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JP4506348B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置 Download PDF

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JP4506348B2
JP4506348B2 JP2004237416A JP2004237416A JP4506348B2 JP 4506348 B2 JP4506348 B2 JP 4506348B2 JP 2004237416 A JP2004237416 A JP 2004237416A JP 2004237416 A JP2004237416 A JP 2004237416A JP 4506348 B2 JP4506348 B2 JP 4506348B2
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Description

本発明は内燃機関の排気浄化装置に関し、詳細には排気中の特定成分を吸蔵することにより排気浄化性能が低下する排気浄化触媒を備えた内燃機関の排気浄化装置に関する。
内燃機関の排気通路に配置した排気浄化触媒を備え、排気中の有害物質を浄化する排気浄化装置が知られている。このような排気浄化触媒には、使用とともに排気中の特定の成分(被毒物質)を吸収、吸着等により吸蔵し、被毒物質の吸蔵量増大とともに排気浄化能力が低下するものがある。
例えば排気浄化触媒として、流入する排気空燃比がリーンのときに排気中の窒素酸化物(NOX)を吸収、吸着またはその両方により吸蔵し、流入する排気空燃比がリッチになったときに吸蔵したNOXを還元浄化するNOX吸蔵還元触媒が知られているが、排気中に硫黄酸化物(SOX)が含まれると、NOX吸蔵還元触媒にはNOXと同様にSOXが吸蔵される問題が生じる。
SOXはNOX吸蔵還元触媒内で安定した硫酸塩を形成するため、NOX吸蔵還元触媒からNOXが放出される条件下でも触媒から放出されない場合がある。このため、NOX吸蔵還元触媒中に吸蔵された硫黄成分の量は徐々に増大し、それにつれてNOXの吸蔵能力が低下する。すなわち、NOX吸蔵還元触媒は排気中の特定成分としての硫黄を吸蔵し、排気浄化能力の低下(硫黄による被毒)を生じる。
NOX吸蔵還元触媒の硫黄被毒を解消するためには、排気空燃比を理論空燃比またはリッチ空燃比に維持した状態で触媒温度を通常運転時より高い所定の温度まで上昇させる被毒解消操作が必要となる。
被毒解消操作時に触媒温度を通常運転時より高い所定温度まで上昇させるためには、触媒に未燃燃料などの炭化水素(HC)やCO成分を比較的多量に供給するとともに、充分な酸素を供給してHCやCO成分を触媒上で燃焼させることが有効である。
このため、例えば多気筒機関では、被毒解消操作時に一部の気筒をリッチ空燃比で運転し、他の気筒をリーン空燃比で運転することにより触媒にHCやCO成分を多量に含んだリッチ空燃比排気と、酸素を多量に含んだリーン空燃比排気とを供給し、触媒上で両者を混合させることにより理論空燃比近傍のややりリッチな混合排気を形成することが行われる。このように、触媒上でHC、CO成分と酸素とを比較的多量に含んだ混合排気を形成することにより、触媒上でHC、CO成分を燃焼させ、ややリッチ空燃比の雰囲気で触媒温度を上昇させることができる。
ところが、このように、被毒解消操作時に一部の気筒をリッチ空燃比運転することにより触媒温度を上昇させる場合には、余分な燃料をリッチ空燃比運転する気筒に供給する必要が生じ、被毒解消操作を頻繁に実行すると機関の燃費が悪化する問題かがある。
そこで、被毒解消操作を特定の機関運転状態が成立したときにのみ実行し、被毒解消操作の頻繁な実施による機関燃費の悪化を防止することが行われている。
この種の内燃機関の排気浄化装置の例としては、特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1の装置では、上記のように機関の一部の気筒をリッチ空燃比で運転し他の気筒をリーン空燃比で運転することにより、NOX吸蔵還元触媒の硫黄被毒解消操作を行う。また、特許文献1の装置は、特定の機関運転状態でのみこの硫黄被毒解消操作を実行することにより、被毒解消操作が頻繁に行われて機関の燃費が悪化することを防止するとともに、NOX吸蔵還元触媒のSOX吸蔵量が増大するほど、被毒解消操作を実行する機関運転条件を拡大することにより、NOX吸蔵還元触媒のSOX吸蔵量が増大した状態での運転が長時間継続することを防止している。
すなわち、特許文献1の装置ではNOX吸蔵還元触媒のSOX吸蔵量が少ない場合には例えば、NOX吸蔵還元触媒の床温が比較的高温になる機関運転条件にならなければ被毒解消操作を開始しない。また、SOX吸蔵量が増大すると触媒床温が比較的低温になる機関運転条件でも被毒解消操作を開始するようにして被毒解消操作を行う機関運転条件を拡大する。
これにより、特許文献1の装置ではSOX吸蔵量が少ない場合には被毒解消操作が実行されにくくなり、小刻みな被毒解消操作が頻繁に行われることが防止されるとともに、SOX吸蔵量が増大すると被毒解消操作が実行されやすくなり、NOX吸蔵還元触媒のSOX吸蔵量が増大した状態で長時間運転が継続されることが防止される。
特開2000−18025号公報 特開2002−256858号公報 特開平11−107811号公報 特開2000−303825号公報 特開平11−190209号公報 特開2003−155925号公報
上述したように特許文献1の排気浄化装置では、NOX吸蔵還元触媒のSOX吸蔵量が増大するほど被毒解消操作が実行されやすくなる。このため、例えばSOX吸蔵量が大きくなると、触媒温度が比較的低い状態でも被毒解消操作が実行されるようになる。
ところが、被毒解消操作では触媒温度を所定の回復温度(NOX吸蔵還元触媒から硫黄が放出される温度、例えば、約870度K以上)まで上昇させる必要があるため、被毒解消操作開始時の触媒温度が低ければ低いほど、被毒解消操作開始時に触媒温度を上記回復温度まで昇温するために消費されるエネルギーが増大し、機関の燃費が悪化する問題がある。
また、特許文献1の装置では逆にNOX吸蔵還元触媒のSOX吸蔵量が小さいほど被毒解消操作が実行されにくくなる。このため、例えば触媒温度が比較的高くなっており、被毒解消操作開始時に回復温度まで触媒温度を上昇させるのに消費されるエネルギーが小さい状態になっているにもかかわらずSOX吸蔵量が比較的小さい間は被毒解消操作が実行されない場合が生じる。
このため、特許文献1の装置では被毒解消操作実行による燃費の増大を十分に抑制することができない問題がある。
本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、排気浄化触媒の温度を上昇させる被毒解消操作を行う際に、機関燃費の増大を十分に抑制し効率的な被毒解消操作を行うことを可能とする内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明によれば、流入する排気がリーン空燃比のときに排気中のNO X 成分を吸蔵し、流入する排気がリッチ空燃比になったときに吸蔵したNO X を還元浄化するとともに、排気中のSO X 成分を吸蔵して排気浄化能力が低下する排気浄化触媒を備え、前記排気浄化触媒のSO X 成分の吸蔵量が増大して所定の開始値に到達したときに前記排気浄化触媒の温度を上昇させて前記吸蔵したSO X 成分を排気浄化触媒から放出させる被毒解消操作を開始する内燃機関の排気浄化装置において、前記被毒解消操作開始前の排気浄化触媒温度に応じて、前記被毒解消操作実行による機関燃費の増大を抑制するように前記開始値を変更する内燃機関の排気浄化装置が提供される。
すなわち、請求項1の発明では被毒解消操作を開始する特定成分吸蔵量の値を排気浄化触媒温度に応じて変更する。
被毒解消操作開始前の排気浄化触媒温度は被毒解消操作に消費されるエネルギー量に密接に関連する。例えば、排気浄化触媒温度が高い状態で被毒解消操作を開始すれば少ないエネルギー量で触媒の温度を上昇させることができるため、比較的頻繁に被毒解消操作を行った方が効率的な場合がある。
また、排気浄化触媒温度が低い場合には、触媒の温度上昇に消費されるエネルギー量が大きくなるため、被毒解消操作実行頻度が比較的少ない方がエネルギー損失が小さくなる。
一方、排気浄化触媒の特定成分吸蔵量に応じて被毒解消操作を行う場合には、吸蔵量の開始値は被毒解消操作の実行頻度に大きく影響する。
このため、排気浄化触媒温度に応じて被毒解消操作の開始値を変更することにより、排気浄化触媒温度に応じて被毒解消操作の実行頻度を変えることができるようになり、触媒温度に応じた適切な排気浄化触媒の被毒解消操作実行頻度を設定することが可能となる。
従って、本発明によれば効率的な排気浄化触媒の被毒解消操作を行うことが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、更に、前記被毒解消操作実行中に前記排気浄化触媒の前記SO X 成分の吸蔵量が低下して所定の終了値に到達したときに被毒解消操作を終了するとともに、前記被毒解消操作開始前の排気浄化触媒温度に応じて、前記被毒解消操作実行による機関燃費の増大を抑制するように記終了値を変更する、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置が提供される。
すなわち、請求項2の発明では、被毒解消操作の開始値に加えて、被毒解消操作を終了する特定成分吸蔵量である終了値を排気浄化触媒温度に応じて変更する。これにより、開始値のみを排気浄化触媒温度に応じて変更する場合に較べて更に正確に被毒解消操作実行頻度を設定することが可能となる。また、被毒解消操作時の排気浄化触媒からの特定成分放出速度は排気浄化触媒の特定成分吸蔵量に応じて変化する。このため、終了値を排気温度に応じて変更することにより、被毒解消操作の実行頻度とともに、被毒解消操作が行われる排気浄化触媒の特定成分吸蔵量の範囲(すなわち、被毒解消操作実行時の特定成分の放出速度)を設定することができる。
従って、本発明によれば更に効率的な排気浄化触媒の被毒解消操作を行うことが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、前記被毒解消操作開始前の排気浄化触媒温度が高いほど、前記開始値の値が小さくなるように前記開始値の値を変更する、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、前記被毒解消操作開始前の排気浄化触媒温度が高いほど、前記開始値と前記終了値の値が小さくなるように前記開始値と終了値の値を変更する、請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置が提供される。
すなわち、請求項3と請求項4の発明では、開始値及び終了値の変更はいずれも被毒解消操作開始前の排気浄化触媒温度が高いほど、開始値、終了値の値が小さくなるように変更する。
これにより、請求項3と請求項4の発明では排気浄化触媒温度が高い場合に被毒解消操作実行頻度を多く、低い場合に少なく設定することができるため、効率的な排気浄化触媒の被毒解消操作を行うことができる。また、請求項4の発明では、排気浄化触媒温度が低いほど排気浄化触媒の特定成分吸蔵量が多い領域(特定成分の放出速度が大きい領域)で被毒解消操作が実行されるようになるため、更に効率的に被毒解消操作を行うことが可能となる。
各請求項に記載の発明によれば、排気浄化触媒温度に応じて被毒解消操作実行頻度を変えることにより、効率的な排気浄化触媒の被毒解消操作を行うことが可能となる共通の効果を奏する。
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を自動車用内燃機関に適用した場合の、実施形態の概略構成を説明する図である。
図1において、1は自動車用内燃機関を示す。本実施形態では、機関1は#1から#4の4つの気筒を備えた4気筒ガソリン機関とされ、#1から#4気筒には直接気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁111から114が設けられている。後述するように、本実施形態の内燃機関1は、理論空燃比より高い(リーンな)空燃比で運転可能なリーンバーンエンジンとされている。
また、本実施形態では#1から#4の気筒は互いに点火時期が連続しない2つの気筒からなる2つの気筒群にグループ分けされている。(例えば、図1の実施形態では、気筒点火順序は1−3−4−2であり、#1、#4の気筒と#2、#3の気筒とがそれぞれ気筒群を構成している。)また、各気筒の排気ポートは気筒群毎に排気マニホルドに接続され、気筒群毎の排気通路に接続されている。
図1において、21aは#1、#4気筒からなる気筒群の排気ポートを個別排気通路2aに接続する排気マニホルド、21bは#2、#3気筒からなる気筒群の排気ポートを個別排気通路2bに接続する排気マニホルドである。本実施形態では、個別排気通路2a、2b上には、三元触媒からなるスタートキャタリスト(以下「SC」と呼ぶ)5aと5bがそれぞれ配置されている。また、個別排気通路2a、2bはSC下流側で共通の排気通路2に合流している。
共通排気通路2上には、後述するNOX吸蔵還元触媒7が配置されている。図1に29a、29bで示すのは、個別排気通路2a、2bのスタートキャタリスト5a、5b上流側に配置された上流側空燃比センサ、31で示すのは、排気通路2のコンバータ70出口に配置された下流側空燃比センサである。空燃比センサ29a、29b及び31は、広い空燃比範囲で排気空燃比に対応する電圧信号を出力する、いわゆるリニア空燃比センサとされているが、リニア空燃比センサの代わりに、排気中の酸素濃度を検出し出力が理論空燃比を境に急激に変化する、いわゆるZ型出力特性を有するO2センサを使用することも可能である。
更に、図1に30で示すのは機関1の電子制御ユニット(ECU)である。ECU30は、本実施形態ではRAM、ROM、CPUを備えた公知の構成のマイクロコンピュータとされ、機関1の点火時期制御や燃料噴射制御等の基本制御を行っている。また、本実施形態では、ECU30は上記の基本制御を行う他に、後述するようにNOX吸蔵還元触媒7のNOX吸蔵状態に応じてリーン空燃比運転中に燃料噴射弁111から114の燃料噴射量を変更して、短時間機関をリッチ空燃比で運転し、NOX吸蔵還元触媒7から吸蔵したNOXを放出させるするリッチスパイク操作を行う。
また、ECU30はNOX吸蔵還元触媒に吸蔵した硫黄成分をNOX吸蔵還元触媒の温度を上昇させることにより放出させる、後述する硫黄被毒回復操作をおこなう。
これらの制御を行うため、ECU30の入力ポートには、図示しない機関吸気マニホルドに設けられた吸気圧センサ33から機関の吸気圧力に対応する信号と、機関クランク軸(図示せず)近傍に配置された回転数センサ35から機関回転数に対応する信号、機関1のアクセルペダル(図示せず)近傍に配置したアクセル開度センサ37から運転者のアクセルペダル踏込み量(アクセル開度)を表す信号、及び機関1の冷却水通路に配置された冷却水温度センサ39から機関冷却水温度を表す信号がそれぞれ入力されている他、空燃比センサ29a、29bからそれぞれ#1、#4気筒と#2、#3気筒からの排気空燃比が、空燃比センサ31からNOX吸蔵還元触媒7出口の排気空燃比が、それぞれ入力されている。
本実施形態では、ECU30は吸気圧センサ33で検出した機関吸気圧力と回転数センサ35で検出した機関回転数とに基づいて機関1の吸入空気流量を算出し、機関の理論空燃比またはリッチ空燃比運転時の燃料噴射量を制御する。
また、ECU30はアクセル開度センサ37で検出したアクセル開度と機関回転数とに基づいて機関のリーン空燃比運転時の燃料噴射量を制御する。
また、ECU30の出力ポートは、各気筒への燃料噴射量と燃料噴射時期を制御するために、図示しない燃料噴射回路を介して各気筒の燃料噴射弁111から114に接続されている。
これらの燃料噴射制御としては、いずれの公知の制御を用いることができるため、ここでは詳細な説明は省略する。
次に、本実施形態のNOX吸蔵還元触媒7について説明する。
本実施形態のNOX吸蔵還元触媒7は、例えばハニカム状に形成したコージェライト等の担体を用いて、この担体表面にアルミナのコーティングを形成し、アルミナ層上に、例えばカリウムK、ナトリウムNa 、リチウムLi 、セシウムCs のようなアルカリ金属、バリウムBa 、カルシウムCa のようなアルカリ土類、ランタンLa 、セリウムCe、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つの成分と、白金Ptのような貴金属とを担持させたものである。NOX吸蔵還元触媒は流入する排気ガスの空燃比がリーンのときに、排気中のNOX(NO2、NO)を吸収、吸着またはその両方により吸蔵し、流入排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸蔵したNOXをNO2の形で放出するNOXの吸放出作用を行う。
例えば、機関1がリーン空燃比で運転されNOX吸蔵還元触媒7に流入する排気がリーン空燃比である場合には、排気中のNOX(NO、NO2)はNOX吸蔵還元触媒7に吸蔵され、NOX吸蔵還元触媒7を通過した排気中のNOX濃度はほぼゼロになる。
また、流入排気中の酸素濃度が大幅に低下すると(すなわち、排気の空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比になると)、NOX吸蔵還元触媒7に吸蔵されたNOXは排気中のCOやH2等還元剤として機能する成分やHC成分(以下、還元成分等)により還元され、NO2の形でNOX吸蔵還元触媒7から放出される。
本実施形態では、ECU30はNOX吸蔵還元触媒7に吸蔵されたNOXの量が所定値に到達する毎に機関1を短時間リッチ空燃比で運転し、NOX吸蔵還元触媒にリッチ空燃比の排気を供給するリッチスパイク操作を行う。これにより、NOX吸蔵還元触媒7から吸蔵されたNOXがNO2の形で放出され、NOX吸蔵還元触媒が吸収したNOXにより飽和することが防止される。
なお、本実施形態におけるリッチスパイク操作としては公知のいずれの方法を用いることができるため、ここでは詳細な説明は省略する。
ところが、上記のようなNOX吸蔵還元触媒7を排気浄化触媒として使用する場合には、排気中に硫黄酸化物(SOX)等の特定成分が含まれると問題が生じる。
すなわち、リーン空燃比排気中にSOX等が含まれていると、排気中のSOXはNOXと全く同様なメカニズムでNOX吸蔵還元触媒7に吸蔵される。しかし、SOXはNOX吸蔵還元触媒に吸蔵された状態ではNOXよりはるかに安定な化合物を形成するため、単に触媒7にリッチ空燃比の排気を供給するだけのリッチスパイク操作を行ったのでは、NOXを放出させることはできてもSOXを放出させるには不十分である。
このため、排気中にSOXが含まれるとリッチスパイク操作を定期的に行っていても触媒7内には次第にSOXが蓄積されるようになり、NOX吸蔵還元触媒7の吸蔵可能なNOX量(NOX吸蔵能力)は触媒内に吸蔵されたSOXの量だけ低下するようになる。従って、吸蔵されたSOXの量が増大すると、NOX吸蔵還元触媒7は排気中のNOXを吸蔵することができなくなり、未浄化のNOXが吸蔵されないままNOX吸蔵還元触媒7を通過するようになる。
すなわち、NOX吸蔵還元触媒7は、排気中の特定成分としてのSOXを吸蔵することにより排気浄化能力が低下する、いわゆる硫黄被毒が生じるのである。
NOX吸蔵還元触媒7に吸蔵されたSOXは、NOX吸蔵還元触媒7を理論空燃比またはリッチ空燃比雰囲気で所定の高温状態(例えば870度K以上)に維持することによりNOX吸蔵還元触媒7から放出されることが知られている。このため、排気中にSOXが含まれる場合にはNOX吸蔵還元触媒7に吸蔵されたSOX量が増大する毎に、NOX吸蔵還元触媒7に理論空燃比またはリッチ空燃比の排気を供給しつつ通常の運転温度よりも高い温度にNOX吸蔵還元触媒7を保持する、被毒解消操作を行う必要がある。
例えば、前述の特許文献1では触媒に交互にリーン空燃比とリッチ空燃比の排気を供給して触媒上でリッチ空燃比排気中のHC等をリーン空燃比排気中の酸素を用いて燃焼させることにより触媒を昇温して被毒解消操作を行っている。
このように、リーン空燃比とリッチ空燃比の排気を交互に触媒に供給して触媒を昇温することにより、別途触媒上流側の排気通路にHC等や二次空気を供給する装置を設けることなく、簡易に触媒にHC等の可燃成分と酸素とを供給することができる。
しかし、特許文献1の装置では、前述したようにNOX吸蔵還元触媒7のSOX吸蔵量に応じて被毒解消操作を実行する触媒温度を変更、すなわちSOX吸蔵量が増大するほど低い触媒温度から被毒解消操作を行うようにしているため、必ずしも効率的に被毒解消操作を行うことができない問題があった。
本実施形態では、以下に説明するように被毒解消操作開始前の排気浄化触媒温度に応じて被毒解消操作の実行頻度を変えることにより上記問題を解決している。
本実施形態においても、NOX吸蔵還元触媒7の被毒解消操作はNOX吸蔵還元触媒7のSOX吸蔵量に基づいて実行される。すなわち、本実施形態においては、ECU30は後述するように機関運転状態に基づいてNOX吸蔵還元触媒7のSOX吸蔵量を推定し、SOX吸蔵量が所定の開始値まで増大した場合には触媒温度にかかわらず被毒解消操作を開始する。また、被毒解消操作実行中、NOX吸蔵還元触媒7のSOX吸蔵量は放出により低下して行くが、本実施形態ではNOX吸蔵還元触媒7のSOX吸蔵量が所定の終了値まで低下した場合に被毒解消操作を終了する。
しかし、本実施形態では、上記被毒解消操作の開始値は一定値ではなく、被毒解消操作開始前のNOX吸蔵還元触媒7床温に応じて、床温が高いほど開始値が小さい値になるように変更する。
図2は、本実施形態における開始値の設定と排気温度との関係の一例を示す図である。
図2の縦軸はNOX吸蔵還元触媒7のSOX吸蔵量、横軸は被毒解消操作開始前の状態のNOX吸蔵還元触媒7床温(触媒温度)を示す。また、図2の実線は被毒解消操作を開始するSOX吸蔵量(すなわち、開始値)、点線は被毒解消操作を終了するSOX吸蔵量(終了値)である。
図2に示すように、本実施形態では被毒解消操作の開始値は排気浄化触媒温度の上昇とともに直線的に低下するように設定されており、終了値は触媒温度に無関係に一定の値に設定される。
図2の例では、機関のリーン空燃比運転中SOX吸蔵量が増大して開始値(実線)に到達する毎にNOX吸蔵還元触媒7の被毒解消操作が開始され、被毒解消操作実行中にSOXの放出によりNOX吸蔵還元触媒7中のSOX吸蔵量が図2の終了値(点線)まで低下するとSOXの被毒解消操作が終了する。
このため、開始値と終了値との間隔は、一回の被毒解消操作で放出されるSOX量(すなわち、被毒解消操作終了後次の被毒解消操作が開始されるまでに吸蔵するSOX量)を表すことになる。この量を被毒操作一回当たりの処理SOX量と称すると、図2に示すようにこの処理SOX量は、NOX吸蔵還元触媒7温度が高いほど小さくなり、低温時ではΔSL、中温時ではΔSM、高温時にはΔSHとなる(ΔSL>ΔSM>ΔSH)。
このため、仮に排気浄化触媒の各温度におけるNOX吸蔵還元触媒7の単位時間当たり吸蔵量(機関1のSOX発生量)が同一であれば、排気浄化触媒が高温であるほど短い間隔で被毒解消操作が繰り返されるようになる。実際には、被毒解消操作前のNOX吸蔵還元触媒7温度が高くなる運転領域では、排気温度が高く機関負荷も増大しているためNOX吸蔵還元触媒7温度が低くなる運転領域(機関負荷が低く排気温度が低い運転領域)よりも機関の単位時間当たりSOX発生量も増大しているため、更にNOX吸蔵還元触媒7温度が高くなるほど被毒解消操作実行間隔は短くなる。
前述したように、NOX吸蔵還元触媒7温度が高い領域では少ないエネルギーでNOX吸蔵還元触媒7を被毒解消に必要な温度まで昇温することができるため、被毒解消操作による燃費の悪化も少なくなる。
このため、図2のように被毒解消操作開始値を排気温度に応じて変化させ、排気温度が高い程小さな値になるように設定することにより、例えば車両の高速走行時等のように、排気温度(NOX吸蔵還元触媒7温度)が高く効率的な被毒解消操作を実行することができる領域では小刻みに短い間隔で被毒解消操作を実行し、車両の低速走行時等のように、排気温度が低く被毒解消操作実行に要するエネルギーが増大する運転領域では、被毒解消操作実行間隔を長く設定することが可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、効率的な被毒解消操作を実行可能な機関運転状態では被毒解消操作実行頻度を多く設定し、効率的な被毒解消操作を実行することができない機関運転状態では被毒解消操作実行頻度を少なく設定することができるため、全体として被毒解消操作を効率的に行うことが可能となり、機関の燃費の悪化を抑制することが可能となる。
次に、図3、図4を用いて本発明の別の実施形態について説明する。
図3は、本実施形態における被毒解消操作の開始値と終了値との設定を示す図である。図2の実施形態では、被毒解消操作の開始値のみをNOX吸蔵還元触媒7温度に応じて変更していたが、本実施形態では図3に示すように開始値とともに終了値もNOX吸蔵還元触媒7温度に応じて変更している点が図2の実施形態と相違している。
本実施形態では、被毒解消操作の終了値も開始値と同様に、被毒解消操作解消前のNOX吸蔵還元触媒7床温が高いほど小さな値に設定される(なお、図3は、終了値を開始値と平行な直線とした場合を示している)。
このように、被毒解消操作の終了値も開始値とともにNOX吸蔵還元触媒7温度に応じて変更することにより、被毒解消操作を更に効率的に行うことが可能となる。
すなわち、NOX吸蔵還元触媒7の被毒解消操作時にはNOX吸蔵還元触媒7から吸蔵したSOXが放出されるが、この放出速度は被毒解消操作時のNOX吸蔵還元触媒温度が同一であれば、NOX吸蔵還元触媒が吸蔵したSOX量が多いほど大きくなる。
図4は、一定温度下で被毒解消操作を行った場合の、NOX吸蔵還元触媒からのSOX放出(脱離)速度(mg/秒)とNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたSOX量(mg)との関係を模式的に示す図である。
図4に示すように、SOX放出速度はNOX吸蔵還元触媒のSOX吸蔵量(保持量)が増大するにつれて急激に大きくなる。図3のように開始値と終了値とが互いに平行な直線になるように設定した場合には、NOX吸蔵還元触媒温度にかかわらず一回の被毒操作におけるSOX放出量(SOX処理量)は同一の値(図3、ΔS)になる。
ところが、同じΔSの量のSOXを放出する場合であっても、図4に示すようにNOX吸蔵還元触媒のSOX吸蔵量が多い領域(図3にAで示す)と少ない領域(同、Bで示す)とでは、放出速度が大幅に異なるため、放出に要する時間、すなわち被毒解消操作に要する時間も大幅に異なってくる。
図3の例では、開始値と終了値とは互いに平行な直線になるように設定されているため、一回の被毒解消操作におけるSOX処理量は同一の値ΔSとなっている。しかし、図3から判るように、触媒温度が低い場合にはNOX吸蔵還元触媒の被毒解消操作はSOX吸蔵量が多い領域で行われるようになる。上述したように、この領域では被毒解消操作時のSOX放出速度が非常に大きくなっているためSOX吸蔵量が少ない領域に較べて短時間でΔSの量のSOXを放出することができる。このことは、SOX吸蔵量が多い領域では、同一の量のSOXを処理する被毒解消操作に要する時間を短くすることができ、それに応じて被毒解消操作に消費されるエネルギー量を低減することができることを意味している。
このため、図3のように被毒解消操作の開始値のみならず、終了値も触媒温度が高い程小さく(触媒温度が低い程大きく)設定することにより、触媒温度が低い場合にも効率的な被毒解消操作を行うことが可能となるのである。
また、図3のように、開始値と終了値とを互いに平行な直線として設定した場合には、NOX吸蔵還元触媒温度が低い運転状態では機関のSOX発生量も小さくなるため、ΔSの量のSOXがNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されるのに要する時間はNOX吸蔵還元触媒が高温の場合に較べて長くなる。
このため、図3の例でも被毒解消操作の実行頻度はNOX吸蔵還元触媒7温度が高いほど多くなる。これにより、本実施形態においては、効率の良い高温領域での被毒解消操作の実行頻度が大きくなるとともに、更に比較的実行頻度の少ない定温領域においても効率的な被毒解消操作を行うことが可能となるため、全体として極めて効率の良い被毒解消操作を行うことができる。
なお、図3では被毒解消操作の開始値と終了値とを平行な直線になるように設定しているが、例えばNOX吸蔵還元触媒7の温度が低い場合には高い場合に較べて開始値と終了値との差(すなわち、1回の被毒解消操作におけるSOX処理量)が小さくなるように図3点線で示したように終了値を設定して、NOX吸蔵還元触媒温度が低い場合にも被毒解消操作の実行頻度がそれほど低下しないようにすることも可能である。この場合には、低温領域での被毒解消操作の実行頻度が増大するが、前述したように低温領域ではSOX吸蔵量が多くSOX放出速度が大きい状態で被毒解消操作が行われるため、被毒解消操作の実行頻度が増大しても機関の燃費増大が抑制されるようになる。
図5は本実施形態の被毒解消操作を具体的に説明するフローチャートである。
本実施形態では、図5の操作は、ECU30により一定時間毎に実行されるルーチンとして行われる。
図5において操作がスタートすると、ステップ501では被毒解消操作実行フラグSの値が1にセットされているか否かが判定される。フラグSは、現在被毒解消操作が実行中であるか否かを表すフラグであり、後述するステップ513で被毒解消操作開始とともに1(実行中)にセットされ、ステップ521で被毒解消操作終了とともに0(非実行中)にセットされる。
ステップ501でS≠1、すなわち現在被毒解消操作実行中でなかった場合には、次にステップ503に進み現在のNOX吸蔵還元触媒7床温が読み込まれる。
NOX吸蔵還元触媒7床温は、触媒床に温度センサを配置して直接検出することも可能であるが、本実施形態では機関運転状態に基づいて触媒床温度を算出(推定)している。
すなわち、NOX吸蔵還元触媒7の単位時間当たりの温度変化は、触媒温度と排気温度との差と排気流量との関数となる。そこで、本実施形態では、予め触媒と排気との温度差、排気流量を変えて単位時間当たりの触媒温度上昇を実測し、触媒と排気との温度差、排気流量と単位時間当たりの触媒温度上昇幅との関係を求めて、ECU30のROMに数値テーブルの形で格納してある。また、機関運転状態(負荷、回転数)と排気温度、排気流量との関係についても実験などにより求めて同様な数値テーブルの形でECU30のROMに格納してある。
ECU30は、別途実行する図示しない触媒温度算出操作で、機関始動時から一定時間毎に機関運転状態に基づいて排気温度と排気流量とを算出するとともに、機関始動時の冷却水温度をNOX吸蔵還元触媒7温度の初期値として、算出した排気温度、流量と触媒温度とから単位時間当たりの触媒温度変化量を算出し、上記温度変化量を逐次積算することにより現在のNOX吸蔵還元触媒温度を算出している。
ステップ503では、上記触媒温度算出操作により算出した現在のNOX吸蔵還元触媒7温度が読み込まれる。
そして、ステップ505では上記により読み込んだNOX吸蔵還元触媒7温度を用いて、図3の関係から被毒解消操作の開始値CSSと終了値CSEとが設定される。
次いで、ステップ507では現在のNOX吸蔵還元触媒7のSOX吸蔵量CSが読み込まれる。
本実施形態では、ECU30は別途実行する図示しないSOX吸蔵量算出操作によりNOX吸蔵還元触媒7のSOX吸蔵量を算出(推定)している。
リーン空燃比運転中に単位時間当たりにNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されるSOX量は機関1のSOX発生量に比例する。一方、機関のSOX発生量のほぼ全量は燃料中の硫黄分の燃焼によるものなので、機関の単位時間当たりのSOX発生量は機関の燃料噴射量に比例する。従って、単位時間当たりにNOX吸蔵還元触媒7が吸蔵するSOX量は機関の燃料噴射量に比例することになる。
そこで、上記SOX吸蔵量算出操作では、機関のリーン空燃比運転中、ECU30は単位時間当たりの機関の燃料噴射量を求め、この燃料噴射量に予め実験により求めた係数を乗じた値をNOX吸蔵還元触媒が単位時間当たりに吸蔵したSOX量としている。従って、リーン空燃比運転中に上記単位時間当たりのSOX吸蔵量を積算することにより、NOX吸蔵還元触媒の現在のSOX吸蔵量CSが精度良く算出(推定)される。
ステップ507では上記SOX吸蔵量算出操作により算出された現在のSOX吸蔵量が読み込まれる。
なお、機関が理論空燃比またはリッチ空燃比で運転されている場合には、排気中のSOXはNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されないため、上記SOX吸蔵量の算出はリーン空燃比運転時のみ行われる。また、後述するように被毒回復操作の実行中は、SOXの放出に応じてSOX吸蔵量は低減される。
上記によりNOX吸蔵還元触媒7のSOX吸蔵量を読み込んだ後、ステップ509では現在のNOX吸蔵還元触媒7のSOX吸蔵量CSが、ステップ505で設定した被毒解消操作開始値CSS以上になっているか否かを判定する。
ステップ509でCS≧CSSであった場合には、現在のNOX吸蔵還元触媒7のSOX吸蔵量が被毒解消操作解消操作の開始値CSSを越えて増大しているため、ステップ511に進み被毒解消操作を開始する。
前述したように、本実施形態では被毒解消操作は一部の気筒をリッチ空燃比で運転することにより行う。
すなわち、ステップ511で被毒解消操作が開始されるとECU30は、機関1の#1、#4気筒をリッチ空燃比で運転し、#2、#3気筒をリーン空燃比で運転する。また、上記リーン空燃比とリッチ空燃比とは、機関1全体としての平均運転空燃比が理論空燃比よりややリッチ側になる値に選択される。
これにより、NOX吸蔵還元触媒7には未燃HC、CO等の可燃成分を多量に含む#1、#4気筒からのリッチ空燃比排気と、酸素を多量に含む#2、#3気筒からのリーン空燃比排気とが到達し、触媒上で両者が混合して未燃HC、CO成分が燃焼するようになり、燃焼熱により触媒温度が上昇する。
なお、被毒解消操作では、NOX吸蔵還元触媒7温度を、SOX放出が生じる所定温度(約870度K以上、好ましくは約900度K以上)にまで床温させる間は上記リッチ空燃比運転気筒の空燃比とリーン空燃比運転気筒との空燃比差を大きく(#1、#4気筒の運転空燃比をかなりリッチに、#2、#3気筒の運転空燃比をかなりリーンに)設定するが、NOX吸蔵還元触媒7の温度が上記所定温度に到達した後は上記空燃比差はNOX吸蔵還元触媒7を上記所定温度に維持するのに十分な程度の比較的小さな値に設定される。
ステップ511で被毒解消操作を開始後、ステップ513では前述の被毒解消操作実行フラグSの値が1に設定される。
なお、ステップ509でNOX吸蔵還元触媒7のSOX吸蔵量CSが被毒解消操作開始値CSSに到達していない場合には、ステップ511、513は実行せずにステップ509の後、直ちに今回の操作の実行を終了する。この場合には、被毒解消操作は開始は行われず通常の運転が続行される。
一方、ステップ513で被毒解消操作実行フラグSの値が1にセットされた場合には、次回の本操作実行時にはステップ501でS=1(被毒解消操作実行中)と判定される。
この場合には、次にステップ515が実行され、現在のNOX吸蔵還元触媒7のSOX吸蔵量CSが読み込まれる。
前述したように、被毒解消操作実行中はNOX吸蔵還元触媒7から吸蔵したSOXが放出されるため、NOX吸蔵還元触媒7のSOX吸蔵量は減少する。また、その減少速度はNOX吸蔵還元触媒からのSOX放出速度に等しい。
本実施形態では、ECU30が別途実行するSOX吸蔵量算出操作では、被毒解消操作実行中一定時間毎にSOX吸蔵量CSの値が減量される。また、SOX吸蔵量CSの一回当たりの減量量は、現在のSOX吸蔵量CSの値から図4の関係に基づいて決定されるSOX放出速度に比例した値とされる。これにより、CSの値は被毒解消操作実行中も正確に実際のNOX吸蔵還元触媒7のSOX吸蔵量に対応するようになる。
ステップ515でSOX吸蔵量CSを読み込んだ後、ステップ517では現在のSOX吸蔵量CSが、ステップ505で設定した被毒解消操作終了値CSEまで低下したか否かを判定する。
ステップ517でSOX吸蔵量CSが被毒解消操作終了値CSEまで低下していた場合(CS≦CSE)には、次にステップ519が実行され被毒解消操作が停止される。
この場合、ECU30は#1から#4の気筒の被毒解消操作開始前の空燃比(全気筒同一のリーン空燃比)での運転を再開する。これにより、NOX吸蔵還元触媒7のSOX吸蔵量は再度増大を開始する。
また、ステップ517でCS>CSEであった場合には、ステップ517の後、今回の本操作の実行は終了し、被毒解消操作は続行される。
なお、図2の例のように被毒解消操作開始値のみを排気温度に応じて変化させる場合には、ステップ505では、開始値CSSの値のみが図2の関係に基づいてNOX吸蔵還元触媒7温度に応じて設定され、終了値CSEの値は適宜な一定値とされる。
本発明を自動車用内燃機関に適用した場合の、実施形態の概略構成を説明する図である。 触媒温度に応じた被毒解消操作開始値の設定例を示す図である。 触媒温度に応じた被毒解消操作開始値及び終了値の設定例を示す図である。 NOX吸蔵還元触媒からのSOX放出速度とSOX吸蔵量との関係を模式的に示す図である。 本発明の被毒解消操作の一例を具体的に説明するフローチャートである。
符号の説明
1 機関本体
2 排気通路
5a、5b スタートキャタリスト(SC)
7 NOX吸蔵還元触媒
30 ECU(電子制御ユニット)

Claims (4)

  1. 流入する排気がリーン空燃比のときに排気中のNO X 成分を吸蔵し、流入する排気がリッチ空燃比になったときに吸蔵したNO X を還元浄化するとともに、排気中のSO X 成分を吸蔵して排気浄化能力が低下する排気浄化触媒を備え、前記排気浄化触媒のSO X 成分の吸蔵量が増大して所定の開始値に到達したときに前記排気浄化触媒の温度を上昇させて前記吸蔵したSO X 成分を排気浄化触媒から放出させる被毒解消操作を開始する内燃機関の排気浄化装置において、
    前記被毒解消操作開始前の排気浄化触媒温度に応じて、前記被毒解消操作実行による機関燃費の増大を抑制するように前記開始値を変更する内燃機関の排気浄化装置。
  2. 更に、前記被毒解消操作実行中に前記排気浄化触媒の前記SO X 成分の吸蔵量が低下して所定の終了値に到達したときに被毒解消操作を終了するとともに、前記被毒解消操作開始前の排気浄化触媒温度に応じて、前記被毒解消操作実行による機関燃費の増大を抑制するように記終了値を変更する、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記被毒解消操作開始前の排気浄化触媒温度が高いほど、前記開始値の値が小さくなるように前記開始値の値を変更する、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記被毒解消操作開始前の排気浄化触媒温度が高いほど、前記開始値と前記終了値の値が小さくなるように前記開始値と終了値の値を変更する、請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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