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JP4501104B2 - 発電機の始動方法及び発電装置 - Google Patents

発電機の始動方法及び発電装置 Download PDF

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JP4501104B2 JP2003382512A JP2003382512A JP4501104B2 JP 4501104 B2 JP4501104 B2 JP 4501104B2 JP 2003382512 A JP2003382512 A JP 2003382512A JP 2003382512 A JP2003382512 A JP 2003382512A JP 4501104 B2 JP4501104 B2 JP 4501104B2
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本発明は、風力や水力などのエネルギーを電気エネルギーに変換し、電力系統に接続あるいは蓄電手段をもつ発電装置における、低入力から始動することが可能な発電効率の高い発電装置の始動方法に関する。
一般的に、風車などの原動機の入力に対する発生トルクは、入力が一定の場合、図2のような特性を示す。つまり回転を停止している時は入力に対してトルクが小さいため、例え発電が可能な入力があっても始動トルクが機械的損失よりも大きくなるまで始動できないという問題点があった。
この問題に対して、風力発電では原動機に低入力でトルクを発生する始動用の風車を取り付け、始動開始入力を下げる工夫がされている(例えば、特許文献1参照)。また、風速計などの入力量検出手段を用いて発電が可能な入力があった場合に発電機をモータとして駆動して加速し、発電可能速度になると発電モードに切り替えて発電を開始するという方法がとられていた(例えば、特許文献2参照)。また、入力量検出手段がない場合に、発電機が停止中にある一定間隔で発電機をモータとして動作させることで強制的に回転させ、入力があれば発電するという方法も提案されている。また、ガスタービン発電装置では、発電可能な速度までタービンを加速する必要があるが、タービンを加速するために加速用の電力変換装置を別に準備するなどして、切り替え手段により加速モードと発電モードを切り替えて運転する方法がとられている(例えば、特許文献3参照)。
特開平11−201020号公報(第1図) 特開平8−322298号公報(第1図) 特開2002−89286号公報(第1図)
図7は風力発電における従来の制御ブロック図を示す。図7において、2は発電機トルク制御手段、3はPWM電圧演算手段、4は電力変換装置、5は発電機電流検出手段、6は発電機、7は発電機速度検出手段、8は電流変換手段、9は加算手段、30はトルク補償演算手段、32は最大出力速度演算手段、33は速度制御手段である。
次に動作を説明する。入力検出手段31により原動機への入力を検出し、速度指令演算手段32により入力検出手段31の入力した値に対して最大の効率になる速度指令を演算し、速度検出手段7により検出した発電機6の速度と比較して制御機33によりトルク指令を求める。トルク制御手段2は電流検出手段5により検出した発電機の電流が前記トルク指令どおりのトルクとなるように電圧指令を計算し、前記電圧指令を電圧出力手段3によりPWMに変換して電力変換装置4に与え、発電機6を制御するという手順がとられていた。また入力検出手段31を使わずに、発電機の発生電力と速度検出値とから入力の状態を予測してトルク指令を演算する方法もある。
原動機の入力−出力・速度の関係は図5のようになり、発電機が回転している場合は、速度と出力の関係から入力の大きさが推定できるため、最大出力となる速度を演算できる。発電機が回転していない場合は、出力は常に0であるため、入力検出手段が必要となる。入力検出手段31の具体例としては、風速計である。発電機が回転していない場合や発電機速度がゼロ近傍の低速度領域での発電機入力をこれにより推定することができる。
図5において、下段の図は各入力における発電機の回転速度ωに対する原動機の出力である。上段の図は各入力における発電機の回転速度ωに対する発電機のトルク指令である。 最大効率運転曲線は各入力における原動機の出力が最大となる点を結んだ曲線であり、トルク指令が前記曲線と一致するように制御することによって、原動機を最大効率で運転することが可能となる。従って、原動機入力をパラメータとして発電機回転数ωに対する最大効率運転曲線を事前に計算して記憶しておけば、発電機回転数ωに対する発電機のトルク指令を求めることができる。
しかしながら、従来の発電機の始動方法では、始動用の風車を必要としたり、あるいは、始動時に発電機を電動機として使用する方法では、入力検出手段を必要としていた。一定間隔で電動機として回転させる方法では、入力がない場合でも電動機として回転させることにより電力を消費するため、発電効率を落とすという問題点があった。
またガスタービン発電機においては、制御や電力変換回路の切り替えを必要としていた。
本発明はこのような様々な問題点に鑑みてなされたものであり、余分な風車や入力検出器、制御切り替え手段を使用することなく、入力が小さい場合でも発電機の始動を可能とする発電機の始動方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、風力や水力などのエネルギーを回転エネルギーに変換する原動機と、原動機とギアなどの接続手段を用いて接続され回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機と、前記発電機の発生する電力を直流に変換する電力変換装置と、前記電力変換装置に電圧指令を出力し前記発電機を制御する発電機制御手段と、前記原動機の入力に対して出力が最大となる速度ω−トルクTの関係と前記発電機の速度ωからトルク指令を求めて前記発電機のトルクを制御する発電機の始動方法において、
トルク補償量演算手段は、前記発電機と前記原動機と前記接続手段の機械的な摩擦を打ち消すトルクをトルク補償量として設定し、
前記トルク補償量を前記トルク指令に加算した信号をトルク制御手段へ入力することを特徴とするものである。
また、前記トルク補償量演算手段は、発電が可能となる速度ω0を設定し、前記発電機が停止中の時は前記トルク補償量をTc0、前記発電機の速度ωが設定された速度ω0のとき0となるように、
ω<ω0の時 Tc = Tc0 − (Tc0/ω0)× ω ・・・(1)
ω≧ω0の時 Tc = 0 ・・・(2)
によりトルク補償量Tcを演算するものである。
また、前記トルク補償量演算手段は、前記発電機が回転し、設定した速度を超えた場合、前記発電機が停止するまで前記トルク補償量を0とするものである。このようになっているため、外部の入力検出機や切り替え手段を設けることなく微小な入力でも発電機を加速することができ、発電効率を上げることができる。
また、前記トルク補償量演算手段は、運転指令入力手段をもち、前記トルク補償量として、前記原動機への入力が0でも前記発電機を加速する値を設定し、前記運転指令入力手段への入力があった場合に、強制的に発電可能な速度まで加速するものである。
また、前記発電機をガスタービン発電機としたものでる。
本発明の方法によれば、トルク指令により最大効率制御を行う発電装置において、発電機が停止している時に、機械的な損失を補償するトルク補償設定を設けることにより、始動用の風車などの付加的な原動機や入力量を検出するための検出器を設けることなく、微小な入力からの始動を可能とし、更に停止中は発電機が動作していないので発電機による消費電力は0となるため発電運転効率を上げることができるという効果がある。
また、請求項4に記載の方法によれば、ガスタービン発電などのように、始動時に加速が必要な発電用途で、余分な切り替え手段を設けることなく、スムーズな加速と発電への移行ができるという効果がある。
以下、本発明の方法の具体的実施例について、図に基づいて説明する。
図1は、本発明の方法を実施する発電機制御ブロック図である。図1において、1は最大出力トルク指令演算手段、2は発電機トルク制御手段、3はPWM電圧演算手段、4は電力変換装置、5は発電機電流検出手段、6は発電機、7は発電機速度検出手段、8は電流変換手段、9は加算手段、30はトルク補償演算手段である。
本発明の図1と従来技術の図7は、発電機トルク制御手段2、PWM電圧演算手段3、電力変換装置4、発電機電流検出手段5、発電機6、発電機速度検出手段7、電流変換手段8を備える点で共通する。本発明の図1が従来技術の図7と異なる部分は、最大出力トルク指令演算手段1とトルク補償演算手段30を備える点である。
次に図1の発電機制御ブロック図の入出力構成の説明をする。最大出力トルク指令演算手段1は、発電機速度検出手段7から出力される発電機の速度ωを入力し後で説明する演算をして加算手段9へトルク指令Tを出力する。加算手段9は、最大出力トルク指令演算手段1から出力されるトルク指令Tとトルク補償演算手段30から出力されるトルク補償値Tcとを加算したトルク信号T*(T*=T+Tc)をトルク制御手段2へ出力する。トルク制御手段2は、このトルク信号T*と電流変換手段8から出力される電流信号を入力してPWM電圧演算手段3へ電圧指令を出力する。PWM電圧演算手段3は、電圧指令に基づき電圧指令をPWM変調し電力変換装置4の図示しないゲート駆動回路へ出力する。電力変換装置4は、PWM電圧演算手段3から出力されたPWM変調信号に基づいて発電機6の端子電圧を制御する。
次に図1の動作を説明する。最大出力トルク演算手段1は発電機速度検出手段7により検出した発電機6の速度から、発電機の発生電力が最大となるトルク指令Tを算出する。これにトルク補償値Tcを加えてトルク指令T*を求める。電流変換手段8は、電流検出手段5により検出した電流を制御に使用する電流に換算する。トルク制御手段2は電流変換手段により変換された発電機電流と前記トルク指令T*を用いて電圧指令を演算し、PWM変調手段3により電圧指令をPWM変調して、電力変換手段4により発電機6の端子電圧を制御する。最大出力トルク演算手段1は、図5に示した速度ω−トルクTの関係から、各入力における最大出力点を結んだ最大効率運転曲線に従って、検出した速度からトルク指令を求めることによって常に発電機を最大効率で運転できる。
図6は本発明の他の実施例のブロック図である。図6はトルク補償値を速度検出値によりトルク補償値を変化させるトルク補償演算手段30を設けている。トルク補償演算手段30は、トルク補償完了速度ω0とトルク補償初期値Tc0とから次のようにして演算する。
ω<ω0の時 Tc = Tc0 − (Tc0/ω0)× ω ・・・(1)
ω≧ω0の時 Tc = 0 ・・・(2)
ω0を発電が可能な最低限の入力が入ったときの最大効率速度に設定することにより、わずかの入力でスムーズに最大効率速度まで加速することを可能とする。
更に、発電機6の速度が一旦トルク補償完了速度ω0を超えると、前記トルク補償値を0とする。これにより、入力がなくなった場合にも発電機や原動機の減速による回生エネルギーまで回収でき、結果的に効率が向上する。
ガスタービン発電機の場合、発電開始時に一旦発電機を発電可能速度まで加速する必要がある。このような用途のために前記トルク補償演算手段を使うことにより加速と発電を自動的に切り替えて運転することができる。つまり、トルク補償初期値Tc0に加速に必要なトルクを設定しておきトルク補償完了速度に発電可能な速度を超える速度を設定することでスムーズに加速し、発電を開始した後は、トルク補償が0となるので通常の発電状態に移行する。ただし、トルク補償初期値Tc0が発電機を不用意に加速するのを防止するため、運転開始/停止入力機能を導入し、発電機始動時に運転開始指令を入力するようにする。
図3および図4は、本発明を適用する発電装置の構成を示す。図3は電力系統に接続されたものであり、図4は蓄電手段をもつ発電装置である。
図3に系統に接続された発電装置の構成例を示す。原動機11をギアなどの接続手段12を介して発電機13に接続し、電力変換装置14により発電機の発生した電力を直流量に変換する。発電機制御手段17は発電機13の速度を速度検出手段16により検出し、発電機電流検出手段15により発電機13に流れる電流を検出して発電機13に対するトルクが所望の値になるように電力変換装置14に電圧指令を与える。出力制御手段19は電力系統の電圧を出力電圧検出手段24により検出し、出力電圧を適切な電圧波形となるような電圧指令を出力して出力電力変換装置18により出力する。出力電力変換装置18の出力は出力フィルタ20により高調波を除去して系統連結手段21により電力系統22と接続される。また、系統連結手段21は、電力系統22からの電力と発電機の発生電力を用いて負荷装置23に対して電力を供給する。
図4は蓄電手段をもつ独立型発電装置の構成例を示す。電力変換装置14の出力部に蓄電制御手段25を介して蓄電手段26に接続される。また蓄電制御手段25と並列に出力電力変換装置18を接続し、出力電圧制御手段191により適切な電圧波形に変換して負荷装置231へ電力を供給する。蓄電制御手段25は発電機13が発電していない間は蓄電手段26を放電させて電力出力装置18を介して負荷231に電力を供給し、発電中は発電電力が負荷装置231が消費する電力よりも大きいときに電力の余剰分を蓄電手段26に蓄電するように制御する。
本発明の実施例を示す制御ブロック図 本発明を適用する原動機の速度−トルク・出力特性を示す図 本発明を適用する電力系統に接続された発電装置を示す図 本発明を適用する蓄電手段をもつ発電装置を示す図 原動機の速度−出力、および速度−トルク特性の例を示す図 本発明の請求項2の実施例を示す制御ブロック図 従来の発電制御ブロック図
符号の説明
1 最大出力トルク指令演算手段
2 発電機トルク制御手段
3 PWM電圧演算手段
4、14 電力変換装置
5 発電機電流検出手段
6、13 発電機
7 発電機速度検出手段
8 電流変換手段
9 加算手段
11 原動機
12 接続手段
15 発電機電流検出手段
16 発電機速度検出手段
17 発電機制御手段
18 出力電力変換手段
19 出力制御手段
191 出力電圧制御手段
20 出力フィルタ
21 系統連結手段
22 電力系統(電源)
23、231 負荷装置
24 出力電圧検出手段
25 蓄電制御手段
26 蓄電手段
30 トルク補償演算手段
31 入力検出手段
32 最大出力速度演算手段
33 速度制御手段

Claims (7)

  1. 風力や水力、ガスタービンなどのエネルギーを回転エネルギーに変換する原動機と、原動機とギアなどの接続手段を用いて接続され回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機と、前記発電機の発生する電力を直流に変換する電力変換装置と、前記電力変換装置に電圧指令を出力し前記発電機を制御する発電機制御手段と、前記原動機の入力に対して出力が最大となる速度ω−トルクTの関係と前記発電機の速度ωからトルク指令を求めて前記発電機のトルクを制御する発電機の始動方法であって、
    トルク補償量演算手段は、前記発電機と前記原動機と前記接続手段の機械的な摩擦を打ち消すトルクをトルク補償量として設定し、
    前記トルク補償量を前記トルク指令に加算した信号をトルク制御手段へ入力する発電機の始動方法において、
    前記トルク補償量演算手段は、発電が可能となる速度ω0を設定し、前記発電機が停止中の時は前記トルク補償量をTc0、前記発電機の速度ωが設定された速度ω0のとき0となるように、
    ω<ω0の時 Tc = Tc0 − (Tc0/ω0)× ω ・・・(1)
    ω≧ω0の時 Tc = 0 ・・・(2)
    によりトルク補償量Tcを演算することを特徴とする発電機の始動方法。
  2. 前記トルク補償量演算手段は、前記発電機が回転し、設定した速度を超えた場合、前記発電機が停止するまで前記トルク補償量を0とすることを特徴とする請求項記載の発電機の始動方法。
  3. 前記トルク補償量演算手段は、運転指令入力手段をもち、前記トルク補償量として、前記原動機への入力が0でも前記発電機を加速する値を設定し、前記運転指令入力手段への入力があった場合に、強制的に発電可能な速度まで加速することを特徴とする請求項または記載の発電機の始動方法。
  4. 前記発電機がガスタービン発電機である請求項記載の発電機の始動方法。
  5. 風力や水力、ガスタービンなどのエネルギーを回転エネルギーに変換する原動機と、原動機とギアなどの接続手段を用いて接続され回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機と、前記発電機の発生する電力を直流に変換する電力変換装置と、前記電力変換装置に電圧指令を出力し前記発電機を制御する発電機制御手段と、前記原動機の入力に対して出力が最大となる速度ω−トルクTの関係と前記発電機の速度ωからトルク指令を求めて前記発電機のトルクを制御する発電装置であって、
    前記発電機と前記原動機と前記接続手段の機械的な摩擦を打ち消すトルクをトルク補償量として設定するトルク補償量演算手段と、
    前記トルク補償量を前記トルク指令に加算した信号を入力するトルク制御手段からなる発電装置において、
    前記トルク補償量演算手段は、発電が可能となる速度ω0を設定し、前記発電機が停止中の時は前記トルク補償量をTc0、前記発電機の速度ωが設定された速度ω0のとき0となるように、
    ω<ω0の時 Tc = Tc0 − (Tc0/ω0)× ω ・・・(1)
    ω≧ω0の時 Tc = 0 ・・・(2)
    によりトルク補償量Tcを演算することを特徴とする発電装置。
  6. 前記トルク補償量演算手段は、前記発電機が回転し、設定した速度を超えた場合、前記発電機が停止するまで前記トルク補償量を0とすることを特徴とする請求項記載の発電装置。
  7. 前記トルク補償量演算手段は、運転指令入力手段をもち、前記トルク補償量として、原動機への入力が0でも前記発電機を加速する値を設定し、前記運転指令入力手段への入力があった場合に、強制的に発電可能な速度まで加速することを特徴とする請求項または記載の発電装置。
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