JP4599475B2 - Welding systems on machine tools - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金型加工などの機械加工分野における、設計変更や加工ミスを補修する工作機械上での溶接システム(即ち、機上溶接装置)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金型等の設計変更や加工ミスの発生時には、熟練した技能者が溶接機を使用して、手動により金型等の肉盛溶接をしている。
また、金型意匠面の溶接については、高度な溶接ノウハウ(溶接の技術的知識、情報やこつ)を必要とするため、熟練した溶接技能者が自社内にいない企業では対応できず、遠方の業者に依頼している。そのため、加工中の工作物を工作機械から下ろし、工作物を業者へ輸送している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法には解決すべき以下の問題があった。
金型等の設計変更や加工ミスの変更を人手に頼っているため、熟練した技能を有する技能者が必要であった。しかし、その一方で、そのような作業のできる熟練した技能者は年々減少しており、顧客のニーズに応じた即座の対応を困難にしている。
また、金型意匠面の溶接は、遠方の業者に依頼しているため、加工中の工作物をその都度工作機械から下ろし梱包するので、作業性が悪かった。また、工作機械から下ろした工作物を業者のところへ輸送するため往復の輸送費用がかかり、更に、往復の輸送時間もかかるため製品完成までの時間が長くかかっていた。そして、溶接後の工作物を再度工作機械上に配置する場合、工作物の位置調整を再度行う必要があるので、作業性が悪く、また工作物の位置調整に時間を要していた。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、加工中の工作物を工作機械上から下ろすことなく、修正加工を自動的に実施できる工作機械上での溶接システムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る工作機械上での溶接システムは、回転駆動可能な主軸の端部に工具ホルダーの工具取付け部を有する工作機械に取付ける工作機械上での溶接システムであって、
前記工具取付け部に、前記工具ホルダーの代わりに取付け可能なトーチホルダーと、該トーチホルダーに取付けられる溶接トーチとを有し、しかも、前記トーチホルダーには、前記溶接トーチを水平方向に移動させる水平移動機構が設けられている。このように構成することで、工作物の加工中に、工作物の設計変更や加工ミスを補修しなければならない問題が生じても、加工途中で、工作機械の主軸の端部にある工具取付け部に取付けられた加工用の工具を、工具取付け部に取付け可能なトーチホルダーを有する工作機械上での溶接システムに代えることが可能となる。これにより、加工途中で、工作物を工作機械から下ろすことなく、工作物の設計変更や加工ミスを補修する溶接、例えば肉盛溶接等を工作機械上で実施することが可能となる。
【0005】
ここで、本発明に係る工作機械上での溶接システムにおいて、トーチホルダーは、溶接トーチの旋回機構、傾斜機構及び上下動機構を有することが好ましい。このように構成することで、工具取付け部を有する工作機械、又は加工中の工作物を動かすことなく、工作物の設計変更や加工ミス部分を、瞬時に、しかも的確に補修することが可能となる。
そして、本発明に係る工作機械上での溶接システムにおいて、トーチホルダーに取付けられた溶接トーチの旋回角度、傾斜角度、及び上下動位置を検知するセンサーが設けられていることが好ましい。このように構成することで、3次元形状、例えば曲面を有する工作物の湾曲した溶接部に対しても、自動的に湾曲した溶接部の実質的に法線方向に溶接トーチを配置でき、しかも溶接部と溶接トーチとの距離(溶接ギャップ)も制御できる。
更に、本発明に係る工作機械上での溶接システムにおいて、トーチホルダーには、溶接トーチを水平方向に移動させる水平移動機構が設けられているので、溶接部を直線的に溶接するだけでなく、溶接トーチを水平方向に往復運動させることが可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1は本発明の一実施の形態に係る工作機械上での溶接システムの正面図、図2は同工作機械上での溶接システムの水平移動機構の部分拡大図、図3(a)、(b)はそれぞれ同工作機械上での溶接システムの変形例に係る旋回機構の部分拡大図、図4(a)、(b)はそれぞれ同工作機械上での溶接システムの変形例に係る傾斜機構の部分拡大図、図5は同工作機械上での溶接システムの変形例に係る水平移動機構の部分拡大図、図6は同工作機械上での溶接システムの変形例に係る上下動機構の部分拡大図である。
【0007】
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る工作機械上での溶接システム(以下、溶接システムという)10は、モータによって回転駆動可能な主軸の端部に工具ホルダーの工具取付け部11aを有する工作機械(図示しない)に取付ける溶接システムである。そして、溶接システム10は、工作機械の工具取付け部11aに、工具ホルダーの代わりに取付け可能なトーチホルダー11と、トーチホルダー11に備えられる溶接トーチ12と、溶接時の溶接トーチ12のコントロールを行う制御装置13とを有する。更に、トーチホルダー11は、溶接トーチ12を旋回させる旋回機構14と、溶接トーチ12を傾斜させる傾斜機構15と、溶接トーチ12を上下動させる上下動機構16と、溶接トーチ12を水平方向に移動させる水平移動機構17とを有している。溶接トーチ12と上下動機構16は、水平移動機構17により共に水平方向に移動可能となるので、幅溶接が可能となる。また、この水平移動機構17は傾斜機構15に取付けられている。
【0008】
なお、溶接システム10には、トーチホルダー11に取付けられた溶接トーチ12の旋回角度、傾斜角度、及び上下動位置を検知するセンサーの一例であるエンコーダ(図示しない)が、旋回機構14、傾斜機構15及び上下動機構16の例えばモータにそれぞれ設けられている。これにより、溶接トーチ12の旋回角度、傾斜角度、及び上下動位置を容易に検知できる。従って、工作物の形状データであるCAD、CAMデータを予め制御装置13に与えることで、工作物の加工修正を行うことが可能となる。
なお、このエンコーダは、水平移動機構17の例えばモータに設けることも可能であるため、溶接トーチ12を水平方向に移動させたときの水平移動量も検知することができる。これにより、溶接トーチ12の水平移動位置を容易に検知できる。従って、工作物の形状データであるCAD、CAMデータを予め制御装置13に与えることで、工作物の加工修正を行うことが可能となる。以下、詳しく説明する。
【0009】
図1に示すように、溶接システム10のトーチホルダー11は基部に、工作機械の工具取付け部11a側に縮径する円錐台形状となったトーチホルダー装着部11bを有する。これにより、工作機械の工具取付け部11aに溶接システム10を容易に取付けることが可能となり、しかもこのようにトーチホルダー装着部11bがテーパー状となっていることで、容易に主軸の中心に溶接システム10を配置することが可能となる。従って、溶接システム10は、工作機械に常に一定の位置で固定できるので、溶接部の溶接を的確に、しかも制御装置13で行う制御通りに実施することが可能となる。
また、制御装置13は、コード19を介して溶接トーチ12に接続されている。従って、制御装置13は、溶接を実施する際の電源として機能し、しかも制御装置13からのCAD、CAMのデータをもとに行う溶接トーチ12の旋回角度、傾斜角度、上下動位置、水平移動量のコントロール、及び溶接時のパルス間隔の調整等を実施することが可能となる。
【0010】
図1に示すように、トーチホルダー11には、トーチホルダー装着部11bの下部に、旋回台20を旋回可能とする旋回機構14が設けられている。この旋回台20には、旋回台20を旋回させる動力を受けるヘッドプーリ21が旋回台20に一体となって設けられている。また、このヘッドプーリ21の側方には、ヘッドプーリ21の駆動手段であるモータ22が取付けられたテールプーリ23が備えられており、このヘッドプーリ21とテールプーリ23には無端ベルト24が掛け渡されている。従って、モータ22を作動させることで、テールプーリ23が回転駆動し、この駆動力が無端ベルト24を介してヘッドプーリ21に伝達されることで、工作機械の回転駆動可能な主軸を中心として溶接トーチ12を旋回可能としている。
【0011】
図1に示すように、トーチホルダー11には、旋回台20の下部に設けられ、支持台30を傾斜可能とする傾斜軸31を有する傾斜機構15が備えられている。この支持台30上端の両側部には、支持台30に対して実質的に垂直に設けられ、しかも傾斜軸31と一体となって設けられた左右の保持部32、33が備えられている。更に、この傾斜軸31には、支持台30を傾斜させるための動力を受けるヘッドプーリ34が、傾斜軸31に一体となって設けられている。一方、傾斜軸31は、上端が旋回台20に固定され旋回台20に対して実質的に垂直に設けられた傾斜軸保持部35の中央部に、回動可能に挿通されている。
【0012】
また、傾斜機構15は、ヘッドプーリ34の側方にヘッドプーリ34を駆動させるためのモータ(図示しない)が備えられたテールプーリ(図示しない)を有し、しかもヘッドプーリ34とテールプーリには無端ベルト36が掛け渡されている。従って、モータを作動させることで、テールプーリが回転駆動し、この駆動力が無端ベルト36を介してヘッドプーリ34に伝達されるので、旋回台20に対して傾斜軸31を中心として溶接トーチ12を傾斜可能としている。
旋回機構14と傾斜機構15とを、上記のように構成することで、旋回機構14により、傾斜機構15が備えられた旋回台20を旋回させ、その後、溶接部の溶接箇所に応じて、傾斜機構15により支持台30を傾斜させることが可能となる。
【0013】
図2に示すように、トーチホルダー11には、溶接トーチ12が備えられた上下動機構搭載板40を水平移動可能とする水平移動機構17が備えられている。支持台30下端の両側部には、支持台30に対して実質的に垂直に設けられた左右の保持部41、42が備えられている。この左右の保持部41、42の下側部内側(上下動機構搭載板40側)には、モータ43により駆動するピニオンギア44が、上下動機構搭載板40を支持台30と平行に、しかも前後方向に移動可能となるようにそれぞれ備えられており、一方、上下動機構搭載板40の両側部には、ピニオンギア44と係合するラック45が、上下動機構搭載板40を支持台30と平行に、しかも前後方向に移動可能となるようにそれぞれ備えられている。また、上下動機構搭載板40と左右の保持部41、42との間には、例えばレールやベアリング等のガイド部材(図示しない)がそれぞれ設けられているので、上下動機構搭載板40は左右の保持部41、42に保持される。また、モータ43によりピニオンギア44を駆動することで、溶接トーチ12を搭載した上下動機構搭載板40を水平移動させることが可能となる。従って、このような水平移動を往復して行うことで、溶接トーチ12を揺動(ウェービング)させることが可能となる。
なお、ラック45の長さを長くすることで、溶接トーチ12の水平移動距離を長くし、その移動場所で揺動させることも可能である。
【0014】
図1に示すように、トーチホルダー11の上下動機構16はボールねじ50を有しており、ボールねじ50の下端に取付けられた溶接トーチ12を上下動可能としている。このボールねじ50は、ねじ溝を有するねじ軸51と、同様の溝を有するナット52とを備え、しかもねじ軸51とナット52の間、即ち溝には多数の鋼球(図示しない)を備えているので、ねじ軸51又はナット52の回転に伴ってねじ軸51の溝、及びナット52の溝が、それぞれの鋼球と転がり接触をする。この際、個々の鋼球はナット52の溝の端部まで転がると、ここで、ねじ溝からすくい出され、ナット52の中を通り抜けて他端に導かれ、ここから再びねじ溝に入るようになっている。即ち、エンドレスに並んだ鋼球は、いずれも一つの閉回路の中を循環する構成となっている。
【0015】
また、このねじ軸51の上側と下側は、それぞれねじ軸51を回転させることなく上下動可能とするガイド部材の一例であるブッシュ(ブシュ)53が設けられ、しかもこのブッシュ53は、上下動機構搭載板40に取付けられている。
一方、ナット52は一定の位置で回転可能となるように、固定具により上下動機構搭載板40に固定され、しかもナット52には、ナット52に一体となって設けられたヘッドプーリ54が備えられている。また、このヘッドプーリ54の裏側には、上下動機構搭載板40を介してヘッドプーリ54を駆動させるためのモータ(図示しない)が備えられたテールプーリ(図示しない)が設けられており、しかもヘッドプーリ54とテールプーリには無端ベルト55が掛け渡されている。従って、モータを作動させることで、テールプーリが回転駆動し、この駆動力が無端ベルト55を介してヘッドプーリ54に伝達され、ナット52を回転可能とする。
【0016】
このように、ナット52を回転させると、通常のねじと同様に、ナット52が1回転するごとに1ピッチ分だけねじ軸51が前進又は後退するので、ナット52の回転運動が、ねじ軸51の直線運動へと変換される。従って、モータを作動させることで、テールプーリが回転駆動し、この駆動力が無端ベルト55を介して、ナット52に備えられたヘッドプーリ54に伝達されるため、溶接トーチ12を上下動させることが可能となる。これにより、溶接部と溶接トーチ12との距離を、必要な距離に調節することが可能となる。
【0017】
次に、上記した一実施の形態に係る溶接システム10の動作方法について説明する。
まず、工作機械の工具取付け部11aから工具ホルダーを取外し、トーチホルダー11のトーチホルダー装着部11bを装着する。
修正加工を行う工作物の近傍に溶接システム10を配置する。次に工作物の溶接部の実質的に法線方向に溶接トーチ12を配置できるように、工作物の形状データであるCAD、CAMデータを予め制御装置13に与えることで、旋回機構14により溶接トーチ12を旋回させた後、傾斜機構15により溶接トーチ12を傾斜させる。
そして、上下動機構16により溶接部と溶接トーチ12の距離を調節し、水平移動機構17で溶接トーチ12を揺動しながら溶接を行う。これにより、溶接部の実質的に法線方向に、常に溶接トーチ12を配置することが可能となるため、良好な溶接を実施できる。
【0018】
続いて、本実施の形態に係る溶接システム10の旋回機構14の変形例について説明する。
図3(a)に示すように、旋回機構60は、トーチホルダー装着部61の下部中央に、溶接トーチ12が旋回可能となるように、モータ62の回転軸63を工作機械の主軸方向と同一方向に配置し、更にこの回転軸63の下側に、回転軸63と一体となった旋回台64を備えている。なお、モータ62はトーチホルダー装着部61の下端に一体となって設けられたモータ保持部65により固定されている。また、旋回台64は、ベアリング66を介してモータ保持部65に備えられているので、旋回台64がモータ保持部65に対して旋回可能となる。従って、モータ62を作動させることにより、容易にモータ62の動力を旋回台64に伝達することができ、必要な角度だけ旋回台64を旋回させることが可能となる。
【0019】
また、図3(b)に示すように、旋回機構70は、トーチホルダー装着部71の下端に備えられた円柱状のケーシング72内部で旋回する円柱状の回転体73を備えている。また、この回転体73の周囲には、マグネット(磁石)74が設けられている。そして、この回転体73の外側周囲には、マグネット74と一定の間隔(磁力の働く距離)を有してケーシング72内部に固定された複数個(例えば、2〜4個程度)のコイル75が、等間隔で備えられている。また、回転体73の下端には、旋回台76が一体となって設けられており、しかも、旋回台76は、ベアリング77を介してケーシング72の下側に備えられているので、旋回台76がケーシング72に対して旋回可能となる。従って、コイルに電流を流すことで回転体73を旋回させることが可能となるので、必要な角度だけ旋回台76を旋回させることが可能となる。
【0020】
次に、本実施の形態に係る溶接システム10の傾斜機構15の変形例について説明する。
図4(a)に示すように、傾斜機構79は、旋回台20の下部に設けられ、支持台80を傾斜可能とする傾斜軸81を有している。この支持台80上端には、支持台80に対して実質的に垂直に設けられ、しかも傾斜軸81と一体となって設けられた傾斜部82が備えられている。一方、旋回台20下端の両側部には、旋回台20に対して実質的に垂直に設けられ、しかも傾斜軸81を回動可能とするベアリング83が備えられた左右の保持部84、85が固定されている。また傾斜軸81は、モータ86の回転軸(図示しない)と一体となって設けられている。これにより、モータ86の動力を傾斜軸81に伝達できるので、旋回台20に対して傾斜軸81を中心として溶接トーチ12を傾斜可能としている。
【0021】
また、図4(b)に示すように、傾斜機構90は、旋回台20の下部に設けられ、支持台91を傾斜可能とする傾斜軸92を有している。この支持台91上端の両側部には、支持台91に対して実質的に垂直に設けられ、しかも傾斜軸92と一体となって設けられた左右の保持部93、94が備えられている。更に、この傾斜軸92には、円柱状の回転体95が傾斜軸92の中央部に、軸心を同一にして一体となって設けられている。一方、旋回台20の下端には、回転体95を支持し、しかも回転体95を回動可能とするように、ベアリング96が備えられたケーシング97が取付けられている。そして、回転体95の周囲には、マグネット(磁石)98が設けられ、一方、この回転体95の外側周囲には、マグネット98と一定の間隔(磁力の働く距離)を有してケーシング97に固定された複数個(例えば、2〜4個程度)のコイル99が、等間隔で備えられている。従って、コイル99に電流を流すことで、回転体95を回転させることが可能となるので、旋回台20に対し、傾斜軸92を中心として溶接トーチ12を傾斜可能としている。
【0022】
次に、本実施の形態に係る溶接システム10の水平移動機構17の変形例について説明する。
図5に示すように、水平移動機構110は、溶接トーチ12が備えられた上下動機構搭載板40と、支持台30下端の両側部にそれぞれ支持台30に対して実質的に垂直に設けられた左右の保持部41、42との間に、それぞれ設けられている。そして、この左右の保持部41、42の下側部内側(上下動機構搭載板40側)には、上下動機構搭載板40を支持台30と平行に、しかも前後方向に移動可能となるように、溶接システム10の前後方向にマグネット(磁石)111が備えられている。一方、上下動機構搭載板40の両側部には、配置されたマグネット111と一定の間隔(磁力の働く距離)を有して向き合った状態で、コイル112を等間隔に設けている。また、上下動機構搭載板40と左右の保持部41、42との間には、ガイド部材の一例であるレール113が、マグネット111の両側(上下)に、マグネット111と一定の間隔をおいて平行に設けられている。従って、コイル112に電流を流すことで、上下動機構搭載板40を水平移動させることが可能となるので、このような水平移動を往復して行うことにより、溶接トーチ12を揺動(ウェービング)させることが可能となる。
なお、マグネット111及びコイル112を、それぞれ一直線上に長い距離配置することで、その移動場所で溶接トーチ12を揺動させることも可能である。
【0023】
次に、本実施の形態に係る溶接システム10の上下動機構16の変形例について説明する。
図6に示すように、上下動機構120は、前述したねじ軸51とナット52とを備えたボールねじ50を有しており、ボールねじ50の下端に取付けられた溶接トーチ12を上下動可能としている。
【0024】
ナット52の周囲には、マグネット(磁石)121が設けられ、一方、このナット52の外側周囲には、マグネット121と一定の間隔(磁力の働く距離)を有して上下動機構搭載板40に固定された複数個(例えば、2〜4個程度)のコイル122が、等間隔で備えられている。従って、コイル122に電流を流すことでナット52を回転させることが可能となる。これにより、通常のねじと同様に、ナット52が1回転するごとに1ピッチ分だけねじ軸51を前進又は後退させることができるので、ナット52の回転運動を、ねじ軸51の直線運動へと変換し溶接トーチ12を上下動させることが可能となる。つまり、溶接部と溶接トーチ12との距離を、必要な距離に調節することが可能となる。
【0025】
本実施の形態においては、溶接システム10を工作機械の工具取付け部に取付ける場合、工作機械の主軸は回転させず、固定状態とした後、工作物の加工修正作業を実施する。
また、溶接システム10を、工作機械の通常の工具、例えばフライス加工用、ドリル加工用、エンドミル加工用等の工具が収納されている工具箱に収納することも可能である。これにより、加工修正作業時に、自動的に溶接システム10を工作機械の工具取付け部に取付けることが可能となる。
本実施の形態においては、水平移動機構を、左右の保持部にそれぞれ備えたが、一方に走行レールを取付けることで、他方のみに水平移動機構を備えることも可能である。
【0026】
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定さるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
例えば、前記実施の形態においては、制御装置が、溶接を実施する際の電源として機能し、しかもCAD、CAMのデータをもとに行う溶接トーチ12の旋回角度、傾斜角度、上下動位置、水平移動量のコントロール、及び溶接時のパルス間隔の調整等を行う場合について示したが、この制御装置を工作機械の制御部に組込むことも可能である。
【0027】
【発明の効果】
請求項1〜3記載の工作機械上での溶接システムにおいては、工作物の加工中に、工作物の設計変更や加工ミスを補修しなければならない問題が生じても、加工途中で、工作機械の主軸の端部にある工具取付け部に取付けられた加工用の工具を、工具取付け部に取付け可能なトーチホルダーを有する工作機械上での溶接システムに代えることが可能となるので、加工途中で、工作物を工作機械から下ろすことなく、工作物の設計変更や加工ミスを補修する溶接、例えば肉盛溶接等を工作機械上で実施することが可能となる。従って、人手に頼らない安定した修正加工が可能となる。また、熟練した技能を有する溶接技能者を必要としないため、業者への輸送費用がかからず、しかも製品完成までの期間を短縮できる。更に、工作機械上で、加工と溶接を実施できるので、加工途中での工作機械上への工作物の上げ下ろしが必要なくなり、作業性も良好となる。
また、トーチホルダーには、溶接トーチを水平方向に移動させる水平移動機構が設けられているので、溶接部を直線的に溶接するだけでなく、溶接トーチを水平方向に往復運動させることが可能となる。従って、必要な幅を有する溶接が一度に実施できる。
特に、請求項2記載の工作機械上での溶接システムにおいては、トーチホルダーが、溶接トーチの旋回機構、傾斜機構及び上下動機構とを有するので、工具取付け部を有する工作機械、又は加工中の工作物を動かすことなく、工作物の設計変更や加工ミス部分を、瞬時に、しかも的確に補修することが可能となる。従って、人手に頼らない安定した修正加工が可能となる。
【0028】
請求項3記載の工作機械上での溶接システムにおいては、トーチホルダーに取付けられた溶接トーチの旋回角度、傾斜角度、及び上下動位置を検知するセンサーが設けられているので、3次元形状、例えば曲面を有する工作物の湾曲した溶接部に対しても、自動的に湾曲した溶接部の実質的に法線方向に溶接トーチを配置でき、しかも溶接部と溶接トーチとの距離が制御できる。従って、人手に頼らない安定した修正加工が可能となるので、熟練した技能を有する溶接技能者を必要とすることなく、しかも瞬時に工作物を補修することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る工作機械上での溶接システムの正面図である。
【図2】同工作機械上での溶接システムの水平移動機構の部分拡大図である。
【図3】(a)、(b)はそれぞれ同工作機械上での溶接システムの変形例に係る旋回機構の部分拡大図である。
【図4】(a)、(b)はそれぞれ同工作機械上での溶接システムの変形例に係る傾斜機構の部分拡大図である。
【図5】同工作機械上での溶接システムの変形例に係る水平移動機構の部分拡大図である。
【図6】同工作機械上での溶接システムの変形例に係る上下動機構の部分拡大図である。
【符号の説明】
10:工作機械上での溶接システム、11:トーチホルダー、11a:工具取付け部、11b:トーチホルダー装着部、12:溶接トーチ、13:制御装置、14:旋回機構、15:傾斜機構、16:上下動機構、17:水平移動機構、19:コード、20:旋回台、21:ヘッドプーリ、22:モータ、23:テールプーリ、24:無端ベルト、30:支持台、31:傾斜軸、32:左の保持部、33:右の保持部、34:ヘッドプーリ、35:傾斜軸保持部、36:無端ベルト、40:上下動機構搭載板、41:左の保持部、42:右の保持部、43:モータ、44:ピニオンギア、45:ラック、50:ボールねじ、51:ねじ軸、52:ナット、53:ブッシュ(ブシュ)、54:ヘッドプーリ、55:無端ベルト、60:旋回機構、61:トーチホルダー装着部、62:モータ、63:回転軸、64:旋回台、65:モータ保持部、66:ベアリング、70:旋回機構、71:トーチホルダー装着部、72:ケーシング、73:回転体、74:マグネット(磁石)、75:コイル、76:旋回台、77:ベアリング、79:傾斜機構、80:支持台、81:傾斜軸、82:傾斜部、83:ベアリング、84:左の保持部、85:右の保持部、86:モータ、90:傾斜機構、91:支持台、92:傾斜軸、93:左の保持部、94:右の保持部、95:回転体、96:ベアリング、97:ケーシング、98:マグネット、99:コイル、110:水平移動機構、111:マグネット(磁石)、112:コイル、113:レール、120:上下動機構、121:マグネット(磁石)、122:コイル[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a welding system (that is, an on-machine welding apparatus) on a machine tool for repairing a design change or a machining error in a machining field such as die machining.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, when a design change of a mold or the like or a processing error occurs, a skilled technician uses a welding machine to perform overlay welding of the mold or the like manually.
In addition, because welding of the mold design surface requires advanced welding know-how (technical knowledge, information and knitting of welding), it cannot be handled by a company that does not have skilled welding technicians in its own company. I ask a contractor. Therefore, the workpiece being processed is taken down from the machine tool and the workpiece is transported to a contractor.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, the above method has the following problems to be solved.
Relying on manpower for design changes such as molds and changes in machining errors, it was necessary to have skilled technicians. On the other hand, however, the number of skilled technicians who can perform such work is decreasing year by year, making it difficult to respond immediately to customer needs.
In addition, since welding of the mold design surface was requested from a distant supplier, the work piece being worked was unloaded from the machine tool and packed each time, so workability was poor. In addition, since it takes a round-trip transportation cost to transport the workpiece unloaded from the machine tool to the contractor, it also takes a long round-trip transportation time, so it takes a long time to complete the product. When the workpiece after welding is placed on the machine tool again, it is necessary to adjust the position of the workpiece again, so that the workability is poor, and it takes time to adjust the position of the workpiece.
The present invention has been made in view of such circumstances, and an object of the present invention is to provide a welding system on a machine tool that can automatically perform correction processing without lowering the workpiece being processed from the machine tool. .
[0004]
[Means for Solving the Problems]
A welding system on a machine tool according to the present invention that meets the above-mentioned object is a welding system on a machine tool that is attached to a machine tool having a tool attachment part of a tool holder at an end of a spindle that can be rotationally driven.
SaidIn the tool mounting area,SaidTorch holder that can be installed instead of the tool holder,TheHas a welding torch attached to the torch holder.In addition, the torch holder is provided with a horizontal movement mechanism for moving the welding torch in the horizontal direction.The With this configuration, even if a problem arises during work machining that requires repairs to work design changes or machining errors, tool attachment at the end of the spindle of the machine tool is in progress during machining. It is possible to replace the machining tool attached to the part with a welding system on a machine tool having a torch holder that can be attached to the tool attachment part. Accordingly, it is possible to perform welding on the machine tool, for example, build-up welding, for repairing a design change or machining error of the workpiece without lowering the workpiece from the machine tool during machining.
[0005]
Here, in the welding system on the machine tool according to the present invention, it is preferable that the torch holder includes a turning mechanism, an inclination mechanism, and a vertical movement mechanism of the welding torch. By configuring in this way, it is possible to repair the design change or machining error part of the workpiece instantly and accurately without moving the machine tool having the tool mounting part or the workpiece being processed. Become.
In the welding system on the machine tool according to the present invention, it is preferable that a sensor for detecting a turning angle, an inclination angle, and a vertical movement position of the welding torch attached to the torch holder is provided. By configuring in this way, a welding torch can be arranged substantially in the normal direction of a curved welded portion automatically even for a curved welded portion of a workpiece having a three-dimensional shape, for example, a curved surface. The distance (weld gap) between the weld and the weld torch can also be controlled.
Furthermore, in the welding system on the machine tool according to the present invention, the torch holder is provided with a horizontal movement mechanism for moving the welding torch in the horizontal direction.SoIn addition to welding the welded portion linearly, the welding torch can be reciprocated in the horizontal direction.
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, embodiments of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings for understanding of the present invention.
1 is a front view of a welding system on a machine tool according to an embodiment of the present invention, FIG. 2 is a partially enlarged view of a horizontal movement mechanism of the welding system on the machine tool, and FIG. FIG. 4B is a partially enlarged view of a turning mechanism according to a modification of the welding system on the machine tool, and FIGS. 4A and 4B are inclination mechanisms according to modifications of the welding system on the machine tool. FIG. 5 is a partially enlarged view of a horizontal movement mechanism according to a modification of the welding system on the machine tool, and FIG. 6 is a portion of a vertical movement mechanism according to a modification of the welding system on the machine tool. It is an enlarged view.
[0007]
As shown in FIG. 1, a welding system (hereinafter referred to as a welding system) 10 on a machine tool according to an embodiment of the present invention includes a tool mounting portion of a tool holder at an end portion of a spindle that can be driven to rotate by a motor. It is the welding system attached to the machine tool (not shown) which has 11a. And the
[0008]
The
In addition, since this encoder can also be provided in the motor of the
[0009]
As shown in FIG. 1, the
The
[0010]
As shown in FIG. 1, the
[0011]
As shown in FIG. 1, the
[0012]
Further, the
By configuring the
[0013]
As shown in FIG. 2, the
Note that, by increasing the length of the
[0014]
As shown in FIG. 1, the
[0015]
Further, on the upper side and the lower side of the
On the other hand, the
[0016]
As described above, when the
[0017]
Next, an operation method of the
First, the tool holder is removed from the
A
Then, the distance between the welded portion and the
[0018]
Then, the modification of the
As shown in FIG. 3A, in the
[0019]
Further, as shown in FIG. 3B, the
[0020]
Next, a modified example of the
As shown in FIG. 4A, the
[0021]
As shown in FIG. 4B, the
[0022]
Next, a modified example of the
As shown in FIG. 5, the horizontal movement mechanism 110 is provided substantially vertically with respect to the
In addition, by arranging the magnet 111 and the
[0023]
Next, a modified example of the
As shown in FIG. 6, the vertical movement mechanism 120 has the
[0024]
A magnet (magnet) 121 is provided around the
[0025]
In the present embodiment, when the
Further, the
In the present embodiment, the horizontal movement mechanism is provided in each of the left and right holding units, but it is also possible to provide the horizontal movement mechanism only in the other by attaching a traveling rail to one.
[0026]
The present invention has been described above with reference to one embodiment. However, the present invention is not limited to the configuration described in the above embodiment, and is not limited to the matters described in the claims. Other embodiments and modifications conceivable within the scope are also included.
For example, in the above-described embodiment, the control device functions as a power source for performing welding, and the turning angle, inclination angle, vertical movement position, horizontal position of the
[0027]
【The invention's effect】
Claims 1 to3In the welding system on the machine tool described, the end of the spindle of the machine tool is in the middle of machining even if there is a problem that the workpiece design change or machining error must be repaired during machining of the workpiece. Can be replaced with a welding system on a machine tool having a torch holder that can be attached to the tool attachment portion. It is possible to carry out welding on the machine tool, such as overlay welding, for repairing design changes and machining errors of the workpiece without lowering from the machine. Therefore, stable correction processing that does not rely on human hands is possible. Further, since no welding technician having skilled skills is required, the transportation cost to the supplier is not required, and the period until product completion can be shortened. Further, since machining and welding can be performed on the machine tool, it is not necessary to raise or lower the workpiece on the machine tool during the machining, and the workability is also improved.
In addition, since the torch holder is provided with a horizontal movement mechanism that moves the welding torch in the horizontal direction, it is possible not only to weld the welded portion linearly but also to reciprocate the welding torch in the horizontal direction. Become. Therefore, welding with the required width can be performed at once.
In particular, in the welding system on the machine tool according to claim 2, the torch holder includes a turning mechanism, an inclination mechanism, and a vertical movement mechanism of the welding torch. Without moving the workpiece, it is possible to repair the design change or machining error portion of the workpiece instantly and accurately. Therefore, stable correction processing that does not rely on human hands is possible.
[0028]
In the welding system on the machine tool according to claim 3, since a sensor for detecting a turning angle, an inclination angle, and a vertical movement position of the welding torch attached to the torch holder is provided, a three-dimensional shape, for example, Even for a curved welded portion of a workpiece having a curved surface, a welding torch can be automatically arranged in a substantially normal direction of the curved welded portion, and the distance between the welded portion and the weld torch can be controlled. Accordingly, stable correction processing that does not rely on human hands is possible, and therefore it is possible to repair a workpiece instantly without requiring a welding technician having skilled skills.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view of a welding system on a machine tool according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a partially enlarged view of a horizontal movement mechanism of a welding system on the machine tool.
FIGS. 3A and 3B are partially enlarged views of a turning mechanism according to a modification of the welding system on the machine tool.
FIGS. 4A and 4B are partial enlarged views of a tilt mechanism according to a modification of the welding system on the machine tool, respectively.
FIG. 5 is a partially enlarged view of a horizontal movement mechanism according to a modification of the welding system on the machine tool.
FIG. 6 is a partially enlarged view of a vertical movement mechanism according to a modification of the welding system on the machine tool.
[Explanation of symbols]
10: Welding system on machine tool, 11: Torch holder, 11a: Tool mounting portion, 11b: Torch holder mounting portion, 12: Welding torch, 13: Control device, 14: Turning mechanism, 15: Inclining mechanism, 16: Vertical movement mechanism, 17: horizontal movement mechanism, 19: cord, 20: swivel base, 21: head pulley, 22: motor, 23: tail pulley, 24: endless belt, 30: support base, 31: tilt axis, 32: left Holding part, 33: right holding part, 34: head pulley, 35: inclined shaft holding part, 36: endless belt, 40: vertical movement mechanism mounting plate, 41: left holding part, 42: right holding part, 43: motor, 44: pinion gear, 45: rack, 50: ball screw, 51: screw shaft, 52: nut, 53: bush (bush), 54: head pulley, 55: endless belt, 60: turning mechanism 61: Torch holder mounting part, 62: Motor, 63: Rotating shaft, 64: Turning table, 65: Motor holding part, 66: Bearing, 70: Turning mechanism, 71: Torch holder mounting part, 72: Casing, 73: Rotation Body, 74: magnet (magnet), 75: coil, 76: swivel base, 77: bearing, 79: tilt mechanism, 80: support base, 81: tilt shaft, 82: tilt section, 83: bearing, 84: left Holding unit, 85: right holding unit, 86: motor, 90: tilting mechanism, 91: support base, 92: tilting shaft, 93: left holding unit, 94: right holding unit, 95: rotating body, 96: Bearing: 97: Casing, 98: Magnet, 99: Coil, 110: Horizontal movement mechanism, 111: Magnet (magnet), 112: Coil, 113: Rail, 120: Vertical movement mechanism, 121: Magnet Magnet) 122: Coil
Claims (3)
前記工具取付け部に、前記工具ホルダーの代わりに取付け可能なトーチホルダーと、該トーチホルダーに取付けられる溶接トーチとを有し、しかも、前記トーチホルダーには、前記溶接トーチを水平方向に移動させる水平移動機構が設けられていることを特徴とする工作機械上での溶接システム。A welding system on a machine tool that is attached to a machine tool having a tool attachment part of a tool holder at the end of a spindle that can be rotated and driven,
Said tool mounting portion, and the torch holder attachable instead of said tool holder, possess a welding torch attached to the torch holder, moreover, the torch holder, a horizontal moving said welding torch in a horizontal direction welding system on the machine tool, characterized in Rukoto moving mechanism provided.
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