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JP4505780B2 - Decomposition and recovery method of polyurethane resin - Google Patents

Decomposition and recovery method of polyurethane resin Download PDF

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Landscapes

  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の産業製品として用いられるポリウレタン樹脂を化学的に分解し、ポリウレタン樹脂の原料であるポリオール化合物を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタン樹脂は、例えば、軟質、半軟質もしくは硬質ポリウレタンフォームとして、家具、寝具あるいは自動車のシートなどのクッション材や、電気冷蔵庫や建物などの断熱材などに広く用いられており、また、例えば、ポリウレタンエラストマーとして、靴底、タイヤもしくはベルトなどに広く用いられている。
【0003】
近年、地球環境保護、資源保護の立場から各種プラスチック製品のリサイクルが強く望まれるようになってきており、これらポリウレタン樹脂についても、その事情は同じであり、マテリアルリサイクル法、あるいは、ケミカルリサイクル法など種々のリサイクル法が検討され、一部で実用化されつつある。
【0004】
ポリウレタン樹脂のケミカルリサイクル法としては、例えば、グリコリシス法(グリコール分解法)、アミノリシス法(アミン分解法)、加水分解法などが知られている。
【0005】
グリコリシス法およびアミノリシス法は、分解剤としてグリコールやアミンを用いて、ポリウレタン樹脂中に存在するウレタン結合や尿素結合を切断し、交換反応により液状化するものである。しかし、これらグリコリシス法およびアミノリシス法では、分解剤として用いたグリコールやアミンが、新たにウレタン結合や尿素結合を生成して、ウレタン誘導体や尿素誘導体として液状分解物中に混在してしまうので、ポリウレタン樹脂の出発原料としてのポリオール化合物や、出発原料としてのイソシアネート化合物の中間体であるポリアミン化合物として、直接回収できるものではなく、例えば、アルキレンオキサイドを付加するなどの処理によって新規なポリオール化合物などとして回収できるに過ぎず、リサイクルの用途が限定されてしまう。
【0006】
一方、加水分解法としては、例えば、特開平10−310663号公報や特開2000−169624号公報に記載されるように、ポリウレタン樹脂を、高温高圧水または超臨界水を用いて加水分解する方法が提案されている。
【0007】
このような方法によれば、出発原料としてのポリオール化合物や、出発原料としてのイソシアネート化合物の中間体であるポリアミン化合物として、回収することができるので、リサイクルには有利となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、高温高圧水または超臨界水を用いて加水分解する方法では、分解生成物が、ポリオール化合物とポリアミン化合物との混合物として得られるので、分解されるポリウレタン樹脂の出発原料として、例えば、トリレンジイソシアネートなどの単純なイソシアネート化合物が用いられている場合には、その分解によってトリレンジアミンなどの単純なアミン化合物が生成するので、蒸留操作などによって、ポリオール化合物と分離した後、これを精製することにより、容易に出発原料としてリサイクルすることができる。
【0009】
しかし、例えば、硬質ポリウレタンフォームなどでは、出発原料としてポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)などの複雑なポリイソシアネート化合物が広く用いられており、このような硬質ポリウレタンフォームを、高温高圧水または超臨界水を用いて加水分解すると、ポリメチレンポリフェニルポリアミンなどの複雑なアミン化合物が生成するため、単純な蒸留操作などではポリオール化合物との分離が困難となり、分離および精製工程が煩雑となる。
【0010】
さらに、このような硬質ポリウレタンフォームにおいて、例えば、建材用途のものにあっては、トリスクロロエチルフォスフェート(TCEP)やトリスクロロプロピルフォスフェート(TCPP)などのリン酸エステル系の難燃剤が配合されているので、このようなリン酸エステル系の難燃剤が配合されている硬質ポリウレタンフォームを加水分解すれば、これらのリン酸エステル系の難燃剤も加水分解されてしまうので、その分離および精製工程がより一層煩雑となる。
【0011】
一方、硬質ポリウレタンフォームのリサイクルにあっては、オゾン層保護の見地から、国際的なフロン管理戦略において、断熱材用途の硬質ポリウレタンフォーム中に残存するフロンを回収することが要求されており、さらに、2001年4月から施行される家電リサイクル法では、電気冷蔵庫の回収が義務付けられるなど、そのリサイクルの必要性がますます重要になってきている。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、出発原料として複雑なポリイソシアネート化合物が用いられており、加水分解すると複雑なアミン化合物が生成するようなポリウレタン樹脂であっても、ポリオール化合物と容易に分離して、そのポリオール化合物を良好に回収することのできるポリウレタン樹脂の分解回収方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のポリウレタン樹脂の分解回収方法は、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを含むポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応により得られるポリウレタン樹脂を、高温高圧状または超臨界状の炭素数1〜4の1価アルコールを用いて分解し、得られた分解生成物から、固体として析出するポリイシソアネート化合物のアルキルウレタン誘導体と、液状のポリオール化合物とを分離することにより、ポリオール化合物を回収することを特徴としている。
【0014】
また、本発明のポリウレタン樹脂の分解回収方法においては、ポリウレタン樹脂を、150℃以上260℃未満のメタノールを用いて分解することが好ましく、また、ポリウレタン樹脂に低分子量ポリオールを配合した後、分解することが好ましい。
【0015】
また、本発明のポリウレタン樹脂の分解回収方法においては、ポリウレタン樹脂が硬質ポリウレタンフォームであることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のポリウレタン樹脂の分解回収方法では、まず、ポリウレタン樹脂を、高温高圧状または超臨界状のアルコールを用いて分解する。
【0017】
本発明の方法において、分解の対象とされるポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応により得られる合成高分子化合物である。
【0018】
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)などの芳香族ジイソソシアネート、例えば、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などの芳香脂肪族ジイソシアネート、例えば、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12MDI)、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)などの脂環族ジイソシアネート、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などの脂肪族ジイソシアネート、および、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)などが挙げられる。
【0019】
また、ポリオール化合物としては、低分子量ポリオールとして、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、キシレングリコールなどの低分子量ジオール、例えば、グリセリン、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパンなどの低分子量トリオール、例えば、D−ソルビトール、キシリトール、D−マンニトール、D−マンニットなどの水酸基を4個以上有する低分子量ポリオールなどが挙げられる。また、高分子量ポリオールとして、例えば、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオール、天然油ポリオール、シリコンポリオール、フッ素ポリオール、ポリオレフィンポリオールなどが挙げられる。
【0020】
そして、そのようなポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応によって得られるポリウレタン樹脂としては、例えば、軟質、半硬質あるいは硬質ポリウレタンフォームや、注型あるいは熱可塑ポリウレタンエラストマーなどが挙げられる。
【0021】
本発明の方法は、このようなポリウレタン樹脂のなかでも、とりわけ、ポリイソシアネート化合物として、複雑なポリイソシアネート化合物であるポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)用いられるポリウレタン樹脂、より具体的には、硬質ポリウレタンフォームを分解して、ポリオール化合物回収する
【0022】
硬質ポリウレタンフォームは、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)と、ポリオキシアルキレンポリオール(ポリオキシエチレンポリオールおよび/またはポリオキシプロピレンポリオール)との発泡反応によって成形されているものが広く用いられており、難燃用途においては、例えば、トリスクロロエチルフォスフェート(TCEP)やトリスクロロプロピルフォスフェート(TCPP)などのリン酸エステル系の難燃剤が配合されている。
【0023】
分解に用いられる硬質ポリウレタンフォームとしては、より具体的には、例えば、製造工程において発生するフォーム屑(切り欠きフォーム、ばり、空気抜き穴などからの洩れフォーム、品質管理などのためのフリー発泡フォーム、不良品など)や、使用済みの各種産業製品(産業機器、家具、建材など)から回収された回収フォームなどが挙げられる。
【0024】
また、分解に用いるポリウレタン樹脂の形状は、特に制限はなく、例えば、硬質ポリウレタンフォームにおいては、上記したフォーム屑や回収フォームをそのまま用いてもよいが、例えば、断熱材として用いられる低密度のフォームでは、予め熱プレスなどで圧縮することにより、容積を低減しておくことが好ましい。
【0025】
なお、各種の法規制から、断熱材用途の硬質ポリウレタンフォーム中に残存するフロンを回収する場合には、硬質ポリウレタンフォームを微粉砕する場合があるが、そのように微粉砕された硬質ポリウレタンフォームを、そのまま用いてもよい。
【0026】
そして、本発明の方法では、このようなポリウレタン樹脂を、高温高圧状または超臨界状のアルコールを用いて分解する。
【0027】
この分解においては、まず、分解に先立って、ポリウレタン樹脂に低分子量ポリオールを配合することにより、ポリウレタン樹脂を流動化ないし液状化させてもよい。流動化ないし液状化させることにより、次に詳述する分解工程において、耐圧容器内への導入が容易で、連続的な導入が可能となるので、例えば、ポリウレタン樹脂の流動物ないし液状物とアルコールとを、連続的に耐圧容器内に導入して、連続的な分解反応を達成することができる。また、流動化ないし液状化すれば、ポリウレタン樹脂中に、繊維、皮革、合成皮革、他のプラスチック、金属などの異物、より具体的には、家電リサイクルプラントなどから回収された硬質ポリウレタンフォーム中に含まれるシーリングテープや他のプラスチック片などの異物が含まれている場合には、これをろ過により容易に除去することができる。
【0028】
低分子量ポリオールとしては、上記した低分子量ポリオールと同様のものが挙げられ、ポリウレタン樹脂1重量部に対して、0.5〜2重量部の割合で用いることが好ましい。また、流動化ないし液状化するには、例えば、150〜220℃で加熱しつつ撹拌することが好ましい。
【0029】
高温高圧状または超臨界状のアルコールとしては、炭素数1〜4の1価アルコール、好ましくは、メタノールおよびエタノール、さらに好ましくは、メタノールが用いられる。
【0030】
メタノールは、常圧下においては64.7℃で沸点に達するが、加圧下においてはなお液状を維持し、その臨界点が、臨界温度240℃で、臨界圧力76.93MPaである。
【0031】
そのため、例えば、メタノールを用いてポリウレタン樹脂を分解する場合には、より具体的には、耐圧容器中において、ポリウレタン樹脂に、メタノールを、150℃以上260℃未満、好ましくは、170℃以上250℃未満、さらに好ましくは、180〜245℃の高温高圧状または超臨界状で接触させればよい。分解温度が150℃より低いと、分解反応が遅く処理に長時間を要する場合がある。一方、分解温度が260℃以上であると、ポリオール化合物自体の分解やポリイソシアネート化合物の重合反応など、好ましくない反応が生じる場合がある。
【0032】
また、圧力は、分解反応自体に直接影響するものではないが、要するに、分解温度においてメタノールが液状であるか、あるいは、超臨界状態を維持するのに十分な圧力以上であればよい。
【0033】
ポリウレタン樹脂とアルコールとの混合割合は、ポリウレタン樹脂の種類や形状などによって適宜選択されるが、例えば、ポリウレタン樹脂とアルコールとを直接接触させる場合には、アルコールの使用量が、ポリウレタン樹脂1重量部に対して、1〜30重量部、さらには、2〜20重量部であればよく、また、上記したように、ポリウレタン樹脂に予め低分子量ポリオールを配合している場合には、アルコールの使用量を、ポリウレタン樹脂1重量部に対して、0.5〜15重量部、さらには、1〜10重量部に低減することができる。
【0034】
そして、このような分解によって、ポリウレタン樹脂中のウレタン結合が次式のように解裂して、分解生成物として、ポリイシソアネート化合物のアルキルウレタン誘導体とポリオール化合物との混合物が生成する。
【0035】
1-NHCOO-R2- + R3-OH → R1-NHCOO-R3 + -R2-OH
なお、このような分解反応に先立って、酸化反応などを防止する目的で、耐圧容器内を、乾燥窒素ガスなどによって置換または封入しておくことが好ましい。
【0036】
また、このような分解は、上記したように、耐圧容器中においてバッチ方式で直接加熱分解してもよく、また、ポリウレタン樹脂とアルコールとを配合することにより、スラリー化、流動化もしくは液状化した後、これを分解管に連続フィードすることによって、連続式で加熱分解してもよい。
【0037】
次いで、本発明のポリウレタン樹脂の分解回収方法においては、このような分解によって生成した分解生成物中からポリオール化合物を回収する。
【0038】
ポリオール化合物を回収する方法は得られた分解生成物から、まず、アルコールを蒸発回収した後、次いで固体として析出するポリイシソアネート化合物のアルキルウレタン誘導体と、液状のポリオール化合物とを、遠心分離や抽出などによって分離する。ポリオール化合物とポリイシソアネート化合物のアルキルウレタン誘導体とを、工業的に遠心分離するには、例えば、連続遠心分離型の遠心分離器を用いればよい。また、ポリオール化合物とポリイシソアネート化合物のアルキルウレタン誘導体の混合液から、工業的にポリオール化合物を抽出するには、例えば、ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族系の有機溶媒を抽出溶媒として用いればよい。
【0039】
なお、ポリウレタン樹脂を予め低分子量ポリオールに溶解した場合には、その低分子量ポリオールを、アルコールの蒸発回収に続いて、蒸発回収してもよいが、通常、ポリオール化合物が低分子量ポリオールに溶解しているため、まず、アルコールを蒸発回収した後、固体として析出するポリイシソアネート化合物のアルキルウレタン誘導体を、ろ過などによって除去し、その後、低分子量ポリオールを蒸発回収すれば、ポリオール化合物を容易に回収することができる。
【0040】
なお、固体として得られるポリイシソアネート化合物のアルキルウレタン誘導体は、そのまま粉砕してフィラーなどの用途に用いるか、あるいは、さらに、これを高温高圧水や超臨界水で加水分解して、出発原料のポリイソシアネート化合物の中間体であるポリアミン化合物として回収し、このポリアミン化合物を、ポリオキシアルキレンポリオールの反応開始剤として用いるか、または、ホスゲン化してポリウレタン樹脂の出発原料であるポリイソシアネート化合物として再び用いてもよい。
【0041】
このような本発明のポリウレタン樹脂の分解回収方法によれば出発原料として、複雑なポリイソシアネート化合物であるポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)用いられていても、分解されたポリイソシアネート化合物は、分解回収工程において、固体のポリイソシアネート化合物のアルキルウレタン誘導体として析出するので、液状のポリオール化合物は、その固体として析出されるポリイソシアネート化合物のアルキルウレタン誘導体と容易に分離して回収することができる。そのため、簡易な分離および精製工程によって、出発原料と同じポリオール化合物を容易に回収することができる。
【0042】
また、本発明のポリウレタン樹脂の分解回収方法によれば、ポリウレタン樹脂に、リン酸エステル系の難燃剤などが配合されていても、リン酸エステル系の難燃剤は、加水分解の影響を受けることがないので、回収されたポリオール化合物には、そのようなリン酸エステル系の難燃剤の加水分解に起因する品質の低下がなく、高品質のポリオール化合物として、再び使用することができる。
【0043】
これらのことから、本発明のポリウレタン樹脂の分解回収方法は、とりわけ、出発原料としてポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートが広く用いられており、また、リン酸エステル系の難燃剤がよく配合されている硬質ポリウレタンフォームの分解回収に好適に用いることができる。
【0044】
そのため、本発明のポリウレタン樹脂の分解回収方法によれば、断熱材として使用されフロンが回収された後の硬質ポリウレタンフォームや、電気冷蔵庫などから回収される硬質ポリウレタンフォームを、効率よくリサイクルすることができる。
【0045】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されるものではない。
【0046】
製造例1
ポリオールA 50 重量部
ポリオールB 50 重量部
整泡剤(B−8462) 1.5重量部
触媒(TMHDA) 1.5重量部
純水 0.5重量部
発泡剤(HCFC−141b) 30 重量部
PMDI 130 重量部
ポリオールA:蔗糖およびグリセリンを開始剤として、これにプロピレンオイサイドを付加することによって得られるOH価450mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール
ポリオールB:トリレンジアミンおよびトリエタノールアミンを開始剤として、これにプロピレンオイサイドを付加することによって得られるOH価460mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール
B−8462:ゴールドシュミット社製、シリコン系界面活性剤
TMHDA:テトラメチルヘキサメチレンジアミン
PMDI:三井化学社製、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート
上記の処方において、PMDI以外の成分を、予め上記割合にて混合してプレミックスを調製し、25℃に温度調整後、これに、25℃に温度調整されたPMDIを加えて、高速ミキサーで5秒間撹拌後、離型紙を敷設した木製ボックスに注入することにより、フリー発泡フォームとして硬質ポリウレタンフォームを得た。この硬質ポリウレタンフォームの密度は、30kg/mであった。
【0047】
得られた硬質ポリウレタンフォームを裁断後、180℃に加熱したプレスにかけて、その容積を約1/10に圧縮することにより、分解用サンプルとして調製した。
【0048】
実施例1
温度計および圧力計を備えた内容量550mLのオートクレーブ中に、上記で得られた硬質ポリウレタンフォーム約25gとメタノール245gとを仕込み、外部から220℃まで加熱し、この状態で30分間保持した。この間、温度は最高228℃、圧力は最高5.8MPaを示した。
【0049】
オートクレーブを室温まで冷却した後、内容物をガラス瓶に取り出したところ、黒褐色の透明な液が得られた。また、オートクレーブ中にも固形分は全く認められなかった。
【0050】
得られた液の一部をナス型スラスコに採取し、ロータリーエバポレータを用いてメタノールを除去後、NMRおよびGPCを用いて、ナス型スラスコ内に残る不揮発分を分析した。その結果、NMRによる分析では、ウレタン結合に直結するメチンのピークが消失し、一方で、メチルウレタンに基づくメチルのピークが認められた。また、GPCによる分析では、ポリオールA、ポリオールBおよびPMDIのメチルウレタン化物に相当するピーク以外に高分子量化合物は認められなかった。この結果より、硬質ポリウレタンフォームは、完全に分解されていることが判明した。
【0051】
続いて、得られた不揮発分を遠心分離して、固体状物と液状物とに分別した後、液状物をGPCを用いて分析したところ、ポリオールAおよびポリオールBに相当するピーク以外に高分子量化合物は認められなかった。この結果より、遠心分離によってポリオールAおよびポリオールBを容易に回収できることが判明した。
【0052】
実施例2
硬質ポリウレタンフォーム約25gとメタノール25gとを仕込み、外部から198〜203℃まで加熱し、この状態で30分間保持した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。オートクレーブから内容物をガラス瓶に取り出したところ、黒褐色の透明な液が得られた。また、オートクレーブ中にも固形分は全く認められなかった。この黒褐色の透明な液の一部を、実施例1と同様に分析した結果、実施例1と同様に硬質ポリウレタンフォームが完全に分解されていること、および、遠心分離によってポリオールAおよびポリオールBを容易に回収できることが判明した。
【0053】
実施例3
硬質ポリウレタンフォーム約15gとメタノール150gとを仕込み、外部から245℃(実測値:240〜248℃、最高圧力:8.0MPa)まで加熱し、この状態で30分間保持した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。オートクレーブから内容物をガラス瓶に取り出したところ、黒褐色の透明な液が得られた。また、オートクレーブ中にも固形分は全く認められなかった。この黒褐色の透明な液の一部を、実施例1と同様に分析した結果、実施例1と同様に硬質ポリウレタンフォームが完全に分解されていること、および、遠心分離によってポリオールAおよびポリオールBを容易に回収できることが判明した。
【0054】
実施例4
硬質ポリウレタンフォーム約25gとメタノール245gとを仕込み、外部から260℃(実測値:259〜263℃、最高圧力:8.9MPa)まで加熱し、この状態で30分間保持した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。オートクレーブから内容物をガラス瓶に取り出したところ、黒褐色の液が得られた。この黒褐色の液の一部を、実施例1と同様に分析した結果、実施例1と同様に硬質ポリウレタンフォームが完全に分解されていること、および、遠心分離によってポリオールAおよびポリオールBを容易に回収できることが判明した。一方、この黒褐色には、やや濁りが見られ、2日間放置するとガラス瓶の底に、黒色粘稠物が析出した。これをNMRにより分析した結果、PMDIのメチルウレタン化物の重合物であることが判明した。また、GPCによる分析では、ベンゼン環1個分に相当する低分子物のピークが認められた。
【0055】
実施例5
硬質ポリウレタンフォーム約25gとメタノール245gとを仕込み、外部から145℃まで加熱し、この状態で30分間保持した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。オートクレーブから内容物をガラス瓶に取り出したところ、黒褐色の透明な液が得られたが、その液中に未分解物が確認された。なお、この黒褐色の液の一部を、実施例1と同様に分析した結果、実施例1と同様に硬質ポリウレタンフォームが完全に分解されていること、および、遠心分離によってポリオールAおよびポリオールBを容易に回収できることが判明した。
【0056】
実施例6
温度計、攪拌器、窒素ガス導入管および還流冷却器を備えた4つ口フラスコ中に、ジエチレングリコール100gを仕込み、外部から加熱して190℃に昇温した。この液中に、上記で得られた硬質ポリウレタンフォーム100gを、1時間にわたって添加し、添加終了後、200℃で2時間撹拌して、黒色粘稠液状物を得た。
【0057】
温度計および圧力計を備えた内容量550mLのオートクレーブ中に、上記で得られた黒色粘稠液状物25gとメタノール150gとを仕込み、外部から220℃(実測値:221〜225℃、最高圧力:5.9MPa)まで加熱し、この状態で30分間保持した。オートクレーブを室温まで冷却した後、内容物をガラス瓶に取り出したところ、黒褐色の透明な液が得られた。また、オートクレーブ中にも固形分は全く認められなかった。この黒褐色の透明な液の一部を、実施例1と同様に分析した結果、実施例1と同様に硬質ポリウレタンフォームが完全に分解されていること、および、遠心分離によってポリオールAおよびポリオールBを容易に回収できることが判明した。
【0058】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のポリウレタン樹脂の分解回収方法によれば出発原料として、複雑なポリイソシアネート化合物であるポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)用いられていても、簡易な分離および精製工程によって、出発原料と同じポリオール化合物を容易に回収することができる。
【0059】
また、本発明のポリウレタン樹脂の分解回収方法によれば、ポリウレタン樹脂に、リン酸エステル系の難燃剤などが配合されていても、回収されたポリオール化合物には、そのようなリン酸エステル系の難燃剤の加水分解に起因する品質の低下がなく、高品質のポリオール化合物として、再び使用することができる。
【0060】
そのため、本発明のポリウレタン樹脂の分解回収方法は、とりわけ、出発原料としてポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートが広く用いられており、また、リン酸エステル系の難燃剤がよく配合されている硬質ポリウレタンフォームの分解回収に好適に用いることができる。
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method of chemically decomposing a polyurethane resin used as various industrial products and recovering a polyol compound which is a raw material of the polyurethane resin.
[0002]
[Prior art]
Polyurethane resins are widely used, for example, as soft, semi-soft or rigid polyurethane foams, for cushioning materials such as furniture, bedding or automobile seats, and heat insulating materials such as electric refrigerators and buildings. As an elastomer, it is widely used for shoe soles, tires or belts.
[0003]
In recent years, recycling of various plastic products has been strongly desired from the standpoint of protecting the global environment and resources, and the situation is the same for these polyurethane resins as well, such as the Material Recycling Law or the Chemical Recycling Law. Various recycling methods have been studied and some are being put into practical use.
[0004]
Known chemical recycling methods for polyurethane resins include, for example, a glycolysis method (glycol decomposition method), an aminolysis method (amine decomposition method), and a hydrolysis method.
[0005]
In the glycolysis method and aminolysis method, glycol or amine is used as a decomposing agent to cleave a urethane bond or a urea bond existing in a polyurethane resin and liquefy it by an exchange reaction. However, in these glycolysis methods and aminolysis methods, glycols and amines used as a decomposing agent newly generate urethane bonds and urea bonds, which are mixed in liquid decomposed products as urethane derivatives and urea derivatives. It cannot be recovered directly as a polyol compound as a starting material of a resin or a polyamine compound that is an intermediate of an isocyanate compound as a starting material. For example, it can be recovered as a new polyol compound by a treatment such as addition of alkylene oxide. It can only be done, and the use of recycling is limited.
[0006]
On the other hand, as the hydrolysis method, for example, as described in JP-A-10-310663 and JP-A-2000-169624, a method of hydrolyzing a polyurethane resin using high-temperature high-pressure water or supercritical water. Has been proposed.
[0007]
Such a method is advantageous for recycling because it can be recovered as a polyol compound as a starting material or a polyamine compound that is an intermediate of an isocyanate compound as a starting material.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the method of hydrolyzing using high-temperature and high-pressure water or supercritical water, the decomposition product is obtained as a mixture of a polyol compound and a polyamine compound. When a simple isocyanate compound such as isocyanate is used, a simple amine compound such as tolylenediamine is produced by the decomposition of the isocyanate compound. Thus, it can be easily recycled as a starting material.
[0009]
However, for example, in rigid polyurethane foams, complex polyisocyanate compounds such as polymethylene polyphenyl polyisocyanate (crude MDI, polymeric MDI) are widely used as starting materials. Hydrolysis using water or supercritical water produces a complex amine compound such as polymethylene polyphenyl polyamine, which makes it difficult to separate from the polyol compound by a simple distillation operation and the separation and purification process is complicated. Become.
[0010]
Furthermore, in such rigid polyurethane foams, for example, for building materials, phosphate ester flame retardants such as trischloroethyl phosphate (TCEP) and trischloropropyl phosphate (TCPP) are blended. Therefore, if a hard polyurethane foam containing such a phosphate ester flame retardant is hydrolyzed, these phosphate ester flame retardants are also hydrolyzed. Becomes even more complicated.
[0011]
On the other hand, in the recycling of rigid polyurethane foam, from the standpoint of protecting the ozone layer, the international Freon management strategy requires that the remaining fluorocarbon in the rigid polyurethane foam for heat insulation is collected. According to the Home Appliance Recycling Law, which comes into effect from April 2001, the need for recycling is becoming more and more important, such as the obligatory collection of electric refrigerators.
[0012]
The present invention has been made in view of such circumstances, and the object thereof is a polyurethane resin in which a complex polyisocyanate compound is used as a starting material, and a complex amine compound is produced upon hydrolysis. Even so, an object of the present invention is to provide a method for decomposing and recovering a polyurethane resin, which can be easily separated from a polyol compound and recover the polyol compound satisfactorily.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
  In order to achieve the above object, the method for decomposing and recovering the polyurethane resin of the present invention comprises:Obtained by reaction of a polyisocyanate compound containing polymethylene polyphenyl polyisocyanate with a polyol compoundPolyurethane resin can be used in high temperature, high pressure or supercritical state.C1-C4 monovalentDecomposes with alcohol,From the obtained decomposition product, by separating the alkyl urethane derivative of the polyisocyanate compound precipitated as a solid and the liquid polyol compound,The polyol compound is recovered.
[0014]
In the method for decomposing and recovering a polyurethane resin of the present invention, the polyurethane resin is preferably decomposed with methanol at 150 ° C. or more and less than 260 ° C., and further decomposed after blending a low molecular weight polyol with the polyurethane resin. It is preferable.
[0015]
In the method for decomposing and recovering a polyurethane resin of the present invention, the polyurethane resin is preferably a rigid polyurethane foam.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the method for decomposing and recovering a polyurethane resin of the present invention, first, the polyurethane resin is decomposed using a high-temperature, high-pressure or supercritical alcohol.
[0017]
In the method of the present invention, the polyurethane resin to be decomposed is a synthetic polymer compound obtained by a reaction between a polyisocyanate compound and a polyol compound.
[0018]
Examples of the polyisocyanate compound include aromatic diisocyanates such as diphenylmethane diisocyanate (MDI) and tolylene diisocyanate (TDI), for example, aromatic aliphatics such as xylylene diisocyanate (XDI) and tetramethylxylylene diisocyanate (TMXDI). Diisocyanates such as 3-isocyanatomethyl-3,5,5-trimethylcyclohexyl isocyanate (IPDI), 4,4′-methylenebis (cyclohexyl isocyanate) (H12MDI), bis (isocyanatomethyl) cyclohexane (H6XDI) and the like, for example, aliphatic diisocyanates such as hexamethylene diisocyanate (HDI), and polymethylene polyphenyl polyisocyanate (crude MDI, polymeric MDI).
[0019]
Examples of the polyol compound include low molecular weight polyols such as ethylene glycol, propylene glycol, 1,4-butylene glycol, 1,6-hexanediol, neopentyl glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, dipropylene glycol, and bisphenol A. Low molecular weight diols such as hydrogenated bisphenol A and xylene glycol, for example, low molecular weight triols such as glycerin and 1,1,1-tris (hydroxymethyl) propane, such as D-sorbitol, xylitol, D-mannitol, D- And low molecular weight polyols having 4 or more hydroxyl groups such as mannitol. Examples of the high molecular weight polyol include polyoxyalkylene polyol, polyester polyol, polycarbonate polyol, acrylic polyol, epoxy polyol, natural oil polyol, silicon polyol, fluorine polyol, and polyolefin polyol.
[0020]
Examples of the polyurethane resin obtained by the reaction of such a polyisocyanate compound and a polyol compound include soft, semi-rigid or rigid polyurethane foams, cast or thermoplastic polyurethane elastomers, and the like.
[0021]
  Among these polyurethane resins, the method of the present invention is particularly useful as a polyisocyanate compound.Is a complex polyisocyanate compoundPolymethylene polyphenyl polyisocyanate (crude MDI, polymeric MDI)ButThe polyurethane resin used, more specifically, the rigid polyurethane foam is decomposed to form a polyol compound.Theto recover.
[0022]
Rigid polyurethane foams widely used are those molded by foaming reaction of polymethylene polyphenyl polyisocyanate (crude MDI, polymeric MDI) and polyoxyalkylene polyol (polyoxyethylene polyol and / or polyoxypropylene polyol). In flame retardant applications, for example, phosphate ester flame retardants such as trischloroethyl phosphate (TCEP) and trischloropropyl phosphate (TCPP) are blended.
[0023]
More specifically, as the rigid polyurethane foam used for decomposition, for example, foam waste generated in the manufacturing process (leak foam from notched foam, flash, air vent holes, etc., free foam foam for quality control, etc., Such as defective products) and collection forms collected from various used industrial products (industrial equipment, furniture, building materials, etc.).
[0024]
In addition, the shape of the polyurethane resin used for decomposition is not particularly limited. For example, in the case of rigid polyurethane foam, the above-mentioned foam waste and recovery foam may be used as they are, but for example, a low-density foam used as a heat insulating material. Then, it is preferable to reduce the volume by compressing in advance with a hot press or the like.
[0025]
In addition, due to various laws and regulations, when collecting CFCs remaining in rigid polyurethane foam for heat insulation, the rigid polyurethane foam may be finely pulverized. You may use as it is.
[0026]
And in the method of this invention, such a polyurethane resin is decomposed | disassembled using high temperature / high pressure state or supercritical state alcohol.
[0027]
In this decomposition, first, prior to decomposition, the polyurethane resin may be fluidized or liquefied by adding a low molecular weight polyol to the polyurethane resin. By fluidizing or liquefying, it is easy to introduce into the pressure vessel in the decomposition step described in detail below, and continuous introduction is possible. For example, a polyurethane resin fluid or liquid and alcohol Can be continuously introduced into the pressure vessel to achieve a continuous decomposition reaction. Also, if fluidized or liquefied, in polyurethane resin, in foreign materials such as fibers, leather, synthetic leather, other plastics, metals, more specifically in rigid polyurethane foam collected from home appliance recycling plant etc. If foreign matter such as contained sealing tape or other plastic pieces is contained, it can be easily removed by filtration.
[0028]
Examples of the low molecular weight polyol include those similar to the above-described low molecular weight polyol, and it is preferably used at a ratio of 0.5 to 2 parts by weight with respect to 1 part by weight of the polyurethane resin. For fluidization or liquefaction, for example, it is preferable to stir while heating at 150 to 220 ° C.
[0029]
  As high-temperature high-pressure or supercritical alcohol, it has 1 to 4 carbon atoms.MonovalentAlcohols, preferably methanol and ethanol, more preferably methanol are used.
[0030]
Methanol reaches its boiling point at 64.7 ° C. under normal pressure, but remains liquid under pressure, and its critical point is a critical temperature of 240 ° C. and a critical pressure of 76.93 MPa.
[0031]
Therefore, for example, when decomposing a polyurethane resin using methanol, more specifically, in a pressure vessel, methanol is added to the polyurethane resin at 150 ° C. or higher and lower than 260 ° C., preferably 170 ° C. or higher and 250 ° C. The temperature may be less than that, more preferably 180 to 245 ° C. at high temperature and high pressure or supercritical state. If the decomposition temperature is lower than 150 ° C., the decomposition reaction may be slow and a long time may be required for the treatment. On the other hand, when the decomposition temperature is 260 ° C. or higher, undesirable reactions such as decomposition of the polyol compound itself and polymerization reaction of the polyisocyanate compound may occur.
[0032]
In addition, the pressure does not directly affect the decomposition reaction itself, but in short, it is sufficient that the methanol is in a liquid state at the decomposition temperature or a pressure that is sufficient to maintain a supercritical state.
[0033]
The mixing ratio of the polyurethane resin and the alcohol is appropriately selected depending on the type and shape of the polyurethane resin. For example, when the polyurethane resin and the alcohol are brought into direct contact, the amount of alcohol used is 1 part by weight of the polyurethane resin. 1 to 30 parts by weight, more preferably 2 to 20 parts by weight, and as described above, when a low molecular weight polyol is blended in advance with the polyurethane resin, the amount of alcohol used Can be reduced to 0.5 to 15 parts by weight, further 1 to 10 parts by weight with respect to 1 part by weight of the polyurethane resin.
[0034]
And by such decomposition | disassembly, the urethane bond in a polyurethane resin is cleaved like following Formula, and the mixture of the alkyl urethane derivative of a polyisocyanate compound and a polyol compound produces | generates as a decomposition product.
[0035]
R1-NHCOO-R2-+ RThree-OH → R1-NHCOO-RThree+ -R2-OH
Prior to such a decomposition reaction, the pressure vessel is preferably replaced or sealed with dry nitrogen gas or the like for the purpose of preventing an oxidation reaction or the like.
[0036]
In addition, as described above, such decomposition may be directly heat-decomposed in a batch manner in a pressure vessel, and it is slurried, fluidized or liquefied by blending polyurethane resin and alcohol. After that, it may be thermally decomposed continuously by continuously feeding it to the decomposition tube.
[0037]
Next, in the method for decomposing and recovering a polyurethane resin of the present invention, a polyol compound is recovered from the decomposition product generated by such decomposition.
[0038]
  The method of recovering the polyol compound is,From the obtained decomposition product, first, alcohol was recovered by evaporation, and then,The alkyl urethane derivative of the polyisocyanate compound precipitated as a solid and the liquid polyol compound are separated by centrifugation or extraction. In order to industrially centrifuge the polyol compound and the alkylurethane derivative of the polyisocyanate compound, for example, a continuous centrifugal separator may be used. Moreover, in order to industrially extract a polyol compound from a mixed solution of a polyol compound and an alkyl urethane derivative of a polyisocyanate compound, for example, an aliphatic organic solvent such as hexane or cyclohexane may be used as an extraction solvent. .
[0039]
When the polyurethane resin is previously dissolved in the low molecular weight polyol, the low molecular weight polyol may be recovered by evaporation following the alcohol evaporation recovery. Normally, the polyol compound is dissolved in the low molecular weight polyol. Therefore, after removing the alcohol by evaporating and recovering the alkyl urethane derivative of the polyisocyanate compound that precipitates as a solid by filtration, and then recovering the low molecular weight polyol by evaporation, the polyol compound can be easily recovered. can do.
[0040]
The alkyl urethane derivative of the polyisocyanate compound obtained as a solid is pulverized as it is for use as a filler, or is further hydrolyzed with high-temperature high-pressure water or supercritical water to obtain a starting material. It is recovered as a polyamine compound that is an intermediate of the polyisocyanate compound, and this polyamine compound is used as a reaction initiator for a polyoxyalkylene polyol, or is used again as a polyisocyanate compound that is a phosgenated starting material for a polyurethane resin. May be.
[0041]
  According to such a method for decomposing and recovering a polyurethane resin of the present invention,,As a starting materialIs a complex polyisocyanate compoundPolymethylene polyphenyl polyisocyanate (crude MDI, polymeric MDI)ButEven if it is used, the decomposed polyisocyanate compound is precipitated as an alkylurethane derivative of the solid polyisocyanate compound in the decomposition recovery step, so that the liquid polyol compound is an alkyl of the polyisocyanate compound that is precipitated as the solid. It can be easily separated from the urethane derivative and recovered. Therefore, the same polyol compound as the starting material can be easily recovered by a simple separation and purification process.
[0042]
Further, according to the method for decomposing and recovering a polyurethane resin of the present invention, even if a phosphate ester-based flame retardant is blended with the polyurethane resin, the phosphate ester-based flame retardant is affected by hydrolysis. Therefore, the recovered polyol compound does not deteriorate in quality due to hydrolysis of the phosphate ester flame retardant, and can be used again as a high-quality polyol compound.
[0043]
From these facts, in the method for decomposing and recovering the polyurethane resin of the present invention, in particular, polymethylene polyphenyl polyisocyanate is widely used as a starting material, and a hardened material in which a phosphate ester flame retardant is well blended It can be suitably used for the decomposition and recovery of polyurethane foam.
[0044]
Therefore, according to the method for decomposing and recovering a polyurethane resin according to the present invention, it is possible to efficiently recycle the hard polyurethane foam that is used as a heat insulating material after the fluorocarbon is recovered and the hard polyurethane foam that is recovered from an electric refrigerator or the like. it can.
[0045]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples and comparative examples. However, the present invention is not limited to the examples and comparative examples.
[0046]
Production Example 1
Polyol A 50 parts by weight
50 parts by weight of polyol B
Foam stabilizer (B-8462) 1.5 parts by weight
Catalyst (TMHDA) 1.5 parts by weight
0.5 parts by weight of pure water
Blowing agent (HCFC-141b) 30 parts by weight
PMDI 130 parts by weight
Polyol A: Polyoxyalkylene polyol having an OH value of 450 mgKOH / g obtained by adding propylose and sucrose and glycerin as an initiator
Polyol B: Polyoxyalkylene polyol having an OH number of 460 mgKOH / g obtained by adding propylene euside to tolylenediamine and triethanolamine as an initiator
B-8462: manufactured by Goldschmidt, silicon-based surfactant
TMHDA: Tetramethylhexamethylenediamine
PMDI: manufactured by Mitsui Chemicals, polymethylene polyphenyl polyisocyanate
In the above formula, ingredients other than PMDI are mixed in advance at the above ratio to prepare a premix. After temperature adjustment to 25 ° C., PMDI temperature adjusted to 25 ° C. is added thereto, and then a high speed mixer is used. After stirring for 5 seconds, a rigid polyurethane foam was obtained as a free foamed foam by pouring into a wooden box laid with release paper. The density of this rigid polyurethane foam is 30 kg / m3Met.
[0047]
The obtained rigid polyurethane foam was cut and then subjected to a press heated to 180 ° C., and the volume was compressed to about 1/10 to prepare a sample for decomposition.
[0048]
Example 1
About 25 g of the rigid polyurethane foam obtained above and 245 g of methanol were charged in an autoclave having an internal volume of 550 mL equipped with a thermometer and a pressure gauge, heated to 220 ° C. from the outside, and kept in this state for 30 minutes. During this time, the maximum temperature was 228 ° C. and the maximum pressure was 5.8 MPa.
[0049]
After the autoclave was cooled to room temperature, the contents were taken out into a glass bottle, and a blackish brown transparent liquid was obtained. Also, no solid content was observed in the autoclave.
[0050]
A part of the obtained liquid was collected in an eggplant-shaped thruster, methanol was removed using a rotary evaporator, and then the non-volatile content remaining in the eggplant-shaped thruster was analyzed using NMR and GPC. As a result, in NMR analysis, the methine peak directly linked to the urethane bond disappeared, while the methyl peak based on methylurethane was observed. Moreover, in the analysis by GPC, no high molecular weight compound was recognized except for the peaks corresponding to the methyl urethanate of polyol A, polyol B and PMDI. From this result, it was found that the rigid polyurethane foam was completely decomposed.
[0051]
Subsequently, the obtained non-volatile matter was centrifuged and separated into a solid and a liquid, and then the liquid was analyzed using GPC. As a result, the molecular weight other than the peaks corresponding to polyol A and polyol B was determined. No compound was found. From this result, it was found that polyol A and polyol B can be easily recovered by centrifugation.
[0052]
Example 2
The same operation as in Example 1 was performed except that about 25 g of rigid polyurethane foam and 25 g of methanol were charged, heated to 198 to 203 ° C. from the outside, and kept in this state for 30 minutes. When the contents were taken out of the autoclave into a glass bottle, a blackish brown transparent liquid was obtained. Also, no solid content was observed in the autoclave. As a result of analyzing a part of this blackish brown transparent liquid in the same manner as in Example 1, it was confirmed that the rigid polyurethane foam was completely decomposed as in Example 1, and that polyol A and polyol B were separated by centrifugation. It was found that it can be easily recovered.
[0053]
Example 3
Example 1 except that about 15 g of rigid polyurethane foam and 150 g of methanol were charged and heated from the outside to 245 ° C. (actual value: 240 to 248 ° C., maximum pressure: 8.0 MPa) and held in this state for 30 minutes. The same operation was performed. When the contents were taken out of the autoclave into a glass bottle, a blackish brown transparent liquid was obtained. Also, no solid content was observed in the autoclave. As a result of analyzing a part of this blackish brown transparent liquid in the same manner as in Example 1, it was confirmed that the rigid polyurethane foam was completely decomposed as in Example 1, and that polyol A and polyol B were separated by centrifugation. It was found that it can be easily recovered.
[0054]
Example 4
Example 1 except that about 25 g of rigid polyurethane foam and 245 g of methanol were charged and heated from the outside to 260 ° C. (actually measured values: 259 to 263 ° C., maximum pressure: 8.9 MPa) and held in this state for 30 minutes. The same operation was performed. When the contents were taken out of the autoclave into a glass bottle, a blackish brown liquid was obtained. As a result of analyzing a part of this black-brown liquid in the same manner as in Example 1, it was confirmed that the rigid polyurethane foam was completely decomposed as in Example 1, and that polyol A and polyol B were easily separated by centrifugation. It was found that it could be recovered. On the other hand, the blackish brown color was slightly turbid, and a black viscous substance was deposited on the bottom of the glass bottle when left for 2 days. As a result of analyzing this by NMR, it turned out that it is a polymer of the PMDI methylurethanide. In the analysis by GPC, a low molecular weight peak corresponding to one benzene ring was observed.
[0055]
Example 5
The same operation as in Example 1 was performed except that about 25 g of rigid polyurethane foam and 245 g of methanol were charged, heated to 145 ° C. from the outside, and kept in this state for 30 minutes. When the contents were taken out from the autoclave into a glass bottle, a blackish brown transparent liquid was obtained, but undecomposed substances were confirmed in the liquid. As a result of analyzing a part of this black-brown liquid in the same manner as in Example 1, it was confirmed that the rigid polyurethane foam was completely decomposed as in Example 1, and that polyol A and polyol B were separated by centrifugation. It was found that it can be easily recovered.
[0056]
Example 6
In a four-necked flask equipped with a thermometer, a stirrer, a nitrogen gas inlet tube and a reflux condenser, 100 g of diethylene glycol was charged and heated from the outside to 190 ° C. In this liquid, 100 g of the rigid polyurethane foam obtained above was added over 1 hour, and after completion of the addition, the mixture was stirred at 200 ° C. for 2 hours to obtain a black viscous liquid.
[0057]
In an autoclave having an internal volume of 550 mL equipped with a thermometer and a pressure gauge, 25 g of the black viscous liquid obtained above and 150 g of methanol were charged, and 220 ° C. from outside (actual values: 221 to 225 ° C., maximum pressure: 5.9 MPa) and kept in this state for 30 minutes. After the autoclave was cooled to room temperature, the contents were taken out into a glass bottle, and a blackish brown transparent liquid was obtained. Also, no solid content was observed in the autoclave. As a result of analyzing a part of this blackish brown transparent liquid in the same manner as in Example 1, it was confirmed that the rigid polyurethane foam was completely decomposed as in Example 1, and that polyol A and polyol B were separated by centrifugation. It was found that it can be easily recovered.
[0058]
【The invention's effect】
  As described above, according to the method for decomposing and recovering polyurethane resin of the present invention,,As a starting materialIs a complex polyisocyanate compoundPolymethylene polyphenyl polyisocyanate (crude MDI, polymeric MDI)ButEven if it is used, the same polyol compound as the starting material can be easily recovered by a simple separation and purification process.
[0059]
Further, according to the method for decomposing and recovering a polyurethane resin of the present invention, even if a phosphate ester-based flame retardant is blended in the polyurethane resin, the recovered polyol compound contains such phosphate ester-based flame retardant. There is no deterioration in quality due to hydrolysis of the flame retardant, and it can be used again as a high-quality polyol compound.
[0060]
Therefore, in the method for decomposing and recovering the polyurethane resin according to the present invention, in particular, a polymethylene polyphenyl polyisocyanate is widely used as a starting material, and a rigid polyurethane foam in which a phosphate ester flame retardant is well blended is used. It can be suitably used for decomposition and recovery.

Claims (4)

ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを含むポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応により得られるポリウレタン樹脂を、高温高圧状または超臨界状の炭素数1〜4の1価アルコールを用いて分解し、
得られた分解生成物から、固体として析出するポリイシソアネート化合物のアルキルウレタン誘導体と、液状のポリオール化合物とを分離することにより、ポリオール化合物を回収することを特徴とする、ポリウレタン樹脂の分解回収方法。
Decomposing a polyurethane resin obtained by a reaction between a polyisocyanate compound containing polymethylene polyphenyl polyisocyanate and a polyol compound , using a monohydric alcohol having 1 to 4 carbon atoms in a high temperature, high pressure state or supercritical state,
Decomposing and recovering a polyurethane resin characterized by recovering a polyol compound by separating an alkylurethane derivative of a polyisocyanate compound that precipitates as a solid and a liquid polyol compound from the obtained decomposition product Method.
ポリウレタン樹脂を、150℃以上260℃未満のメタノールを用いて分解することを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタン樹脂の分解回収方法。  The method for decomposing and recovering a polyurethane resin according to claim 1, wherein the polyurethane resin is decomposed with methanol at 150 ° C or higher and lower than 260 ° C. ポリウレタン樹脂に低分子量ポリオールを配合した後、分解することを特徴とする、請求項1または2に記載のポリウレタン樹脂の分解回収方法。  The method for decomposing and recovering a polyurethane resin according to claim 1 or 2, wherein the polyurethane resin is decomposed after blending with a low molecular weight polyol. ポリウレタン樹脂が硬質ポリウレタンフォームであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン樹脂の分解回収方法。    The method for decomposing and recovering a polyurethane resin according to any one of claims 1 to 3, wherein the polyurethane resin is a rigid polyurethane foam.
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