃で溶融混練し、ペレタイザーにてペレット化した。
【0167】
得られたペレットを射出成形機を用いて、230℃にて射出成形し、下記に示す評価方法で、破断点強度、曲げ弾性率、耐衝撃強度、粘弾性を測定した。
結果を表3に示す。
[破断点強度(TS)]
ASTM D 638に準拠して室温で測定した。
[曲げ弾性率(FM)]
ASTM D 790に準拠して、所定条件で射出成形した厚さ2mmの試験片を用いて、スパン間32mm、曲げ速度5m/分の条件下で測定した。
[耐衝撃強度(IZ)]
ASTM D 256に準拠して、厚さ3mmの試験片(後ノッチ)を用いて、−30℃で測定した。
[粘弾性]
レオメトリックス社製のRDSIIを用いて62.5rad/secの周波数で−80〜50℃までの動的粘弾性の温度依存性を測定し、ポリプロピレン重合体(D)のガラス転移温度に起因する減衰率(tanδ)のピークと、エチレン・α-オレフィン共重合体組成物のガラス転移温度に起因する減衰率(tanδ)のピークとが分離しているか融合しているか判断した。
【0168】
【実施例7】
実施例2で得られたエチレン共重合体組成物(F)を使用したこと以外は実施例6と同様にして成形体を作製し、実施例6と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
【0169】
【実施例8】
実施例3で得られたエチレン共重合体組成物(G)を使用したこと以外は実施例6と同様にして成形体を作製し、実施例6と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
【0170】
【実施例9】
実施例4で得られたエチレン共重合体組成物(H)を使用したこと以外は実施例6と同様にして成形体を作製し、実施例6と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
【0171】
【実施例10】
実施例5で得られたエチレン共重合体組成物(I)を使用したこと以外は実施例6と同様にして成形体を作製し、実施例6と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
【0172】
【比較例3】
比較例1で得られたエチレン共重合体組成物(J)を使用したこと以外は実施例6と同様にして成形体を作製し、実施例6と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
【0173】
【比較例4】
比較例2で得られたエチレン共重合体組成物(K)を使用した以外は実施例6と同様にして成形体を作製し、実施例6と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
表3から明らかなように、実施例6〜10で得られたプロピレン重合体組成物は、得られた成形体は、破断点強度、曲げ弾性率および耐衝撃性のバランスに優れていた。
【0174】
【表3】
[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an ethylene copolymer composition useful as a modifier for resins such as polypropylene, a propylene polymer composition containing the ethylene copolymer composition, and a molded article comprising the composition.
[0002]
TECHNICAL BACKGROUND OF THE INVENTION
Conventionally, for the purpose of improving the impact resistance of a polypropylene resin, a technique of blending an elastomer such as an ethylene / propylene copolymer or an ethylene / butene copolymer as a modifier in the polypropylene resin is well known.
However, when the elastomer is blended with the polypropylene resin, the rigidity of the resin is lowered, so that the blending amount of the elastomer is limited. In addition, for example, a resin molded body such as a polypropylene resin molded body may require not only impact resistance at normal temperature but also impact resistance at low temperature. Low temperature impact does not necessarily match the impact resistance at normal temperature, and in order to increase such low temperature impact, it is conceivable to use soft rubber as a modifier, but such soft rubber If it is blended with polypropylene resin, the rigidity of the molded product will be impaired, and the same problem as described above will occur.
[0003]
Therefore, there is a demand for a modifier that can maintain a high balance between rigidity and impact resistance. On the other hand, the resin molded body as described above is required not to be destroyed in practical use. For this reason, resin molded products are required to have high strength at break and impact resistance while maintaining high rigidity, that is, resin modification that has a high balance between rigidity and elongation at break The appearance of the agent was sought.
[0004]
JP-A-6-192500 discloses that a composition having a good balance between rigidity and impact resistance is obtained by blending an ethylene / α-olefin copolymer having specific properties with a polypropylene polymer. Has been. However, this composition is insufficient in terms of the balance between rigidity and low-temperature impact strength, rigidity and tensile elongation characteristics, and improvement has been demanded.
[0005]
Further, when the resin is modified in this way, some of the resin modifiers may cause blocking at the kneader supply section, for example, a hopper, during the kneading, which deteriorates the productivity. In some cases, the properties of the obtained modified product are not constant.
For this reason, while maintaining the rigidity of resins such as polypropylene resin, especially the tensile elongation at break and impact resistance at low temperature are modified, and when using a modifier, problems such as blocking are unlikely to occur and production The appearance of a resin modifier excellent in workability and workability has been eagerly desired.
[0006]
In addition, the applicant of the present application discloses, as such a resin modifier, in JP-A-10-273563, a specific (A) ethylene and an α-olefin copolymer having 4 to 20 carbon atoms, and a specific A composition comprising (B) ethylene and an α-olefin copolymer having 3 to 20 carbon atoms or specific (C) high-density polyethylene is proposed. However, even when these compositions are used for modification, it is not always possible to obtain a resin composition having an excellent balance between impact resistance and flexural modulus.
[0007]
OBJECT OF THE INVENTION
The present invention is intended to solve the problems associated with the prior art as described above, and when used as a modifier, the rigidity of a resin such as polypropylene resin and the elongation at break at a particularly low temperature. An object of the present invention is to provide an ethylene copolymer composition that can improve impact resistance and is less susceptible to problems such as blocking when used as a modifier, and is excellent in productivity and workability.
[0008]
Moreover, this invention aims at providing the propylene polymer composition containing the above ethylene copolymer compositions, and a molded object consisting thereof.
[0009]
SUMMARY OF THE INVENTION
The ethylene copolymer composition according to the present invention is:
(A) a copolymer of ethylene and a linear or branched α-olefin having 4 to 20 carbon atoms,
(I) The content of structural units derived from ethylene is 50 to 70 mol%, and the content of structural units derived from linear or branched α-olefins having 4 to 20 carbon atoms is 30 to 50 mol% In the range of
(Ii) Density is 0.863 g / cmThreeAnd
(Iii) The intrinsic viscosity [η] measured in 135 ° C. decalin is in the range of 0.1 to 10.0 dl / g,
(Iv) The glass transition temperature measured with a differential scanning calorimeter is −60 ° C. or lower, and the crystallinity is 1% or lower,
(V)13The intensity ratio of Tαβ to Tαα in the C-NMR spectrum (Tαβ / Tαα) is 0.5 or less,
(Vi) The following general formula (1)
B value = [POE] / (2 ・ [PE] [PO]) ... (1)
(Where [PE] Is the mole fraction of structural units derived from ethylene in the copolymer, [PO] Is the mole fraction of constituent units derived from α-olefin in the copolymer, [POE] Is the ratio of the number of ethylene / α-olefin chains to the total dyad chains in the copolymer,13Determined by C-NMR spectrum. )
An ethylene / α-olefin copolymer having a B value in the range of 0.9 to 1.5;
(B) a copolymer of ethylene and at least one olefin selected from the group consisting of a linear or branched α-olefin having 3 to 20 carbon atoms and a cyclic olefin,
(I) The content of structural units derived from ethylene is 80 to 87 mol%, and the content of structural units derived from linear or branched α-olefins having 3 to 20 carbon atoms and cyclic olefins is 13 to In the range of 20 mol%
(Ii) Density is 0.860 to 0.884 g / cmThreeIn the range of
(Iii) an ethylene copolymer having a melt flow rate in the range of 0.3 to 50 g / 10 min at 190 ° C. and a load of 2.16 kg;
(C) a copolymer of ethylene and at least one olefin selected from the group consisting of linear or branched α-olefins having 3 to 20 carbon atoms and cyclic olefins,
(I) The content of structural units derived from ethylene is 89 to 99 mol%, and the content of structural units derived from linear or branched α-olefins having 3 to 20 carbon atoms and cyclic olefins is 1 to In the range of 11 mol%,
(Ii) Density is 0.885 to 0.930 g / cmThreeIn the range of
(Iii) The melt flow rate at 190 ° C. and a load of 2.16 kg is in the range of 0.3 to 50 g / 10 minutes,
(Iv) Temperature (Tm (° C.)) and density (d (g / cm) of the maximum peak position in the endothermic curve measured with a differential scanning calorimeterThree))
Tm <400 × d−250
An ethylene copolymer satisfying the relationship represented by
The ethylene / α-olefin copolymer (A) is 30 to 70% by weight, the ethylene copolymer (B) is 1 to 69% by weight, and the ethylene copolymer (C) is 1 to 69% by weight. % Content.
[0010]
The resin modifier according to the present invention is characterized by comprising the above-mentioned ethylene copolymer composition.
The propylene polymer composition according to the present invention comprises a propylene polymer (D), the ethylene / α-olefin copolymer (A), the ethylene copolymer (B), and the ethylene copolymer (C )
The propylene-based polymer (D) is contained in a proportion of 98 to 60% by weight, and the ethylene / α-olefin copolymer (A), the ethylene copolymer (B) and the ethylene copolymer (C) are 2 in total. When the total amount of the ethylene / α-olefin copolymer (A), the ethylene copolymer (B) and the ethylene copolymer (C) is 100% by weight, 30 to 70% by weight of ethylene / α-olefin copolymer (A), 1 to 69% by weight of ethylene copolymer (B) and 1 to 69% by weight of ethylene copolymer (C) It is characterized by that.
[0011]
The propylene polymer (D) preferably has a melt flow rate of 0.01 g / 10 min or more at 230 ° C. and a load of 2.16 kg.
When the temperature dependence of the elastic modulus is measured, the propylene polymer composition according to the present invention has an attenuation coefficient peak due to the glass transition temperature of the propylene polymer (D), and an ethylene copolymer composition (ethylene・ There is a peak of decay rate due to glass transition temperature of α-olefin copolymer (A), ethylene, α-olefin copolymer (B) and ethylene copolymer (C)) In addition, it is preferable that both peaks are separated.
[0012]
The molded body according to the present invention is characterized by comprising the propylene polymer composition.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the ethylene copolymer composition and its use according to the present invention, and the propylene polymer composition and a molded body comprising the same will be specifically described.
[Ethylene copolymer composition]
The ethylene copolymer composition according to the present invention is formed of an ethylene / α-olefin copolymer (A), an ethylene copolymer (B), and an ethylene copolymer (C).
[0014]
First, each component constituting the ethylene copolymer composition according to the present invention will be described.
Ethylene / α-olefin copolymer (A)
The ethylene / α-olefin copolymer (A) used in the present invention is a copolymer of ethylene and a linear or branched α-olefin having 4 to 20 carbon atoms.
[0015]
Specific examples of the α-olefin having 4 to 20 carbon atoms include 1-butene, 1-pentene, 1-hexene, 3-methyl-1-butene, 3-methyl-1-pentene, 3-ethyl-1 -Pentene, 4-methyl-1-pentene, 4-methyl-1-hexene, 4,4-dimethyl-1-pentene, 4-ethyl-one 1-octene, 3-ethyl-1-hexene, 1-octene, Examples include 1-decene, 1-dodecene, 1-tetradecene, 1-hexadecene, 1-octadecene, 1-eicosene and the like. Of these, 1-butene, 1-hexene and 1-octene are preferred.
[0016]
(I) The ethylene / α-olefin copolymer (A) contains 50 to 70 mol%, preferably 55 to 68 mol% of a structural unit derived from ethylene, and a linear or branched chain having 4 to 20 carbon atoms. The structural unit derived from the α-olefin in the form of 30 to 50 mol%, preferably 32 to 45 mol%. When the content ratio of each constituent unit is within the above range, a composition having excellent blocking resistance can be obtained.
[0017]
(Ii) The ethylene / α-olefin copolymer (A) has a density of 0.863 g / cm.ThreeOr less, preferably 0.855 to 0.860 g / cmThreeIt is in the range. When the density is within the above range, a composition excellent in blocking resistance can be obtained.
(Iii) The ethylene / α-olefin copolymer (A) has an intrinsic viscosity [η] measured in decalin of 135 ° C. of 0.1 to 10.0 dl / g, preferably 1 to 8 dl / g. Preferably it exists in the range of 2-7 dl / g. When the intrinsic viscosity [η] is within the above range, a composition having excellent surface hardness can be obtained.
[0018]
(Iv) The ethylene / α-olefin copolymer (A) has a glass transition temperature measured by a differential scanning calorimeter (DSC) of −60 ° C. or lower, preferably −80 to −60 ° C., and crystallinity. Is 1% or less, preferably 0 to 0.5% or less. When the glass transition temperature and the crystallinity are within the above ranges, a composition having excellent low-temperature impact properties can be obtained.
[0019]
(V) The ethylene / α-olefin copolymer (A)13The intensity ratio of Tαβ to Tαα (Tαβ / Tαα) in the C-NMR spectrum is 0.5 or less, preferably 0.2 or less, more preferably less than 0.01.
here13Tαα and Tαβ in the C-NMR spectrum are CH in a structural unit derived from an α-olefin having 4 or more carbon atoms.2As shown below, two types of CH with different positions relative to the tertiary carbon are shown.2Means.
[0020]
[Chemical 1]
[0021]
Such a Tαβ / Tαα intensity ratio is obtained as follows.
Of ethylene / α-olefin copolymer (A)13The C-NMR spectrum is measured using, for example, a JEOL-GX270 NMR measuring apparatus manufactured by JEOL Ltd. The measurement is based on 67.8 MHz, 25 ° C., d6-benzene (128 ppm) using a mixed solution of hexachlorobutadiene / d6-benzene = 2/1 (volume ratio) adjusted to a sample concentration of 5% by weight. To do. Measured13The C-NMR spectrum is analyzed according to the proposal of Lindeman Adams (Analysis Chemistry 43, p1245 (1971)), J. C. Randall (Review Macromolecular Chemistry Physics, C29, 201 (1989)) to obtain the Tαβ / Tαα intensity ratio.
[0022]
(Vi) The ethylene / α-olefin copolymer (A) has a B value represented by the following general formula (1) in the range of 0.9 to 1.5, preferably 1.0 to 1.2. is there.
B value = [POE] / (2 ・ [PE] [PO]) ... (1)
(Where [PE] Is the mole fraction of structural units derived from ethylene in the copolymer, [PO] Is the mole fraction of constituent units derived from α-olefin in the copolymer, [POE] Is the ratio of the number of ethylene / α-olefin chains to the total dyad chains in the copolymer,13Determined by C-NMR spectrum. )
This B value is an index representing the distribution state of ethylene and the α-olefin having 4 to 20 carbon atoms in the ethylene / α-olefin copolymer (A). JCRandall (Macromolecules, 15, 353 (1982 )), J.Ray (Macromolecules, 10, 773 (1977)) et al.
[0023]
The larger the B value, the shorter the block chain of ethylene or α-olefin, the more uniform the distribution of ethylene and α-olefin, and the narrower the composition distribution of the copolymer rubber. In addition, as the B value becomes smaller than 1.0, the composition distribution of the ethylene / α-olefin copolymer becomes wider, and the handleability may be lowered.
[0024]
Ethylene ・ α - Process for producing olefin copolymer (A)
Such an ethylene / α-olefin copolymer (A) is produced by copolymerizing ethylene and a linear or branched α-olefin having 4 to 20 carbon atoms in the presence of a metallocene catalyst. can do.
Such metallocene catalysts are
(A) a metallocene compound;
(B) Organoaluminum oxy compound
And / or
(C) a compound that reacts with the metallocene compound (a) to form an ion pair (hereinafter sometimes referred to as “ionized ionic compound”).
It may be formed from the organoaluminum compound (d) together with the metallocene compound (a), the organoaluminum oxy compound (b) and / or the ionized ionic compound (c).
[0025]
Each of these components will be described below.
(A) Metallocene compound
The metallocene compound (a) forming the metallocene catalyst used in the present invention is a transition metal metallocene compound selected from Group 4 of the periodic table, and is specifically represented by the following general formula (2).
[0026]
MLx ... (2)
In the general formula (2), M represents a transition metal selected from Group 4 of the periodic table, and specific examples of the transition metal represented by M include zirconium, titanium, hafnium, and the like.
x is a number satisfying the valence of the transition metal M.
[0027]
L is a ligand coordinated to the transition metal M, and at least one of the ligands L is a ligand having a cyclopentadienyl skeleton. The ligand having a cyclopentadienyl skeleton may have a substituent.
Examples of the ligand L having a cyclopentadienyl skeleton include a cyclopentadienyl group, a methylcyclopentadienyl group, an ethylcyclopentadienyl group, an n- or i-propylcyclopentadienyl group, n-, alkyl such as i-, sec-, t-, butylcyclopentadienyl group, dimethylcyclopentadienyl group, methylpropylcyclopentadienyl group, methylbutylcyclopentadienyl group, methylbenzylcyclopentadienyl group or the like A cycloalkyl-substituted cyclopentadienyl group; an indenyl group, a 4,5,6,7-tetrahydroindenyl group, a fluorenyl group, and the like.
[0028]
The group having a cyclopentadienyl skeleton may be substituted with a halogen atom or a trialkylsilyl group.
When the compound represented by the general formula (2) has two or more groups having a cyclopentadienyl skeleton as the ligand L, the groups having two cyclopentadienyl skeletons are ethylene, An alkylene group such as propylene; a substituted alkylene group such as isopropylidene and diphenylmethylene; and a substituted silylene group such as a silylene group or a dimethylsilylene group, a diphenylsilylene group, and a methylphenylsilylene group may be bonded.
[0029]
Examples of ligands other than ligands having a cyclopentadienyl skeleton (ligands having no cyclopentadienyl skeleton) L include hydrocarbon groups having 1 to 12 carbon atoms, alkoxy groups, aryloxy groups, sulfones. Acid-containing group (-SOThreeRa), Halogen atoms or hydrogen atoms (where RaAre an alkyl group, an alkyl group substituted with a halogen atom, an aryl group, an aryl group substituted with a halogen atom, an aryl group substituted with an alkyl group, and the like. ) And the like.
[0030]
Examples of the hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms include an alkyl group, a cycloalkyl group, an aryl group, and an aralkyl group.
Specifically, methyl group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-butyl group, isobutyl group, sec-butyl group, t-butyl group, pentyl group, hexyl group, octyl group, decyl group, dodecyl group An alkyl group such as a group; a cycloalkyl group such as a cyclopentyl group and a cyclohexyl group;
An aryl group such as a phenyl group or a tolyl group; an aralkyl group such as a benzyl group or a neophyll group can be used.
[0031]
Examples of the alkoxy group include a methoxy group, an ethoxy group, and an n-propoxy group.
Examples of the aryloxy group include a phenoxy group.
Sulfonic acid-containing groups (-SOThreeRa) Include a methane sulfonate group, a p-toluene sulfonate group, a trifluoromethane sulfonate group, a p-chlorobenzene sulfonate group, and the like.
[0032]
Examples of the halogen atom include fluorine, chlorine, bromine and iodine.
The metallocene compound represented by the general formula (2) is more specifically represented by the following general formula (3) when the valence of the transition metal is 4, for example.
R2 kRThree lRFour mRFive nM (3)
(In general formula (3), M is the same transition metal as in general formula (2), and R2Is a group (ligand) having a cyclopentadienyl skeleton, and RThree, RFourAnd RFiveEach independently represents a group (ligand) having or not having a cyclopentadienyl skeleton, and k is an integer of 1 or more and k + l + m + n = 4. )
Examples of such metallocene compounds (a) include bis (cyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (methylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (ethylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (n-propylcyclo). Pentadienyl) zirconium dichloride, bis (n-butylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (n-hexylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (methyl-n-propylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis ( Methyl-n-butylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (dimethyl-n-butylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (n-butylcyclopentadienyl) zirconium dibromide, bis (n- Butylcyclopentadienyl) zirconium methoxychloride, bis (n-butylcyclopentadienyl) zirconium ethoxy chloride, bis (n-butylcyclopentadienyl) zirconium butoxychloride, bis (n-butylcyclopentadienyl) zirconium ethoxy Bis (n-butylcyclopentadienyl) zirconium methyl chloride, bis (n-butylcyclopentadienyl) zirconium dimethyl, bis (n-butylcyclopentadienyl) zirconium benzyl chloride, bis (n-butylcyclopenta And dienyl) zirconium dibenzyl, bis (n-butylcyclopentadienyl) zirconium phenyl chloride, bis (n-butylcyclopentadienyl) zirconium hydride chloride, and the like. In the above examples, the disubstituted products of the cyclopentadienyl ring include 1,2- and 1,3-substituted products.
[0033]
The metallocene compound (a) which replaced the zirconium metal in the above zirconium compounds with the titanium metal or the hafnium metal can be illustrated.
Furthermore, as the metallocene compound (a), R in the general formula (3)2, RThree, RFourAnd RFiveAt least two of R, for example R2And RThreeIs a group (ligand) having a cyclopentadienyl skeleton, and at least two groups are bonded via an alkylene group, a substituted alkylene group, a silylene group, a substituted silylene group, or the like Can also be mentioned. At this time RFourAnd RFiveMay be the same as or different from each other, and are the same as the ligand L other than the ligand having a cyclopentadienyl skeleton described in the general formula (2).
[0034]
Examples of such bridge-type metallocene compounds (a) include ethylenebis (indenyl) dimethylzirconium, ethylenebis (indenyl) zirconium dichloride, isopropylidene (cyclopentadienyl-fluorenyl) zirconium dichloride, diphenylsilylenebis (indenyl) zirconium. Examples thereof include dichloride, methylphenylsilylenebis (indenyl) zirconium dichloride, and metallocene compounds described in JP-A-4-268307 represented by the following general formula (4).
[0035]
[Chemical 2]
[0036]
In the general formula (4), M1Is a metal belonging to Group 4 of the periodic table, and specifically includes titanium, zirconium, hafnium and the like.
In the general formula (4), R1And R2May be the same or different from each other, and are a hydrogen atom; an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, preferably 1 to 3 carbon atoms; an alkoxy group having 1 to 10 carbon atoms, preferably 1 to 3 carbon atoms; -10, preferably 6-8 aryl groups; 6-10 carbon atoms, preferably 6-8 aryloxy groups; 2-10 carbon atoms, preferably 2-4 alkenyl groups; 7-7 carbon atoms An arylalkyl group having 40, preferably 7 to 10; an alkylaryl group having 7 to 40, preferably 7 to 12 carbon atoms; an arylalkenyl group having 8 to 40, preferably 8 to 12 carbon atoms; or a halogen atom, Preferably it is selected from chlorine atoms.
[0037]
In the general formula (4), RThreeAnd RFourIs a hydrogen atom; a halogen atom, preferably a fluorine atom, a chlorine atom or a bromine atom; an optionally halogenated alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms; 6 to 10 carbon atoms, preferably Is an aryl group of 6 to 8;Ten)2, -SRTen, -OSi (RTen)Three, -Si (RTen)ThreeOr -P (RTen)2It is a group. R aboveTenIs selected from a halogen atom, preferably a chlorine atom; an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, preferably 1 to 3 carbon atoms; or an aryl group having 6 to 10 carbon atoms, preferably 6 to 8 carbon atoms. RThreeAnd RFourMay be the same or different from each other, and particularly preferably a hydrogen atom.
[0038]
In the general formula (4), RFiveAnd R6Is R excluding a hydrogen atomThreeAnd RFourExamples thereof are the same as those exemplified in the above. RFiveAnd R6May be the same or different from each other, preferably the same. RFiveAnd R6Is preferably an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms or a halogen-substituted alkyl group, specifically a methyl group, an ethyl group, a propyl group, an isopropyl group, a butyl group, an isobutyl group, or a trifluoromethyl group. A methyl group is particularly preferable.
[0039]
In the general formula (4), R7Is
[0040]
[Chemical Formula 3]
[0041]
-B (R11)-, -Al (R11)-, -Ge-, -Sn-, -O-, -S-, = SO, = SO2, -N (R11)-, = CO, -P (R11)-Or -P (O) (R11) −.
In the general formula (4), R11, R12And R13Is a hydrogen atom; a halogen atom; an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms, more preferably a methyl group; a fluoroalkyl group having 1 to 10 carbon atoms, preferably CFThreeAn aryl group having 6 to 10 carbon atoms, preferably 6 to 8 carbon atoms; a fluoroaryl group having 6 to 10 carbon atoms, preferably a pentafluorophenyl group; an alkoxy having 1 to 10 carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms Groups, particularly preferably methoxy groups; alkenyl groups having 2 to 10 carbon atoms, preferably 2 to 4 carbon atoms; arylalkyl groups having 7 to 40 carbon atoms, preferably 7 to 10 carbon atoms; 8 to 40 carbon atoms, preferably An arylalkenyl group having 8 to 12 carbon atoms; or an alkylaryl group having 7 to 40 carbon atoms, preferably 7 to 12 carbon atoms.
[0042]
"R11And R12Or “R11And R13"May be taken together with the atoms to which they are attached to form a ring. R11, R12And R13May be the same or different from each other.
M above2Is silicon, germanium or tin, preferably silicon or germanium.
[0043]
R above7Is -C (R11) (R12)-, -Si (R11) (R12)-, -Ge (R11) (R12)-, -O-, -S-, = SO, -P (R11)-Or -P (O) (R11)-Is preferred.
In the general formula (4), R8And R9As the above R11The same thing is mentioned. R8And R9May be the same as or different from each other.
[0044]
In the general formula (4), m and n are each 0, 1 or 2, preferably 0 or 1, and m + n is 0, 1 or 2, preferably 0 or 1. m and n may be the same as or different from each other.
The metallocene compound (a) represented by the general formula (3) includes rac-ethylene (2-methyl-1-indenyl)2-Zirconium-dichloride, rac-dimethylsilylene (2-methyl-1-indenyl)2-Zirconium-dichloride and the like.
[0045]
The metallocene compound (a) represented by the general formula (3) as described above can be produced by a known method (for example, see JP-A-4-268307).
Furthermore, examples of the metallocene compound (a) represented by the general formula (3) include a metallocene compound represented by the following general formula (5).
[0046]
[Formula 4]
[0047]
In the general formula (5), M represents a transition metal atom of Group 4 of the periodic table, specifically, titanium, zirconium, hafnium, or the like.
In the general formula (5), R1And R2May be the same or different from each other, and may be a hydrogen atom, a halogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, a halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, a silicon-containing group, an oxygen-containing group, sulfur. A containing group, a nitrogen-containing group or a phosphorus-containing group,
Specifically, halogen atoms such as fluorine, chlorine, bromine and iodine;
Alkyl groups such as methyl, ethyl, propyl, butyl, hexyl, cyclohexyl, octyl, nonyl, dodecyl, eicosyl, norbornyl, adamantyl, alkenyl groups such as vinyl, propenyl, cyclohexenyl, and arylalkyls such as benzyl, phenylethyl, phenylpropyl, etc. A hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms such as an aryl group such as phenyl, tolyl, dimethylphenyl, trimethylphenyl, ethylphenyl, propylphenyl, biphenyl, naphthyl, methylnaphthyl, anthracenyl, phenanthryl;
A halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms in which a halogen atom is substituted on the hydrocarbon group;
Monohydrocarbon-substituted silyl such as methylsilyl, phenylsilyl, dihydrocarbon-substituted silyl such as dimethylsilyl, diphenylsilyl, trimethylsilyl, triethylsilyl, tripropylsilyl, tricyclohexylsilyl, triphenylsilyl, dimethylphenylsilyl, methyldiphenylsilyl, Silicon-containing groups such as trihydrocarbon-substituted silyls such as tolylylsilyl and trinaphthylsilyl, hydrocarbon-substituted silyl silyl ethers such as trimethylsilyl ether, silicon-substituted alkyl groups such as trimethylsilylmethyl, silicon-substituted aryl groups such as trimethylsilylphenyl, etc. ;
Oxygen-containing groups such as hydroxy groups, alkoxy groups such as methoxy, ethoxy, propoxy, butoxy, allyloxy groups such as phenoxy, methylphenoxy, dimethylphenoxy, naphthoxy, and arylalkoxy groups such as phenylmethoxy, phenylethoxy;
A sulfur-containing group such as a substituent in which oxygen of the oxygen-containing group is substituted with sulfur;
Amino group, alkylamino group such as methylamino, dimethylamino, diethylamino, dipropylamino, dibutylamino, dicyclohexylamino, arylamino group such as phenylamino, diphenylamino, ditolylamino, dinaphthylamino, methylphenylamino or alkylarylamino Nitrogen-containing groups such as groups;
And phosphorus-containing groups such as phosphino groups such as dimethylphosphino and diphenylphosphino.
[0048]
Of these, a hydrocarbon group is preferable, and an alkyl group having 1 to 3 carbon atoms such as methyl, ethyl, or propyl is particularly preferable.
In the general formula (5), RThree, RFour, RFiveAnd R6Are each independently a hydrogen atom, a halogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms or a halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms. These are the R1And R2The same thing is mentioned. Of these, hydrogen, a hydrocarbon group, or a halogenated hydrocarbon group is preferable.
[0049]
Also RThreeAnd RFour, RFourAnd RFive, RFiveAnd R6May form a monocyclic aromatic ring formed by bonding at least one pair of them, and the ligand containing the aromatic ring is represented by the following general formulas (6) to (8). Can be mentioned.
[0050]
[Chemical formula 5]
[0051]
The metallocene compound (a) represented by the general formula (5) is represented by RThree, RFour, RFiveAnd R6Among them, when there are two or more hydrocarbon groups or halogenated hydrocarbon groups (groups other than those forming an aromatic ring), they may be bonded to each other to form a ring. R6When is a substituent other than an aromatic group, it is preferably a hydrogen atom.
[0052]
In general formula (5), X1And X2Each independently represents a hydrogen atom, a halogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, a halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, an oxygen-containing group or a sulfur-containing group.
Specific examples of the halogen atom, the hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, the halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, and the oxygen-containing group include the R1And R2The thing similar to what was illustrated by (1) is mentioned.
[0053]
As the sulfur-containing group, R1, R2And the same groups as methyl sulfonate, trifluoromethane sulfonate, phenyl sulfonate, benzyl sulfonate, p-toluene sulfonate, trimethyl benzene sulfonate, triisobutyl benzene sulfonate, p-chlorobenzene sulfonate Sulfonate groups such as phonate, pentafluorobenzene sulfonate, methyl sulfinate, phenyl sulfinate, benzene sulfinate, p-toluene sulfinate, trimethylbenzene sulfinate, pentafluorobenzene sulfinate A sulfinate group may be mentioned.
[0054]
In the general formula (5), Y is a divalent hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, a divalent halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, a divalent silicon-containing group, a divalent Germanium-containing group, divalent tin-containing group, -O-, -CO-, -S-, -SO-, -SO2-, -NR7-, -P (R7)-, -P (O) (R7)-, -BR7-Or -AlR7-(However, R7Is a hydrogen atom, said R1, R2And a halogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, and a halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms. ).
[0055]
Specifically, as such Y,
Alkylene groups such as methylene, dimethylmethylene, 1,2-ethylene, dimethyl-1,2-ethylene, 1,3-trimethylene, 1,4-tetramethylene, 1,2-cyclohexylene, 1,4-cyclohexylene, A divalent hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms such as an arylalkylene group such as diphenylmethylene and diphenyl-1,2-ethylene;
A halogenated hydrocarbon group obtained by halogenating the above divalent hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms such as chloromethylene;
Methylsilylene, dimethylsilylene, diethylsilylene, di (n-propyl) silylene, di (i-propyl) silylene, di (cyclohexyl) silylene, methylphenylsilylene, diphenylsilylene, di (p-tolyl) silylene, di (p- Such as alkylsilylene such as chlorophenyl) silylene, alkylarylsilylene, arylsilylene group, alkyldisilylene such as tetramethyl-1,2-disilylene, tetraphenyl-1,2-disilylene, alkylaryldisilylene, aryldisilylene group, etc. A divalent silicon-containing group;
A divalent germanium-containing group obtained by replacing the silicon of the divalent silicon-containing group with germanium;
Examples thereof include a divalent tin-containing group substituent obtained by substituting tin of the divalent silicon-containing group with tin.
[0056]
Among these, a divalent silicon-containing group, a divalent germanium-containing group, and a divalent tin-containing group are preferable, and a divalent silicon-containing group is more preferable. Particularly, an alkylsilylene group, an alkylarylsilylene group, Arylsilylene groups are preferred.
In the compound represented by the general formula (5), RThree, RFour, RFiveAnd R6Of which, RThreeAre preferably alkyl groups having 1 to 20 carbon atoms, in particular RThreeAnd RFiveOr RThreeAnd R6Is preferably an alkyl group. The alkyl group is preferably a secondary or tertiary alkyl group, and such an alkyl group may be substituted with a halogen atom or a silicon-containing group.
[0057]
Examples of the halogen atom and silicon-containing group include R1, R2And the substituents exemplified in the above.
RThree, RFour, RFiveAnd R6Of these, the group other than the alkyl group is preferably a hydrogen atom.
Examples of the alkyl group having 1 to 20 carbon atoms include methyl group, ethyl group, n-propyl group, i-propyl group, n-butyl group, i-butyl group, sec-butyl group, tert-butyl group, and pentyl group. Chain alkyl groups and cyclic alkyl groups such as hexyl group, cyclohexyl group, heptyl group, octyl group, nonyl group, dodecylicosyl group, norbornyl group, adamantyl group; benzyl group, phenylethyl group, phenylpropyl group, tolylmethyl group Arylalkyl groups such as, and the like, and may contain a double bond or a triple bond.
[0058]
RThree, RFour, RFiveAnd R6In these groups, two groups selected from these may be bonded to each other to form a monocyclic or polycyclic ring other than the aromatic ring.
Specific examples of such metallocene compounds (a) include rac-dimethylsilylene-bis (4,7-dimethyl-1-indenyl) zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis (2,4,7-trimethyl- 1-indenyl) zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis (2,4,6-trimethyl-1-indenyl) zirconium dichloride, and the like.
[0059]
It is also possible to use a metallocene compound (a) in which zirconium metal is replaced with titanium metal or hafnium metal in the above compound.
The metallocene compound (a) is usually used as a racemate, but can also be used in the R-type or S-type.
Moreover, as the metallocene compound (a) represented by the general formula (5),
RThreeIs an aryl group having 6 to 16 carbon atoms, such as a phenyl group, an α-naphthyl group, a β-naphthyl group, an anthracenyl group, a phenanthryl group, a pyrenyl group, an acenaphthyl group, a phenalenyl group (perinaphthenyl group), or an aceanthrylenyl group. A metallocene compound (a) can also be preferably used. These aryl groups are defined as R1May be substituted with the same halogen atom, hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, or halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms. Among these, a phenyl group and a naphthyl group are particularly preferable.
[0060]
Specific examples of such metallocene compounds include rac-dimethylsilylene-bis (4-phenyl-1-indenyl) zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis (2-methyl-4-phenyl-1-indenyl) zirconium. Dichloride, rac-dimethylsilylene-bis (2-methyl-4- (α-naphthyl) -1-indenyl) zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis (2-methyl-4- (β-naphthyl) -1-indenyl ) Zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis (2-methyl-4- (1-anthracenyl) -1-indenyl) zirconium dichloride, and the like.
[0061]
In the above compound, a transition metal compound in which zirconium metal is replaced with titanium metal or hafnium metal can also be used. Moreover, the transition metal compound represented by following General formula (9) can also be used.
[0062]
[Chemical 6]
[0063]
In the general formula (9), M is a transition metal atom of Group 4 of the periodic table, specifically titanium, zirconium or hafnium, preferably zirconium.
In the general formula (9), R1May be the same or different from each other, at least one of which is an aryl group having 11 to 20 carbon atoms, an arylalkyl group having 12 to 40 carbon atoms, an arylalkenyl group having 13 to 40 carbon atoms, An alkylaryl group having 12 to 40 carbon atoms or a silicon-containing group, or R1And at least two groups adjacent to each other together with the carbon atoms to which they are bonded form one or more aromatic or aliphatic rings. In this case, R1The ring formed by is R1The number of carbon atoms as a whole is 4 to 20 including the carbon atom to which is bonded.
[0064]
R1Examples of the group in which at least two adjacent groups form one or more aromatic rings or aliphatic rings together with the carbon atoms to which they are bonded include a condensed phenyl group and a condensed cyclohexyl group. , Condensed cyclopentadienyl group, condensed dihydrocyclopentadienyl group, condensed indenyl group, condensed tetrahydroindenyl group, condensed fluorenyl group, condensed tetrahydrofluorenyl group, condensed octahydrofluorenyl group Etc.
[0065]
Note that these groups may be substituted with a chain alkyl group, a cyclic alkyl group, a halogen atom, a halogen-substituted alkyl group, an aryl group, a silicon-containing group, an oxygen-containing group, a nitrogen-containing group, or a phosphorus-containing group.
R forming an aryl group, an arylalkyl group, an arylalkenyl group, an alkylaryl group, and an aromatic ring or an aliphatic ring1R other than1Is a hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, or a silicon-containing group.
[0066]
Examples of the aryl group having 11 to 20 carbon atoms include biphenylyl, anthryl and phenanthryl. Examples of the arylalkyl group having 12 to 40 carbon atoms include phenanthrylmethyl, phenanthrylethyl and phenanthryl. Propyl and the like. Examples of the aryl alkenyl group having 13 to 40 carbon atoms include vinyl phenanthryl. Examples of the alkyl aryl group having 12 to 40 carbon atoms include methyl phenanthryl and ethyl phenanthryl. Examples of the halogen atom include fluorine, chlorine, bromine, and iodine. Examples of the alkyl group having 1 to 10 carbon atoms include methyl, ethyl, propyl, butyl, and hexyl. Cyclohexyl, octyl, nonyl and the like.
[0067]
Silicon-containing groups include methylsilyl, phenylsilyl, dimethylsilyl, diethylsilyl, diphenylsilyl, trimethylsilyl, triethylsilyl, tripropylsilyl, tricyclohexylsilyl, triphenylsilyl, dimethylphenylsilyl, methyldiphenylsilyl, tritolylsilyl, tri And groups such as naphthylsilyl.
[0068]
Note that the alkyl group, aryl group, arylalkyl group, arylalkenyl group, and alkylaryl group as described above may be substituted with halogen.
In the general formula (9), R2May be the same as or different from each other, a hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, an aryl group having 6 to 20 carbon atoms, an alkenyl group having 2 to 10 carbon atoms, Arylalkyl group having 7 to 40 carbon atoms, arylalkenyl group having 8 to 40 carbon atoms, alkylaryl group having 7 to 40 carbon atoms, silicon-containing group, oxygen-containing group, sulfur-containing group, nitrogen-containing group Or a phosphorus-containing group.
[0069]
R2And at least two adjacent groups may form one or more aromatic rings or aliphatic rings together with the carbon atoms to which they are bonded. In this case, R2The ring formed by is R2Including carbon atoms to which R is bonded, the number of carbon atoms as a whole is 4 to 20, and R forms an aromatic ring or an aliphatic ring.2R other than2Is a hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, or a silicon-containing group.
[0070]
R2The group in which the two groups represented by formulas are formed by forming one or a plurality of aromatic rings or aliphatic rings includes an embodiment in which the fluorenyl group has the following structure.
[0071]
[Chemical 7]
[0072]
Examples of the alkyl group having 1 to 10 carbon atoms and the halogen atom include the same groups and atoms as described above.
Examples of the aryl group having 6 to 20 carbon atoms include phenyl, biphenylyl, α- or β-naphthyl, anthryl, phenanthryl, and the like.
Examples of the arylalkyl group having 7 to 40 carbon atoms include benzyl, phenylethyl, phenylpropyl, phenanthrylmethyl, phenanthrylethyl, phenanthrylpropyl, and the like.
Examples of the arylalkenyl group having 8 to 40 carbon atoms include styryl and vinylphenanthryl.
Examples of the alkylaryl group having 7 to 40 carbon atoms include tolyl, dimethylphenyl, trimethylphenyl, ethylphenyl, propylphenyl, methylnaphthyl, methylphenanthryl, ethylphenanthryl, propylphenanthryl, and the like.
Examples of the alkenyl group having 2 to 10 carbon atoms include vinyl, propenyl, cyclohexenyl and the like.
Examples of the silicon-containing group include the same groups as described above.
Examples of the oxygen-containing group include hydroxy groups, alkoxy groups such as methoxy, ethoxy, propoxy, and butoxy, aryloxy groups such as phenoxy, methylphenoxy, dimethylphenoxy, and naphthoxy, and arylalkoxy groups such as phenylmethoxy and phenylethoxy.
The sulfur-containing group includes a substituent in which oxygen of the oxygen-containing group is substituted with sulfur, and methyl sulfonate, trifluoromethane sulfonate, phenyl sulfonate, benzyl sulfonate, p-toluene sulfonate, trimethylbenzene sulfonate. Phosphonate, triisobutylbenzenesulfonate, p-chlorobenzenesulfonate, sulfonate groups such as pentafluorobenzenesulfonate, methylsulfinate, phenylsulfinate, benzenesulfinate, p-toluenesulfinate , Sulfinate groups such as trimethylbenzene sulfinate and pentafluorobenzene sulfinate,
Nitrogen-containing groups include amino groups, alkylamino groups such as methylamino, dimethylamino, diethylamino, dipropylamino, dibutylamino and dicyclohexylamino, and aryls such as phenylamino, diphenylamino, ditolylamino, dinaphthylamino and methylphenylamino. An amino group or an alkylarylamino group,
Examples of the phosphorus-containing group include dimethylphosphino and diphenylphosphino.
[0073]
R of these2Is preferably a hydrogen atom or an alkyl group, and particularly preferably a hydrogen atom or a hydrocarbon group having 1 to 3 carbon atoms such as methyl, ethyl, or propyl.
R as such substituent2As the fluorenyl group having a 2,7-dialkyl-fluorenyl group, a suitable example may be mentioned. In this case, the 2,7-dialkyl alkyl group includes an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms. .
[0074]
In addition, R mentioned above1And R2May be the same as or different from each other.
In the general formula (9), RThreeAnd RFourMay be the same as or different from each other, and are the same hydrogen atom, halogen atom, alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, aryl group having 6 to 20 carbon atoms, and 2 to 10 carbon atoms. Alkenyl group, arylalkyl group having 7 to 40 carbon atoms, arylalkenyl group having 8 to 40 carbon atoms, alkylaryl group having 7 to 40 carbon atoms, silicon-containing group, oxygen-containing group, sulfur-containing group A nitrogen-containing group or a phosphorus-containing group.
[0075]
Of these, RThreeAnd RFourIt is preferable that at least one is an alkyl group having 1 to 3 carbon atoms.
In general formula (9), X1And X2May be the same or different from each other, and are a hydrogen atom, a halogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, a halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, an oxygen-containing group, or a sulfur-containing group. Or a nitrogen-containing group, or X1And X2Specifically, examples of the halogen atom, the oxygen-containing group, the sulfur-containing group, and the nitrogen-containing group include the same atoms or groups as described above.
[0076]
Examples of the hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms include alkyl groups such as methyl, ethyl, propyl, butyl, hexyl, cyclohexyl, octyl, nonyl, dodecyl, eicosyl, norbornyl, adamantyl; vinyl, propenyl, cyclohexenyl, etc. Alkenyl groups; arylalkyl groups such as benzyl, phenylethyl, phenylpropyl; phenyl, tolyl, dimethylphenyl, trimethylphenyl, ethylphenyl, propylphenyl, α- or β-naphthyl, methylnaphthyl, anthryl, phenanthryl, benzylphenyl, pyrenyl And aryl groups such as acenaphthyl, phenalenyl, aceanthrylenyl, tetrahydronaphthyl, indanyl, biphenylyl, etc., and a halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms. Examples thereof include a group in which halogen is substituted for the hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms.
[0077]
X1And X2Conjugated diene residues formed fromFour-1,4-diphenyl-1,3-butadiene, ηFour-1,3-butadiene, ηFour-1,4-dibenzyl-1,3-butadiene, η4-1-phenyl-1,3-pentadiene, ηFour-3-methyl-1,3-pentadiene, ηFour-1,4-bis (trimethylsilyl) -1,3-butadiene, 2,3-dimethylbutadiene, ηFour-2,4-hexadiene, isoprene and the like.
[0078]
X1And X2As the conjugated diene residue formed from 1,3-butadiene, 2,4-hexadiene, 1-phenyl-1,3-pentadiene, and 1,4-diphenylbutadiene residues, these residues May be further substituted with a hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms.
Among these, a halogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, or a sulfur-containing group is preferable.
[0079]
In the general formula (9), Y represents a divalent hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, a divalent halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, a divalent silicon-containing group, 2 -Valent germanium-containing group, divalent tin-containing group, -O-, -CO-, -S-, -SO-, -SO2-, -NRFive-, -P (RFive)-, -P (O) (RFive)-, -BRFive-Or -AlRFive-(However, RFiveIs a hydrogen atom, a halogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, or a halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms. )
Specifically, methylene, dimethylmethylene, 1,2-ethylene, dimethyl-1,2-ethylene, 1,3-trimethylene, 1,4-tetramethylene, 1,2-cyclohexylene, 1,4-cyclohexylene A divalent hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, such as an alkylene group such as diphenylmethylene and an arylalkylene group such as diphenyl-1,2-ethylene; A halogenated hydrocarbon group obtained by halogenating a divalent hydrocarbon group;
Methylsilylene, dimethylsilylene, diethylsilylene, di (n-propyl) silylene, di (i-propyl) silylene, di (cyclohexyl) silylene, methylphenylsilylene, diphenylsilylene, di (p-tolyl) silylene, di (p- Alkylsilylenes such as chlorophenyl) silylene, alkylarylsilylenes, arylsilylene groups, alkyldisilylenes such as tetramethyl-1,2-disilylene, tetraphenyl-1,2-disilylene, alkylaryldisilylenes, aryldisilylene groups, etc. A divalent silicon-containing group;
A divalent germanium-containing group obtained by replacing the silicon of the divalent silicon-containing group with germanium;
And divalent tin-containing groups obtained by substituting the silicon of the divalent silicon-containing groups with tin.
[0080]
Among these divalent groups, those in which the shortest linking part of -Y- represented by the general formula (9) is composed of one or two atoms are preferable. RFiveIs the same halogen atom, hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, and halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms as described above.
Among these, Y is preferably a divalent hydrocarbon group having 1 to 5 carbon atoms, a divalent silicon-containing group or a divalent germanium-containing group, and preferably a divalent silicon-containing group. More preferred is alkylsilylene, alkylarylsilylene or arylsilylene.
[0081]
In addition, in the above-described zirconium compound, a compound in which zirconium is replaced with titanium or hafnium can be given.
Among the above-described zirconium compounds, for example, dimethylsilylene (2,7-dimethyl-4,5- (2-methyl-benzo) -1-indenyl) (2,7-di-t-butyl-9-fluorenyl) The structural formula of zirconium dichloride is shown below.
[0082]
[Chemical 8]
[0083]
The structural formula of dimethylsilylene (2,6-dimethyl-4,5- (1-methyl-benzo) -1-indenyl) (2,7-di-t-butyl-9-fluorenyl) zirconium dichloride is It is shown.
[0084]
[Chemical 9]
[0085]
These catalysts can be synthesized according to Japanese Patent Application No. 8-187563 (see Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-235313), which is an application related to the present applicant.
In the present invention, a compound represented by the following general formula (10) can also be used as the metallocene compound (a).
LaMX2 (10)
In the general formula (10), M is a periodic table group 4 or lanthanide series metal.
[0086]
La is a derivative of a delocalized π bond group, and is a group imparting a constraining geometry to the metal M active site.
In the general formula (10), X is independently hydrogen, halogen, a hydrocarbon group containing 20 or less carbon, a silyl group containing 20 or less silicon, or a germanyl group containing 20 or less rumanium.
[0087]
Among the compounds represented by the general formula (10), compounds represented by the following general formula (11) are preferable.
[0088]
[Chemical Formula 10]
[0089]
In general formula (11), M is titanium, zirconium or hafnium, and X is the same as in general formula (10).
Cp is a cyclopentadienyl group π-bonded to M.
In the general formula (11), Z is oxygen, sulfur, boron or an element belonging to Group 4 of the periodic table (for example, silicon, germanium or tin), Y is a ligand containing nitrogen, phosphorus, oxygen or sulfur, A condensed ring may be formed with Y.
[0090]
Examples of the compound represented by the general formula (11) include
(Dimethyl (t-butylamide) (tetramethyl-ηFive-Cyclopentadienyl) silane) titanium dichloride, ((t-butylamide) (tetramethyl-ηFive-Cyclopentadienyl) -1,2-ethanediyl) titanium dichloride and the like.
In the metallocene compound, a compound in which titanium is substituted with zirconium or hafnium can also be exemplified.
[0091]
As the metallocene compound (a) represented by the general formula (10) or (11), a zirconocene compound having a ligand having a central metal atom of zirconium and containing at least two cyclopentadienyl skeletons is preferable. Used. In the metallocene compound (a) represented by the general formula (4) or (5), the central metal atom is preferably titanium.
[0092]
In the present invention, the metallocene compound (a) is used alone or in combination of two or more. Further, the metallocene compound (a) may be diluted with a hydrocarbon or a halogenated hydrocarbon. Furthermore, the metallocene compound (a) can be used in contact with a carrier.
The carrier used is an inorganic or organic compound, and a granular or particulate solid having a particle size of 10 to 300 μm, preferably 20 to 200 μm is used. Of these, porous oxides are preferred as the inorganic carrier, specifically, SiO.2, Al2OThree, MgO, ZrO2TiO2, B2OThree, CaO, ZnO, BaO, ThO2, etc., or mixtures thereof, such as SiO2-MgO, SiO2-Al2OThree, SiO2-TiO2, SiO2-V2OFive, SiO2-Cr2OThree, SiO2-TiO2-MgO etc. can be illustrated. Among these, SiO2And Al2OThreeThe main component is at least one component selected from the group consisting of:
[0093]
The inorganic oxide contains a small amount of Na.2COThree, K2COThree, CaCOThree, MgCOThree, Na2SOFour, Al2(SOFour)Three, BaSOFour, KNOThree, Mg (NOThree)2, Al (NOThree3) Na2O, K2O, Li2Even if it contains carbonates such as O, sulfates, nitrates and oxide components, there is no problem.
Such a carrier has different properties depending on its type and production method, but the carrier preferably used in the present invention has a specific surface area of 50 to 1000 m.2/ G, preferably 100-700m2/ G, and the pore volume is 0.3 to 2.5 cm.Three/ G is desirable. The carrier is used after calcining at 100 to 1000 ° C., preferably 150 to 700 ° C., if necessary.
[0094]
Furthermore, examples of the carrier include a granular or fine particle solid of an organic compound having a particle size of 10 to 300 μm. These organic compounds include (co) polymers made mainly of α-olefins having 2 to 14 carbon atoms such as ethylene, propylene, 1-butene and 4-methyl-1-pentene, vinylcyclohexane and styrene. Examples thereof include a polymer or a copolymer produced by using as a main component.
[0095]
Organoaluminum oxy compound (b)
The organoaluminum oxy compound (b) may be a known aluminoxane or a benzene-insoluble organoaluminum oxy compound (b).
Such a known aluminoxane is specifically represented by the following general formula (12) or (13).
[0096]
Embedded image
[0097]
(In the general formulas (12) and (13), R is a hydrocarbon group such as a methyl group, an ethyl group, a propyl group or a butyl group, preferably a methyl group, an ethyl group, particularly preferably a methyl group, Is an integer of 2 or more, preferably 5 to 40.)
In the general formula (12) or (13), the aluminoxane is represented by the general formula (OAl (R1)) Alkyloxyaluminum units represented by the general formula (OAl (R2))
An alkyloxyaluminum unit represented by (where R is1And R2Can be exemplified by the same hydrocarbon groups as R, R1And R2Represents different groups. ) May be formed from mixed alkyloxyaluminum units.
[0098]
The organoaluminum oxy compound (b) may contain a small amount of a metal organic compound component other than aluminum. The aluminoxane as described above can be prepared, for example, by the following method.
(1) Compounds containing adsorbed water or salts containing water of crystallization, such as magnesium chloride hydrate, copper sulfate hydrate, aluminum sulfate hydrate, nickel sulfate hydrate, and cerium chloride hydrate A method of recovering a hydrocarbon solution by adding an organoaluminum compound such as trialkylaluminum to the hydrocarbon medium suspension.
(2) A method of recovering a hydrocarbon solution by directly applying water, ice or water vapor to an organoaluminum compound such as trialkylaluminum in a medium such as benzene, toluene, ethyl ether or tetrahydrofuran.
(3) A method in which an organotin oxide such as dimethyltin oxide or dibutyltin oxide is reacted with an organoaluminum compound such as trialkylaluminum in a medium such as decane, benzene, or toluene.
[0099]
The aluminoxane may contain a small amount of an organometallic component. Further, the solvent or the unreacted organoaluminum compound may be removed by distillation from the recovered solution of the above aluminoxane and then redissolved in the solvent.
Specific examples of organoaluminum compounds used in the preparation of aluminoxane include trimethylaluminum, triethylaluminum, tripropylaluminum, triisopropylaluminum, tri-n-butylaluminum, triisobutylaluminum, trisec-butylaluminum, trialkylaluminums such as tert-butylaluminum, tripentylaluminum, trihexylaluminum, trioctylaluminum, tridecylaluminum;
Tricycloalkylaluminum such as tricyclohexylaluminum, tricyclooctylaluminum;
Dialkylaluminum halides such as dimethylaluminum chloride, diethylaluminum chloride, diethylaluminum bromide, diisobutylaluminum chloride;
Dialkylaluminum hydrides such as diethylaluminum hydride and diisobutylaluminum hydride; Dialkylaluminum alkoxides such as dimethylaluminum methoxide and diethylaluminum ethoxide;
Examples thereof include dialkylaluminum aryloxides such as diethylaluminum phenoxide.
[0100]
Of these, trialkylaluminum and trialkylaluminum are particularly preferred.
Moreover, as this organoaluminum compound, the general formula (14)
(i-CFourH9)xAly(CFiveHTen)z ... (14)
Isoprenyl aluminum represented by (x, y, z is a positive number and z ≧ 2x) can also be used.
[0101]
The above organoaluminum compounds are used alone or in combination. Solvents used in the preparation of aluminoxane include aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene, xylene, cumene, and cymene, and aliphatic carbonization such as pentane, hexane, heptane, octane, decane, dodecane, hexadecane, and octadecane. Hydrogen, cyclopentane, cyclohexane, cyclooctane, methylcyclopentane, and other alicyclic hydrocarbons, petroleum fractions such as gasoline, kerosene, and light oil, or halogens of the above aromatic hydrocarbons, aliphatic hydrocarbons, and alicyclic hydrocarbons Among them, hydrocarbon solvents such as chlorinated products and brominated products are mentioned. In addition, ethers such as ethyl ether and tetrahydrofuran can also be used. Of these solvents, aromatic hydrocarbons are particularly preferred.
[0102]
The benzene-insoluble organoaluminum oxy compound has an Al component dissolved in benzene at 60 ° C. of 10% or less, preferably 5% or less, particularly preferably 2% or less in terms of Al atom, and is insoluble in benzene or Slightly soluble.
The solubility of such an organoaluminum oxy compound in benzene is determined by suspending the organoaluminum oxy compound corresponding to 100 milligrams of Al in 100 ml of benzene, mixing at 60 ° C. for 6 hours with stirring, and then attaching a jacket. Using a G-5 glass filter, hot filtration was performed at 60 ° C., and the solid portion separated on the filter was washed four times with 50 ml of benzene at 60 ° C., and the Al atoms present in the total filtrate were removed. It is determined by measuring the abundance (x mmol) (x%).
[0103]
Ionized ionic compound (c)
Examples of ionized ionic compounds (sometimes referred to as ionic ionized compounds or ionic compounds) (c) include Lewis acids, ionic compounds, borane compounds, and carborane compounds.
Examples of the Lewis acid include Mg-containing Lewis acid, Al-containing Lewis acid, and B-containing Lewis acid. Among these, B-containing Lewis acid is preferable. As the B-containing Lewis acid, BRThree(R represents a phenyl group or a fluorine atom which may have a substituent such as a fluorine atom, a methyl group, or a trifluoromethyl group.), Specifically, trifluoroboron , Triphenylboron, tris (4-fluorophenyl) boron, tris (3,5-difluorophenyl) boron, tris (4-fluoromethylphenyl) boron, tris (pentafluorophenyl) boron, tris (p-tolyl) boron , Tris (o-tolyl) boron, tris (3,5-dimethylphenyl) boron and the like.
[0104]
The ionic compound is a salt composed of a cationic compound and an anionic compound, and the anion reacts with the metallocene compound (a) to cationize the metallocene compound (a) to form an ion pair, thereby forming a transition metal. It works to stabilize cationic species. Examples of such anions include organoboron compound anions, organoarsenic compound anions, and organoaluminum anions, and those that are relatively bulky and stabilize the transition metal cation species are preferred. Examples of the cation include a metal cation, an organometallic cation, a carbonium cation, a tripium cation, an oxonium cation, a sulfonium cation, a phosphonium cation, and an ammonium cation. More specifically, there are a triphenylcarbenium cation, a tributylammonium cation, an N, N-dimethylammonium cation, a ferrocenium cation, and the like.
[0105]
Specific examples of such ionic compounds include trialkyl-substituted ammonium salts such as N, N-dialkylanilinium salts, dialkylammonium salts, and triarylphosphonium salts,
Trialkyl-substituted ammonium salts such as triethylammonium tetra (phenyl) boron, tripropylammonium tetra (phenyl) boron, tri (n-butyl) ammonium tetra (phenyl) boron,
Examples thereof include dialkylammonium salts such as di (1-propyl) ammonium tetra (pentafluorophenyl) boron and dicyclohexylammonium tetra (phenyl) boron.
[0106]
Examples of ionic compounds containing boron atoms include triphenylcarbenium tetrakis (pentafluorophenyl) borate, N, N-dimethylanilinium tetrakis (pentafluorophenyl) borate, ferrocenium tetra (pentafluorophenyl) borate, etc. Can also be mentioned.
Examples of the borane compounds include decaborane (14); bis [tri (n-butyl) ammonium] nonaborate, bis [tri (n-butyl) ammonium] decaborate, bis [tri (n-butyl) ammonium] bis (dodecahydridododeca Examples thereof include metal borane anion salts such as borate) nickelate (III).
[0107]
Examples of the carborane compounds include 4-carbanonaborane (14), 1,3-dicarbanonaborane (13), bis [tri (n-butyl) ammonium] bis (undecahydride-7-carbaundecaborate) nickelic acid. And salts of metal carborane anions such as salt (IV).
The ionized ionic compounds (c) as described above are used alone or in combination of two or more. The organoaluminum oxy compound (b) and the ionized ionic compound (c) can also be used by being supported on the carrier compound.
[0108]
Moreover, when preparing a metallocene catalyst, an organoaluminum compound (d) may be used as necessary together with the organoaluminum oxy compound (b) or the ionized ionic compound (c).
Organoaluminum compound (d)
As an organoaluminum compound (d) used as needed, the organoaluminum compound represented by the following general formula (15) can be illustrated, for example.
[0109]
R1 nAlX3-n ... (15)
(In formula (15), R1Is a hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms, X is a halogen atom or a hydrogen atom, and n is 1 to 3. )
In the general formula (15), R1Is a hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms, such as an alkyl group, a cycloalkyl group, or an aryl group. Specifically, a methyl group, an ethyl group, an n-propyl group, an isopropyl group, an isobutyl group, Examples thereof include a pentyl group, a hexyl group, an octyl group, a cyclopentyl group, a cyclohexyl group, a phenyl group, and a tolyl group.
[0110]
Specific examples of the organoaluminum compound (d) include the following compounds.
Trialkylaluminums such as trimethylaluminum, triethylaluminum, triisopropylaluminum, triisobutylaluminum, trioctylaluminum, tri-2-ethylhexylaluminum;
Alkenyl aluminum such as isoprenyl aluminum;
Dialkylaluminum halides such as dimethylaluminum chloride, diethylaluminum chloride, diisopropylaluminum chloride, diisobutylaluminum chloride, dimethylaluminum bromide;
Alkylaluminum sesquichlorides such as methylaluminum sesquichloride, ethylaluminum sesquichloride, isopropylaluminum sesquichloride, butylaluminum sesquichloride, ethylaluminum sesquibromide;
Alkylaluminum dihalides such as methylaluminum dichloride, ethylaluminum dichloride, isopropylaluminum dichloride, ethylaluminum dibromide;
Alkyl aluminum hydrides such as diethyl aluminum hydride and diisobutyl aluminum hydride.
[0111]
Examples of the organoaluminum compound (d) include compounds represented by the following general formula (16).
R1 nAlY3-n ... (16)
(In formula (16), R1Is the same as above, and Y is -OR.2-OSiRThree ThreeGroup, -OAlRFour 2Group, -NRFive 2Group, -SiR6 ThreeGroup or -N (R7) AlR8 2A group, n is 1-2, R2, RThree, RFourAnd R8Is a methyl group, an ethyl group, an isopropyl group, an isobutyl group, a cyclohexyl group, a phenyl group, and the like;FiveIs a hydrogen atom, a methyl group, an ethyl group, an isopropyl group, a phenyl group, a trimethylsilyl group, etc., and R6And R7Is a methyl group, an ethyl group or the like. Specific examples of such organoaluminum compounds include the following compounds.
(1) R1 nAl (OR2)3-nFor example, dimethylaluminum methoxide, diethylaluminum ethoxide, diisobutylaluminum methoxide,
(2) R1 nAl (OSiRThree Three)3-nA compound represented by, for example, Et2Al (OSiMeThree), (Iso-Bu)2Al (OSiMeThree), (Iso-Bu)2Al (OSiEtThree)Such;
(3) R1 nAl (OAlRFour 2)3-nA compound represented by, for example, Et2AlOAlEt2, (Iso-Bu)2AlOAl (iso-Bu)2Such;
(4) R1 nAl (NRFive 2)3-nA compound represented by, for example, Me2AlNEt2, Et2AlNHMe, Me2AlNHEt, Et2AlN (SiMeThree)2, (Iso-Bu)2AlN (SiMeThree)2 Such;
(5) R1 nAl (SiR6 Three)3-nA compound represented by, for example, (iso-Bu)2AlSiMeThreeSuch;
(6) R1 nAl (N (R7AlR8 2)3-n A compound represented by, for example, Et2AlN (Me) AlEt2 , (Iso-Bu)2AlN (Et) Al (iso-Bu)2 Such.
[0112]
Among the organoaluminum compounds represented by the general formulas (15) and (16), the general formula R13Al, R1 nAl (OR2)3-n, R1 nAl (OAlRFour 2)3-nIn particular, a compound in which R is an isoalkyl group and n = 2 is preferable.
Ethylene ・ α - Copolymerization of olefin copolymer (A)
In the present invention, a catalyst formed from the metallocene compound (a) as described above, an organoaluminum oxy compound (b) and / or an ionized ionic compound (c), and, if necessary, an organoaluminum compound (d). In the presence of, ethylene and a linear or branched α-olefin having 4 to 20 carbon atoms are usually copolymerized in a liquid phase. In this case, a hydrocarbon solvent is generally used, but an α-olefin may be used as a solvent.
[0113]
This copolymerization can be carried out in any of batch, semi-continuous and continuous methods. When the copolymerization is carried out by a batch method, the catalyst component is used in the following concentration.
When a metallocene catalyst composed of a metallocene compound (a) and an organoaluminum oxy compound (b) or an ionized ionic compound (c) is used, the concentration of the metallocene compound (a) in the polymerization system is usually from about 0.00. 00005 to 0.1 mmol / liter (polymerization volume), preferably 0.0001 to 0.05 mmol / liter. The organoaluminum oxy compound (b) is supplied in an amount of 1 to 10,000, preferably 10 to 5,000, in terms of the molar ratio of aluminum atom to transition metal in the metallocene compound in the polymerization system (Al / transition metal).
[0114]
In the case of the ionized ionic compound (c), the molar ratio of the ionized ionic compound (c) to the metallocene compound (a) in the polymerization system (ionized ionic compound (c) / metallocene compound (a)) is 0.00. It is supplied in an amount of 5 to 20, preferably 1 to 10.
When an organoaluminum compound is used, it is usually used in an amount of about 0 to 5 mmol / liter (polymerization volume), preferably about 0 to 2 mmol / liter.
[0115]
The copolymerization reaction is usually performed at a reaction temperature of −20 to + 150 ° C., preferably 0 to 120 ° C., more preferably 0 to 100 ° C., and a pressure exceeding 0 to 7.8 MPa (80 kgf / cm2, Gauge pressure) or less, preferably more than 0 to 4.9 MPa (50 kgf / cm2, Gauge pressure) under the following conditions.
Ethylene and the linear or branched α-olefin having 4 to 20 carbon atoms are supplied to the polymerization system in such an amount that the ethylene / α-olefin copolymer (A) having the above specific composition can be obtained. In the copolymerization, a molecular weight regulator such as hydrogen can be used.
[0116]
When ethylene and a linear or branched α-olefin having 4 to 20 carbon atoms are copolymerized as described above, a polymerization liquid containing an ethylene / α-olefin copolymer (A) is usually obtained. It is done. This polymerization solution is treated by a conventional method to obtain an ethylene / α-olefin copolymer (A).
Ethylene copolymer (B)
The ethylene copolymer (B) used in the present invention comprises ethylene and at least one olefin selected from the group consisting of linear or branched α-olefins having 3 to 20 carbon atoms and cyclic olefins. It is a copolymer.
[0117]
Specific examples of the linear or branched α-olefin having 3 to 20 carbon atoms include propene, 1-butene, 1-pentene, 1-hexene, 3-methyl-1-butene, 3-methyl- 1-pentene, 3-ethyl-1-pentene, 4-methyl-1-pentene, 4-methyl-1-hexene, 4,4-dimethyl-1-pentene, 4-ethyl-1-hexene 1-octene, 3 -Ethyl-1-hexene, 1-octene, 1-decene, 1-dodecene, 1-tetradecene, 1-hexadecene, 1-octadecene, 1-eicocene and the like. Of these, propene, 1-butene, 1-hexene, 4-methyl-1-pentene and 1-octene are preferably used.
[0118]
Examples of the cyclic olefin include cyclic olefins represented by the following general formula (17) or (18).
[0119]
Embedded image
[0120]
In the general formula (17), n is 0 or 1, m is 0 or a positive integer, and k is 0 or 1. When k is 1, the ring represented by k is a 6-membered ring, and when k is 0, this ring is a 5-membered ring.
R1~ R18And RaAnd RbAre each independently a hydrogen atom, a halogen atom or a hydrocarbon group. Here, the halogen atom is a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom or an iodine atom.
[0121]
Furthermore, in the general formula (17), R15And R16And R17And R18And R15And R17And R16And R18And R15And R18And R or R16And R17May be bonded to each other (in cooperation with each other) to form a monocyclic or polycyclic group, and the monocyclic or polycyclic ring thus formed has a double bond. Also good.
[0122]
Embedded image
[0123]
In the general formula (18), p and q are each independently 0 or a positive integer, and r and s are each independently 0, 1 or 2. Rtwenty one~ R39Each independently represents a hydrogen atom, a halogen atom, a hydrocarbon group or an alkoxy group.
Here, the halogen atom is the same as the halogen atom in the general formula (17). Moreover, as a hydrocarbon group, a C1-C20 alkyl group, a C3-C15 cycloalkyl group, or an aromatic hydrocarbon group is mentioned normally. More specifically, examples of the alkyl group having 1 to 20 carbon atoms include methyl group, ethyl group, propyl group, isopropyl group, amyl group, hexyl group, octyl group, decyl group, dodecyl group and octadecyl group. It is done. These alkyl groups may be substituted with a halogen atom.
[0124]
Examples of the cycloalkyl group include a cyclohexyl group. Examples of the aromatic hydrocarbon group include an aryl group and an aralkyl group. Specifically, the phenyl group, the tolyl group, the naphthyl group, the benzyl group, and the phenylethyl group. Etc.
Examples of the alkoxy group include a methoxy group, an ethoxy group, and a propoxy group. Where R29And R30A carbon atom to which R is bonded, and R33Carbon atom to which R is bonded or R31The carbon atom to which is bonded may be bonded directly or via an alkylene group having 1 to 3 carbon atoms. That is, when the two carbon atoms are bonded via an alkylene group, R29And R33And R or R30And R31Together with a methylene group (—CH2-), Ethylene group (-CH2CH2-) Or propylene group (-CH2CH2CH2-) Of any alkylene group is formed.
[0125]
Further, when r = s = 0, R35And R32Or R35And R39And may combine with each other to form a monocyclic or polycyclic aromatic ring.
Specific examples of the cyclic olefin represented by the above general formula (17) or (18) include bicyclo-2-heptene derivatives (bicyclohept-2-ene derivatives), tricyclo-3-decene derivatives, tricyclo -3-undecene derivative, tetracyclo-3-dodecene derivative, pentacyclo-4-pentadecene derivative, pentacyclopentadecadiene derivative, pentacyclo-3-pentadecene derivative, pentacyclo-3-hexadecene derivative, pentacyclo-4-hexadecene derivative, hexacyclo- 4-heptadecene derivatives, heptacyclo-5-eicosene derivatives, heptacyclo-4-eicosene derivatives, heptacyclo-5-heneecocene derivatives, octacyclo-5-docosene derivatives, nonacyclo-5-pentacocene derivatives, nonacyclo-6-hexacocene derivatives, cyclopentadiene- Acenaphthylene adduct 1,4-methano-1,4,4a, 9a-tetrahydrofluorene derivatives, 1,4-methano-1,4,4a, 5,10,10a-hexahydroanthracene derivatives and the like.
[0126]
(I) The ethylene copolymer (B) has a content of structural units derived from ethylene of 80 to 87 mol%, preferably 82 to 85 mol%, and a straight chain of 3 to 20 carbon atoms. The content of structural units derived from at least one olefin selected from linear or branched α-olefins and cyclic olefins is preferably 13 to 20 mol%, more preferably 15 to 18 mol%. When the ethylene unit content and the olefin unit content are within the above ranges, a composition excellent in blocking property can be obtained.
[0127]
(Ii) The ethylene copolymer (B) has a density of 0.860 to 0.884 g / cm.Three, Preferably 0.860 to 0.880 g / cmThreeMore preferably, 0.865 to 0.875 g / cmThreeIt is in the range.
When the density of the ethylene copolymer (B) is in such a range, a composition excellent in the balance between rigidity and impact resistance is obtained when blended with a resin such as polypropylene as a resin modifier. I can. When this range is exceeded, the impact strength may decrease, and the resin composition may become hard.
(Iii) The melt flow rate of the ethylene copolymer (B) at 190 ° C. and a load of 2.16 kg is in the range of 0.3 to 50 g / 10 minutes, preferably 0.5 to 20 g / 10 minutes. When the melt flow rate is within the above range, a composition excellent in fluidity can be obtained.
[0128]
Process for producing ethylene copolymer (B)
Such an ethylene copolymer (B) may be any of vanadium-based catalyst, metallocene-based catalyst, and the like, and is not particularly limited. For example, ethylene and carbon in the presence of the aforementioned metallocene-based catalyst may be used. It can be produced by copolymerizing at least one compound selected from the group consisting of linear or branched α-olefins having 3 to 20 atoms and cyclic olefins. Preferable metallocene catalysts include, for example, the following compounds.
[0129]
Bis (cyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (methylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (ethylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (n-propylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (n-butyl Cyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (n-hexylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (methyl-n-propylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (methyl-n-butylcyclopentadienyl) zirconium dichloride Bis (dimethyl-n-butylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (n-butylcyclopentadienyl) zirconium dibromide, bis (n-butylcyclopentadienyl) zirconium methoxy Chloride, bis (n-butylcyclopentadienyl) zirconium ethoxy chloride, bis (n-butylcyclopentadienyl) zirconium butoxychloride, bis (n-butylcyclopentadienyl) zirconium ethoxide, bis (n-butylcyclo Pentadienyl) zirconium methyl chloride, bis (n-butylcyclopentadienyl) zirconium dimethyl, bis (n-butylcyclopentadienyl) zirconium benzyl chloride, bis (n-butylcyclopentadienyl) zirconium dibenzyl, bis (N-butylcyclopentadienyl) zirconium phenyl chloride, bis (n-butylcyclopentadienyl) zirconium hydride chloride, and the like. In the above examples, the disubstituted products of the cyclopentadienyl ring include 1,2- and 1,3-substituted products. In the present invention, a metallocene compound in which zirconium metal is replaced with titanium metal or hafnium metal in the above-described zirconium compound can be used.
[0130]
Ethylene copolymer (C)
The ethylene copolymer (C) used in the present invention is a copolymer of ethylene and at least one compound selected from the group consisting of a linear or branched α-olefin or cyclic olefin having 3 to 20 carbon atoms. It is a polymer.
Specific examples of the α-olefin include α-olefins exemplified in the section of the ethylene copolymer (B). Of these, propene, 1-butene, 1-hexene, 4-methyl-1-pentene and 1-octene are preferably used.
[0131]
Examples of the cyclic olefin include the cyclic olefin represented by the general formula (17) or (18).
(I) The ethylene copolymer (C) has a content of structural units derived from ethylene of 89 to 99 mol%, more preferably 90 to 98 mol%, and has 3 to 20 carbon atoms. The content of structural units derived from at least one olefin selected from the group consisting of linear or branched α-olefins and cyclic olefins is 1 to 11 mol%, and further 2 to 12 mol%. It is preferable. When the ethylene unit content and the olefin unit content are within the above ranges, a composition excellent in blocking property can be obtained.
[0132]
(Ii) The density of the ethylene copolymer (C) is 0.885 to 0.93 g / cm.Three, Preferably 0.890-0.925 g / cmThreeMore preferably, 0.895-0.920 g / cmThreeIt is in the range.
When the density of the ethylene copolymer (C) is in such a range, a composition excellent in balance between rigidity and impact resistance can be obtained as a resin modifier, for example, when blended with a resin such as polypropylene. it can. When this range is exceeded, the impact strength may decrease, and the resin composition may become hard.
(Iii) The melt flow rate of the ethylene copolymer (C) at 190 ° C. and a load of 2.16 kg is in the range of 0.3 to 50 g / 10 minutes, preferably 0.5 to 20 g / 10 minutes. When the melt flow rate is within the above range, a composition excellent in fluidity can be obtained.
(Iv) The ethylene copolymer (C) has a maximum peak position temperature (Tm (° C.)) and density (d (g / cm) in an endothermic curve measured with a differential scanning calorimeter (DSC).Three))
The relationship indicated by is satisfied.
When the ethylene copolymer (C) Tm and the density satisfy such a relationship, a composition having an excellent balance between rigidity and impact resistance when blended with a resin such as polypropylene as a resin modifier. Can be obtained. When this range is exceeded, the impact strength may be reduced, and the resin composition may be hardened.
[0133]
Further, the ethylene copolymer (C) has a melt tension at room temperature (MT (g)) and a melt flow rate (MFR (g / 10 min)) measured at 190 ° C. and a load of 2.16 kg.
MT ≦ 2.2 × MFR-0.84
It is desirable that the relationship indicated by is satisfied.
When MT and MFR satisfy such a relationship, when blended with a resin such as polypropylene as a resin modifier, it has excellent rigidity and impact resistance, as well as excellent appearance (weld, flow mark, etc.). A composition is obtained.
[0134]
Furthermore, the ethylene copolymer (C) has an n-decane-soluble component fraction (W (wt%)) and density (d (g / cm) at room temperature.Three))
When MFR ≦ 10g / 10min,
Satisfy the relationship indicated by
When MFR> 10g / 10min,
W <80 × (MFR-9)0.26Xexp (-100 (d-0.88)) + 0.1
It is more preferable that the relationship indicated by is satisfied.
[0135]
Process for producing ethylene copolymer (C)
Such an ethylene copolymer (C) may be any of vanadium-based catalyst, metallocene-based catalyst and the like, and is not particularly limited. For example, ethylene and carbon in the presence of the above-mentioned metallocene-based catalyst may be used. It can be produced by copolymerizing at least one compound selected from the group consisting of linear or branched α-olefins having 3 to 20 atoms and cyclic olefins. Preferable metallocene catalysts include, for example, the compounds exemplified in the section of the method for producing the ethylene copolymer (B).
[0136]
Composition
The ethylene copolymer composition according to the present invention is:
30 to 70% by weight of ethylene / α-olefin copolymer (A), preferably 30 to 60% by weight, more preferably 30 to 50% by weight,
1 to 69% by weight of the ethylene copolymer (B), preferably 5 to 50% by weight, more preferably 10 to 40% by weight,
The ethylene copolymer (C) is 1 to 69% by weight, preferably 5 to 50% by weight, more preferably 10 to 40% by weight. (The total of the ethylene / α-olefin copolymer (A), the ethylene copolymer (B), and the ethylene copolymer (C) is 100% by weight.)
The ethylene copolymer composition comprises an ethylene / α-olefin copolymer (A), an ethylene copolymer (B), and an ethylene copolymer (C) such as a Banbury mixer, a kneader, an intermix, etc. It can manufacture by kneading | mixing by conventionally well-known methods, such as the mixing method by internal mixers.
[0137]
Such an ethylene copolymer composition of the present invention is useful as a modifier for impact resistance and rigidity of thermoplastic resins. Examples of such a thermoplastic resin include polyolefin, polyamide, polyester, polystyrene, polyvinyl chloride, polyvinyl alcohol and the like. In addition, when modifying a polar group-containing thermoplastic resin, the ethylene copolymer composition according to the present invention may be graft-modified with an unsaturated carboxylic acid.
[0138]
In order to modify a resin such as polypropylene using the ethylene copolymer composition according to the present invention as a modifier, pellets are molded from the ethylene copolymer composition by extrusion molding or injection molding. The pellet may be melt blended with the resin to be modified.
When the ethylene copolymer composition according to the present invention is used as a modifier, it is preferable to use a device for continuously kneading and discharging such as an extruder. The kneading is desirably performed at a temperature not lower than the melting point or softening point of the resin to be discharged and not higher than 400 ° C.
[0139]
When the ethylene copolymer composition according to the present invention is used as a modifier, it is possible to modify impact resistance and tensile elongation strength particularly at low temperatures while maintaining the rigidity of a resin such as polypropylene resin.
Resin modification method
In order to modify the resin using the ethylene copolymer composition according to the present invention, the pellet made of the ethylene copolymer composition may be melt-blended with the resin to be modified. According to such a modification method, it is possible to obtain a resin composition excellent in the balance between rigidity, strength at break, and impact strength without blocking or the like when modifying the thermoplastic resin. For this reason, such a modification method is excellent in productivity and operability of the modified thermoplastic resin.
[0140]
[Propylene polymer composition]
The propylene polymer composition according to the present invention comprises a propylene polymer (D), the ethylene / α-olefin copolymer (A), the ethylene / α-olefin copolymer (B), and the ethylene-based polymer. It is a composition consisting of a copolymer (C).
Propylene polymer (D)
The propylene polymer (D) is a homopolymer of propylene or a copolymer of propylene and ethylene or an α-olefin having 4 to 20 carbon atoms. Examples of the α-olefin having 4 to 20 carbon atoms include 1-butene, 1-pentene, 4-methyl-1-pentene, 1-hexene, 1-octene, 1-decene, 1-dodecene, 1-tetradecene, Examples include 1-hexadecene, 1-octadecene, and 1-eicosene. These α-olefins can be used alone or in combination of two or more. These α-olefins may form a random copolymer with propylene or may form a block copolymer.
[0141]
In the present invention, a propylene homopolymer, a crystalline propylene / ethylene block copolymer having an ethylene content of 2 to 40 mol%, and a crystalline propylene / ethylene random copolymer having an ethylene content of 0.5 to 10 mol% are preferred. .
The density of the propylene polymer (D) is usually from 0.885 to 0.910 g / cm.Three, Preferably 0.890-0.910 g / cmThree, More preferably 0.895 to 0.910 g / cmThreeIt is desirable to be in the range.
[0142]
The refractive index of the propylene polymer (D) is usually in the range of 1.490 to 1.510, preferably 1.495 to 1.510, more preferably 1.500 to 1.510.
The propylene polymer (D) has an MFR measured at 230 ° C. and a load of 2.16 kg of 0.01 g / 10 min or more, preferably 0.5 to 200 g / 10 min, more preferably 1 to 200 g / 10 min. It is desirable to be in
[0143]
When the MFR of the propylene polymer (D) is 0.01 g / 10 min or more, a composition having improved strength at break and impact resistance at low temperature is obtained while maintaining the rigidity of the polymer itself. be able to.
The propylene polymer (D) having such characteristics can be produced by various methods. For example, a catalyst formed from a solid titanium catalyst component and an organometallic compound catalyst component, or both of these components and It can be produced using a highly active titanium catalyst formed from an electron donor, a catalyst formed from a metallocene compound and an aluminoxane, or a catalyst obtained by mixing these catalysts. Moreover, when a propylene polymer (D) is a block copolymer, it can also manufacture using a different catalyst chosen from the said catalyst for each stage at the time of multistage polymerization.
[0144]
Composition
The propylene polymer composition according to the present invention is:
The propylene polymer (D) is 98 to 60% by weight, preferably 95 to 65% by weight, the ethylene / α-olefin copolymer (A), the ethylene copolymer (B) and the ethylene copolymer (C). The total amount is 2 to 40% by weight, preferably 5 to 35% by weight.
[0145]
The propylene polymer composition according to the present invention has a total amount of the ethylene / α-olefin copolymer (A), the ethylene copolymer (B) and the ethylene copolymer (C) of 100% by weight. The ethylene / α-olefin copolymer (A) is 30 to 70% by weight, preferably 30 to 60% by weight, more preferably 30 to 50% by weight, and the ethylene copolymer (B) is 1 to 69% by weight. The ethylene copolymer (C) is 1 to 69% by weight, preferably 5 to 50% by weight, more preferably 10 to 40% by weight, preferably 5 to 50% by weight, more preferably 10 to 40% by weight. Contained in proportion
When such a propylene polymer composition measured and plotted the temperature dependence of the elastic modulus every 3 ° C., the peak of the decay rate (tan δ) due to the glass transition temperature of the propylene polymer (D), Decay rate due to glass transition temperature of ethylene copolymer composition (composition of ethylene / α-olefin copolymer (A), ethylene copolymer (B) and ethylene copolymer (C)) (tan δ) peaks are present and both peaks are separated, that is, peaks derived from the ethylene / α-olefin copolymer (A), peaks derived from the ethylene copolymer (B), ethylene copolymer It is preferable that any peak derived from the coalescence (C) is separated from the peak derived from the propylene polymer (D). When two peaks clearly appear, that is, when a ridge exists between the highest points of the two peaks, it is determined as “separated”. Such a propylene-based polymer composition having two “separated” peaks is excellent in both impact resistance and rigidity.
[0146]
In addition, when such two peaks do not appear clearly and the peaks are “fused”, such a propylene polymer composition may have reduced impact resistance and rigidity.
When such a propylene polymer (D) is used, it is possible to obtain a propylene polymer composition having an excellent balance between rigidity, elongation at break at break and / or low temperature impact property and excellent fluidity.
[0147]
Preparation of propylene polymer composition
The method for preparing the propylene resin composition according to the present invention is not particularly limited, and the propylene polymer (D), the ethylene / α-olefin copolymer (A), the ethylene copolymer (B), and the ethylene copolymer. It is possible to knead (C) all together, and the propylene polymer (D) and the above-described ethylene copolymer composition are combined with internal mixers such as Banbury mixers, kneaders, and intermixes. It can manufacture by kneading | mixing by conventionally well-known methods, such as the mixing method by A. In the present invention, the latter is preferable from the viewpoint of workability.
[0148]
In the preparation of the propylene polymer composition according to the present invention, a styrenic thermoplastic elastomer may be added as long as the object of the present invention is not impaired. Examples of the styrenic thermoplastic elastomer include block copolymers of styrenes and conjugated diene compounds.
Examples of the styrenes include styrene, α-methyl styrene, p-methyl styrene, p-t-butyl styrene alkyl styrene, p-methoxy styrene, vinyl naphthalene, and combinations thereof. Of these, styrene is preferred.
[0149]
Examples of the conjugated diene compound include butadiene, isoprene, piperylene, methylpentadiene, phenylbutadiene, 3,4-dimethyl-1,3-hexadiene, 4,5-diethyl-1,3-octadiene, and combinations thereof. Of these, butadiene and isoprene are preferred.
Specific examples of such styrenic thermoplastic elastomers include styrene / butadiene diblock copolymers, styrene / butadiene / styrene triblock copolymers, styrene / isoprene block copolymers, styrene / isoprene / styrene triblocks. Block copolymer, hydrogenated styrene / butadiene diblock copolymer, hydrogenated styrene / butadiene / styrene triblock copolymer, hydrogenated styrene / isoprene block copolymer, styrene / isoprene / Mention may be made of hydrogenated styrene triblock copolymers.
[0150]
In the present invention, the weight ratio of the structural unit derived from the styrenic compound to the structural unit derived from the conjugated diene compound is 10/90 to 65/35, preferably 20/80 to 50/50. It is desirable to use
The molecular structure of the styrenic thermoplastic elastomer may be any of linear, branched, radial, or a combination thereof. In the present invention, in addition to the ethylene / α-olefin copolymer (A), ethylene copolymer (B), ethylene copolymer (C), and propylene polymer (D), a nucleating agent and an antioxidant are used. , Hydrochloric acid absorbent, softener, light stabilizer, ultraviolet absorber, lubricant, anti-aging agent, processing aid, heat stabilizer, weather stabilizer, antistatic agent, flame retardant, pigment, dye, dispersant, copper damage Additives such as anti-flow agents, neutralizers, foaming agents, plasticizers, anti-bubble agents, cross-linking agents, peroxides, flow strength improvers, weld strength improvers, anti-fogging agents, etc. It can mix | blend in the range which is not. Moreover, you may mix | blend well-known inorganic fillers, such as a talc and glass fiber. In this case, the inorganic filler is preferably blended in an amount of 1 to 40 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the propylene polymer composition.
[0151]
The propylene polymer composition according to the present invention can be formed into various molded products such as films, sheets, and pipes by molding methods such as extrusion molding, injection molding, inflation molding, and calendar molding. The obtained molded body is excellent in strain recovery and the like.
[0152]
【The invention's effect】
Since the ethylene copolymer composition of the present invention comprises a specific ethylene / α-olefin copolymer and a specific ethylene copolymer, when used as a modifier for thermoplastic resins, particularly polypropylene, It is possible to improve the balance between rigidity, strength at break, and impact strength, and further, workability is improved because blocking is not performed during the modification.
[0153]
In the method for modifying a resin according to the present invention, since the ethylene / α-olefin copolymer composition as described above is used as a modifier, blocking or the like is unlikely to occur during modification of the thermoplastic resin. And excellent productivity of modified thermoplastic resins.
Since the propylene polymer composition of the present invention contains a specific ethylene / α-olefin copolymer and a specific ethylene copolymer, the propylene polymer composition has an excellent balance between the rigidity of the resin and the strength at break and impact strength. .
[0154]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated further more concretely based on an Example, this invention is not limited to these Examples.
In addition, the physical property of each resin component was evaluated as follows.
[density]
The strand after MFR measurement at 190 ° C. and a load of 2.16 kg was heat-treated at 120 ° C. for 1 hour, gradually cooled to room temperature over 1 hour, and then measured by a density gradient tube method.
[Α-olefin content, Tαβ / Tαα, B value]
13Determined by C-NMR spectrum.
[Intrinsic viscosity [η]]
Measurements were made at 135 ° C. in decalin.
[Mw / Mn]
GPC (gel permeation chromatography) was used and measured at 140 ° C. with an orthodichlorobenzene solvent.
[MFRTen/ MFR2]
MFR with 10kg load at 190 ° C according to ASTM D-1238TenAnd MFR at 2.16kg load2And the ratio was calculated. When this ratio is large, it indicates that the fluidity at the time of melting of the polymer is excellent, that is, the processability is high.
[Glass-transition temperature]
The temperature was raised from room temperature to 200 ° C. at 30 ° C./minute, held for 5 minutes, then lowered to −150 ° C. at 10 ° C./minute, and then obtained from an endothermic curve when the temperature was raised at 10 ° C./minute.
[Crystallinity]
The heat of fusion per unit weight was determined from the endothermic peak at the time of DSC measurement, and this was determined by dividing the heat of fusion by 70 cal / g of polyethylene crystals.
[Melting tension (MT)]
It is determined by measuring the stress when the molten polymer is stretched at a constant speed. A polymer granulated pellet was used as a measurement sample, using a MT measuring instrument manufactured by Toyo Seiki Seisakusho, resin temperature 190 ° C., extrusion speed 15 mm / min, winding speed 10-20 m / min, nozzle diameter 2.09 mmφ, nozzle length It measured on condition of 8 mm in length.
[MFR]
Based on ASTM D-1238, MFR under a 2.16 kg load at a predetermined temperature was measured.
[Softening point (Tm)]
An endothermic curve of DSC is obtained, and the temperature at the maximum peak position is defined as Tm. In the measurement, a sample is packed in an aluminum pan, heated to 200 ° C. at 10 ° C./min, held at 200 ° C. for 5 minutes, then cooled to room temperature at 20 ° C./min, and then heated at 10 ° C./min. It was determined from the endothermic curve.
[0155]
[Production example]
845 ml of hexane was inserted at 23 ° C. into a 2 liter stainless steel autoclave equipped with a stirrer and sufficiently purged with nitrogen. In this autoclave, 155 ml of 1-butene was inserted while rotating a stirrer and cooling with ice water. Next, the autoclave was heated to an internal temperature of 60 ° C., and further pressurized with ethylene so that the total pressure was 8 kg. When the internal pressure of the autoclave reached 8 kg, a 1.0 mmol / ml decane solution of triisobutylaluminum was injected with 1.0 ml nitrogen. Subsequently, 0.3 mmol of methylaluminoxane prepared in advance and 0.001 mmol of rac-dimethylsilylene-bis [1- (2-methyl-4-phenyl-indenyl)] zirconium dichloride were prepared. Toluene solution containing 0.3 ml of toluene solution was pressed into the autoclave with nitrogen to initiate polymerization.
[0156]
Thereafter, the temperature of the autoclave was adjusted to 60 ° C. for 30 minutes, and ethylene was directly supplied so that the pressure became 8 kg. 30 minutes after the start of polymerization, 5 ml of methanol was inserted into the autoclave by a pump to stop the polymerization, and the autoclave was depressurized to atmospheric pressure. 2 liters of acetone was poured into the reaction solution with stirring.
[0157]
The obtained rubber-like polymer containing the solvent was dried at 130 ° C. for 13 hours at 600 torr to obtain 47 g of an ethylene / 1-butene copolymer containing 39 mmol of 1-butene.
Table 1 shows the basic characteristics of the obtained ethylene / 1-butene copolymer (A-1).
Further, the ethylene / α-olefin copolymers (A-2) to (A-2) to (A) are similarly prepared except that the monomer type and the charged amount are changed so that the composition of the copolymer is as shown in Table 1. A-4), ethylene copolymers (B-1) to (B-2), and ethylene copolymers (C-1) to (C-2) were obtained.
[0158]
Table 1 shows the basic properties of the obtained copolymers (A-2) to (A-4), (B-1) to (B-2), and (C-1) to C-2).
[0159]
[Table 1]
[0160]
[Example 1]
50% by weight of ethylene / 1-butene copolymer (A-1), 20% by weight of ethylene / 1-butene copolymer (B-1), 30% ethylene / 1-butene copolymer (C-1) % By weight was melt-kneaded at 200 ° C. using a single screw extruder (thermo 20 mmφ) and pelletized to obtain an ethylene copolymer composition (E).
[0161]
About the pellet of the obtained ethylene copolymer composition (E), the pellet blocking test was done and blocking property was evaluated. The results are shown in Table 2.
[Pellet blocking test]
Pellets are put into a polyethylene bag and 100g / cm in an oven set at 35 ° C.2After leaving for 72 hours under load, the blocking state of the removed pellet was evaluated as follows.
[0162]
A: Almost no blocking
○: Easy to loosen by hand
Δ: Can be loosened by pushing with hand
×: Pellets are fused to form a veil
[0163]
[Examples 2 to 5]
Ethylene copolymer compositions (F) to (I) were prepared in the same manner as in Example 1 with the formulation shown in Table 2, and a pellet blocking test was conducted in the same manner as in Example 1. In all cases, pellet blocking was difficult to occur, and workability was good. The results are shown in Table 2.
[0164]
[Comparative Examples 1-2]
Ethylene copolymer compositions (J) and (K) were prepared in the same manner as in Example 1 with the formulation shown in Table 2, and a pellet blocking test was performed. In either case, pellet blocking occurred and workability was poor. The results are shown in Table 2.
[0165]
[Table 2]
[0166]
[Example 6]
30% by weight of the ethylene copolymer composition (E) obtained in Example 1 and 70% by weight of homopolypropylene (D) (MFR: 45 g / 10 min) and 0.1% by weight of calcium stearate as a stabilizer. %, Irganox 1010 0.1% by weight, Irganox 168 0.1% by weight, melt kneaded at 200 ° C. using a twin screw extruder, and pelletized with a pelletizer.
[0167]
The obtained pellets were injection molded at 230 ° C. using an injection molding machine, and the breaking strength, flexural modulus, impact strength, and viscoelasticity were measured by the following evaluation methods.
The results are shown in Table 3.
[Strength at break (TS)]
Measured at room temperature according to ASTM D638.
[Flexural modulus (FM)]
In accordance with ASTM D 790, measurement was performed under conditions of 32 mm span and a bending speed of 5 m / min using a 2 mm thick test piece injection-molded under predetermined conditions.
[Impact strength (IZ)]
Based on ASTM D256, it measured at -30 degreeC using the test piece (back notch) of thickness 3mm.
[Viscoelasticity]
Decrease due to glass transition temperature of polypropylene polymer (D) by measuring the temperature dependence of dynamic viscoelasticity from -80 to 50 ° C. at a frequency of 62.5 rad / sec using RDSII manufactured by Rheometrics It was judged whether the peak of the rate (tan δ) and the peak of the decay rate (tan δ) due to the glass transition temperature of the ethylene / α-olefin copolymer composition were separated or fused.
[0168]
[Example 7]
Except that the ethylene copolymer composition (F) obtained in Example 2 was used, a molded body was produced in the same manner as in Example 6 and evaluated in the same manner as in Example 6. The results are shown in Table 3.
[0169]
[Example 8]
Except that the ethylene copolymer composition (G) obtained in Example 3 was used, a molded body was produced in the same manner as in Example 6 and evaluated in the same manner as in Example 6. The results are shown in Table 3.
[0170]
[Example 9]
A molded body was produced in the same manner as in Example 6 except that the ethylene copolymer composition (H) obtained in Example 4 was used, and the same evaluation as in Example 6 was performed. The results are shown in Table 3.
[0171]
[Example 10]
A molded body was produced in the same manner as in Example 6 except that the ethylene copolymer composition (I) obtained in Example 5 was used, and the same evaluation as in Example 6 was performed. The results are shown in Table 3.
[0172]
[Comparative Example 3]
A molded body was produced in the same manner as in Example 6 except that the ethylene copolymer composition (J) obtained in Comparative Example 1 was used, and the same evaluation as in Example 6 was performed. The results are shown in Table 3.
[0173]
[Comparative Example 4]
A molded body was produced in the same manner as in Example 6 except that the ethylene copolymer composition (K) obtained in Comparative Example 2 was used, and the same evaluation as in Example 6 was performed. The results are shown in Table 3.
As is apparent from Table 3, in the propylene polymer compositions obtained in Examples 6 to 10, the obtained molded articles were excellent in the balance of strength at break, flexural modulus, and impact resistance.
[0174]
[Table 3]
Claims (6)
(i)エチレンから誘導される構成単位の含量が50〜70モル%、炭素原子数4〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンから誘導される構成単位の含量が30〜50モル%の範囲にあり、
(ii)密度が0.863g/cm3以下であり、
(iii)135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が0.1〜10.0dl/gの範囲にあり、
(iv)示差走査型熱量計で測定したガラス転移温度が−60℃以下であって、結晶化度が1%以下であり、
(v)13C-NMRスペクトルにおけるTααに対するTαβの強度比(Tαβ/Tαα)が0.5以下であり、
(vi)下記一般式(1)
B値=[POE]/(2・[PE][PO]) …(1)
(式中、[PE]は共重合体中のエチレンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、[PO]は共重合体中のα-オレフィンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、[POE]は共重合体中の全ダイアド(dyad)連鎖に対するエチレン・α-オレフィン連鎖数の割合である。)
から求められるB値が0.9〜1.5の範囲にあるエチレン・α-オレフィン共重合体と、
(B)エチレンと、炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンおよび環状オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体であって、
(i)エチレンから誘導される構成単位の含量が80〜87モル%、炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンおよび環状オレフィンから誘導される構成単位の含量が13〜20モル%の範囲にあり、
(ii)密度が0.860〜0.884g/cm3の範囲にあり、
(iii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.3〜50g/10分の範囲にあるエチレン共重合体と、
(C)エチレンと、炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンおよび環状オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体であって、
(i)エチレンから誘導される構成単位の含量が89〜99モル%、炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα-オレフィンおよび環状オレフィンから誘導される構成単位の含量が1〜11モル%の範囲にあり、
(ii)密度が0.885〜0.930g/cm3の範囲にあり、
(iii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.3〜50g/10分の範囲にあり、
(iv)示差走査型熱量計で測定した吸熱曲線における最大ピーク位置の温度(Tm(℃))と密度(d(g/cm3 ))とが、
Tm<400×d−250
で示される関係を満足するエチレン共重合体と
からなり、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)を30〜70重量%、エチレン共重合体(B)を1〜69重量%、エチレン共重合体(C)を1〜69重量%の割合で含有することを特徴とするエチレン共重合体組成物。(A) a copolymer of ethylene and a linear or branched α-olefin having 4 to 20 carbon atoms,
(I) The content of structural units derived from ethylene is 50 to 70 mol%, and the content of structural units derived from linear or branched α-olefins having 4 to 20 carbon atoms is 30 to 50 mol% In the range of
(Ii) the density is 0.863 g / cm 3 or less,
(Iii) The intrinsic viscosity [η] measured in 135 ° C. decalin is in the range of 0.1 to 10.0 dl / g,
(Iv) The glass transition temperature measured with a differential scanning calorimeter is −60 ° C. or lower, and the crystallinity is 1% or lower,
(V) the intensity ratio of Tαβ to Tαα (Tαβ / Tαα) in the 13 C-NMR spectrum is 0.5 or less,
(Vi) The following general formula (1)
B value = [P OE ] / (2 · [P E ] [P O ]) (1)
(Wherein [P E ] is the mole fraction of structural units derived from ethylene in the copolymer, and [P O ] is the content of structural units derived from α-olefin in the copolymer) (Mole fraction, [P OE ] is the ratio of the number of ethylene / α-olefin chains to the total dyad chains in the copolymer)
An ethylene / α-olefin copolymer having a B value in the range of 0.9 to 1.5;
(B) a copolymer of ethylene and at least one olefin selected from the group consisting of a linear or branched α-olefin having 3 to 20 carbon atoms and a cyclic olefin,
(I) The content of structural units derived from ethylene is 80 to 87 mol%, and the content of structural units derived from linear or branched α-olefins having 3 to 20 carbon atoms and cyclic olefins is 13 to In the range of 20 mol%,
(Ii) the density is in the range of 0.860 to 0.884 g / cm 3 ;
(Iii) an ethylene copolymer having a melt flow rate in the range of 0.3 to 50 g / 10 min at 190 ° C. and a load of 2.16 kg;
(C) a copolymer of ethylene and at least one olefin selected from the group consisting of linear or branched α-olefins having 3 to 20 carbon atoms and cyclic olefins,
(I) The content of structural units derived from ethylene is 89 to 99 mol%, and the content of structural units derived from linear or branched α-olefins having 3 to 20 carbon atoms and cyclic olefins is 1 to In the range of 11 mol%,
(Ii) the density is in the range of 0.885~0.930g / cm 3,
(Iii) The melt flow rate at 190 ° C. and a load of 2.16 kg is in the range of 0.3 to 50 g / 10 minutes,
(Iv) The temperature (Tm (° C.)) and the density (d (g / cm 3 )) of the maximum peak position in the endothermic curve measured with a differential scanning calorimeter,
Tm <400 × d−250
The ethylene copolymer satisfying the relationship represented by the formula: 30 to 70% by weight of ethylene / α-olefin copolymer (A), 1 to 69% by weight of ethylene copolymer (B), ethylene copolymer An ethylene copolymer composition comprising the blend (C) in a proportion of 1 to 69% by weight.
請求項1に記載のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)と、
請求項1に記載のエチレン共重合体(B)と、
請求項1に記載のエチレン共重合体(C)とからなり、
プロピレン重合体(D)を98〜60重量%の割合で含有し、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)、エチレン共重合体(B)およびエチレン共重合体(C)を合計で2〜40重量%の割合で含有し、かつエチレン・α-オレフィン共重合体(A)、エチレン共重合体(B)およびエチレン共重合体(C)の合計量を100重量%としたときに、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)を30〜70重量%、エチレン共重合体(B)を1〜69重量%、エチレン共重合体(C)を1〜69重量%の割合で含有することを特徴とするプロピレン重合体組成物。A propylene polymer (D);
The ethylene / α-olefin copolymer (A) according to claim 1,
The ethylene copolymer (B) according to claim 1,
It consists of the ethylene copolymer (C) according to claim 1,
The propylene polymer (D) is contained in a proportion of 98 to 60% by weight, and the ethylene / α-olefin copolymer (A), the ethylene copolymer (B) and the ethylene copolymer (C) are 2 to 2 in total. When the total amount of the ethylene / α-olefin copolymer (A), the ethylene copolymer (B) and the ethylene copolymer (C) is 100% by weight -The α-olefin copolymer (A) is contained in an amount of 30 to 70% by weight, the ethylene copolymer (B) in an amount of 1 to 69% by weight, and the ethylene copolymer (C) in an amount of 1 to 69% by weight. A propylene polymer composition characterized by the above.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000302526A JP4509345B2 (en) | 2000-10-02 | 2000-10-02 | Ethylene copolymer composition and use thereof, propylene polymer composition and molded article comprising the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000302526A JP4509345B2 (en) | 2000-10-02 | 2000-10-02 | Ethylene copolymer composition and use thereof, propylene polymer composition and molded article comprising the same |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002105254A JP2002105254A (en) | 2002-04-10 |
JP4509345B2 true JP4509345B2 (en) | 2010-07-21 |
Family
ID=18783866
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000302526A Expired - Lifetime JP4509345B2 (en) | 2000-10-02 | 2000-10-02 | Ethylene copolymer composition and use thereof, propylene polymer composition and molded article comprising the same |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4509345B2 (en) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5611849B2 (en) * | 2011-01-24 | 2014-10-22 | 三井化学株式会社 | Ethylene / α-olefin / non-conjugated polyene copolymer and thermoplastic elastomer containing the same |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2618169B2 (en) * | 1992-12-22 | 1997-06-11 | 三井石油化学工業株式会社 | Polypropylene composition |
JP3396389B2 (en) * | 1996-03-19 | 2003-04-14 | 三井化学株式会社 | Polypropylene film |
JP3711175B2 (en) * | 1996-06-14 | 2005-10-26 | 三井化学株式会社 | Polypropylene resin composition and use thereof |
JP3749590B2 (en) * | 1997-03-31 | 2006-03-01 | 三井化学株式会社 | Ethylene / α-olefin copolymer composition and use thereof |
-
2000
- 2000-10-02 JP JP2000302526A patent/JP4509345B2/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002105254A (en) | 2002-04-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2117699C (en) | Propylene polymer compositions | |
JP4954422B2 (en) | Ethylene copolymer, ethylene / α-olefin copolymer composition containing the copolymer, and propylene polymer composition | |
EP0957147B1 (en) | Hot melt adhesive compositions | |
JPH09316147A (en) | Propylene/ethylene-alpha-olefin block copolymer and its production | |
JP3766439B2 (en) | Method for producing resin composition | |
JP2002363356A (en) | Polypropylene resin composition for extrusion coating | |
KR20000064781A (en) | Olefin Copolymer Shrink Film | |
JP3625242B2 (en) | Ethylene polymer composition | |
JP3749590B2 (en) | Ethylene / α-olefin copolymer composition and use thereof | |
JP3945543B2 (en) | Olefin-based thermoplastic elastomer composition | |
JP4509345B2 (en) | Ethylene copolymer composition and use thereof, propylene polymer composition and molded article comprising the same | |
JPH11286584A (en) | Polypropylene-based resin molded product | |
JP3656321B2 (en) | Olefin-based block copolymer and method for producing the same | |
JP3740700B2 (en) | Ethylene copolymer composition and molded article | |
JP3683331B2 (en) | Polypropylene composition | |
JP2003221478A (en) | ETHYLENE/alpha-OLEFIN COPOLYMER COMPOSITION AND ITS USE | |
JPH09124854A (en) | Resin composition and its molded article | |
KR19990067697A (en) | -olefin-aromatic vinyl compound copolymer composition and molded article | |
JP2003221477A (en) | ETHYLENE/alpha-OLEFIN COPOLYMER COMPOSITION AND ITS USE | |
CA2295388C (en) | Propylene polymer compositions | |
JP3663772B2 (en) | Electrical insulator composition, electric wire coating material and electric wire | |
JP2001172335A (en) | Ethylene 1-butene random copolymer and polypropylene resin composition using the same | |
JP3757497B2 (en) | Polypropylene resin composition | |
JP2000080225A (en) | Polybutene resin composition | |
JP2002363308A (en) | Polypropylene resin film for shrink wrapping |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061218 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090914 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090929 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20091113 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100420 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100428 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4509345 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |