JP4568849B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機の一つであるパチンコ機では、パチンコ球(遊技媒体)が所定領域に入賞または通過すると、遊技盤面に設けられている図柄表示器(表示部)に図柄を変動して表示させ始める。そして、図柄が変動を始めた後、しばらくして停止して表示された図柄群が所定の図柄群と一致すると、「大当たり」として遊技者に特典を与える。ここで、所定の図柄群とは、例えば「111」や「777」等のようなゾロ目の図柄群が用いられる。特典としては、例えば、役物や大入賞口等を一定期間だけ開けることによってパチンコ球が入賞し易くする。
そして、パチンコ球が入賞口や大入賞口に入賞したら、所定の数のパチンコ球が払い出される。この時に払い出されるパチンコ球を“賞球”という。また、球貸し操作をすることにより払い出されるパチンコ球を“貸球”という。
【0003】
ここで、例えば、パチンコ球の払い出し途中で、遊技の進行に支障が生じるような異常が発生した場合、パチンコ球の払い出しが停止される。球切れや下皿満杯状態等のためパチンコ球の払い出しが停止された時には、適切な処置(球補給路の球づまり解消や下皿の球排出等)により即座に復帰して遊技再開可能となる。一方、検出器等の故障や断線のためパチンコ球の払い出しが停止された時には、以下のような問題が生じる。
例えば、多数の賞球が払い出される大当たり時の途中でパチンコ球の払い出しが停止した場合には、遊技者は、未払い球があることが判別できる。しかしながら、多数の未払い球があることが判別できても未払い球数がどのくらいあるのかはわからない。また、少数の賞球が払い出される通常の入賞口への入賞による払い出しの途中や、貸球の払い出しの途中でパチンコ球の払い出しが停止した場合には、未払い球があるか否かを判別することすら困難である。
一方、パチンコ機の異常状態を復帰させるために、作業の安全性を考えて電源を遮断すると、パチンコ機はリセット(遊技制御部の初期化)され、遊技情報はクリアされる。このため、未払い球があった場合でも、一度電源を遮断した後では、払い出し途中の未払い球があったことを判別することができなくなる。
このように、従来のパチンコ機は、未払い球を払い出すことができない場合もあるため、遊技者に不利益が生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、未払い球を確実に払い出すことができる遊技機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る遊技機は、メイン制御基板と、球払い出しモータを駆動することにより賞球を払い出す球払い出し装置と、前記球払い出し装置から払い出された賞球を計数する賞球計数センサと、前記メイン制御基板から送信される賞球数を表す賞球払い出し情報を含む賞球払い出し指示信号を受信して前記賞球払い出し情報を記憶すると共に、前記賞球払い出し情報に基づいて回転角度を算出し、前記回転角度に基づいて前記球払い出しモータを駆動し、前記賞球払い出し情報から前記賞球計数センサで計数された計数情報を減算して前記賞球払い出し情報を更新する制御を行う球払い出し制御基板と、を備え、前記球払い出し制御基板は、前記球払い出しモータを駆動して賞球の払い出しを行っている間に異常を検知した場合、前記球払い出しモータを停止して賞球の払い出しを停止すると共に、前記賞球払い出し情報を未払い球数情報とするものであって、
前記未払い球数情報を表示して遊技者に報知する未払い球表示器と、
前記未払い球数情報の未払い球の払い出しを指示する清算キーと、を設け、
前記球払い出し制御基板は、前記球払い出しモータを駆動した時点から所定時間を経過しても前記賞球計数センサの計数情報がない場合、前記賞球計数センサの故障と判断し、前記球払い出しモータを停止し、前記未払い球表示器に前記未払い球数情報を表示し、前記清算キーからの前記未払い球の払い出しの指示があると、前記未払い球数情報に基づいて回転角度を算出し、前記回転角度に基づいて前記球払い出しモータを駆動し、前記未払い球の払い出しが終了すると、前記未払い球数情報をクリアする、ことを特徴とする。
【0006】
請求項1に係る遊技機によれば、賞球計数センサが故障した場合、賞球計数センサが計数不可能状態のままで、未払い球を確実に払い出すことができるので、賞球の払い出しが停止された時も遊技者に不利益が生じない。遊技者は、未払い球の数がわかるので一層安心感がある。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態の構成を図面に基づいて説明する。
本実施の形態では、遊技機がパチンコ機である場合について説明する。
まず、図1に示すパチンコ機10の一実施の形態の正面図に基づいて、その構成と動作を説明する。
図1に示すように、パチンコ機10の遊技盤面12上には、普通図柄表示器11、保留球ランプ13、ゲート15、特別図柄表示器や装飾ランプ等を有する複合装置16、大当りランプ類18、第1種始動口22、大入賞口24等が設けられている。また、未払い球数を表示する未払い球表示器30(報知手段)、未払い球を払い出す清算キー31(遊技媒体払出許可手段)が設けられている。また、貸球を払い出させる球貸キー33と、効果音や音楽等を出力するスピーカ34と、遊技者の手がハンドル26に触れているか否かを検出するタッチセンサ28と、ガラス枠20の開放を検出する金枠センサ46が設けられている。スピーカ34は賞球の受皿である上皿36の内部に設けられ、タッチセンサ28や金枠センサ46はそれぞれ所定の位置に設けられている。
また、電球やLED等の大当りランプ類18は、図示した位置には限らずパチンコ機10の遊技内容等に合わせて適切な位置に配置される。
【0010】
遊技盤面12上の第1種始動口22には、始動口センサ40と可動翼片44とが設けられている。例えば、始動口センサ40はパチンコ球の入賞を検出し、チューリップ状の可動翼片44はソレノイド42によって開閉される。可動翼片44は、閉じた状態でもパチンコ球が通過可能な程度の隙間があるため、可動翼片44が閉じた状態でも入賞可能になっている。
大入賞口24には蓋24aが備えられており、この蓋24aはソレノイド38によって開閉される。また、大入賞口24には特別領域としてVゾーン24bが設けられており、このVゾーン24bにパチンコ球が一定の時期に入賞すれば大当たり状態を一定制限内で継続することができる。
遊技開始後、複合装置16に変動して表示される図柄が、所定時間経過後に停止した時、表示された図柄群が所定の図柄群と一致すれば、大当たり状態となり、大入賞口24の蓋24aが一定時間開かれる。
なお、入賞口や大入賞口24にパチンコ球が入賞すると、所定数の賞球が払い出される。
また、パチンコ機10に近接して、別体の球貸機300が設けられている。球貸機300には、パチンコ球を借りるためのプリペイドカード等を挿入するカード挿入口301が設けられている。カード挿入口301にプリペイドカードを挿入した状態で、パチンコ機10の球貸キー33を操作すると、所定の数の貸球が払い出される。
【0011】
次に、本実施の形態のパチンコ機10に用いられているパチンコ球の払い出し装置の構成と動作を、図2により説明する。
図2は、パチンコ機を背面から見て、背面カバーを取り除き、球払い出し装置80を示した図である。
機構板28の後面の上部には、パチンコ球が貯留される球タンク21と、その球タンク21の一端寄りの下部に設けられた供給口に接続されるタンクレール23とがそれぞれ装着されている。タンクレール23は、その一側から他側(図1に向かって左側から右側)に向けてパチンコ球が前後2列に整列されながら流れる傾斜状に形成され、そのタンクレール23の下傾端を球送出部としている。
機構板28の後面の片側(図1に向かって右側)には、タンクレール23の球送出部に隣接してユニット装着部が設けられ、そのユニット装着部には球払い出し装置80が着脱可能に装着されている。
【0012】
球払い出し装置80は、その上部から供給されるパチンコ球を誘導する球通路を構成する上部球誘導路81、スプロケット82、賞球誘導路83、貸球誘導路84、パチンコ球を下部に誘導する球通路を構成する下部球誘導路85、賞球計数センサ90、貸球計数センサ92を有する。
上部球誘導路81の流入口は、タンクレール23の球送出部に接近して臨んでいる。これによって、タンクレール23の球送出部から流下するパチンコ球が上部球誘導路81に流入するようになっている。
上部球誘導路81の出口部に連通するスプロケット82には、遊技盤面12の各種入賞口に入賞したときの賞球数に対応する数の球を払い出す機能と、球貸機300から送信される貸球数の情報に対応する数の球を払い出す機能とを備えた回転体86が前後方向にほぼ水平な軸を中心として回転可能に配設されている。
回転体86の軸は、球払い出し装置80と遊技盤面12との間の隙間に設けられている球払い出しモータ32(図3)の出力軸にトルク伝達可能に連結されている。球払い出しモータ32は、メイン制御基板100から送信される賞球払い出し信号、パチンコ機10に近接して設置されている球貸機300から送信される貸球払い出し信号等に基づいて、球払い出し制御基板200が回転制御する。
賞球払い出し信号が送信されると、回転体86は、球払い出しモータ32により左回りに回転する。これにより、上部球誘導路81を通って供給されたパチンコ球は、スプロケット82により賞球誘導路83側に分配され、賞球計数センサ90を通り、賞球誘導路83に誘導される。
また、貸球払い出し信号が送信されると、回転体86は、球払い出しモータ32により右回りに回転する。これにより、上部球誘導路81を通って供給されたパチンコ球は、スプロケット82により貸球誘導路84側に分配され、貸球計数センサ92を通り、貸球誘導路84に誘導される。
賞球誘導路83と貸球誘導路84は、下部球誘導路85で合流している。
賞球計数センサ90による賞球の計数情報は、メイン制御基板100と球払い出し制御基板200に送信される。また、貸球計数センサ92による貸球の計数情報は、球払い出し制御基板200に送信される。
【0013】
次に、パチンコ機10によるパチンコ遊技を実現するメイン制御基板100と、賞球や貸球の払い出しを制御する球払い出し制御基板200と、メイン制御基板100や球払い出し制御基板200に所要の電源を供給する電源基板400の一構成例を、図3を参照しながら説明する。
メイン制御基板100および球払い出し制御基板200および電源基板400は、例えば、パチンコ機10の背面側に設けられる。
メイン制御基板100は、CPU(プロセッサ)110を中心に構成されている。当該メイン制御基板100は、遊技制御プログラムや所要のデータ(例えば大当たり値等)を格納するROM112、各種の乱数や信号等のデータを格納するRAM114、各種の入力装置から送られた信号を受けてメイン制御基板100内で処理可能なデータ形式に変換する入力処理回路102、CPU110から送られた作動データを受けて各種の出力装置(例えばソレノイド54等)を作動させる出力処理回路104、CPU110から送られた表示データを受けて各表示器(普通図柄表示器11、保留球ランプ13等)を制御する表示制御回路106、球払い出し制御基板200等に所要の信号を送る通信制御回路116等を有する。これらの構成要素は、いずれもバス118に互いに結合している。
【0014】
CPU110はROM112に格納された遊技制御プログラムを実行してパチンコ機10による遊技を実現する。ROM112にはEPROMを用い、RAM114にはSRAMを用いるが、他種のメモリを任意に用いてもよい。他種のメモリとしては、EEPROM,DRAM,フラッシュメモリ等がある。入力処理回路102は、例えば始動口センサ40、ゲートセンサ、入賞センサ(Vゾーンセンサ等)、異常時に未払い球数を払い出すための操作キーである清算キー31、賞球計数センサ90、あるいは他のセンサ(枠開放センサ等)などと接続されている。出力処理回路104は、例えばソレノイド54等と接続されている。表示制御回路106には、例えば、保留球ランプ13、普通図柄表示器11が接続されている。
CPU110は、通信制御回路116を介して、球払い出し制御基板200に賞球払い出し信号を送信する。その他、必要に応じて、例えば、図柄制御回路、音制御回路、ランプ制御回路等(図示していない)に所要のデータを送信する。
【0015】
球払い出し制御基板200はCPU210を中心に構成され、球払い出し制御プログラム、表示制御プログラム等を格納するROM202、未払い球数、入出力信号等を格納するRAM204、メイン制御基板100から送信された信号(賞球払い出し信号等)を受信してCPU210やRAM204等に送る通信制御回路206、未払い球を払い出す清算キー31に接続された入力処理回路212、液晶表示器等で構成された未払い球表示器30の表示制御回路214、球払い出しモータ32の駆動回路216等を有する。これらの構成要素は、いずれもバス208に互いに結合している。
【0016】
電源基板400は、主電源部402と予備電源部404とRAMクリアスイッチ406を備えている。主電源部402は、ホールから供給される交流電源を所要の直流電源に変換して、メイン制御基板100や、球払い出し制御基板200等に供給する。予備電源部404は、通常、主電源部402から電源を蓄電している。そして、例えば、停電等により主電源部402からメイン制御基板100や、球払い出し制御基板200等へに電源供給が不可能になった時に、少なくともRAM114やRAM204に現在記憶されている遊技情報が記憶保持される。復電時には、記憶保持されている遊技情報に基づいて遊技が再開される。なお、記憶保持した遊技情報が不必要な場合には、電源投入時にのみ有効となるRAMクリアスイッチ406が操作される。各制御基板では、RAMクリアスイッチ406の信号を検出すると、RAM114やRAM204に記憶されている遊技情報をクリアする。
【0017】
次に、本実施の形態の動作の説明をする。
本実施の形態では、賞球計数センサ90が、断線等で計数不可能になった異常の場合について説明する。
まず、遊技者や店員の操作について説明する。
遊技者がパチンコ機10で遊技を行っている際、賞球が払い出されている途中で、上記異常が発生すると、賞球の払い出しが途中で即停止する(球払い出しモータ32が停止する)。この時に、未払い球表示器30には未払い球数が表示される。
これにより、遊技者は、未払い球があるということと、未払い球数を認識することができる。そして、遊技者は、例えば、未払い球を払い出してもらうためにパチンコ店の店員に依頼する。
店員は、未払い球払い出し操作を行う。例えば、当該パチンコ機10の清算キー31を手で所定の時間押し続ける。すると、再び球払い出しモータ32が駆動して、未払い球数分のパチンコ球を払い出す。未払い球数分のパチンコ球が払い出されたら、球払い出しモータ32は停止し、未払い球表示器30に「0」が表示され、所定の時間経過後に表示が消える。また、未払い球を払い出した時点で、パチンコ機10は自動的にリセットされて初期化される。(不要になった遊技情報、例えば、未払い球数の情報が消去される。)
清算キー31の操作は、所定回数押すようにしてもよいし、鍵で清算キー31を有効状態にしてから押すようにしてもよい。また、例えば、所定の位置に暗証番号入力手段が設けられていて、暗証番号を入力し、暗証番号が正しい事が確認されたら、清算キー31が有効状態になるようにしてもよい。すなわち、遊技者ではなく、店員が操作できるようになっていることが望ましい。
【0018】
次に、パチンコ機10が賞球の払い出し動作をしている場合の内部処理について、図3及び図4、5に基づいて説明する。
図4は、賞球の払い出し動作が正常に行われている場合の説明図である。
まず、CPU110は、入賞センサによりパチンコ球の入賞を検出すると、払い出す賞球数(賞球払い出し情報)を算出する。そして、賞球払い出し情報は、RAM114(記憶手段)に記憶される。一方、賞球払い出し情報を含む賞球払い出し指示信号を通信制御回路116を介して払い出し制御基板200側に送信する(1)。
払い出し制御基板200側のCPU210は、メイン制御基板100側から通信制御回路206を介して受信した、賞球払い出し情報を含む賞球払い出し指示信号を、RAM204(記憶手段)に記憶させる。また、CPU210は、RAM204に記憶された賞球払い出し情報に基づいて、パルスモータ等で構成されている球払い出しモータ32の目標回転角度を算出する。そして、CPU210は、算出した目標回転角度に基づいて、球払い出しモータ駆動信号を駆動回路216を介して球払い出しモータ32に送信して(2)、球払い出しモータ32を駆動する。球払い出しモータ32が駆動されると、図2に示すスプロケット82の回転体86が回転して、賞球が実行される。
例えば、回転体86を、左回りに30°回転させると、2個のパチンコ球が賞球誘導路83に誘導されるとすれば、賞球払い出し情報が6個に相当する時には、目標回転角度は、左回りに90°(6個/2個=3×30°=90°)である。CPU210は、回転体86が左回りに90°回転するように、球払い出しモータ駆動信号を出力する。
また、例えば、回転体86の円周内側平行な位置に等間隔(例えば、30°)に穴を開け、回転体86を挟むように発光部と受光部を設けたフォト検出器を配設して、回転体86の動き(すなわち、球払い出しモータ32の駆動)が正常に行われているか否かを確認しながら、球払い出しを行うようにしてもよい。
【0019】
賞球計数センサ90は、実際に賞球された数(賞球誘導路83に誘導されたパチンコ球の数)を計数して、その計数情報を球払い出し制御基板200側のCPU210に入力処理回路212を介して送信する(3)。CPU210は、RAM204に記憶されている賞球払い出し情報から計数情報を減算して、賞球払い出し情報を更新する。賞球払い出し情報が0になっていなければ、所定の時間毎に再び上記動作を繰り返し、賞球払い出し情報が0になるまで実行する。
なお、賞球計数センサ90の計数情報を用いた上記内部処理の説明は一例であり、他の処理方法でもよい。例えば、賞球払い出し情報の合計賞球数と賞球計数センサ90で計数される合計の計数情報が、一致するまで賞球を実行するようにしてもよい。
また、賞球計数センサ90は、実際に賞球された数を計数して、その計数情報をメイン制御基板100側のCPU110に入力処理回路102を介して送信する(3′)。CPU110は、賞球計数センサ90から送信された計数情報を、RAM114に記憶されている賞球払い出し情報の合計から減算して過不足を確認する。これにより、賞球制御が正しく行われているか否かモニターする。
このように、計数情報をフィードバックすることにより、確実に、払い出す賞球数が賞球されるような構成となっている。
【0020】
次に、図5は、賞球の払い出し途中で、賞球計数センサー90が断線等により故障した場合の説明図である。
CPU210は、賞球計数センサー90の異常を検出し(4)、球払い出しモータ停止信号を駆動回路216を介して球払い出しモータ32に送信して(6)、球払い出しモータ32を停止する。CPU210での賞球計数センサー90の異常検出は、例えば、前述した球払い出しモータ駆動信号を出力すると同時に検出フラグをオフし、所定時間を経過しても計数されない(検出フラグがオンしない)ことを検出する等、種々の方法がある。
また、CPU110は、賞球計数センサー90の異常を検出し(4′)、例えば、所定数を超える過不足が生じたことを確認した場合には、ランプ等で報知したり、制御を停止する。CPU110での賞球計数センサー90の異常検出は、その他種々の方法がある。
【0021】
この時、CPU210は、RAM204に記憶されている賞球払い出し情報が0か否かを検出する。賞球払い出し情報が0でなければ、賞球途中で、球払い出しモータ32が停止したために、未払い球が発生していることを判別する。この時の賞球払い出し情報を“未払い球数情報”とする。
CPU210は、未払い球数情報を含む未払い球数表示信号を、表示制御回路214を介して未払い球表示器30に送信する(7)。未払い球表示器30は、未払い球数を表示する。
【0022】
ここで、遊技者は、未払い球表示器30を見て、パチンコ機10に異常が発生して賞球の払い出しが停止されたことと、未払い球の存在と数を認識する。
そこで、遊技者は、店員を呼び清算キー31を操作してもらう(未払い球払い出し操作)。CPU210は、入力処理回路212を介して、清算キー31が操作されたことを認識する(8)。この場合、賞球計数センサ90の異常であるため、賞球計数センサ90は賞球を計数することが不可能となっている。そこで、CPU210は、RAM204に記憶された未払い球数情報に基づいて、球払い出しモータ32の目標回転角度を算出する。そして、CPU210は、算出した目標回転角度に基づいて、球払い出しモータ駆動信号を駆動回路216を介して球払い出しモータ32に送信して(9)、球払い出しモータ32を駆動する。球払い出しモータ32が駆動されると、図2に示すスプロケット82の回転体86が回転して、未払い球の払い出しが実行される。
未払い球が全て払い出された後(未払い球分の球払い出しモータ駆動信号を出力し、最後の球が賞球誘導路83側に誘導された後)、CPU210は、表示制御回路214を介して、未払い球表示器30に、「0」を表示する表示信号を送信する(10)。未払い球表示器30は、「0」を表示する。また、CPU210はRAM204に記憶されている未払い球数情報を含む遊技情報を、CPU110はRAM114に記憶されている一部不要となった遊技情報をクリアする。
【0023】
ここで、RAM114の遊技情報の一部、RAM204の遊技情報をクリアする理由を説明する。未払い球が全て払い出された後は、RAM204に残っている以前の遊技情報と、RAM114に残っている以前の遊技情報の一部(球払い出しに関する情報、例えば、前述の払い出しの過不足情報)は不要な情報となる。
また、異常発生時に、例えば、電源が遮断された場合に遊技情報を保持する機能を有する遊技機では、RAM114及びRAM204、もしくはどちらか一方に記憶されている異常停止した時の“異常であるという情報”も保持する。また、例えば、RAM204に未払い球数情報が残っていると、再び球が払い出されてしまうことがある。(どのような動作になるかは、例えば、ROM112に格納されている遊技制御プログラムやROM202に格納されている球払い出し制御プログラム次第である。)そのため、例えば、異常を解消して電源を再投入する際には、リセットボタン等を操作して遊技情報を消去する必要があった。本実施の形態では、未払い球が全て払い出された後は、RAM114に記憶されている一部の不要となった遊技情報、RAM204に記憶されている未払い球数情報を含む遊技情報を自動的にクリアする。これにより、リセットボタン等の操作が不要になった。
【0024】
CPU110は、清算キー31が操作されたことと(8′)、未払い球が全て払い出されたことの両方を検出してRAM114の遊技情報の一部をクリアするようにしてもよい。なお、RAM114は全ての遊技情報をクリアしてもよい。
また、清算キー31が操作されて、未払い球が払い出されている時、1球払い出す毎に未払い球数情報を減算してもよい。そして、未払い球数情報が0になった時に未払い球払い出しが終了したことを判別する。賞球計数センサ90が計数可能な場合は、このようにすることが望ましい。この場合、未払い球表示器30に、未払い球数をカウントダウン表示することもできる。
このように、異常になった時点の遊技情報を残さないので、遊技機は、復帰時には正常に動作する。
本実施の形態では、賞球計数センサ90が作動できない異常の場合なので、CPU210は、球払い出しモータ32の目標回転角度を算出して未払い球を払い出した。しかし、賞球計数センサ90が正常に作動する場合には(例えば、図柄表示器の故障等による異常停止の場合には)、前述の正常時(図4)と同様、賞球計数センサ90の計数情報を用いて未払い球を払い出してもよい。
【0025】
本実施の形態では、賞球の場合について説明したが、貸球の場合でも同様である。
貸球の場合は、例えば、パチンコ機10に近接して設置された球貸機300が貸球数を含む情報(貸球払い出し情報)をパチンコ機10の球払い出し制御基板200に送信する。CPU210は、貸球払い出し情報を球貸機通信回路211を介して受信する。そして、貸球払い出し情報は、RAM204に記憶される。
以降の処理については、前述の賞球の場合と同様である。
【0026】
次に、図6を参照して、球払い出しに関連する動作を、球払い出し制御基板200のCPU210の処理を示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS11では、貸球が発生したか否か判別する。例えば、球貸機300が操作されたことを示す信号が、オンしているか否かを判別する。貸球が発生したことを判別したら(Yes)、ステップS12に進む。貸球が発生していないことを判別したら(No)、ステップS31に進む。
ステップS12では、球払い出し装置80を作動させて、貸球を払い出す。貸球計数センサ92は、払い出した球を計数している。
ステップS13では、例えば、貸球計数センサ92の計数情報に基づいて、CPU210で、所定の数の貸球が払い出されたか否か判別する。所定の数払い出されていれば、終了する。所定の数が払い出されていなければ、ステップS14に進む。
ステップS14では、パチンコ球の払い出しを開始してから、所定の時間が経過したか否か判別する。ここで、“所定の時間”とは、例えば、CPU210が貸球払い出し指示信号を受信してから、所定の数の貸球の払い出しが終了するまでの時間の閾値であり、“所定の時間”が経過したら、異常であることを判別する。“所定の時間”が経過していたら、ステップS25に進む。“所定の時間”が経過していなければ、ステップS12に戻って払い出しを続ける。
【0027】
一方、ステップS31では、賞球が発生したか否か判別する。以降ステップS31〜S34の処理は、貸球の場合のステップS11〜S14と同様である。
ステップS34で、払い出しが開始してから“所定の時間”が経過していることが判別されたら、ステップS25に進む。“所定の時間”が経過していなければ、ステップS32に戻って払い出しを続ける。
本実施の形態で、賞球計数センサ90が故障した時のような場合には、例えば、球払い出しモータ32が球払い出し途中でも、即異常停止して、“所定の時間”が経過してもRAM204に記憶されている賞球払い出し情報が0にならないので異常であることを判別して、ステップS25に進む。
【0028】
ステップS25では、未払い球表示器30に、例えば、異常発生時のRAM204に記憶されている貸球払い出し情報もしくは賞球払い出し情報である未払い球数を表示させ(未払い球がない場合には表示しない。)、ステップS26に進む。
ステップS26では、清算キー31が操作されたか否か判別する。清算キー31が操作されていれば、ステップS27に進む。操作されていなければ、ステップS25に戻る。
ステップS27では、清算キー31が操作されたことにより、RAM204に記憶されている賞球払い出し情報もしくは貸球払い出し情報に基づいて、球払い出し装置80を作動させ、ステップS29に進む。
ステップS29では、RAM204の遊技情報を消去して終了する。
また、メイン制御基板100では、RAM114の遊技情報を消去して終了する。
このように、本実施の形態のパチンコ機10によれば、異常発生時でも、球払い出しモータ32を駆動制御可能な状態であれば、未払い球がある場合には未払い球を払い出すことができる。また、未払い球がある時に、未払い球の存在を報知するので、遊技者は安心できる。また、通常非点灯なので遊技機の不要な電力消費を防止する。なお、未払い球数を表示すれば安心感が増す。また、球払い出しモータ32すら動作しない異常停止がおこったとしても未払い球数がわかるので安心できる。さらに、不要な遊技情報を消去するので、異常発生時に、例えば、電源遮断された場合、遊技情報を記憶保持する遊技機では、電源再投入時の不要な遊技情報の消去作業を必要とせず、遊技機が誤動作を引き起こす(例えば、正常にもかかわらず、異常と判断する。)ことを防止できる。
【0029】
本実施の形態では、球払い出し動作に関わる貸球計数センサ92や賞球計数センサ90が計数不可能となる異常状態について説明したが、他の異常状態の時でもよい。例えば、発射モータ(図示していない)、図柄表示器の故障により、遊技機10でパチンコ球の払い出しが停止した時に未払い球払い出し処理を実行してもよい。
本実施の形態では、異常発生時、未払い球が存在する場合は、未払い球数を未払い球表示器30に表示したが、未払い球の存在を報知するだけでもよい。
また、報知手段は表示器に限定されるものではなく、音声、振動等による報知手段でもよい。また、複数種類の報知手段を有していてもよく、これによれば、信頼性が高まる。
また、図柄表示器に報知させるように構成してもよく、未払い球があることを示す表示であってもよいし、未払い球数を表示してもよい。
また、パチンコ機の場合で説明したが、遊技媒体を投入して所定の状態で払い出す遊技機であれば、パチンコ機でなくてもよい。
また、制御回路は、図3に示すブロック図に限定されるものではない。
また、本実施の形態の動作は、図4に示すフローチャート図に限定されるものではない。
また、異常停止した時に未払い球がない場合には、点灯、点滅の形態を変えてもよいし、「0」を表示させてもよい。
また、清算キー31は、いたずら等の防止のために遊技機の裏面側(例えば、球払い出し基板の所定の位置)にあってもよい。
また、未払い球が存在することを報知する表示器とは別に、未払い球数を報知する表示器を遊技機の裏面側(例えば、球払い出し基板の所定の位置)に設けてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の遊技機によれば、遊技機は、未払いの遊技媒体を確実に払い出すことができるので、異常が発生して遊技媒体の払い出しが停止された時も遊技者に不利益が生じない。
また、請求項2に記載の遊技機によれば、遊技者は、未払いの遊技媒体の存在がわかるので、安心感がある。
また、請求項3に記載の遊技機によれば、遊技者は、未払いの遊技媒体の数がわかるので、一層安心感がある。
また、請求項4に記載の遊技機によれば、遊技機の復帰操作が容易となり、また、遊技機の誤動作を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遊技機の一実施の形態の正面図である。
【図2】本発明の遊技機の一実施の形態の説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態のブロック図である。
【図4】一実施の形態の動作を示す説明図である。
【図5】一実施の形態の動作を示す説明図である。
【図6】本発明の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 パチンコ機
12 遊技盤面
30 未払い球表示器
31 清算キー
32 球払い出しモータ
80 球払い出し装置
90 賞球計数センサ
92 貸球計数センサ
200 球払い出し制御基板
300 球貸機
400 電源基板
Claims (1)
- メイン制御基板と、
球払い出しモータを駆動することにより賞球を払い出す球払い出し装置と、
前記球払い出し装置から払い出された賞球を計数する賞球計数センサと、
前記メイン制御基板から送信される賞球数を表す賞球払い出し情報を含む賞球払い出し指示信号を受信して前記賞球払い出し情報を記憶すると共に、前記賞球払い出し情報に基づいて回転角度を算出し、前記回転角度に基づいて前記球払い出しモータを駆動し、前記賞球払い出し情報から前記賞球計数センサで計数された計数情報を減算して前記賞球払い出し情報を更新する制御を行う球払い出し制御基板と、を備え、
前記球払い出し制御基板は、前記球払い出しモータを駆動して賞球の払い出しを行っている間に異常を検知した場合、前記球払い出しモータを停止して賞球の払い出しを停止すると共に、前記賞球払い出し情報を未払い球数情報とする遊技機において、
前記未払い球数情報を表示して遊技者に報知する未払い球表示器と、
前記未払い球数情報の未払い球の払い出しを指示する清算キーと、を設け、
前記球払い出し制御基板は、
前記球払い出しモータを駆動した時点から所定時間を経過しても前記賞球計数センサの計数情報がない場合、前記賞球計数センサの故障と判断し、前記球払い出しモータを停止し、前記未払い球表示器に前記未払い球数情報を表示し、
前記清算キーからの前記未払い球の払い出しの指示があると、前記未払い球数情報に基づいて回転角度を算出し、前記回転角度に基づいて前記球払い出しモータを駆動し、
前記未払い球の払い出しが終了すると、前記未払い球数情報をクリアする、
ことを特徴とする遊技機。
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