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JP4578011B2 - 同調回路 - Google Patents

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Landscapes

  • Channel Selection Circuits, Automatic Tuning Circuits (AREA)
  • Input Circuits Of Receivers And Coupling Of Receivers And Audio Equipment (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インダクタとキャパシタから成る共振回路に負性抵抗回路を付加してそのQを任意の所定値に増大させることを可能にした同調回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
同調回路のQを増大させる方法として、負性抵抗回路を用いる方法がある。この方法の1つとして、再生検波(Regenerative Detection)方式があり一時多用されたが、この方法は正帰還回路を発振寸前にして使用するため、同調周波数変更のたびに手動で設定し直す必要があり、その設定値も一定ではなかった。この欠点を改善し、自動設定できる方法として特願2000−400944の方法がある。この方法は同調回路を負性抵抗を用いて弱発振させた状態で、負性抵抗値を掃引して発振信号振幅を変化させることによって、負性抵抗値と発振信号振幅の関係から演算により同調回路の抵抗成分を求めるものである。この方法では、乗除算を含めて数回の数値演算が必要であるから、極めて煩雑であり、演算結果のホールドも不完全である。またこの欠点を補う方法として特願2001−19748の方法がある。この方法は回路の可成りの部分をディジタル化できるので、小形化でき、演算結果のホールドも完全である利点はあるが、動作精度を決める基準時刻(発振信号振幅がゼロになる時刻)の検出精度に問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、特願2001−19748の方法では基準時刻の正確な検出が困難であるので、この基準時刻の検出が簡単で、正確に求められ、その回路構成も簡単な方法により、安定で高Qに設定できる同調回路を提供することが本発明の課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成するため、インダクタンスとキャパシタンスから成る共振回路に直列に負性抵抗回路が接続された同調回路において、上記同調回路の実効抵抗値を負になるように上記負性抵抗回路の負性抵抗値を設定して発振させてから該負性抵抗値を正の方向へ変化させる負性抵抗制御手段と、上記共振回路から出力される発振信号の振幅が第1の所定値になった時点での第1の負性抵抗値を保持すると共に上記振幅が第1の所定値の1/2倍の第2の所定値になった時点での第2の負性抵抗値を出力しかつ上記負性抵抗値の変化を停止させる停止保持手段と、上記第1及び第2の負性抵抗値から同調回路の所望のQを得るための前記負性抵抗回路の負性抵抗値を演算し設定する設定演算手段と、を備え、前記負性抵抗値の変化に対する発振信号の変化の時間遅れに対応する負性抵抗補正値を前記設定演算手段に与えるようにしたことを要旨とする。
【0005】
また、本発明は、インダクタンスとキャパシタンスから成る共振回路に直列に負性抵抗回路が接続された同調回路において、上記同調回路の実効抵抗値を負になるように上記負性抵抗回路の負性抵抗値を設定して発振させてから該負性抵抗値を正の方向へ変化させる負性抵抗制御手段と、上記共振回路から出力される発振信号の振幅が第1の所定値になった時点での第1の負性抵抗値を保持すると共に上記振幅が第1の所定値の1/2倍の第2の所定値になった時点での第2の負性抵抗値を出力しかつ上記負性抵抗値の変化を停止させる停止保持手段と、上記第1及び第2の負性抵抗値から同調回路の所望のQを得るための前記負性抵抗回路の負性抵抗値を演算し設定する設定演算手段と、前記同調回路の入出力を切り離す手段とを備えたことを要旨とする。
【0006】
また本発明において、前記負性抵抗制御手段は、クロック信号をカウントするカウンタを有し、該カウンタのカウント出力に応じて上記負性抵抗値を制御するように構成され、前記停止保持手段は、前記発振信号の振幅が第1及び第2の所定値になったことを検出する第1及び第2の比較器と、前記第2の負性抵抗値を保持するラッチ回路を有するようにしてもよい。この場合、前記第2の比較器からの第2の負性抵抗値は2倍となるように1ビットシフトして前記設定演算手段に加えられるようにしてもよい。
【0007】
更に本発明において、前記同調回路の入出力を切り離す手段を設けてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の基本的構成は上述した通りで、既存の種々の回路で実現できるが、以下、本発明の実施の形態として上記構成による同調回路の所望のQの設定原理を説明する。
本発明において、同調回路に負性抵抗を導入して弱発振させるのは従来技術同様である。同調回路のQを希望の値に設定するための同調回路の実効直列抵抗成分rは以下のようにして定められる。まず同調回路の有する元々の直列抵抗成分を求めるが、この抵抗値をrとし同調回路に接続される負性抵抗回路の負性抵抗をrn1とすれば、合成抵抗rはそれらの和でr=r+rn1であり、負性抵抗がrn2になればその時の合成抵抗rはr=r+rn2となる。負性抵抗値をX軸に、それに対応する発振信号振幅e、eをY軸にとれば、両者の関係は図1(a)のように表わされる。この関係より、同調回路の有する元々の直列抵抗成分r
【0009】
【数1】
Figure 0004578011
で求められるから、負性抵抗回路は同調回路の所望の必要Qを得るための直列抵抗成分rからこの値を引いた値(r−r)に設定すればよい、というのが従来技術の考えである。したがってこの方法では(1)式のrを得るために乗除算を含めた数回の演算が必要である。
【0010】
そこで本発明では、発振信号振幅e、eにそれぞれ任意の振幅を用いるのではなく、図1(b)に示すように、e/e=2という関係になる特定値のみを使用する。
そうすると式(1)は
【0011】
【数2】
Figure 0004578011
となり簡単になる。しかもこの式によれば2倍の演算を行う必要があるが、この演算を2進符号で行わせれば2倍は1ビットシフトに相当するから、結局、式(2)の計算は1ビットシフトと減算で済むことになる。また、式(2)を用いれば従来技術で問題であった発振信号振幅がゼロになる時刻の検出はしないですむことになる。
【0012】
また、同調周波数の設定を早く行うため負性抵抗の掃引を早くすると、その掃引速度と発振振幅検出回路の有するローパスフィルタの応答特性との相対関係により、ローパスフィルタの遅延時間が無視できない場合があってrの演算に誤差ができる。しかしこれについては次のようにすればよい。すなわち、上記遅延時間により図2に示すように図1の実線の関係が点線のようになるから、P点が上記遅延時間に対応する抵抗変化分△だけ遅延してP'点に、P点は△だけ遅延してP'点に遅延して平行移動する。したがって式(2)のrn1、rn2をそれぞれ△だけ遅延させ、このときの見かけのrをr'とすると
【0013】
【数3】
Figure 0004578011
となる。これは回路の元々の直列抵抗成分が△だけ小さい値であると誤認識することを示している。したがって、rにたいし△が無視できないときは、この補正を行う必要がある。なお、以上の説明で分かるように、△のディメンションは時間ではなく抵抗である。
【0014】
以上のことから、Qを所定値に設定するための実効直列抵抗値をrとすると、負性抵抗回路で設定すべき値rはr=r−rである。負性インピーダンス変換器NICの変換係数を−1とすると、負性インピーダンス変換器NICへは−r=−r+rを与えればよい。但し上記遅延時間を無視できない場合は、rは実際にはr'として得られるので、結局
【0015】
【数4】
Figure 0004578011
を求めればよい。r'は測定の結果得られるので、補正はRの設定値に△を含めて−r+△とすればよい。
【0016】
このようにして、従来の方法で必要であった煩雑な演算や、発振信号振幅のゼロ点の検出を避けることができるうえ、小形汎用のディジタルICを多用して小形化を図ることができる。
【0017】
【実施例】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態に基づく実施例の構成およびその動作について詳述する。
図3は上記実施例の回路構成図であって、Aはアンテナ又は前段RF増幅器等からのRF信号の入力端子、Bは信号出力端子、SW1、SW2はスイッチ回路、L、Cは同調回路を構成する共振回路TUの同調用インダクタとキャパシタ、Vは信号振幅検出回路、COMP1、COMP2はアナログコンパレータ、LATはラッチ回路、e1は基準電圧、DIVは電圧分割器、CLKはクロック信号発生回路、CUNTは2進カウンタ、AD/SBは加減算器、RDはQの設定信号発生器、SELはセレクタ、CONTは制御信号発生回路、W1、W2はその出力線、DACはディジタル−アナログ変換器、VRは電圧−抵抗変換器、NICは負性インピーダンス変換器である。
【0018】
上記実施例の構成において、クロック信号発生回路CLK、2進カウンタCUNT、セレクタSEL、ディジタル−アナログ変換器DAC、電圧−抵抗変換器VR及び負性インピーダンス変換器NICは前記負性抵抗制御手段を構成する。
また、信号振幅検出回路V、アナログコンパレータCOMP,COMP、ラッチ回路LAT及び電圧分割器DIVは前記停止保持手段を構成する。
更に、Qの設定信号発生器R及び加減算器AD/SBは前記設定演算手段を構成する。
【0019】
上記実施例において、Qの設定動作に先立って、まず、キャパシタCが制御されて所定の同調周波数に設定されるとともに、出力線W1を通じて制御信号発生回路CONTからの制御信号によりスイッチ回路SW1、SW2がオフになり、同調回路が入出力端子A,Bから切り離される。これは発振信号がA,Bに接続される図示していない入出力回路に与える影響を防ぐためである。
【0020】
次に、制御信号発生回路CONTからの出力線W2を通じた制御信号により、2進カウンタCUNTは負性インピーダンス変換器NIC出力がrn1を与える値(カウンタ出力はセレクタSEL、ディジタル−アナログ変換器DAC、電圧−抵抗変換器VRおよび負性インピーダンス変換器NICを通じて同調回路に負性抵抗を与える)よりも負の方から正抵抗の方へ変化していくようクロック信号発生回路CLKからのクロック信号のカウントを開始する。カウンタ出力はこのようにセレクタSEL、ディジタル−アナログ変換器DAC、電圧−抵抗変換器VRおよび負性インピーダンス変換器NICを介して負性抵抗を与え掃引するが、以下、いちいちこれら途中の回路を介して動作しているという説明は煩雑であるので、カウンタ出力で直接負性抵抗を与えるかのように表現を簡略化して説明する。
【0021】
同調回路に負性抵抗が与えられることにより、同調回路は弱発振する。発振信号は信号振幅検出回路Vで検波され、平滑されてアナログコンパレータCOMP1、COMP2に加えられ、COMP1では基準電圧eと、COMP2ではe/2の基準電圧と較される。最初、負性抵抗は発振信号振幅がeより大きい電圧が出るよう設定されており、カウントアップが進んで(カウントアップさせるかカウントダウンさせるかは、ディジタル−アナログ変換器DAC、電圧−抵抗変換器VRおよび負性インピーダンス変換器NICの入出力の極性関係によるが、こゝではカウントアップとする)発振信号振幅がeを通過する瞬間、アナログコンパレータCOMP1がそれを検出して、そのときのカウント値(負性抵抗値rn1に相当)をラッチ回路LATにラッチする(COMP1出力の点線接続については後述参照)。さらにカウントアップが進んで、発振信号振幅がe/2を通過する瞬間、アナログコンパレータCOMP2がそれを検出してカウンタCUNTのカウントをストップさせる。このときカウンタCUNTのカウント値は負性抵抗値rn2に相当する値になっている。この値は加減算器AD/SBに加えるとき、2倍するために1ビットシフトされる。
【0022】
一方、Qの設定信号発生器Rより所望のQにするための直列抵抗値rに対応する設定信号(前述のローパスフィルタの遅延時間を補正する必要がある場合には△を加えておく)が出されており、この設定信号と上記2つの値rn1,rn2が加減算器AD/SBに加えられて、前述した式(4)によるrが求められる。セレクタSELはアナログコンパレータCOMP2出力により、カウンタ出力から加減算器AD/SB側に切り換えられて所望のQを得るための設定値rを出力するので、Qは所望値に設定され、以後その値を保持する。
【0023】
制御信号発生回路CONTはCOMP2出力によりQが所望値に設定されたとして、スイッチ回路SW1およびSW2をオンとするので受信動作が可能となる。
また、カウンタCUNTの代わりに図4に示すような累積回路としてのメモリーMEMでもよいことは勿論である。
以上が図3に示す回路の詳細動作説明であるが、このような動作は以下のような方法でも行うことができる。
式(2)を変形すれば
【0024】
【数5】
Figure 0004578011
となるから、式(2)の代わりに式(5)の計算をさせてもよい。これは図1(b)からも明らかなように、rn1とrn2の差の2倍の値をrn1から減算すれば−rになる、という意味である。
【0025】
この動作は図3でCOMP1出力の点線部分の接続を追加することで可能となる。すなわち、eが得られたとき、コンパレータCOMP1出力により、カウンタ出力のrn1相当値をラッチ回路LATにラッチするとともに、カウンタを一旦リセットしてそこから再びカウントを開始させる。e/2が得られたときにはカウンタ内容は(rn1−rn2)相当値になっているから、このときカウントを停止させるとともに、カウンタ出力を1ビットシフトして加減算器AD/SBに加えればよい。以上の動作により計算に必要な要素は得られたので、RからのQの設定値を合わせて加減算器AD/SBで加減算することにより、設定すべき値が得られ、以後この値が保持される。
【0026】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明を用いれば、同調周波数を変えても自動的にQを任意の高い所望値に設定できるから、常に高選択度で安定に受信することができ、しかもそのための回路も、スイッチ回路と負性インピーダンス変換器、振幅検出用検出回路以外は、その殆どを小形汎用のディジタルICを用いて構成することも可能であるうえ、この回路の利点を活用して小形低Qのインダクタを積極的に利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動作原理を説明するための特性図である。
【図2】本発明の動作原理を説明するための特性図である。
【図3】本発明の一実施例を説明するための回路構成図である。
【図4】上記実施例においてカウンタに代わる累積回路を用いた回路構成例である。
【符号の説明】
A 信号入力端子
B 信号出力端子
SW1、SW2 スイッチ回路
C キャパシタ
L インダクタ
COMP1、COMP2 アナログコンパレータ
V 振幅検出回路
LAT ラッチ回路
基準電圧
DIV 電圧分割器
CUNT 2進カウンター
CLK クロック信号発生回路
AD/SB 減算器
Q設定信号発生器
CONT 制御信号発生回路
1、W2 制御信号発生回路の出力線
DAC ディジタル−アナログ変換器
VR 電圧−抵抗変換器
NIC 負性インピーダンス変換器
MEM メモリー

Claims (5)

  1. インダクタンスとキャパシタンスから成る共振回路に直列に負性抵抗回路が接続された同調回路において、上記同調回路の実効抵抗値を負になるように上記負性抵抗回路の負性抵抗値を設定して発振させてから該負性抵抗値を正の方向へ変化させる負性抵抗制御手段と、上記共振回路から出力される発振信号の振幅が第1の所定値になった時点での第1の負性抵抗値を保持すると共に上記振幅が第1の所定値の1/2倍の第2の所定値になった時点での第2の負性抵抗値を出力しかつ上記負性抵抗値の変化を停止させる停止保持手段と、上記第1及び第2の負性抵抗値から同調回路の所望のQを得るための前記負性抵抗回路の負性抵抗値を演算し設定する設定演算手段と、を備え、前記負性抵抗値の変化に対する発振信号の変化の時間遅れに対応する負性抵抗補正値を前記設定演算手段に与えるようにしたことを特徴とする同調回路。
  2. インダクタンスとキャパシタンスから成る共振回路に直列に負性抵抗回路が接続された同調回路において、上記同調回路の実効抵抗値を負になるように上記負性抵抗回路の負性抵抗値を設定して発振させてから該負性抵抗値を正の方向へ変化させる負性抵抗制御手段と、上記共振回路から出力される発振信号の振幅が第1の所定値になった時点での第1の負性抵抗値を保持すると共に上記振幅が第1の所定値の1/2倍の第2の所定値になった時点での第2の負性抵抗値を出力しかつ上記負性抵抗値の変化を停止させる停止保持手段と、上記第1及び第2の負性抵抗値から同調回路の所望のQを得るための前記負性抵抗回路の負性抵抗値を演算し設定する設定演算手段と、前記同調回路の入出力を切り離す手段とを備えたことを特徴とする同調回路。
  3. 前記負性抵抗制御手段は、クロック信号をカウントするカウンタを有し、該カウンタのカウント出力に応じて上記負性抵抗値を制御するように構成され、前記停止保持手段は、前記発振信号の振幅が第1及び第2の所定値になったことを検出する第1及び第2の比較器と、前記第2の負性抵抗値を保持するラッチ回路を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の同調回路。
  4. 前記第2の比較器からの第2の負性抵抗値は2倍となるように1ビットシフトして前記設定演算手段に加えられるようになっていることを特徴とする請求項3記載の同調回路。
  5. 前記同調回路の入出力を切り離す手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の同調回路。
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