JP4501190B2 - Hydraulic brake device for vehicle - Google Patents
Hydraulic brake device for vehicle Download PDFInfo
- Publication number
- JP4501190B2 JP4501190B2 JP34116699A JP34116699A JP4501190B2 JP 4501190 B2 JP4501190 B2 JP 4501190B2 JP 34116699 A JP34116699 A JP 34116699A JP 34116699 A JP34116699 A JP 34116699A JP 4501190 B2 JP4501190 B2 JP 4501190B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reaction force
- pressure
- chamber
- hydraulic pressure
- cylinder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Braking Systems And Boosters (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の液圧ブレーキ装置に係り、詳しくはブレーキペダルの踏力に助勢力を加えてブレーキ液圧を出力する車両の液圧ブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の液圧ブレーキ装置としては、例えば特開平11−115728号公報に記載されたものが知られている。同公報記載の車両の液圧ブレーキ装置においては、ブレーキペダルに駆動連結されたマスターピストン、同マスターピストンに連動する制御ピストン、同制御ピストンに連動してブレーキ液の流路を切り替えるスプールバルブ、液圧に応じて弾性変形する反力ディスク、及び同反力ディスクの弾性変形に基づきスプールバルブ側に摺動する反力伝達手段がシリンダボディ内に収容されている。そして、シリンダボディ内にパワー室、圧力室、制御室及び反力室がそれぞれ区画形成されている。
【0003】
この液圧ブレーキ装置においては、ブレーキペダルの操作に伴い、マスターピストンが前方に移動すると、制御ピストン及びスプールバルブが連動して前方に移動する。このとき、上記スプールバルブによって制御室とリザーバとの連通状態が遮断されるとともに、同制御室と補助液圧源とが連通され、同制御室内のブレーキ液は昇圧される。そして、上記制御室から導入されたパワー室内の液圧により上記ブレーキペダルの踏力に助勢力が加えられ、同助勢力に応じて上記圧力室内のブレーキ液が圧縮されてブレーキ液圧を出力する。そして、図11に実線で示されるように、上記ブレーキペダルの踏力に応じた第1段階のブレーキ液圧特性が得られる。
【0004】
一方、上記反力室内の液圧が所定圧よりも大きいときには、同反力室内の液圧により上記反力ディスクを弾性変形させ、反力伝達手段を摺動させてこれを介して上記スプールバルブを後方に押し戻す。この反力により、制御ピストンに作用する力のつりあいが変化し、制御室内のブレーキ液の昇圧勾配が減少する。そして、上記制御室から導入されたパワー室内の液圧によるブレーキペダルの踏力の助勢力は減勢され、図11に実線で併せ示されるように、上記ブレーキペダルの踏力に応じたブレーキ液圧の増圧勾配が抑制された第2段階のブレーキ液圧特性が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、好適なペダル操作フィーリングを得るためには、上記ブレーキペダルの踏力に応じたブレーキ液圧の特性が、図11の二点鎖線で示される曲線に沿っていることが理想的であることが一般に知られている。そして、上記理想的な特性から外れた場合にはブレーキの効き過ぎや効き不足が発生することから、上記液圧ブレーキ装置においては、非常に狭いブレーキペダルの踏力の範囲でこれを操作する必要があり、ペダル操作フィーリングが良好ではない。
【0006】
本発明の目的は、ブレーキの効き過ぎや効き不足が発生することなく好適なペダル操作フィーリングを得ることができる車両の液圧ブレーキ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ブレーキペダルに駆動連結されたマスターピストン、該マスターピストンに連動する制御ピストン、該制御ピストンに連動してブレーキ液の流路を切り替えるスプールバルブ、液圧に応じて弾性変形する反力ディスク、及び該反力ディスクの弾性変形に基づき該スプールバルブ側に摺動する反力伝達手段をシリンダボディ内に収容して、パワー室、圧力室、制御室及び反力室をそれぞれ区画形成し、該制御ピストンの一側移動に伴う該スプールバルブの連動により該制御室内のブレーキ液を昇圧するようにブレーキ液の流路を切り替えるとともに、該制御室から導入された該パワー室内の液圧により該ブレーキペダルの踏力に助勢力を加え、該助勢力に応じて該圧力室内のブレーキ液を圧縮してブレーキ液圧を出力し、一方、該反力室内の液圧が所定圧よりも大きいときには、該反力室内の液圧による該反力ディスクの弾性変形により該反力伝達手段を押圧して該反力伝達手段を摺動させ、該反力伝達手段を介して該スプールバルブを他側に押し戻す反力を加えることにより、該制御ピストンに作用する力のつりあいを変化させ、該制御室内のブレーキ液の昇圧勾配を減少させるとともに、該制御室から導入された該パワー室内の液圧による該ブレーキペダルの踏力の助勢力を減勢する車両の液圧ブレーキ装置において、前記反力室内の液圧が前記所定圧よりも大きく設定された作動開始圧よりも大きいときの前記反力ディスクの弾性変形による前記反力伝達手段の摺動時の受圧面積は、該反力室内の液圧が該作動開始圧よりも小さいときの該反力ディスクの弾性変形による該反力伝達手段の摺動時の受圧面積よりも大きく設定されていることを要旨とする。
【0009】
また、請求項1に記載の発明は、上記車両の液圧ブレーキ装置において、前記反力伝達手段は、反力ロッドと、該反力ロッドを摺動自在に支持する反力シリンダと、該反力シリンダ及び不動部間に介装されて該反力シリンダを前記反力ディスクと当接するように付勢する付勢手段とを備え、前記反力室内の液圧が前記作動開始圧よりも小さいときには、該反力室内の液圧による前記反力ディスクの弾性変形により前記反力ロッドのみを押圧して該反力ロッドを摺動させ、該反力ロッドを介して前記スプールバルブを他側に押し戻し、前記反力室内の液圧が前記作動開始圧よりも大きいときには、該反力室内の液圧による前記反力ディスクの弾性変形により前記付勢手段の付勢力に抗して前記反力シリンダを前記反力ロッドとともに押圧して該反力ロッド及び反力シリンダを摺動させ、これら反力ロッド及び反力シリンダを介して前記スプールバルブを他側に押し戻すことを要旨とする。
【0011】
(作用)
請求項1に記載の発明の構成によれば、反力室内の液圧が上記作動開始圧よりも大きいときの上記反力ディスクの弾性変形による上記反力伝達手段の摺動時の受圧面積は、同反力室内の液圧が同作動開始圧よりも小さいときの反力ディスクの弾性変形による反力伝達手段の摺動時の受圧面積よりも大きく設定されている。従って、上記反力室内の液圧に基づく上記反力ディスクの弾性変形により上記反力伝達手段に加えられる荷重、すなわち上記反力伝達手段を介してスプールバルブを他側に押し戻す力は、同反力室内の液圧が上記作動開始圧よりも大きいときの方が、同小さいときよりも同反力室内の圧力の増加に対する増加勾配が大きくなる。そして、このような力によってスプールバルブが押し戻されることにより、制御ピストンに作用する力のつりあいを変化させ、制御室内のブレーキ液の昇圧勾配が減少し、同制御室から導入されたパワー室内の液圧によるブレーキペダルの踏力の助勢力が減勢されることから、ブレーキペダルの踏力の増加に基づくブレーキ液圧の増圧勾配は、反力室内の液圧が上記作動開始圧よりも大きいときの方が、同小さいときよりも緩められる。
【0012】
以上により、ブレーキペダルの踏力に対するブレーキ液圧特性は、上記反力室内の液圧が所定圧よりも大きくなったとき、同所定圧から上記作動開始圧までのとき、同作動開始圧よりも大きくなったときでその増圧勾配が段階的に緩められ、同踏力に応じた理想的なブレーキ液圧特性に近づけられ、ブレーキの効き過ぎや効き不足が発生することなく好適なペダル操作フィーリングが得られる。
【0013】
また、請求項1に記載の発明の構成によれば、反力室内の液圧が上記作動開始圧よりも小さいときには、同反力室内の液圧による上記反力ディスクの弾性変形により反力ロッドのみを押圧して同反力ロッドを摺動させ、同反力ロッドを介して上記スプールバルブを他側に押し戻し、反力室内の液圧が同作動開始圧よりも大きいときには、同反力室内の液圧による同反力ディスクの弾性変形により反力シリンダを上記反力ロッドとともに押圧して同反力ロッド及び反力シリンダを摺動させ、これら反力ロッド及び反力シリンダを介して同スプールバルブを他側に押し戻すようにしている。従って、反力室内の液圧が上記作動開始圧よりも大きいときの方が、同小さいときよりも同反力室内の圧力の増加に対するスプールバルブを他側に押し戻す力の増加勾配が大きくなる。
【0014】
以上により、反力ロッド、反力シリンダ及び付勢手段からなる極めて簡易な構成を有する反力伝達手段により、ブレーキの効き過ぎや効き不足が発生することなく好適なペダル操作フィーリングが得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した車両の液圧ブレーキ装置の一実施形態について図1〜図11に従って説明する。
【0016】
図1は、上記液圧ブレーキ装置を示す断面図である。同図に示されるように、この液圧ブレーキ装置は、ブレーキペダル10に連結されるプッシュロッド11と、上記ブレーキペダル10の操作に応じた同プッシュロッド11の移動により所要の液圧を生成する液圧制御シリンダ12と、ブレーキ液が貯留されたブレーキ液リザーバ13と、高圧(パワー液圧)のブレーキ液を生成する補助液圧源14と、車両の各前輪15及び各後輪16(図1においては、1つずつのみ図示)にそれぞれ設けられたホイールシリンダ17,18とを備えている。
【0017】
前記液圧制御シリンダ12の外部形状を形成するシリンダボディ21はその軸線に沿って貫通しており、車両の後側に相当する一側(図1の右側)から同前側に相当する他側(図1の左側)にかけてそれぞれ、第1孔21a、同第1孔21aよりも縮径された第2孔21b、同第2孔21bよりも更に縮径された第3孔21c、及び段付形状の第4孔21dが形成されている。そして、このシリンダボディ21には、図1の上側において、第2孔21bの後部と第4孔21dとを連通する液圧路22、第2孔21bの前部と前記ブレーキ液リザーバ13とを連通する液圧路23、第4孔21dの略中間部と同ブレーキ液リザーバ13とを連通する液圧路24が、図1の下側において、第2孔21bの後部と前記ホイールシリンダ18とを連通する液圧路25、第3孔21cの後部と前記ホイールシリンダ17とを連通する液圧路26、第4孔21dの前部及び後部間を連通する液圧路27、第4孔21dの略中間部と前記補助液圧源14とを連通する液圧路28がそれぞれ形成されている。なお、図2に示されるように、上記液圧路22,25間は、その開口部に対応して上記第2孔21bに形成された周溝29によって連通している。また、図3に示されるように、液圧路22,27は、その開口部に対応して上記第4孔21dに形成された周溝30によって連通している。
【0018】
上記液圧制御シリンダ12は、上記シリンダボディ21の第1〜第4孔21a〜21dに収容されるマスターピストン31、弁体32、制御ピストン33、不動部としてのスプールシリンダ34、スプールバルブ35、プランジャ36、スリーブ37、反力伝達手段38、反力ディスク39及びプラグ40を備えている。
【0019】
前記マスターピストン31は、第1ピストン41及び第2ピストン42を備えている。図2に示されるように、上記第1ピストン41は、上記第2孔21bの内径よりも若干、小さい外径を有して同第2孔21bの後部に配置される円盤部43と、同円盤部43よりも縮径されて第1孔21a側に突出する円筒部44とを有している。この第1ピストン41は、第1孔21aと円筒部44との間に装着されるシール部材を備えた略円筒状のスリーブ45、及び第2孔21bと円盤部43との間に装着される環状のシール部材43aにより、これら第1及び第2孔21a,21bに対して液密的に摺動自在に支持されている。なお、上記第1孔21aの内周面、第1及び第2孔21a,21bの境界面、円盤部43及び円筒部44の各外周面及び境界面、及びスリーブ45の前端面等により形成される空間はパワー室R1となっている。このパワー室R1は、上記第2孔21bの内周面と円盤部43の外周面との間に形成されるクリアランスC1を介して上記周溝29(液圧路22,25)に連通している。
【0020】
また、上記円筒部44の内部には、同円筒部44に挿入されたプッシュロッド11の端部に連結される伝達部材46が装着されている。この伝達部材46はそのボルト部46aにおいて上記円盤部43を軸線に沿って貫通し、前記第2ピストン42側に突出する当接部材47に締結されている。従って、これら第1ピストン41、伝達部材46及び当接部材47は一体に結合されており、図2に示されるように、上記ブレーキペダル10の操作に基づき前記プッシュロッド11が前進すると、一体となって移動する。なお、第1ピストン41の前進にともなって、上記パワー室R1の容積は広げられるため、同パワー室R1内にはより多くのブレーキ液が流入する。
【0021】
上記第2ピストン42は、上記第1ピストン41(円盤部43)に対して若干の隙間を有してその前側(図1の左側)に収容されている。図2に示されるように、この第2ピストン42は略円柱体に形成されており、その後部及び前部には、前記第2孔21b及び第3孔21cの内径より若干、小さい外径を有して同第2及び第3孔21b,21cの各後部に配置される第1フランジ42a及び第2フランジ42bがそれぞれ形成されている。この第2ピストン42は、これら第1及び第2フランジ42a,42bによって上記第2及び第3孔21b,21cに対してそれぞれ摺動自在に支持されている。
【0022】
また、上記第2ピストン42の後部には前記当接部材47に対向して同当接部材47と当接する凹部48が形成されている。従って、図2に示されるように、上記第1ピストン41(プッシュロッド11)が前進すると、上記第2ピストン42は凹部48において上記当接部材47に押圧されて移動する。
【0023】
さらに、上記第2ピストン42の前側には、段差部51を介して縮径された略円筒状の弁体支持部52が延出形成されている。この弁体支持部52には、前記弁体32が収容されている。
【0024】
ここで、上記第1及び第2フランジ42a,42bの間において、第2孔21bの内周面と第2ピストン42の外周面とにより形成される空間は給液室R2となっている。この給液室R2は、前記円盤部43に装着されたシール部材43aによって前記パワー室R1と分離されている。また、給液室R2は、前記液圧路23を介して前記ブレーキ液リザーバ13に連通している。そして、図2に示されるように、上記第2ピストン42には、上記給液室R2に対応して経線方向に貫通する貫通孔53、上記弁体支持部52を軸線方向に貫通して同貫通孔53に連通する連通路54が形成されている。従って、弁体支持部52の中空部は連通路54及び貫通孔53を介して給液室R2に連通している。
【0025】
また、上記第2ピストン42には、上記段差部51において前方に折り返される環状カップ形状のシール部材55が装着されている。このシール部材55は、上記給液室R2内のブレーキ液が上記第3孔21cの内周面と第2フランジ42bの外周面との間に形成されるクリアランスC2を介してその前方に流入することを許容するとともに、同前方のブレーキ液が上記クリアランスC2を介して同給液室R2に流入することを禁止する逆止弁としての機能を有している。
【0026】
前記弁体32は、上記弁体支持部52に収容され、同弁体支持部52の外周部に嵌着されたリテーナ56により係止されている。この弁体32の後端部には、例えばゴム製の弾性体が被着されており、同弁体32が上記第2ピストン42(連通路54の開口部)に当接した場合には、上記弁体支持部52の中空部と連通路54とが遮断されるようになっている。従って、上記第2ピストン42が前進して弁体32に押圧されると、給液室R2と弁体支持部52の中空部とは、同弁体32によってその連通状態が遮断される。
【0027】
また、上記弁体32の前端部にはロッド57が一体に形成されており、図3に示されるようにその先端部には係止部57aが形成されている。
前記制御ピストン33は、上記第3孔21cにおいて、上記マスターピストン31の前側に収容されている。図3に示されるように、この制御ピストン33の略中間部には上記第3孔21cの内径よりも若干、小さい外径を有する第3フランジ58が形成されており、同制御ピストン33の前部には上記第3孔21cの内径よりも若干、小さい外径を有する第1円筒部59、同第1円筒部59の前側において内径が拡径された第2円筒部60がそれぞれ形成されている。この制御ピストン33は、これら第3フランジ58及び第1及び第2円筒部59,60によって上記第3孔21cに対して摺動自在に、且つ、同第1円筒部59の外周面に装着された環状のシール部材59aによって液密的に支持されている。ちなみに、第3フランジ58は軸線方向に連通している。
【0028】
ここで、上記第3孔21cにおいて前記マスターピストン31(第2ピストン42)と制御ピストン33との間で形成される空間は圧力室R3となっている。この圧力室R3は、前記第2ピストン42に装着されたシール部材55により、前記給液室R2と略分離されている。
【0029】
図3に示されるように、上記制御ピストン33には、その軸線方向に伸びて後端に開口し、上記第3フランジ58及び第1円筒部59間において径方向に貫通する貫通孔61が形成されている。そして、この貫通孔61には前記弁体32の係止部57aが収容されている。この係止部57aは、制御ピストン33の後部に嵌着されるリテーナ62に係止されている。
【0030】
なお、前記第2ピストン42の弁体支持部52に嵌着されたリテーナ56と、上記制御ピストン33の後部に嵌着されたリテーナ62との間にはスプリング63が介装されている。従って、図3に示されるようにマスターピストン31(第2ピストン42)が前進すると、上記スプリング63を介して制御ピストン33は一体となって前進する。
【0031】
上記第1円筒部59の後方には、径方向に突出する係止ピン64がシリンダボディ21に対して固定されている。従って、制御ピストン33の移動範囲は、上記第3フランジ58及び第1円筒部59間に規制されている。
【0032】
ここで、前記液圧路26は、上記係止ピン64の位置に対応して第3孔21cに開口している。従って、上記圧力室R3と前記ホイールシリンダ17とは、この液圧路26を介して連通している。
【0033】
前記スプールシリンダ34は、上記第4孔21dにおいて、上記制御ピストン33の前側に嵌着されている。このスプールシリンダ34は、上記第3孔21cの内径よりも若干、小さい外径、及び前記制御ピストン33の第1円筒部59の内径よりも若干、小さい内径を有して略円筒状に形成されている。そして、このスプールシリンダ34の外周面には、環状の第1シーリング部材34a、第2シーリング部材34b及び第3シーリング部材34cが装着され、上記第4孔21dに対して液密的に固着されている。
【0034】
上記スプールシリンダ34の後端には、外周面が縮径されて突出する円筒部65が形成されている。そして、図4に示されるように、この円筒部65の基端部前方の内周面には周溝66が形成されている。一方、上記スプールシリンダ34の前端には、前方に突出する円筒部67が形成されている。そして、この円筒部67には、前記液圧路24の開口部に対応して径方向に貫通する貫通孔68が形成されている。この貫通孔68は、液圧路24の開口部に対応して上記第4孔21dに形成された周溝69に連通しており、従って、上記円筒部67の中空部は、貫通孔68、周溝69及び液圧路24を介して前記ブレーキ液リザーバ13と連通している。
【0035】
また、上記第1及び第2シーリング部材34a,34bの間、第2及び第3シーリング部材34b,34cの間には、それぞれ径方向に貫通する第1連通孔70及び第2連通孔71が形成されている。そして、上記スプールシリンダ34には、軸線方向に伸びて一端が第2連通孔71に連通され、他端が上記第3孔21c側に開口する第3連通孔72が形成されている。なお、上記第1連通孔70は、液圧路28の開口部に対応して上記第4孔21dに形成された周溝73に連通しており、従って、これら周溝73及び液圧路28を介して前記補助液圧源14に連通している。
【0036】
前記スプールバルブ35は、その後部及び前部がそれぞれ前記制御ピストン33の第1円筒部59の内径よりも若干、小さい外径、前記スプールシリンダ34の内径よりも若干、小さい外径を有して略円筒状に形成されている。そして、上記スプールバルブ35の後部は上記第1円筒部59に対して液密的に装着されて、制御ピストン33に係止されている。詳述すると、上記第1円筒部59の内壁面にはリテーナ74が嵌着されており、このリテーナ74と前記スプールシリンダ34との間にはスプリング75が介装されている。そして、スプールバルブ35は、このスプリング75により制御ピストン33に当接するように付勢されている。なお、上記スプールバルブ35の前部はスプールシリンダ34に対して摺動自在に支持されている。
【0037】
ここで、前記第4孔21d、制御ピストン33の第2円筒部60の内壁面、スプールシリンダ34の後端面及びスプールバルブ35の外周面等により形成される空間は制御室R4となっている。この制御室R4は、前記制御ピストン33に装着されたシール部材59aにより、前記圧力室R3と分離されている。そして、この制御室R4は、前記液圧路27の開口部に対応して上記第4孔21dに形成された周溝76を介して同液圧路27に連通している。
【0038】
図4に示されるように、このスプールバルブ35には、上記制御ピストン33(ブレーキペダル10)の初期状態(復帰状態)において前記スプールシリンダ34の周溝66に対向してその外周面に第1周溝77が形成されている。また、このスプールバルブ35の外周面には、上記第1周溝77に対して軸線方向後方に所定間隔をおいて第2周溝78が形成されている。
【0039】
この制御ピストン33(スプールバルブ35)の初期状態においては、上記第1連通孔70の開口部はスプールバルブ35によって塞がれており、同第1連通孔70と制御室R4との間は略遮断されている。従って、上記第1連通孔70と周溝73、液圧路28を介して連通する前記補助液圧源14は制御室R4と遮断されている。また、上記第2連通孔71の開口部はスプールバルブ35によって塞がれておらず、同スプールシリンダ34の中空部と制御室R4とは、第2及び第3連通孔71,72を介して連通している。従って、前記ブレーキ液リザーバ13と制御室R4とは、液圧路24、周溝69、貫通孔68、第2及び第3連通孔71,72を介して連通している。これにより、上記制御室R4内には、大気圧のブレーキ液が充填されている。
【0040】
一方、図5に示されるように、この制御ピストン33(スプールバルブ35)が前進した状態においては、上記第1連通孔70が第1周溝77に開口するとともに、上記周溝66及び第2周溝78の一部が重なり、第1連通孔70と制御室R4とは、同第1連通孔70と第1周溝77との間に形成される連通路、周溝66と第1及び第2周溝77,78との間に形成される連通路を介して連通する。従って、前記補助液圧源14と制御室R4とは、液圧路28、周溝73、第1連通孔70、周溝66及び第1周溝77等を介して連通する。そして、上記制御室R4には、補助液圧源14からの高圧のブレーキ液が供給される。また、上記第2連通孔71の開口部は、スプールバルブ35によって塞がれるため、上記第2連通孔71と第3連通孔72を介して連通する制御室R4は、前記ブレーキ液リザーバ13から遮断される。
【0041】
前記プランジャ36は、上記スプールバルブ35の前部に嵌着されて同スプールバルブ35の一部を構成しており、図4に示されるように、その前端に形成された先端部36aは、同スプールバルブ35の軸方向前方に突出している。
【0042】
前記スリーブ37は、スプールシリンダ34の前側に配置されており、図6に示されるようにその後部及び前部は、それぞれ前記スプールシリンダ34の円筒部67の内径及び上記第4孔21dの内径よりも若干、小さい外径を有している。このスリーブ37は、その後部が上記円筒部67内に収容される態様で、上記第4孔21dに嵌着されている。なお、このスリーブ37の上記第4孔21dに当接する外周面には、軸線方向に所定間隔をおいて2つのシール部材81,82が装着されている。また、スリーブ37の中空部は、前方に拡径されており、後部及び前部はそれぞれ反力伝達手段収容部83及びディスク収容部84となっている。なお、上記反力伝達手段収容部83の内径は、前記スプールシリンダ34の内径よりも大きく設定されている。
【0043】
上記反力伝達手段収容部83には、前記反力伝達手段38が軸方向に摺動自在に収容されている。詳述すると、この反力伝達手段収容部83は、反力シリンダ96と、反力ロッド97と、付勢手段としてのコイルばね98とを備えている。
【0044】
上記反力シリンダ96は、反力伝達手段収容部83よりも若干小さい外径、上記スプールバルブ35の内径と同等の内径、及び同反力伝達手段収容部83と同等の軸線方向の長さを有して略円筒状に形成されており、その後側には外周面に沿って切り欠かれた収容溝96aが形成されている。なお、上記反力シリンダ96の中空部はロッド収容部96bとなっている。
【0045】
上記反力ロッド97は、上記反力シリンダ96の内径よりも若干、小さい外径を有して上記ロッド収容部96bに摺動自在に支持されており、その後端は前記プランジャ36の先端部36aに対向配置されている。なお、上記反力ロッド97の前側には、中心に向かって縮径される当接部97aが形成されている。
【0046】
上記コイルばね98は、上記反力シリンダ96の収容溝96aに収容されて同反力シリンダ96及び上記スプールシリンダ34の端面の間に介装されており、同反力シリンダ96を上記ディスク収容部84側に付勢している。
【0047】
上記ディスク収容部84には、例えばゴム製の反力ディスク39が装着されており、上記反力伝達手段38は、この反力ディスク39により軸方向前方への移動が規制されている。さらに、上記ディスク収容部84の反力ディスク39に対して前側には、前記プラグ40が嵌着されている。そして、上記反力ディスク39は、これら反力ディスク39及びプラグ40間に介装されたスプリング85によって反力伝達手段38側に押圧されている。
【0048】
なお、前記第4孔21d、上記反力ディスク39及びプラグ40の対向面により形成される空間は反力室R5となっている。この反力室R5は、上記プラグ40の外周面に装着されたシール部材86及び反力ディスク39によって液密的に形成されている。
【0049】
上記スリーブ37の反力室R5に対応するシール部材81,82の略中間部には、図3の上側及び下側において径方向に貫通する貫通孔87,88がそれぞれ形成されている。これら貫通孔87,88は、それぞれ周溝30を介して液圧路22,27と上記反力室R5とを連通する。従って、前記制御室R4と反力室R5とは、周溝76、液圧路27、周溝30及び貫通孔88を介して連通しており、同反力室R5とパワー室R1とは、貫通孔87、周溝30、液圧路22、周溝29及びクリアランスC1を介して連通しており、パワー室R1と前記ホイールシリンダ18とは、クリアランスC1、周溝29及び液圧路25を介して連通している。
【0050】
なお、図6に示されるように、前記反力室R5内の液圧が所定圧力よりも小さいときには、上記スプールバルブ35(プランジャ36)は反力伝達手段38によって規制されることなく前進する。
【0051】
また、上記反力室R5内の液圧が所定圧よりも大きくなると、図7に示されるように、前記反力ディスク39はその液圧により押圧され、上記ロッド収容部96b内に膨出するように弾性変形する。このとき、上記反力ロッド97のみがスプールバルブ35(プランジャ36)側である後方に押し出される。そして、反力ロッド97の先端部が上記プランジャ36の先端部36aに押圧されることで、上記スプールバルブ35(制御ピストン33)は後方に押し戻されるようになっている。なお、このような動作は、上記反力シリンダ96を反力ディスク39と当接するように付勢する上記コイルばね98の設定荷重及びばね定数等により調整されている。
【0052】
さらに、上記反力室R5内の液圧が上記所定圧よりも大きい作動開始圧よりも大きくなると、図8に示されるように、前記反力ディスク39はその液圧により押圧され、上記コイルばね98の付勢力に抗して上記反力シリンダ96の配置された反力伝達手段収容部83内にも膨出するように弾性変形する。このとき、反力伝達手段38としての摺動時の受圧面積は増大し、上記反力シリンダ96が反力ロッド97とともにスプールバルブ35側である後方に押し出される。そして、上記反力シリンダ96の先端部がスプールバルブ35の前端面に押圧されることで、上記スプールバルブ35(制御ピストン33)はより強い力で後方に押し戻されるようになっている。
【0053】
前記補助液圧源14は、ブレーキ液に高圧(パワー液圧)を発生させるためのもので、アキュームレータ91と、液圧ポンプ92と、電気モータ93とを備えている。この補助液圧源14は、上記電気モータ93によって液圧ポンプ92を駆動し、前記ブレーキ液リザーバ13のブレーキ液を吸入・昇圧してアキュームレータ91に吐出する。このアキュームレータ91は、前記液圧路28に連通しており、従って、第1連通孔70と制御室R4とが連通している場合には、同制御室R4に高圧のブレーキ液を供給する。
【0054】
次に、この液圧ブレーキ装置の動作について説明する。
図1に示されるように、ブレーキペダル10の非操作状態である初期状態(復帰状態)においては、前記第2ピストン42が弁体32に押圧されていないため、前記圧力室R3(弁体支持部52の中空部)と連通路54とは連通している。従って、前記ブレーキ液リザーバ13と圧力室R3とは、液圧路23、給液室R2、貫通孔53及び連通路54(図2参照)を介して連通している。これにより、上記圧力室R3内には、大気圧のブレーキ液が充填されている。そして、この圧力室R3と液圧路26を介して連通しているホイールシリンダ17内も略大気圧に維持されている。
【0055】
また、図1及び図4に示されるように、この初期状態(復帰状態)においては、上記スプールシリンダ34の第1連通孔70の開口部はスプールバルブ35によって塞がれており、同第1連通孔70と制御室R4との間は略遮断されている。従って、上記第1連通孔70と周溝73、液圧路28を介して連通する前記補助液圧源14は制御室R4と遮断されている。また、上記スプールシリンダ34の第2連通孔71の開口部はスプールバルブ35によって塞がれておらず、同スプールシリンダ34の中空部と制御室R4とは、第2及び第3連通孔71,72を介して連通している。従って、前記ブレーキ液リザーバ13と制御室R4とは、液圧路24、周溝69、貫通孔68、第2及び第3連通孔71,72を介して連通している。これにより、上記制御室R4、この制御室R4と周溝76、液圧路27、周溝30及び貫通孔88を介して連通している反力室R5、同反力室R5と貫通孔87、周溝30、液圧路22、周溝29及びクリアランスC1(図2参照)を介して連通しているパワー室R1内にも略大気圧のブレーキ液が充填されている。そして、このパワー室R1(制御室R4)とクリアランスC1、周溝29及び液圧路25を介して連通しているホイールシリンダ18内も略大気圧に維持されている。
【0056】
一方、図2、図3、図5及び図6に示されるように、このブレーキペダル10の初期状態(復帰状態)からブレーキペダル10が操作された状態では、プッシュロッド11を介して、マスターピストン31(第1及び第2ピストン41,42、伝達部材46及び当接部材47)は前方に移動し、上記第2ピストン42は弁体32に押圧される。このとき、上記弁体32の弾性体によって連通路54の開口部が閉塞され、前記圧力室R3(弁体支持部52の中空部)と連通路54とは遮断される。従って、上記圧力室R3内は、前記給液室R2(ブレーキ液リザーバ13)と遮断されて密閉状態となる。
【0057】
また、上記マスターピストン31の前進に伴い、前記制御ピストン33はスプリング63を介して一体となって前進する。そして、この制御ピストン33に嵌着されたスプールバルブ35も一体となって前進する。この制御ピストン33(スプールバルブ35)が前進した状態においては、上記第2連通孔71の開口部は、スプールバルブ35(第2バンク77)によって塞がれるため、同第2連通孔71と第3連通孔72を介して連通する制御室R4は、前記ブレーキ液リザーバ13から遮断される。また、第1連通孔70と制御室R4とは、前記第1連通孔70と第1周溝77との間に形成される連通路、周溝66と第1及び第2周溝77,78との間に形成される連通路を介して連通する。従って、前記補助液圧源14と制御室R4とは、液圧路28、周溝73、第1連通孔70、周溝66及び第1周溝77等を介して連通する。以上により、上記制御室R4には、補助液圧源14からの高圧のブレーキ液が供給される。これにより、上記制御室R4と周溝76、液圧路27、周溝30及び貫通孔88を介して連通している反力室R5、同反力室R5と貫通孔87、周溝30、液圧路22、周溝29及びクリアランスC1を介して連通しているパワー室R1内にも補助液圧源14からの高圧のブレーキ液が供給される。そして、上記マスターピストン31は、上記パワー室R1内において第1ピストン41の円盤部43及び円筒部44の境界面に作用する圧力によってその前進が助勢され、上記圧力室R3内のブレーキ液は圧縮されて、液圧路26を介してホイールシリンダ17にブレーキ液圧が出力される。また、このパワー室R1(制御室R4)内のブレーキ液圧は、クリアランスC1、周溝29及び液圧路25を介してホイールシリンダ18に出力される。
【0058】
ここで、制御室R4内の液圧に基づき制御ピストン33に付与される力が、圧力室R3の液圧に基づき制御ピストン33に付与される力よりも大きいと、同制御ピストン33は後方に移動して上記第2連通孔71はスプールシリンダ34の中空部に開口し、同第2連通孔71と第3連通孔72を介して連通する制御室R4は前記ブレーキ液リザーバ13と連通して同制御室R4内は減圧される。
【0059】
一方、制御室R4内の液圧に基づき制御ピストン33に付与される力が、圧力室R3の液圧に基づき制御ピストン33に付与される力よりも小さいと、同制御ピストン33は前方に移動して上記第2連通孔71の開口部はスプールバルブ35によって塞がれ、代わって制御室R4は液圧路28、周溝73、第1連通孔70、周溝66及び第1周溝77等を介して前記補助液圧源14と連通して同制御室R4内は増圧される。
【0060】
このような制御ピストン33の移動の繰り返しにより、制御室R4内の液圧に基づき制御ピストン33に付与される力と、圧力室R3の液圧に基づき制御ピストン33に付与される力とが一致するように制御される。そして、制御室R4(反力室R5)内の圧力が所定圧よりも小さいときには、図11に実線で示されるように上記ブレーキペダル10の踏力に応じた第1段階のブレーキ液圧特性が得られる。なおこのとき、これら圧力室R3及び制御室R4間は所定の圧力比に維持されている。
【0061】
また、制御室R4(反力室R5)内の液圧が所定圧よりも大きくなると、図7に示されるように前記反力ディスク39はその液圧により押圧され、前記ロッド収容部96b内に膨出するように弾性変形する。このとき、上記反力ロッド97のみがスプールバルブ35(プランジャ36)側である後方に押し出される。そして、反力ロッド97の先端部が上記プランジャ36の先端部36aに押圧されることで、上記スプールバルブ35は後方に押し戻される。このような反力を加えることにより、制御ピストン33に作用する力のつりあいを変化させ、制御室R4内のブレーキ液の昇圧勾配を減少させる。そして、図11に実線で併せ示されるように上記第1段階のブレーキ液圧特性よりも上記ブレーキペダル10の踏力に対する増圧勾配が緩やかになる第2段階のブレーキ液圧特性が得られる。なおこのときも、上記圧力室R3及び制御室R4間は所定の圧力比に維持されている。ちなみに、上記反力ディスク39(膨出部)に当接する反力ロッド97には当接部97aが形成されているため、同反力ロッド97が上記スプールバルブ35を後方に押し戻し始めるときのつながり、すなわちブレーキペダル10の踏力に応じた第1段階のブレーキ液圧特性から第2段階のブレーキ液圧特性への移行は滑らかに丸み付けされている。
【0062】
さらに、上記制御室R4(反力室R5)内の液圧が前記作動開始圧よりも大きくなると、図8に示されるように前記反力ディスク39はその液圧により押圧され、上記コイルばね98の付勢力に抗して上記反力シリンダ96の配置された反力伝達手段収容部83内にも膨出するように弾性変形する。このとき、反力伝達手段38としての摺動時の受圧面積は増大し、上記反力シリンダ96が反力ロッド97とともにスプールバルブ35側である後方に押し出される。そして、上記反力シリンダ96の先端部がスプールバルブ35の前端面に押圧されることで、上記スプールバルブ35(制御ピストン33)はより強い力で後方に押し戻されるようになっている。換言すると、上記反力室R5内の液圧が上記作動開始圧よりも大きいときの方が、同小さいときよりも同反力室R5内の圧力の増加に対するスプールバルブ35を他側に押し戻す力の増加勾配が大きくなる。そして、このような力によってスプールバルブ35が押し戻されることにより、制御ピストン33に作用する力のつりあいを変化させ、制御室R4内のブレーキ液の昇圧勾配が減少し、同制御室R4から導入されたパワー室R1内の液圧によるブレーキペダル10の踏力の助勢力が減勢されることから、ブレーキペダル10の踏力の増加に基づくブレーキ液圧の増圧勾配は、反力室R5内の液圧が上記作動開始圧よりも大きいときの方が、同小さいときよりも緩められる。これにより、図11に太実線で示されるように上記第2段階のブレーキ液圧特性よりも上記ブレーキペダル10の踏力に対する増圧勾配が更に緩やかになる第3段階のブレーキ液圧特性が得られる。なおこのときも、上記圧力室R3及び制御室R4間は所定の圧力比に維持されている。
【0063】
以上により、ブレーキペダルの踏力に対するブレーキ液圧特性は、上記反力室R5内の液圧が所定圧よりも大きくなったとき、同所定圧から上記作動開始圧までのとき、同作動開始圧よりも大きくなったときでその増圧勾配が段階的に緩められ、同踏力に応じた理想的なブレーキ液圧特性に近づけられ、ブレーキの効き過ぎや効き不足が発生することなく好適なペダル操作フィーリングが得られる。
【0064】
次に、上記液圧ブレーキ装置の動作に対する定量的な解析について、図9の模式図に基づき簡単に説明する。なお、この模式図において示される上記実施形態と同一の部材については、同一の符号を付して説明する。また、説明の簡略化のために、各種シール部材の摺動抵抗及びスプリング63,75の設定荷重等の影響は割愛している。同図9において、ブレーキペダル10の踏力に相当する入力荷重をF、パワー室R1、制御室R4及び反力室R5の液圧をPp、圧力室R3の液圧をPm、マスターピストン31の大径断面積(後側)をS1、同小径断面積(前側)をS2、制御ピストン33の断面積(後側)をS3、スプールバルブ35の断面積(後側)をS4、反力伝達手段38の受圧面積をS5とすると、これら入力荷重F、液圧Pp,Pm及び断面積等S1〜S5との間には、
F=Pm・S3・(1+((S2−S1)/(S3−S4+S5)))
の関係を有している。従って、圧力室R3の液圧Pmの上昇に応じて入力荷重Fは増加するものの、上記反力伝達手段38の受圧面積S5の増加にともなって、同入力荷重Fの増加勾配は低減される。従って、図10に示されるように反力室R5の液圧Ppが所定圧よりも大きくなったとき、同所定圧から前記作動開始圧までのとき、同作動開始圧よりも大きくなったときで上記受圧面積S5が段階的に変化することにより、図11に示されるようにブレーキペダルの踏力に対するブレーキ液圧特性の増圧勾配が段階的に緩められ、同踏力に応じた理想的なブレーキ液圧特性に近づけられる。
【0065】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、制御室R4(反力室R5)内の液圧が上記所定圧から作動開始圧までのとき、上記反力ディスク39をロッド収容部96b内に膨出するように弾性変形させ、上記反力ロッド97のみがスプールバルブ35(プランジャ36)側である後方に押し出されて上記スプールバルブ35を後方に押し戻すようにした。また、制御室R4(反力室R5)内の液圧が上記作動開始圧よりも大きいとき、上記反力ディスク39を上記コイルばね98の付勢力に抗して上記反力シリンダ96の配置された反力伝達手段収容部83内にも膨出するように弾性変形させ、上記反力シリンダ96が反力ロッド97とともにスプールバルブ35側である後方に押し出されて上記スプールバルブ35(制御ピストン33)をより強い力で後方に押し戻すようにした。従って、このような力によってスプールバルブ35が押し戻されることにより、制御ピストン33に作用する力のつりあいを変化させ、制御室R4内のブレーキ液の昇圧勾配が減少し、同制御室R4から導入されたパワー室R1内の液圧によるブレーキペダル10の踏力の助勢力が減勢されることから、反力室R5内の液圧が上記作動開始圧よりも大きいときのブレーキペダル10の踏力の増加に基づくブレーキ液圧の増圧勾配を、同小さいときよりも緩めることができる。そして、第2段階のブレーキ液圧特性よりも上記ブレーキペダル10の踏力に対する増圧勾配が更に緩やかになる第3段階のブレーキ液圧特性を得ることができる。これにより、ブレーキペダル10の踏力に対するブレーキ液圧特性を、上記反力室R5内の液圧が所定圧よりも大きくなったとき、同所定圧から上記作動開始圧までのとき、同作動開始圧よりも大きくなったときでその増圧勾配を段階的に緩め、同踏力に応じた理想的なブレーキ液圧特性に近づけて、ブレーキの効き過ぎや効き不足が発生することなく好適なペダル操作フィーリングを得ることができる。
【0066】
(2)本実施形態では、ブレーキペダル10の踏力に応じた第3段階のブレーキ液圧特性を、反力シリンダ96、反力ロッド97及びコイルばね98からなる極めて簡易な構成により実現することができる。
【0067】
(3)本実施形態では、スプールシリンダ34の前端面を利用して、反力シリンダ96との間にコイルばね98を介装した。従って、例えば同様の不動部を別途、設ける場合に比べて部品点数の増大を最小限に抑制することができる。
【0068】
(4)本実施形態では、付勢手段を極めて簡易な形状であるコイルばね98とすることができる。
(5)本実施形態では、反力シリンダ96はコイルばね98の付勢力によって常に反力ディスク39と当接するように反力伝達手段収容部83内に配置されているため、これら反力シリンダ96及び反力ディスク39の相対位置に起因して同反力ディスク39の変形態様が変化することを回避することができる。このため、反力シリンダ96を介してスプールバルブ35を後方に押し戻し始めるときの反力室R5内の液圧も安定化することができる。従って、ブレーキペダル10の踏力の助勢力が更に減勢され始める状態、すなわちブレーキペダル10の踏力に応じた第2段階のブレーキ液圧特性から第3段階のブレーキ液圧特性に移行する状態を安定化することができる。
【0069】
なお、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。
・前記実施形態においては、制御室R4と反力室R5とを連通してこれらの液圧を同一としたが、同反力室R5の液圧を単独で制御するようにしてもよい。
【0070】
・前記実施形態においては、付勢手段としてコイルばね98を採用したが、例えば板ばねや弾性体などその他の付勢手段を採用してもよい。
・前記実施形態においては、不動部としてスプールシリンダ34の前端面を利用したが、例えばシリンダボディ21などに別途、設けてもよい。
【0071】
・前記実施形態においては、反力伝達手段38としての摺動時の受圧面積を変えるために、同反力伝達手段38を反力シリンダ96、反力ロッド97及びコイルばね98にて構成したが、このような構成は一例である。要は、制御室R4(反力室R5)内の液圧に応じて、反力伝達手段38としての摺動時の受圧面積が変更されるのであればよい。
【0072】
・ブレーキペダル10の踏力に対する3段階以上のブレーキ液圧特性により、同踏力の増加に基づくブレーキ液圧の増圧勾配を段階的に緩やかにするのであれば、その構造は任意である。
【0073】
次に、以上の実施形態から把握することができる技術的思想を、その効果とともに以下に記載する。
(イ)前記不動部は、前記スプールバルブを摺動自在に支持するシリンダであることを特徴とする。
【0074】
同構成によれば、上記不動部は、スプールバルブを摺動自在に支持するシリンダである。従って、部品点数の増大は最小限に抑制される。
(ロ)前記付勢手段はコイルばねであることを特徴とする。
【0075】
同構成によれば、付勢手段は極めて簡易な形状であるコイルばねとされる。
【0076】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、ブレーキの効き過ぎや効き不足が発生することなく好適なペダル操作フィーリングを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液圧ブレーキ装置の一実施形態を示す断面図。
【図2】同実施形態の動作態様を示す断面図。
【図3】同実施形態の動作態様を示す断面図。
【図4】同実施形態を示す断面図。
【図5】同実施形態の動作態様を示す断面図。
【図6】同実施形態の動作態様を示す断面図。
【図7】同実施形態の動作態様を示す断面図。
【図8】同実施形態の動作態様を示す断面図。
【図9】同実施形態を模式的に示す断面図。
【図10】ブレーキ液圧と面積との関係を示すグラフ。
【図11】ブレーキペダルの踏力とブレーキ液圧との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
R1 パワー室
R3 圧力室
R4 制御室
R5 反力室
10 ブレーキペダル
21 シリンダボディ
31 マスターピストン
33 制御ピストン
34 不動部としてのスプールシリンダ
35 スプールバルブ
38 反力伝達手段
39 反力ディスク
96 反力シリンダ
97 反力ロッド
98 付勢手段としてのコイルばね[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a hydraulic brake device for a vehicle, and more particularly to a hydraulic brake device for a vehicle that outputs a brake hydraulic pressure by applying an assisting force to a depression force of a brake pedal.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, as a hydraulic brake device for a vehicle, for example, a device described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-115728 is known. In the vehicle hydraulic brake device described in the publication, a master piston that is drivingly connected to a brake pedal, a control piston that operates in conjunction with the master piston, a spool valve that switches a flow path of brake fluid in conjunction with the control piston, A reaction force disk that elastically deforms in response to pressure and a reaction force transmission means that slides toward the spool valve side based on the elastic deformation of the reaction force disk are accommodated in the cylinder body. A power chamber, a pressure chamber, a control chamber, and a reaction force chamber are defined in the cylinder body.
[0003]
In this hydraulic brake device, when the master piston moves forward with the operation of the brake pedal, the control piston and the spool valve move forward together. At this time, the communication state between the control chamber and the reservoir is blocked by the spool valve, and the control chamber and the auxiliary hydraulic pressure source are communicated to increase the pressure of the brake fluid in the control chamber. Then, an assisting force is applied to the depressing force of the brake pedal by the hydraulic pressure in the power chamber introduced from the control chamber, and the brake fluid in the pressure chamber is compressed according to the assisting force to output the brake fluid pressure. Then, as shown by a solid line in FIG. 11, a first-stage brake hydraulic pressure characteristic corresponding to the depression force of the brake pedal is obtained.
[0004]
On the other hand, when the hydraulic pressure in the reaction force chamber is greater than a predetermined pressure, the reaction force disk is elastically deformed by the hydraulic pressure in the reaction force chamber, and the reaction force transmitting means is slid to thereby slide the spool valve. Push back backwards. Due to this reaction force, the balance of the force acting on the control piston changes, and the pressure increase gradient of the brake fluid in the control chamber decreases. Then, the assist force of the brake pedal depressing force due to the hydraulic pressure in the power chamber introduced from the control chamber is reduced, and the brake hydraulic pressure corresponding to the depressing force of the brake pedal is reduced as shown by the solid line in FIG. A second-stage brake hydraulic pressure characteristic in which the pressure increase gradient is suppressed is obtained.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in order to obtain a preferable pedal operation feeling, it is ideal that the characteristic of the brake fluid pressure according to the depression force of the brake pedal is along a curve indicated by a two-dot chain line in FIG. Is generally known. And, if it deviates from the above ideal characteristics, the braking effect will be excessive or insufficient, so it is necessary to operate the hydraulic brake device within a very narrow range of the pedal force of the brake pedal. Yes, pedal operation feeling is not good.
[0006]
An object of the present invention is to provide a hydraulic brake device for a vehicle that can obtain a suitable pedal operation feeling without causing excessive or insufficient braking.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the invention according to claim 1 is directed to a master piston that is drivingly connected to a brake pedal, a control piston that is linked to the master piston, and a brake fluid flow path that is linked to the control piston. A spool valve to be switched, a reaction force disk that is elastically deformed according to a hydraulic pressure, and a reaction force transmitting means that slides toward the spool valve side based on the elastic deformation of the reaction force disk are accommodated in the cylinder body, Each of the pressure chamber, the control chamber, and the reaction force chamber is partitioned, and the flow path of the brake fluid is switched to increase the pressure of the brake fluid in the control chamber by interlocking with the spool valve accompanying one side movement of the control piston, The assisting force is applied to the depressing force of the brake pedal by the fluid pressure in the power chamber introduced from the control chamber, and the brake fluid in the pressure chamber is responded to the assisting force. When the hydraulic pressure in the reaction force chamber is larger than a predetermined pressure, the reaction force transmitting means is pressed by elastic deformation of the reaction force disk due to the hydraulic pressure in the reaction force chamber. The reaction force transmission means is slid, and a reaction force that pushes the spool valve back to the other side is applied via the reaction force transmission means, thereby changing the balance of the force acting on the control piston, and In the hydraulic brake device for a vehicle that reduces the pressure increase gradient of the brake fluid in the room and reduces the assisting force of the depression force of the brake pedal by the hydraulic pressure in the power chamber introduced from the control chamber, the reaction force chamber The pressure receiving area when the reaction force transmitting means slides due to the elastic deformation of the reaction force disk when the hydraulic pressure of the reaction force disk is larger than the operation start pressure set larger than the predetermined pressure is the hydraulic pressure in the reaction force chamber Is the starting pressure It is summarized as being set larger than the pressure receiving area during sliding of reaction force transmission means due to the elastic deformation of the reaction force disc when also small.
[0009]
Further, an invention according to claim 1, in the hydraulic brake system of the vehicle, the reaction force transmission means, the reaction force rod, and the reaction force cylinder for slidably supporting the reaction force rod, the reflected And a biasing means that is interposed between the force cylinder and the non-moving portion and biases the reaction force cylinder so as to contact the reaction force disk, and the hydraulic pressure in the reaction force chamber is smaller than the operation start pressure. Sometimes, due to the elastic deformation of the reaction force disk due to the hydraulic pressure in the reaction force chamber, only the reaction force rod is pressed to slide the reaction force rod, and the spool valve is moved to the other side via the reaction force rod. When the hydraulic pressure in the reaction force chamber is greater than the operation start pressure, the reaction force cylinder resists the urging force of the urging means by elastic deformation of the reaction force disk due to the hydraulic pressure in the reaction force chamber. the then pressed together with the reaction force rod the Sliding the force rod and the reaction force cylinder, and summarized in that push back the spool valve through which the reaction force rod and the reaction force cylinder on the other side.
[0011]
(Function)
According to the configuration of the first aspect of the present invention, the pressure receiving area when the reaction force transmitting means slides due to elastic deformation of the reaction force disk when the hydraulic pressure in the reaction force chamber is larger than the operation start pressure is as follows. The pressure receiving area when the reaction force transmitting means slides due to the elastic deformation of the reaction force disk when the hydraulic pressure in the reaction force chamber is smaller than the operation start pressure is set. Accordingly, the load applied to the reaction force transmission means by the elastic deformation of the reaction force disk based on the hydraulic pressure in the reaction force chamber, that is, the force to push the spool valve back to the other side via the reaction force transmission means is the same. When the hydraulic pressure in the force chamber is larger than the operation start pressure, the increasing gradient with respect to the increase in the pressure in the reaction force chamber is larger than when the hydraulic pressure is smaller than the above. Then, when the spool valve is pushed back by such force, the balance of the force acting on the control piston is changed, the pressure increase gradient of the brake fluid in the control chamber is reduced, and the fluid in the power chamber introduced from the control chamber is reduced. Since the assist force of the brake pedal depressing force due to the pressure is reduced, the brake fluid pressure increase gradient based on the increase of the brake pedal depressing force is the same as when the hydraulic pressure in the reaction force chamber is larger than the above-mentioned operation start pressure. Is more relaxed than when it is smaller.
[0012]
As described above, the brake fluid pressure characteristic with respect to the depression force of the brake pedal is greater than the operation start pressure when the fluid pressure in the reaction force chamber is greater than the predetermined pressure, and between the predetermined pressure and the operation start pressure. When the pressure increases, the gradient of pressure increase is gradually reduced to bring it closer to the ideal brake fluid pressure characteristics corresponding to the pedal effort, and a suitable pedal operation feeling can be achieved without causing excessive or insufficient braking. can get.
[0013]
Further, according to the configuration of the invention according to claim 1, when the hydraulic pressure of the reaction force chamber is smaller than the operation start pressure, the reaction force rod by elastic deformation of the reaction force disc by the reaction force chamber hydraulic Only the pressure rod is slid and the spool rod is slid and the spool valve is pushed back to the other side via the reaction force rod. the same reaction force disc according hydraulic reaction force cylinder by the elastic deformation of and pressed together with the reaction force rod sliding the same reaction force rod and the reaction force cylinder, the via these reaction forces rod and the reaction force cylinder The spool valve is pushed back to the other side. Therefore, when the hydraulic pressure in the reaction force chamber is larger than the operation start pressure, the increasing gradient of the force that pushes the spool valve back to the other side with respect to the increase in the pressure in the reaction force chamber becomes larger than when the hydraulic pressure is smaller.
[0014]
As described above, a suitable pedal operation feeling can be obtained without causing an excessive or insufficient braking effect by the reaction force transmitting means having a very simple configuration including the reaction force rod, the reaction force cylinder, and the urging means.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of a hydraulic brake device for a vehicle embodying the present invention will be described with reference to FIGS.
[0016]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing the hydraulic brake device. As shown in the figure, this hydraulic brake device generates a required hydraulic pressure by a
[0017]
The
[0018]
The hydraulic pressure control cylinder 12 includes a
[0019]
The
[0020]
In addition, a
[0021]
The
[0022]
A
[0023]
Furthermore, a substantially cylindrical valve
[0024]
Here, a space formed by the inner peripheral surface of the
[0025]
The
[0026]
The
[0027]
Further, a
The
[0028]
Here, a space formed between the master piston 31 (second piston 42) and the
[0029]
As shown in FIG. 3, the
[0030]
A
[0031]
A locking
[0032]
Here, the
[0033]
The
[0034]
A cylindrical portion 65 is formed at the rear end of the
[0035]
Further, a
[0036]
The
[0037]
Here, a space formed by the
[0038]
As shown in FIG. 4, the
[0039]
In the initial state of the control piston 33 (spool valve 35), the opening of the
[0040]
On the other hand, as shown in FIG. 5, when the control piston 33 (spool valve 35) is advanced, the
[0041]
The
[0042]
The
[0043]
The reaction force transmission means
[0044]
The
[0045]
The
[0046]
The
[0047]
A rubber
[0048]
A space formed by the opposing surfaces of the
[0049]
In substantially intermediate portions of the
[0050]
As shown in FIG. 6, when the hydraulic pressure in the reaction force chamber R5 is smaller than a predetermined pressure, the spool valve 35 (plunger 36) moves forward without being regulated by the reaction force transmission means 38.
[0051]
Further, when the hydraulic pressure in the reaction force chamber R5 becomes larger than a predetermined pressure, the
[0052]
Further, when the hydraulic pressure in the reaction force chamber R5 becomes larger than the operation start pressure larger than the predetermined pressure, the
[0053]
The auxiliary hydraulic pressure source 14 generates high pressure (power hydraulic pressure) in the brake fluid, and includes an accumulator 91, a
[0054]
Next, the operation of this hydraulic brake device will be described.
As shown in FIG. 1, in the initial state (returned state) in which the
[0055]
As shown in FIGS. 1 and 4, in this initial state (returned state), the opening of the
[0056]
On the other hand, as shown in FIGS. 2, 3, 5 and 6, when the
[0057]
Further, as the
[0058]
Here, when the force applied to the
[0059]
On the other hand, when the force applied to the
[0060]
By such repeated movement of the
[0061]
When the hydraulic pressure in the control chamber R4 (reaction force chamber R5) becomes larger than a predetermined pressure, the
[0062]
Further, when the hydraulic pressure in the control chamber R4 (reaction force chamber R5) becomes larger than the operation start pressure, the
[0063]
As described above, the brake hydraulic pressure characteristic with respect to the depression force of the brake pedal is such that when the hydraulic pressure in the reaction force chamber R5 is larger than a predetermined pressure, when the hydraulic pressure is from the predetermined pressure to the operation start pressure, When the pressure increases, the gradient of pressure increase is gradually reduced to bring it closer to the ideal brake fluid pressure characteristics according to the treading force. A ring is obtained.
[0064]
Next, quantitative analysis of the operation of the hydraulic brake device will be briefly described based on the schematic diagram of FIG. In addition, about the member same as the said embodiment shown in this schematic diagram, the same code | symbol is attached | subjected and demonstrated. For simplification of description, the effects of sliding resistance of various seal members and set loads of the
F = Pm · S3 · (1 + ((S2−S1) / (S3−S4 + S5)))
Have the relationship. Therefore, although the input load F increases as the hydraulic pressure Pm in the pressure chamber R3 increases, the increase gradient of the input load F decreases as the pressure receiving area S5 of the reaction force transmission means 38 increases. Therefore, as shown in FIG. 10, when the hydraulic pressure Pp of the reaction force chamber R5 is larger than a predetermined pressure, when the hydraulic pressure Pp is larger than the predetermined pressure from the predetermined pressure to the operation start pressure, As the pressure receiving area S5 changes stepwise, the pressure increase gradient of the brake fluid pressure characteristic with respect to the pedaling force of the brake pedal is gradually reduced as shown in FIG. 11, and an ideal brake fluid corresponding to the pedaling force is obtained. It is close to pressure characteristics.
[0065]
As described above in detail, according to the present embodiment, the following effects can be obtained.
(1) In the present embodiment, when the hydraulic pressure in the control chamber R4 (reaction force chamber R5) is from the predetermined pressure to the operation start pressure, the
[0066]
(2) In the present embodiment, the third-stage brake fluid pressure characteristic corresponding to the depression force of the
[0067]
(3) In the present embodiment, the
[0068]
(4) In this embodiment, the biasing means can be a
(5) In the present embodiment, the
[0069]
In addition, embodiment of this invention is not limited to the said embodiment, You may change as follows.
In the above-described embodiment, the control chamber R4 and the reaction force chamber R5 are communicated to make the hydraulic pressures the same. However, the hydraulic pressure in the reaction force chamber R5 may be controlled independently.
[0070]
In the above embodiment, the
In the above-described embodiment, the front end surface of the
[0071]
In the above embodiment, the reaction force transmitting means 38 is constituted by the
[0072]
The structure is arbitrary as long as the gradient of the brake fluid pressure increase based on the increase in the pedal effort is gradually reduced by three or more steps of the brake fluid pressure characteristics with respect to the pedal effort of the
[0073]
Next, the technical idea is Ru can be grasped from the above embodiment will be described below together with its effects.
(B) pre-Symbol immovable part, you characterized in that said spool valve is slidably supported to the cylinder.
[0074]
According to this configuration, the stationary part is a cylinder that slidably supports the spool valve. Therefore, an increase in the number of parts is suppressed to a minimum.
(B) pre-Symbol biasing means you being a coil spring.
[0075]
According to this configuration, the urging means is a coil spring having a very simple shape.
[0076]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the first aspect of the present invention, it is possible to obtain a suitable pedal operation feeling without causing the braking effect to be excessive or insufficient.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an embodiment of a hydraulic brake device according to the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing an operation mode of the embodiment.
FIG. 3 is a sectional view showing an operation mode of the embodiment.
FIG. 4 is a sectional view showing the embodiment.
FIG. 5 is a cross-sectional view showing an operation mode of the embodiment.
FIG. 6 is a sectional view showing an operation mode of the embodiment;
FIG. 7 is a sectional view showing an operation mode of the embodiment;
FIG. 8 is a sectional view showing an operation mode of the embodiment;
FIG. 9 is a sectional view schematically showing the embodiment.
FIG. 10 is a graph showing the relationship between brake fluid pressure and area.
FIG. 11 is a graph showing the relationship between the depression force of the brake pedal and the brake fluid pressure.
[Explanation of symbols]
R1 Power chamber R3 Pressure chamber R4 Control chamber R5
Claims (1)
前記反力室内の液圧が前記所定圧よりも大きく設定された作動開始圧よりも大きいときの前記反力ディスクの弾性変形による前記反力伝達手段の摺動時の受圧面積は、該反力室内の液圧が該作動開始圧よりも小さいときの該反力ディスクの弾性変形による該反力伝達手段の摺動時の受圧面積よりも大きく設定されており、The pressure receiving area when the reaction force transmitting means slides due to the elastic deformation of the reaction force disk when the hydraulic pressure in the reaction force chamber is larger than the operation start pressure set larger than the predetermined pressure is the reaction force It is set larger than the pressure receiving area at the time of sliding of the reaction force transmitting means due to elastic deformation of the reaction force disk when the indoor fluid pressure is smaller than the operation start pressure,
前記反力伝達手段は、反力ロッドと、該反力ロッドを摺動自在に支持する反力シリンダと、該反力シリンダ及び不動部間に介装されて該反力シリンダを前記反力ディスクと当接するように付勢する付勢手段とを備え、The reaction force transmitting means includes a reaction force rod, a reaction force cylinder that slidably supports the reaction force rod, and a reaction force cylinder that is interposed between the reaction force cylinder and a non-moving portion, and the reaction force cylinder is disposed on the reaction force disk. An urging means for urging so as to come into contact with
前記反力室内の液圧が前記作動開始圧よりも小さいときには、該反力室内の液圧による前記反力ディスクの弾性変形により前記反力ロッドのみを押圧して該反力ロッドを摺動させ、該反力ロッドを介して前記スプールバルブを他側に押し戻し、When the hydraulic pressure in the reaction force chamber is smaller than the operation start pressure, the reaction force rod is slid by pressing only the reaction force rod by elastic deformation of the reaction force disk due to the hydraulic pressure in the reaction force chamber. , The spool valve is pushed back to the other side through the reaction rod,
前記反力室内の液圧が前記作動開始圧よりも大きいときには、該反力室内の液圧による前記反力ディスクの弾性変形により前記付勢手段の付勢力に抗して前記反力シリンダを前記反力ロッドとともに押圧して該反力ロッド及び反力シリンダを摺動させ、これら反力ロッド及び反力シリンダを介して前記スプールバルブを他側に押し戻すことを特徴とする車両の液圧ブレーキ装置。When the hydraulic pressure in the reaction force chamber is larger than the operation start pressure, the reaction force cylinder is moved against the urging force of the urging means by elastic deformation of the reaction force disk due to the hydraulic pressure in the reaction force chamber. A hydraulic brake device for a vehicle, characterized in that the pressure rod is pressed together with the reaction force rod to slide the reaction force rod and the reaction force cylinder, and the spool valve is pushed back to the other side via the reaction force rod and the reaction force cylinder. .
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34116699A JP4501190B2 (en) | 1999-11-30 | 1999-11-30 | Hydraulic brake device for vehicle |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34116699A JP4501190B2 (en) | 1999-11-30 | 1999-11-30 | Hydraulic brake device for vehicle |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001158339A JP2001158339A (en) | 2001-06-12 |
JP4501190B2 true JP4501190B2 (en) | 2010-07-14 |
Family
ID=18343861
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34116699A Expired - Fee Related JP4501190B2 (en) | 1999-11-30 | 1999-11-30 | Hydraulic brake device for vehicle |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4501190B2 (en) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5846017B2 (en) | 2012-01-25 | 2016-01-20 | 株式会社アドヴィックス | Brake device for vehicle |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0435962U (en) * | 1990-07-24 | 1992-03-25 | ||
JPH04303059A (en) * | 1991-03-29 | 1992-10-27 | Jidosha Kiki Co Ltd | Reaction device for hydraulic servo unit |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS568749A (en) * | 1979-07-03 | 1981-01-29 | Nissan Motor Co Ltd | Negative pressure type servo unit |
JPS58110567U (en) * | 1982-01-22 | 1983-07-28 | トヨタ自動車株式会社 | brake booster |
JPH10129459A (en) * | 1996-10-25 | 1998-05-19 | Jidosha Kiki Co Ltd | Booster |
JPH1159399A (en) * | 1997-08-15 | 1999-03-02 | Jidosha Kiki Co Ltd | Brake booster device |
JP3911795B2 (en) * | 1997-10-20 | 2007-05-09 | アイシン精機株式会社 | Hydraulic brake device for vehicles |
-
1999
- 1999-11-30 JP JP34116699A patent/JP4501190B2/en not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0435962U (en) * | 1990-07-24 | 1992-03-25 | ||
JPH04303059A (en) * | 1991-03-29 | 1992-10-27 | Jidosha Kiki Co Ltd | Reaction device for hydraulic servo unit |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001158339A (en) | 2001-06-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3955016B2 (en) | Brake device for vehicle | |
JP3955015B2 (en) | Brake device for vehicle | |
JP2005138612A (en) | Negative pressure type booster | |
JP4622328B2 (en) | Master cylinder with fill-up function | |
JP4501190B2 (en) | Hydraulic brake device for vehicle | |
JP4501191B2 (en) | Hydraulic brake device for vehicle | |
JP3914083B2 (en) | Brake hydraulic pressure control device for vehicles | |
JP4586222B2 (en) | High pressure fluid supply device and hydraulic brake device for vehicle equipped with the high pressure fluid supply device | |
JP4111361B2 (en) | Fluid pressure booster and brake system using the same | |
JP4202196B2 (en) | Hydraulic brake device | |
EP1538045B1 (en) | Hydraulic controller | |
JP2660264B2 (en) | Hydraulic brake device | |
JP2003312467A (en) | Brake fluid pressure controller for vehicle | |
JP4502866B2 (en) | Hydraulic booster | |
JP4502864B2 (en) | Brake device for vehicle | |
JP2516787B2 (en) | Hydraulic booster | |
JPH0331654Y2 (en) | ||
JPH0352374B2 (en) | ||
JP2581948B2 (en) | Hydraulic booster | |
JPH11115727A (en) | Hydraulic booster | |
JPH0624918B2 (en) | Hydraulic booster | |
JP2006282011A (en) | Hydraulic booster | |
JP4474314B2 (en) | Brake device for vehicle | |
JP2516786B2 (en) | Hydraulic booster | |
JP4502865B2 (en) | Brake device for vehicle |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061025 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20080527 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20080613 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090122 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090324 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090513 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100330 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100412 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130430 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140430 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |