JP4560878B2 - 光学活性化合物、およびそれを用いたテルペン類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テルペノイド等の天然物および医薬品の有用中間体となり得る、光学活性化合物、およびテルペン類の新規製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光学活性な天然物および医薬品等の合成において、複数の水酸基を有するキラルアルコール類は、両対称体共に極めて広く有用な用途があり注目を集めている。その中でも、一方の水酸基が保護された光学活性cis−1,4−ジヒドロキシ−2−シクロペンテンは、その潜在的メソ対称性により、両鏡像体共にテルペノイドや多くの生理活性物質の合成に、重要なビルディングブロックとして用いられている。
本発明者らは、天然に両鏡像体が存在するセスキテルペン、α−キュパレノン(α−Cuparenone)をジシクロペンタジエン誘導体から立体選択的に合成した(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1989,271.)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこの方法は、出発原料が潜在的メソ対称性を持たない構造のため、天然に存在する両鏡像体の一方((+)体)しか合成することができず、より簡便、かつ効率的な合成法が求められていた。
【0004】
本発明者は、ラセミ体のcis−4−クミルオキシ−2−シクロペンテン−1−オールを、加水分解酵素存在下、カルボン酸エステルまたはカルボン酸で処理し、エステル交換もしくはエステル化させる事で、(+)−cis−4−クミルオキシ−2−シクロペンテン−1−オールを、効率的かつ大量合成することに成功した(Synlett 1999,1754.)。
さらに、本化合物を出発原料として、立体制御された3つの水酸基を有する光学活性ケトン(式6で示される化合物)へ至る簡便な方法を見出している(特願平11−364179号)。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記の問題を解決するため鋭意検討を行った結果、式(6)で示される光学活性ケトンを出発物質として、セスキテルペンであるα−キュパレノンの両鏡像体を、簡便かつ効率的に製造する方法を発明した。
また、本発明に記載の製造方法で得られる新規な中間体は目的物と同様に、キラルビルディングブロックとして有用な化合物である事も見出し本発明を完成した。
【0006】
即ち、本発明は下記の1.〜7.で構成される。
1. 式(1)
【化13】
(式中R1〜R3は、それぞれ独立して水素原子、または炭素数1〜10の1価有機基を示す。ただしR1はR2、R3と同一ではない。また、R2とR3は連結して環状構造を形成してもよい)で示される光学活性化合物。
【0007】
2. 式(2)
【化14】
(式中R2〜R3は、それぞれ独立して水素原子、または炭素数1〜10の1価有機基を示す。また、R2とR3は連結して環状構造を形成してもよい)で示される光学活性化合物。
【0008】
3. 式(3)
【化15】
(式中R2〜R3は、それぞれ独立して水素原子、または炭素数1〜10の1価有機基を示す。また、R2とR3は連結して環状構造を形成してもよい)で示される光学活性化合物。
【0009】
4. 式(4)
【化16】
(式中R2〜R3は、それぞれ独立して水素原子、または炭素数1〜10の1価有機基を示す。また、R2とR3は連結して環状構造を形成してもよい。Arは炭素数6〜20の芳香族基を示す)で示される光学活性化合物。
【0010】
5. 式(5)
【化17】
(Arは炭素数6〜20の芳香族基を示す)で示される光学活性化合物。
【0011】
6. 式(6)
【化18】
(式中R1〜R3は、それぞれ独立して水素原子、または炭素数1〜10の1価有機基を示す。ただしR1はR2、R3と同一ではない。また、R2とR3は連結して環状構造を形成してもよい)で示される光学活性ケトンを出発物質とする、式(7)
【化19】
で示される光学活性α−キュパレノンの製造方法。
【0012】
7. 式(1)
【化20】
(式中R1〜R3は、それぞれ独立して水素原子、または炭素数1〜10の1価有機基を示す。ただしR1はR2、R3と同一ではない。また、R2とR3は連結して環状構造を形成してもよい)で示される光学活性化合物、式(2)
【化21】
(式中R2〜R3は、それぞれ独立して水素原子、または炭素数1〜10の1価有機基を示す。また、R2とR3は連結して環状構造を形成してもよい)で示される光学活性化合物、式(3)
【化22】
(式中R2〜R3は、それぞれ独立して水素原子、または炭素数1〜10の1価有機基を示す。また、R2とR3は連結して環状構造を形成してもよい)で示される光学活性化合物、式(4)
【化23】
(式中R2〜R3は、それぞれ独立して水素原子、または炭素数1〜10の1価有機基を示す。また、R2とR3は連結して環状構造を形成してもよい。Arは炭素数6〜20の芳香族基を示す)で示される光学活性化合物、式(5)
【化24】
(Arは炭素数6〜20の芳香族基を示す)で示される光学活性化合物を中間体として経由する請求項6に記載の光学活性α−キュパレノンの製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の光学活性化合物の製造方法は、ジシクロペンタジエンから前述の方法(Synlett 1999,1754.および、特願平11−364179号)で得られた、式(6)で示される光学活性ケトンを出発物質とする。このカルボニル基へメチル基を付加し、ジアステレオ選択的に3級アルコールとする。この化合物の3つの保護水酸基のうちR1で示される基のみを脱保護し、2級水酸基をケトンへと酸化する。次いで、酢酸処理で脱水を行ってエノン体とし、二重結合にグリニヤール試薬を立体選択的に付加する。これを還元してモノアルコール体とした後、酸処理で脱水して再度エノン体を得る。この化合物からは公知の方法(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1989,271.)を用い、3工程で光学活性なα−キュパレノンを製造することができる。
この際、出発物質の立体を選択することで、両鏡像体を自由に合成することが可能である。
【0014】
本発明の光学活性化合物、およびそれを用いたテルペン類の製造において、一般式のR1〜R3で示される部位は、それぞれ水素原子、もしくは炭素数が1〜10の1価有機基であり、R1がR2、R3と同一でなければ特に限定されない。
1価有機基として具体的には、水酸基の保護基として広く用いられている、メトキシメチル基、t−ブチルチオメチル基、t−ブトキシメチル基、シロキシメチル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、1−エトキシエチル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2−トリメチルシリルエチル基、t−ブチル基、アリル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、ニトロベンジル基、クミル基等のエーテル型保護基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジメチルエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等のシリルエーテル型保護基、アセチル基、クロロアセチル基、ジクロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、メトキシアセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等のエステル型保護基を挙げることができる。この中で好ましくは、エーテル型、シリルエーテル型保護基であり、さらに好ましくはクミル基とt−ブチルジメチルシリル基である。
【0015】
また、本発明の光学活性化合物、およびそれを用いたテルペン類の製造において、一般式のR2−R3で示される部位は連結して環状構造を形成してもよい。その場合、−R2−R3−で示される部位は2価有機基であれば特に限定されない。
具体的には1,2−ジオール類の保護基として広く用いられているメチレン基、エチリデン基、t−ブチルメチリデン基、2,2,2−トリクロロエチリデン基、イソプロピリデン基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基、ベンジリデン基、メシチレン基、o−キシリル基等の環状アセタールまたはケタールが挙げられる。
この中で好ましくは、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、シクロヘキシリデン基、ベンジリデン基であり、さらに好ましくはイソプロピリデン基である。
【0016】
本発明の光学活性化合物の製造方法において、アルコールを酸化してケトンを製造する工程で用いられる酸化剤は、保護基が損なわれない物であれば特に限定されないが、具体的には、過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン、酸化クロム−ピリジン錯体、クロロクロム酸ピリジニウム、二クロム酸ピリジニウム、酢酸鉛、炭酸銀等の重金属系酸化剤、m−クロロ過安息香酸、ジメチルスルホキシド/オキサリルクロリド、デス−マーチン(Dess−Martin)試薬等の有機化合物系酸化剤が挙げられる。この中で好ましくは、酸化クロム−ピリジン錯体、クロロクロム酸ピリジニウム、二クロム酸ピリジニウムであり、さらに好ましくはクロロクロム酸ピリジニウムである。
【0017】
本発明の光学活性化合物において、一般式中のArで示される部分は炭素数6〜20の芳香族基であれば特に限定されない。具体的にはフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−アルコキシカルボニルフェニル基、3−アルコキシカルボニルフェニル基、4−アルコキシカルボニルフェニル基、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基、2−ベンジルオキシフェニル基、3−ベンジルオキシフェニル基、4−ベンジルオキシフェニル基、2−アセトキシフェニル基、3−アセトキシフェニル基、4−アセトキシフェニル基等の(置換)フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピレニル基等の縮合多環芳香族基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、ベンゾフラニル基、インドリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、クマリル基等の複素環芳香族基を示す。
この中で好ましくはフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基である。
【0018】
続いて、光学活性な(−)−ケトン(6)から、式(7)で示される(−)−α−キュパレノンへ導く製造方法について説明するが、その反応式を下記に示す。
【化25】
(ここで、TBAFは前述、PCCはクロロクロム酸ピリジニウム、Acはアセチル基、Tolは4−メチルフェニル基、TBDMSはt−ブチルジメチルシリル基、Meはメチル基を示す)
【0019】
即ち、特願平11−364179号の方法で得られた、(−)−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−テトラヒドロシクロペンタ[1,3]ジオキソル−4−オンの水酸基をTBDMS基で保護した化合物(6)を、塩化セリウム存在下メチルリチウムで処理し、カルボニル基への付加反応により化合物(1)が得られる。続いて、TBAF処理で水酸基のTBDMS基を脱保護する。この化合物の2級アルコール部分をPCC酸化して化合物(2)とする。このケトンを酢酸処理による脱水反応にて二重結合を形成し、エノン体(3)とする。この化合物を、臭化銅−シメチルスルフィド錯体およびTBDMSクロリド存在下、4−メチルフェニルマグネシウムブロミドを二重結合への付加させ、さらにTBAF処理で最終的に化合物(4)を得る。この化合物のケタール部位をアルミニウムアマルガム還元してモノアルコール体(5)へした後、塩酸中40℃で反応させ脱水反応によりエノン体(8)が得られる。この化合物(8)からは公知の手法を用い、3工程で目的物である(−)−α−キュパレノン(7)を得ることができる。
なお、鏡像体である(+)−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−テトラヒドロシクロペンタ[1,3]ジオキソル−4−オン誘導体を出発物質に用い、同様の工程を経ることにより(+)−α−キュパレノンを得ることができる。
【0020】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0021】
実施例1 光学活性化合物(1:R1=TBDMS基、−R2R3−=イソプロピリデン基)の製造:
(−)−6−TBDMSオキシ−2,2−ジメチル−テトラヒドロシクロペンタ[1,3]ジオキソル−4−オン28.6g(0.100mol)と、塩化セリウム24.6gをTHF120mlに溶かし、窒素気流下−78℃で攪拌した。ここに、メチルリチウム(1Mジエチルエーテル溶液)100mlを滴下した。滴下後室温に戻して3時間攪拌した。終了後反応液を水に加えた。酢酸エチルで2回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別後、減圧濃縮して得られた残査をシリカゲルカラム(溶出液:アセトン/ヘキサン=1/8)で精製し、無色油状の化合物(1)を26.6g(0.088mol)得た。収率は88%であった。
本化合物の物性値は以下の値であった。
[α]D 29 +0.65゜(c1.30,クロロホルム)
【0022】
実施例2 光学活性化合物(1:R1=水素原子、−R2R3−=イソプロピリデン基)の製造:
実施例1で合成した化合物(1)を26.5g(0.088mol)とり、THF120mlに溶かして0℃で攪拌した。TBAF(1M、THF溶液)を100ml滴下し、室温に戻して1時間攪拌させた。終了後反応液を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を希水酸化ナトリウム液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別して溶媒を留去後、得られた残査をシリカゲルカラム(アセトン/ヘキサン=1/4)で精製した。得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶し、融点88〜89℃の化合物を15.7g(0.084mol)得た。収率95%。本化合物の物性値は以下の値であった。
[α]D 28 −11.16゜(c1.01,クロロホルム)
【0023】
実施例3 光学活性化合物(2:−R2R3−=イソプロピリデン基)の製造:
実施例2で合成した化合物15.6g(0.084mol)をジクロロメタン300mlに溶かし、室温で攪拌した。ここへ、PCC27.0gを少しずつ加えて30分間攪拌した。反応終了後5%水酸化ナトリウム溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を希水酸化ナトリウム液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別して溶媒を留去後、得られた残査をシリカゲルカラム(アセトン/ヘキサン=1/2)で精製した。得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶し、融点72℃の化合物(2)を14.1g(0.076mol)得た。収率90%。本化合物の物性値は以下の値であった。
[α]D 28 +189.61゜(c1.19,クロロホルム)
【0024】
実施例4 光学活性化合物(3:−R2R3−=イソプロピリデン基)の製造:
実施例3で得られた化合物(2)14.0g(0.076mol)を酢酸140mlに溶かし、40℃で24時間攪拌した。反応終了後5%水酸化ナトリウム溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を希水酸化ナトリウム液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別して溶媒を留去後、得られた残査をシリカゲルカラム(アセトン/ヘキサン=1/4)で精製し、無色油状の化合物(3)を11.9g(0.071mol)得た。収率93%。
本化合物の物性値は以下の値であった。
[α]D 25 +20.71゜(c1.03,クロロホルム)
【0025】
実施例5 光学活性化合物(4:−R2R3−=イソプロピリデン基、Ar=4−メチルフェニル基)の製造:
実施例4で得られた化合物(3)11.8g(0.071mol)、臭化銅−ジメチルスルフィド錯体14.6g、ヘキサメチルリン酸トリアミド10ml、TBDMSクロリド10.7gをTHF210mlに溶かし、窒素気流下−78℃で攪拌した。ここへ、常法で調製した4−メチルフェニルマグネシウムブロミド13.8g(0.071mol)のTHF溶液を滴下した。室温に戻して6時間攪拌後、0℃に冷却してTBAF(1M、THF溶液)80mlを滴下した。
室温に戻して1時間攪拌後、反応液を過剰の水中に注ぎ、エーテルで抽出した。有機層を希水酸化ナトリウム液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別して溶媒を留去後、得られた残査をシリカゲルカラム(酢酸エチル/ヘキサン=1/2)で精製し、無色油状の化合物(4)を16.1g(0.062mol)得た。収率87%。
本化合物の物性値は以下の値であった。
[α]D 28 +178.14゜(c1.08,クロロホルム)
【0026】
実施例6 光学活性化合物(5:Ar=4−メチルフェニル基)の製造:
実施例5で合成した化合物(4)を16.0g(0.062mol)とり、エタノール200mlに溶かして0℃で攪拌した。アルミニウムアマルガム14.0gを加え、室温に戻して1時間攪拌させた。終了後触媒をろ別し、ろ液を酢酸エチルで抽出した。有機層を希水酸化ナトリウム液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別して溶媒を留去後、得られた残査をシリカゲルカラム(アセトン/ヘキサン=1/2)で精製し、無色油状の化合物(5)を11.5g(0.056mol)得た。収率91%。
本化合物の物性値は以下の値であった。
[α]D 28 +40.48゜(c1.35,クロロホルム)
【0027】
実施例7 光学活性化合物(8:Ar=4−メチルフェニル基)の製造:
実施例6で得た化合物(5)11.4g(0.056mol)を、10%塩酸/ジオキサン=1/1の混合溶媒100mlに溶かし、40℃で12時間反応させた。反応液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を希水酸化ナトリウム液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別して溶媒を留去後、得られた残査をシリカゲルカラム(アセトン/ヘキサン=1/5)で精製し、無色油状の化合物(8)を8.44g(0.045mol)得た。収率81%。
本化合物の物性値は以下の値であった。
[α]D 29 +141.70゜(c1.35,クロロホルム)
【0028】
【発明の効果】
本発明の光学活性化合物は天然物や生理活性物質にとどまらず、一般の有機化合物の効率的な合成原料にも利用可能である。さらに、容易に大量製造が可能であるため、工業的にキラルビルディングブロックとして用いる事ができる、極めて有用な化合物群である。
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