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JP4583506B2 - 反射防止膜、および反射防止膜を備える光学素子、ならびに、スタンパ、およびスタンパの製造方法、ならびに反射防止膜の製造方法 - Google Patents

反射防止膜、および反射防止膜を備える光学素子、ならびに、スタンパ、およびスタンパの製造方法、ならびに反射防止膜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、反射防止膜、および反射防止膜を備えた光学素子(表示素子を含む。)に関する。また、本発明はスタンパ(「金型」または「鋳型」ともいう。)、およびスタンパの製造方法、ならびに反射防止膜の製造方法に関する。
テレビや携帯電話などに用いられる表示装置やカメラレンズなどの光学素子には、通常、表面反射を低減して光の透過量を高めるために反射防止技術が施されている。例えば、空気とガラスとの界面を光が入射する場合のように屈折率が異なる媒体の界面を光が通過する場合、フレネル反射などによって光の透過量が低減し、視認性が低下するからである。
近年、反射防止技術として、凹凸の周期が可視光(λ=380nm〜780nm)の波長以下に制御された微細な凹凸パターンを基板表面に形成する方法が注目されている(特許文献1から3を参照)。反射防止機能を発現する凹凸パターンを構成する凸部の2次元的な大きさは10nm以上500nm未満である。
この方法は、いわゆるモスアイ(Motheye、蛾の目)構造の原理を利用したものであり、基板に入射した光に対する屈折率を凹凸の深さ方向に沿って入射媒体の屈折率から基板の屈折率まで連続的に変化させることによって反射を防止したい波長域の反射を抑えている。
モスアイ構造は、広い波長域にわたって入射角依存性の小さい反射防止作用を発揮できるほか、多くの材料に適用でき、凹凸パターンを基板に直接形成できるなどの利点を有している。その結果、低コストで高性能の反射防止膜(または反射防止表面)を提供できる。
モスアイ構造の製造方法として、アルミニウムを陽極酸化することによって得られる陽極酸化ポーラスアルミナを用いる方法が注目されている(特許文献2および3、非特許文献1)。
ここで、アルミニウムを陽極酸化することによって得られる陽極酸化ポーラスアルミナについて簡単に説明する。従来から、陽極酸化を利用した多孔質構造体の製造方法は、規則正しく配列されたナノオーダーの円柱状の細孔(凹部)を形成できる簡易な方法として注目されてきた。硫酸、シュウ酸、または燐酸等の酸性電解液またはアルカリ性電解液中に基材を浸漬し、これを陽極として電圧を印加すると、基材の表面で酸化と溶解が同時に進行し、その表面に細孔を有する酸化膜を形成することができる。この円柱状の細孔は、酸化膜に対して垂直に配向し、一定の条件下(電圧、電解液の種類、温度等)では自己組織的な規則性を示すため、各種機能材料への応用が期待されている。
陽極酸化ポーラスアルミナ層40は、模式的には図11に示すように、細孔42とバリア層44とを有する一定サイズのセル46によって構成されている。特定の条件下で作製されたポーラスアルミナ層40は、膜面に垂直な方向から見たときのセル46の形状が模式的にはほぼ正六角形である。セル46は膜面に垂直な方向から見たとき二次元的に最も高密度で充填された配列をとっている。それぞれのセル46はその中央に細孔42を有しており、細孔42の配列は周期性を有している。ここで、細孔42の配列が周期性を有しているとは、膜面に垂直な方向から見たときに、ある細孔の幾何学重心(以下、単に「重心」という。)からその細孔に隣接する全ての細孔のそれぞれの重心に向けたベクトルの総和(ベクトル和)がゼロになることを言う。図11に示した例では、ある細孔42の重心から隣接する6つの細孔42のそれぞれの重心に向けた6つのベクトルは同じ長さを有し、その方向は互いに60度ずつ異なるので、これらのベクトルの総和はゼロである。実際のポーラスアルミナ層においては、上記ベクトルの総和の長さが最短のベクトルの長さの5%未満であれば周期性を有すると判断できる。
ポーラスアルミナ層40はアルミニウムの表面を陽極酸化することによって形成されるので、アルミニウム層48上に形成される。セル46は局所的な皮膜の溶解および成長の結果形成されるものであり、バリア層44と呼ばれる細孔底部で皮膜の溶解と成長とが同時に進行する。このとき、セル46のサイズすなわち、隣接する細孔42の間隔は、バリア層44の厚さのほぼ2倍に相当し、陽極酸化時の電圧にほぼ比例することが知られている。また、細孔42の直径は、電解液の種類、濃度、温度等に依存するものの、通常、セル46のサイズ(膜面に垂直な方向からみたときのセル46の最長対角線の長さ)の1/3程度であることが知られている。このようなポーラスアルミナの細孔42は、特定の条件下では高い規則性を有する(周期性を有する)配列、また、条件によってはある程度規則性の乱れた配列、あるいは不規則(周期性を有しない)な配列を形成する。
特許文献2は、アルミナ陽極酸化膜を表面に有するスタンパを用いて、転写法で反射防止膜(反射防止表面)を形成する方法を開示している。
また、最近、非特許文献1に、アルミニウムの陽極酸化と口径拡大処理を繰り返すことによって、種々の形状を有する陽極酸化アルミナを作製したことが開示された。また、非特許文献1によると、非釣鐘型テーパー状細孔が形成されたアルミナを鋳型として、PMMAを用いてモスアイ構造を有する反射防止膜が作製された。この反射防止膜の反射率は約1%以下である。非特許文献1に記載されているアルミナ層に形成されている凹部の側面は、滑らか(連続的)であり、しかも直線的である。
本出願人は、特許文献3に、微細な凹部が階段状の側面を有するアルミナ層を用いて反射防止膜を形成することによって、非特許文献1に記載のアルミナ層を用いた場合よりも、光の反射(0次回折)が起こり難くできることを開示した。また、微細な凹部が階段状の側面を有するスタンパは、非特許文献1に記載されているスタンパよりも比表面積が広いので、表面処理の効果が強く得られるという特徴を有していることを開示している。例えば、スタンパの表面に離型処理を施すことによって転写性が向上する。また、反射防止膜の表面に撥水・撥油処理(例えばフッ素処理)を施すことによって防汚効果が得られる。
また、特許文献1から3に記載されているように、モスアイ構造(ミクロ構造)に加えて、モスアイ構造よりも大きな凹凸構造(マクロ構造)を設けることによって、反射防止膜(反射防止表面)にアンチグレア(防眩)機能を付与することができる。アンチグレア機能を発揮する凹凸を構成する凸部の大きさは1μm以上100μm未満である。特許文献1から3の開示内容の全てを参考のために本明細書に援用する。
特表2001−517319号公報 特表2003−531962号公報 国際公開公報WO 2006/059686
益田他、第52回応用物理学関係連合講演会、講演予稿集(2005年春、埼玉大学)30p−ZR−9、p.1112
しかしながら、上記特許文献2および3に記載されている技術では、モスアイ構造を形成するためのスタンパはアルミニウムの陽極酸化を用いて簡便に形成できるものの、アンチグレア機能を付与するためには、モスアイ構造よりも大きな凹凸を機械的または化学的なエッチングなどによって別の工程で形成する必要があるという問題があった。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、その主な目的は従来よりも簡単なプロセスでアンチグレア機能を有する反射防止膜(反射防止表面)を形成することができるスタンパを製造する方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、従来よりもアンチグレア機能の優れた反射防止膜を提供することにある。
本発明の反射防止膜は、膜法線方向から見たときに、2次元的な大きさが1μm以上100μm未満である複数の第1凸部と2次元的な大きさが10nm以上500nm未満の複数の第2凸部とを有し、前記複数の第2凸部は前記複数の第1凸部の上および前記複数の第1凸部の間に形成されており、前記複数の第1凸部の表面の膜面に対する立ち上がり角が約90°以上である第1表面形状又は前記第1表面形状を膜面に関して反転させた第2表面形状を有する。
ある実施形態において、前記複数の第2凸部は、略円錐形の凸部を含む。
ある実施形態において、前記複数の第2凸部は、不規則に配列された凸部を含む。前記複数の第1凸部は不規則に配列されている。
ある実施形態において、前記反射防止膜は光硬化性樹脂から形成されている。
ある実施形態において、前記反射防止膜はヘイズ値が、8.5以上である。
本発明の光学素子は、上記のいずれかの反射防止膜を有することを特徴とする。
本発明のスタンパは、表面の法線方向から見たときに、2次元的な大きさが1μm以上100μm未満である複数の第1凸部と2次元的な大きさが10nm以上500nm未満の複数の第2凸部とを有し、前記複数の第2凸部は前記複数の第1凸部の上および前記複数の第1凸部の間に形成されており、前記複数の第1凸部の表面の膜面に対する立ち上がり角が約90°以上である第1表面形状又は前記第1表面形状を表面に関して反転させた第2表面形状を有する。
ある実施形態において、前記第2表面形状と実質的に同じ表面形状を有する陽極酸化アルミナ層を備える。
本発明のスタンパの製造方法は、上記のスタンパの製造方法であって、(a)Alの含有量が99.0質量%以下のAl基材を用意する工程と、(b)前記Al基材を部分的に陽極酸化することによって、複数の微細な凹部を有するポーラスアルミナ層を形成する工程と、(c)前記ポーラスアルミナ層をアルミナのエッチャントに接触させることによって、ポーラスアルミナ層の複数の微細な凹部を拡大させる工程とを包含する。
ある実施形態において、前記工程(b)および工程(c)を交互に複数回行うことによって、ポーラスアルミナ層にそれぞれが階段状の側面を有する複数の微細な凹部を形成する。
ある実施形態において、前記Al基材は、Mn、MgおよびFeからなる群から選択された少なくとも1つの元素を含む。これらの元素の合計は1.0質量%以上であることが好ましい。
本発明の反射防止膜の製造方法は、上記のいずれかのスタンパと、被加工物とを用意する工程と、前記スタンパを用いて、前記被加工物の表面に前記第2表面形状を転写する工程とを包含する。
ある実施形態において、前記スタンパと前記被加工物の前記表面との間に光硬化性樹脂を付与した状態で、前記光硬化性樹脂を硬化することによって、前記被加工物の前記表面に、前記第2表面形状が転写された光硬化性樹脂層を形成する工程を包含する。
本発明によると、従来よりも簡単なプロセスでアンチグレア機能を有する反射防止膜(反射防止表面)を形成することができるスタンパを製造する方法が提供される。また、本発明によると、従来よりもアンチグレア機能の優れた反射防止膜が提供される。
基材11の表面に形成された反射防止膜10の構造を模式的に示す断面図である。 (a)〜(c)は、反射防止膜10を形成するためのスタンパの製造方法を説明するための模式図である。 (a)〜(g)は、本発明の実施形態によるスタンパの製造方法を説明するための模式的な断面図である。 (a)および(b)は、本発明の実施形態によるスタンパの製造方法によって得られるポーラスアルミナ層20aの凹部22bの形状を示す模式図である。 (a)は本発明によるスタンパの表面のSEM像を示す図であり、(b)は光硬化性樹脂で形成した反射防止膜の表面のSEM像を示す図である。 (a)および(b)は、Al含有率が99.0質量%以下のAl基材を陽極酸化した後に予備エッチングを行った表面のSEM像である。 (a)、(b)および(c)は、Al含有率が99.0質量%超のAl基材を陽極酸化した後に予備エッチングを行った表面のSEM像である。 (a)および(b)は、反射防止膜が有する凸部の形状による散乱効果の違いを説明するための模式図である。 (a)および(b)はシミュレーションに用いたモデルを説明するための模式図である。 (a)、(b)および(c)はシミュレーションの結果を示す図である。 ポーラスアルミナ層40の構造を模式的に示す図である。
以下、図面を参照して、本発明による実施形態の反射防止膜およびその製造方法ならびに反射防止膜の製造に用いられるスタンパおよびその製造方法を説明する。
まず、図1を参照して本発明による実施形態の反射防止膜10の構造を説明する。図1は、基材11の表面に形成された反射防止膜10の構造を模式的に示す断面図である。基材11は、例えばTACやPETなどの高分子フィルムであってもよいし、液晶表示装置やプラズマ表示装置などの表示パネルでもよい。基材11は反射防止が必要とされる部材であれば形状や材質を問わない。
反射防止膜10は、膜法線方向から見たときに、2次元的な大きさが1μm以上100μm未満である複数の第1凸部12aと2次元的な大きさが10nm以上500nm未満の複数の第2凸部12bとを有している。なお、第1凸部12aおよび第2凸部12bの高さは、いずれも、それぞれの2次元的な大きさとほぼ等しい。なお、2次元的な大きさは、円の直径で近似的に表され得る。第2凸部12bは第1凸部12aの上および複数の第1凸部12aの間にも形成されている。第1凸部12aおよび第1凸部12a上に形成された第2凸部12bをまとめて2重凸部12cということがある。また、第1凸部12aと第2凸部12bとを有する表面を反射防止表面12ということがある。第1凸部12aはアンチグレア機能を発揮し、第2凸部12bはモスアイ構造を構成し、反射防止機能を発揮する。アンチグレア機能を発揮する第1凸部12aで構成される構造をアンチグレア構造ということがある。すなわち、2次元的な大きさが10nm以上500nm未満の複数の第2凸部12bで構成されるモスアイ構造に対し、2次元的な大きさが1μm以上100μm未満である複数の第1凸部12aで構成される構造をアンチグレア構造という。
本発明の実施形態の反射防止膜10または反射防止表面12は、第1凸部12aの表面の膜面に対する立ち上がり角αが約90°以上であるという特徴を有する。αが90°以上あることによって、後述するように、従来のアンチグレア層よりも優れたアンチグレア特性(ヘイズ値であらわすと8.5以上)を有する。なお、図1に示した反射防止表面12が有する表面形状を膜面に関して反転させた形状としても同等の効果が得られる。図1に示した表面形状を反転させた表面形状は、後述する転写工程を1回余分に行うことによって形成できる。
ここでは、互いに隣接する第1凸部12aの間の第2凸部12bが基材11の表面に独立に形成されている例を示しているが、第1凸部12aの間の第2凸部12bが下地層と一体に形成されても良い。
反射防止層10は、好適には、反射防止表面12の表面形状を反転した表面形状を有するスタンパと基材11との間に光硬化性樹脂(例えばアクリル樹脂)を付与した状態で、光硬化性樹脂を硬化することによって、基材11の表面に、スタンパの表面形状が転写された光硬化性樹脂層を形成することによって形成される。このとき、基材11の表面にスタンパを押圧する力が充分に強ければ、図1に示したように、互いに隣接する第1凸部12aの間の第2凸部12bが基材11の表面に独立に形成されるが、スタンパを押圧する力が弱ければ、第1凸部12aの間の第2凸部12bは下地層と一体に形成される。また、スタンパの表面形状によっては、隣接する第1凸部12aの間の表面は例示したように平坦ではなく、凹面となることもある。
第1凸部12aの立ち上がり角αはアンチグレア特性の観点からは約80°以上であることが好ましく、転写工程におけるスタンパの離型性の観点からは約130°以下であることが好ましい。また、回折等を抑制するために複数の第1凸部12aは不規則に配列されていることが好ましい。
反射防止機能を発現する第2凸部12bは、略円錐形の凸部を含むことが好ましく、不規則に配列された凸部を含むことが好ましい。ここで、不規則に配列された凸部を含むとは、第2凸部12bの配列が反射防止膜10の全面に亘って不規則な場合だけでなく、反射防止膜の一部の領域における第2凸部12bの配列が不規則な場合を含む。また、不規則な配列とは、周期性を有しない配列のことを意味する。また凸部は特許文献3に記載されているように階段状の側面を有することが好ましい。
次に、図2を参照して、反射防止膜10を形成するためのスタンパの製造方法を説明する。本実施形態のスタンパの製造方法は、陽極酸化によって形成されるアルミナ層の表面形状がAl基材の純度や不純物元素の種類によって異なるという、本発明者が実験によって得た新しい知見に基づいている。この知見は実験例を示して後述する。
まず、図2(a)に示すように、Alの含有率が99.0質量%以下のAl基材21を用意する。このとき、Al基材21は、Mn、MgおよびFeからなる群から選択された少なくとも1つの元素を含むことが好ましく、これらの元素の含有率の総和が1質量%以上であることが好ましい。なお、Al基材21は、Siをさらに含んでもよい。
次に、図2(b)に示すように、Al基材21を部分的に(表面部分を)陽極酸化することによって、複数の微細な凹部を有するポーラスアルミナ層を形成する。続いて、ポーラスアルミナ層をアルミナのエッチャントに接触させることによって、ポーラスアルミナ層の複数の微細な凹部を拡大させることによって凹部22aを形成する。凹部22aは、Al基材21が99.0質量%以下の場合、特に、Mn、MgおよびFeからなる群から選択された少なくとも1つの元素を含む場合に形成され、Al基材のAl純度が99.0質量%を超えると凹部22aの数は少なくなり、99.5質量%を超えるとさらに少なくなる。なお、凹部22aは、ポーラスアルミナ層を最初にエッチングする際に形成され、その後の複数回のエッチングでは、凹部22aの数や大きさはほとんど変化しない。凹部22aは不規則に分布する。
その後、上記陽極酸化工程と、エッチング工程とを交互に複数回行うことによって、ポーラスアルミナ層にそれぞれが階段状の側面を有する複数の微細な凹部22bを形成する。微細な凹部22bは、凹部22aの内面を含むAl基材21の表面全体に形成される。
ここでは、特許文献3に記載されている方法で、微細な凹部22bを形成する例を示すがこれに限られない。上記の方法は、陽極酸化ポーラスアルミナが、陽極酸化を一旦停止した後に再び同じ条件で陽極酸化を行うと、前の過程で形成された凹部(細孔)の底が開始点となり、同じ位置に同じセルサイズ・孔径の凹部が再び形成されるという特徴を利用している。
以下、図3を参照しながら、階段状の側面を有する微細な凹部22bを形成する方法を説明する。
まず、図3(a)に示すように、凹部22aが形成されたAl基材21を用意する。ここでは簡単のために凹部22aを省略している。
次に、図3(b)に示すように、このAl基材21を部分的に(表面部分)所定の条件で陽極酸化することによってポーラスアルミナ層20’を形成する。陽極酸化の条件(例えば化成電圧、電解液の種類、濃度、さらには陽極酸化時間など)によって、凹部22bの大きさ、生成密度、凹部22bの深さなどを制御することが出来る。また化成電圧の大きさを制御することによって、凹部22bの配列の規則性を制御することができる。例えば、規則性の高い配列を得るための条件は、(1)電解液に固有の適切な定電圧で陽極酸化し、(2)長時間陽極酸化を行うことである。このときの電解液と化成電圧の組合せは、硫酸では28V、シュウ酸では40V、燐酸では195Vであることが知られている。不規則な配列の凹部22bを形成するためには、上記(1)の工程は同じであるが、陽極酸化に要する時間を出来るだけ短くし、ポーラスアルミナ層のエッチング工程と陽極酸化工程とを交互に繰り返し行う。
ここで、初期段階で生成するポーラスアルミナ層20’においては凹部22bの配列に乱れが生じる傾向にあるため、再現性を考慮すると、図3(c)に示すように、最初に形成されたポーラスアルミナ層20’を除去することが好ましい。またポーラスアルミナ層20’の厚さは再現性の観点から200nm以上であることが好ましく、生産性の観点から2000nm以下であることが好ましい。
もちろん必要に応じて、ポーラスアルミナ層20’を除去することなく、以下に説明する工程(e)〜(g)以降の工程を行っても良い。また、図3(c)ではポーラスアルミナ層20’を完全に除去した例を示しているが、ポーラスアルミナ層20’を部分的に(例えば表面からある深さまで)除去しても良い。ポーラスアルミナ層20’の除去は、例えば、燐酸水溶液やクロム燐酸混合液に所定時間浸漬させて除去するなど公知の方法で行うことができる。
その後、図3(d)に示すように、再び陽極酸化を行い、凹部22bを有するポーラスアルミナ層20を形成する。陽極酸化の条件および時間を制御することによって、凹部22bの大きさ、生成密度、凹部22bの深さ、配列の規則性などを制御する。
次に、図3(e)に示すように、凹部22bを有するポーラスアルミナ層20をアルミナのエッチャントに接触させることによって所定の量だけエッチングすることにより凹部22bの孔径を拡大する。ここでウェットエッチングを採用することによって、凹部22bの壁およびバリア層をほぼ等方的に拡大することができる。エッチング液の種類・濃度、およびエッチング時間を調整することによって、エッチング量(すなわち、凹部22bの大きさおよび深さ)を制御することが出来る。例えば、燐酸水溶液やクロム燐酸混合液に所定時間浸漬させて除去する。
この後、図3(f)に示すように、再び、Al基材21を部分的に陽極酸化することにより、凹部22bを深さ方向に成長させると共にポーラスアルミナ層20を厚くする。ここで凹部22bの成長は、既に形成されている凹部22bの底部から始まるので、凹部22bの側面は階段状になる。
さらにこの後、図3(g)に示すように、ポーラスアルミナ層20をアルミナのエッチャントに接触させることによってさらにエッチングすることにより凹部22bの孔径をさらに拡大する。
このように、上述した陽極酸化工程(図3(d))およびエッチング工程(図3(e))を繰り返すことによって、所望の凹凸形状を有する凹部22bを備えるポーラスアルミナ層20が得られる。陽極酸化工程およびエッチング工程のそれぞれの工程の条件を適宜設定することによって、凹部22bの大きさ、生成密度、凹部22bの深さと共に、凹部22bの側面の階段形状を制御することが出来る。なお、凹部22bの底部を小さくするためには、陽極酸化工程で終える(その後のエッチング工程を行わない)ことが好ましい。
ここでは、陽極酸化工程とエッチング工程とを交互に行う例を説明したが、陽極酸化工程とエッチング工程との間、あるいはエッチング工程と陽極酸化工程との間に、洗浄工程やその後に乾燥工程を行っても良い。
なお、凹部22bの配列は回折光の発生を抑制するためには周期性を有しない(即ち、不規則な)方が好ましい。周期性を有しないとは、ある凹部22bの重心からその凹部22bに隣接する全ての凹部22bのそれぞれの重心に向けたベクトルの総和(ベクトル和)の長さが最短のベクトルの長さの5%以上であれば、実質的に周期性を有しないと言える。また、凹凸構造に周期性がある場合には、その周期は光の波長よりも小さいことが好ましい。また、互いに隣接する凹部の間隔(反射防止膜においては互いに隣接する凸部の間隔)は100nm以上200nm以下の範囲内にあることが、可視光の全波長域(380nm〜780nm)で回折を抑制する観点から好ましい。
従って、反射防止膜を形成するためのスタンパは、上記のような反射防止性能に寄与する各ファクターを制御した反射防止性能の高い所望の凹凸形状を反転させた形状、あるいはその形状そのものを基材の表面に作製すればよい。
上述のようにして得られたスタンパは、そのまま量産に用いることが出来る。もちろん、必要に応じて、例えば、電鋳法を用いて、上記アルミナ層の表面凹凸構造を転写した金属スタンパ(例えばNiスタンパ)を作製して、これを用いて転写法によって反射防止膜を作製することもできるが、かえってコストが高くなる。陽極酸化を利用すると、反射防止膜の製造に好適なスタンパを簡便なプロセスで得られるとともに、そのまま量産に供することができるという利点を有している。また、本発明によるスタンパの製造方法は、大面積あるいは特殊な形状のスタンパ(例えばロール状)の製造にも好適に用いられる。
なお、本発明の実施形態によるスタンパは微細な凹部が階段状の側面を有しているので、比表面積が広く、その結果、表面処理の効果が強く得られる。例えば、スタンパの表面に離型処理を施すことによって転写性が向上する。また、反射防止材の表面に撥水・撥油処理(例えばフッ素処理)を施すことによって防汚効果が得られる。また、このスタンパを用いて得られる反射防止材は、微細な凸部が階段状の側面を有するので、同じピッチ・高さを有する反射防止材よりも光の反射(0次回折)が起こり難いという特徴を有している。
次に、図4を参照して、凹部22bの形状の例を説明する。図4(a)および(b)に示すように、陽極酸化によって深さ方向(矢印A1)に細孔形成を行う工程(図3(d))と、エッチングによってアルミナ層面内方向(矢印A2)に孔径を拡大する工程(図3(e))とをそれぞれ同じ条件で繰り返すことによって、一定の段差(高さ)(升目3個分)と幅(升目1個分)との繰り返しで構成される階段状断面を有する凹部22bが形成される。陽極酸化工程とエッチング工程とを短い間隔で多数回繰り返すと、図示したように、略円錐状の凹部22bを得ることができる。また、ここで例示したように、陽極酸化工程で終えることによって、凹部22bの底部の面積を小さくすることができる、すなわち、最深部が実質的に点である凹部22bを得ることができる。
この方法を用いれば、反射防止性能を向上させるために重要な前記ファクターを容易に制御することができる。まず、不要な回折光発生の有無を決定する凹凸構造周期すなわち凹部22bの間隔は、陽極酸化時の化成電圧をもって制御することが可能である。あるいは、凹部22bの周期性を乱す化成条件(上述した周期性の高い膜を得る条件からはずれた条件)で作製することで、不要回折光発生をなくすことも可能となる。また、凹凸構造の深さ(アスペクト比)は、陽極酸化による細孔形成量とエッチング量で制御することができる。
例えば、図4に示したように凹部形成量(深さ)をエッチング量(開口の大きさ)に比べて大きくすると、高アスペクト比の凹凸構造が形成される。反射防止材の凹凸構造の高さ(深さ)は、反射防止性能を向上させる上で重要である。また、このように階段状側面を有する凹部22bの場合、階段の大きさ(段差および幅)が波長よりも小さいと、凹部22bの配列に周期性があっても、同じピッチを有する反射防止材よりも光の回折(反射)が起こり難い。
図5(a)に上述の方法で得られたスタンパの表面のSEM像を示す。また、図5(b)に、上述の方法で得られたスタンパを用いて、光硬化性樹脂で形成した反射防止膜の表面のSEM像を示す。
図5(a)に示したスタンパは、Al基材21として、Al含有率が99.0質量%以下のAl材料を用いた。具体的には、Siを0.6質量%、Feを0.7質量%、Mnを1.5質量%含むAl材料(Al含有率:97.2質量%、FeとMnの合計が2.2質量%)を用いた。基材21の大きさは、100mm角とした。
スタンパの製造プロセスは、(陽極酸化→予備エッチング)+(陽極酸化→エッチング)を2回繰り返し、さらに最後に陽極酸化を行った。(陽極酸化→予備エッチング)によって凹部22aが形成され、その後の工程で、凹部22bが形成された。陽極酸化、予備エッチング、およびエッチングの条件を以下にまとめて示す。
電極−サンプル間距離:150mm(電極:Ptプレート)
陽極酸化条件:処理液:シュウ酸(0.05mol/L)
処理温度:3℃
電圧:80V、処理時間:1min
予備エッチング条件:処理液:燐酸(8mol/L)、処理温度:30℃
処理時間:90min
エッチング条件:処理液:燐酸(8mol/L)、処理温度:30℃
処理時間:20min
図5(a)から分かるように、数μmの凹部22aが多数形成されており、一部には複数の凹部22aが集まって10μmから数十μmの凹部を形成している。また、凹部22aの内面を含む全面に微細な凹部22bが多数形成されている。凹部22aおよび凹部22bは不規則に分布している。
図5(b)に示す光硬化性樹脂からなる反射防止膜は、凹部22aおよび凹部22bで構成されたスタンパの表面形状が転写された結果、図1に模式的に示したように、2次元的な大きさが1μm以上100μm未満である複数の第1凸部12aと2次元的な大きさが10nm以上500nm未満の複数の第2凸部12bとを有している。第1凸部12aおよび第2凸部12bの配列は不規則である。また、第1凸部12aの表面の膜面に対する立ち上がり角が約90°以上の特徴的な形状が明確に観察される。
なお、ここでは、図1に示した基材11として、PETフィルム(厚さ100μm)を用いた。また、陽極酸化アルミナで形成されているスタンパの表面をフッ素系離型剤で離型処理(撥水・撥油)処理を行った。注射器を用いて適量の紫外線硬化樹脂(アクリル樹脂)をPETフィルム上に付与した後、ラミネータを用いてスタンパと貼り合わせた。その後、紫外線(365nm、1000mW/cm2)を2分間照射することによって、紫外線硬化樹脂を硬化させ、スタンパを剥離した。このようにして、図1に模試的に示したように、PETフィルム11の表面に反射防止膜10を形成した。
第1凸部12aを形成するための凹部22aは、Al基材21に含まれる不純物に大きく依存することを本発明者は実験によって見出した。図6および図7を参照して結果の一部を説明する。図6(a)および(b)は、Al含有率が99.0質量%以下のAl基材を陽極酸化した後に予備エッチングを行った表面のSEM像であり、図7(a)、(b)および(c)は、Al含有率が99.0質量%超のAl基材を陽極酸化した後に予備エッチングを行った表面のSEM像である。
図6(a)は、図5(a)に示したものと同じものを低倍率で観察したSEM像であり、図6(b)はSiを0.6質量%、Feを0.35質量%、Mgを0.9質量%含むAl材料(Al含有率:98.15質量%、FeとMgの合計が1.25質量%)を用いた例である。不純物元素としてMgを含むAl材料を用いても、Mnを含む場合とほぼ同様に、2次元的な大きさが1μm以上100μm未満である凹部22aが多数形成されていることがわかる。
これに対し、図7(a)〜(c)は、それぞれAl含有率が99.5質量%、99.85質量%、99.999質量%の高純度Al材料であり、含まれる不純物は、SiとFeである。図から明らかなように、Alの純度が高くなるにつれて凹部22aの数が少なくなることが分かる。このように、陽極酸化に供するAl基材のアルミ純度、および不純物元素種類を調整することによって、アンチグレア機能を発現する凸部12aを形成するための凹部22aを、モスアイ構造を構成する凸部12bを形成するための凹部22bと実質的に同じプロセスで形成することが可能となる。
上述の各Al材料を用いてスタンパを形成し、そのスタンパを用いて上記と同様の方法で紫外線硬化樹脂からなる反射防止膜を作製し、得られた反射防止膜のヘイズ値を評価した。図5(a)及び図6(a)に示したMnを含むAl含有率が99.0質量%以下のAl材料を用いた場合のヘイズ値は8.75であったのに対し、図7(a)に示したAl含有率が99.5質量%でMnおよびMgを含まないAl基材を用いた場合のヘイズ値は3.13と低かった。さらに、Al含有率が99.5質量%でMnを含むAl基材を用いた場合のヘイズ値は6.65であった。Mnを含むとAl含有率が99.5質量%と同じであっても、凹部22aが多く形成されたが、8.5以上のヘイズ値を得ることができなかった。なお、本発明者の主観評価の結果、ヘイズ値が8.5以上あれば、表示パネルの内部反射を十分に抑制できることが分かった。
反射防止膜のアンチグレア機能は、表示パネルにおける内部反射を抑制するために重要である。図8(a)に模式的に示すように、上述したような凸部12aは、表示パネルの内部で反射し、観察者側に出射される光を効率的に散乱できるので、比較的高いヘイズ値を得ることができる。これに対し、図8(b)に模式的に示すように、従来のアンチグレア層の表面が有する凸部32aはなだらかな立ち上がりを有しているので、内部反射光を散乱させる機能が小さい。
このことを光線追跡シミュレーションを用いて検証した。図9(a)および(b)に用いたモデルを示す。
図9(a)は本発明による実施形態の反射防止膜が備える凸部12aを備える表面を模擬している。凸部12aの立ち上がり角αは90°とした。図9(b)は従来の典型的なアンチグレア層のサイン波状の形状を模擬しており、立ち上がり角度βは15°とした。光線数は1000とし、対象平面に対し、垂直に入射させた。
図10(a)〜(c)にシミュレーションの結果を示す。図10(a)〜(c)のグラフの横軸は極角(面法線からの角度)であり、縦軸は光束(強度)である。
図10(a)は、図9(a)に示した半球状の凸部12a(高さH:0.1、ピッチP:0.2、アスペクト比:1:2)が密に配列されている場合の結果を示している。この場合、内部光源からの光は極角48°程度の範囲まで散乱しており、かつ、極角の大きい位置での光束自体も高くなっていることから、散乱(拡散)の効果が大きいことが分かる。
図10(b)は半球状の凸部12a(高さH:0.1、ピッチP:0.4、アスペクト比:1:4)が疎(図10(a)の約半分の密度)で配列されている場合の結果を示している。この場合でも、内部光源からの光は極角40°程度の範囲まで散乱していることがわかる。
これに対し、図10(c)は、図9(b)に示した凸部32a(高さH:0.05、ピッチP:0.4、アスペクト比:1:8)が配列されている場合の結果を示している。この場合、内部光源からの光は、極角30°以下の範囲までしか散乱されていないことが分かる。
これらのことから明らかなように、立ち上がり角αが90°の凸部12a(図1参照)を形成することによって、従来のアンチグレア層に比べて、表示パネルの内部からの光を効果的に散乱させることができることがわかる。なお、凸部12aの大きさは、表示パネルの反射防止膜として用いる場合には、画素サイズよりも小さいことが好ましく、TV用途では50μm以下であることが好ましい。また、モバイル用途であれば、10μm以下であることが好ましい。
上述したように、本発明の実施形態の製造方法によると、従来よりも簡単なプロセスでアンチグレア機能を有する反射防止膜(反射防止表面)を形成することができるスタンパが得られる。本発明によるスタンパは、そのまま量産に用いることが出来る。また、本発明の実施形態によるスタンパの製造方法は、大面積あるいは特殊な形状のスタンパ(例えばロール状)の製造にも好適に用いられる。
また、本発明の実施形態の反射防止膜は、モスアイ構造とアンチグレア構造とが重畳された構造を有しており、従来よりも優れたアンチグレア機能を有している。特に、モスアイ構造およびアンチグレア構造を構成する凸部が不規則に配列された構成とすることによって、防眩効果および反射防止効果をさらに向上させることができる。本発明の実施形態の反射防止膜を表示装置に適用すると、防眩効果および反射防止効果が優れるとともに、回折やモアレの発生も低減される。
本発明は、表示装置などの光学素子をはじめ、反射防止が望まれるあらゆる用途に用いることができる。
10 反射防止膜
11 基材
12 反射防止表面
12a 第1凸部(アンチグレア構造)
12b 第2凸部(モスアイ構造)

Claims (2)

  1. 表面の法線方向から見たときに、2次元的な大きさが1μm以上100μm未満である複数の第1凸部と2次元的な大きさが10nm以上500nm未満の複数の第2凸部とを有し、前記複数の第2凸部は前記複数の第1凸部の上および前記複数の第1凸部の間に形成されており、前記複数の第1凸部の表面の膜面に対する立ち上がり角が約90°以上である第1表面形状又は前記第1表面形状を表面に関して反転させた第2表面形状を有する、スタンパの製造方法であって、
    (a)Alの含有量が99.0質量%以下で、Mn、MgおよびFeからなる群から選択された少なくとも1つの元素を含むAl基材を用意する工程と、
    (b)前記Al基材を部分的に陽極酸化することによって、複数の微細な凹部を有するポーラスアルミナ層を形成する工程と、
    (c)前記ポーラスアルミナ層をアルミナのエッチャントに接触させることによって、ポーラスアルミナ層の複数の微細な凹部を拡大させる工程と
    を包含する、スタンパの製造方法。
  2. 前記工程(b)および工程(c)を交互に複数回行うことによって、ポーラスアルミナ層にそれぞれが階段状の側面を有する複数の微細な凹部を形成する、請求項に記載のスタンパの製造方法。
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