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JP4583652B2 - レーザ加工機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザ加工機に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ加工機は光軸が移動するか否かで大きく二つに分類することができる。
ここでは、ビーム伝送中にビームの発散等によって、顕著な弊害を生じる3軸光軸移動型レーザ加工機について述べる。
【0003】
例えば、本願出願人の出願である特開平4−135087に開示される様な3軸光軸移動型のレーザ加工機100におけるレーザビームの伝送光路は次の様になっている。
【0004】
図5に示すように、レーザ発振器103から出たレーザビームLBは、本体フレーム105に固定された固定ベンドミラー107および109を介して、X軸キャリッジ111の左側端部(図5において)に設けたX軸ベンドミラー113へ導かれる。
【0005】
X軸ベンドミラー113に導かれたレーザビームLBは、このX軸ベンドミラー113で直角に折り曲げれられて、Y軸キャリッジ115上に設けた第1Y軸ベンドミラー117を介して第2Y軸ベンドミラー119に導かれる。
【0006】
第2Y軸ベンドミラー119に導かれたレーザビームLBは、レーザ加工ヘッド121に設けた集光レンズ(図示省略)に導かれ、この集光レンズにより集光されたレーザビームが被加工材へ照射される。
【0007】
なお、前記X軸キャリッジ111の両端部は、前記本体フレーム105上部の梁部材(105a,105b)上に設けたX軸ガイド(図示省略)にガイドされてX軸方向に移動位置決め自在に設けてあり、また前記Y軸キャリッジ115は前記X軸キャリッジ111上に設けたY軸ガイド(図示省略)にガイドされてY軸方向に移動位置決め自在に設けてある。
【0008】
また、図5には示してないが、固定ベンドミラー109とX軸ベンドミラー113との間の光路、およびこのX軸ベンドミラー113と前記第1Y軸ベンドミラー117との間の光路には、レーザビームから作業者を保護すると同時に光学系を塵埃から保護するために伸縮自在の蛇腹(図示省略)が設けてある。また第2Y軸ベンドミラー119と加工ヘッド121との間の光路にも同様に蛇腹(図示省略)が設けてある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如き3軸光軸移動型のレーザ加工機100によりレーザ加工を行った場合、加工部で発生する反射光の一部は加工ヘッド121の集光レンズを介して前述の光路を逆進し、その一部は蛇腹に当たって蛇腹を焼損させることがある。
【0010】
また、レーザ発振器103から出力されるレーザビームは完全な平行ビームではなく、光の進行に伴って徐々に発散する性質を有している。そのため、光路長が3mを越えるような大型のレーザ加工機では、発散したレーザビームが集光レンズに入射されることになる。
【0011】
発散光の焦点は平行光線の焦点からズレるため全体的な集光特性を低下させる。また蛇腹に当たって蛇腹を焼損させるなどの問題がある。
【0012】
本発明は上述の如き問題を解決するためになされたものであり、本発明の課題は、順方向(レーザ発振器から加工ヘッド方向)の発散光をカットすると同時に加工部からの反射光をカットし、集光特性を向上させると同時に蛇腹の焼損を防止したレーザ加工機を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決する手段として請求項1に記載のレーザ加工機は、レーザ発振器からのレーザビームをワークと相対する加工ヘッドの集光用光学系に伝送するレーザビーム伝送光路に蛇腹からなる光路カバーを備えたレーザ加工機にして、X軸方向へ移動位置決め可能なX軸キャリッジを設け、該X軸キャリッジに前記加工ヘッドを備えY軸方向へ移動位置決め可能なY軸キャリッジを設け、前記X軸キャリッジに前記レーザ発振器からのレーザビームをY軸方向へ伝送する第1移動ベンドミラーを設け、前記Y軸キャリッジに前記第1移動ベンドミラーからのレーザビームを加工ヘッドの集光用光学系に伝送する第2移動ベンドミラーを設け、前記第1移動ベンドミラーのレーザビーム入射側光路および前記第2移動ベンドミラーと前記集光用光学系との間の光路にビームアパーチャーをそれぞれ設けたレーザ加工機において、前記ビームアパーチャーは、内径部の一側に外方に開口するテーパ穴を有する中空外筒を設け、該中空外筒一側内径部に外径部が前記テーパとは逆のテーパを有する第1内筒を嵌合して設け、前記テーパ穴と該第1内筒のテーパ部とで前記中空外筒の一側にV字型の環状溝を形成し、前記中空外筒の他側内径部に外径部がテーパを有する第2内筒を嵌合して設けると共に、他側外方に開口するテーパを有する内筒固定リングで固定して設け、該固定リングのテーパと前記第2内筒のテーパ部とでV字型の環状溝を前記中空外筒の他側に形成し、さらに前記中空外筒他側の外径部にフィンを設けたことを要旨とするものである
【0014】
請求項2に記載のレーザ加工機は、請求項1に記載のレーザ加工機において、前記ビームアパーチャーは、前記V字型の環状溝の両端部をシャープエッジに形成すると共に、前記第1内筒と第2内筒との間にリング状のスペーサを設け、該スペーサの内径を前記第1内筒と第2内筒より大きく設け、かつ該スペーサの側壁に前記中空外筒の側壁まで貫通する複数の穴を設けたことを要旨とするものである
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面によって説明する。
【0018】
図1は本発明に係るレーザ加工機のうち、特に3軸光軸移動型のレーザ加工機1における加工ヘッド位置決め装置5の概要と、レーザ発振器7からのレーザビームLBを加工ヘッド3まで導く光学系と光路を示した図である。
【0019】
加工ヘッド位置決め装置5は公知のY軸キャリッジ9とX軸キャリッジ11とを備えており、加工ヘッド3はY軸キャリッジ9にZ軸方向(図1では上下方向)に昇降位置決め可能に設けてあり、図4に示す如くY軸キャリッジ9はX軸キャリッジ11に設けたガイドレール13に沿ってY軸方向へ移動位置決め自在に設けてある。
【0020】
なお、上述のX軸キャリッジ11はX軸ガイドレール(図示省略)にガイドされ公知の駆動手段によって移動位置決め自在に設けてある。また、Y軸キャリッジ9も同様に公知の駆動手段によって移動位置決め自在である。
【0021】
レーザ発振器7から出力された直線偏光のレーザビームLBは、第1固定ベンドミラー15によって円偏光され、この円偏光されたレーザビームLBは、第2固定ベンドミラー(凸面鏡)17と第3固定ベンドミラー(凹面鏡)19により、ビーム径を拡大すると同時にほぼ平行ビームに補正されて前記レーザ加工機1のX軸方向に送出される様に設けてある。
【0022】
図1、図2に示すように、前記X軸キャリッジ11には、レーザ発振器7からのレーザビームLBをY軸方向へ伝送する第1移動ベンドミラー21が設けてある。さらに詳細には、第1移動ベンドミラー21は、X軸キャリッジ11から外方へ張出す様にして設けたブラケット23上のベンドミラー保持体25に設けてある。
【0023】
上述のベンドミラー保持体25には、レーザ発振器7から第1移動ベンドミラー21に入射される順方向のレーザビームLBをアパーチャーで設定した直径(アパーチャー径D)に規制すると同時に発散光Lをカットする第1のビームアパーチャー27が第1移動ベンドミラー21の直前に取り付けてある。
【0024】
上述のビームアパーチャー27は複数の部品から構成されており、次にその構成を図3を参照しながら説明する。
【0025】
ビームアパーチャー27は、アルミニューム合金製の外筒29と前後の内筒31(a,b)およびリング状スペーサ33などからなっている。外筒29の左側端部(図3において左側)の内径部には左端部の方が直径が大きくなるテーパ穴35が設けてあり、そのテーパ穴35の左端部はシャープエッジ37に形成してある。
【0026】
また、外筒29の右側(図3において右側)には段付き穴を形成すると共に、この段付き穴の右端部に外筒29の軸心と同軸のネジ穴39が設けてある。さらに外筒29の右端部外周には、複数の取り付け用のネジ穴41を有するフランジ43を設けると共に放熱フィン45が形成してある。
【0027】
前記段付き穴の底部は外筒29の左側テーパ穴35部に達するまで深く設けてあり、この段付き穴の底部に内筒31aのフランジ部46が係合する様に挿入すると同時に内筒31aの左端部に形成したテーパ47が前記外筒29の左端部近傍まで突出する様に設けてある。また、テーパ47は左端部の直径(アパーチャー径D)の方が小さくなるように設けてあり、このテーパ47の左端部もシャープエッジ49に形成してある。なお、内筒31aの内径は、右方が左端部のシャープエッジ部49の直径より大きくなるような逃げ角を設けてある。
【0028】
前記内筒31aの右側に(外筒29のほぼ中央部)リング状のスペーサ33を密接して設け、このスペーサ33の右側に内筒31bを密接配置し、そしてこの内筒31bのフランジ部46の右側を固定リング51で押圧して、内筒31a、スペーサ33および内筒31bを前記外筒29に固定してある。
【0029】
なお上述の固定リング51には、前記外筒29に設けたネジ穴39に螺合するネジ部39’が設けてあり、また前記外筒29に設けたテーパ穴35と同様なテーパ穴35’が設けてある。なお、前記内筒31bは前記内筒31aを対称形に配置したものであり形状は全く同一のもである。
【0030】
上述のリング状のスペーサ33の内径Dは、前記アパーチャー径Dより大きく設けてある。また、リング状のスペーサ33の軸方向のほぼ中央部には複数の穴53が等角度に配分して設けてある。なお、この複数の穴に一致する穴53’が前記外筒29の側壁にも設けてある。
【0031】
上記構成のビームアパーチャー27は、外筒29のテーパ穴35(35’)と内筒31a(31b)とで外部に開いたV字型の環状溝55(55’)を形成し、第3固定ベンドミラー19と第1移動ベンドミラー21の間、より詳細には、第3固定ベンドミラー19のミラー保持体25に順方向出口を第1移動ベンドミラー21側に向けて設けてある。
【0032】
なお、上述のビームアパーチャー27を構成する部品表面には、光の反射を抑えるため、黒色アルマイト仕上げが施してある。
【0033】
さて、図1,図2および図3に示す如く、前記第1移動ベンドミラー21でY軸方向へ向けられたレーザビームLBは、前記Y軸キャリッジ9上に設けたビーム径補正ミラー57、第2移動ベンドミラー59を介して前記加工ヘッド3の集光用光学系61に伝送されるように設けてある。なお、前記ビーム径補正ミラー57は曲率可変ミラーであって、発散したレーザービームLBを平行ビームに補正するものである。
【0034】
第2移動ベンドミラー59は、ビーム径補正ミラー57からのレーザビームLBをZ軸方向の前記加工ヘッド3の集光用光学系61に向けて伝送するもので、ビーム径補正ミラー57、第2移動ベンドミラー59は共に前記Y軸キャリッジ9に設けたミラー支持体63に適宜な固定手段により固定してある。
【0035】
上述の第2移動ベンドミラー59と集光用光学系61との間には、第2のビームアパーチャー27’が順方向出口を集光用光学系61側に向けて前記ミラー支持体63に設けてある。
【0036】
また、前記第3ベンドミラー19と第1移動ベンドミラー21との間のX軸方向の光路と、第1移動ベンドミラー21とビーム径補正ミラー57との間のY軸方向の光路および第2移動ベンドミラー59と加工ヘッド3との間のZ軸方向のそれぞれの光路には、蛇腹などによる光路カバー65(x,y,z)が適宜に装着してある。
【0037】
上記構成のレーザ加工機1において、レーザ発振器7から出力されたレーザビームは第1移動ベンドミラー21の直前に設けた第1のビームアパーチャー27により、発散光Lがカットされると同時に所定の直径(アパーチャー径D)に整形されて第1移動ベンドミラー21に入射される。
【0038】
第1移動ベンドミラー21からのレーザビームLBは、ビーム径補正ミラー57、第2移動ベンドミラー59および第2のビームアパーチャー27’を介して前記集光用光学系61に入射される。
【0039】
第2のビームアパーチャー27’においても、発散光Lがカットされると同時に所定の直径(アパーチャー径D)に整形される。
【0040】
一方、加工部のワークWから発散する反射光Lは、前記集光用光学系61を介して発散しながら光路を逆進するが、この発散する反射光Lも第2のビームアパーチャー27’によって同様にカットすることができる。
【0041】
【発明の効果】
請求項1の発明によれれば、レーザ発振器から出力されたレーザビームが加工ヘッドの集光用光学系に伝送するレーザビーム伝送路において徐々に発散しても、第1移動ベンドミラーのレーザビーム入射側光路および前記第2移動ベンドミラーと前記集光用光学系との間の光路に設けたビームアパーチャーにより、発散光がカットされると同時にアパーチャー径に整形されてベンドミラーに入射される。また、順方向またはその逆方向のレーザビームに対して、レーザビームを所定の直径に整形することができると共に、進行と共に発散するレーザビームをV字型の環状溝いおいて吸収カットして、この環状溝から外部へ散乱することがない
【0042】
したがって、発散光が進行と共に拡散して蛇腹に当たって蛇腹を焼損させるのを事前に防止できる。また、発散光をカットすることにより集光特性を向上させることができる。
【0046】
請求項の発明によれれば、レーザビームがV字型の環状溝の端部に当たっても外部へ散乱することがない。また、レーザビーム用アパーチャーの中央部の径を大きくして質量を小さく設け、かつ空気が流通可能な複数の穴を設けたので、空気の流通により両端部との温度勾配が発生するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る3軸光軸移動型のレーザ加工機1におけるレーザ発振器7からのレーザビームLBを加工ヘッド3まで導く光学系と光路を示した図。
【図2】図1に示した第1移動ベンドミラー部分の詳細説明図。
【図3】本発明に係るビームアパーチャーの説明図。
【図4】図1に示した第2移動ベンドミラー部分の詳細説明図。
【図5】従来の3軸光軸移動型のレーザ加工機の例。
【符号の説明】
1 3軸光軸移動型レーザ加工機
3 加工ヘッド
5 加工ヘッド位置決め装置
7 レーザ発振器
9 Y軸キャリッジ
11 X軸キャリッジ
13 ガイドレール
15 第1固定ベンドミラー
17 第2固定ベンドミラー(凸面鏡)
19 第3固定ベンドミラー(凹面鏡)
21 第1移動ベンドミラー
23 ブラケット
25 ベンドミラー保持体
27、27’ ビームアパーチャー
29 外筒
31(a,b) 内筒
33 リング状スペーサ
35 テーパ
37 シャープエッジ
39 ネジ穴
41 ネジ穴
43 フランジ
45 放熱フィン
47 テーパ
49 シャープエッジ
51 固定リング
55、55’ V字型の環状溝55
57 ビーム径補正ミラー
59 第2移動ベンドミラー
61 集光用光学系
63 ミラー支持体
65(x,y,z) 光路カバー
発散光
反射光
W ワーク

Claims (2)

  1. レーザ発振器からのレーザビームをワークと相対する加工ヘッドの集光用光学系に伝送するレーザビーム伝送光路に蛇腹からなる光路カバーを備えたレーザ加工機にして、X軸方向へ移動位置決め可能なX軸キャリッジを設け、該X軸キャリッジに前記加工ヘッドを備えY軸方向へ移動位置決め可能なY軸キャリッジを設け、前記X軸キャリッジに前記レーザ発振器からのレーザビームをY軸方向へ伝送する第1移動ベンドミラーを設け、前記Y軸キャリッジに前記第1移動ベンドミラーからのレーザビームを加工ヘッドの集光用光学系に伝送する第2移動ベンドミラーを設け、前記第1移動ベンドミラーのレーザビーム入射側光路および前記第2移動ベンドミラーと前記集光用光学系との間の光路にビームアパーチャーをそれぞれ設けたレーザ加工機において、前記ビームアパーチャーは、内径部の一側に外方に開口するテーパ穴を有する中空外筒を設け、該中空外筒一側内径部に外径部が前記テーパとは逆のテーパを有する第1内筒を嵌合して設け、前記テーパ穴と該第1内筒のテーパ部とで前記中空外筒の一側にV字型の環状溝を形成し、前記中空外筒の他側内径部に外径部がテーパを有する第2内筒を嵌合して設けると共に、他側外方に開口するテーパを有する内筒固定リングで固定して設け、該固定リングのテーパと前記第2内筒のテーパ部とでV字型の環状溝を前記中空外筒の他側に形成し、さらに前記中空外筒他側の外径部にフィンを設けたことを特徴とするレーザ加工機
  2. 請求項1に記載のレーザ加工機において、前記ビームアパーチャーは、前記V字型の環状溝の両端部をシャープエッジに形成すると共に、前記第1内筒と第2内筒との間にリング状のスペーサを設け、該スペーサの内径を前記第1内筒と第2内筒より大きく設け、かつ該スペーサの側壁に前記中空外筒の側壁まで貫通する複数の穴を設けたことを特徴とするレーザ加工機
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