JP4573418B2 - 露光方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、三次元構造の表面形状をもつ物品や、遮光膜の三次元パターンをもつ濃度分布マスクを製作する際に、感光材料層を露光するための露光方法に関するものである。
この露光方法は、写真製版技術を利用して微細な凹凸その他の三次元形状を形成する産業分野、例えば回折素子などの光学素子製造分野、マイクロマシニング分野、表面制御技術分野、壁掛けTV用ディスプレイ分野、液晶ディスプレイ分野、太陽電池製造分野など、半導体製造プロセスで使用されているのと同様の微細化工技術を利用する分野で使用される。
【0002】
【従来の技術】
光学素子の屈折面や反射面に、球面や非球面等に代表される特殊な面形状が使用されるようになってきている。また近年は液晶表示素子や液晶プロジェクタ等に関連して、マイクロレンズ等の光学素子にも特殊な面形状が求められている。
そこで屈折面や反射面を型成形や研磨によらずに形成する方法として、光学基板の表面にフォトレジスト(感光性材料の代表例)の層を形成し、このフォトレジスト層に対して露光、現像処理を経てフォトレジストの表面形状として三次元的な凸面形状もしくは凹面形状を得、しかる後にフォトレジストと光学基板とに対して異方性エッチングを行ない、フォトレジストの表面形状を光学基板に彫り写して転写することにより、光学基板の表面に所望の三次元構造の屈折面や反射面の形状を得ることが試みられている。
【0003】
露光方法としては、半導体製造分野では、配線パターン及び位相シフト法によるマスクやレチクルを使用した「ステッパー縮小露光」や「アライナー等倍露光」が行なわれている。その方法は配線パターンのような二次元パターンは露光できるが、三次元構造は製作できない。
三次元構造を製作するために、複数枚のマスクを順次交換して露光を行なうバイナリー構造の露光も知られているが、その露光ではマスクが4枚以上必要であった。光学性能(効率80%以上)をだすためには、少なくとも4段階の露光が必要だからである。
【0004】
三次元構造を製作する他の方法として、遮光膜パターンの膜厚が段階的に変化することにより階調をもった階調分布マスクや、露光領域が適当な形状及び大きさの単位セルに分割され、各単位セル内の遮光パターンの光透過量又は遮光量が得ようとする感光性材料パターンの対応した位置の高さに応じた値となるように設定されている濃度分布マスクを使用する露光方法が提案されている(特開平7−230159号公報、特表平8−504515号公報を参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
階調分布マスクや濃度分布マスクを使用して露光した場合、狭い領域に階調差を付けなくてはならないことが起こるため、これまでの方法で階調をつけようとすると段差が生じ表面粗さが悪化して所望の性能を得ることが難しくなることがあった。また、レチクルやマスクの製作コストが高かった。
そこで、本発明は狭い領域内に多数の階調を設定するのを容易にし、表面粗さを改善するとともに、レチクルやマスクの製作コストを低下することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、露光時にマスクを感光性材料に対して相対的に微少移動させることにより、隣の濃度階調との間に中間の階調を作成するようにした露光方法である。
すなわち、本発明の露光方法は、遮光膜パターンの透過光量が2段階以上の階調を有する露光用マスクを通して感光性材料を光照射し現像して三次元構造の感光性材料パターンを形成し、その感光性材料パターンを下地に彫り写すことにより三次元構造の表面形状をもつ物品を製造する方法において、その露光では露光工程内でマスクを感光性材料に対して相対的に面内で微少移動させることにより、露光用マスクの階調よりも多段階の階調で感光性材料を露光するようにした。
【0007】
中間の階調が生じることにより階調数が増加し、段差が少なくなり表面粗さが改善され、所望の構造と性能を得ることが可能になる。特に、急峻な高さ変化を生じる構造部分や、濃度分布マスクが製作できないような超微細領域の階調と構造を実現できる。また、露光用マスクに多数の階調差をつける必要がなくなり、マスクのコスト低減が可能になる。
【0008】
本発明ではマスクを感光性材料に対して相対的に移動させるが、この移動は感光性材料を塗布した基板を固定しておいてマスクを移動させてもよく、逆にマスクを固定しておいて感光性材料を塗布した基板を移動させてもよい。これら両者の移動を含めて「マスクの相対的移動」と称している。
【0009】
【発明の実施の形態】
光照射はマスクの相対的移動中に行なうことができる。この場合、中間の階調は連続したものとなる。
また、露光工程は、マスクの相対的移動と停止時の光照射とを繰り返して多重露光する工程とすることができる。この場合、階調の制御が容易である。
マスクの相対的移動と停止時の光照射とを繰り返して多重露光する場合には、1露光工程内でのマスクの相対的移動範囲を1階調に相当する距離以下に設定し、その1/Nを1単位とする移動量で微小移動をN回繰り返すことにより、n階調のマスクでN×n階調の露光を実現することができる。ここで、n,Nは整数である。
【0010】
マスクの相対的移動方向は、一次元方向のみとすることもできるし、互いに直交する2つの方向とすることもできる。さらに、回転方向の微小移動を含むこともできる。
この露光方法で使用するマスクの好ましい一例は、透明基板上に2次元の光強度分布を有する遮光パターンが形成されたものであり、露光領域が適当な形状及び大きさの単位セルにより隙間なく分割されており、各単位セル内の遮光パターンの光透過量又は遮光量が感光性材料パターンの対応した位置の高さに応じた値となるように設定されている濃度分布マスクである。この場合、マスクの相対的な微小移動の1単位を単位セル寸法の整数分の1に設定する。
【0011】
デフォーカス状態で露光を行なうことも好ましい。デフォーカスとは露光の際、焦点が感光性材料から外れていることである。デフォーカス状態で露光することにより、感光性材料に形成される三次元パターン、ひいては目的とする物品の表面形状をより平滑なものとすることができる。
好ましい露光工程の一例は縮小投影露光工程である。
【0012】
感光性材料パターンを下地に彫り写すことにより製作される三次元構造の表面形状をもつ物品の一例は、マイクロレンズアレイなどの光学素子のように、基板自体の表面が加工された物品である。
感光性材料パターンを下地に彫り写すことにより製作される三次元構造の表面形状をもつ物品の他の例は、目的物品のパターンと等倍寸法に形成された遮光膜パターンを有する濃度分布シスターマスクであって、その遮光膜パターンが遮光膜により透明基板上に形成された二次元パータンと、その二次元パータンの少なくとも一部においては透過光量が変化するように遮光膜の膜厚が変化している膜厚分布とを備えた三次元パターンであるものである。ここで、等倍寸法とは遮光膜パターンが形成された平面内の寸法に関するものであり、遮光膜パターンの高さ方向の寸法に関するものではない。
【0013】
このような濃度分布シスターマスクを製作すると、その遮光膜パターン自体において透過光量が変化するように遮光膜の膜厚が変化している膜厚分布をもっているので、コンタクト露光法やプロキシミティー露光法によっても感光材料層に表面形状の三次元パターンを形成することができる。
【0014】
縮小光学系を有するステッパー(レンズ縮小投影露光機)及びプロジェクション露光機は、露光対象表面に形成された位置合わせパターン(トンボパターン)を読み取ってマスク位置合わせすることはできるが、露光対象表面とは反対側の面に形成されたトンボパターンを読み取ってマスク位置合わせすることはできない。そのため、縮小光学系を有する露光機を用いて基板の表裏面に目的とする表面形状を製作する場合は、表面及び裏面についてトンボパターンのみを形成するフォトリソグラフィー工程がそれぞれ必要であり、製作時間が非常に長くなることが避けられず、高コストとなる。それに対し、このような濃度分布シスターマスクの遮光膜パターンは形成される目的物品のパターンと等倍寸法に形成されているので、目的物品を形成する際に、プロキシミティー露光法やコンタクト露光法など、等倍露光法により遮光膜パターンを露光することができるようになる結果、プロキシミティー露光法やコンタクト露光法では目的の表面形状用の遮光膜パターンと同時にトンボパターン用の遮光膜パターンを露光することができ、また透明基板の裏面位置合わせパターンを読み取って表面側のマスク位置合わせをすることができる。その結果、基板の表裏面に目的の表面形状を形成する場合の工程数を少なくすることができ、製作時間を短縮することができるので、目的物品の製造コストを下げることができる。
【0015】
また、このような濃度分布シスターマスクを用いれば、透明基板の表裏面に製作する光学素子の転写製作を異なった方法で行なうことが可能となる。例えば、透明ガラス基板状の一方にステッパー露光した光学素子を形成し、他方にコンタクト露光した光学素子を製作することができる。
このような方法を利用して、例えば、両面に光学面を有する光学製品を製造できる。光学面の製造方法には、本発明者が既に特許出願した方法(特開平9−146259号公報、特願2000−177847号等参照)を適用することができる。
【0016】
このような濃度分布シスターマスクを用いて三次元構造を製作すると、球面、非球面、円錐形状のような連続面で構成される光学素子を製作することも、フレネル形状のように連続面と不連続面から構成される光学素子を製作することも可能となる。更に、そのような光学素子に反射光学面を形成し、反射光学素子とすることも可能になる。
【0017】
【実施例】
(実施例1)一次元移動の例
マスクの濃度分布形状(遮光膜パターン)は図2(a)に示されるように、透過率が0のレベル(濃度が最も高いレベル)、透過率が100%のレベル、及びその中間の透過率レベルの3階調をもっている。この遮光膜パターンは紙面垂直方向に延びたシリンダー状パターンである。
このマスクを使用してポジレジストを露光、現像した場合、図2(b)に示されるように、濃度分布がそのまま転写される。1は基板、2は形成されたレジストパターンである。
【0018】
次に、このマスクを使用して露光する際に、図1(a),(b),(c)で示されるように、基板1に対して相対的に移動させ、それぞれの位置で露光した。移動範囲は1階調幅であり、その1/3ずつ移動させた。露光は各移動の停止後に3段階に分割して行ない、1回の露光量は所定の露光量の1/3とした。露光終了後、現像して得られるレジストパターンは、図1(d)に示されるように、階調数が3倍に増えたものとなった。
【0019】
(実施例2)二次元移動の例
実施例1で用いたマスクを用い、実施例1に示したように、図1(a),(b),(c)で示されるように基板1に対して相対的に一次元移動させてそれぞれの位置で露光を行なった後、マスクを元の位置に戻し、90°回転させた後、先の移動方向と直交する方向に移動させて再び実施例1に示したのと同じ露光を行なった。
その結果、四角錐(ピラミッド)型構造をもつレジストパターンを製作することができた。そのレジストパターンの各移動方向に沿った断面図は図1(d)に示されるものであった。
【0020】
(実施例3)三次元移動の例
図3に示される濃度分布マスクを使用して、二次元方向の移動(X,Y,Θ)及びZ軸方向の微小移動を行ないながら露光を行なった例を説明する。
図3に例示した濃度分布マスクは液晶プロジェクタ用マイクロレンズアレイ用レチクルマスクにおける18μm×18μmの1つのマイクロレンズ部分を示している。単位セルは、碁盤の目状の正方形形状である。単位セルは必ずしも正方形である必要はなく、所望の形状に応じて他の多角形形状にすることが望ましい。斜線部はCr膜が残存している部分である。
【0021】
露光にはステッパーを使用した。ステッパーの概略を図4に示す。光源ランプ30からの光は、集光レンズ31により集光され、露光用マスク32を照射する。マスク32を透過した光は、縮小倍率の結像レンズ33に入射し、ステージ34上に載置された光学デバイスその他の物品のための材料37の表面に、マスク32の縮小像、即ち、透過率分布の縮小像を結像する。材料37を載置したステージ34は、ステップモーター35,36の作用により、結像レンズ33の光軸に直交する面内で、互いに直交する2方向へ変位可能であり、材料37の位置を結像レンズ33の光軸に対して位置合わせできるようになっている。
【0022】
この実施例では、液晶プロジェクタ用マイクロレンズアレイを製作するために、ネオセラム基板を用意し、この基板上にTGMR−950BEレジスト(東京応化(株)の製品)を8.56μmの厚さに塗布した。次にホットプレートで、100℃にてベーク時間180秒でプリベークした。
【0023】
この基板を図4のステッパーの材料37の位置に設置して露光した。露光は結像レンズ33によるマスク32の縮小像を、材料37のフォトレジスト層表面に結像させる。結像の焦点は、必要に応じてフォトレジスト層表面からずらしたデフォーカス状態とする。この露光の際にマスク32又はステージ34を微小移動させる。露光は材料37の全面にわたって密に行なう。
【0024】
この際の微小移動量は、図5に示すように以下のように設定した。濃度分布マスクの単位セル(2μm×2μm)を1/2.5のステッパーで露光する際は(縮小露光後の単位セル寸法は0.8μm×0.8μmとなる)、微小移動量を0.2μmとした。1/5のステッパーで露光する際は(縮小露光後の単位セル寸法0.4μm×0.4μmとなる)、微小移動量は0.1μmとした。これは、露光時の単位セル寸法の1/4に相当する量で、この量を微小移動量として画素ズラシしている。
【0025】
移動方向及び移動量は、図5に示す通りである。また、その座標と露光量は以下の表1、表2の通りである。ここで露光率とは、所定の「必要とする露光量(エネルギー:mJ)」に対する露光量の割合を示している。つまりこの実施例では、移動ゼロの状態で全体の50%を露光し、各微小量移動後の座標で全体の5%を露光している。また、工程ヌ)では、別途用意したボトム抜きパターン(感光性材料残り量ゼロ(遮光領域ゼロ)のセルを配置したもの)で残りの10%を露光している。更にデフォーカス量(DF)は、工程ヌ)はDF=0、それ以外の工程は何れもDF=+3μmで行なった。デフォーカス量の表示の+の符号は、焦点がレジスト層の表面の上方にあることを意味している。
【0026】
【0027】
【0028】
この条件で露光後、PEB(ポスト・エキスポージャー・ベーク)を100℃にて180秒実施した。次いで、感光性材料の現像、リンスを行なった。その後、紫外線硬化装置にて180秒間紫外線を照射しながら真空引きを実施して、レジストのハードニングを行なった。紫外線硬化装置は、レジストの露光に使用する波長よりも短波長でレジストを硬化させることのできる波長を照射する。この操作によって、レジストの耐プラズマ性は向上し、次工程での加工に耐えられるようになる。このときのレジスト高さは7.5μmであった。
露光時の微小移動とデフォーカスの効果によって、特段の段差を生じることなくレジストパターン形状を製作することができた。
【0029】
その後、その基板をTCP(誘導結合型プラズマ)ドライエッチング装置にセットし、真空度:1.5×10-3Torr、CHF3:5.0sccm、CF4:50.0sccm、O2:15.0sccm、基板バイアス電力:600W、上部電極電力:1.25kW、基板冷却温度:−20℃の条件下でドライエッチングを行なった。またこの時、基板バイアス電力と上部電極電力を経時的に変化させ、時間変化と共に選択比が小さくなるように変更しながらエッチングを行なった。基板の平均エッチング速度は、0.52μm/分であったが、実際のエッチンング時間は、11.5分を要した。エッチング後のレンズ高さは、5.33μmであった。
【0030】
この実施例では、特に、液晶プロジェクタ用18μm×18μmのマイクロレンズを備えたマイクロレンズアレイで製作が困難であった立ち上がり角度が急峻な各マイクロレンズ四隅隣接部の構造を設計通り製作することができた。この部分は、通常の濃度分布マスクでは高価となる超微細な単位セル配置(例えば、単位セルサイズ1μm×1μm以下)を必要としているが、本発明では超微細でない単位セル配置のマスクによってもマイクロレンズ四隅隣接部の構造部を製作することが可能となった。
図5のように移動停止後に光照射する露光法に代えて、移動しながら光照射する連続露光法においても全く同様の効果が得られている。
【0031】
(実施例4)濃度分布シスターマスク製作に適用した例
上の実施例はいずれも製作する物品が光学素子のような製品である場合であるが、本発明はそのような製品をコンタクト露光法やプロキシミティー露光法で露光して製作するのに使用する濃度分布シスターマスクを製作するためにも適用することができる。
【0032】
図6は濃度分布シスターマスクの製造に本発明を適用した一実施例を示す工程断面図である。図6に沿ってその製作工程を説明する。
(A)石英基板21の一表面にCr膜23を0.2μmの膜厚で形成し、さらにその上にレジスト材料層25を約8μmの膜厚で塗布した。レジスト材料層25の材料としてOFPR−5000−800(東京応化(株)の製品)を用いた。その後、プリベークしたところ、レジスト材料層25の膜厚は7.5μmであった。プリベーク後の石英基板21、Cr膜23及びレジスト材料層25をマスクブランクス28とした。
【0033】
(B)マスクブランクス28を図4に示すステッパー(1/5縮小のものを使用する。)の材料37の位置に設置し、マスクブランクス28を微小量ずつ移動させながら、実施例3に示した露光条件(表2)で露光した。合計の照射量は390mW×3.60秒で、総合露光量は約1400mJであった。
上記の露光条件で、結像レンズ33によるレチクル32の縮小像を、マスクブランクス28のレジスト材料層25に結像させた。この露光を、マスクブランクス28の全面にわたって行なった。
【0034】
この条件で露光後、現像及びリンスを含む現像処理を施し、レジスト材料層25の露光部分を除去してレジスト材料パターン25aを製作した。レジスト材料パターン25aは「高原状の断面構造」を有している。レジスト材料パターン25aの「高原状の斜め角度」はレチクルの設計、デフォーカス量、レジスト材料層25の膜厚及びレジスト材料層25の材料の感度によって変化する。この斜め角度は濃度分布マスクの光学濃度分布のアナログ構造(光透過量分布)に重要な影響を及ぼすものである。
【0035】
この工程(B)では、露光時にデフォーカスさせているので、表面形状に特段の段差を生じさせることなくレジスト材料パターン25aを製作することができた。
さらに、デフォーカスの効果により、レチクル32の微細遮光膜パターンによる光透過量分布がより平均化され、レジスト材料パターン25aの表面形状がより滑らかになる。
【0036】
ここでは、露光時にデフォーカスさせることにより、レジスト材料パターン25aの表面形状の平滑化をより向上させているが、焦点が合ったジャストフォーカスでもある程度の平滑化は期待できる。さらに、露光時間内にデフォーカス量を予め設定された条件で変化させつつ行なったり、デフォーカス量を焦点が大きくずれた側から焦点が合う側へ変化させたりすることによって、さらに平滑化の効果を高めることができる。
【0037】
その後、ホットプレート上で徐々に温度を上げながら、120℃、40分間の条件で、レジスト材料パターン25aが変形しないようにポストベークを施し、レジスト材料パターン25aを硬化させた。ここではレジスト材料パターン25aを硬化させる手段として加熱処理を用いているが、加熱処理に代えて紫外線硬化処理(UVハードニング処理)を用いてもよい。
【0038】
(C)レジスト材料パターン25a硬化後のマスクブランクス28をRIE(反応性イオンエッチング)ドライエッチング装置にセットし、真空度:5.0×10-3(Torr)、CF4:15.0(sccm)、Ar:0.5(sccm)、O2:10.0〜15.0(sccm)の条件で、レジスト材料パターン25a及びCr膜23に対してドライエッチングを行なった。またこの時、選択比が経時的に変化するようにO2導入量を変更しながらレジスト材料パターン25a及びCr膜23のエッチングを行なった。エッチング時間は10分を要した。
【0039】
このようにして、レジスト材料パターン25aの表面形状をCr膜23に彫り写してCr膜パターン23aを形成した。これにより、製作しようとする目的物品と等倍のサイズをもつ濃度分布シスターマスク27が完成した。Cr膜パターン23aはレジスト材料パターン25aの表面形状を彫り写して形成したので「高原状の断面構造」を有しており、その表面形状に特段の段差は存在していない。
【0040】
濃度分布シスターマスク27において、Cr膜パターン23aが存在しない部分では光透過量は100%であり、Cr膜パターン23aが存在する部分では、Cr膜パターン23aの膜厚に応じて、膜厚が薄い部分では光透過量は多く、膜厚が厚い部分では光透過量は少なくなっている。すなわち、濃度分布マスク27の光学濃度分布は、Cr膜パターン23aの膜厚の分布により実現されている。
そして、Cr膜パターン23aの膜厚は目的物品の表面形状に応じて連続的に変化しているので、濃度分布マスク27の光学濃度分布はアナログ的なものになっている。
濃度分布マスク27は、レチクル32を製作しておけば容易に複製することができ、予備マスクを安価に製作することができる。
このようにして製作した濃度分布マスク27を本発明では「シスターマスク」と呼んでいる。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、露光工程内でマスクを感光性材料に対して相対的に面内で微少移動させることにより、露光用マスクの階調よりも多段階の階調で感光性材料を露光するようにしたので、n階調のマスクにおいてもN×n階調の構造を得ることが可能となり、表面粗さが改善された。
また、超微細な階調露光が可能となった。すなわち、マスク製作時の解像度以上のファイン線幅、階調数を露光できる。
本発明の露光で用いる露光用マスクには製品に要求されるほどの階調は必要ではなくなるので、マスクを安価に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリンダー状遮光膜パターンを備えたマスクを用いて本発明により露光する状態(a),(b),(c)と形成されたレジストパターン(d)を示す概略断面図である。
【図2】シリンダー状遮光膜パターンを備えたマスク(a)と形成されたレジストパターン(b)を示す概略断面図である。
【図3】液晶プロジェクタ用マイクロレンズアレイ用濃度分布マスクの1つのマイクロレンズ部分を示す平面図である。
【図4】ステッパーを示す概略斜視図である。
【図5】一実施例における基板の移動方法を示す図である。
【図6】濃度分布シスターマスクの製造に本発明を適用した一実施例を示す工程断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 レジストパターン
21 石英基板
23 Cr膜
23a Cr膜パターン
25 レジスト材料層
25a レジスト材料パターン
27 濃度分布シスターマスク
28 マスクブランクス
Claims (12)
- 遮光膜パターンの透過光量が2段階以上の階調を有する露光用マスクを通して感光性材料を光照射し現像して三次元構造の感光性材料パターンを形成し、その感光性材料パターンを下地に彫り写すことにより三次元構造の表面形状をもつ物品を製造する際の前記露光において、
この露光工程内でマスクを感光性材料に対して相対的に面内で微少移動させることにより、前記露光用マスクの階調よりも多段階の階調で感光性材料を露光することを特徴とする露光方法。 - 前記光照射を前記マスクの相対的移動中に行なう請求項1に記載の露光方法。
- 前記マスクの相対的移動と停止時の光照射とを繰り返して多重露光する請求項1に記載の露光方法。
- 1露光工程内での前記マスクの相対的移動範囲を1階調に相当する距離以下に設定し、その1/Nを1単位とする移動量で微小移動をN回繰り返すことにより、n階調のマスクでN×n階調の露光を実現する請求項1又は3に記載の露光方法。ただしn,Nは整数である。
- 前記マスクの相対的移動方向が一次元方向のみである請求項1から4のいずれかに記載の露光方法。
- 1露光工程内に互いに直交する2つの移動方向への微小移動を含んでいる請求項1から4のいずれかに記載の露光方法。
- 1露光工程内に互いに直交する2つの移動方向及び回転方向の微小移動を含んでいる請求項1から4のいずれかに記載の露光方法。
- 前記マスクは透明基板上に2次元の光強度分布を有する遮光パターンが形成されたものであり、露光領域が適当な形状及び大きさの単位セルにより隙間なく分割されており、各単位セル内の前記遮光パターンの光透過量又は遮光量が前記感光性材料パターンの対応した位置の高さに応じた値となるように設定されている濃度分布マスクであり、前記マスクの相対的な微小移動の1単位を前記単位セル寸法の整数分の1に設定する請求項1から7のいずれかに記載の露光方法。
- 前記光照射をデフォーカス状態で行なう請求項1から8のいずれかに記載の露光方法。
- 前記露光工程は縮小投影露光工程である請求項1から9のいずれかに記載の露光方法。
- 前記感光性材料パターンを下地に彫り写すことにより製作それる三次元構造の表面形状をもつ物品は、基板自体の表面が加工された物品である請求項1から10のいずれかに記載の露光方法。
- 前記感光性材料パターンを下地に彫り写すことにより製作される三次元構造の表面形状をもつ物品は、目的物品のパターンと等倍寸法に形成された遮光膜パターンを有する濃度分布シスターマスクであって、その遮光膜パターンが遮光膜により透明基板上に形成された二次元パータンと、その二次元パータンの少なくとも一部においては透過光量が変化するように遮光膜の膜厚が変化している膜厚分布とを備えた三次元パターンであるものである請求項1から10のいずれかに記載の露光方法。
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