JP4590660B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク等の光情報記録媒体の読み取り装置、およびその光ピックアップの光源として用いられる半導体レーザ装置に係り、特にDVD(Digital Versatile Disc)とCD−R(Compact Disc-write once)の互換再生システムに好適な半導体レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に普及している民生用ディスクシステムであるCDに対し、近年、より高密度なDVDシステムが提案、商品化され、普及が始まっている。この再生装置であるDVDプレーヤにおいては、装置の重複や使用上の煩雑さを避けるために、CDの互換再生が必須となっている。また、CDプレーヤで再生可能とされているCD−R(Compact Disc-write once)についても、同様に互換再生機能が求められている。そこで、このような複数種の規格の光ディスクを再生するための技術が種々開発されている。ここでは特に、前記を実現する構成の簡略化やコストダウンが課題となっている。
【0003】
とりわけ、前述のCD−Rにおいては、記録媒体の反射率が大きな波長依存性を持つことから、DVD用の650nm帯とは異なる780nm帯の半導体レーザ(レーザ光源)が必須である。従って、前記2波長の半導体レーザを内蔵したピックアップ光学系が必要となっている。
【0004】
上記に鑑みて、従来、独立した2つのピックアップを機械的に結合したもの、或いは、受発光集積素子を各波長独立に取付けると共にダイクロイックプリズムで同一光軸に合成し、対物レンズなど一部の光学系を共用したもの(「集積型DVD用光ヘッド」:水野ら、National Technical Report Vol.43 No.3 Jun. 1997 pp275〜)などが開発されてきた。しかし、このタイプのものでは、(1)部品点数が増大する(2)小型化が出来ない(3)各光学素子の位置調整が必要となるなどの問題点が有った。
【0005】
そこで、近年ではさらに、前記2波長の半導体レーザを一体化する試みがなされている。すなわち、前記各波長のレーザ光を発振する2種の半導体レーザを同一パッケージに搭載し、他の部品は独立であるものの光軸は共通化したものである(1997秋季応用物理学会予稿4p−ZE−5)。
【0006】
また、同一パッケージ内に2個の半導体レーザのみならず受光素子も集積化した提案もなされている(特開平10−21577或いは特願平10−297402)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記の2波長の半導体レーザを内蔵したピックアップの中でも、両者を同一パッケージに集積化したものは、他の光学系をすべて共通化できる可能性があることから、ピックアップならびに光ディスク装置の小型化に寄与でき、望ましい。
【0008】
しかしながら、異なる二つの波長を完全に同一の発光点から出射する半導体レーザは存在しない。従って、2個の半導体レーザを近接・並置することで、両発光点を100μm程度に近接させ、光学設計上理想的な発光点位置からのずれは妥協する形で実用上の性能を確保しようとする試みがなされている(前記 1997秋季応用物理学会予稿4p−ZE−5)。
【0009】
このように、半導体レーザの発光点が理想的位置からずれた場合、大別して以下の2種の問題が生じる。
【0010】
1.幾何光学(光線追跡)的収差発生の問題
ピックアップ光学系のレンズ設計においては、設計中心において、点光源から出射した光線が、ディスク盤面上で再び1点に収束するよう設計する。実際の配置がこの条件からずれると、収差の発生によって上記光線が厳密には1点に収束しなくなる。そこで、DVDなどの高密度光ディスクシステムでは、少なくとも光線追跡に於ける収差は殆ど発生しないように設計がなされる。
【0011】
また光ディスクシステムでは、いわゆるトラッキング動作のため、対物レンズのみが通常おおよそ±0.5mm程度の可動範囲を持つ。従って、前記光学設計ではレンズの像高特性を最適化することにより、この範囲で収差が所定量以内に収まるようにしなければならない。
【0012】
前記2つの発光点が一定距離離れているような上記光学系では、対物レンズの可動範囲に加えて、この距離分も考慮した像高特性を満足することが必要である。詳述しないが、これは光学設計により可能である。
【0013】
2.光強度分布の中心ずれに関する問題
半導体レーザにおいて、発光点から出射する光束は、概略、出射端面に遮蔽されない全ての方向に発散する球面波と見なせる。しかし、その光強度は角度分布を持っており、出射端面の法線を中心として、一般的に半値幅が30度×10度程度のガウス分布を示す。
【0014】
このようなレーザ光の発光点が光学的理想位置からずれると、その光強度分布は最終射出瞳の中心に対して非対称となる。
【0015】
3.これらをより詳細に説明すると以下の通りである。
【0016】
図11は、2個の半導体レーザを近接・並置してなる半導体レーザ装置を含む光学装置の一例を示す。より詳細には、前記光学装置は、相互に近接・並置された第1、第2の半導体レーザ1、2と、この半導体レーザ1、2からのレーザ光を光ディスク9へ収束する対物レンズ5とを備えてなる。
【0017】
ここに第1,第2の半導体レーザの発光点3、4からの出射光は、各発光点3、4と対物レンズ5の中心6を結ぶ幾何学的中心光線7、8の延長が前記光ディスク9の面と交わる2点10、11で収束する。既に述べたように、前記発光点3、4は、例えばd=100μm程度に近接されている。
【0018】
前述の幾何光学的設計においては、この収束点10、11における光線のずれ、すなわち収差を指標としている。すなわち適宜の幾何光学的設計を行うことにより、ある程度の発光点3、4のずれdに対して収差を実用範囲内に抑える。
【0019】
図12(a)は、図11おける前記第2の半導体レーザ2から出射される出射光12の強度分布中心光線(即ち強度分布中心の軌跡)14を示す。すでに述べたように、前記第2の半導体レーザ2の出射光12の強度分布は、第2の半導体レーザ2の出射端面2aの法線方向に中心を持つ。従って、前記強度分布中心光線14は、図12(a)に示すように対物レンズ瞳の中心から外れた位置を通り、収束時も図11の中心光線8とは異なる角度で集光点に至る。
【0020】
図12(b)は、対物レンズ瞳51の位置に対する、前記第1、第2の半導体レーザ1、2からの出射光の強度分布15、16を表す。この図から分かるように、幾何光学的中心光線と強度分布中心光線が一致する第1の半導体レーザ1からの出射光の強度分布15は、対物レンズ瞳51の中心51aに対して左右対称である。これに対して、強度分布中心光線が幾何光学的中心光線と一致しない第2の半導体レーザ2からの出射光12の強度分布16は、前記対物レンズ瞳51の中心51aに対して左右が非対称となる。
【0021】
図13(a)は、図11又は図12に示す光学装置において、対物レンズ5を、点線で表される位置(図11及び12における位置)から実線で表される位置へ移動し、第2の半導体レーザ2について、幾何光学的中心光線8と強度分布中心光線14が一致するようにした例である。なお、図において、番号18は、前記第2の半導体レーザ2からの出射光の収束点を表す。
【0022】
この場合、図13(b)に示すように、第2の半導体レーザ2からの出射光の強度分布16は対物レンズ瞳51の中心51aに対して左右対称になるものの、第1の半導体レーザ1からの出射光の強度分布15は対物レンズ瞳51の中心51aに対して左右非対称になる。
【0023】
このように半導体レーザ装置において、出射光の強度分布が対物レンズ瞳の中心に対して左右非対称となると、これを用いる光ピックアップでは、以下のような種々の問題(1)−(4)が生じる。すなわち、
(1)ファーフィールドでディスク・ラジアル方向に光束を2分割し、その差を取る、いわゆるプッシュプル法のトラッキングエラー信号では、左右成分の強度バランスが崩れ、オフセットを生じる。
【0024】
(2)ファーフィールドでディスク・ラジアル方向及びタンジェンシャル方向に光束を4分割し、その対角成分の和同士で位相比較をする、いわゆるDPD(Differential Phase Detection)法のトラッキングエラー信号では、この4成分の強度バランスが崩れ、信号品位・精度の劣化を生じる。
【0025】
(3)例えば記録型光ディスクでは、対物レンズ可動範囲内での往路出射光量変化が大きくなることにより、可動範囲端で記録媒体盤面の集光スポットの総光量が低下、十分な記録パワーが得られず、レンズ移動時に記録された信号の品位低下・エラーレート劣化等を生じる。
【0026】
(4)対物レンズ可動範囲で受光素子に達する光量変化が大きくなる。すなわち、RF(読取り)信号やフォーカス・トラッキング信号レベルのレンズ移動に伴う変化が大きくなる。これにより、安定動作可能なレンズ可動範囲が狭まったり、或いは、可動範囲端で検出動作の安定性が劣化する。特に、前記のように光強度中心が瞳中心からずれることで、可動範囲の片側で信号レベル低下が急になるため、前記不具合が生ずる。
【0027】
なお、前記の如き2波長半導体レーザ搭載システムでは、両半導体レーザを同時に使用しないのが一般である。従って、使用する半導体レーザに対し、レンズの基準位置を移動させることで、強度分布中心ずれの問題を回避できるようにも考えられる。
【0028】
しかし、実際のピックアップ光学装置では、前記対物レンズ5はアクチュエータに搭載され、駆動電圧0で機械的中立点に位置し、トラッキングサーボ動作に伴って正/負の電圧が印加され、それに応じて中立点の両方向に移動可能になっている。従って、使用する半導体レーザによって基準位置を変える方法では、少なくともいずれか一方で基準位置を保持する直流電圧が常に必要になり、また、可動範囲も均等に取れない、といった問題を生じ、実用上好ましくない。
【0029】
従って、このような2波長半導体レーザ並置光学系においては、レンズ基準位置の移動に頼らない光強度分布の補正が望まれる。
【0030】
すなわち本発明の目的は、異なる2波長の半導体レーザの発光点間隔が一定量存在する配置においても、両者の強度分布中心を事実上ほぼ一致させることが出来る光ピックアップ装置を提供することである。
【0031】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本願発明の光ピックアップ装置は、第1の発振波長を有する第1のレーザ光を第1の発光点から出射する第1の半導体レーザ及び前記第1の半導体レーザの近傍に配置され前記第1の発振波長とは異なる第2の発振波長を有する第2のレーザ光を第2の発光点から出射する第2の半導体レーザを有する半導体レーザ装置と、前記第1の発光点から出射された第1のレーザ光及び前記第2の発光点から出射された第2のレーザ光をそれぞれ平行光にするコリメートレンズと、前記コリメートレンズを通過した前記第1のレーザ光及び前記第2のレーザ光をそれぞれ集光する対物レンズとを備え、前記コリメートレンズを通過した前記第2のレーザ光の光軸が、前記対物レンズのレンズ中心を通過すると共に前記第2の発光点と前記コリメートレンズのレンズ中心とを結ぶ線に対して平行な位置関係にあり、かつ、前記第2の発光点から出射された前記第2のレーザ光の光軸と前記第1の発光点から出射された前記第1のレーザ光の光軸とが前記各発光点から離れるに従って離れていくように、前記第2の発光点から出射された前記第2のレーザ光の光軸が、前記対物レンズの光軸に対して所定角度傾いていることを特徴とするものである。
【0032】
また、本願発明の光ピックアップ装置は、前記第2の半導体レーザは、前記第2の発光点から出射された前記第2のレーザ光の光軸が前記対物レンズの光軸に対して前記所定角度傾くように前記半導体レーザ装置に固定されていることを特徴とするものである。
【0033】
さらに、本願発明の光ピックアップ装置は、前記第2の半導体レーザは、レーザ共振器構造をなすストライプ部を有し、前記ストライプ部は、前記ストライプ部が延在する方向が前記対物レンズの光軸に対して前記所定角度傾斜する方向に傾いて形成されていることを特徴とするものである。
さらに、本願発明の光ピックアップ装置は、前記第1及び第2の半導体レーザは、互いに対向する対向面をそれぞれ有し、前記第1の半導体レーザの対向面と前記第2の半導体レーザの対向面とは、互いに平行であることを特徴とするものである。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図1−図9を参照して本願発明の実施の形態を説明する。なお図面を通して類似の要素には、類似の図面番号を使用する。
【0035】
図1、図2は、本願発明の第1の実施形態を示す。図1に示すように、この第1実施形態の半導体レーザ装置は、相互に近接・並置された第1、第2の半導体レーザ1、2を備えてなる。そして、この半導体レーザ装置を含む光ピックアップは、前記半導体レーザ1、2からの出射光を光ディスク(光情報記録媒体)9へ収束せしめる対物レンズ5を備える。尚、前記第1、第2の半導体レーザ1、2は、それぞれ相互に異なる第1、第2の波長(例えば、650nm及び780nm)を有する第1、第2のレーザ光を出射する。
【0036】
前記第1の半導体レーザ1の発光点3(第1の発光点)から前記対物レンズ5の中心6を通る中心光線は、前記対物レンズ5の光軸L上に位置しており、且つ、その出射端面1aもこの光軸Lに垂直である。
【0037】
一方、前記第2の半導体レーザ2は、前記第1の半導体レーザ1から(図に於いて左へ)ある距離だけ離れた位置に配置されている。また、その出射端面2aは前記光軸Lに対して直交する平面53に対して角度20bだけ傾斜するように配置されている。この傾斜角20bは、第2の半導体レーザ2の発光点4(第2の発光点)と対物レンズ中心6を結ぶ幾何学的中心光線8が前記対物レンズ5の光軸Lとなす角20aと等しくなるように設定される。これにより、前記発光点4から対物レンズ中心6へ入射する前記幾何学的中心光線8は、出射端面2aの法線に一致する。
【0038】
なお、前記第1、第2の半導体レーザ1、2の間の距離は、すでに述べたように例えば、第1、第2の半導体レーザ1、2の発光点3、4の間隔が100μm程度となるものである。
【0039】
図2(a)は、図1の配置において、前記第2の半導体レーザ2から出射される出射光の強度分布中心光線14を示す。図2(a)に示すように、前記配置に於いては、前記強度分布中心光線14は、対物レンズ中心6を通る幾何学的中心光線8に一致する。
【0040】
従って、図2(b)に示すように、前記配置においては、第2の半導体レーザ2の強度分布16は、対物レンズ瞳51の中心51aに対して対称となる。なお、前記配置において、第1の半導体レーザ1の強度分布15が、対物レンズ瞳51の中心51aに対して対称となるのは勿論である(これは、図11の場合と同様である)。従って、この場合、図示の通り、第2の半導体レーザ2の強度分布16の中心位置は、第1の半導体レーザ1の強度分布15の中心位置と一致する。
【0041】
このように、この第1実施形態では、部品の配置(向き)を調整することによって、2つの異なる半導体レーザ1、2を(所定距離離間した状態で)近接・並置した場合でも、両半導体レーザ1、2からの出射光の光強度分布を対物レンズ瞳51の中心51aに対して対称にすることができ、且つ、その中心位置を相互に一致させることが可能である。
【0042】
ところで、前記傾斜角20bの最適値は、より詳細には、適用するシステムや制御しようとする特性の選択に応じて決定される。これを説明すると、以下の通りである。
【0043】
1.「プッシュプル法のトラッキングエラー検出信号のオフセット発生」或いは「DPD法のトラッキングエラー検出信号の品位・精度の劣化」を解決する場合([発明が解決しようとする課題]の項で述べた問題(1)(2)参照)
この場合、対物レンズ瞳51内での光強度分布が、当該瞳中心51aに対して略対称となるように傾斜角20bを決定する。
【0044】
即ち、この場合、前記第1の半導体レーザ1の出射光による光強度分布15と、前記第2の半導体レーザ2の出射光による光強度分布16とが、ともに前記対物レンズ瞳51の中心51aに対して、略対称となるように、前記第1,第2の半導体レーザ1、2の出射方向の少なくとも一方を、光軸Lに対し、所定角度傾斜させる。
【0045】
2.「記録型光ディスクでの対物レンズ移動時に記録された信号の品位低下・エラーレートの劣化」を解決する場合([発明が解決しようとする課題]の項で述べた問題(3)参照)
この場合、前記瞳内での分布は問題でなく、むしろ瞳通過後の総光量(強度分布の積分値)、および、その対物レンズ移動に対する当該総光量の変化が重要である。従って、対物レンズ移動に対する許容度確保の見地からは、対物レンズ5の可動範囲中心における射出光量が最大となるように決定する。
【0046】
即ち、この場合、最終射出瞳51の可動範囲中心において、前記第1の半導体レーザ1による最終射出瞳出射光量と、前記第2の半導体レーザ2による最終射出瞳出射光量とが、ともに略最大となるように、前記第1,第2の半導体レーザ1、2の出射方向の少なくとも一方の(光軸Lに対する)傾斜角を決定する。
【0047】
3.「対物レンズ可動範囲での受光素子に達する光量変化による、RF(読取り)信号やフォーカス・トラッキング信号の(レンズ移動に伴なう)レベル低下」を解決する場合([発明が解決しようとする課題]の項で述べた問題(4)参照)
この場合、上記2の場合と同様に総光量の変化が問題であるが、記録媒体への「往路」の光量ではなく、媒体による反射光が受光素子に至る時点、すなわち「往復」の光路を経た最終段階での光量変化が問題になる。
【0048】
前記実施形態のように、対物レンズ5に入射する中心光線が傾斜している場合では、対物レンズ出射時と(媒体での反射後の)再入射時の光束位置には「ずれ」が生じ、復路のみの「ケラレ」が生じる。従って、強度分布中心の傾斜最適値も前者とは異なる場合がある。
【0049】
従って、この場合、前記対物レンズ5の可動範囲中心において、前記第1の半導体レーザ1による光ディスク(光情報記録媒体)9からの反射光を光検出器が受光する光量と、前記第2の半導体レーザ2による前記光ディスク9からの反射光を前記光検出器が受光する光量とが、ともに略最大となるように、前記第1,第2の半導体レーザの出射方向の少なくとも一方の(光軸Lに対する)傾斜角を決定する。
【0050】
図3、図4は、本発明の第2の実施形態を示す。図3に示すように、この実施形態においては、対物レンズ5の位置が、第1の半導体レーザ1の発光点3に対する最適位置(図3において点線で示す位置)から左へずらされ、発光点3、4間のほぼ中央位置(図3に於いて実線で示す位置)に配置されている。
【0051】
また、図4に示すように、前記第1、第2の半導体レーザ1、2は、発光点3、4を通る各出射端面1a,2aの法線が対物レンズ中心6を通るように傾斜されている。より詳細には、第1,第2の半導体レーザ1、2の発光点3、4と対物レンズ中心6を結ぶ幾何学的中心光線7、8が、対物レンズ中心6を垂直に通る光軸Lと成す角を21a,22aとし、各出射端面1a,2aが前記光軸Lと直交する平面53と成す角を21b、22bとするとき、角21b、22bが角21a、22bと等しくなるように、前記第1、第2の半導体レーザ1、2を傾斜させる。
【0052】
図4(b)に示すように、この場合にも、第1、第2の半導体レーザ1、2からの出射光の強度分布15、16は、対物レンズ瞳中心51aに対して左右対称となり、且つ、各々の強度分布の中心位置も相互に一致する。
【0053】
第1の実施形態では、前述の幾何光学的収差を、第2の半導体レーザに対して大きく与える構成としていたのに対し、この第2の実施形態では両者に割り振る配置としている。このように、それぞれの半導体レーザが受け持つシステム(例えばDVDとCDなど)の収差に対する許容度等によって、各々の発光点と対物レンズの位置関係は、自由に配置可能である。一方を最適位置に置いた配置でも良いし、各々の許容度を勘案して適当な比率で「ずれ量」を分配しても良い。
【0054】
次に、本発明をいわゆる無限系の光学系に適用した例を説明する。
【0055】
この前提として、まず、従来技術に於ける無限系の光学系の問題点を説明する。
【0056】
図5、図6は、前記従来技術に於ける無限系の光学系の一例を示す。
【0057】
一般に、DVDなど、高密度で高い集積精度を必要とする光ピックアップでは、レーザ出射光をコリメートレンズで一旦平行光束とした後、この一部分を対物レンズで集光する無限系の光学系を採用する場合が多い。この方式では、トラッキング動作に伴なう前述のアクチュエータでの対物レンズ移動の際も、対物レンズに入射する光束は常に傾きの変化しない平行光束であるため、(レンズ移動時の)幾何光学的収差が増加しないという利点がある。
【0058】
図5は、前記従来技術に於ける無限系光学系の光ピックアップの一例を示す。
図5に示すように、この光ピックアップは、第1の半導体レーザ1と、第2の半導体レーザ2と、コリメータレンズ26と、対物レンズ5とから概略構成される。なお番号9は光ディスクを示す。
【0059】
図5に示すように、この例では、前記コリメータレンズ26及び対物レンズ5は、第1の半導体レーザ1を基準に配置されている。すなわち、第1の半導体レーザ1の発光点3は、コリメートレンズ26の中心26a及び対物レンズ5の中心6を通る光軸L上に配置されている。従って、前記発光点3からの中心光線7もこの光軸L上を通過する。
【0060】
これに対して、第2の半導体レーザ2の発光点4は前記光軸Lから(図に於いて左側へ)ずれた位置に配置される。従って、この第2の半導体レーザ2からの出射光は、その発光点4とコリメートレンズ26の中心26aを結ぶ直線の傾きに従い、図示の如くやや傾斜した平行光束としてコリーメータレンズ26から対物レンズ5へ入射される。また、対物レンズ5を基準とした幾何学的中心光線8は、前記傾きを有し、かつ対物レンズ中心6を通る直線8として規定され、この直線の延長線上に集光点11を結ぶ。
【0061】
図6は、この例における第1、第2の半導体レーザ1、2からの出射光の強度分布の挙動を示す。
【0062】
図6(a)は、特に前記第2の半導体レーザ2から出射されるレーザ光の強度分布中心光線14を示す(なお、13は、前記第1半導体レーザ1から出射されるレーザ光の強度分布中心光線を示す)。すでに説明したようにこの強度分布中心光線14は、前記第2の半導体レーザ2の出射端面2aの法線と一致する。従って、前記第2の半導体レーザ出射端面2aの法線となる強度分布中心光線14は、コリメータレンズ中心26aから(発光点間隔と等しい)一定距離離れた点26bでコリメートレンズ26に入射する。その後、前記強度分布中心光線14は前記平行光束の傾きに倣って対物レンズ5に入射し、やはり対物レンズ5の中心6からも離れた点5bを通過して集光点11に至る。
【0063】
図6(b)は、対物レンズ瞳51に対する、前記第1の半導体レーザ1からの出射光強度分布15及び第2の半導体レーザ2からの出射光の強度分布16を示す。図6(b)に示すように、第2の半導体レーザ2からの出射光の強度分布16は、前記対物レンズ中心6からのずれにより、対物レンズ瞳51の範囲に於いてその中心51aに対して左右非対称となる。なお、前記第1の半導体レーザ1からの出射光の強度分布15は、対物レンズ瞳51の範囲に於いてその中心51aに対して左右対称となる。
【0064】
なお、図5では、コリメートレンズ26端を通過した光線が対物レンズ5端より内側を通過する配置となっているため、対物レンズ瞳51の一部に光が入射しない、いわゆる「ケラレ」を生ずる構成となっている。しかし、詳述しないが、これを避ける設計は可能である。
【0065】
このような無限系での幾何学的中心光線8及び強度分布中心光線14の挙動を、図11、12の有限系の場合と比較すると、有限系の場合も無限系の場合も、第2の半導体レーザ2を図面に於いて左へずらした場合に、光ディスク9上での収束点11が図面に於いて右にずれる点は同じである。しかし、強度分布中心光線14は、有限系では、対物レンズ中心6に対して図面に於いて左方向へずれた点を通過する(図12)のに対して、無限系でコリメータレンズと対物レンズとの距離がコリメータレンズの焦点距離以上の場合は、当該中心6に対して図面に於いて右方向へずれた点を通過する(図6)。従って、補正すべき光強度分布ずれが対物レンズ瞳51に対して逆方向に発生しうることがわかる。
【0066】
このような無限系へ本発明を適用するためには、以下のようにすれば良い。すなわち、例えば図5に示す構成に於いて、対物レンズ中心6を通過する前記幾何学的中心光線8を逆にたどり、当該中心光線8がコリメートレンズ26を通過した点27を、前記半導体レーザ2からの出射光の強度分布中心光線が通過するようにする第2の半導体レーザ2の向きを決定する。
【0067】
図7(a)(b)は、本発明の第3実施形態を示す。この第3実施形態は、本発明を前記無限系へ適用した一例である。なお図7(b)は、図7(a)に於いて番号55で示された部分の拡大図である。
【0068】
図7(a)に示すように、この第3実施形態の第1の半導体レーザ1、コリメータレンズ26、対物レンズ5の構成は図6に示すものと実質的に同一である。
また、第2の半導体レーザ2も前記第1の半導体レーザ1に対して左側に近接・並置されている。ただし、前記第2の半導体レーザ2のレーザ出射端面2aは、前記光軸Lに直交する面53に対して傾斜角23bだけ外側へ傾斜されている。ここに前記傾斜角23bは、前記発光点4とコリメータレンズ26との間の幾何学的中心光線8が、前記光軸Lと成す角23aと等しくなるように決定される。より詳細には、前記幾何学的中心光線8は、前記発光点4とコリメータレンズ中心26aとを結ぶ直線に平行で且つ前記対物レンズ5の中心6を通る光線として決定され、図7(a)において前記コリメートレンズ26上の点27を通過する。従って、前記幾何学的中心光線8は、前記発光点4とコリメータレンズ26の間では、前記発光点4と前記点27とを結ぶ直線と重なる。よって、前記発光点4と前記点27とを結ぶ直線が前記レンズ光軸Lと成す角を23aとするとき、前記傾斜角23bは、この角23aと等しくなるように決定される。
【0069】
これにより、前記第2の半導体レーザ2からの強度分布中心光線14と幾何学的中心光線8の位置は相互に一致する。従って、また、前記第1、第2の半導体レーザ1、2からのレーザ光強度分布は、前述の第1、第2実施形態と同様、前記対物レンズ瞳の中心に対して左右対称となり、且つ相互に一致する。
【0070】
図8(a)(b)は、この発明の第4の実施形態を示す。
【0071】
前記第3実施形態の場合、図7(b)に示すように、第1及び第2の半導体レーザ1、2は、発光点3、4が相互に離れる方向へ傾く。従って、2つの半導体レーザ1、2間のクリアランスcが(同一発光点間隔でも通常の配置より)減少することになり、組立て許容精度の点で不利になるおそれがある。この第4の実施形態は、前記第3実施形態の問題(すなわち2つの半導体レーザ1、2間のクリアランスcが減少する問題)を解決するものである。ここに、図8(b)は、図8(a)に於いて番号57で示す部分の拡大図である。
【0072】
この第4の実施形態において、第1の半導体レーザ1、コリメータレンズ26、対物レンズ5の構成は、第3の実施形態の第1の半導体レーザ・コリメータレンズ・対物レンズの構成と実質的に同一である。また、第2の半導体レーザ2も前記第1の半導体レーザ1に対して(図に於いて)左側に近接・並置されている。ただし、この第4実施形態では、出射端面2aを含む第2の半導体レーザ2の外形を傾斜させるかわりに、半導体レーザの導波路ストライプ28のみを出射端面2aの法線に対して所定角度24bだけ傾斜させている。そして前記第2の半導体レーザ2のレーザ出射端面2aは、前記光軸Lに直交する面53と平行にされている。前記傾斜角度24bは、前記第3実施形態と同様に、第2の半導体レーザ2からの出射光の強度分布中心光線14が前記コリメータレンズ上の点27を通るように決定される。
【0073】
前記傾斜角度24bは、具体的には、以下のようにして決定される。
【0074】
前記第3の実施形態と同様に、前記発光点4から点27へ至る幾何学的中心光線8が光軸Lと成す角を24aとする。
【0075】
ところで、通常、第1及び第2の半導体レーザ1、2の両端面は、レーザ共振器の両反射面をなすため導波路ストライプに垂直になっている。ここで前記半導体レーザ1、2の端面とストライプ28との成す角が直角から微小角だけずれると、出射強度中心はそれより大きい角度でずれる。すなわち、前記空気中の出射角度のずれをθ1、ストライプの傾斜角をθ2、空気の屈折率をn(=1)、半導体レーザの導波路実効屈折率をN(=3〜4程度)とすると、スネルの法則より
n sin θ1=N sin θ2 …… (1)
の関係が成り立つ。
【0076】
従って、前記ストライプ傾斜角24bは、幾何学的に得られた前記幾何学的中心光線8の傾斜角24aを上式(1)のθ1に代入してθ2を計算することにより求められる。これにより強度分布中心光線14は、前記幾何学的中心光線8と一致する。
【0077】
かかる半導体レーザは、以下のような方法で製造することができる。すなわち、レーザ端面は結晶方位に従って劈開で形成するのが一般的であるから、例えば、オリエンテーションフラットによって示された結晶方位に対し、上記の計算で求めた傾斜角だけ、ストライプ構造を傾斜させたマスクを用い、結晶成長・パターニング等のプロセスを経てレーザ構造を形成する。
【0078】
なお、このストライプ傾斜角24bが大きくなると、端面で反射し逆方向導波光として再結合する際の損失が発生し、レーザ動作上の性能劣化が懸念される。しかし、式(1)から明らかなように、ストライプ傾斜角24bは実際の強度分布中心光線のずれ角24aの数分の1で済む。従って、光学設計全体の最適化で実用的な解を得ることが出来る。
【0079】
図9(a)(b)は、本発明の第5の実施形態を示す。この第5の実施形態は、前記第4の実施形態のようなストライプ傾斜を用いないで、第1及び第2の半導体レーザ1、2間のクリアランスcを確保するものである。なお図9(b)は、図9(a)に於いて番号59で示す部分の拡大図である。
【0080】
この第5実施形態の構成は第3実施形態の構成と概略同一である。すなわち、この実施形態では強度分布中心光線14の最適方向とストライプ28の方向とを一致させ、出射端面2aはこれらと垂直になっている。従って、光学的には第3の実施形態と等価である。より詳細には、前記第2の半導体レーザ2のストライプ28の方向は出射端面2aと垂直に形成され、この出射端面2aは、光軸Lに直交する平面53に対して角度25bだけ傾斜されている。そして、この傾斜角度25bは、前記発光点4から前記コリメータレンズ上の点27へ進む前記幾何学的中心光線8が前記光軸Lと成す角25aと等しくなるように決定される。
【0081】
ただし、この第5実施態様では、第1及び第2の半導体レーザ1、2間のクリアランスcを確保するために、第2の半導体レーザ2の前後発光点を含まない側面2s1を、もう一方の半導体レーザの側面2s2と略平行になるようにチップ形状を決定している。この場合、前記強度分布中心の傾き角を25aとすると、この外形は((90度)±(角25a))の角度で交わる4辺を持つ平行四辺形となる。
【0082】
この第1及び第2の半導体レーザ1、2を製造するには、通常の半導体レーザ作製工程を経て、前後の出射端面を劈開で形成し、多数のチップが横に連結されたバーを作製したのち、この端面に対し所定角度傾斜した方向にダイシングを行ない、チップ化すればよい。この他、ダイシングによらず、エッチングなどでチップ化してもよい。また、適当な結晶方位の存在する材料であれば、ウエハの切出し角を選定した上で劈開する方法としてもよい。
【0083】
この第5の実施形態によれば、第4の実施形態のようにレーザ特性劣化の心配がなく、かつ第3の実施形態のように半導体レーザ間のクリアランスが減少することもない。
【0084】
なおすでに述べたように、第1、第2実施態様のような有限系の場合には、レーザ強度中心光線14の傾斜は、いわば内側向きとなり(図1―図4参照)、半導体レーザの前方発光点3、4同士が近づく形になるため、実施態様3―5(或いは請求項5、6)のような方法は事実上不要であり、前述の如き半導体レーザの傾斜のみで対応可能である(請求項4参照)。
【0085】
なお、上記実施形態において、光学装置の最終射出瞳は、対物レンズ5の射出瞳51であるとした。しかし、光学装置の最終射出瞳は、これに限られるものではなく、当該光学装置に於いて使用されるミラー、ピンホール、鏡筒等も最終射出瞳となり得る。
【0086】
また、前記実施形態において、前記半導体レーザ1、2の傾斜角20b、21b、22b、23b、25bは、幾何学的中心光線8(コリメータレンズを含む場合は、コリメータレンズと発光点の間の幾何学的中心光線8)が光軸Lと成す角20a,21a,22a,23a、25aと等しくなるように設定される、としたが、これは必ずしも厳密に等しくなる必要は無く、本発明の目的を実用上達成できる範囲でほぼ等しければ良い。又、同様に、第4の実施形態のストライプ傾斜角24bは、式(1)で定まる値に厳密に等しい必要はなく、ほぼ等しければ良い。
【0087】
また、特に図示しないが、これら半導体レーザ1、2の搭載においては、一方の半導体レーザを先に搭載し、その位置・姿勢を画像処理等で認識し、それを基準に所定角度傾斜させてもう一方の半導体レーザを搭載するようにしてもよい。
【0088】
また、両半導体レーザを搭載する面、例えばサブマウントの半導体レーザ搭載用パターンを予め傾斜させて作製し、これを基準に搭載してもよい。さらにはこのパターン上に融着材の表面張力等を利用して自動的に位置決めする、いわゆるセルフアライメント方式を利用して搭載することもできる。
【0089】
以上の第1―第5実施形態によれば、2つの半導体レーザの発光点の間に間隔が有っても、これに起因する検出特性の劣化を回避し、DVDとCD−Rの互換再生、または記録を良好に実現することができる。
【0090】
図10は、前記実施形態を光ピックアップに搭載した構成をしめす。
【0091】
第1,第2の半導体レーザ1,2は、サブマウント101上の同一平面に、前記実施形態に基づいて傾斜させて近接位置でマウントされており、発光点間隔は100μm程度になされている。このサブマウント101は、さらに受光素子基板102にダイマウントされる。この受光素子基板102には、ミラー103もレーザに対向して接着されている。第1及び第2の半導体レーザ1、2の出射光は、ともにこのミラー103の45°反射面で上方に光路変換され、垂直上方に出射する。これらは共に対物レンズ5に
向かうが、対物レンズ中心6の位置に対し、ここを通る幾何学的中心光線7,8は、前記半導体レーザ1、2傾斜搭載の作用によって、強度分布中心光線と一致している。従って、対物レンズ5の瞳範囲では、両者とも強度分布中心が対物レンズ中心6と一致し、対称な強度分布となっている。これらの光束は光ディスク9の情報記録面で、僅かに離れた集光点10,11にスポットを結ぶ。ここで、スポットにおける総光量(光パワー)は、前記半導体レーザ1、2の傾斜搭載の作用によって、2個の半導体レーザ1、2の両方に対し、対物レンズ5の可動範囲中心で最大となり、可動範囲に渡って所定値以上の光量が確保できるようになされている。
【0092】
この後、これらの光束は光ディスク9により反射されて逆の経路で対物レンズ5に再入射した後、第1のレーザ光はホログラム素子104の上面に形成されたホログラム105で回折され、ビーム分岐とレンズ作用を受け、受光領域109に入射する。同様に、第2のレーザ光はホログラム素子104の下面に形成されたホログラム106で回折され、ビーム分岐とレンズ作用を受け、受光領域109に入射する。ここで、ホログラム105,106や受光領域109を適切に設計、領域分割することで、ピックアップ動作に必要なフォーカス、トラッキングの各エラー信号を得ることが可能であるが、ここでは詳細は割愛する。ただし、前記半導体レーザ傾斜搭載の作用によって対物レンズ瞳内、ひいては回折光束内の光強度分布が対称になされているため、単純な均等領域分割でエラー信号を得ようとした設計においても、各信号の強度バランスが保たれ、良好な信号検出が可能である。また、対物レンズの変位に対しても、可動範囲端で信号強度低下が(両方向で)均等かつ最小に抑えられている。
【0093】
なお、図中では各部品は(説明のため)実際とは異なり、離れた位置に描いてあるが、例えば受光素子基板102はさらにパッケージ110に接着、電気的配線をされたのち、ホログラム素子104を上部に接着して気密封止をし一体の受発光デバイスとして構成していてもよいし、当然別々の部品としてもよい。これらは、図示しないアクチュエータに搭載された対物レンズ5とともに、ピックアップ筐体111に組み込まれ、一個の光ピックアップを構成している。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、異なる2波長の半導体レーザの発光点間隔が一定量存在する配置においても、当該各半導体レーザから出射される2波長のレーザ光の、対物レンズ瞳における強度分布中心を事実上ほぼ一致させることができる。従ってまた、前記ずれに起因する特性劣化を回避し、DVDとCD−Rの互換再生、または記録を良好に実現でき、さらに記録再生装置を従来比で大幅に小型化・簡易化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す。
【図2】本発明の第1の実施形態に於ける第1及び第2の半導体レーザからの出射光の光強度分布を示す。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す。
【図4】本発明の第2の実施形態に於ける第1及び第2の半導体レーザからの出射光の光強度分布を示す。
【図5】無限系光学系の光ピックアップの従来例を示す。
【図6】図5に於ける光強度分布の状態を示す。
【図7】本発明の第3の実施形態を示す。
【図8】本発明の第4の実施形態を示す。
【図9】本発明の第5の実施形態を示す。
【図10】前記第1乃至第5の実施形態の内のいずれかを光ピックアップに搭載した構成をしめす。
【図11】従来の半導体レーザ装置の一例を示す。
【図12】図11の半導体レーザ装置における第1及び第2の半導体レーザからの出射光の強度分布を示す。
【図13】図11に示す半導体レーザ装置において、対物レンズが、第2の半導体レーザから出射される出射光に対して最適となるように移動された場合の第1及び第2の半導体レーザからの出射光の強度分布を示す。
【符号の説明】
1:第1半導体レーザ
2:第2半導体レーザ
3:発光点
4:発光点
5:対物レンズ
9:光ディスク
15、16:光強度分布
26:コリメータレンズ
28:導波路ストライプ
51:対物レンズ瞳
51a:対物レンズ瞳の中心
Claims (4)
- 第1の発振波長を有する第1のレーザ光を第1の発光点から出射する第1の半導体レーザ、及び、前記第1の半導体レーザの近傍に配置され、前記第1の発振波長とは異なる第2の発振波長を有する第2のレーザ光を第2の発光点から出射する第2の半導体レーザを有する半導体レーザ装置と、
前記第1の発光点から出射された第1のレーザ光及び前記第2の発光点から出射された第2のレーザ光をそれぞれ平行光にするコリメートレンズと、
前記コリメートレンズを通過した前記第1のレーザ光及び前記第2のレーザ光をそれぞれ集光する対物レンズと、
を備え、
前記コリメートレンズを通過した前記第2のレーザ光の光軸が、前記対物レンズのレンズ中心を通過すると共に前記第2の発光点と前記コリメートレンズのレンズ中心とを結ぶ線に対して平行な位置関係にあり、かつ、前記第2の発光点から出射された前記第2のレーザ光の光軸と前記第1の発光点から出射された前記第1のレーザ光の光軸とが前記各発光点から離れるに従って離れていくように、前記第2の発光点から出射された前記第2のレーザ光の光軸が、前記対物レンズの光軸に対して所定角度傾いている
ことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記第2の半導体レーザは、前記第2の発光点から出射された前記第2のレーザ光の光軸が前記対物レンズの光軸に対して前記所定角度傾くように前記半導体レーザ装置に固定されている
ことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。 - 前記第2の半導体レーザは、レーザ共振器構造をなすストライプ部を有し、
前記ストライプ部は、前記ストライプ部が延在する方向が前記対物レンズの光軸に対して前記所定角度傾斜する方向に傾いて形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。 - 前記第1及び第2の半導体レーザは、互いに対向する対向面をそれぞれ有し、
前記第1の半導体レーザの対向面と前記第2の半導体レーザの対向面とは、互いに平行である
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一に記載の光ピックアップ装置。
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