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JP4557410B2 - サブインクタンク、インクジェットヘッドカートリッジ、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

サブインクタンク、インクジェットヘッドカートリッジ、及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを収納するサブインクタンク及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
なお、本明細書において「生インク」とは、単に容器等に溜められた状態のインクを指すものとする。また、「半生インク」とは、後述のインク吸収体に含浸保持されている状態のインクを指すものとする。
【0003】
【従来の技術】
被記録媒体にインクを吐出させ記録を行うインクジェット記録装置は、記録時の音が非常に静かで、装置も小型であり、安価であるため、近年幅広く普及してきている。このようなインクジェット記録装置に用いられる、インクを吐出させるインクジェット記録ヘッドには、圧電素子を用い、圧電素子に電流を流すことで、圧電素子の変形する力によりインクを、インクジェット記録ヘッドに形成された吐出口から吐出させるものがある。この他に、複数の電気熱変換体を備えたヒーターボードと、これら電気熱変換体に対応した複数のインク流路を持ち、さらに各インク流路にインクを供給するための共通液室が形成されたインクジェット記録ヘッドを用い、各電気熱変換体に電流を流すことで各電気熱変換体を発熱させ、インクに膜沸騰を起こさせ、その発泡力によりインクを吐出させるバブルジェット方式のもの等がある。
【0004】
また、インクジェット記録装置に取り付けられるインクジェット記録ヘッドの形態として、インクを内部に収容したインクタンクと、インクジェット記録ヘッドが一体となったインクジェットヘッドカートリッジの形態のものがあるが、この場合、インクタンク内のインクが無くなった時点でインクジェットヘッドカートリッジを交換してしまうので、インクジェット記録ヘッドの部分が高性能で高価になった場合、インクジェット記録装置の維持コストが高くなるといった問題や、まだ利用可能なインクジェット記録ヘッドを廃棄してしまうことによる環境に対する問題等が生じる場合があった。
【0005】
そこで、インクが無くなった場合、インクタンクのみを交換する形態のインクジェットヘッドカートリッジが近年盛んに提案されている。オンキャリッジ型と呼ばれるこれらのインクジェットヘッドカートリッジは、インクタンクを小型化することによりインクの収容量は減ったとしても、インクタンクの交換が可能であるため、インクジェット記録装置を小型化させるのに適している。
【0006】
一方、大量に印刷を行うユーザ用として、インクタンクの交換回数を減らすとともに、ランニングコストを下げるため、インク容量の大きなインクタンクを使用したり、記録の高速化を行うため、キャリッジの走査速度を上げたりすることが必要となる。
【0007】
しかしながら、インクタンクの大容量化や、記録の高速化は、オンキャリッジ方式ではキャリッジに負荷がかかりすぎる。このため、キャリッジに乗せるインクタンクの容量を少なくし、非記録時にインクタンクにインクを自動的に再充填するピットイン方式を採用しているインクジェット記録装置が提案されている。また、容量の大きいメインインクタンクをインクジェット記録装置のキャリッジ以外の場所、すなわち、インクジェット記録装置の記録速度に影響を及ぼさない場所に設けて、メインインクタンクからインクジェット記録ヘッドまでチューブで供給する、チューブ供給方式を用いたインクジェット記録装置も提案されている。
【0008】
上述のピットイン方式や、チューブ供給方式を用いたインクジェット記録装置は、インクジェット記録ヘッドの直前に、ある程度のインクを溜めておくサブインクタンクが必要となる。
【0009】
ピットイン方式の場合、インクが供給ポジションで供給されるまでの間、記録に用いられるインクを保持しておくためのインクタンク部が必要であり、このためサブインクタンクを備える構成となる。
【0010】
キャリッジの往復走査により、被記録媒体の任意の場所に記録を行うシリアルプリンタにおけるチューブ供給方式の場合、キャリッジの移動により、インクをメインインクタンクからサブインクタンクへと供給するために用いられるチューブ内のインクが慣性力を持つ。これにより、チューブ内のインクのその時々変動するインク圧力がインクジェット記録ヘッド内のインクに圧力変動を与え、インクジェット記録ヘッドによる安定した吐出を行うことができない場合があった。よって、このような圧力変動の影響を排除するため、記録時には、インク供給用のチューブとインクジェット記録ヘッドとが連通しないほうがよく、このため、ピットイン方式と同様に、記録に用いられるインクを保持しておくためのインクタンク部としてのサブインクタンクを備える構成となる。
【0011】
このような構成のインクジェットヘッドカートリッジにより記録を行うと、インクの消費によりサブインクタンク内の負圧が必要以上に上昇するので、サブインクタンクにはインクを保持し、インクジェット記録ヘッドに適正な負圧を与えるための負圧発生手段を設ける必要がある。負圧発生手段としては、バネの反発力を用い負圧を発生させるものや、気液界面のメニスカスによる負圧を発生させるもの等様々なものがある。その中でもメニスカスにより負圧を発生させる方法は、サブインクタンク内のインクを消費していった場合においても、負圧の変化が非常に少なく、インクジェット記録ヘッドにかかる負圧が安定するため、信頼性の高い記録を安定して行うことが可能となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したサブインクタンクには、記録速度を高めるため、また、インクの供給回数を減らしつつも、キャリッジへの負荷及びインクジェット記録装置を小型化するため、できるだけ生インクを多く収容するとともに、サブインクタンク自体の小型化を実現するため、容積効率の効率化が要求されている。
【0013】
チューブ供給方式を用いたインクジェット記録装置用の、サブインクタンクの容積効率を高める一例として、図9に示すようなインクジェットヘッドカートリッジが考えられる。
【0014】
サブインクタンク409は、インクを半生インクとして含浸保持するインク吸収体424を収容する第1の液室431と、生インクを収容する第2の液室432とを横方向(図9中X方向)に並列に並べた構成となっており、第1の液室431の容積を第2の液室432の容積に比べ小さくすることで、容積効率を高めたものである。インクを吐出するためのインクジェット記録ヘッド404は下面435側に設けられており、図中下向き矢印方向にインクを吐出する。また、第1の液室431と第2の液室432とを連通させるための連通部426は、仕切壁438と下面435との間に形成されている。このように連通部426が下面435に面するように形成されていることで連通部426は常にインクにより満たされた状態となり、メニスカスによる安定した負圧を発生することができる。また、上面436には第2の液室432の空気を排出するための空気排出チューブ405が接続されている。
【0015】
しかしながら、図9に示すような構造のサブインクタンク409には、以下のような問題を生じる恐れが考えられる。
【0016】
まず、サブインクタンクに対するインクチューブの接続位置に関する問題が考えられる。
【0017】
一般に、インクジェット記録装置の各部レイアウトの一例を示す模式図である図10に示すように、メインインクタンク402は、インクジェット記録装置における記録用紙412の搬送のための搬送部等のレイアウトの関係より、インクジェット記録装置を側方から見てサブインクタンク409に対して右斜め下方向に配置されることが考えられる。この場合、インクチューブの接続位置を前面401側とすると、搬送部を構成するプラテンローラ418等に、また、下面435側とすると、記録用紙412にそれぞれ干渉してしまう。上面436側とすると、干渉する部品等はないが、空気排出チューブ405に加えて、さらに上方に突出物を設けることは、インクジェット記録装置を小型化する点で好ましくない。このような観点から、背面437側にインクチューブを接続するのが好ましいのであるが、サブインクタンク409には第1の液室431が設けられているため、第2の液室432に直接インクを供給することができない。
【0018】
また、図9に示すようなサブインクタンク409は、第1の液室431と第2の液室432とを横方向に並列に並べた構成であるため、横方向に長い形状となってしまうことが考えられる。
【0019】
このように、第1の液室431と第2の液室432とを横方向に並列に並べた構成では、容積効率を高めることはできるものの、上述したような問題を生じる恐れがある。
【0020】
一方、サブインクタンクの容積効率を高めたインクジェットヘッドカートリッジの別の一例の側断面図である図11に示すサブインクタンク509のように、背面537にインクチューブ503を接続できるように第1の液室531を上方に配置した場合、インク界面502が連通部526より下側、すなわち、連通部526が第2の液室532内の空気に対して露出されるような状態になると、連通部526はメニスカスによる負圧を発生させることができなくなる。そして、空気がインク吸収体524内を通ったとき、大気連通口523とインク吸収体524と連通部526と第2の液室532とを連通する空気のパスが形成されることで、第2の液室532内の圧力が大気圧となり、第2の液室532内に負圧を発生することが不可能となってしまう。このように、サブインクタンク509における第1の液室531のレイアウトは容積効率を高める上で非常に有利なレイアウトであるが、上述したように、連通部526でのメニスカスの形成が第2の液室532内のインクの界面の影響を受けるため、このままでは実用に適さない。
【0021】
そこで、本発明は、安定した負圧を発生するとともに、記録の高速化を図れるサブインクタンク及びインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のサブインクタンクは、インクの再充填が可能なサブインクタンクであって、大気と連通する大気連通口が形成され、インク吸収体を収容する第1の液室と、外部にインクを供給するためのインク供給部と、インク供給部に供給されるインクを収容するための第2の液室と、第2の液室内のインクの界面と独立したインクの界面を形成可能なようにインクを貯留するためのインク貯留部と、該インク貯留部と前記第1の液室とを連通し、前記インク貯留部に貯留されたインクにより内部が満たされるように配置され連通部と備え、前記インク貯留部の、前記第2の液室と連通する開口に、空気は透過するがインクは透過しない膜が設けられていることを特徴とする。
【0023】
上記の通り、本発明のサブインクタンクは、第1の液室と第2の液室とを、インク貯留部に貯留されたインクにより内部が満たされるように配置された連通部を介して連通させている。このインク貯留部に貯留されたインクの界面は、第2の液室内のインクの界面と独立して形成されることにより、連通部の内部をインクにより満たされた状態に保つことができる。このため、第2の液室内のインクがインク供給部に供給されることで消費され、第2の液室内のインクの界面が連通部の形成されている位置よりも下方に下がったとしても、連通部が第2の液室内の空気に対して露出することはない。これにより、サブインクタンク内でのインク吸収体を収容する第1の液室のレイアウトを検討する際、第2の液室内のインクの界面の影響を考慮しなくてよくなることで第1の液室のレイアウトの自由度が高くなり、生インクを収容する第2の液室の容積を、半生インクを収容する第1の液室の容積に比べて大きくすることができる。また、本発明のサブインクタンクは、インク貯留部の、第2の液室と連通する開口に、空気は透過するがインクは透過しない膜が設けられているため、サブインクタンクが通常の記録に用いられる状態に対して、底面が上になるような逆さまの状態になった場合でもインク貯留部の開口部からインクが漏れることがない、あるいは、インクの漏れを少なくすることが可能であるため、連通部を満たすだけのインクが確保することができる。
【0024】
第2の液室に、インク再充填するための補給口が設けられているものであってもよいし、第2の液室、第2の液室内の空気を排出するための空気排出口が設けられているものであってもよく、さらに、空気排出口に、空気は透過するがインク通過ない膜が設けられているものであってもよい。
【0027】
さらに、空気排出口には、透気性であるがインクを通過させない膜を有するものであってもよく、この場合、インクの充填において、この膜以上にはインクが上昇しないので、容易にサブインクタンク内を満タン状態にすることが可能となる。
【0028】
本発明のインクジェットヘッドカートリッジは、本発明のサブインクタンクと、該サブインクタンクから供給されたインク吐出するための記録ヘッドと、を備えたことを特徴とする。また、本発明のインクジェット記録装置は、本発明のインクジェットヘッドカートリッジを搭載して往復走査するためのキャリッジと、前記キャリッジの走査方向と交差する方向に被記録媒体を搬送するための搬送手段と、を備えたことを特徴とする。
【0029】
上記の通り構成された本発明のインクジェット記録装置は、生インクを収容する第2の液室の容積を、半生インクを収容する第1の液室の容積に比べて大きくすることができる本発明のサブインクタンクを備えたインクジェットヘッドカートリッジを保持するキャリッジを有するため、インクの再充填に要する回数を少なくすることができる。
【0030】
さらに、本発明のインクジェット記録装置は、サブインクタンクに充填するためのインクを収容するメインインクタンク着脱可能に搭載されているものであってもよい。
【0033】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は本実施形態のインクジェット記録装置の構成を説明するための概略斜視図である。図1に示すインクジェット記録装置は、インクジェット記録装置に固定されたインクタンクとキャリッジに搭載されたサブインクタンクとをチューブで接続し、インクジェット記録ヘッド部にインクを供給する形態のものである。
【0034】
本実施形態のインクジェット記録装置は、記録紙やプラスチック薄板等の被記録媒体12に対してインクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッド4及びインクジェット記録ヘッド4にインクを供給するサブインクタンク9からなるインクジェットヘッドカートリッジ33を着脱可能に搭載するキャリッジ6と、キャリッジ6を駆動する駆動モータ16と、被記録媒体12を矢印Aで示す副走査方向に搬送するプラテンローラ18と、インクジェット記録ヘッド4のインクの吐出特性の回復を行う回復手段である吸引手段20及びキャップ部材19と、サブインクタンク9内の空気を排出するための不図示の空気排出手段とを有する。
【0035】
キャリッジ6には、不図示の記録ヘッド側コネクタパッドに接続する、不図示のインクジェット記録装置側コネクタパッドが設けられている。
【0036】
リードスクリュー11は、キャリッジ6を副走査方向に対して略直交方向の矢印Bで示される主走査方向に往復走査させるためのものであり、また、ガイドレール13は、この主走査方向へのキャリッジ6の走査の際のガイドとなる。このリードスクリュー11はギヤ14、15を介して駆動モータ16の正逆回転に連動し、さらに、リードスクリュー11に刻まれた螺旋溝17がキャリッジ6に設けられた不図示の係合部と係合しているため、キャリッジ6の主走査方向への往復走査が駆動モータ16の駆動によって行われることとなる。
【0037】
インクジェット記録装置の筐体1には、イエロー用のインクタンク2aと、マゼンタ用のインクタンク2bと、シアン用のインクタンク2cと、ブラック用のインクタンク2dとをそれぞれ差し込む差込部3が設けられており、この差込部3にインクタンク2a、2b、2c、2dのそれぞれが差し込まれている。
【0038】
インクタンク2a、2b、2c、2dは、サブインクタンク9に対してインクの供給を行うためのインクを収容している。また、インクタンク2a、2b、2c、2dは、それぞれ、インクジェット記録装置に挿入されることでインクジェット記録装置に連通する、不図示のジョイント部を有しており、このジョイント部を介してインクの供給を行う。
【0039】
ジョイント部には不図示のゴム栓が設けられており、インクタンク2a、2b、2c、2dがインクジェット記録装置に挿入されていない時は、このゴム栓により、ジョイント部からインクタンク2a、2b、2c、2d内部のインクが外部に漏れない構造となっている。
【0040】
このゴム栓部に対して、インクジェット記録装置側に備えられた不図示のインク供給用針が刺さり、インクタンク2a、2b、2c、2d内のインクが引き出し可能となる。
【0041】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各インクを一時的に貯留する4つのサブインクタンク9のそれぞれは、インクタンク2a、2b、2c、2dに対して、インクの供給路となるインクチューブ10を介し連通している。なお、各インクチューブ10には、不図示のバルブが接続されており、このバルブが開いたときにはインクが供給可能に連通し、バルブを閉じることで各サブインクタンク9とインクタンク2a、2b、2c、2dとはインクの圧力変動を伝えるような連通状態ではなくなる。また、サブインクタンク9はキャリッジ6に搭載されており、インクジェット記録ヘッド4とともに走査されるが、一方、インクタンク2a、2b、2c、2dは上述のように筐体1の差込部3に差し込まれ固定されている。さらに、サブインクタンク9の上面36の空気排出口5a(図2及び図3参照)には、一端が空気排出手段に接続された空気排出チューブ5の他端が接続されている。この空気排出チューブ5は、空気をサブインクタンク9内から排出する時以外は不図示のバルブにより閉じており、この状態では第2の液室32(図3参照)と外気とは非連通な状態となり、また、このバルブを開けることで第2の液室32と外気とが連通する。
【0042】
また、インクジェット記録装置には、インクタンク2a、2b、2c、2dが装着されているかどうかを判断するための不図示のセンサが設けられており、インクタンク2a、2b、2c、2dがインクジェット記録装置から外されている時に、インクチューブ10内のインクが漏れないようインクチューブ10の開口端が閉じられるような構造となっている。このインクの漏れ防止は、上述したインクチューブ10の開口端にバルブが設けられている場合、このバルブを閉めることにより行うものであってもよい。また、本実施形態のインクジェット記録装置はキャリッジ6が主走査方向に往復走査されながら記録を行うため、インクチューブ10内のインクはキャリッジ6の走査による慣性力で、サブインクタンク9内のインクを介しインクジェット記録ヘッド4に不必要なインクの圧力変動を与えてしまう場合がある。従って、本実施形態のインクジェット記録装置では、記録時には、インクチューブ10に接続されたバルブを閉じることでサブインクタンク9とインクタンク2a、2b、2c、2dとが連通しないようにしている。
【0043】
本実施形態のインクジェット記録装置には、さらに、被記録媒体12の搬送領域に隣接して、インクジェット記録ヘッド4に設けられた不図示のインク吐出部のインクの吐出特性を回復するための回復手段が設けられている。この回復手段は、インクジェット記録カートリッジ4の不図示の吐出口をキャッピングするためのキャップ部材19と、このキャップ部材19に設けられた不図示の内部開口を介して吐出口を吸引回復する吸引手段20とからなる。この吸引手段20には、ギヤ21及び切り替えクラッチ等の公知の伝達手段により、駆動モータ16から駆動力が伝達される。そして、吐出口をキャッピングするためのキャップ部材19の上下動等の移動は、ギヤ22等を介して伝達される駆動力によりなされ、インクジェット記録ヘッド4の吐出口が設けられた部分と密着させることによりインクジェット記録ヘッド4の吐出口の吸引回復処理を行ったり、インクの乾燥等の低減させるものである。
【0044】
さらに、上述の吸引回復処理は、インクジェット記録ヘッド4の吐出口の目詰まり等の回復だけでなく、吸引量を変化させることにより、サブインクタンク9から吐出口までのインクを排出させることで、微細なごみや気泡等をサブインクタンク9と吐出口とを連通する不図示のインク流路内から除去することも可能である。このインク流路の回復処理は定期的に、またはインクジェット記録装置に備えられた不図示の制御機構や、ユーザが必要と判断した場合に強制的に行われるものであり、この吸引回復処理により良好な記録画像の形成を維持することが可能となる。
【0045】
上述のキャッピング及び吸引回復処理は、キャリッジ6が、主走査方向における吸引手段20及びキャップ部材19が設けられている側であるホームポジション側の領域に配置されたときに行われる。そして、これらキャッピング及び吸引回復処理は、周知のタイミング及びシーケンスを利用して任意の態様で、単独または複合的に実施される。
【0046】
次に、インクジェットヘッドカートリッジの概略を示す模式的な斜視図である図2、及び図2に示したインクジェットヘッドカートリッジのA−A断面図である図3を用いて、インクジェットヘッドカートリッジ33に関して説明する。
【0047】
図2に示すように、サブインクタンク9の背面37の下部に形成された補給口10aには、インクチューブ10が取り付けられており、上面36に形成された空気排出口5aには空気排出チューブ5が取り付けられている。
【0048】
本実施形態のサブインクタンク9は図3に示すように、インクを半生インクとして含浸保持可能なインク吸収体24を収容する第1の液室31と、仕切壁38と隔壁34との間に形成されることで下面35を壁面の一部として有さない連通部26と、連通部26を介して第1の液室31に連通している、生インクを貯留するインク貯溜部27と、インク貯溜部27に形成された開口41を介してインク貯溜部27に連通する、生インクを収容する第2の液室32と、下面35側に設けられた、インクを吐出するインクジェット記録ヘッド4とを有する。
【0049】
第1の液室31には、大気と連通する大気連通口23が形成されている。また、第1の液室31は、仕切壁38と隔壁34とにより、連通部26を除いてインク貯溜部27及び第2の液室32に対して実質的に仕切られているとともに、サブインクタンク9の上方、かつ、背面37側に配されている。第1の液室31がこのようなサブインクタンク9の上方、かつ、背面37側に配されていることで、第1の液室31に干渉しない位置の背面37の下方に補給口10aを形成することができる構成となっている。そして、この補給口10aにインクチューブ10が接続されることで、インクチューブ10は、プラテンローラ18及び被記録媒体12に干渉することなく、また、インクジェット記録装置の上方部分にインクチューブ10を引き回すための余分なスペースを確保することでインクジェット記録装置の大型化を来すこともなく、インクタンク2a、2b、2c、2dと連通させることができる。
【0050】
第2の液室32には、上述のように上面36に形成された空気排出口5aに空気排出チューブ5が接続されている。また、第2の液室32は、下面35に設けられた、気泡及びごみ等を除去するフィルタ8を介してインクジェット記録ヘッド4と連通している。
【0051】
インク貯溜部27は、側断面において、隔壁34と側部隔壁39と下方に連通部26の形成された仕切壁38とにより構成されており、内部に生インクが貯留可能な構成となっている。このため、第2の液室32内に形成されるインクの界面とインク貯溜部27内に形成されるインクの界面とを互いに独立な状態にすることができる。すなわち、第2の液室32のインクが消費されることによりインクの界面40が下がったとしても、インク貯溜部27内のインクの界面は下がらず、インク貯溜部27内に存在するインクが常に連通部26を満たしている状態を維持することが可能であり、これにより連通部26がサブインクタンク9内の空気に対して露出することはない。この連通部26はインク吸収体24と連通部26の開口径等により、所定のメニスカスによる負圧を発生するよう設定されている。
【0052】
また、サブインクタンク9内の第2の液室32の容積は、第1の液室31の容積に対して大容積が確保されている。このため、第1の液室31内でインク吸収体24に含浸保持されている半生インクに対して、第2の液室32に保持される生インクの量を多く確保することができる。
【0053】
インクジェット記録ヘッド4には、第2の液室32からのインクの供給路となるインク供給路25が形成されており、このインク供給路25を介してインクジェット記録ヘッド用チップ7にインクが供給される。このインクジェット記録ヘッド用チップ7は、インクを吐出させるためのエネルギー発生手段である不図示の電気熱変換体(ヒータ)と、樹脂材料よりなるノズル材(オリフィスプレート)により形成された不図示のノズルとを有しており、ヒータに電気エネルギを与えることでヒータを発熱させ、この発熱によりインクを発泡させて、この発泡エネルギを用いて、不図示の吐出口よりインクを吐出させるようになっている。
【0054】
次に、インクの消費時におけるサブインクタンク9内の負圧の安定化に関して説明する。
【0055】
インクが消費されていない初期のサブインクタンク9内は、第2の液室32及びインク貯留部27は生インクで満たされているとともに、第1の液室31内にもインク吸収体24により半生インクが保持されている。
【0056】
インクジェット記録ヘッド4からインクを吐出することにより記録を行うことで、第2の液室32内の生インクは消費される。上述したように、記録時には空気排出チューブ5は閉じているので、第2の液室32内の生インクが消費された分、第2の液室32内のインクの界面が下がることで第2の液室32内の負圧が上昇する。このとき、第2の液室32内のインクの界面が連通部26の位置よりも下方に下がったとしても、インク貯溜部27は連通部26の内部をインクで満たすインクを保持している。このようにインク貯溜部27を有することにより、連通部26は常にインク界面下に位置するため、連通部26内部には必ず所望のメニスカスを形成可能なだけのインクが存在する。
【0057】
そして、大気連通口23から導入されインク吸収体24を通ってきた空気、及びインクにより連通部26に形成されたメニスカスによる負圧と、第1の液室31内のインク吸収体24内でのメニスカスによる負圧とが発生する。ここで、これらのメニスカスによる負圧の設定値を第2の液室32内の負圧が超えると、大気連通口23から供給された空気がインク吸収体24内を通り、連通部26のメニスカスを破り、第2の液室32内に入り込み、第2の液室32内の負圧の上昇を抑制することで、第2の液室32内の負圧は所定の負圧以上にならないようになっている。
【0058】
このように本実施形態のサブインクタンク9は、インク貯溜部27を有することにより、連通部26は常にインク界面下に位置するため、連通部26内部には必ず所望のメニスカスを形成可能なだけのインクが存在する。これにより、第2の液室32内のインク界面が連通部26の形成された位置より下がったとしても、第2の液室32と大気を直接連通させる空気のパスは形成されず、連通部26で安定してメニスカスによる負圧を発生することが可能となるため、第2の液室32内に安定した負圧を発生させることができる。
【0059】
このように安定した負圧を発生させつつ記録を続け、第2の液室32内のインクを消費し続けると、第2の液室32内は空気で満たされてくる。サブインクタンク9内の生インクの量の検知は、インクの界面高さを検知する不図示の界面センサで行い、必要であれば以下に説明する方法により、サブインクタンク9内にインクを再充填する。なお、サブインクタンク9内のインク量の検知方法はセンサを用いるものに限ったものではなく、ドットカウント等の方法を用いても良い。
【0060】
つぎに、サブインクタンク9へのインクの再充填の手順に関して説明する。なお、ここでは、インクタンク2a、2b、2c、2dのうち、代表としてインクタンク2aを用いて説明する。
【0061】
まず、それぞれ、閉じた状態にあるインクチューブ10が接続されているバルブと空気排出チューブ5が接続されているバルブとを開く。インクチューブ10が接続されているバルブを開くことでサブインクタンク9とインクタンク2aとが連通し、空気排出チューブ5が接続されているバルブを開くことでサブインクタンク9の第2の液室32と外気とが連通する。
【0062】
次に、空気排出手段により空気排出チューブ5を介して第2の液室32内の空気を排出する。この時、第1の液室31の大気連通口23から第2の液室32内へと空気を引き込まないようにするため、大気連通口23は密閉しておく。また、インクジェット記録ヘッド4に形成された吐出口からも第2の液室32内へ空気を引き込まないよう、例えば、ゴムパッド等により吐出口を閉じる。なお、空気排出手段による空気の排出速度と、第2の液室32内の生インクの界面とインクタンク2a内のインクの界面との高さの差、すなわちインクの水頭により生じる負圧と、吐出口のメニスカスによる負圧とのバランスを調整すれば、吐出口を閉じなくてもサブインクタンク9内へのインク再充填は可能である。
【0063】
上述のようにして空気排出手段により第2の液室32内の空気を排出し、第2の液室32内の負圧を上昇させ、この負圧を用いてインクチューブ10を介してインクタンク2a内のインクを第2の液室32内に引き込む。
【0064】
第2の液室32内へのインクの充填量は、界面センサにより検出し、適量注入した時点で、空気排出手段による空気排出を停止し、さらに空気排出チューブ5とインクチューブ10を閉じ、大気連通口23を開放する。さらに、吐出口を閉じていた場合は、吐出口も解放する。
【0065】
以上のようにしてインクの再充填が行われることで、再び、本実施形態のインクジェット記録装置は記録可能な状態となる。
【0066】
なお、空気排出チューブ5のサブインクタンク9側付け根部に、透気性は有るが、インクを通さない膜を設けることで、第2の液室32内の空気を排出し続けても、この膜以上にはインクが上昇しないので、容易にサブインクタンク9内を満タン状態にすることも可能である。この膜は、例えば、ジャパンゴアテックス(株)社製、ゴアテックス(登録商標)のようなものを用いれば良い。
【0067】
また、サブインクタンク9に対してインクタンク2aを高い位置に配置するものであってもよい。このようにすれば、空気排出手段により第2の液室32内の空気を強制的に排出させなくとも、インクタンク2a内のインクの界面高さを第2の液室32内のインクの界面高さよりも高くすることで得られる水頭圧が利用でき、空気排出チューブ5を閉じていたバルブを開くことのみで、インクタンク2aから第2の液室32内へのインクの再充填を行うことができる。
【0068】
さらに、上述の再充填は、記録が一定時間行われなかった際に自動的に行うように設定された不図示の回路からの信号をもとに、記録が一定時間行われなかった際に行うようにするものであってもよい。
【0069】
以上説明したように、本実施形態のサブインクタンク9は、インク貯留部27に貯留したインクにより、連通部26が常にインクにより満たされた状態を保つことができるため、連通部26に常にメニスカスを形成することができ、安定した負圧を発生させることができる。このため、第1の液室31のレイアウトに関して第2の液室32内のインクの界面の影響を考慮しなくてよくなり、よって、サブインクタンク9内での第1の液室31のレイアウトの自由度が高くなり、容積効率の高いレイアウトを実現できる。これにより、生インクを収容する第2の液室32の容積を半生インクを収容する第1の液室31の容積に比べて大きくすることができ、限られたサブインクタンク9の容積内により多くのインクを収容できることとなる。よって、インクの再充填の回数を減らせるため、記録の高速化が図れる。
(第2の実施形態)
図4に、本実施形態のサブインクタンクのインク貯溜部の一部拡大側断面図を示す。
【0070】
インク貯溜部127の上面に、気体は透過するが、液体は透過しない膜128が設けられている。この膜128は、例えば、第1の実施形態で示したゴアテックスのようなものを用いれば良い。
【0071】
上述した以外は、第1の実施形態のサブインクタンク9の構成と基本的に同様であるため、詳細の説明は省略する。また、本実施形態のサブインクタンク109を用いたインクジェット記録装置も第1の実施形態で説明したインクジェット記録装置と同様であるため、説明は省略する。
【0072】
インク貯溜部127の上面に膜128が設けられていることで、例えば、インクジェット記録装置を搬送する際にインクジェット記録装置が逆さまになった時など、インク貯溜部128よりインクが第2の液室132内にこぼれ出てしまうことが防止される。このため、インクジェット記録装置が元の記録を行う姿勢に戻ったとき、インク貯溜部127内には連通部126をインクで満たすだけのインクが確保されているので、インクジェット記録装置の姿勢変化により、負圧発生の機能を損なうことはない。
【0073】
以上説明したように本実施形態のサブインクタンク109は、第1の実施形態と同様に、インク貯留部127に貯留したインクにより、連通部126に常にメニスカスを形成することができ、安定した負圧を発生させることができる。このため、容積効率の高いレイアウトを実現でき、これにより、生インクを収容する第2の液室132の容積を大きくすることができるので、限られたサブインクタンクの容積内により多くのインクを収容できることとなる。よって、インクの再充填の回数が減らせるため記録の高速化が図れる。
(第3の実施形態)
図5に、本実施形態のサブインクタンクのインク貯溜部の一部拡大側断面図を示す。
【0074】
インク貯溜部227の上面には、インク貯溜部227の内部に向かって延びたパイプ229を有する上蓋230が設けられている。パイプ229の内径に相当する上蓋230には開口が形成されている。
【0075】
上述した以外は、第1の実施形態のサブインクタンク9の構成と基本的に同様であるため、詳細の説明は省略する。また、本実施形態のサブインクタンク209を用いたインクジェット記録装置も第1の実施形態で説明したインクジェット記録装置と同様であるため、説明は省略する。
【0076】
パイプ229を有する上蓋230が設けられていることで、第2の液室232とインク貯溜部227との連通は、パイプ229のみとなり、よって、例えば、図6に示すように、サブインクタンク209が逆さまになった状態でも、インク貯溜部227内のインクは全て第2の液室232側にこぼれ出てしまうことはなく、パイプ229の端部231以下の高さに界面を形成してインク貯溜部227内に残留する。
【0077】
このため、本実施形態のサブインクタンク209も第2の実施形態のサブインクタンク109と同様に、元の記録を行う姿勢に戻ったとき、インク貯溜部227内には連通部226をインクで満たすだけのインクが確保されているので、インクジェット記録装置の姿勢変化により、負圧発生の機能を損なうことはない。
【0078】
なお、パイプ229の長さ及び径等は、逆さまにしたサブインクタンク209を正常な位置に戻した場合、連通部226にインクが存在する程度にインクをインク貯溜部227に残すようなものであればどのようなものであってもよい。
【0079】
以上説明したように本実施形態のサブインクタンク209は、第1及び第2の実施形態と同様に、インク貯留部227に貯留したインクにより、連通部226に常にメニスカスを形成することができ、安定した負圧を発生させることができる。このため、容積効率の高いレイアウトを実現でき、これにより、生インクを収容する第2の液室232の容積を大きくすることができるので、限られたサブインクタンクの容積内により多くのインクを収容できることとなる。よって、インクの再充填の回数を減らせるので記録の高速化が図れる。
(第4の実施形態)
図7に、本実施形態のサブインクタンクのインク貯溜部の一部拡大側断面図を示す。
【0080】
インク貯溜部327内には、インクに沈む程度の比重の玉331が収納されており、インク貯溜部327の上面には、玉331が通過不可能な、最小径が玉331の直径よりも小さい径の孔329が形成された上蓋330が設けられている。第2の液室332とインク貯溜部327とはこの孔329を介して連通している。
【0081】
上述した以外は、第1の実施形態のサブインクタンク9の構成と基本的に同様であるため、詳細の説明は省略する。また、本実施形態のサブインクタンク309を用いたインクジェット記録装置も第1の実施形態で説明したインクジェット記録装置と同様であるため、説明は省略する。
【0082】
玉331は、サブインクタンク309が図7に示すような記録を行う通常の姿勢である場合、インク貯溜部327の底に沈んでいる。また、玉331は、連通部326の気液交換を阻害しない大きさ、形状であればどのようなものであっても良い。
【0083】
このような構成のサブインクタンク309が図8に示すように逆さまの状態になった場合、玉331は重力により孔329が形成された上蓋330方へと沈み、孔329に嵌まり込むことで、孔329を塞ぎ、孔329からインク貯留部326のインクが全て第2の液室332側へとこぼれ出してしまうことを防止する。
【0084】
このため、本実施形態のサブインクタンク309も第2及び第3の実施形態のサブインクタンクと同様に、インクジェット記録装置の姿勢変化により、負圧発生の機能を損なうことはない。
【0085】
なお、本実施形態では、玉331が孔329を塞ぐ構成としたが、これに限定されることなく、重力を利用して孔329を塞ぐ構成であればいかなる構成であってもよい。例えば、ばねに、孔329を塞ぐことができる形状の重りを付けた構成としてもよい。この場合、サブインクタンク309が通常の姿勢では、重りの自重とばねの反力とがつりあう位置で垂れ下がり保持されることで孔329は解放状態となり、一方、サブインクタンク309が逆さまとなった場合、重りが孔329を塞ぐとともに、ばねの付勢力により重りが浮くことで孔329が解放状態となるのを防ぎ、より確実にインク貯留部327内のインクを確保することができる。
【0086】
以上説明したように本実施形態のサブインクタンク209は、第1ないし第3の実施形態と同様に、インク貯留部327に貯留したインクにより、連通部326に常にメニスカスを形成することができ、安定した負圧を発生させることができる。このため、容積効率の高いレイアウトを実現でき、これにより、生インクを収容する第2の液室332の容積を大きくすることができるので、限られたサブインクタンクの容積内により多くのインクを収容できることとなる。よって、インクの再充填の回数を減らせるので記録の高速化が図れる。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、連通部は、貯留したインクの界面が、第2の液室内のインクの界面と独立したインクの界面を形成可能であるインク貯留部のインクにより満たされた状態であるため、常に、メニスカスを形成することが可能であり、よって、安定した負圧を発生させることができる。
【0088】
また、第1の液室のレイアウトに関して、第2の液室内のインクの界面の影響を考慮しなくてよくなることで、サブインクタンク内での第1の液室のレイアウトの自由度が高くなり、生インクを収容する第2の液室の容積を、半生インクを収容する第1の液室の容積に比べて大きくすることができる。したがって、インクの再充填の回数を減らせるので記録の高速化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の概略斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のインクジェットヘッドカートリッジの模式的な斜視図である。
【図3】図2に示したインクジェットヘッドカートリッジのA−A線での断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態のサブインクタンクのインク貯溜部の一部拡大側断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態のサブインクタンクのインク貯溜部の一部拡大側断面図である。
【図6】図5に示したサブインクタンクが逆さまの状態となったときのインク貯溜部の一部拡大側断面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態のサブインクタンクのインク貯溜部の一部拡大側断面図である。
【図8】図7に示したサブインクタンクが逆さまの状態となったときのインク貯溜部の一部拡大側断面図である。
【図9】サブインクタンクの容積効率を高めたインクジェットヘッドカートリッジの一例の側断面図である。
【図10】インクジェット記録装置の各部レイアウトの一例を示す模式図である。
【図11】サブインクタンクの容積効率を高めたインクジェットヘッドカートリッジの別の一例の側断面図である。
【符号の説明】
1 筐体
2a、2b、2c、2d インクタンク
3 差込部
4 インクジェット記録ヘッド
5 空気排出チューブ
5a 空気排出口
6 キャリッジ
7 インクジェット記録ヘッド用チップ
8 フィルタ
9、109、209、309 サブインクタンク
10 インクチューブ
10a 補給口
11 リードスクリュー
12 被記録媒体
13 ガイドレール
14、15、21、22 ギヤ
16 駆動モータ
17 螺旋溝
18 プラテンローラ
19 キャップ部材
20 吸引手段
23 大気連通口
24 インク吸収体
25 インク供給路
26、126、226、326 連通部
27、127、227、327 インク貯溜部
31 第1の液室
32、132、232、332 第2の液室
33 インクジェットヘッドカートリッジ
34 隔壁
35 下面
36 上面
37 背面
38 仕切壁
39 側部隔壁
40 インク界面
41 開口
128 膜
229 パイプ
230、330 上蓋
329 孔
331 玉

Claims (7)

  1. インクの再充填が可能なサブインクタンクであって、
    大気と連通する大気連通口が形成され、インク吸収体を収容する第1の液室と、
    外部にインクを供給するためのインク供給部と、
    インク供給部に供給されるインクを収容するための第2の液室と、
    第2の液室内のインクの界面と独立したインクの界面を形成可能なようにインクを貯留するためのインク貯留部と、
    該インク貯留部と前記第1の液室とを連通し、前記インク貯留部に貯留されたインクにより内部が満たされるように配置され連通部と備え、
    前記インク貯留部の、前記第2の液室と連通する開口に、空気は透過するがインクは透過しない膜が設けられていることを特徴とするサブインクタンク。
  2. 前記第2の液室に、インク再充填するための補給口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のサブインクタンク。
  3. 前記第2の液室第2の液室内の空気を排出するための空気排出口が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のサブインクタンク。
  4. 前記空気排出口に、空気は透過するがインク通過ない膜が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のサブインクタンク。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項に記載されたサブインクタンクと、
    該サブインクタンクから供給されたインク吐出するための記録ヘッドと、
    を備えたことを特徴とするインクジェットヘッドカートリッジ。
  6. 請求項5に記載されたインクジェットヘッドカートリッジを搭載して往復走査するためのキャリッジと、
    前記キャリッジの走査方向と交差する方向に被記録媒体を搬送するための搬送手段と、
    を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 前記サブインクタンクに充填するためのインクを収容するメインインクタンク着脱可能に搭載されていることを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録装置。
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