JP4598209B2 - 金型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は金型に係り、さらに詳細には、例えばタレットパンチプレス等のごときパンチプレスに使用される金型であって、ストリッパープレートを着脱可能に備えた金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
タレットパンチプレス等のごときパンチプレスに使用される金型として、例えば図4に示すごとき金型1が知られている。上記金型1は、筒状のパンチガイド3内に、下端部にパンチ刃部5Bを備えたパンチボディ5を上下動自在に内装した構成であって、上記パンチボディ5の上端部に一体的に取付けたパンチヘッド7と上記パンチガイド3の上部のフランジ部3Fとの間には、例えばウレタンゴムや皿ばねなどのごとき強力なストリッパースプリング9が弾装してある。そして、前記パンチガイド3の下端部には、前記パンチ刃部5Bを囲繞したストリッパープレート11が着脱可能に取付けてある。
【0003】
前記パンチガイド3からのストリッパープレート11の脱落を防止するために、図5に示すように、ストリッパープレート11の外周面に形成した係合凹部としての周溝11Gに係合離脱自在のボール13をパンチガイド3の下部に内外方向へ移動可能に備えている。そして、上記ボール13の外方向への移動を許容するボール収容凹部15を備えると共に上記ボール13を内方向へ移動せしめるための傾斜面17を備えたスライド部材19が、前記パンチガイド3の外周下部に形成した上下方向の溝21内に上下動可能に設けられている。
【0004】
上記スライド部材19の上下動をロックするために、前記パンチガイド3に形成した凹部23内には前記溝21に対して出没自在のストッパ25が設けられており、このストッパ25と上記凹部23の底部との間には、スプリング27が弾装してある。そして、上記ストッパ25に対応してスライド部材19には押しボタン29が設けられている。
【0005】
上述のごとき従来の構成においては、図5に示すようにスライド部材19がストッパ25によって移動しないようにロックされた状態にあるとき、スプリング27の付勢力に抗して押しボタン29を押し、ストッパ25を溝21から没入せしめると、スライド部材19のロックが解除され、下方向へ移動可能になる。
【0006】
したがって、押しボタン29を押した状態でスライド部材19を下方向へ移動すると、スライド部材19に形成したボール収容凹部15がボール13と対応し、ボール13が上記ボール収容凹部15へ移動して、ストリッパープレート11をパンチガイド3から取り外すことができるものである。
【0007】
前記スライド部材19を下降した状態から上昇せしめると、スライド部材19に形成した傾斜面17によってボール13が内方向へ移動され、ストリッパープレート11の周溝11Gに係合してストリッパープレート11が脱落しないように固定されると共に、押しボタン29がストッパ25の位置に対応し、スプリング27の作用によってストッパ25が溝21内に突出され元の状態となって、スライド部材19のロックが再び行われるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述のごとき従来の構成においては、工具を用いることなしにストリッパープレート11の着脱を行い得る点において利点はあるものの、ボール13とストリッパープレート11との接触が点接触となり、ボール13及び/又はストリッパープレート11に損傷を生じ易いと共に、スライド部材19に形成した傾斜面17の位置及び傾斜角と押しボタン29の位置的関係の精度が悪いと、ボール13でもってストリッパープレート11を確実に固定することができずに、ストリッパープレート11にガタ付きを生じ易いので、構成部品を高精度に仕上げなければならない、という問題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述のごとき問題に鑑みてなされたもので、請求項1に係る発明は、パンチボディを上下動自在に内装した筒状のパンチガイドの下端部にストリッパープレートを着脱可能に備えた金型において、前記ストリッパープレートの外周面に形成した係合凹部に係合して上記ストリッパープレートを保持自在の係止部を下端部に備えた弾性部材を前記パンチガイドの下部に設け、前記弾性部材の前記係止部より上側の外側面に当接して外方向への変形を規制自在かつ上記弾性部材における前記係止部の外側に形成した凹部に対応して外方向への変形を許容自在の変形規制部を備えたスライド部材を、前記パンチガイドの下部に上下方向に移動固定自在に設けた構成である。
【0010】
また、前記金型において、前記スライド部材に備えた前記変形規制部が前記弾性部材の前記外側面に当接した状態にあるときに、前記スライド部材に形成した係止部と係脱自在の係止部を備えた弾性ストッパを前記パンチガイドに備えていることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明するに、前述した従来の構成と同一の構成であって同一機能を奏する構成部分には同一符号を付することとして重複した説明は省略する。
【0012】
図1を参照するに、実施の形態に係る金型は、パンチボディ(図1には図示省略)を上下動自在に内装した筒状のパンチガイド3の下端部にストリッパープレート11を着脱可能に備えた構成である。前記パンチガイド3の下端部にストリッパープレート11を保持する構成として、ストリッパープレート11の外周面に成形した係合凹部の一例としての周溝11Gに係脱自在の係止部31Kを先端部(下端部)に備えた弾性部材としての板ばね31が前記パンチガイド3に形成した上下方向の溝21の下部に取付けてある。上記板ばね31の前記係止部31Kは、周溝11Gに係合すべく、内側へ突出しかつ周溝11Gの形状に倣うように湾曲成形してあって外側には凹部31Cが形成してある。
【0013】
前記溝21内には、取付ボルトのごとき取付具33を介してスライド部材35が上下動自在に取付けられている。このスライド部材35の内側下部付近には、前記板ばね31の基部側外面に当接して当該板ばね31の外方向への変形を規制自在かつ上記板ばね31の前記凹部31Cに対応した位置に移動したときには外方向への変形を許容する変形規制部の一例としてのピン37が取付けてある。
【0014】
また、上記スライド部材35の上部には係止部35Kが形成してあり、この係止部35Kには、前記溝21内の上部に取付具39によって取付けた板ばねのごとき弾性ストッパ41に突出形成した係止部41Kが係脱自在に形成してある。
【0015】
上記構成により、図1に示すように、弾性ストッパ41の係止部41Kにスライド部材35の係止部35Kが係止された状態にあり、かつスライド部材35に備えた変形規制部の一例としてのピン37が弾性部材31の基部側外面に当接した状態にあるときには、上記弾性部材31の先端部の係止部31Kが外方向(図1Aにおいて右方向)へ変形することを規制され、上記係止部31Kはストリッパープレート11の係合凹部11Gに係合した状態が保持される。
【0016】
上述ごとき状態にあるとき、弾性ストッパ41を親指等によって内方向へ押圧して、弾性ストッパ41の係止部41Kをスライド部材35の係止部35Kから離脱し、スライド部材35を下降せしめると、前記ピン37が弾性部材31の凹部31Cに対応するので、弾性部材31の係止部31Kを外方向へ弾性変形せしめることが可能になる。しかし、上記弾性部材31の弾性により係止部31Kがストリッパープレート11の係合凹部11Gに係合した状態に保持され、ストリッパープレート11が自重等によってパンチガイド3から不用意に脱落することを防止しているものである。
【0017】
前述のごとく、ピン37が弾性部材31の凹部31Cに対応した位置にあるとき、ストリッパープレート11を図2において下方向へ引っ張ることにより、弾性部材31の弾性に抗して取り外すことができるものである。また逆の動作を行うことにより、パンチガイド3に対してストリッパープレート11を取付けることができるものである。
【0018】
既に理解されるように、前述のごとき構成によれば、工具を用いることなく、パンチガイド3に対してストリッパープレート11を着脱することができることは勿論のこと、弾性部材31の作用によって、着脱時にストリッパープレート11が不用意に脱落することをも防止できるものである。また、弾性部材31の係止部31Kはストリッパープレート11における係合凹部11Gに倣うように弯曲形成してあるので、ストリッパープレート11を常にパンチガイド3の下端面に押圧してガタのないように支持することができるものである。
【0019】
さらに、変形規制部としてのピン37が弾性部材31の基部側外面に当接する位置及び凹部31Cに対応する位置は必ずしも正確である必要はなく、要は、弾性ストッパ41の係止部41Kとスライド部材35の係止部35Kが係合した状態にあるとき、ピン37が弾性部材31の基部側外面に位置し、上記係合を解除してスライド部材35を下降せしめたとき、ピン37から弾性部材31の凹部31Cに対応すれば良いものであるから、例えばスライド部材35の係止部35Kと前記ピン37の位置的関係等の精度はある程度ラフで良く、製造が容易であると共に安価に製造できるものである。
【0020】
図3は別の実施の形態を示すもので、前述した実施の形態と相違する点は、スライド部材35の上部に、弾性ストッパ41等を覆うカバー部43を一体に設け、このカバー部43に、弾性ストッパ41を押圧自在の押しボタン45を備えた点である。この構成によれば、図1に示した実施の形態と同様の効果を奏すると共に操作性が向上し、かつ外観が良くなるものである。
【0021】
【発明の効果】
以上のごとき説明より理解されるように、本発明によれば、パンチガイドに対してストリッパープレートを着脱するようなとき、パンチガイドからストリッパープレートが不用意に脱落することを防止することができると共に、製造が容易で安価に提供でき、前述したごとき従来の問題点を解消することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る金型の主要部分を示す作用説明図及び側面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る金型の主要部分を示す作用説明図及び側面図である。
【図3】本発明の別の実施の形態に係る金型の主要部分を示す作用説明図及び側面図である。
【図4】一般的な金型の一部断面した説明図である。
【図5】従来のストリッパープレートを着脱する構成の断面説明図である。
【符号の説明】
1 金型
3 パンチガイド
5 パンチボディ
11 ストリッパープレート
31 弾性部材(板ばね)
31C 凹部
31K,35K,41K 係止部
35 スライド部材
37 変形規制部(ピン)
41 弾性ストッパ
Claims (2)
- パンチボディを上下動自在に内装した筒状のパンチガイドの下端部にストリッパープレートを着脱可能に備えた金型において、前記ストリッパープレートの外周面に形成した係合凹部に係合して上記ストリッパープレートを保持自在の係止部を下端部に備えた弾性部材を前記パンチガイドの下部に設け、前記弾性部材の前記係止部より上側の外側面に当接して外方向への変形を規制自在かつ上記弾性部材における前記係止部の外側に形成した凹部に対応して外方向への変形を許容自在の変形規制部を備えたスライド部材を、前記パンチガイドの下部に上下方向に移動固定自在に設けたことを特徴とする金型。
- 請求項1に記載の金型において、前記スライド部材に備えた前記変形規制部が前記弾性部材の前記外側面に当接した状態にあるときに、前記スライド部材に形成した係止部と係脱自在の係止部を備えた弾性ストッパを前記パンチガイドに備えていることを特徴とする金型。
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JP28728999A JP4598209B2 (ja) | 1999-10-07 | 1999-10-07 | 金型 |
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