JP4569170B2 - 表示素子及び複合電極の形成方法 - Google Patents
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Description
対向電極間に、銀、または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質層を有し、銀の溶解析出を生じさせるように該対向電極の駆動操作を行う表示素子であって、該対向電極の少なくとも1方の電極が、透明電極に金属補助電極が付帯した複合電極であり、該金属補助電極が、銀または銅を含むことを特徴とする表示素子。
透明電極が、イリジウムまたは錫を少なくとも1種含むことを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
透明電極が、導電性高分子を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示素子。
表示素子の表示部面積が50cm2以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の表示素子。
電解質層にメルカプト基を含む化合物を含有し、前記電解質層中のメルカプト基の硫黄原子の総モル数を[−SH]、前記電解質層中の銀の総モル数を[Ag]とした時に、下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の表示素子。
2≦[−SH]/[Ag]≦10
(請求項6)
請求項1〜5の何れか1項に記載の表示素子の複合電極の形成方法において、透明電極及び金属補助電極の少なくとも1方が、印刷法により形成されることを特徴とする複合電極の形成方法。
請求項1〜5の何れか1項に記載の表示素子の複合電極の形成方法において、透明電極及び金属補助電極の少なくとも1方が、帯電した液体を吐出する内部直径が30μm以下のノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズル内に溶液を供給する供給手段と、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備えた液体吐出装置を用いて形成されることを特徴とする複合電極の形成方法。
本発明に係る銀または銀を化学構造中に含む化合物とは、例えば、酸化銀、硫化銀、金属銀、銀コロイド粒子、ハロゲン化銀、銀錯体化合物、銀イオン等の化合物の総称であり、固体状態や液体への可溶化状態や気体状態等の相の状態種、中性、アニオン性、カチオン性等の荷電状態種は、特に問わない。
図1は、本発明の表示素子の基本的な構成を示す概略断面図である。
本発明の請求項1の表示素子は、対向電極間に、銀、または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質層を有し、銀の溶解析出を生じさせるように該対向電極の駆動操作を行う表示素子であって、該対向電極の少なくとも1方の電極が、透明電極に金属補助電極が付帯した複合電極であることを特徴とする。
本発明の透明電極としては、透明で電気を通じるものであれば、特に制限はなく、例えばIndium Tin Oxide(ITO:インジウム錫酸化物)、Indium Zinc Oxide(IZO:インジウム亜鉛酸化物)、酸化錫(FTO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、白金、金、銀、ロジウム、銅、クロム、炭素、アルミニウム、シリコン、アモルファスシリコン、マグネシウム、BSO(Bismuth Silicon Oxide)等やこれらの混合物を用いることができる。
本発明の金属補助電極とは、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、チタン、ビスマス、及びそれらの合金等の金属材料を用いた電極のことを言う。金属電極部の表面抵抗値としては、10Ω/□以下が好ましく、1Ω/□以下がより好ましい。また、膜厚は0.2μm以上、50μm以下が好ましい。
透明電極、金属補助電極を形成するには、公知の方法を用いることができる。例えば、基板上にスパッタリング法等でマスク蒸着するか、全面形成した後に、フォトリソグラフィー法でパターニングしてもよい。
本発明の表示素子においては、複合電極の透明電極及び金属補助電極の少なくとも1方が、帯電した液体を吐出する内部直径が30μm以下のノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズル内に溶液を供給する供給手段と、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備えた液体吐出装置を用いて形成されることが好ましい。
本発明の表示素子においては、電解質層にメルカプト化合物を含有し、前記電解質層中のメルカプト基の硫黄原子の総モル数を[−SH]、前記電解質層中の銀の総モル数を[Ag]とした時、2≦[−SH]/[Ag]≦10を満たすことを特徴とする。[−SH]/[Ag]が2未満である場合には、銀のブロックが十分ではなく、高温高湿時、又は、共存物に塩基性の化合物が存在した場合に、銀の黒化が進み、白色時の反射率の低下と、白色度の汚染を招く。また、[−SH]/[Ag]が10を超える場合には、メルカプト化合物による黒化銀の溶解速度が速くなり、メモリー性の劣化に繋がる。本発明において、更に好ましい範囲は、2.5≦[−SH]/[Ag]≦5である。なお、本発明でいう電解質層中のメルカプト化合物のメルカプト基の硫黄原子とは、メルカプト基の他に、S-あるいは硫化銀の形態で存在する硫黄原子も含む。
本発明の表示素子においては、電解質層が、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、テトラメチル尿素、スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−(N−メチル)−2−ピロリジノン、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,Nジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ブチロニトリル、プロピオニトリル、アセトニトリル、アセチルアセトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノール、1−ブタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、エタノール、メタノール、無水酢酸、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ジメトキシエタン、ジエトキシフラン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル及び水から選ばれる少なくとも1種の溶媒を含むことが好ましい。
本発明の表示素子において、電解質が液体である場合には、以下の化合物を電解質中に含むことができる。カリウム化合物としてKCl、KI、KBr等、リチウム化合物としてLiBF4、LiClO4、LiPF6、LiCF3SO3等、テトラアルキルアンモニウム化合物として過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム、ホウフッ化テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムハライド等が挙げられる。また、特開2003−187881号公報の段落番号〔0062〕〜〔0081〕に記載の溶融塩電解質組成物も好ましく用いることができる。さらに、I-/I3 -、Br-/Br3 -、キノン/ハイドロキノン等の酸化還元対になる化合物を用いることができる。
本発明の表示素子においては、電解質層が白色粒子を含むことが好ましい。
本発明の表示素子においては、電解質層に増粘剤を用いることができ、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アルキレングリコール)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類、疎水性透明バインダーとして、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタン等が挙げられる。
本発明の表示素子においては、電解質層を含む対向電極間に設けることのできる構成層には、保護層、フィルター層、ハレーション防止層、クロスオーバー光カット層、バッキング層等の補助層を挙げることができ、これらの補助層中には、各種の化学増感剤、貴金属増感剤、感光色素、強色増感剤、カプラー、高沸点溶剤、カブリ防止剤、安定剤、現像抑制剤、漂白促進剤、定着促進剤、混色防止剤、ホルマリンスカベンジャー、色調剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、可塑剤、スベリ剤、紫外線吸収剤、イラジエーション防止染料、フィルター光吸収染料、防ばい剤、ポリマーラテックス、重金属、帯電防止剤、マット剤等を、必要に応じて含有させることができる。
頁 分類 頁 分類 頁 分類
化学増感剤 23 III 648右上 96 III
増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV
減感色素 23 IV 998 IV
染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII
現像促進剤 29 XXI 648右上
カブリ抑制剤・安定剤
24 IV 649右上 1006〜7 VI
増白剤 24 V 998 V
硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X
界面活性剤 26〜7 XI 650右 1005〜6 XI
帯電防止剤 27 XII 650右 1006〜7 XIII
可塑剤 27 XII 650右 1006 XII
スベリ剤 27 XII
マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI
バインダー 26 XXII 1003〜4 IX
支持体 28 XVII 1009 XVII
(層構成)
本発明の表示素子の対向電極間の構成層について、更に説明する。
本発明で用いることのできる基板としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート類、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンジナフタレンジカルボキシラート、ポリエチレンナフタレート類、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアセタール類、ポリスチレン等の合成プラスチックフィルムも好ましく使用できる。また、シンジオタクチック構造ポリスチレン類も好ましい。これらは、例えば、特開昭62−117708号、特開平1−46912、同1−178505号の各公報に記載されている方法により得ることができる。更に、ステンレス等の金属製基盤や、バライタ紙、及びレジンコート紙等の紙支持体ならびに上記プラスチックフィルムに反射層を設けた支持体、特開昭62−253195号(29〜31頁)に支持体として記載されたものが挙げられる。RDNo.17643の28頁、同No.18716の647頁右欄から648頁左欄及び同No.307105の879頁に記載されたものも好ましく使用できる。これらの支持体には、米国特許第4,141,735号のようにTg以下の熱処理を施すことで、巻き癖をつきにくくしたものを用いることができる。また、これらの支持体表面を支持体と他の構成層との接着の向上を目的に表面処理を行っても良い。本発明では、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理を表面処理として用いることができる。更に公知技術第5号(1991年3月22日アズテック有限会社発行)の44〜149頁に記載の支持体を用いることもできる。更にRDNo.308119の1009頁やプロダクト・ライセシング・インデックス、第92巻P108の「Supports」の項に記載されているものが挙げられる。その他に、ガラス基板や、ガラスを練りこんだエポキシ樹脂を用いることができる。
本発明の表示素子には、必要に応じて、シール剤、柱状構造物、スペーサー粒子を用いることができる。
本発明においては、シール剤、柱状構造物、電極パターン等をスクリーン印刷法で形成することもできる。スクリーン印刷法は、所定のパターンが形成されたスクリーンを基板の電極面上に被せ、スクリーン上に印刷材料(柱状構造物形成のための組成物、例えば、光硬化性樹脂など)を載せる。そして、スキージを所定の圧力、角度、速度で移動させる。これによって、印刷材料がスクリーンのパターンを介して該基板上に転写される。次に、転写された材料を加熱硬化、乾燥させる。スクリーン印刷法で柱状構造物を形成する場合、樹脂材料は光硬化性樹脂に限られず、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、ポリビニールケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニールピロリドン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂等が挙げられる。樹脂材料は樹脂を適当な溶剤に溶解するなどしてペースト状にして用いることが望ましい。
本発明の表示素子においては、上記説明した対向電極の駆動操作が単純マトリックス駆動であることが好ましい。
本発明の表示素子は、IDカード関連分野、公共関連分野、交通関連分野、放送関連分野、決済関連分野、流通物流関連分野等の用いることができる。具体的には、ドア用のキー、学生証、社員証、各種会員カード、コンビニストアー用カード、デパート用カード、自動販売機用カード、ガソリンステーション用カード、地下鉄や鉄道用のカード、バスカード、キャッシュカード、クレジットカード、ハイウェーカード、運転免許証、病院の診察カード、健康保険証、住民基本台帳、パスポート等が挙げられる。又、電子書籍端末、ディスプレイ、ドキュメントビュアーとしても用いることができる。
実施例1
表示素子1の作製〈比較例〉
(電解質液1の調製)
ジメチルスルホキシドの2.5g中に、ヨウ化ナトリウムを90mg、ヨウ化銀を75mgを加えて完全に溶解させた後に、酸化チタン0.5gを加えて超音波分散機にて酸化チタンを分散させた。この溶液にポリビニルアルコール(ケン化度約87〜89%、重合度4500)を150mg加えて120℃に加熱しながら1時間攪拌し、電解質溶液1を得た。
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、公知のスパッタリング法でITO膜を全面に形成した後、フォトリソグラフ法を用いて、電極間隔30μm、電極幅180μmの電極パターンをガラス基板の長手方向に有する透明電極1を得た。
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、公知のスパッタリング法でCu膜を全面に形成した後、フォトリソグラフ法を用いて電極間隔30μm、電極幅180μmのパターンをガラス基板の長手方向に形成し、電解メッキによりCu極上に銀を10μm堆積させて、銀電極(電極2)を得た。
上記調製した電解質溶液1に、平均粒子径が20μmのポリアクリル製の球形ビーズを体積分率として4体積%になるように加えて攪拌した溶液を、上記電極2の上に塗布し、その上から電極1を直角方向に組合せて挟み込み、9.8kPaの圧力で押圧し、周辺部を封止して表示素子1を作製した。重ね合わされた2cm×2cmの部分が表示部であり、残りの部分がリード部として用いられる。
透明電極1を以下に様に変更して透明電極2を用いた以外は同様にして、表示素子2を作製した。
InCl3を35質量%含む水溶液と、SnCl4を80質量%含む水溶液とを混合し、27℃に溶液温度を保ちながら6.3%のアンモニア水を徐々に加えて、水溶液のpHが9になるように調整した。この溶液を27℃で50分間攪拌しIn、Snの共沈水酸化物を得た。この共沈物を濾別し、イオン交換水で洗浄した後、500度で2.5時間焼成することにより針状ITO粒子の凝集体を得た。この粒子を機械的に粉砕することにより、ITO微粉末を得た。得られたITO微粉末2質量部、ブロックイソシアネート化合物(ヘキサメチレンジイソシアネートのブウレット3量体のメチルエチルケトオキシムブロック体)1.8質量部、酢酸エチルカルビトール12質量部、テレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=0.3/0.1/0.15/0.25/0.2(モル比)の組成のポリエステル樹脂4質量部を混合して透明電極溶液1を作製した。この溶液をスクリーン印刷法によりガラス基板上に60μmの膜厚で付与し、IR光により150℃2分加熱し、電極間隔30μm、電極幅180μmの電極パターンをガラス基板の長手方向に有する透明電極2を作製した。
表示素子1の透明電極1を下記の複合電極1に変更した以外は同様にして表示素子3を作製した。
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、公知のNiペーストインクを用いて印刷法により210μmピッチで、幅20μmのNi電極をガラス基板の長手方向に形成した。次に、スパッタリング法でITO膜を全面に形成した後、フォトリソグラフ法を用いて、電極間隔30μm、電極幅180μmの電極パターンを、Ni電極の中心とITO電極の中心とが一致するように形成し、複合電極1を得た。図3(a)参照。
表示素子1の透明電極1を下記の複合電極2に変更した以外は同様にして表示素子4を作製した。
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、公知のCuペーストインクを用いて印刷法により210μmピッチで、幅20μmのCu電極をガラス基板の長手方向に形成した。次に、スパッタリング法でZnAlO膜を全面に形成した後、フォトリソグラフ法を用いて、電極間隔30μm、電極幅180μmの電極パターンを、Cu電極の中心とZnAlO電極の中心とが一致するように形成し、複合電極2を得た。図3(a)参照。
表示素子1の透明電極1を下記の複合電極3に変更した以外は同様にして表示素子5を作製した。
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、公知のAgペーストインクを用いて印刷法により210μm間隔、幅20μmのAg電極を形成した。次に、スパッタリング法でITO膜を全面に形成した後、フォトリソグラフ法を用いて、電極間隔30μm、電極幅180μmピッチの電極パターンを、Ag電極の中心とITO電極の中心とが一致するように形成し、複合電極3を得た。図3(a)参照。
表示素子1の透明電極1を下記の複合電極4に変更した以外は同様にして表示素子6を作製した。
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、公知のNiペーストインクを用いて印刷法により210μmピッチで、幅20μmのNi電極をガラス基板の長手方向に形成した。次に、電極間隔30μm、電極幅180μmの電極パターンを、Ni極の中心と該極の中心とが一致するように、導電性高分子ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を用いてスクリーン印刷法で形成し、複合電極4を得た。図3(a)参照。
表示素子1の透明電極1を下記の複合電極5に変更した以外は同様にして表示素子7を作製した。
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、公知のAgペーストインクを用いて印刷法により210μmピッチで、幅20μmのAg電極をガラス基板の長手方向に形成した。次に、電極間隔30μm、電極幅180μmの電極パターンを、Ag極の中心と該極の中心とが一致するように、導電性高分子ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を用いてスクリーン印刷法で形成し、複合電極5を得た。図3(a)参照。
表示素子1の透明電極1を下記の複合電極6に変更した以外は同様にして表示素子8を作製した。
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、公知のAgペーストインクを用いて印刷法により210μmピッチ、幅20μmのAg電極をガラス基板の長手方向に形成した。次に、電極間隔30μm、電極幅180μmの電極パターンを、Ag極の中心と該極の中心とが一致するように、透明電極2の透明電極溶液1を用いて印刷法で形成し、複合電極6を得た。図3(a)参照。
表示素子1の透明電極1を下記の複合電極7に変更した以外は同様にして表示素子9を作製した。
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、公知のノズル先端部内径10μmの静電インクジェットプリンターを用いて、Agペーストインクで、幅10μmで、間隔を160μmと30μmの交互の間隔でパターンを付与し、Ag電極をガラス基板の長手方向に形成した。次に、電極間隔160μmと2本のAg電極(10μm×2)を同時に覆うように180μmの透明電極を、静電インクジェットプリンターにより、透明電極2の透明電極溶液1を用いて形成し、複合電極7を得た。図3(b)参照。
表示素子1の電解質溶液1を下記の電解質溶液2に、透明電極1を前記複合電極7に変更した以外は同様にして表示素子10を作製した。
プロピレンカーボネート2.5g中に、p−トルエンスルホン酸銀を20mg、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール45mgを加えて完全に溶解させた後に、酸化チタン0.5gを加えて超音波分散機にて酸化チタンを分散させた。この溶液にポリエチレングリコール(平均分子量50万)を100mg加えて120℃に加熱しながら1時間攪拌し、電解質溶液2を得た。
(評価1 高温高湿下での耐久性の評価 反射率比)
作製した各表示素子を、80℃、相対湿度60%の恒温恒湿槽内に1週間放置して強制劣化試料を作製した。次いで、強制劣化を行っていない未処理試料を用いて、駆動の電気量を適宜調整し、分光光度計で反射率をモニターしながら、表示素子の黒化時における450nmにおける反射率が約10%(反射率1)になる電気量(電気量1)を求めた。次にこの電気量1を、強制劣化を行った試料に付与して表示素子を黒化させ、分光光度計によりこの時の反射率2を求めた。反射率比=反射率2/反射率1の比を求め、この比が1に近いほど、高温高湿下での耐久性が優れていることを表している。
作製した各表示素子を、80℃、相対湿度60%の恒温恒湿槽内に1週間放置して強制劣化試料を作製した。次いで、強制劣化を行っていない未処理試料を用いて、透明電極の電極10本分の抵抗値R1を求めた。次に強制劣化を行った試料に対しても同様に、透明電極の電極10本分の抵抗値2を求めた。抵抗値比=抵抗値2/抵抗値1の比を求め、この比が1に近いほど、高温高湿下での電極の耐久性が優れていることを表している。
実施例1で作製した表示素子1〜10のガラス基板を厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート樹脂基板に変更した以外は全く同様にして、表示素子11〜20を作製した。
駆動の電気量を適宜調整し、分光光度計で反射率をモニターしながら、表示素子の黒化時における450nmの反射率が約10%(反射率1)になるところで黒化を停止させ、この時に必要な電気量(=電気量1)を求めた。次に、表示素子の両端を固定し、表示素子の最大曲率半径が2cm以下になるように、固定両端の位置を変える動作を50回繰り返した後、同様に電気量1を与えて表示素子を黒化させて450nmの反射率(=反射率2)を測定した。反射率比=反射率2/反射率1の比を求め、この比が1に近いほど、折り曲げ耐性に優れることを表している。
透明電極の電極10本分の抵抗値R1を求めた。次に評価3に記載の折り曲げ試験を行い、同様に折り曲げ試験後の透明電極の電極10本分の抵抗値2を求めた。抵抗値比=抵抗値2/抵抗値1の比を求め、この比が1に近いほど、高温高湿下での電極の耐久性が優れていることを表している。作製した各表示素子に対して、評価3、評価4を行った結果を、表2に示す。
実施例1、実施例2で作製した表示素子の表示部面積を8cm×8cmに変更して、同様の評価を行った結果、比較例が実施例1、2の結果に対して約10%劣化度合いが大きいのに対して、本発明は実施例1、2とほぼ同等の結果となり、表示部画面が大きくなるほど本発明の効果がより得られることが分かった。
2 電解質層
3 電源
4 アース
10,20,30,40,50 基材
11,21,31,41,51,61,71,81 透明電極
12,22,32,42,52,62,72,82 金属補助電極
Claims (7)
- 対向電極間に、銀、または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質層を有し、銀の溶解析出を生じさせるように該対向電極の駆動操作を行う表示素子であって、該対向電極の少なくとも1方の電極が、透明電極に金属補助電極が付帯した複合電極であり、該金属補助電極が、銀または銅を含むことを特徴とする表示素子。
- 透明電極が、イリジウムまたは錫を少なくとも1種含むことを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
- 透明電極が、導電性高分子を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示素子。
- 表示素子の表示部面積が50cm 2 以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の表示素子。
- 電解質層にメルカプト基を含む化合物を含有し、前記電解質層中のメルカプト基の硫黄原子の総モル数を[−SH]、前記電解質層中の銀の総モル数を[Ag]とした時に、下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の表示素子。
式(1)
2≦[−SH]/[Ag]≦10 - 請求項1〜5の何れか1項に記載の表示素子の複合電極の形成方法において、透明電極及び金属補助電極の少なくとも1方が、印刷法により形成されることを特徴とする複合電極の形成方法。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載の表示素子の複合電極の形成方法において、透明電極及び金属補助電極の少なくとも1方が、帯電した液体を吐出する内部直径が30μm以下のノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズル内に溶液を供給する供給手段と、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備えた液体吐出装置を用いて形成されることを特徴とする複合電極の形成方法。
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