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JP4595369B2 - 液体移送ヘッド及びこれを備えた液体移送装置 - Google Patents

液体移送ヘッド及びこれを備えた液体移送装置 Download PDF

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Description

本発明は、流路内での液体の流れを制御することができる液体移送ヘッド及びこれを備えた液体移送装置に関する。
インクを吐出して記録紙に画像を形成するインクジェットヘッドが知られている。かかるインクジェットヘッドとして、特許文献1に記載されているように、圧電素子を用いたタイプがある。圧電タイプのインクジェットヘッドは、圧力室と称されるインク室の容積が圧電素子を含むアクチュエータで変動させられると、圧力室と連通したノズルからインクを吐出する。圧電タイプのインクジェットヘッドは、吐出される液体としてインク以外にも様々な液体を用いることができる、精密な液滴コントロール及び液滴階調の実現が可能である、そして、耐久性が高いという利点を有している。
特開2003−326712号公報
近年、多数のノズルを有しつつ小型のインクジェットヘッドの開発が望まれている。しかしながら、圧電タイプのインクジェットヘッドでは、一定のインク吐出量を確保しようとすると圧力室を所定サイズよりも小さくすることができない。したがって、圧電タイプのインクジェットヘッドは、高集積化するのに適していない。つまり、ノズルを高密度に配列できず、多数のノズルが形成されたヘッドは大型なものとなってしまう。しかも、圧電タイプのインクジェットヘッドは、圧力室を含む流路構成が複雑であり、製造過程が煩雑なものとなってしまいやすい。
そこで、本発明の目的は、圧電タイプのインクジェットヘッドに代わる、高集積化するのに適しており且つ流路構成が簡略な装置を提供することである。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の液体移送ヘッドは、液体排出口を有していると共に、液体が接する内壁に、第1の領域と、前記第1の領域に対して液体の流動方向に隣接した位置にあって且つ前記第1の領域よりも撥液性が高い第2の領域とが形成されており、前記第2の領域に対応した位置が、前記液体排出口に向けて加圧された液体が前記液体排出口に向かって通過することができず気体が定在する位置となる個別流路と、前記加圧された液体が前記第2の領域に対応した位置を通過することを選択的に許容する液体通過許容手段とを備えており、前記液体通過許容手段を構成する部材の少なくとも一部が、前記第2の領域に対応する位置に設けられており、液体に加圧される圧力が変動する
この構成によると、液体を選択的に排出可能なヘッドを、高集積化が容易で小型化しやすく、しかも比較的簡略な構造とすることができる。
また、液体が排出される状態と排出されない状態との切換を容易に行わせることができる。
本発明の液体移送ヘッドでは、前記内壁において液体の流動方向における前記第2の領域の縁に対応した位置に、一又は複数の突起が形成されていることが好ましい。この構成によると、第2の領域に対応した位置に定在する気体が動きにくくなる。したがって、メニスカス位置の安定性が向上する。その結果、液体が排出される状態と排出されない状態との切換の信頼性が向上すると共に、第2の領域を通過する液体の体積が一定となる。
本発明の液体移送ヘッドでは、前記第2の領域の液体に接する面が、前記第1の領域の液体に接する面に対して突出していることが好ましい。この構成によると、液体遮断時において、第2の領域に対応した位置に定在する気体が動きにくくなる。したがって、メニスカス位置の安定性が向上する。その結果、液体が排出される状態と排出されない状態との切換の信頼性が向上すると共に、第2の領域を通過する液体の体積が一定となる。
本発明の液体移送ヘッドでは、前記個別流路が断面が凹状に形成されるように大気開放された開口を有し、前記開口が液体の流動方向に沿って延在していることが好ましい。この構成によると、構造がより簡略化され、低コストで製造可能になる。
本発明の液体移送ヘッドでは、前記個別流路の前記開口が形成された外壁は、前記第1の領域よりも撥液性が高く形成されていることが好ましい。この構成によると、液体移送ヘッドが、前記個別流路が断面が凹状に形成されるように大気開放された開口を有している場合に、各個別流路内の液体が個別流路外に漏れ出すことを抑制することができる。
本発明の液体移送ヘッドでは、液体としてインクを排出することが好ましい。この構成によると、インクを記録媒体上に排出することにより、高解像度での印字が可能となる。
本発明の液体移送ヘッドでは、複数の前記液体排出口が一列に配列されるように複数の前記個別流路が配置されていることが好ましい。この構成によると、多数の液体排出口から液体を一直線状に同時に排出することが可能となる。
本発明の液体移送ヘッドでは、nを2以上の固定された自然数として、最も端にある前記個別流路からn×N+1(Nは0以上の整数変数)番目に当たる前記個別流路に接続された第1の共通流路と、n×N+2番目に当たる前記個別流路に接続された第2の共通流路と、…、n×N+n番目に当たる前記個別流路に接続された第nの共通流路とをさらに備えており、これらn個の共通流路がそれぞれ個別流路との距離が異なる位置に形成されていることが好ましい。この構成によると、複数種類の液体を同じ間隔で一直線状に同時に排出することが可能となる。
本発明の液体移送ヘッドでは、前記n個の共通流路には、液体としてそれぞれ色の異なったインクが充填されることが好ましい。この構成によると、インクを記録媒体上に排出することにより、カラー画像を記録することが可能となる。
本発明の液体移送ヘッドでは、複数の前記個別流路に共通に接続する共通流路をさらに備えていることが好ましい。この構成によると、個別流路への液体の供給構造を簡単にすることができる。
本発明の液体移送ヘッドでは、前記液体通過許容手段が、少なくとも前記第2の領域において前記個別流路の内壁を振動させる発振機構を備えていてもよい。この構成によると、個別流路の内壁のうち第2の領域を振動させることで、第2の領域よりも液体の流動方向上流側の液体に対して、第2の領域を乗り越えることが可能なだけの加速度を与えて、液体排出口から排出させることができる。
本発明の液体移送ヘッドでは、前記発振機構が、電圧の印加に伴って、前記個別流路内における液体の流動方向に前記第2の領域に対向した外壁を振動させる圧電素子を含んでいることが好ましい。この構成によると、第2の領域において個別流路の内壁を効率的に振動させることができる。
本発明の液体移送ヘッドでは、前記第2の領域が2つの前記第1の領域の間に挟まれており、前記第2の領域は、液体が、前記第2の領域に対応した位置に対して前記液体排出口側にある前記第1の領域から前記第2の領域へ浸入するよりも、前記第2の領域に対応した位置に対して前記液体排出口とは反対側にある前記第1の領域から前記第2の領域へ浸入し易い構造を有していることが好ましい。この構成によると、個別流路内での液体の逆流発生を抑制することができる。
本発明の液体移送ヘッドでは、製造しやすさを考慮して、前記第2の領域と前記第2の領域に対して前記液体排出口側にある前記第1の領域との境界線は、液体の流動方向に直交する直線からなり、前記第2の領域と前記第2の領域に対して前記液体排出口側とは反対側にある前記第1の領域との境界線は前記直線に対する傾斜角が異なる部分を含んだ線であることが好ましい。
本発明の液体移送ヘッドでは、前記個別流路には、液体の流動方向における前記第2の領域に対応した位置に、大気連通孔が形成されていることが好ましい。この構成によると、第2の領域に対応した位置において、気泡を確実に形成することができる。また、温度や気圧変化によるメニスカスの変動を抑制できる。
本発明の液体移送ヘッドでは、前記液体通過許容手段が、前記第2の領域よりも撥液性が低い面を有しており、前記面が前記第2の領域と対向するように配置された低撥液性部材と、前記低撥液性部材の前記面を前記個別流路内の液体に接する位置と離間する位置との間で変位させることが可能な駆動機構とを備えていてもよい。この構成によると、低撥液性部材の面の位置を個別流路内の液体に接する位置とすることで、液体が、第2の領域に対応する位置を通過することが可能となる。したがって、液体排出口から液体を排出することができる。
本発明の液体移送ヘッドでは、前記駆動機構が、電圧の印加に伴って、前記低撥液性部材の前記面と前記第2の領域との間の距離が変化する方向に変形する圧電素子を含んでいることが好ましい。この構成によると、低撥液性部材の面と第2の領域との間の距離を効率的に変化させることができる。
本発明の液体移送装置は、液体排出口を有する液体移送ヘッドと、前記液体移送ヘッド内の液体を前記液体排出口に向かう方向に加圧する加圧機構と、前記液体移送ヘッドを制御するための制御手段とを備えており、前記液体移送ヘッドが、液体が接する内壁に、第1の領域と、前記第1の領域に対して液体の流動方向に隣接した位置にあって且つ前記第1の領域よりも撥液性が高い第2の領域とが形成されており、前記第2の領域に対応した位置が、前記加圧機構によって加圧された液体が前記液体排出口に向かって通過することができず気体が定在する位置となる個別流路と、前記制御手段の制御に基づいて、前記加圧された液体が前記第2の領域に対応した位置を通過することを選択的に許容する液体通過許容手段とを備えており、前記液体通過許容手段を構成する部材の少なくとも一部が、前記第2の領域に対応する位置に設けられており、前記加圧機構は、前記液体移送ヘッド内の液体に変動する圧力を加圧する
この構成によると、高集積化が容易なヘッドを用いているために、高密度に配列された液体排出口からの液体排出が可能となる。
また、液体が排出される状態と排出されない状態との切換を容易に行わせることができる。
発明の液体移送装置では、前記液体通過許容手段が、少なくとも前記第2の領域において前記個別流路の内壁を振動させる発振機構を備えており、前記制御手段が、前記発振機構が前記個別流路の内壁を振動させる時間を調整可能であってもよい。
また、本発明の液体移送装置では、前記液体通過許容手段が、前記第2の領域よりも撥液性が低い面を有しており、前記面が前記第2の領域と対向するように配置された低撥液性部材と、前記低撥液性部材の前記面を前記個別流路内の液体に接する位置と離間する位置との間で変位させることが可能な駆動機構とを備えており、前記制御手段が、前記低撥液性部材の前記面が前記個別流路内の液体に接する位置に前記低撥液性部材が保持される時間を調整可能であってもよい。
これらの構成によると、液体排出口から排出される1滴あたりの液体体積を調整することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の参考の実施の形態に係るプリンタ60の概略構成を示す模式図である。プリンタ60は、インクカートリッジ53から供給されたインクを貯蔵するインクタンク50と、用紙に対してインクを排出して画像を形成するヘッド1とを有している。インクカートリッジ53とインクタンク50とは、インク供給管52によって連結されている。また、インクタンク50には、空気供給管51が接続されている。ここで、インクタンク50のインクは後述する加圧機構によって加圧されている。インクタンク50とヘッド1とは直結されているので、ヘッド1内のインクにはインクタンク50内のインクと同じ圧力が加えられる。なお、本実施の形態で用いられるインクは、導電性を有するインクである。
ここで、図2を参照しつつ、インクタンク50のインクを加圧する機構について説明する。図2は、インクタンク50の模式的な断面図である。図2に示すように、インクタンクに接続されている空気供給管51にはポンプ51aと弁51bとが設けられており、インク供給管52にはポンプ52aと弁52bとが設けられている。したがって、インク供給管52の弁52bを閉じると共に、空気供給管51の弁51bを開放し、ポンプ51aによってインクタンク50に空気を供給することによって、インクタンク50のインクを加圧することができる。このとき、ポンプ51aは、空気の供給量を周期的に微少変動させインクへの加圧力を変動させる。なお、カートリッジ53のインクをインクタンク50に供給する際には、空気供給管51の弁51b及びインク供給管52の弁52bを開放し、ポンプ52aによってインクタンク50にインクを供給する。ただし、インクタンク50にインクを供給する際には、画像の形成は行わない。
次に、ヘッド1の概略構成について、図3〜図8を参照しつつ説明する。図3は、図1のIII-III線に沿う断面を共に描いたヘッド1の要部斜視図である。図4は、図3のヘッド1の横断面図である。図5は、図4のV−V線に沿うヘッド1の断面図である。図6は、図4のVI−VI線に沿うヘッド1の断面図である。図7は、図5のヘッド1の一点破線で囲まれた部分の拡大図である。図8は、図6のヘッド1の一点破線で囲まれた部分の拡大図である。なお、図3〜図8において互いに直交する矢印X、Y、Zは、それぞれ本実施の形態に係るヘッド1の長手方向、幅方向、上下方向を示す。
ヘッド1は、図5及び図6に示すように、インク排出ユニット10とインク供給ユニット20とを備えている。インク排出ユニット10は、略直方体状部材であり、その上面には長手方向(X方向)に沿って凹溝13が形成されている。さらに、凹溝13とインク排出面12(図4、5においては紙面左側面)との間には、Y方向に沿って複数の個別流路38が形成されている。したがって、図3及び図4に示すように、インク排出面12には、X方向に沿って一列に配列されたインク排出口11が形成されている。なお、図6に示すように、個別流路38の断面は四角形状である。そして、個別流路38の高さH(図7参照)は24μm程度、幅W(図8参照)は28μm程度である。
凹溝13の底面には、X方向に沿って共通電極31が設けられている。個別流路38のインク排出口11近傍の底面には、X方向に沿って帯状に個別電極32がそれぞれ設けられている。さらに、個別電極32の表面は、絶縁性を有すると共に、個別流路38の底面の撥液性と比べて高い撥液性を有する高撥液絶縁膜33で覆われている。したがって、個別電極32は高撥液絶縁膜33と電気的に接続されている。なお、本実施の形態では、共通電極31、個別電極32及び高撥液絶縁膜33はインク通過許容機構34として機能する。インク通過許容機構34の機能については、後で詳述する。
ここで、共通電極31及び個別電極32は、金属材料の蒸着やスパッタ等によって形成される。高撥液絶縁膜33は、例えば化学蒸着法で形成されたパレリン膜等である。なお、個別流路38は、高撥液絶縁膜33よりも撥液性の低いポリイミド等から形成されている。また、本実施の形態では、高撥液絶縁膜33は個別流路38の底面として形成されている。つまり、高撥液絶縁膜33は個別流路38の底面に凹凸が生じないように形成されている。そして、個別電極32及び高撥液絶縁膜33のY方向に沿う長さL(図7参照)は18μm程度であり、高撥液絶縁膜33の膜厚t(図7参照)は0.1μm程度である。
なお、共通電極31は、図5に示すように、接地電極に接続されている。また、個別電極32は、図5及び図6に示すように、それぞれ異なる信号電極に接続されており、選択的に接地電位と所定電位とを取り得る。なお、所定電位は、共通電極31と個別電極32との電位差が、後述するエレクトロウェッティング現象を生じさせるのに必要な大きさとなるように設定される。
インク供給ユニット20は、略直方体状部材であり、そのX方向に沿う長さはインク排出ユニット10のX方向に沿う長さと等しく、そのY方向に沿う長さはインク排出ユニット10のY方向に沿う長さよりも小さい。また、インク供給ユニット20の下面には、X方向に沿って下方に開いた凹部20aが形成されている。なお、上述のように、インク供給ユニット20内に凹部20aによって形成された空間は、インクタンク50を介して空気供給管51及びインク供給管52と連通している。
インク排出ユニット10の上面とインク供給ユニット20の下面とは、インク排出ユニット10内に凹溝13によって形成された空間と、インク供給ユニット20内に凹部20aによって形成された空間とが連通するように、接着固定されている。そして、インク排出ユニット10内に凹溝13によって形成された空間と、インク供給ユニット20内に凹部20aによって形成された空間とによって共通流路39が形成されている(図5参照)。したがって、インクタンク50のインクは、変動する圧力が加圧された状態でヘッド1内の共通流路39に供給され、さらに個別流路38に流入する。その結果、個別流路38内には、凹溝13からインク排出口11に向かうインクの流れが生じる。なお、図5に示すように、上述の共通電極31は共通流路39に形成されており、複数の個別流路38に対して共通に使用される。
ここで、インク通過許容機構34の機能について説明する。加圧されたインクがヘッド1に供給された際に、個別電極32を接地電位としている場合は、インクが加圧されているものの高撥液絶縁膜33の撥液作用のために、図3における紙面左から1、3、4番目の個別流路38のように、高撥液絶縁膜33に対応する領域(以降、単に「選択的通過領域」と称する)をインクが流れることはない。したがって、個別流路38のインクは、個別流路38内の選択的通過領域よりもインクの流動方向について上流側のインク(以降、単に「上流側のインク」と称する)と、選択的通過領域よりもインクの流動方向について下流側のインク(以降、単に「下流側のインク」と称する)とに分断される。よって、インク排出口11からインクが排出されることはない。
一方、個別電極32を所定電位とし、上流側のインクと個別電極32との間に電圧を印加すると、後述するエレクトロウェッティング現象が生じ、高撥液絶縁膜33の撥液作用に打ち勝って、図3における紙面左から2、5番目の個別流路38のように、選択的通過領域をインクが流れるようになり、インク排出口11からインクを排出することができる。
このように、インク通過許容機構34は、各個別流路38の個別電極32の電位を接地電位または所定電位とすることで、加圧されたインクが個別流路38内の選択的通過領域を通過することを選択的に許容することができる。よって、インク排出口11から選択的にインクを排出することができる。
また、個別流路38内の選択的通過領域をインクが通過する時間が長くなる程、インク排出口11から排出されるインクの体積は増加する。したがって、個別流路38内の選択的通過領域をインクが通過する時間、すなわち上流側のインクと個別電極32との間に電圧を印加する時間を調節することによって、1つのインク排出口11から排出されたインクにより用紙に形成されるドット径の大きさを変化させることができる。
次に、図9を参照しつつ、プリンタ60の制御について説明する。図9は、プリンタ60の制御に係るブロック図である。プリンタ60の制御は、パソコン70とヘッド1とに接続されたコントローラ40で行われる。コントローラ40は、データ記憶部41と印加時間算出部42と電圧印加制御部43とを有している。
データ記憶部41は、パソコン70から送信されたプリントデータを記憶するためのものである。印加時間算出部42は、データ記憶部41に記憶されたプリントデータに基づいて算出されるインク排出口11からのインクの排出量に対応するように、インクと個別電極32との間に電圧を印加する時間を算出する。電圧印加制御部43は、印加時間算出部42によって算出された電圧印加時間に基づいて、個別電極32を所定電位とし、上流側のインクと個別電極32との間に電圧を印加する。
ここで、エレクトロウェッティング現象について説明する。エレクトロウェッティング現象とは、電極と電気的に接続されている絶縁膜によって、電極が導電性を有する液体から絶縁されている際に、電極と液体との間に電圧を印加すると、電極と液体との間に電圧の差が存在しない場合と比べて、絶縁膜表面と液体との間の接触角が小さくなる現象である。つまり、電極と液体との間に電圧を印加すると、電極と液体との間に電圧の差が存在しない場合と比べて、見かけ上、絶縁膜表面の撥液性が低下する。なお、エレクトロウェッティング現象が生じるのに必要な、電極と液体との間に印加する電圧の大きさは比較的小さい。(参照:特許文献 特開2003−177219号公報)
次に、図10に示す選択的通過領域付近での個別流路38の断面図を用いて、インク排出口11からインクが排出されない状態から、インクが排出される状態に切り換えられた際の、個別流路38内でのインクの動きを説明する。まず、加圧されたインクが個別流路38に流入する際に、個別電極32の電位を接地電位としておく。すると、選択的通過領域まで流れ着いたインクは、高撥液絶縁膜33には濡れず個別流路38の側面に濡れることで、選択的通過領域よりも下流側に流れ込む。図10(a)に示すように、個別流路38内の高撥液絶縁膜33上において、個別流路38を塞ぐような大きさを有する気泡が定在するようになる。したがって、加圧されたインクがインク排出口11に向かって選択的通過領域を通過できなくなる。よって、インク排出口11からインクが排出されることはない。このとき、インクと高撥液絶縁膜33との間の接触角θは110°程度である。
その後、電圧印加制御部43により、個別電極32の電位を所定電位とし、上流側のインクと個別電極32との間に電圧が印加されると、エレクトロウェッティング現象により、図10(b)に示すように、高撥液絶縁膜33の撥液性が低下し、上流側のインクと高撥液絶縁膜33との間の接触角θは50°程度に小さくなる。したがって、上流側のインクが高撥液絶縁膜33上に濡れ広がる。また、このとき上流側のインクは加圧されているために、高撥液絶縁膜33上に濡れ広がったインクは、高撥液絶縁膜33上をインクの流動方向下流側に向かって流れる。その結果、図10(c)に示すように、選択的通過領域をインクが通過するようになり、インク排出口11からインクが排出される。
続いて、電圧印加制御部43によって、個別電極32の電位が接地電位とされると、高撥液絶縁膜33が再び高い撥液性を有するようになり、図10(d)に示すように、再び、選択的通過領域に対応した高撥液絶縁膜33上の位置において、個別流路38を塞ぐような大きさを有する気泡が定在しするようになる。したがって、選択的通過領域を加圧されたインクがインク排出口11に向かって通過できなくなり、インク排出口11からのインクの排出が停止される。
なお、インクには小刻みに変動する圧力が加圧されていることから、気泡は常に微小振動している。したがって、インクが選択的通過領域を通過する状態と気泡が選択的通過領域に定在する状態とを切換は容易である。
以上のように、参考の実施の形態のヘッド1では、個別流路38内の選択的通過領域をインクが通過する状態と、通過しない状態とに切り換えることにより、インク排出口11から選択的にインクを排出することができる。上述した説明から理解できるように、ヘッド1は、圧電タイプのインクジェットヘッドと比較して、高集積化が容易で小型化しやすく、しかも比較的簡略な構造とすることができるという利点を有している。
また、インク通過許容機構34は、凹溝13の底面に設けられており接地された共通電極31と、個別流路38の底面に設けられており、接地電位及び所定電位を選択的に取り得る個別電極32と、個別電極32の表面を覆っており、絶縁性を有すると共に高い撥液性を有する高撥液絶縁膜33とから構成されている。このように、インク通過許容機構34が可動部材を有していないので、ヘッド1の故障が生じにくい。また、消費電力を削減することができる。
さらに、上流側のインクと個別電極32との間に電圧を印加することで、高撥液絶縁膜33とインクとの間の接触角をエレクトロウェッティング現象によって変形させることができる。そして、このとき加圧されたインクは、個別流路38内の選択的通過領域を通過する。したがって、小さい電圧を印加したとしても加圧されたインクを通過させることが可能となる。
加えて、インク排出面12においてインク排出口11が、X方向に沿って一列に配列されるように、複数の個別流路38が配置されている。したがって、多数のインク排出口11からインクを一直線状に同時に排出することが可能となる。
また、複数の個別流路38に対して、インクタンク50からインクが供給される共通流路39が共通に接続されている。したがって、個別流路38へのインクの供給構造を簡単にすることができる。
加えて、インク排出口11からインクが排出されるので、インク排出面12に近接して用紙を配置することにより、用紙上に高解像度での画像の形成を行うことが可能となる。
また、参考の実施の形態のプリンタ60は、高集積化が容易なヘッド1を用いているために、高い解像度での画像形成が可能となる。
さらに、上流側のインクと個別電極32との間に電圧を印加する時間を制御することができる電圧印加制御部43を有している。したがって、インク排出口11から排出される1滴あたりのインク体積を調整することが可能となる。つまり、極めて多段階の階調印字が可能となる。
次に、本発明の第の実施の形態に係るプリンタについて説明する。
本実施の形態にかかるプリンタの構成が、参考の実施の形態にかかるプリンタ60の構成と主に異なる点は、プリンタ60に備えられているヘッド1のインク通過許容機構34が、共通電極31、個別電極32及び高撥液絶縁膜33とを有しているのに対して、本実施の形態のプリンタに備えられているヘッド101のインク通過許容機構が、個別流路138の内壁を振動させることが可能なアクチュエータ131を有している点である。その他の構成については、図1に示すプリンタ60とほぼ同様であるので、詳細な説明は省略する。なお、参考の実施の形態のプリンタ60では、導電性を有するインクが用いられるが、本実施の形態のプリンタで用いられるインクは、特に導電性を有している必要はない。
ここで、図11〜図13を参照しつつ、ヘッド101の構成について説明する。図11〜図13は、それぞれ参考の実施形態の図4〜図6に対応する図である。
図12及び図13に示すように、ヘッド101は、インク排出ユニット110とインク供給ユニット120とを備えている。インク排出ユニット110内には、複数の個別流路138が形成されている。ここで、図13に示すように、個別流路138の断面は凹状である。つまり、本実施の形態では、個別流路138は大気開放されている。そして、図11及び図13に示すように、各個別流路138を区切る壁の外壁には、個別流路138の内壁に比べて撥液性が高い高撥液層115が形成されている。
また、図12に示すように、インク排出ユニット110の下面のインク排出口111近傍には、X方向に沿って下方に開いた凹部116が形成されている。そして、凹部116の底面には、突起部117が設けられている。さらに、凹部116の側面と突起部117との間には、アクチュエータ131が配置されている。ここで、アクチュエータ131は、電圧が印加されることによってY方向に振動する。したがって、アクチュエータ131
は、突起部117をY方向に振動させることが可能である。本実施の形態では、アクチュエータ131がインク通過許容機構として機能する。なお、インク通過許容機構の機能については後述する。
さらに、個別流路138の底面における、突起部117と対向する領域には、個別流路138の底面の撥液性と比べて高い撥液性を有する高撥液膜114が形成されている。そして、本実施の形態では、個別流路138内の高撥液膜114に対応する領域を「選択的通過領域」と称する。また、個別流路138内において、選択的通過領域よりもインクの流動方向について上流側のインクを単に「上流側のインク」と称し、選択的通過領域よりもインクの流動方向について下流側のインクを単に「下流側のインク」と称する。ここで、図11に示すように、高撥液膜114のインク排出口111側の境界線は、インクの流動方向に直交する直線(X方向に平行な直線)からなる。一方、インク排出口111とは反対側の境界線は、インク流動方向に直交する直線に対して傾斜方向が逆の直線が交互に並べられたジグザグ形状である。
このようにジグザグ形状の境界線が形成されていることによって、インクに加えられる流動方向について下流側への力が大きくなったときに、上流側のインクが高撥液膜114を通過しやすくなる。なぜならば、インクメニスカスがブレイクして高撥液膜114を通過するときのインクメニスカスの限界仰角が一定であると考えられること、及び、インクに加えられる流動方向について下流側への力が大きくなっていく過程において、高撥液膜114の境界線で最もインク排出口111から離れており、その境界線のうち傾斜角の異なる2つの部分によって構成されたジグザグ先端部においてインクメニスカスの仰角が他の個所よりも大きくなって限界仰角に達しやすいからである。
ここで、本実施の形態におけるインク通過許容機構の機能について説明する。加圧されたインクがヘッド101に供給された際に、アクチュエータ131が稼動していない場合には、インクが加圧されているものの高撥液膜114の撥液作用のために、個別流路138内の選択的通過領域をインクが流れることはない。したがって、個別流路138のインクは、上流側のインクと下流側のインクとに分断される。よって、インク排出口111からインクが排出されることはない。
一方、アクチュエータ131に対して電圧を印加し、突起部117をY方向に振動させると、突起部117の振動が伝わることによって、個別流路138の底面の高撥液膜114に対応する領域が振動する。このとき、上流側のインクに対して加速度が加わる。そして、上流側のインクに加わる加速度が、インクが高撥液膜114を乗り越えることが可能なだけの大きさとなると、高撥液膜114の撥液作用に打ち勝って、個別流路138内の選択的通過領域をインクが流れるようになり、インク排出口111からインクを排出することができる。
このように、インク通過許容機構は、各個別流路138の底面の高撥液膜114に対応する領域を、アクチュエータ131により選択的に振動させることによって、加圧されたインクが個別流路138内の選択的通過領域を通過することを選択的に許容することができる。よって、インク排出口111から選択的にインクを排出することができる。
なお、アクチュエータ131のX方向の変位量及び振動数等は、上流側のインクに対して、高撥液膜114を乗り越えることが可能なだけの加速度を与えることができるように設定されている。
次に、本実施の形態のプリンタの制御について説明する。本実施の形態では、参考の実施の形態と同様に、データ記憶部、印加時間算出部及び電圧印加制御部を有するコントローラ(図示せず)でプリンタの制御が行われる。データ記憶部の機能については参考の実施の形態と同様である。印加時間算出部は、データ記憶部に記憶されたプリントデータに基づいて算出されるインク排出口111からのインクの排出量に対応するように、アクチュエータ131に電圧を印加する時間を算出する。電圧印加制御部は、印加時間算出部によって算出された電圧印加時間に基づいて、アクチュエータ131に電圧を印加する。
ここで、図14に示す選択的通過領域付近での個別流路の断面図を用いて、インク排出口111からインクが排出されない状態から、インクが排出される状態に切り換えられた際の、個別流路138内でのインクの動きを説明する。まず、加圧されたインクが個別流路138に流入すると、参考の実施の形態と同様に、高撥液膜114の撥液作用により、図14(a)に示すように、個別流路138内の選択的通過領域に対応した位置において、個別流路138を塞ぐような大きさを有する気体が定在するようになる。したがって、加圧されたインクがインク排出口111に向かって選択的通過領域を通過できなくなる。よって、インク排出口111からインクが排出されることはない。
その後、図14(b)に示すように、電圧印加制御部により、アクチュエータ131に電圧を印加し、突起部117をY方向に振動させると、突起部117の振動が伝わることによって、個別流路138の底面の高撥液膜114に対応する領域が振動する。これにより、高撥液膜114を乗り越えることが可能なだけの加速度が上流側のインクに対して加わる。したがって、高撥液膜114上をインクが流動方向下流側に向かって流れる。その結果、図14(c)に示すように、個別流路138内の選択的通過領域をインクが通過するようになり、インク排出口111からインクが排出される。
続いて、電圧印加制御部によって、アクチュエータ131への電圧の印加が終了し、突起部117の振動が停止すると、上流側のインクに加速度が加わらなくなる。したがって、図14(d)に示すように、再び個別流路138内の選択的通過領域に対応した位置において、個別流路138を塞ぐような大きさを有する気体が定在するようになる。よって、選択的通過領域を加圧されたインクが排出口111に向かって通過できなくなり、インク排出口111からのインクの排出が停止される。
以上のように、第の実施の形態のヘッド101は、参考の実施の形態のヘッド1と同様に、高集積化が容易で小型化しやすく、しかも比較的簡略な構造である。
また、個別流路138の断面は凹状である。したがって、インク排出ユニット110の構造がより簡略化され、低コストで製造可能になる。
加えて、各個別流路138を区切る壁の外壁には、個別流路138の内壁に比べて撥液性が高い高撥液層115が形成されている。そのため、個別流路138内のインクが隣接する個別流路138内に漏れ出しにくくなっている。
また、インク通過許容機構は、インク排出ユニット110の下面に形成された凹部116の底部において、個別流路138内の高撥液膜114に対向する位置に形成された突起部117を振動させることが可能なアクチュエータ131である。したがって、突起部117を振動させることによって、個別流路138の底面の高撥液膜114に対応する領域を振動させることができる。これにより、上流側のインクに、高撥液膜114を乗り越えることが可能なだけの加速度を与えることができる。その結果、個別流路138内の選択的通過領域を、加圧されたインクが通過することができ、インク排出口111からインクが排出される。
さらに、高撥液膜114のインク排出口111側の境界線は、インクの流動方向に直交する直線からなっており、インク排出口111とは反対側の境界線は、インク流動方向に直交する直線に対して傾斜方向が逆の直線が交互に並べられたジグザグ形状である。よって、インクに加えられる流動方向について下流側への力が大きくなったときに、上流側のインクが高撥液膜114を通過しやすくなる。
その他、本実施の形態に係るプリンタは、参考の実施の形態に係るプリンタと同様の利点を有している。
次に、本発明の第の実施の形態に係るプリンタについて説明する。
本実施の形態にかかるプリンタの構成が、参考の実施の形態にかかるプリンタ60の構成と主に異なる点は、プリンタ60に備えられているヘッド1のインク通過許容機構34が、共通電極31、個別電極32及び高撥液絶縁膜33とを有しているのに対して、本実施の形態のプリンタに備えられているヘッド201のインク通過許容機構233が、低撥液板231とアクチュエータ232とを有している点である。その他の構成については、図1に示すプリンタ60とほぼ同様であるので、詳細な説明は省略する。なお、参考の実施の形態のプリンタ60では、導電性を有するインクが用いられるが、本実施の形態のプリンタで用いられるインクは、特に導電性を有している必要はない。
ここで、図15〜図17を参照しつつ、ヘッド201の構成について説明する。図15〜図17は、それぞれ参考の実施形態の図4〜図6に対応する図である。
図16及び図17に示すように、ヘッド201は、インク排出ユニット210とインク供給ユニット220とを備えている。インク排出ユニット210内には、複数の個別流路238が形成されている。ここで、図17に示すように、個別流路238の断面は凹状である。つまり、本実施の形態では、個別流路238は大気開放されている。そして、図15及び図17に示すように、各個別流路238を区切る壁の外壁には、個別流路238の内壁に比べて撥液性が高い高撥液層215が形成されている。さらに、個別流路238の底面のインク排出口111近傍には、個別流路238の底面の撥液性と比べて高い撥液性を有する高撥液膜214が形成されている。
なお、本実施の形態では、個別流路238内の高撥液膜214に対応する領域を「選択的通過領域」と称する。また、個別流路238内において、選択的通過領域よりもインクの流動方向について上流側のインクを単に「上流側のインク」と称し、選択的通過領域よりもインクの流動方向について下流側のインクを単に「下流側のインク」と称する。
さらに、図16及び図17に示すように、インク供給ユニット220の上面には、支持板233aが接着固定されている。ここで、支持板233aは平板状部材であり、そのX方向に沿う長さは、インク排出ユニット210及びインク供給ユニット220のX方向に沿う長さに等しい。そして、支持板233aは、インク供給ユニット220の上面からインクの流動方向に延出しており、その延出方向端部近傍の下面は、個別流路238内の高撥液膜214と対向している。
また、支持板233aの下面において、複数の個別流路238の高撥液膜214と対向している部分には、Z方向に沿った長さが可変であるアクチュエータ232がそれぞれ設けられている。そして、アクチュエータ232の支持板233aによって支持されている面と反対側の面には、低い撥液性を有する低撥液板231が取り付けられている。したがって、低撥液板231の下面と高撥液膜214とは対向している。ここで、低撥液板231は四角形状であり、そのY方向に沿う長さは、高撥液膜214のY方向に沿う長さよりも長い。なお、アクチュエータ232は、電圧が印加されていない場合には、低撥液板231を個別流路238内のインクと離間する位置で支持しており、電圧が印加されることによって、その長さが長くなって、低撥液板231を個別流路238内のインクに接触する位置に変位させることができる。本実施の形態では、低撥液板231及びアクチュエータ232が後述するインク通過許容機構233(図16参照)として機能する。
ここで、本実施の形態のインク通過許容機構233の機能について説明する。加圧されたインクがヘッド201に供給された際に、アクチュエータ232に電圧が印加されていない場合には、インクが加圧されているものの、高撥液膜214の撥液作用のために、個別流路238内の選択的通過領域をインクが流れることはない。したがって、個別流路238のインクは、上流側のインクと下流側のインクとに分断される。よって、インク排出口211からインクが排出されることはない。
一方、アクチュエータ232に対して電圧を印加して、低撥液板231が個別流路238内の上流側のインク及び下流側のインクに接触するまで低撥液板231を下方に変位させると、インクは低撥液板231の表面で濡れ広がる。そして、選択的通過領域を、低撥液板231の表面に沿って、且つインク排出口211に向かって、加圧されたインクが通過するようになる。そして、インク排出口211からインクが排出される。
このように、インク通過許容機構233は、各個別流路238内のインクと、各個別流路238の高撥液膜214に対向して支持されている低撥液板231とを選択的に接触さることによって、加圧されたインクが個別流路238内の選択的通過領域を通過することを選択的に許容することができる。よって、インク排出口211から選択的にインクを排出することができる。
次に、本実施の形態のプリンタの制御について説明する。本実施の形態では、参考の実施の形態と同様に、データ記憶部、印加時間算出部及び電圧印加制御部を有するコントローラ(図示せず)でプリンタの制御が行われる。データ記憶部の機能については参考の実施の形態と同様である。印加時間算出部は、データ記憶部に記憶された印刷データに基づいて算出されるインク排出口211からのインクの排出量に対応するように、アクチュエータ232に電圧を印加する時間を算出する。電圧印加制御部は、印加時間算出部によって算出された電圧印加時間に基づいて、アクチュエータ232に電圧を印加する。
ここで、図18を用いて、インク排出口211からインクが排出されない状態から、インクが排出される状態に切り換えられた際の、個別流路238内でのインクの動きを説明する。図18は、個別流路238内でのインクの動きを示す図である。まず、インクが個別流路238に流入すると、図18(a)に示すように、個別流路238内の選択的通過領域に対応した高撥液膜214上の位置において、個別流路238を塞ぐような大きさを有する気体が定在するようになる。したがって、加圧されたインクがインク排出口211に向かって選択的通過領域を通過できなくなる。よって、インク排出口211からインクが排出されることはない。
その後、電圧印加制御部により、アクチュエータ232に電圧を印加し、低撥液板231が個別流路238内の上流側のインク及び下流側のインクに接触するまで、低撥液板231を下方に変位させる。このとき、図18(b)に示すように、インクは低撥液板231の表面で濡れ広がる。また、このとき上流側のインクは加圧されているために、低撥液板231の表面で濡れ広がった上流側のインクは、低撥液板231の表面に沿って、流動方向下流側に向かって流れる。その結果、図18(c)に示すように、選択的通過領域をインクが通過するようになり、インク排出口211からインクが排出される。
続いて、電圧印加制御部によって、アクチュエータ232への電圧の印加が終了すると、低撥液板231が上方に変位し、低撥液板231とインクとが接触しなくなる。したがって、図18(d)に示すように、再び選択的通過領域に対応した高撥液膜214上の位置において、個別流路238を塞ぐような大きさを有する気体が定在するようになる。よって、個別流路238内の選択的通過領域を加圧されたインクが排出口211に向かって通過できなくなり、インク排出口211からのインクの排出が停止される。
以上のように、第の実施の形態のヘッド201は、参考の実施の形態のヘッド1及び第の実施の形態のヘッド2と同様に、高集積化が容易で小型化しやすく、しかも比較的簡略な構造である。
また、インク通過許容機構は、個別流路238内の高撥液膜214と対向するように支持された低撥液板231と、低撥液板231を上下方向に変位させることが可能なアクチュエータ232とを有している。したがって、低撥液板231を下方に変位させ、上流側のインク及び下流側のインクに接触させることができる。これにより、インクが低撥液板231の表面に濡れ広がる。その結果、個別流路238内の高撥液膜214に対応する領域を、加圧されたインクが通過することができ、インク排出口211からインクが排出される。
その他、本実施の形態に係るプリンタは、参考の実施の形態に係るプリンタと同様の利点を有している。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。
例えば、参考の実施の形態における第1の変形例を、図19に示す。図19は、個別流路38のインクの流動方向に沿う縦断面図である。本変形例にかかる個別流路38内の上面における、高撥液絶縁膜33のY方向両端部と対向する位置には、突起体19が形成されている。したがって、本変形例では、上流側のインクと個別電極32との間に電圧が印加されていない場合に、個別流路38内の選択的通過領域に定在する気泡が動きにくくなる。したがって、メニスカス位置の安定性が向上する。
なお、突起体19が形成される面は、個別流路38内の上面には限定されない。個別流路38の部分横断面図である図20に示すように、個別流路38内の両側面における、高撥液絶縁膜33のY方向両端部に対応する位置に突起体19を形成してもよい。
また、上述の変形例では、参考の実施の形態のヘッド1の個別流路38内に突起体19を形成する場合について説明したが、これと同様に、第の実施の形態の個別流路138内に突起体を形成してもよいし、第の実施の形態の個別流路238内に突起体を形成してもよい。
さらに、参考の実施の形態における第2の変形例を、図21に示す。図21は、個別流路38のインクの流動方向に沿う縦断面図である。参考の実施の形態では、高撥液絶縁膜33は個別流路38の底面に凹凸が生じないように形成されているが、本変形例にかかる個別流路38の底面には、個別電極32が個別流路38の底面から突出するように形成されており、高撥液絶縁膜33は、個別電極32の個別流路38の底面から突出している部分を覆うように形成されている。したがって、個別流路38の底面の高撥液絶縁膜33が形成される領域が、個別流路38の底面において周囲に比べて突出することになる。これにより、本変形例では、インク遮断時において、個別流路38内の選択的通過領域に定在する気泡が動きにくくなる。その結果、メニスカス位置の安定性が向上する。
加えて、参考の実施の形態における第3の変形例を、図22に示す。図22は、個別流路38のインクの流動方向に沿う縦断面図である。本変形例にかかる個別流路38の上面において、高撥液絶縁膜33と対向する位置には、大気と連通する孔18が形成されている。したがって、本変形例では、個別流路38内の選択的通過領域に、確実に気泡を形成することができる。また、温度や気圧変化によるメニスカスの変動を抑制できる。
さらに、参考の実施の形態における第4の変形例を、図23及び図24に示す。図23は、個別流路38のインクの流動方向に沿う縦断面図である。図24は、図23の個別流路38のXXIV−XXIV線に沿う断面図の一部分である。参考の実施の形態では、個別流路38の断面が四角形状である場合について説明したが、図24に示すように、本変形例にかかる個別流路38の断面は凹状である。したがって、本変形例では、インク排出ユニット10の構造がより簡略化され、低コストで製造可能になる。また、本変形例では、各個別流路38を区切る壁の上壁には、個別流路38の内壁に比べて撥液性が高い高撥液層15が形成されている。よって、個別流路38内のインクが隣接する個別流路38内に漏れ出すのを抑制することができる。
なお、第の実施の形態では、上述の変形例と同様に、個別流路138の断面が凹状である場合について説明したが、個別流路138の断面は四角形状であってもよい。また、第の実施の形態においても、上述の変形例と同様に、個別流路238の断面が凹状である場合について説明したが、個別流路138の断面は四角形状であってもよい。ただし、この場合には、個別流路138の上面に、低撥液板231が通過することが可能な開口を形成する必要がある。
また、第の実施の形態、第の実施の形態及び上述の変形例では、各個別流路を区切る壁の上壁において、個別流路の内壁に比べて撥液性が高い高撥液層が形成されている場合について説明したが、高撥液層は形成されていなくてもよい。
さらに、参考の実施の形態における第5の変形例を、図25〜図27に示す。図25及び図26は、それぞれ参考の実施形態の図4及び図5に対応する図である。図27は、図25のXXVII−XXVII線に沿う断面図である。本変形例にかかるインク排出ユニット10には、インク排出面12に、X方向に沿って一列に配列されたインク排出口11が形成されるように、複数の個別流路38がY方向に沿って形成されている。なお、複数の個別流路38は、イエローインク用→マゼンタインク用→シアンインク用→ブラックインク用→イエローインク用→・・・の順番で周期的に配列されている。
また、本変形例にかかるインク供給ユニット20は、図26及び図27に示すように、イエローインク供給部21、マゼンタインク供給部22、シアンインク供給部23及びブラックインク供給部24とを有している。各インク供給部21〜24には、いずれも略直方体部材であり、その下面には下方に開いた凹部21a〜24aがそれぞれ形成されている。さらに、インク供給部21〜24内に凹部21a〜24aによって形成された空間には、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクが、対応するインクタンク(図示せず)からそれぞれ供給される。
そして、図27に示すように、各イエローインク用個別流路38と、イエローインク供給部21内に凹部21aによって形成された空間とが連結されるように、マゼンタインク供給部22、シアンインク供給部23及びブラックインク供給部24の凹部22a〜24aが形成されていない部分にそれぞれ貫通孔22b、23b、24bが形成されている。同様に、各マゼンタインク用個別流路38と、マゼンタインク供給部22内に凹部22aによって形成された空間とが連結されている。また、各シアンインク用個別流路38と、シアンインク供給部23内に凹部23aによって形成された空間とが連結されている。さらに、各ブラックインク用個別流路38と、ブラックインク供給部24内に凹部24aによって形成された空間とが連結されている。
以上の構成により、本変形例では、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色をそれぞれインク排出口11から選択的に排出させることができる。したがって、用紙上に各色に対応するインクを排出することで、フルカラーの画像を形成することができる。
また、上述の第5の変形例では、参考の実施の形態のヘッド1において、インク供給ユニット20が4つのインク供給部21〜24を有しており、インク排出口11からイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色のインクを排出することが可能な場合について説明したが、これと同様に、第の実施の形態及び第の実施の形態のヘッドにおいても、インク供給ユニットが4つのインク供給部を有しており、インクは排出口から4色のインクを排出することが可能であってもよい。
なお、上述の第5の変形例におけるインクの種類については、上述のイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色のインクには限らず、この4色以外の色のインクを用いてもよい。また、1種類以上の複数のインクを用いていればよい。
さらに、上述の参考の実施の形態、並びに第1及び第2の実施の形態では、加圧されたインクが個別流路内の選択的通過領域を通過することを選択的に許容するインク通過許容機構の一例がそれぞれ説明されている。したがって、本実施の形態と同様の効果が得られる範囲で、インク通過許容機構の構成は任意に変更可能である。
加えて、上述の参考の実施の形態では、共通電極31が選択的通過領域に対してインク排出口111とは反対側に形成されている場合について説明したが、これに限らず、共通電極31は、選択的通過領域よりもインク排出口111側にあってもよい。また、共通電極31が共通流路39に形成されている場合について説明したが、共通電極31は、各個別流路38に形成されていてもよい。
また、上述の第の実施の形態では、インク排出ユニット110の下面において個別流路138内の高撥液膜114に対向する位置に突起部117が形成されている場合について説明しているがこれには限られない。例えば、突起部117は形成せずに、インク排出ユニット110の下面において、個別流路138内の高撥液膜114のY方向両端部と凹部116のY方向両端部とが対向するように凹部116を形成すると共に、凹部116のY方向の両側面間にアクチュエータ131を配置し、凹部116のY方向の両側面をY方向に振動させるようにしてもよい。
また、上述の第の実施の形態では、高撥液膜114のインク排出口111側の境界線は、インクの流動方向に直交する直線からなっており、インク排出口111とは反対側の境界線は、インク流動方向に直交する直線に対して傾斜方向が逆の直線が交互に並べられたジグザグ形状である場合について説明しているが、これには限られない。高撥液膜114は、インクに加えられる流動方向について下流側への力が大きくなったときに、上流側のインクが高撥液膜114を通過しやすくなる形状であればどのような形状であってもよい。例えば、高撥液膜114の表面に、撥液性の低い低撥液領域の島を設け、インク排出口111側のよりもインク排出口111とは反対側の方が、低撥液領域の島の数が多くなるようにしてもよい。また、インク排出口111側の境界線とインク排出口111とは反対側の境界線とは、同じ形状であってもよい。
さらに、上述の第の実施の形態では、アクチュエータ131によって突起部117を振動させる場合について説明したが、突起部117を振動させる発振機構はこれには限られない。例えば、モータを用いて突起部117を振動させてもよい。
また、上述の第の実施の形態では、Z方向に沿った長さが可変であるアクチュエータ232に低撥液板231を取り付けることによって、低撥液板231をZ方向に沿って変位させる場合について説明したが、低撥液板231を変位させる駆動機構はこれには限られない。例えば、棒状の金属部材の先端に低撥液板231を取り付け、金属部材を加熱又は冷却することによって伸縮させて、低撥液板231を変位させてもよい。
加えて、上述の参考の実施の形態、並びに第1及び第2の実施の形態では、空気供給管に設けられたポンプによりインクタンクに空気を供給することによって、インクタンク内のインクを加圧し、ヘッドに加圧されたインクを供給する場合について説明したが、加圧されたインクをヘッドに供給する方法はこれには限られない。例えば、インクタンクをヘッドよりも高い位置に配置し、水頭圧によってヘッドに加圧されたインクが供給されるようにしてもよい。
また、上述の参考の実施の形態、並び第1及び第2の実施の形態では、電圧印加制御部によって、インク排出口から排出される1滴あたりのインクの体積を調整し、多段階の階調印字を行うことが可能な場合について説明したが、電圧制御部は無くてもよい。
さらに、上述の参考の実施の形態、並び第1及び第2の実施の形態では、インクを選択的に排出可能なプリンタについて説明したが、本発明の適用範囲はこれには限られない。例えば、各個別流路内に複数種類の薬液を供給し、これらを選択的に排出することによって、所定の順番で薬液の調合を行い反応を観察するようなマイクロファクトリとして用いてもよいし、マイクロマシン内に設けられるマイクロバルブとして用いてもよい。
本発明の参考の実施の形態に係るプリンタの概略構成を示す模式図である。 図1のインクタンクの模式的な断面図である。 図1のIII-III線に沿う断面を共に描いたヘッド1の要部斜視図である。 図3のヘッドの横面図である。 図4のV−V線に沿うヘッドの断面図である。 図4のVI−VI線に沿うヘッドの断面図である。 図5のヘッドの部分拡大図である。 図6のヘッドの部分拡大図である。 図1のプリンタの制御を示すブロック図である。 図1のヘッドの選択的通過領域付近での個別流路の断面図である。 本発明の第の実施の形態に係るプリンタに備えられたヘッドのインク排出ユニットの横断面図である。 図11のヘッドのXII−XII線に沿う断面図である。 図11のヘッドのXIII−XIII線に沿う断面図である。 図11のヘッドの選択的通過領域付近での個別流路の断面図である。 本発明の第の実施の形態に係るプリンタに備えられたヘッドのインク排出ユニットの横断面図である。 図15のヘッドのXVI−XVI線に沿う断面図である。 図15のヘッドのXVII−XVII線に沿う断面図である。 図15のヘッドの選択的通過領域付近での個別流路の断面図である。 図1のヘッドの第1の変形例であり、個別流路のインクの流動方向に沿う縦断面図である。 図19のヘッドの一変形例であり、個別流路の部分横断面図である。 図1のヘッドの第2の変形例であり、個別流路のインクの流動方向に沿う縦断面図である。 図1のヘッドの第3の変形例であり、個別流路のインクの流動方向に沿う縦断面図である。 図1のヘッドの第4の変形例であり、個別流路のインクの流動方向に沿う縦断面図である。 図23の個別流路のXXIV−XXIV線に沿う断面図の一部分である。 図1のヘッドの第5の変形例であり、インク排出ユニットの横断面図である。 図25のヘッドのXXVI−XXVI線に沿う断面図である。 図25のヘッドのXXVII−XXVII線に沿う断面図である。
1 ヘッド(液体移送ヘッド)
11 インク排出口(液体排出口)
31 共通電極(第1の電極)
32 個別電極(第2の電極)
33 高撥液絶縁膜(絶縁体)
34 インク通過許容機構(液体通過許容手段)
38 個別流路
39 共通流路
43 電圧印加制御部(制御手段)
50 インクタンク
60 プリンタ(液体移送装置)

Claims (20)

  1. 液体排出口を有していると共に、液体が接する内壁に、第1の領域と、前記第1の領域に対して液体の流動方向に隣接した位置にあって且つ前記第1の領域よりも撥液性が高い第2の領域とが形成されており、前記第2の領域に対応した位置が、前記液体排出口に向けて加圧された液体が前記液体排出口に向かって通過することができず気体が定在する位置となる個別流路と、
    前記加圧された液体が前記第2の領域に対応した位置を通過することを選択的に許容する液体通過許容手段とを備えており、
    前記液体通過許容手段を構成する部材の少なくとも一部が、前記第2の領域に対応する位置に設けられており、
    液体に加圧される圧力が変動することを特徴とする液体移送ヘッド。
  2. 前記内壁において液体の流動方向における前記第2の領域の縁に対応した位置に、一又は複数の突起が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体移送ヘッド。
  3. 前記第2の領域の液体に接する面が、前記第1の領域の液体に接する面に対して突出していることを特徴とする請求項1または2に記載の液体移送ヘッド。
  4. 液体としてインクを排出することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の液体移送ヘッド。
  5. 複数の前記液体排出口が一列に配列されるように複数の前記個別流路が配置されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の液体移送ヘッド。
  6. nを2以上の固定された自然数として、最も端にある前記個別流路からn×N+1(Nは0以上の整数変数)番目に当たる前記個別流路に接続された第1の共通流路と、n×N+2番目に当たる前記個別流路に接続された第2の共通流路と、…、n×N+n番目に当たる前記個別流路に接続された第nの共通流路とをさらに備えており、これらn個の共通流路がそれぞれ個別流路との距離が異なる位置に形成されていることを特徴とする請求項に記載の液体移送ヘッド。
  7. 前記n個の共通流路には、液体としてそれぞれ色の異なったインクが充填されることを特徴とする請求項に記載の液体移送ヘッド。
  8. 複数の前記個別流路に共通に接続する共通流路をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜に記載の液体移送ヘッド。
  9. 前記液体通過許容手段が、少なくとも前記第2の領域において前記個別流路の内壁を振動させる発振機構を備えていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の液体移送ヘッド。
  10. 前記発振機構が、電圧の印加に伴って、前記個別流路内における液体の流動方向に前記第2の領域に対向した外壁を振動させる圧電素子を含んでいることを特徴とする請求項に記載の液体移送ヘッド。
  11. 前記第2の領域が2つの前記第1の領域の間に挟まれており、
    前記第2の領域は、液体が、前記第2の領域に対応した位置に対して前記液体排出口側にある前記第1の領域から前記第2の領域へ浸入するよりも、前記第2の領域に対応した位置に対して前記液体排出口とは反対側にある前記第1の領域から前記第2の領域へ浸入し易い構造を有していることを特徴とする請求項又は1に記載の液体移送ヘッド。
  12. 前記第2の領域と前記第2の領域に対して前記液体排出口側にある前記第1の領域との境界線は、液体の流動方向に直交する直線からなり、前記第2の領域と前記第2の領域に対して前記液体排出口側とは反対側にある前記第1の領域との境界線は前記直線に対する傾斜角が異なる部分を含んだ線であることを特徴とする請求項1に記載の液体移送ヘッド。
  13. 前記液体通過許容手段が、
    前記第2の領域よりも撥液性が低い面を有しており、前記面が前記第2の領域と対向するように配置された低撥液性部材と、
    前記低撥液性部材の前記面を前記個別流路内の液体に接する位置と離間する位置との間で変位させることが可能な駆動機構とを備えていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の液体移送ヘッド。
  14. 前記駆動機構が、電圧の印加に伴って、前記低撥液性部材の前記面と前記第2の領域との間の距離が変化する方向に変形する圧電素子を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の液体移送ヘッド。
  15. 前記個別流路が断面が凹状に形成されるように大気開放された開口を有し、前記開口が液体の流動方向に沿って延在していることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の液体移送ヘッド。
  16. 前記個別流路の前記開口が形成された外壁は、前記第1の領域よりも撥液性が高く形成されていることを特徴とする請求項15に記載の液体移送ヘッド。
  17. 前記個別流路には、液体の流動方向における前記第2の領域に対応した位置に、大気連通孔が形成されていることを特徴とする請求項〜1のいずれか1項に記載の液体移送ヘッド。
  18. 液体排出口を有する液体移送ヘッドと、
    前記液体移送ヘッド内の液体を前記液体排出口に向かう方向に加圧する加圧機構と、
    前記液体移送ヘッドを制御するための制御手段とを備えており、
    前記液体移送ヘッドが、
    液体が接する内壁に、第1の領域と、前記第1の領域に対して液体の流動方向に隣接した位置にあって且つ前記第1の領域よりも撥液性が高い第2の領域とが形成されており、前記第2の領域に対応した位置が、前記加圧機構によって加圧された液体が前記液体排出口に向かって通過することができず気体が定在する位置となる個別流路と、
    前記制御手段の制御に基づいて、前記加圧された液体が前記第2の領域に対応した位置を通過することを選択的に許容する液体通過許容手段とを備えており、
    前記液体通過許容手段を構成する部材の少なくとも一部が、前記第2の領域に対応する位置に設けられており、
    前記加圧機構は、前記液体移送ヘッド内の液体に変動する圧力を加圧することを特徴とする液体移送装置。
  19. 前記液体通過許容手段が、少なくとも前記第2の領域において前記個別流路の内壁を振動させる発振機構を備えており、
    前記制御手段が、前記発振機構が前記個別流路の内壁を振動させる時間を調整可能であることを特徴とする請求項18に記載の液体移送装置。
  20. 前記液体通過許容手段が、
    前記第2の領域よりも撥液性が低い面を有しており、前記面が前記第2の領域と対向するように配置された低撥液性部材と、
    前記低撥液性部材の前記面を前記個別流路内の液体に接する位置と離間する位置との間で変位させることが可能な駆動機構とを備えており、
    前記制御手段が、前記低撥液性部材の前記面が前記個別流路内の液体に接する位置に前記低撥液性部材が保持される時間を調整可能であることを特徴とする請求項18に記載の液体移送装置。
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