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JP4583777B2 - ポリイオンコンプレックス微粒子分散液及びポリイオンコンプレックス微粒子 - Google Patents

ポリイオンコンプレックス微粒子分散液及びポリイオンコンプレックス微粒子 Download PDF

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Description

この発明は、カチオン性高分子及びアニオン性高分子から構成されるポリイオンコンプレックス微粒子からなる分散液及び微粒子凝集体に関する。
カチオン性高分子とアニオン性高分子とのイオン結合によって生じるポリイオンコンプレックスからなる微粒子は、医学、医療、化粧品、製紙などの多種多様な分野での利用が提案されている。
ポリイオンコンプレックスを利用した微粒子の調製例としては、古くからゼラチンとアラビアゴムのポリイオンコンプレックスを利用したマイクロカプセルの製造法が知られている(特許文献1参照)。この方法は、電荷を持つ親水性コロイド水溶液中に疎水性物質を乳化あるいは分散させる工程、この乳化物に先のコロイドと反対の電荷を持つ親水性コロイド水溶液を添加し水により希釈した後pHを調整してコアセルベーションを生起し核となる疎水性物質の周囲にコロイドを堆積させたコアセルベートを得る工程、コアセルベートを冷却して固化させる工程、コアセルベート壁膜を不溶化させる工程よりなっている。
しかし、コアセルベートは、濃厚溶液の液滴として存在するため、微粒子を得るためには、ホルマリンなどの架橋剤を加えてゼラチン壁を固定する必要があった。またアラビアゴムは、カプセル壁形成後に脱離することはよく知られており、そのため最終物がポリイオンコンプレックスであるといえるものではなかった。
一方、キトサンの存在下メタクリル酸を懸濁重合あるいは乳化重合させることにより、両性の官能基を有する微粒子を得る方法が知られている(特許文献2参照)。
米国特許第2800457号公報 特開平7−316203号公報
しかしながら、上記微粒子は懸濁重合や乳化重合を用いて調製されているため、この重合物はポリメタクリル酸とキトサンの混合物と考えられ、また微粒子中にメタクリル酸のモノマーが残存すると、変質、異臭の原因になるばかりでなく、モノマーの有する毒性が発現する場合がある。
また、カチオン性高分子を含む溶液とアニオン性高分子を含む溶液を混合してポリイオンコンプレックスを得て、そのポリイオンコンプレックスを粉砕することでポリイオンコンプレックス微粒子を得る方法も知られている。しかしながらこの場合、全体がゲル化したり、複合化していないカチオン性高分子やアニオン性高分子が残ったりして均質的なものが得られにくかった。
そこで、この発明は、カチオン性高分子及びアニオン性高分子からなる均質なポリイオンコンプレックス微粒子及びその分散液を得ることを目的とする。
この発明は、アニオン性高分子の水系溶液とカチオン性高分子の水系溶液とを、混合して混合水系溶液を得、次いで、この混合水系溶液のpHを変化することによって、上記の課題を解決したのである。
カチオン性高分子及びアニオン性高分子を含有する混合水溶液のpHを変化させることにより、カチオン性高分子とアニオン性高分子とのイオン結合を徐々に形成させ、均質なポリイオンコンプレックス微粒子の分散液を得ることができる。
この発明によると、カチオン性高分子及びアニオン性高分子を含有する混合水溶液のpHを変化させることにより、カチオン性高分子とアニオン性高分子とのイオン結合を徐々に形成させ、均質なポリイオンコンプレックス微粒子の分散液を得ることができる。
以下において、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかるポリイオンコンプレックス微粒子分散液は、アニオン性高分子とカチオン性高分子とがイオン結合することによって構成されるポリイオンコンプレックスを主成分とする微粒子からなり、上記微粒子濃度が1重量%の場合における上記微粒子の粒子径が0.01〜50μmであり、分布幅が10以下の微粒子を含む分散液である。
上記アニオン性高分子とは、官能基としてアニオン性を発揮する官能基を有する高分子をいう。このため、アニオン性を発揮する官能基は、上記アニオン性高分子の重合度に合わせて多数存在する。
上記アニオン性高分子を構成するモノマー単位当たりに含まれる、アニオン性を発揮する官能基の数、すなわち、置換度は、0.1以上がよく、0.2以上が好ましく、0.3以上がより好ましい。0.1より小さいと、後述する水を含有する溶媒に溶解しない場合がある。一方、上記官能基の数の上限は、特に限定されないが、モノマー単位当たり3程度で十分である。
このアニオン性高分子の重合度は、10以上が好ましく、100以上がより好ましい。10より小さいと、カチオン性高分子と複合したときに、ポリイオンコンプレックス微粒子を生じない場合がある。重合度の上限としては、特に限定されないが、10万程度で十分である。
上記アニオン性高分子の例としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、カルボキシメチルセルロース、繊維状カルボキシメチルセルロース、セロウロン酸、硫酸セルロース、アルギン酸等や、これらの塩化合物等があげられる。上記塩化合物としては、ナトリウム塩、カリウム塩等があげられる。また、上記各アニオン性高分子は、単独で又は2種以上併用することができる。
上記カチオン性高分子とは、官能基としてカチオン性を発揮する官能基を有する高分子をいう。このため、カチオン性を発揮する官能基は、上記カチオン性高分子の重合度に合わせて多数存在する。
上記カチオン性高分子を構成するモノマー単位当たりに含まれる、カチオン性を発揮する官能基の数、すなわち、置換度は、0.1以上がよく、0.2以上が好ましく、0.3以上がより好ましい。0.1より小さいと、後述する水を含有する溶媒に溶解しない場合がある。一方、上記官能基の数の上限は、特に限定されないが、モノマー単位当たり3程度で十分である。
このカチオン性高分子の重合度は、10以上が好ましく、100以上がより好ましい。10より小さいと、アニオン性高分子と複合したときに、ポリイオンコンプレックス微粒子を生じない場合がある。重合度の上限としては、特に限定されないが、10万程度で十分である。
上記カチオン性高分子の例としては、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、キトサンやそれらの塩化合物等や、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル等のカチオン化セルロース、デンプン糖ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル等のカチオン化デンプン、N−グリシジルトリメチルアンモニウムキトサン等の4級化キトサンがあげられる。上記塩化合物としては、塩酸塩等があげられる。また、上記各カチオン性高分子は、単独で又は2種以上併用することができる。
この発明にかかるポリイオンコンプレックス微粒子分散液は、次の方法で製造することができる。
まず、上記のアニオン性高分子とカチオン性高分子とを、水を含有する溶媒、すなわち、水系溶媒中で分子レベルで分散・相溶させて相溶溶液を作製する。
なお、ここで、アニオン性高分子及びカチオン性高分子が「分子レベルで分散・相溶している」とは、アニオン性高分子とカチオン性高分子の混合溶液が沈殿物を生じず、かつ、系中のすべての高分子鎖の殆どの部分が互いに会合せずに、局所的に分散している状態をいう。例えば、小角X線散乱実験に於ける絶対強度測定から得られる高分子鎖の単位長さ当たりの分子量ML,obsd.の値が、分子構造式から単一鎖に対して計算される値ML,calcd.(±50%)に等しくなる状態である。
上記水系溶媒とは、水を含有する溶媒をいい、水と混合させる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の水溶性の有機溶剤があげられる。この溶媒の種類としては、酸又はアルカリ性の水溶液や、これらに上記有機溶剤を含有したものがよい。
上記水系溶媒中の水の含有率は、5〜100体積%がよく、50〜100体積%が好ましく、80〜100体積%がより好ましい。5体積%より少ないと、上記両高分子が相溶しない場合がある。
上記の相溶溶液は、例えば、下記の(1)〜(6)の方法で製造することができる。
(1)上記のカチオン性高分子及びアニオン性高分子を別々に酸性水系溶液に溶解し、それらの水系溶液を混合する方法。
(2)上記のカチオン性高分子及びアニオン性高分子を別々にアルカリ性水系溶液に溶解し、それらの水系溶液を混合する方法。
(3)上記カチオン性高分子を酸性水系溶液に溶解し、上記アニオン性高分子を中性又は薄いアルカリ性水系溶液に溶解し、それらの水系溶液を混合する方法。
(4)上記カチオン性高分子を中性又は薄い酸性水系溶液に溶解し、上記アニオン性高分子をアルカリ性水系溶液に溶解し、それらの水系溶液を混合する方法。
(5)上記のカチオン性高分子及びアニオン性高分子を同時に又は順に(上記のカチオン性高分子及びアニオン性高分子を入れる順番は問わない)、酸性水系溶液に溶解する方法。
(6)上記のカチオン性高分子及びアニオン性高分子を同時に又は順に(上記のカチオン性高分子及びアニオン性高分子を入れる順番は問わない)、アルカリ性水系溶液に溶解する方法。
なお、上記の(1),(2),(5),(6)の方法では微量(10%以下)の不溶物が生成する場合があるが、例えば遠心分離機により簡単に除去可能である。
上記の(1)〜(6)の方法は、pHを1〜4付近まで低くし、又は中性以上に高くすることにより、上記のカチオン性高分子とアニオン性高分子とを水系溶媒中に分子レベルで分散・相溶させる方法である。
なお、上記のカチオン性高分子とアニオン性高分子とが相溶するためのpH条件は、高分子の種類に依存し、例えば、上記カチオン性高分子としてキトサンを用い、かつ、上記アニオン性高分子としてカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を用いる場合は、pHを1〜3程度に低くするか、又は7以上に高くすることが好ましい。
上記の相溶溶液を製造する際における、上記のカチオン性高分子やアニオン性高分子を含有する酸性水系溶液やアルカリ性水系溶液等中の上記のカチオン性高分子やアニオン性高分子の濃度は、0.1〜50重量%がよく、0.5〜10重量%が好ましく、1〜7重量%がより好ましい。50重量%を超える高濃度では、ゲル状態あるいは粘ちょうとなり、流動性が非常に低い。一方、0.1重量%未満では、最終的に得られる複合体に対して使用する上記水系溶液の量が多く、効率的でない。
上記酸性水系溶液としては、上記高分子相溶溶液が安定に存在しえるものであれば限定されず、例えば、塩酸水溶液等があげられる。また、上記アルカリ性水系溶液としては、上記高分子相溶溶液が安定に存在しえるものであれば限定されず、例えば、水酸化ナトリウム水溶液等があげられる。また、上記の酸性水系溶液やアルカリ性水系溶液、水には、上記したように所定量の上記有機溶剤を含有させてもよい。
上記塩酸水系溶液の塩酸濃度は、0.000001〜10mol/Lがよく、0.00001〜1mol/Lがより好ましい。0.000001mol/Lより薄いと、相溶しない場合がある。一方、10mol/Lを超えると、中和に必要なアルカリ性水系溶液の量が多くなり、経済的に不利となる。
上記水酸化ナトリウム水溶液の水酸化ナトリウム濃度は、0.000001〜10mol/Lがよく、0.00001〜1mol/Lがより好ましい。0.000001mol/Lより薄いと、相溶しない場合があり、一方、10mol/Lを超えると、中和に必要な酸性水系溶液の量が多くなり、経済的に不利となる。
上記の相溶溶液を製造する際、上記2種類の溶液を混合するときにおける上記カチオン性高分子とアニオン性高分子の組成は、カチオン性高分子のカチオン当量、すなわち、カチオン性高分子に含有されるカチオン性を発揮する官能基数の溶液中における総数と、アニオン性高分子のアニオン当量、すなわち、アニオン性高分子に含有されるアニオン性を発揮する官能基数の溶液中における総数との比が、カチオン当量/アニオン当量=0.05〜20であり、0.2〜5が好ましく、0.5〜2がより好ましい。上記範囲を逸脱すると、十分な強度を有するポリイオンコンプレックスが得られない場合がある。
次に上記(1)〜(6)の方法で製造された相溶溶液からポリイオンコンプレックス微粒子の分散液を生成する。この方法は、上記の相溶溶液のpHを変化させることにより、上記両高分子を結合させて微粒子を形成させ、これを分散させる方法である。
上記の相溶溶液のpHを変化させるとは、上記相溶溶液の液性が酸性であれば、水素イオン濃度を減少させることをいい、液性がアルカリ性であれば、水素イオン濃度を増加させることをいう。これは、一般にpHメーターによって測定でき、pHメーターの示す値で見ることができる。これは、上記水系媒体として水溶性有機溶剤を含んでいる場合でも同様である。
上記の相溶溶液のpHを変化させていくと、レーザー回折式粒度分布測定装置によって測定される粒子径が0.01〜50μmであり、分布幅が10以下のポリイオンコンプレックス微粒子を含むポリイオンコンプレックス微粒子分散液が生じてくる。
その場合のpH値の変化量は、使用されるカチオン性高分子及びアニオン性高分子の種類にもよるが、0.1以上あればよく、0.3以上あれば好ましく、1以上であればより好ましい。一方、pHを変化させる上限は、粒子径が0.01〜50μmであり、分布幅が10以下に収まる範囲であれば、特に限定されない。上記の相溶溶液のpHを変化させていくと、透明状態から、白濁状態(分散状態)に変化する。そして、続けてpHを変化させていくと、沈殿物が生じ、再び白濁状態(分散状態)に変化して、最後には、相溶状態となる。このため、上記相溶溶液の液性が酸性の場合にアルカリ性までpHを変化させたり、上記相溶溶液の液性がアルカリ性の場合に酸性までpHを変化させてもよいが、変化させるpHの値によっては、不溶化したポリイオンコンプレックスが再び相溶化する場合がある。
具体的なpHの変化量は、pHを変化させて微粒子を形成させて分散化させたとき、波長600nmでの光の透過率が50%以下がよく、30%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。50%より高いと、分散液中に十分に微粒子が生成していない傾向がある。
なお、上記の透過率は、分散液中の微粒子含有量が1重量%の分散液においての値に換算した値である。
上記のpHを変化させる方法としては、特に限定しないが、塩酸水溶液等の酸性水溶液や、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性水溶液を上記相溶溶液に添加する方法等があげられる。また、上記相溶溶液を異なるpHの水溶液に流し込む方法等があげられる。
このようにして得られたポリイオンコンプレックス微粒子分散液中の微粒子の粒子径は、0.01〜50μmがよく、0.1〜5μmが好ましい。0.01μmより小さい粒子も50μmより大きい粒子も得難い傾向がある。このポリイオンコンプレックス微粒子分散液中に含まれる微粒子の粒子径は、使用する高分子の種類やその分子量(又は平均分子量)と、置換度、カチオン当量とアニオン当量との比率、分散液のpH、分散液中のイオン強度等を変化させることにより、変化させることができる。
また、上記粒子の分布幅は、10以下がよく、5以下が好ましく、2.5以下がより好ましい。10より大きいと分散液中に含まれる微粒子の単分散性が劣り、使用できる用途が制限される傾向がある。
このようにして得られたポリイオンコンプレックス微粒子分散液を、ろ過や遠心分離等の操作によって分離し、ポリイオンコンプレックス微粒子を水溶性有機溶剤で洗浄を行い、さらに熱風乾燥や凍結乾燥等の乾燥処理を行うことにより、ポリイオンコンプレックス微粒子を製造することができる。通常、ポリイオンコンプレックス分散液をそのまま乾燥させると、分散液中に含まれる水分によって、ポリイオンコンプレックスの透明なフィルムやポリイオンコンプレックス微粒子が強固に結合した固まりとなるが、水溶性有機溶剤を用いた洗浄操作により粒子径が小さく分布幅が狭いポリイオンコンプレックス微粒子を容易に得ることができる。
上記有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、エチレングリコール、トリエチレングリコール等のアルコール、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。
また、ポリイオンコンプレックス微粒子分散液からポリイオンコンプレックス微粒子を分離する前に、予めポリイオンコンプレックス微粒子分散液に上記有機溶剤を添加することができる。この操作によって、ポリイオンコンプレックスのフィルム化やポリイオンコンプレックスの固化を防ぐことができる。
上記ポリイオンコンプレックス微粒子分散液に含まれる上記有機溶剤の割合は、1〜99重量%がよく、5〜50重量%が好ましい。1重量%未満の場合は、ポリイオンコンプレックス微粒子が凝集しやすくなり、99重量%を超えると添加する有機溶剤の量が多くなり、効率的でない。乾燥直後の微粒子は、極めて弱い二次凝集の形態を呈するが、スパーテルなどで容易に解砕され、粉砕・分級機等を用いることなく、微粒子パウダーが得られる。
上記の方法で得られるポリイオンコンプレックス微粒子は、凝集されていない球状の一次粒子(以下、単に「一次粒子」と称する。)、又は一次粒子が接合し、ある一定の大きさに揃った凝集体として得られる。この一次粒子や凝集体(この明細書において、合わせて「微粒子」と称する。)の粒子径は、0.01〜250μmがよく、0.05〜50μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。0.01μmより小さいものは得難い。一方、250μmより大きいと微粒子の域を超える。
特に、上記一次粒子の粒子径は、0.1〜5μmがよく、0.5〜1.5μmが好ましい。0.1μmより小さいと、凝集が生じ易い。一方、5μmより大きい微粒子が得難い傾向がある。
また、上記微粒子の分布幅は、50以下がよく、10以下が好ましく、3以下がより好ましい。50より大きいと微粒子の単分散性が劣り、使用できる用途が制限される。特に、上記一次粒子の分布幅は、5以下がよく、2以下が好ましい。
上記の方法で得られるポリイオンコンプレックス微粒子の水不溶性は、水に加える前後の残存率が、50%以上がよく、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。水不溶性が50%未満、すなわち、50%超が水に溶解すると、水を含む製品での使用が制限される。
上記一次粒子のより好ましい例としては、上記カチオン性高分子がヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテルであり、粒子径が0.1〜5μmであり、分布幅が5以下である一次粒子があげられる。この一次粒子は、相互の接合が生じにくく、一次粒子単独で存在しやすく、球状の形状となるので、種々の用途への利用が容易となる。
上記の方法で得られたポリイオンコンプレックス微粒子は、クロマトグラフィー用カラム充填剤、ドラッグデリバリーシステム、化粧品の添加剤、徐放化担体、塗料の性能改良剤等に使用することができる。
また、上記ポリイオンコンプレックス微粒子は、指先で容易に伸ばすことができ、水に溶けにくく、エタノール等の有機溶媒中に分散するので、取り扱いが容易となる。
以下に実施例及び比較例をあげてこの発明をさらに具体的に説明するが、この発明は実施例の範囲に制限されるものではない。なお、この実施例及び比較例における評価法は次に示す通りである。
[粒度分布の測定]
ポリイオンコンプレックス微粒子の粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置 SALD−2100((株)島津製作所製)を用いて、屈折率1.60−0.10iの設定で行った。粒子径は、積算粒子量が50%となるメディアン径で表し、分布幅は、積算粒子量が、90%と10%となる粒子径の比率、すなわち、粒度分布幅=90%D/10%Dで表した。この値は、1に近い程分布幅が狭いことを表している。
ポリイオンコンプレックス微粒子分散液中のポリイオンコンプレックス微粒子は、高濃度サンプル測定システムを用いて測定した。また、粉末状のポリイオンコンプレックス微粒子は、エタノール中に超音波処理によって分散させた後、回分セルを用いて測定した。
[透過率の測定]
分光光度計 UV−2200((株)島津製作所製)を用い、分散液の溶液上部を光路長1cmのセルに加え、ポリイオンコンプレックス微粒子を1重量%含むポリイオンコンプレックス微粒子分散液を所定のpHに調整した後、1時間静置し、その1時間放置後の分散液の溶液上部を加え、波長600nmでの入射光の強さと透過光の強さの比から算出した。
透過率(%)=透過光の強さ/入射光の強さ×100
[水不溶性(残存率)の測定]
得られた微粒子の重量を測定し、次いで水を100倍以上加え、1時間撹拌する。そして、遠心分離した後、デカンテーションで取り出した沈殿物を50℃で熱風乾燥する。乾燥後の残存微粒子量を測定し、残存率を測定した。
残存率(%)=(残存微粒子量)/(最初の微粒子量)×100
(実施例1)
脱アセチル化率91%のキトサン(甲陽ケミカル(株)製:商品名 FM−80、以下、「FM−80」と略する。)を0.2mol/L塩酸に溶解させた1重量%キトサン溶液21gに、置換度0.74のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(東京化成(株)製:試薬、以下、「CMC」と略する。)を水で溶かした1重量%CMC溶液17gを加えて撹拌し、透明な相溶溶液を得た。この相溶溶液中の上記FM−80に含まれるアミノ基のモル数は1.06mmolであり、この相溶溶液中の上記CMCに含まれるカルボキシル基のモル数は0.52mmolである(カチオン当量/アニオン当量=2.03)。
この相溶溶液中に含まれる不溶物を遠心分離で除去した溶液に、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpH2.6に調整して分散液を得た。この分散液中に含まれるポリイオンコンプレックス微粒子のメディアン径は1.2μmであり、分布幅は3.5であった。また、得られた分散液の透過率は、0.2%であった。
(実施例2)
実施例1で得られた分散液にイソプロパノール40mLを加えて撹拌し、遠心分離した。デカンテーションによって取り出した沈殿物にイソプロパノール30mLを加え、超音波処理により微粒子を分散させた。その溶液を200メッシュの金網でろ過し、ろ液を遠心分離した。上記洗浄操作をもう一度繰り返した後、デカンテーションによって取り出した沈殿物を50℃で熱風乾燥した。
得られた微粒子の電子顕微鏡写真を図1(a)(b)に示す。この電子顕微鏡写真から、得られた微粒子は、粒子径0.3μm程度の一次粒子が接合した微粒子であることがわかった。
得られた微粒子のメディアン径は1.0μmであり、分布幅は7.8であった。また、残存率は85%であった。
(実施例3)
FM−80を0.2mol/L塩酸に溶解させた1重量%のキトサン溶液15gに、CMCを水に溶かした1重量%のCMC溶液25gを加え、撹拌し、透明な相溶溶液を得た。この相溶溶液中の上記FM−80に含まれるアミノ基のモル数は0.75mmolであり、この相溶溶液中の上記CMCに含まれるカルボキシル基のモル数は0.77mmolである(カチオン当量/アニオン当量=0.97)。
この相溶溶液中に含まれる不溶物を遠心分離で除去した溶液に、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpH2.4に調整して分散液を得た。この分散液中に含まれるポリイオンコンプレックス微粒子のメディアン径は1.4μmであり、分布幅は2.7であった。また、得られた分散液の透過率は、0.5%であった。
(実施例4)
実施例3で得られた分散液にイソプロパノール40mLを加えて撹拌し、遠心分離した。デカンテーションによって取り出した沈殿物にイソプロパノール30mLを加え、超音波処理により微粒子を分散させた。その溶液を200メッシュの金網でろ過し、ろ液を遠心分離した。上記洗浄操作をもう一度繰り返した後、デカンテーションによって取り出した沈殿物を50℃で熱風乾燥した。
得られた微粒子のメディアン径は2.9μmであり、分布幅は5.1であった。
また、得られた微粒子の電子顕微鏡写真を図2(a)(b)に示す。この電子顕微鏡写真から、得られた微粒子は、粒子径0.3μm程度の一次粒子が接合した微粒子であることがわかった。
(実施例5)
ポリアリルアミン塩酸塩(日東紡績(株)製:商品名 PAA−HCL−L)を0.1mol/L塩酸に溶解させた1重量%のポリアリルアミン溶液19.5gに、ポリアクリル酸(重量平均分子量25000、和光純薬工業(株)製:試薬)を水に溶かした1重量%のポリアクリル酸溶液15gを加え、撹拌し、透明な相溶溶液を得た。この相溶溶液中の上記ポリアリルアミンに含まれるアミノ基のモル数は2.03mmolであり、この相溶溶液中の上記アクリル酸に含まれるカルボキシル基のモル数は2.03mmolである(カチオン当量/アニオン当量=1.00)。
この相溶溶液中に1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpH2.6に調整して分散液を得た。この分散液中に含まれるポリイオンコンプレックス微粒子のメディアン径は0.3μmであり、分布幅は1.7であった。また、得られた分散液の透過率は、0.1%であった。
(実施例6)
上記ポリアリルアミン塩酸塩を0.1mol/L水酸化ナトリウムに溶解させた1重量%のポリアリルアミン溶液19.5gに、上記ポリアクリル酸を0.2mol/L水酸化ナトリウムに溶かした1重量%のポリアクリル酸溶液15gを加え、撹拌し、透明な相溶溶液を得た。この相溶溶液中の上記ポリアリルアミンに含まれるアミノ基のモル数は2.03mmolであり、この相溶溶液中の上記アクリル酸に含まれるカルボキシル基のモル数は2.03mmolである(カチオン当量/アニオン当量=1.00)。
この相溶溶液中に1mol/L塩酸を滴下してpH10.4に調整して分散液を得た。この分散液中に含まれるポリイオンコンプレックス微粒子のメディアン径は0.4μmであり、分布幅は1.7であった。また、得られた分散液の透過率は、1.4%であった。
(比較例1)
FM−80を0.2mol/L塩酸に溶解させた1重量%のキトサン溶液21gに、CMCを水に溶かした1重量%のCMC溶液17gを加え、撹拌し、透明な相溶溶液を得た。この相溶溶液中の上記FM−80に含まれるアミノ基のモル数は1.06mmolであり、この相溶溶液中の上記CMCに含まれるカルボキシル基のモル数は0.52mmolである(カチオン当量/アニオン当量=2.03)。
この相溶溶液中に含まれる不溶物を遠心分離で除去した溶液に、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpH7.0に調整した。その結果、溶液中にポリイオンコンプレックスの沈殿物が生成し、溶液は透明となった。この溶液の透過率は、79.2%であった。
(比較例2)
比較例1で得られた分散液にイソプロパノール40mLを加えて撹拌し、遠心分離した。デカンテーションによって取り出した沈殿物にイソプロパノール30mLを加え、超音波処理を行ったが、沈殿物は分散せず、200メッシュの金網を通過しなかった。
(実施例7)
脱アセチル化率53%のキトサン(甲陽ケミカル(株)製:商品名 DAC−50、以下、「DAC−50」と略する。)を0.1mol/L塩酸に溶解させた1重量%キトサン溶液26gに、CMCを水で溶かした1重量%CMC溶液12gを加え、撹拌し、透明な相溶溶液を得た。この相溶溶液中の上記DAC−50に含まれるアミノ基のモル数は、0.74mmolであり、この相溶溶液中の上記CMCに含まれるカルボキシル基のモル数は、0.37mmolであった(カチオン当量/アニオン当量=2.00)
この相溶溶液中に含まれる不溶物を遠心分離で除去した溶液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液を滴下してpH2.8に調整して分散液を得た。この分散液中に含まれるポリイオンコンプレックス微粒子のメディアン径は、0.4μmであり、分布幅は、2.1であった。また得られた分散液の透過率は、0.6%であった。
(実施例8)
上記実施例7で得られた分散液にアセトン18mL加えて撹拌し、遠心分離した。デカンテーションによって取り出した沈殿物にアセトン30mLを加え、超音波処理により微粒子を分散させた。その溶液を200メッシュの金網でろ過し、ろ液を遠心分離した。上記洗浄操作をもう1度繰り返した後、デカンテーションによって取り出した沈殿物を50℃で熱風乾燥した。得られた微粒子のメディアン径は、0.5μmであり、分布幅は、2.4であった。
得られた微粒子の電子顕微鏡写真を図3(a)(b)に示す。この電子顕微鏡写真から、得られた微粒子は、粒子径0.1μm程度の一次粒子が接合した微粒子であることがわかった。
(実施例9)
脱アセチル化率88%のキトサン(甲陽ケミカル(株)製:商品名 FH−80、以下、「FH−80」と略する。)を0.2mol/L塩酸に溶解させた1重量%キトサン溶液6.25gに、CMCを水で溶かした1重量%CMC溶液13.75gを加え撹拌し、透明な相溶溶液を得た。この相溶溶液中の上記FH−80に含まれるアミノ基のモル数は、0.30mmolであり、この相溶溶液中の上記CMCに含まれるカルボキシル基のモル数は、0.42mmolである(カチオン当量/アニオン当量=0.71)。
この相溶溶液に含まれる不溶物を遠心分離で除去した溶液に、1mol/L水酸化ナトリウム溶液を滴下してpH2.4に調整して分散液を得た。この分散液中に含まれるポリイオンコンプレックス微粒子のメディアン径は1.0μmであり、分布幅は1.9であった。また得られた分散液の透過率は、0.2%であった。
(実施例10)
実施例9で得られた分散液にアセトン10mLを加え撹拌し、遠心分離した。デカンテーションによって取り出した沈殿物にアセトン30mLを加え、超音波処理により微粒子を分散させた後、遠心分離した。デカンテーションによって取り出した沈殿物にアセトン30mLを加え、超音波処理により微粒子を分散させた後、遠心分離した。デカンテーションによって取り出した沈殿物を50℃で熱風乾燥した。
得られた微粒子の電子顕微鏡写真を図4(a)(b)に示す。この電子顕微鏡写真から、得られた微粒子は、粒子径0.1μm程度の一次粒子が接合し、0.5μm程度の大きさに凝集した微粒子であることがわかった。
得られた微粒子のメディアン径は、0.6μmであり、分布幅は、2.0であった。
(実施例11)
脱アセチル化率92%のキトサン(甲陽ケミカル(株)製:商品名 SK−10、以下、「SK−10」と略する。)を0.25mol/L塩酸に溶解させた2重量%キトサン溶液73gに、CMCを水で溶かした2重量%CMC溶液127gを加え撹拌し、透明な相溶溶液を得た。この相溶溶液中の上記SK−10に含まれるアミノ基のモル数は、7.77mmolであり、この相溶溶液中の上記CMCに含まれるカルボキシル基のモル数は、7.77mmolである(カチオン当量/アニオン当量=1.00)。
この相溶溶液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液を滴下してpH2.6に調整して分散液を得た。その分散液を200メッシュの金網でろ過し、ろ液を遠心分離した。デカンテーションによって取り出した沈殿物にイソプロパノール100mLを加えて、ホモジナイザーで撹拌し、遠心分離した。デカンテーションによって取り出した沈殿物にイソプロパノール75mLを加え撹拌し、遠心分離した。デカンテーションによって取り出した沈殿物を50℃で熱風乾燥した。
得られた微粒子の電子顕微鏡写真を図5(a)(b)に示す。この電子顕微鏡写真から、得られた微粒子は、粒子径0.1μm程度の一次粒子が接合し、7μm程度の大きさに凝集した微粒子であることがわかった。
得られた微粒子のメディアン径は、7.2μmであり、分布幅は、3.1であった。
(実施例12)
SK−10を0.3mol/L塩酸に溶解させた2重量%キトサン溶液40gに、CMCを水で溶かした2重量%CMC溶液70gを加え撹拌し、透明な相溶溶液を得た。この相溶溶液中の上記SK−10に含まれるアミノ基のモル数は、4.27mmolであり、この相溶溶液中の上記CMCに含まれるカルボキシル基のモル数は、4.27mmolである(カチオン当量/アニオン当量=1.00)。
この相溶溶液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液を滴下してpH6.0に調整して分散液を得た。その分散液にアセトン50mLを加え撹拌し、遠心分離した。デカンテーションによって取り出した沈殿物にアセトン75mLを加え撹拌し、遠心分離した。デカンテーションによって取り出した沈殿物にアセトン75mLを加え撹拌し、遠心分離した。デカンテーションによって取り出した沈殿物を50℃で熱風乾燥した。
得られた微粒子の電子顕微鏡写真を図6(a)(b)に示す。この電子顕微鏡写真から、得られた微粒子は、粒子径0.1μm程度の一次粒子が接合し、15μm程度の大きさに凝集した微粒子であることがわかった。
得られた微粒子のメディアン径は、13.5μmであり、分布幅は、2.1であった。
(実施例13)
ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル(ダイセル化学工業(株)社製 商品名:ジェルナーQH300、以下、「ジェルナーQH300」と略する。)を0.05mol/L塩酸に溶解させた1重量%ジェルナーQH300溶液17gに、CMCを水で溶かした1重量%CMC溶液10gを加えて撹拌し、透明な相溶溶液を得た。
この相溶溶液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液を滴下してpH3.0に調整して分散液を得た。この分散液にイソプロパノール10mLを加えて撹拌し、遠心分離した。デカンテーションによって取り出した沈殿物にイソプロパノール20mLを加えて、ホモジナイザーで撹拌し、遠心分離した。デカンテーションによって取り出した沈殿物にイソプロパノール15mLを加え撹拌し、遠心分離をした。デカンテーションにより、取り出した沈殿物を50℃で熱風乾燥させた。
得られた微粒子の電子顕微鏡写真を図7(a)(b)に示す。この電子顕微鏡写真から、得られた微粒子は、粒子径1μm程度の球状微粒子であることがわかった。
得られた微粒子のメディアン径は、1.0μmであり、分布幅は、1.9であった。
(実施例14)
ジェルナーQH300を0.03mol/L塩酸に溶解させた1重量%ジェルナーQH300溶液17gに、CMCを水で溶かした1重量%CMC溶液10gを加えて撹拌し、透明な相溶溶液を得た。
この相溶溶液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液を滴下してpH2.8に調整して分散液を得た。以下、実施例13と同様にして微粒子を得た。
得られた微粒子の電子顕微鏡写真を図8(a)(b)に示す。この電子顕微鏡写真から、得られた微粒子は、粒子径0.5μm程度の球状微粒子であることがわかった。
得られた微粒子のメディアン径は、0.6μmであり、分布幅は、1.8であった。
(実施例15)
ジェルナーQH300を0.07mol/L塩酸に溶解させた1重量%ジェルナーQH300溶液17gに、CMCを水で溶かした1重量%CMC溶液10gを加えて撹拌し、透明な相溶溶液を得た。
この相溶溶液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液を滴下してpH3.2に調整して分散液を得た。以下、実施例13と同様にして微粒子を得た。
得られた微粒子の電子顕微鏡写真を図9(a)(b)に示す。この電子顕微鏡写真から、得られた微粒子は、粒子径1.3μm程度の球状微粒子であることがわかった。
得られた微粒子のメディアン径は、1.3μmであり、分布幅は、2.2であった。
(a)実施例2で得られた微粒子の電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)、(b)(a)で倍率を上げたときの電子顕微鏡写真(倍率:20000倍) (a)実施例4で得られた微粒子の電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)、(b)(a)で倍率を上げたときの電子顕微鏡写真(倍率:20000倍) (a)実施例8で得られた微粒子の電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)、(b)(a)で倍率を上げたときの電子顕微鏡写真(倍率:20000倍)
(a)実施例10で得られた微粒子の電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)、(b)(a)で倍率を上げたときの電子顕微鏡写真(倍率:20000倍) (a)実施例11で得られた微粒子の電子顕微鏡写真(倍率:200倍)、(b)(a)で倍率を上げたときの電子顕微鏡写真(倍率:2000倍) (a)実施例12で得られた微粒子の電子顕微鏡写真(倍率:200倍)、(b)(a)で倍率を上げたときの電子顕微鏡写真(倍率:2000倍)
(a)実施例13で得られた微粒子の電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)、(b)(a)で倍率を上げたときの電子顕微鏡写真(倍率:20000倍) (a)実施例14で得られた微粒子の電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)、(b)(a)で倍率を上げたときの電子顕微鏡写真(倍率:20000倍) (a)実施例15で得られた微粒子の電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)、(b)(a)で倍率を上げたときの電子顕微鏡写真(倍率:20000倍)

Claims (5)

  1. カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸又はそれらの塩化合物から選ばれるアニオン性高分子の水系溶液と、キトサン、ポリアリルアミン、それらの塩化合物、又はヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテルから選ばれるカチオン性高分子の水系溶液とを混合して得られた混合水系溶液のpHを変化させて形成した、粒子径が0.01〜50μmであり、分布幅が10以下である微粒子を有するポリイオンコンプレックス微粒子分散液。
  2. カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸又はそれらの塩化合物から選ばれるアニオン性高分子の水系溶液と、キトサン、ポリアリルアミン、それらの塩化合物、又はヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテルから選ばれるカチオン性高分子の水系溶液とを、混合して混合水系溶液を得、
    次いで、この混合水系溶液のpHを変化させることによって上記両高分子を結合させ、粒子径が0.01〜50μmであり、分布幅が10以下であるポリイオンコンプレックスの微粒子を形成・分散させる、ポリイオンコンプレックス微粒子分散液の製造方法。
  3. 上記混合水系溶液は、pHが1〜4又は中性以上の水系溶液であり、
    上記混合水系溶液の液性が酸性のときは水素イオン濃度を減少させ、また、この混合水系溶液の液性がアルカリ性のときは水素イオン濃度を増加させることによって、この混合水系溶液のpHを変化させて、ポリイオンコンプレックスの微粒子を形成・分散させる、請求項2に記載のポリイオンコンプレックス微粒子分散液の製造方法。
  4. 上記水素イオン濃度の減少量又は増加量は、0.1以上であり、上記混合水系溶液の波長600nmでの光の透過率が50%以下となるときの量以下である請求項3に記載のポリイオンコンプレックス微粒子分散液の製造方法。
  5. 請求項2乃至4のいずれかに記載のポリイオンコンプレックス微粒子分散液の製造方法で製造されたポリイオンコンプレックス微粒子分散液からポリイオンコンプレックス微粒子を分離し、水溶性有機溶剤を用いて洗浄し、次いで、乾燥する、ポリイオンコンプレックス微粒子の製造方法。
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