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JP4559115B2 - エンジン油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関用のエンジン油組成物に関する。
エンジン内の燃焼によって生じる排気ガスには、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、微粒子状浮遊物質(PM)等が含まれている。これらの有害物質は、環境汚染、自然破壊、人体への悪影響等を引き起こすことが知られており、できるかぎり大気中に放出しない対策が必要となっている。このため、燃料油中の硫黄含量や窒素含量の低減、エンジンの改良、燃焼方法の改良、排ガス浄化触媒の改良、パティキュレートフィルターの検討等が行なわれている。
一方、エンジン油では、カム、弁、ロッカーアーム等の摩耗の低減、摩擦によるエネルギー損失の低減、エンジン油の熱劣化・酸化劣化の抑制、燃料の不完全燃焼物やエンジン油劣化物のエンジン内への堆積抑制等の多くの機能が求められる。このためエンジン油は、基油である鉱油や合成油に、耐摩耗剤、摩擦低減剤、酸化防止剤、無灰型分散剤、金属系清浄剤、粘度指数向上剤等の多くの添加剤を配合した組成物の状態で用いられている。このような添加剤の中でも、亜鉛ジチオホスフェートは、耐摩耗剤として非常に優れており、酸化防止性も優れていることから、実際に使用されているほとんどすべてのエンジン油に、リン含量として800〜1500質量ppm程度配合されてきた。
エンジン油の一部は燃焼室に入って燃焼し、排ガスと共に排出されるが、エンジン油中のリン化合物は、排ガス浄化触媒の活性を低下させることが知られている。また、エンジン油中の硫黄分は、NOx還元型の排ガス浄化触媒の活性低下や、硫酸塩として付着してパティキュレートフィルターの目詰りの原因となる。即ち、排ガス中の有害物質の低減には、エンジン油中のリン含量及び硫黄含量を低減することが好ましい。
エンジン油中のリンは、主に亜鉛ジチオホスフェートに由来することから、リン含量を低減するには、亜鉛ジチオホスフェートの含量を低減させる必要がある。しかしながら、亜鉛ジチオホスフェートを含有しない無リンのエンジン油では、耐摩耗剤として多量の硫黄化合物を配合する必要がある(例えば、特許文献1〜5等を参照)。そのため、油中の硫黄含量が増加してしまうという問題があった。リン含量及び硫黄含量が低減されたエンジン油としては、亜鉛ジチオホスフェート、コハク酸イミド系無灰型分散剤及び金属系清浄剤を配合することにより、リンの含量を300〜600質量ppm程度にまで削減したエンジン油(例えば、特許文献6、7を参照)も知られているが、耐摩耗性及び酸化防止性が不充分であった。
非金属系の添加剤としては、脂肪酸グリセリンエステル(例えば、特許文献8を参照)がエンジン油の添加剤としてよく知られているが、リンを低減した場合の持続性や耐熱性が不十分であり、エンジン油中のリン含量の低減に対応しているとは言えなかった。
一方、ヒンダードアルコールと脂肪酸とのエステル化合物は、耐熱性の潤滑基油(例えば、特許文献9〜11を参照)としてよく知られている。これらはジエステルやトリエステル、あるいはフルエステル等、基油としての使用であり、添加剤としての使用は知られていなかった。
特開昭62−253691号公報 特開平6−41568号公報 特開昭52−39704号公報 特開平7−118680号公報 特開2000−63862号公報 特開平9−111275号公報 特開2002−53888号公報 特開昭57−187394号公報 特開平7−224289号公報 特開平9−125085号公報 特開平2000−8061号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、低リン処方のエンジン油であっても、硫黄化合物を増やさずに、従来のエンジン油と同等又はそれ以上の耐摩耗性、耐熱性および持続性を有するエンジン油組成物を提供することにある。
そこで本発明者等は、低リン処方のエンジン油について鋭意検討し、特定の構造のエステル化合物を配合することにより、低リン処方であっても、耐摩耗性、耐熱性および持続性に優れたエンジン油を提供できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は潤滑基油に、(A)成分として、下記の一般式(1):
Figure 0004559115
(式中、R及びRは炭化水素基を表わし、aは0〜1/3の数を表わす。)
で表わされる亜鉛ジチオホスフェートをリン含量として100〜500質量ppm、
(B)成分として、トリメチロールプロパンと炭素数8以上のモノカルボン酸との反応物であって、下記数式(1)で表される特性を有する反応物を0.01〜20質量%含有するエンジン油組成物である。
Figure 0004559115
本発明の効果は、耐摩耗性、耐熱性および持続性に優れた、低リン処方のエンジン油を提供することにある。
まず、本発明の(A)成分について説明する。本発明の(A)成分は、上記の一般式(1)で表わされる亜鉛ジチオホスフェートである。
一般式(1)において、R及びRは炭化水素基を表わす。炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2級ブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、2級ペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2級オクチル、ノニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、2級テトラデシル、ヘキサデシル、2級ヘキサデシル、ステアリル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−ブチルオクチル、2−ブチルデシル、2−ヘキシルオクチル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルデシル、2−ヘキシルドデシル、2−オクチルドデシル、2−デシルテトラデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−ヘキサデシルオクタデシル、2−テトラデシルオクタデシル、モノメチル分枝−イソステアリル等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、スチレン化フェニル、p−クミルフェニル、フェニルフェニル、ベンジルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
これらの炭化水素基の中で、R及びRとしては、アルキル基が好ましく、2級アルキル基が更に好ましい。炭素数は、3〜14であることが好ましく、3〜10であることが更に好ましく、3〜8であることが最も好ましい。R及びRは、同一の炭化水素基でも異なる炭化水素基でもよい。
また、一般式(1)において、a=0の場合、中性亜鉛ジチオホスフェート(中性塩)と呼ばれ、aが1/3の場合は、塩基性亜鉛ジチオホスフェート(塩基性塩)と呼ばれている。
亜鉛ジチオホスフェートは、これら中性塩と塩基性塩の混合物であるため、aは0〜1/3の数で表される。aの数は亜鉛ジチオホスフェートの製法によって異なるが、0.08〜0.3が好ましく、0.15〜0.3が更に好ましく、0.18〜0.3が最も好ましい。aが0.3より大きくなると、加水分解安定性が悪くなる場合があり、aが0.08より小さくなると、配合した潤滑油の耐磨耗性が悪くなる場合がある。
本発明のエンジン油組成物全量に対する、(A)成分である一般式(1)で表わされる亜鉛ジチオホスフェートの含量は、リン含量として100〜500質量ppmであり、好ましくは150〜480質量ppm、更に好ましくは200〜470質量ppm、最も好ましくは250〜460質量ppmである。(A)成分の含量がリン含量として100質量ppm未満では、耐摩耗性及び酸化防止性が不充分となり、500質量ppmを超えると、排ガス浄化触媒の活性低下が起こり易くなる。
次に、本発明の(B)成分について説明する。本発明の(B)成分は、2価以上のヒンダードアルコールと炭素数8以上のモノカルボン酸を反応させたエステル化合物である。
2価以上のヒンダードアルコールとしては、本発明ではトリメチロールプロパンを使用する。
炭素数8以上のモノカルボン酸としては、例えば、トルイル酸、アニス酸、ベラトルム酸、ピペロニル酸等の芳香族カルボン酸;2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、ノナン酸(ペラルゴン酸)、イソノナン酸、デカン酸(カプリン酸)、イソデカン酸、ウンデカン酸、イソウンデカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸)、イソドデカン酸、トリデカン酸、イソトリデカン酸、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、イソステアリン酸、エイコサン酸(アラキン酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)、テトラコサン酸(リグノセリン酸)、ヘキサコサン酸(セロチン酸)、オクタコサン酸(モンタン酸)、10−ウンデセン酸、ゾーマリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ガドレン酸、エルカ酸、セラコレイン酸等の脂肪族カルボン酸、天然油脂から得られる混合脂肪酸、及びこれらの混合物等が挙げられる。これらの中でも潤滑基油への溶解性及び潤滑性能という点から、脂肪族モノカルボン酸が好ましく、直鎖の脂肪族モノカルボン酸が更に好ましい。また、炭素数8〜24が好ましく、炭素数10〜20が更に好ましく、炭素数12〜18が最も好ましい。炭素数が8より少ないと潤滑性能が表れず、炭素数が24より多いと、潤滑油への溶解性が悪くなり、潤滑性能が不十分になる場合がある。また、2価以上のカルボン酸では、2価以上のヒンダードアルコールと反応させた時にポリマーが生成し、潤滑油へ溶解しなくなり、潤滑性能が不十分になるので好ましくない。
(B)成分を製造する方法としては、公知の方法を用いることができる。一般的には、無触媒もしくは触媒を使用し、ヒンダードアルコールとモノカルボン酸を100℃〜250℃、減圧下で脱水縮合することにより得ることができる。使用できる触媒としては、硫酸やトルエンスルフォン酸などの強酸;四塩化チタン、塩化ハフニウム、塩化ジルコニウム、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化鉄、塩化スズ、フッ化硼素等の金属ハロゲン化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、ソヂウムメチラート、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物やアルコラート物または炭酸塩;酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ナトリウム等の金属酸化物;テトライソプロピルチタネート、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド等の有機金属化合物が挙げられる。
(B)成分は、次の数式(1)を満足させるように、ヒンダードアルコールとモノカルボン酸の配合量を調整して、合成されたものである。
Figure 0004559115
一般に、水酸基を2つ以上持つポリオール化合物を、モノカルボン酸でエステル化すると、モノエステル、ジエステル、トリエステル等の混合物が得られるが、一般式(1)を満足させるものであれば問題ない。
ここで、本発明におけるけん化価は、(B)成分1gを完全にけん化するのに必要とする水酸化カリウムのmg数であり、水酸基価は、(B)成分1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数である。これらの分析は、JIS K0070(化学製品の酸化、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価及び不けん化物の試験方法)のけん化価測定方法及び水酸基価測定方法により測定することができる。けん化価/(けん化価+水酸基価)が0.2以下の場合は、(B)成分が潤滑基油へ完全に溶解しない場合があるため、スラッジの原因や潤滑性能が不十分になる場合があり、0.5より大きい場合には、潤滑性能が不十分になる場合がある。
本発明に使用する(B)成分は、(A)成分の亜鉛ジチオホスフェートを、リン含量として100〜500質量ppm含有するエンジン油に対して適当量、好ましくは0.01〜20質量%、更に好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜5質量%添加して使用される。(B)成分の添加量が0.01質量%より少ないと、期待する効果が得られない場合があり、20質量%より多いと、添加量に見合う効果が得られない場合や、配合したエンジン油の高温安定性が悪くなる場合がある。
本発明に用いられる潤滑基油に特に制約はなく、一般的な潤滑油、例えば鉱油、炭化水素系合成油及びこれらの混合物が挙げられる。より具体的には、ポリ−α−オレフィン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリブテン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、アルキル置換ジフェニルエーテル、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、リン酸エステル、亜リン酸エステル、炭酸エステル、シリコーン油、フッ素化油等の合成油、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油あるいはこれらを精製した精製鉱油類等を用いることができる。
更に、本発明のエンジン油組成物は、公知の潤滑油添加剤の添加を拒むものではなく、使用目的に応じて、酸化防止剤、有機モリブデン系添加剤、極圧剤、油性向上剤、清浄剤、分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、防錆剤、腐食防止剤、消泡剤などを本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。但し、これらの中でリン系の添加剤を使用する場合は、エンジン油中の総リン含量が増えるので、充分に考慮するべきであり、可能であるのなら、他のリン系添加剤の使用は避けるべきである。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられる。フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6―ジ―ターシャリブチルフェノール(以下、ターシャリブチルをt−ブチルと略記する。)、2,6―ジ―t−ブチル−p―クレゾール、2,6―ジ―t―ブチル―4―メチルフェノール、2,6―ジ―t―ブチル―4―エチルフェノール、2,4―ジメチル―6―t−ブチルフェノール等が挙げられ、アミン系酸化防止剤としては、例えば、1―ナフチルアミン、フェニル―1―ナフチルアミン、p―オクチルフェニル―1―ナフチルアミン、p―ノニルフェニル―1―ナフチルアミン、p―ドデシルフェニル―1―ナフチルアミン、フェニル―2―ナフチルアミン等が挙げられる。これらの酸化防止剤の好ましい配合量は、基油に対して0.1〜5質量%である。
有機モリブデン系添加剤としては、例えば、脂肪酸モリブデン塩、硫化オキシモリブデンキサンテート、三酸化モリブデンと酸性燐酸エステルとの反応物、三酸化モリブデンと脂肪酸ジエタノールアミドとの反応物、三酸化モリブデンとグリセリンモノ脂肪酸エステルとの反応物、スクシンイミド、カルボン酸アミド又はマンニッヒ塩基若しくはこれらのホウ素化物と三酸化モリブデンとの反応物、硫化オキシモリブデンジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジチオホスフェート、又はアミンと5価又は6価のモリブデン原子を有するモリブデン化合物との反応物等が挙げられる。これらの有機モリブデン系添加剤の配合量は、基油に対して0.001〜5質量%である。
極圧剤としては、例えば、硫化油脂、オレフィンポリスルフィド、ジベンジルスルフィド等の硫黄系添加剤;モノオクチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリフェニルフォスファイト、トリブチルフォスファイト、チオリン酸エステル等のリン系化合物;チオリン酸金属塩、チオカルバミン酸金属塩、酸性リン酸エステル金属塩等の有機金属化合物などが挙げられる。これら極圧剤の好ましい配合量は、基油に対して0.1〜10質量%である。
油性向上剤としては、例えば、オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類;オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸類;オレイルグリセリンエステル、ステリルグリセリンエステル、ラウリルグリセリンエステル等のエステル類;ラウリルアミド、オレイルアミド、ステアリルアミド等のアミド類;ラウリルアミン、オレイルアミン、ステアリルアミン等のアミン類;ラウリルグリセリンエーテル、オレイルグリセリンエーテル等のエーテル類が挙げられる。これら油性向上剤の好ましい配合量は、基油に対して0〜5質量%である。
清浄剤としては、例えば、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどのスルフォネート、フェネート、サリシレート、フォスフェート及びこれらの過塩基性塩が挙げられる。これらの清浄剤の配合量は、基油に対して0.5〜10質量%である。
分散剤としては、例えば、分子量約700〜3000のアルキル基またはアルケニル基が付加されたコハク酸イミド、コハク酸エステル、ベンジルアミン又はこれらのホウ素変性物等が挙げられる。これらの分散剤の好ましい配合量は、基油に対して0.5〜10質量%である。
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリ(C1〜18)アルキルメタクリレート、(C1〜18)アルキルアクリレート/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、ジエチルアミノエチルメタクリレート/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、エチレン/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、ポリイソブチレン、ポリアルキルスチレン、エチレン/プロピレン共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体、スチレン/イソプレン水素化共重合体等が挙げられる。あるいは、分散性能を付与した分散型もしくは多機能型粘度指数向上剤を用いてもよい。平均分子量は10,000〜1,500,000程度である。これらの粘度指数向上剤の好ましい配合量は、基油に対して0.1〜20質量%である。
流動点降下剤としては、例えば、ポリアルキルメタクリレート、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルスチレン、ポリビニルアセテート等が挙げられ、平均分子量は1000〜100,000である。これらの流動点降下剤の好ましい配合量は、基油に対して0.005〜3質量%である。
防錆剤としては、例えば、亜硝酸ナトリウム、酸化パラフィンワックスカルシウム塩、酸化パラフィンワックスマグネシウム塩、牛脂脂肪酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアミン塩、アルケニルコハク酸又はアルケニルコハク酸ハーフエステル(アルケニル基の分子量は100〜300程度)、ソルビタンモノエステル、ノニルフェノールエトキシレート、ラノリン脂肪酸カルシウム塩等が挙げられる。これらの防錆剤の好ましい配合量は、基油に対して0.01〜5質量%である。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、テトラアルキルチウラムジサルファイド等が挙げられる。これら腐食防止剤の好ましい配合量は、基油に対して0.01〜3質量%である。
消泡剤としては、例えば、ポリジメチルシリコーン、トリフルオロプロピルメチルシリコーン、コロイダルシリカ、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルメタクリレート、アルコールエトキシ/プロポキシレート、脂肪酸エトキシ/プロポキシレート、ソルビタン部分脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの消泡剤の好ましい配合量は、基油に対して0.001〜0.1質量%である。
本発明のエンジン油組成物は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ジェットエンジン等の内燃機関用の潤滑油として使用できる。中でもガソリンエンジン用の潤滑油として好適に使用することができる。
以下、実施例により本発明のエンジン油組成物を詳細に説明する。尚、以下の実施例中、%は特に記載が無い限り質量基準である。
まず、基油として下記性状の鉱物油を使用し、各種添加剤を添加した基準油を作り、それに本発明のA成分およびB成分を添加して試験を行った。基油の性状及び、試験に使用した各成分及び配合量は以下のとおりである。
<基油>
鉱油系高度VI油。動粘度4.1mm/s(100℃)、18.3mm/s(40℃)、粘度指数(VI)=126。
<基準油配合表>
基油 100質量部
メタクリレート系粘度指数向上剤 3質量部
コハク酸イミド系分散剤 5.0質量部
フェノール系酸化防止剤 0.3質量部
アミン系酸化防止剤 0.3質量部
サリシレート系清浄剤 1.5質量部
<A成分>
(A−1) R1=2−オクチル、R2=2−オクチルの亜鉛ジチオホスフェート
(A−2) R1=n−ブチル、R2=1−オクチルの亜鉛ジチオホスフェート
リン含量7.8%、a=0.23、
リン含量8.2%、a=0.25、
<その他添加剤成分>
<B成分>
(B−1) トリメチロールプロパンオレイン酸エステル[0.35]
(B−2) ネオペンチルグリコールラウリン酸エステル[0.5]
(B−3) ペンタエリスルトール2−エチルヘキシル酸エステル[0.28]
(B−4) トリメチロールプロパンオレイン酸エステル[0.16]
(B−5) トリメチロールプロパンオレイン酸エステル [0.6]
<比較品>
(C−1) グリセリンオレイン酸エステル[0.35]
(C−2) オレイルアミド
なお、成分名の後ろにある[ ]内の数字は、けん化価/(けん化価+水酸基価)の値である。
A成分およびその他添加剤成分を上記基準油に所定量添加し、各種試験を行った。添加量及び試験結果を表−1に記す。なお、試験方法は以下の通りである。また、表1の実施例2−5,7,10および11は参考例である。
<試験油の酸化安定性試験>
基準油に各添加剤を添加(表1参照)し、試験油を作成した。JIS K−2514(潤滑油−酸化安定度試験方法)に準拠して、触媒として銅板と鉄板を入れたガラス容器に、試料250mlを入れ、1300rpmで空気を巻き込むよう攪拌しながら、165.5℃で168時間加熱することにより、試験油を酸化劣化させた。劣化試験前及び試験後の試験油について、動粘度(40℃)を測定した。その結果から、粘度比(劣化後の動粘度を劣化前の動粘度で割った値)が小さいものほど酸化安定性が高いことを示す。
<潤滑性能試験>
本発明品及び比較品の潤滑性組成物(新油)およびその劣化油を用いて、シェル式高速四球試験機にて荷重30kg、室温、回転数1,500rpm、時間10分間の条件で、平均摩擦係数及びボールの摩耗痕径を測定した。なお、平均摩擦係数は新油で測定し、劣化後の磨耗痕を測定するための劣化油は、上記の酸化安定性試験後の試験油を利用した。
Figure 0004559115
表1に示すとおり、すべての実施例は比較例と比較して、磨耗痕及び平均摩擦係が小さく、劣化前後の粘度比も小さくなった。このことより、本発明の(B)成分は、低リン処方のエンジン油に対して、効果を発揮していることが確認された。

Claims (3)

  1. 潤滑基油に、(A)成分として、下記の一般式(1):
    Figure 0004559115
    (式中、R及びRは炭化水素基を表わし、aは0〜1/3の数を表わす。)
    で表わされる亜鉛ジチオホスフェートをリン含量として100〜500質量ppm、
    (B)成分として、トリメチロールプロパンと炭素数8以上のモノカルボン酸との反応物であって、下記数式(1)で表される特性を有する反応物を0.01〜20質量%含有するエンジン油組成物。
    Figure 0004559115
  2. (B)成分のモノカルボン酸が炭素数8〜24の脂肪酸であることを特徴とする、請求項1に記載のエンジン油組成物。
  3. 酸化防止剤、有機モリブデン系添加剤、極圧剤、油性向上剤、清浄剤、分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、防錆剤、腐食防止剤及び消泡剤からなる群から選択される1種または2種以上をさらに含有する請求項1または2に記載のエンジン油組成物。
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