JP4500384B2 - レンズ鏡筒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、動画や静止画の記録をCCD等の固体撮影素子を用いて行うビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等の撮影装置や双眼鏡や天体望遠鏡等の観察装置に組み込まれるレンズ鏡筒の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、手持ち撮影時において生じ易い手ぶれ等による像ぶれを防止する為、カメラのぶれ情報をぶれ検出手段によって検出し、その検出結果に応じて光学的もしくは電子的にそのぶれをキャンセルする事によって手ぶれ補正を実現する装置が種々提案されている。そのなかで、特願平10−109499号では、複数のレンズ群のうち、あるレンズ群を光軸と垂直な平面内で移動する事により手ぶれ補正を行なう、いわゆるシフト式ぶれ補正手段を有したズームレンズが開示されている。この提案では、シフトするレンズ群を保持する鏡筒に3本のピンが放射方向に圧入されており、固定部材に周方向に形成された3個の長穴部に、3本のピンがそれぞれある隙間を持って嵌合しており、シフトするレンズ群を光軸に垂直な平面内に規制している。更に、磁石と強磁性体の間に働く磁力を使って案内部の光軸方向のがたつきを一方向に付勢することにより、光学性能の向上と駆動時の案内部のがたつきに起因する作動音の低減を図っている。また、特開平6−289465号では、固定部とシフト可動部とをつなぐフレキシブル基板において、伸張部の形状及び配置の工夫により、光軸方向およびシフト2方向への負荷を低減して、シフト部の駆動に及ぼす悪影響を防止することのできるぶれ補正装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、レンズ鏡筒が搭載される撮影機器では、携帯性や収納性を向上させる為に更なる小型化や出っ張りの少ないデザインが求められており、当然、レンズ鏡筒もより小型のものが必要とされている。しかしながら、レンズ鏡筒をより小型化していくと、固定部とシフト可動部とをつなぐフレキシブル基板を引き回すスペースが著しく制限されて該フレキシブル基板の剛性が高くなり、その形状や配置の工夫だけでは、組立上で発生してしまうフレキシブル基板による光軸方向の発生力を問題のないレベルまで低減することが困難になってきている。そのため、磁石等を使用してシフト可動部を光軸方向に付勢しても、フレキシブル基板の光軸方向の発生力のばらつきによって、シフト可動部がより強く案内部に押さえ付けられて摩擦が非常に大きくなってしまったり、逆に磁石等による付勢を無効にしてしまったりして、シフト部の駆動に悪影響を及ぼしてしまう。
【0004】
また、一方で、撮影光学系によりピント面上に結像された被写体像を電気信号に変換するCCDにおいて、半導体の微細加工技術の進歩により、より小さな画素ピッチのCCDが制作可能になったことで、同一画素数での撮像素子の撮像面積の縮小に伴う光学系の更なる小型化や、同一面積もしくは面積拡大による多画素化に伴う光学系の更なる高解像度化の二つの流れが発生している。前者においては同一量の手ぶれを補正するためのシフトレンズ群の移動量が撮像面積に略比例する為に、より微小な動きを要求され、尚且つフレキシブル基板の引き回しスペースもより少なくなり、上述と同様な問題が発生する。後者においては、より小さなぶれも補正可能としないと解像度の劣化を起こすので、シフト可動部の案内部で生じる摩擦力を低減して、より微小に駆動できるようにする必要がある。
【0005】
(発明の目的)
本発明の目的は、固定部とシフト可動部とをつなぐフレキシブル基板によって生じるシフト案内部の摩擦力を低減すると共に、優れたぶれ補正性能を発揮することのできるレンズ鏡筒を提供しようとするものである。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のレンズ鏡筒は、複数のレンズ群を具備し、そのうちの一部のレンズ群が光軸と垂直な平面内を移動するように構成されたシフト可動部を有するレンズ鏡筒において、前記レンズ鏡筒の固定部と前記シフト可動部との間に接続されるフレキシブル基板の前記シフト可動部側の取付け部が、曲げ部により光軸と垂直な平面内で折り曲げられており、前記曲げ部により折り曲げられた部分の先端部に形成された穴部が、前記シフト可動部に形成され且つ光軸と垂直な方向に延びたピンに該ピン周りに回転自在に嵌合固定されていることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0009】
図1及び図2は本発明の実施の第1の形態に係る図であり、詳しくは、図1は4群(凸凹凸凸)構成の変倍光学系を有するレンズ鏡筒の分解斜視図であり、図2は図1のレンズ鏡筒の主要部分の断面図である。
【0010】
これらの図において、L1は固定の第1レンズ群、L2は光軸方向に移動することにより変倍動作を行う第2レンズ群、L3は光軸と垂直な平面内で移動してぶれ補正動作を行う第3レンズ群、L4は光軸方向に移動する事により合焦動作を行う第4レンズ群である。
【0011】
1は第1レンズ群L1を保持する固定鏡筒、2は第2レンズ群L2を保持する移動枠、3は第3レンズ群L3を光軸と垂直な平面内で移動可能とするシフトユニット、4は第4レンズ群L4を保持する移動枠、5はCCD等の撮像素子を取付ける後部鏡筒である。6,7は前記固定鏡筒1と後部鏡筒5により位置決め固定されている2本のガイドバーであり、前記移動枠2及び移動枠4は該ガイドバー6,7により光軸方向に移動可能に支持されている。シフトユニット3は前記固定鏡筒1と後部鏡筒5に位置決めのうえ、挟み込まれ、ビス3本により後方よりビス締め固定されている。
【0012】
8は光学系の開口径を変化させる絞り装置であり、2枚の絞り羽根を互いに逆方向に移動させて開口径を変化させる、いわゆるギロチン式の絞り装置、9は第4レンズ群L4を光軸方向に移動し合焦動作を行わせる為の駆動手段であるところのフォーカスモータであり、回転するロータと同軸のリードスクリュー9aが移動枠4に取付けられたラック4aと噛み合っており、ロータの回転により第4レンズ群L4を移動せしめる。また、ねじりコイルバネ4bにより、移動枠4、ガイドバー6,7、ラック4a、リードスクリュー9aのそれぞれのガタを片寄せしている。10は第2レンズ群L2を光軸方向に移動し変倍動作を行わせる為の駆動手段であるところのズームモータであり、回転するロータと同軸のリードスクリュー10aが移動枠2に取付けられたラック2aと噛み合っており、ロータの回転により第2レンズ群L2を移動せしめる。また、ねじりコイルバネ2bで移動枠2、ガイドバー6,7、ラック2a、リードスクリュー10aのそれぞれのガタを片寄せしている。前記フォーカスモータ9は後部鏡筒5に、ズームモータ10は固定鏡筒1にそれぞれ2本のビスで固定されている。
【0013】
11はフォトインタラプタであり、移動枠4に形成された遮光部4cの光軸方向への移動による遮光,透光の切り換わりを電気的に検出して前記第4レンズ群L4の基準位置を検出するためのフォーカスリセットスイッチである。12はフォトインタラプタであり、移動枠2に形成された遮光部2cの光軸方向への移動による遮光、透光の切り換わりを電気的に検出して前記第2レンズ群L2の基準位置を検出するためのズームリセットスイッチとして機能する。
【0014】
次に、上記図2及び図3,図4により、第3レンズ群L3を光軸と垂直な平面内で移動可能とするシフトユニット3の構成を説明する。なお、図3は図1と同方向から見たシフトユニット3の分解斜視図、図4はシフトユニット3を後ろから見た分解斜視図である。
【0015】
第3レンズ群L3はピッチ(Pitct)方向(カメラの縦方向の角度変化)の像ぶれを補正する為の縦方向と、ヨー(Yaw)方向(カメラの横方向の角度変化)の像ぶれを補正する為の横方向へ、光軸と垂直の平面内で案内機構に規制されながら、縦方向,横方向それぞれに専用の駆動手段及び位置検出手段によりそれぞれ独立に駆動制御され、光軸まわりの任意の位置へ位置決めされる。縦方向,横方向の駆動手段及び位置検出手段は90度の角度を成して同一の構成なので、縦方向(図2の断面図に表現されている)のみを説明する。また、図中の部品を示す番号には縦方向の構成要素にはP、横方向の構成要素にはYの添え字を付けて表現する。
【0016】
13はシフトユニットの固定部分のベースとなる、光軸方向の前の部品であるところのシフトベース、14はシフトレンズ群が光軸周りに回転するのを防止をする為のロール防止板であり、光軸方向の前側に2本のピン14a,14bが一体成形され、光軸方向の後側に2個の長穴14c,14dが同一方向に形成されており、さらに、2本のピン14a,14bをつないだ線と2個の長穴14c,14dの形成されている方向線とは90度の角度を成している。
【0017】
2本のピン14a,14bは、それぞれシフトベース13に形成された長穴13d,13eに嵌合し、ロール防止板14は前記シフトベース13に対して光軸に対して垂直な平面内で水平に対して45度の角度方向のみにスライド可能となっている。15はシフトするレンズ群である第3レンズ群L3を保持するシフト鏡筒であり、該シフト鏡筒15には、前記ロール防止板14の2個の長穴14c,14dに対応する位置に2本のピン15d,15eが一体成形されており、2本のピン15d,15eは長穴14c,14dにそれぞれ嵌合して長穴方向にのみスライド可能となるので、該シフト鏡筒15は前記ロール防止板14に対してはロール防止板14の2個の長穴14c,14dの長穴の方向にのみ移動が可能となる。
【0018】
前記ロール防止板14はシフトベース13に対して一方向のみに移動が可能で、前記シフト鏡筒15はロール防止板14に対して、該ロール防止板14のシフトベースに対する移動可能方向に対して90度の角度方向のみに移動が可能なので、シフト鏡筒15はシフトベース13に対して、回転運動をする事無しに光軸と垂直な平面内を移動する事が出来る。
【0019】
16a,16b,16cは3本の金属ピンであり、シフト鏡筒15に放射方向に形成された穴15a,15b,15cに、図2及び図4に示す様に圧入されている。17は光軸方向の後の部品であるところのセンサベースである。該センサベース17には3箇所の足部17a,17b,17cが放射方向、かつ、光軸の前方向に突出しており、その光軸方向前側の平面がシフト鏡筒15の後側の規制面となる。また、シフトベース13には、このセンサベース17の3個の足部17a,17b,17cと対向する位置にピン16a,16b,16cを挟んで、前記シフト鏡筒15の前側の規制面となる3つの平面13a,13b,13cが形成されている。この3個の部品の関係をさらに図5で説明する。
【0020】
図5は、ピン16a,16b,16cの圧入方向から見た図である。
【0021】
センサベース17の足部17a,17b,17cは前側の平面をシフトベース13に形成された平面13f,13g,13hにそれぞれ突き当てられ、シフト鏡筒15の後側の規制面を構成している。さらに平面13f,13g,13hは、それぞれ平面13a,13b,13cに対して、ピン16a,16b,16cがスライド可能な様にわずかな隙間が空くような段差設定になっている。センサベース17は足部17a,17b,17cがシフトベース13の平面13f,13g,13hに確実に突き当てられるように、ビス2本でシフトベース13に結合される。
【0022】
次に、駆動手段及び位置検出手段について説明する。
【0023】
図2〜図4において、18Pは光軸に対して放射方向に2極に着磁された駆動用磁石、19Pは駆動用磁石18Pの光軸方向前側の磁束を閉じる為のヨーク、20Pはシフト鏡筒15に接着により固定されたコイル、21は駆動用磁石18Pの光軸方向後側の磁束を閉じる為のヨークであり、駆動用磁石18Pとはコイル20Pが移動する空間を形成する様にシフトベース13に磁石の磁力により固定され磁気回路を構成している。コイルに電流を流すと光軸に対して放射方向の、いわゆるローレンツ力が発生し、シフト鏡筒15を移動させる、いわゆるムービングコイル型の駆動手段となっている。
【0024】
22Pは光軸に対して放射方向に2極に着磁された検出用磁石、23Pは検出用磁石22Pの光軸方向前側の磁束を閉じる為のヨークであり、両者はシフト鏡筒15に固定されている。24Pは磁束密度を電気信号に変換するホール素子であり、センサベース17に位置決め固定されている。以上の構成により位置検出手段を成している。
【0025】
ここで、図6に検出用磁石22Pの光軸方向後側の磁束の状態を説明する。
【0026】
図6において、横軸は光軸に対して放射方向の位置、縦軸は磁束密度である。横軸の中央は検出用磁石22Pの2極着磁の境界部分であり、このとき磁束密度は零となる。第3レンズ群L3の光軸が他のレンズ群に対して略一致する位置にも対応する。二点鎖線で示す範囲内では磁束密度が実用上問題とならない程度に直線的に変化している。この磁束密度変化を適当な信号処理によりホール素子24Pから電気信号として検出する事により、第3レンズ群L3の位置を検出する事が可能となる。
【0027】
図7はホール素子24Pの信号処理回路の一例である。
【0028】
24(24P,24Y)はホール素子、40のオペアンプは抵抗40a,40b,40cと組み合わされ、前記ホール素子24に定電流を供給する。ホール素子24の磁束密度に対する出力はオペアンプ41と抵抗41a,41b,41c,41dによって差動増幅される。抵抗41eは可変抵抗であり、抵抗値を変化させる事により磁束密度に対する電気出力信号をシフトさせる事が可能であり、第3レンズ群L3の光軸が他のレンズ群の光軸に対して一致する位置で出力が基準電位Vcに等しくなるように調整される。オペアンプ42は抵抗42a,42bと組み合わせて、オペアンプ41の出力を基準電位Vcに対して反転増幅し、可変抵抗42bの抵抗値を変化させる事により、磁束密度の変化に対する出力電圧の変化の割合を所定値に調整することができる。
【0029】
次に、図10においてシフト可動部の光軸方向への付勢について説明する。
【0030】
図10は、図2の駆動手段及び位置検出手段の部分を抜書きしたものである。閉じた線Aは検出用磁石22Pが発生する磁束の代表例として1本の磁力線を表わしている。磁束は矢印方向に閉じており、検出用磁石22Pの光軸方向後側では、図6に示したように位置検出用の信号として働き、検出用磁石22Pの光軸方向前側では図示するようにヨーク21内を通って閉じている。要するに、検出用磁石22Pの光軸方向前側の磁束をヨーク23Pで完全に閉じずに、意図的に前側に漏らす事によりヨーク21に磁気的に結合させて、シフト可動部を矢印B方向の光軸前側方向へ付勢している。ヨー方向も同様の構成となっているので、その合成力で安定した付勢力を発生させている。
【0031】
再び図2,図3,図4に戻って説明を続ける。
【0032】
25はコイル20P及びホール素子24Pを電気的に外部回路と接続させるための可撓性を有するフレキシブル基板であり、折り返し部25aで二つに折り返され(図4では25aの部分で二つに分けて描いている)、実装部26Pの光軸方向の前側にはホール素子24Pが実装されている。また、折り返された部分はさらに3個所の曲げを介して先端部27Pに至り、その一部に形成された穴部28Pは、シフト鏡筒15に形成されたピン29Pにピン周りに回転自在に嵌合固定され、先端部27Pに設けられたランド部30P及び31Pにコイル20Pの両端子がそれぞれ半田付けされる。32はフレキシブル基板25をセンサベース17に固定する為の押さえ板であり、ビス1本によりセンサベース17に固定されている。
【0033】
次に、図8(a),(b)を使って、フレキシブル基板25の固定部であるセンサベース17と可動部であるシフト鏡筒15との動きを吸収する接続部分を更に詳しく説明する。
【0034】
図8(a)は曲げる前の形である。センサベース17に固定される部分には穴33Pと長穴34Pが長手方向に並んでいる。センサベース17には、前記穴33Pと長穴34Pに対応する部分にそれぞれピンが形成されており、穴33Pによりフレキシブル基板25の位置が、長穴34Pにより固定部分からの出だしの方向が、それぞれ決められる。尚、穴33P及び長穴34P間の曲げ部分は押さえ板32によりセンサベース17に押さえられる。第1の直線部35P及び第2の直線部37Pは曲げ部36Pで曲げられ、略90度の角度を成している。シフト鏡筒15の縦方向及び横方向の動きは、第1の直線部35P及び第2の直線部37Pの面長手方向の撓みにより吸収される。
【0035】
フレキシブル基板25の先端部27Pは先に説明したようにシフト鏡筒15のピン29P(図3,図4参照)にその穴28Pが嵌合されるが、ピン29Pは段付きピンとなっており先端部27Pは抜けない形状となっている。また、先端部27Pは更にその出っ張り部38P、39Pが、シフト鏡筒15の受け面とある間隔をもって形成された庇の下に嵌り込む事によって、ある範囲内でのピン29P周りの回転の自由度を持って外れないようになっている。
【0036】
ここで、曲げ部36Pは長手方向に対して正確に90度(図8参照)の角度に曲げられている場合には、先端部27Pの穴部28Pはピン29Pの位置に来るので、フレキシブル基板25の第1の直線部35P及び第2の直線部37Pには不自然な変形は起きないが、曲げ部36Pが長手方向に対して90度からずれて曲げられた場合には、先端部27Pの穴部28Pとピン29Pの位置は光軸方向に曲げが傾いている分だけずれてしまう事になる。このとき先端部27Pが曲げのずれ分だけ回転可能なので、第1の直線部35P及び第2の直線部37Pの捩じれにより、曲げ部36Pの曲げのずれを吸収する事ができる。もしも、先端部27Pが回転できない構造だと、曲げ部36Pの曲げにずれがあると第1の直線部35P及び第2の直線部37Pに容易に曲がらない長手幅方向の曲げ(図8(b)中矢印C及びD)が働いてシフト鏡筒15は光軸方向に強く押え付けられて、摺動部分の摩擦の増加により可動部の動きを悪くしてしまうという問題が発生する。
【0037】
また、センサベース17との固定部分の結合部分の押さえ板32の押えがずれてフレキシブル基板25の出だし方向が若干ずれても、ピン29Pに対する穴部28Pの光軸方向の位置がずれるので、先端部27Pの回転によってフレキシブル基板25による光軸方向の発生力が緩和される。他の構成例として、図11に示すように、ピン29Pに対して穴部28P’のように光軸方向の長穴とすることでも、フレキシブル基板25による光軸方向の発生力が同様に緩和される。
【0038】
図9は、手ぶれ補正用レンズとしてのシステム構成図である。
【0039】
図2のレンズ鏡筒に対して、50は被写体の空間周波数の高域成分を除去する為の光学ローパスフィルタ、51はピント面に配置された光学像を電気信号に変換する為の撮像素子であるCCDであり、該CCD51から読み出された電気信号aはカメラ信号処理回路52により撮像信号となる。
【0040】
53はレンズ駆動を制御するマイコンである。電源投入時、マイコン53はフォーカスリセット回路54及びズームリセット回路55の出力を監視しながら、フォーカスモータ駆動回路56及びズームモータ駆動回路57によりそれぞれのステッピングモータを回転させて、移動枠2及び移動枠4を光軸方向に移動させる。
【0041】
フォーカスリセット回路54及びズームリセット回路55の出力はそれぞれの移動枠が予め設定された位置まで来る(移動枠に設けられた遮光部材が固定部に設けられたフォトインタラプタの発光部を遮光する、もしくは透過する境界部に来たとき)と反転し、その位置を基準として以後のステッピングモータの駆動ステップ数をマイコン内で計数することにより、該マイコン53は各レンズ群の絶対位置を知ることが出来る。これにより、正確な焦点距離情報が得られる。58は絞り装置8を駆動する為の絞り駆動回路であり、マイコン53に取り込まれた映像信号の明るさ情報bに基づいて絞りの開口径が制御される。
【0042】
59及び60は光学装置のピッチ(縦方向の傾き角)及びヨー(横方向の傾き角)角度検出回路であり、角度の検出は例えば光学装置に固定された振動ジャイロ等の角速度センサの出力を積分して行われる。両回路59,60の出力、すなわち、光学装置の傾き角度の情報はマイコン53に取り込まれる。61及び62は手ぶれ補正を行う為に第3レンズ群L3を光軸に対して垂直に移動させる為の、ピッチ(縦方向)及びヨー(横方向)コイル駆動回路であり、マグネットを含む磁気回路のギャップにコイルを配置し、いわゆるムービングコイルの構成により第3レンズ群L3をシフトさせる駆動力を発生させる。
【0043】
63及び64は第3レンズ群L3の光軸に対するシフト量を検出するためのピッチ(縦方向)及びヨー(横方向)位置検出回路であり、マイコン53に取り込まれる。第3レンズ群L3が光軸に対して垂直に移動すると、通過光束が曲げられて、CCD51上に結像している被写体の像の位置が移動する。このときの像の移動量を実際に光学装置が傾いたことによって像が移動する方向と逆に同じ大きさだけ移動するようにマイコン53で制御することによって、光学装置が傾いても(手ぶれしても)結像している像が動かない、いわゆる手ぶれ補正を実現出来る。
【0044】
マイコン53内では、ピッチ角度検出回路59及びヨー角度検出回路60により得られた光学装置の傾き信号と、ピッチ位置検出回路63及びヨー位置検出回路64から得られた第3レンズ群L3のシフト量信号をそれぞれ差し引いて、それぞれの差信号を増幅及び適当な位相補償を行った信号でピッチコイル駆動回路61及びヨーコイル駆動回路62によりそれぞれシフト鏡筒15を駆動する。この制御により上記の差信号がより小さくなるように第3レンズ群L3が位置決め制御され、目標位置に保たれる。更に、本実施の形態では光軸に対して垂直にシフトさせる第3レンズ群L3は変倍用の第2レンズ群L2より撮像面側にあるので、第3レンズ群L3のシフト量に対する像の移動量が変倍用の第2レンズ群L2の位置、すなわち焦点距離によって変化してしまうので、ピッチ角度検出回路59及びヨー角度検出回路60によって得られる光学装置の傾き信号でそのまま第3レンズ群L3のシフト量を決定せず、第2レンズ群L2の位置情報により補正を行って光学装置の傾きによる像の動きを第3レンズ群L3のシフトによりキャンセルする構成となっている。
【0045】
尚、本実施の形態では、可動であるシフト鏡筒15の案内部分での摺動性を重視して、シフトベース13とセンサベース17によって形成される前後の規制面の間で摺動する部分はシフト鏡筒15に放射方向に圧入された金属のピン16a,16b,16cとしているが、シフトするレンズ群のシフト量に対する結像面上の動き量の少ない光学構成の場合は摺動性は若干悪くなっても画面上での補正能力を確保する事ができるので、ピン16をシフト鏡筒15と一体で成形する事により、ピンの廃止が可能となり、シフト鏡筒15のピンの圧入穴形成のための型スライドも不必要となる。更に、シフト鏡筒15に位置決め固定されている第3レンズ群L3の光軸方向の位置決め面と前後の規制面間で摺動する面を同一方向からの型で形成できるので、第3レンズ群の倒れの精度を更に向上させる事が可能となる。
【0046】
以上が実施の形態の説明であるが、本発明は上記実施の形態の構成に限定されるものではなく、請求項で示された構成であればどの様なものであっても良い事は言うまでもない。
【0047】
上記の実施の形態によれば、複数のレンズ群より成り、そのうちの一部のレンズ群(L3)を光軸と垂直な平面内を平行移動するようにしたレンズ鏡筒において、固定部であるセンサベース17と可動部であるシフト鏡筒15(L3も含む)との間に接続されるフレキシブル基板25の前記シフト鏡筒15側の取付け部(図8や図11の先端部27P(27Y))に動きの自由度を、具体的には図8のように回転の自由度もしくは図11のように光軸方向の直線移動の自由度を持たせてフレキシブル基板25による発生力を低減するようにしたことにより、シフト案内部の摩擦力が低減され、シフト可動部をより微小に駆動制御することが可能となる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、固定部とシフト可動部とをつなぐフレキシブル基板によって生じるシフト案内部の摩擦力を低減すると共に、優れたぶれ補正性能を発揮することができるレンズ鏡筒を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るレンズ鏡筒の分解斜視図である。
【図2】図1のレンズ鏡筒の主要部分の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るシフトユニットの分解斜視図である。
【図4】同じく本発明の実施の形態に係るシフトユニットの分解斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態において前後の規制面の構成を説明する為の図である。
【図6】本発明の実施の形態において検出用磁石について説明する為の図である。
【図7】本発明の実施の形態においてホール素子の信号処理回路の一例を示す回路図である。
【図8】本発明の実施の形態においてフレキシブル基板の接続部分の説明図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る手ぶれ補正用レンズとしてのシステム構成図である。
【図10】本発明の実施の形態においてシフト可動部の光軸方向への付勢を説明する為の図である。
【図11】図8に示したフレキシブル基板の接続部分の他の構成例の説明図である。
【符号の説明】
1 固定鏡筒
2,4 移動枠
3 シフトユニット
6,7 ガイドバー
13 シフトベース
14 ロール防止板
15 シフト鏡筒
18 駆動用磁石
22 検出用磁石
24 ホール素子
25 フレキシブル基板
27P 先端部分
27Y 先端部分
L3 第3レンズ群
Claims (2)
- 複数のレンズ群を具備し、そのうちの一部のレンズ群が光軸と垂直な平面内を移動するように構成されたシフト可動部を有するレンズ鏡筒において、
前記レンズ鏡筒の固定部と前記シフト可動部との間に接続されるフレキシブル基板の前記シフト可動部側の取付け部は、曲げ部により光軸と垂直な平面内で折り曲げられており、
前記曲げ部により折り曲げられた部分の先端部に形成された穴部は、前記シフト可動部に形成され且つ光軸と垂直な方向に延びたピンに該ピン周りに回転自在に嵌合固定されていることを特徴とするレンズ鏡筒。 - 前記穴部は、光軸方向の長穴であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27780699A JP4500384B2 (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | レンズ鏡筒 |
Applications Claiming Priority (1)
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