以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、本発明を、ユーザが個人的に撮影したり録音したりした電子情報(以下、コンテンツという。)の著作権を保護するため、コンテンツに著作権情報を付与して記録することが可能な情報処理装置、及び著作権情報が付与されたコンテンツの著作権者を判定するための著作権者判定システムに適用したものである。
なお、ここでは、コンテンツ自体に固有の識別情報を著作権情報として使用するものとするが、その他、コンテンツの管理等の他の目的で識別するために使用するものとしてもよい。
本実施の形態における情報処理装置は、ユニーク(Unique)な識別情報(以下、UIDという。)を有する記録媒体(以下、ディスクという。)として次世代D2を使用し、この次世代MD2に対し、ユーザの著作物であるコンテンツを記録可能な記録装置として説明する。次世代MD2のUIDは、ディスク製造時に記録される情報であって、ディスク1枚1枚を特定するための固有の情報であり、ユニークな識別情報である。このUIDは、本実施の形態において説明するような、光磁気ディスクの著作権保護の他、データ改竄防止等のためにも使用することができる。ここでは先ず、本実施の形態における著作権者判定システムの全体構成について説明し、次に、UIDを有する次世代MD2について詳細に説明する。
また、ここでは、UIDを有するメディアとして次世代MD2を例にとって説明するが、UIDを有するメディアは次世代MD2に限らず、例えばUIDを有するMD、例えばUMD又はHiMD1.5とも言われる記録媒体や、MO等の他のメディア等にも適用することができる。また、特別にUIDを有するメディアに限らず、例えば製造番号等のメディアに固有の情報を用いて同様のサービスを提供するも可能である。
(1)コンテンツ識別システム
図1は、本実施の形態における著作権者判定システムを模式的に示すブロック図である。本実施の形態における著作権者判定システムは、例えば、ユーザが許可していないようなところでユーザの著作物と思われるようなコンテンツを発見した場合等において、そのコンテンツが、権利主張するユーザの著作物であるか否かの判定を行う著作権者判定システムである。
上述したように、ユーザ個人の著作物、例えば写真又は映像等のビデオデータ、音声又は演奏した音楽等の録音データ等のコンテンツを、例えばHPに公開はしても他のユーザが無断でコピーしたり、流用したりされることを望まない場合がある。そのような場合に、本システムにおいて著作権を証明すれば、無断で流用している他のユーザに対してそれを止めるよう主張することができる。
このため、図1に示すように、著作権者判定システム101は、ユーザが少なくとも使用する権利を有するものであって、当該ユーザの著作物であるコンテンツを記録する情報処理装置としての記録装置102と、著作権者の判定を行う対象となる対象コンテンツが入力され、この対象コンテンツの著作権が権利を主張するユーザの著作物であるか否かの判定を行うコンテンツ識別装置としての著作権者判定装置103とを有する。
記録装置102は、固有の装置識別情報である装置UIDが記憶された記憶部111と、ユーザの著作物であるコンテンツに対し、媒体に固有の識別情報であるUID(以下、ディスクUIDという。)を有する次世代MD2等のディスク112からディスクUIDと、装置UIDとに基づく付加情報をユーザの著作権情報として埋め込むウォータマークエンコーダ113と、著作権情報が付加されたコンテンツを記録する記録部114とを有する。
ここでは、ユーザの著作物であるコンテンツとして、撮像装置115等により撮像された画像データを例にとって説明する。撮像装置115と記録装置102とは、例えばUSB(Universal Serial Bus:登録商標)ケーブル等の伝送路で接続されることで、記録装置102が撮像装置115の外部ストレージ機器として機能する。又は、記録装置102に撮像手段としても設けたものであってもよい。
この撮像装置115にてユーザが映した画像がコンテンツとしてウォータマークエンコーダ113に入力される。ウォータマークエンコーダ113は、このコンテンツに対し、装置UID及びディスクUIDを使用して公知の方法にて著作権情報としての付加情報をウォータマークとして挿入するものである。
このように、画像、音声、テキストデータ等に、著作権情報としての別のデータ(付加情報)を埋め込む技術は、データハイディング、電子透かし等とも称される。埋め込まれるウォータマークは、本実施の形態においては、ユーザの著作物であることを保証するための著作権情報であるため、ものとデータに対するフィルタリングやデータ圧縮等の処理により劣化が生じないよう、例えばデータの埋め込み方を変えたり、繰り返し埋め込む等の工夫が必要である。
ウォータマークを埋め込む方法としては、信号の下位ビットや圧縮時の高次係数に付加情報を挿入する方法、マスキング効果を利用してコンテンツに影響が生じないように付加情報を挿入する方法、スペクトラム拡散を用いて付加情報のスペクトラムを分散させてコンテンツのデータに重畳する方法、所定範囲の第1のピーク若しくは第2のピーク又はその近傍に挿入する方法等が知られている。
このウォータマークは、再生側で認証され除去されるものであってもよいが、ウォータマークが埋め込まれたまま、再生・復号しても視聴覚上問題のないようにコンテンツに挿入することで、再生側で除去しなくてもよいものが好ましい。更に、データのどの部分を再生しても検出可能となるようにオリジナルのコンテンツデータに繰り返し挿入されていてもよい。
ここで、本実施の形態においては、ウォータマークとして付与する著作権情報を、装置UIDとメディアUIDとから生成する。例えば、装置UIDを第1のウォータマークとして挿入したコンテンツデータに対し、ディスクUIDを第2のウォータマークとして挿入する。又は装置UID及びディスクUIDのうちいずれか一方の暗号鍵とし、いずれか他方を暗号化したものをウォータマークとして付与する付加情報としてもよい。
装置UIDは、装置に固有の識別情報であって、所定の記憶部111に記憶されているものとし、コンテンツが供給されると、図示せぬ制御部により、ウォータマークエンコーダ113がこれを読み出すよう制御される。この装置UIDは、例えば製造番号や、製造番号にメーカコード及び/又は記録再生装置のカテゴリーコード等を合わせたものとすることができる。
また、ディスクUIDは、後述するUMD3又はHiMD3とも言われる次世代MD2の場合は、リードインエリアの更に内周側のミラー領域BCAにバーコード状に記録されたものである。また、UMD1又はHiMD1とも言われる次世代MD1の場合は、記録再生装置側にてフォーマット時に17PP信号にて、DDT(Disc description table)にDisc IDとして多数のディスクからある一枚を一意に特定するための識別番号が、乱数記録されるようになっている。上記制御部は、コンテンツが供給されると、ミラー領域やDDT等のUID記憶部117からディスクUIDを読み出すよう制御する。
ウォータマークエンコーダ113は、これら装置UID及びディスクUIDを使用してウォータマークとして挿入する付加情報を生成し、これをコンテンツに埋め込む処理を行う。又は、装置UID及びディスクUIDをそのままウォータマークとして埋め込んでもよい。
ウォータマークの具体的な挿入方法としては、上述の特許文献1及び特許文献2に記載の方法の他、例えば、画像に対する著作権保護のためのウォータマーク挿入に関しては、ウェーブレット変換領域のうちのDC成分領域にウォータマークを挿入し、この際ウォータマーク挿入領域に定められたDC成分領域内の画像の高周波依存度を計算して高周波依存度の高い画素順にウォータマークを挿入する方法がある(特開平15−169207号公報)。これにより、圧縮のような外部攻撃にも挿入されたウォータマークが堅固性を維持することができ、DC成分領域内のウォータマーク挿入による画質劣化を最小化することができる。
又は、データの下位ビットに、著作権情報としてのウォータマークのデータを挿入する方法がある(特開平14−057997号公報)。この際、コンテンツにウォータマークを挿入したことによる影響が出ないように、ノイズ成分を聴感上問題のない所に入れるようになされている。
図2は、ウォータマークエンコーダの一例を示すブロック図である。入力端子121にコンテンツデータが供給される。入力端子122に、著作権情報を示す付加情報としてウォータマークのデータが供給される。ウォータマークのデータは、後述するウォータマークデコーダにてウォータマークのデータを取り出しし、この抽出したウォータマークのデータから装置UID及びメディアUIDに復元できるような形であればどのようなデータであってもよい。
入力端子122からのウォータマークのデータは、ランダマイザ123に供給される。ランダマイザ123で、ウォータマークのデータが白色ノイズ化される。ランダマイザ123の出力が減算回路124aに供給されると共に、加算回路124bに供給される。
入力端子121からのコンテンツデータは、減算回路124cに供給される。減算回路126cの出力が減算回路124aに供給されると共に、減算回路124dに供給される。減算回路124aの出力が量子化回路125に供給される。量子化回路125の出力が加算回路125に供給される。
加算回路124bで、量子化回路125の出力と、ランダマイザ123の出力とが加算される。加算回路124bの出力が出力端子126から出力されると共に、減算回路124dに供給される。減算回路124dで、加算回路124bの出力から加算回路124cの出力が減算される。
減算回路124dの出力がノイズシェープフィルタ127に供給される。ノイズシェープフィルタ127の出力が減算回路124cに供給される。減算回路124cで、入力端子121からのデータから、ノイズシェープフィルタ127の出力が減算される。
このように構成されたウォータマークエンコーダ113は、データの下位ビットにウォータマークのデータを挿入するものである。そして、コンテンツのデータにウォータマークのデータを挿入したことによる影響が出ないように、ノイズ成分を聴感上問題のない所に入れるようにしている。
つまり、図2において、入力端子121からのデータは、減算回路124c、124aを経て量子化回路125で量子化され、加算回路124bに出力される。加算回路124bでは、量子化回路125から出力されるデータの下位ビットに、ランダマイザ123からのウォータマークのデータが挿入される。
また、量子化回路125の前段に設けられた減算回路124aにより、入力端子121からのコンテンツデータから、ウォータマークのデータが減じられる。これにより、量子化回路125の後段の加算回路124bで、コンテンツデータに対してウォータマークのデータが挿入されることの影響が除かれる。
そして減算回路124dにおいて、加算回路124bにてコンテンツデータにウォータマークのデータが挿入されたデータから、減算回路124cの出力データが減算される。この減算回路124dにより、量子化回路125からの出力データから、ウォータマークのデータが減算される前のデータが減算されることになり、量子化に伴うノイズ成分が取り出される。このノイズ成分は、ノイズシェープフィルタ127により聴感上問題のない所に移され、減算回路124cに供給され、入力端子121から入力されるコンテンツデータから減算される。
なお、ウォータマークとしては、ウォータマークの情報をスペクトラム拡散し、コンテンツのデータに重畳するようなものや、信号のピーク値を検出し、コンテンツのデータに影響を与えないように、ピーク値にウォータマークを挿入するものや、コンテンツの下位ビットにウォータマークの情報を挿入するものや、圧縮時の高次係数にウォータマークの情報を挿入するもの等、どのようなウォータマークを用いてもよい。
図1に戻って、記録部114は、ウォータマークエンコーダ113にてウォータマークが挿入されたコンテンツをディスク112の記録領域116に記録する。なお、記録装置102の詳細な説明は後述する。
また、記録装置102は、USBケーブル等により通信制御装置106と接続することができ、この通信制御装置106からネットワーク107を介して他のユーザに送信したり、自身のHPに掲載したりすることができる。
また、ウォータマークをデコードするデコード装置としての著作権判定装置103は、例えば裁判所、著作権認証団体等に設置されたり、又は個人が所有するPC等である。この著作権判定装置により、ユーザは、あるコンテンツの著作権者がユーザ自身であることを証明させることができる。例えば、通常のPCを著作権判定装置とする場合は、デコード用のプログラムを無料又は有料にて配布すればよい。
この著作権判定装置103は、著作権を判定する対象となる対象コンテンツが入力され、この対象コンテンツに埋め込まれた著作権情報としての付加情報から装置UID及びメディアUIDを抽出するウォータマークデコーダ131と、著作権を主張するユーザが、少なくとも使用する権利を有する次世代MD2等のディスク133のUID記録部134からディスクUIDを読み出し、著作権を主張するユーザが、少なくとも使用する権利を有する記録装置135の記憶部136から装置UIDを読み出し、該主張者が上記対象コンテンツの著作権者であるか否かを判定する著作権者判定部132とを有する。
図3は、図2に示すウォータマークエンコーダにより挿入されたウォータマークの情報をデコードするウォータマークのデコーダの一例を示すブロック図である。図3に示すように、入力端子141に、著作権者判定の対象となる対象コンテンツデータが供給され、これが量子化回路142に供給される。量子化回路142の出力は、出力端子143から出力されると共に、下位ビット抜き出し回路144に供給される。
下位ビット抜き出し回路144により、対象コンテンツデータの下位ビットに挿入されているウォータマークのデータが取り出される。このウォータマークのデータは、逆ランダマイザ145に供給される。逆ランダマイザ145は、図2に示すウォータマークエンコーダにおけるランダマイザ123と対応する処理を行うものである。即ち、逆ランダマイサ145により、ランダム化されていたウォータマークのデータが元の状態に戻され、ウォータマークのデータが得られる。これは出力端子146から著作権判定部132に出力される。
図1に戻って、著作権者判定部132は、ウォータマークのデータから装置UID及びディスクUIDを抽出する。そして、取り出したディスクUID及び装置UIDと、上記主張者のディスク133及びこれにデータを記録する記録装置135の夫々ディスクUID及び装置UIDとが一致するか否かを判定する。
ここで、例えば、上述したように、ウォータマークのデータが、例えば、ディスクUIDを鍵として装置UIDが暗号化又は加工されたものである場合、ディスク133から読み出したディスクUIDを使用してウォータマークのデータを復号する処理をし、得られた結果と、記録装置135から読み出した装置UIDとを比較する等すればよい。
そして、対象コンテンツから取り出した著作権情報としての装置UID及びディスクUIDと、権利主張者が使用許可を有するディスク133及び記録装置135から読み出した装置UID及びディスクUIDとが一致すれば、対象コンテンツは、権利主張者の著作物と証明されることになる。著作権者判定部132は、この結果を出力する。
次に、本実施の形態における著作権者判定方法について説明する。図4及び図5は、記録装置及び著作権判定装置における処理方法を示すフローチャートである。
ここでは、ユーザが撮像装置(カメラ)により撮像した画像がコンテンツとして入力される場合について説明する。
図4に示すように、記録装置102には、先ず、カメラからの画像が入力される(ステップS1)。画像が入力されると、記録再生装置102のウォータマークエンコーダ13は、先ず装置UID及びメディアUIDを読み出し(ステップS2)、ウォータマークとするためにこれら装置UID及びメディアUIDを加工する。なお、上述したように、装置UIDとメディアUIDとを別々の方法にてコンテンツに挿入してもよく、そのような場合は、装置UID及びメディアUIDを個別に加工するか又はそのまま使用してもよい。
そして、加工するか又はそのままの装置UID及びメディアUIDを、上記画像データに挿入することにより、ウォータマークを付与する(ステップS3)。こうして、ウォータマークが著作権情報として付与された画像データを、記録部114がディスクの記録領域に記録する(ステップS4)。
このようにしてユーザ個人の著作物であるコンテンツに対し、ユーザの所有する記録装置及びディスクに個別の識別情報として、装置UID及びディスクUIDを、当該ユーザの著作物であることを示す著作権情報として付与しておくことで、例えばこのコンテンツをユーザ自身のHPに掲載する等した場合に、これがユーザの意図しないような使用のされ方、例えばコピーされてユーザの意図しない目的に使用されたような場合や、ユーザが許諾していない例えば図1に示す盗品サーバ105等に当該コンテンツが掲載されているような場合において、これを発見したユーザが自身の著作物であることを次の方法により判定し、証明することができる。
即ち、図5に示すように、著作権者判定装置としての著作権判定装置103において、先ず、著作権者を判定したいユーザ又は著作権管理団体等が対象コンテンツを用意する。著作権者判定サーバに著作権判定装置を設置するような場合は、対象コンテンツはネットワークを介して著作権者判定サーバに送られる。また、著作権管理団体等に置かれる場合には、記録媒体等から対象コンテンツを供給するようにしてもよい。また、上述のウォータマークデコーダ131及び著作権者判定部132の機能有する著作権者判定用のソフトを個人のPC等にインストールしてユーザ自身が著作権者判定を行うようにしてもよい。
こうしてユーザ等により用意された対象コンテンツを著作権判定装置103に入力する。著作権判定装置103のウォータマークデコーダ131は、入力された対象コンテンツからウォータマークを取り出す処理を行い(ステップS11)、著作権者判定部132に送る。
一方、著作権判定部132は、著作権を主張する権利主張者であるユーザが所有する等する記録装置135及びディスク133から、夫々装置UID及びディスクUIDを読み出す。なお、記録装置133及びディスク135は、著作権を主張するユーザが必ずしも所有するものでなく、例えば家族内等で共有している場合は、記録装置133及びディスク135を少なくとも使用する権利を有すればよいことは言うまでもない。
また、少なくとも装置UIDは、著作権判定装置とセキュアな関係が保てる場合にのみ出力できるようにしておくことができる。例えば、ディスクを紛失するより記録装置を紛失する危険性が低いことと、通常はディスクよりも記録装置の方が高価であり、記録装置の装置UIDの方が権利主張者にとっても大切になる場合があるからである。
更に、著作権判定装置103が例えば著作権管理団体が運営する著作権者判定サーバであるような場合、ユーザが例えば装置UID及びディスクUIDをPC等で読み出し、暗号化したりして著作権判定装置103に対して送信するようにしてもよい。
著作権判定部132は、ウォータマークデコーダ131からのウォータマークから装置UID及びディスクUIDを取り出し、権利を主張するユーザが所有する記録装置33及びディスク135からの装置UID及びディスクUIDとを比較し、一致するか否かを判定する。ここで、一致すると、対象コンテンツが、権利を主張するユーザの著作物である、即ち、ユーザが著作権者であることが証明される(ステップS14)。
例えば著作権管理団体に著作権判定装置103を設置するような場合は、著作権を証明する証明書等を発行してもよい。また、ユーザが自宅等の個人の機器で、当該ユーザの承諾を得ずに掲載されているコンテンツを発見してその著作権者判定を行い、自分の著作物であることを確認した場合は、例えばこれを掲載している掲載者に通知したりしてもよい。
一方、コンテンツから取り出した装置UID及びディスクUIDと、権利主張者からの装置UID及びディスクUIDとが一致しない場合には、コンテンツは、著作権を主張するユーザの著作物ではないものと判定される。ここで、例えばコンテンツから装置UID及びメディアUIDが取り出せない場合には、著作権判定が不可能である旨を通知するようにしてもよい。また、権利を主張するユーザが対象コンテンツを作成した際に使用したディスクを紛失する等して、装置UIDのみしか一致しなかった場合にも同様に著作権者であることを認めるようにしてもよい。
本実施の形態においては、ユーザがレコーダで録音したオーディオデータや、ビデオカメラ又はデジタルスチールカメラ等により撮影したビデオデータ等の個人の著作物であるコンテンツをディスクに記録する際に、コンテンツデータを記録するために使用している、ユーザが少なくとも使用する権利を有する記録装置の装置UID及びディスクのディスクUIDから生成した付加データを著作権情報として付与することにより、このコンテンツがユーザの意図しないところで使用されているような場合に、自身の著作物であることを、自身の記録装置及びディスクを用いて証明することができる。
即ち、少なくとも使用する権利を有する記録装置及びディスクから、装置UID及びディスクUIDを読み出し、コンテンツから装置UID及びディスクUIDを取り出し、両者を比較することで、コンテンツが自身の著作物であるか否かを判定することができる。
近時、各種情報処理機器及びネットワークの発達により、ユーザは手軽にディジタルデータをやり取りすることができ、また、個人のHP等において公開するような機会が増えている。一方、ディジタルデータが手軽に扱えるようになったことに比例してそのような個人の著作物であるデータが勝手に流用される危険性も大きい。例えば個人のHPにて公開はしたいが、勝手に流用されるのは意図しない場合等である。このような場合に、本実施の形態の記録装置にて予めコンテンツに著作権情報を付与しておけば、簡単に権利を証明することができて便利である。また、認証団体等に判定した結果の自分のコンテンツである旨を主張したり、相手に警告したりすることができる。
また、本実施の形態においては、著作権情報としての装置UID及びディスクUIDをウォータマークとして付与するようにしたので、例えば編集したり、解像度を変えたりした後にも、このウォータマークを抽出できるようにすることができる。
更に、後述するように、本実施の形態におけるディスクは、容量が極めて大きい次世代MD2であり、製造時に予めディスクに固有のUIDを有している。このように予めディスクに付されているUIDを使用するため、極めて簡単に著作権管理を行うことができる。
(2)次世代MD2
次に、上述の著作権者判定システム等としてのコンテンツ識別システムにおいて使用するUID付きのディスクの一具体例として、次世代MD2及びそのUIDについて詳細に説明する。なお、以下に説明する次世代MD2は、UMD3又はHiMD3とも言われ、従来のMDと互換性を持ちつつ高密度記録が可能な記録媒体であるが、上述したように、本実施の形態の著作権者判定システムに好適に使用される媒体自体を識別可能な固有の識別情報付き記録媒体としては、この次世代MD2に限らず、固有の識別情報が書換え不能に記録されたものであって、記録可能な領域を有するメディアであればよい。
次世代MD2は、直径を略64mmとなし、例えば楽音信号で74分以上の記録を可能となす記憶容量を備えたミニディスクMD(登録商標)と呼ばれる従来型の小径の光ディスク(以下、第1世代MDという。)とは異なり、外形、光学系は、第1世代MDと互換性を保ちながらも、トラックピッチを1.25μmに狭め、かつ例えばグルーブから磁壁移動検出(Domain Wall Displacement Detection:DWDD)によって記録マークを検出することにより、飛躍的に容量を増加させたものである。
なお、ミニディスクには、ピットによりデータが記録されている再生専用型と、光磁気記録(MO)方式によりデータが記録されており再生も可能な記録再生型の2種類があるが、以下の説明は、記録再生型の小径光ディスク(以下、光磁気ディスクという。)に関する。
第1世代MD(従来MD)は、トラックピッチ1.6μmでグルーブ記録、また記録データの変調方式として、EFM(8−14変換)変調方式が採用されている。この第1世代MDの物理フォーマットは、以下のように定められている。トラックピッチは、1.6μm、ビット長は、0.59μm/bitとなる。また、レーザ波長λは、λ=780nmであり、光学ヘッドの開口率は、NA=0.45としている。記録方式としては、グルーブ(ディスク盤面上の溝)をトラックとして記録再生に用いるグルーブ記録方式を採用している。また、アドレス方式は、ディスク盤面上にシングルスパイラルのグルーブを形成し、このグルーブの両側に対してアドレス情報としてのウォブル(Wobble)を形成したウォブルドグルーブを利用する方式を採っている。なお、本明細書では、ウォブリングにより記録される絶対アドレスをADIP(Address in Pregroove)ともいう。
更に第1世代MDは、誤り訂正方式として、ACIRC(Advanced Cross Interleave Reed-Solomon Code)を用いている。また、データインタリーブには、畳み込み型を採用している。これにより、データの冗長度は、46.3%となっている。
また、第1世代MDにおけるデータの検出方式は、ビットバイビット方式であって、ディスク駆動方式としては、CLV(Constant Linear Verocity)が採用されている。CLVの線速度は、1.2m/sである。
記録再生時の標準のデータレートは、133kB/s、記録容量は、164MB(MD−DATAでは、140MB)である。また、データの最小書換単位(クラスタ)は、32個のメインセクタと4個のリンクセクタによる36セクタで構成されている。
このような第1世代MDに対し、トラックピッチ及び記録レーザ光の記録波長或いは対物レンズのNA等を改善することにより記録容量を上げたものが次世代MD1及び本実施の形態における記録媒体としての次世代MD2である。
次世代MD1は、従来の媒体(ディスクやカートリッジ)はそのままに、変調方式や、論理構造などを変更してユーザエリア等を倍密度にし、記録容量を例えば300MBに増加したMDである。次世代MD1における記録媒体の物理的仕様は、第1世代MDと同一であり、トラックピッチは、1.6μm、レーザ波長λは、λ=780nmであり、光学ヘッドの開口率は、NA=0.45である。記録方式としては、グルーブ記録方式を採用している。また、アドレス方式は、ADIPを利用する。このように、ディスクドライブ装置における光学系の構成やADIPアドレス読出方式、サーボ処理は、第1世代MDと同様である。
この次世代MD1や、本実施の形態における次世代MD2は、複製が可能であり、かつ記録容量が増加されているので、ディスク間の不正コピーが行われるとその被害は甚大なものとなる。
そこで次世代MD1では、DDT(Disc description table)にDisc IDとして多数のディスクからある一枚を一意に特定するための識別番号が記録されるようになっている。これは、記録再生装置側にてフォーマット時に17PP信号にて乱数記録される。
これに対し、本実施の形態の記録媒体としての次世代MD2のように、記録容量を増加させようとする光磁気ディスクにおいては、上記ディスクIDのような識別番号を記録する領域をアドレスが割り振られた領域に設けると、記録容量の増加等の妨げとなり、また読み出しの機構、処理が複雑となってしまうことを防止するため、ミラー領域に放射状のユニークIDを製造時に記録する。
図6には、本発明における記録媒体の一具体例である次世代MD2(200)を示す模式図である。高密度化を図るためにプリピットを用いない。したがって、次世代MD2には、プリピットによるPTOC領域がない。また、次世代MD2には、レコーダブルエリアの内周のリードインエリアのさらに内周領域に、UIDを記録するUIDエリアが設けられている。このUIDエリアは、次世代MD2に適用されるDWDD方式とは異なる記録方式で記録されている。
この次世代MD2のUIDは、ユニークな識別情報である。このUIDは、ディスク製造時に記録される情報であって、ディスク1枚1枚を特定するための固有の情報であり、上述したように、光磁気ディスクの著作権保護のための情報、データ改竄チェックのための情報、あるいは他の非公開情報の基になる情報等として用いられる他、例えば懸賞サービス等、その他種々のサービス提供のためにも利用することができる。
UID記録エリアは、元々ミラー領域である。つまり、グルーブが形成されているわけでも、ピットが形成されているわけでもない。そのミラー領域にMO記録により例えば200μm×1μmの細長いマークを書き込んでいく。1周分に上記マークを書いたら特にトラッキングを掛けることなくPLLをかけて1周分書き込み用の光学ヘッドを送る。そして、隙間ができないように重ねてさらに200μmにて同じところに上記細長いマークを書いていく。これによって、バーコードのように放射状にUIDのマークが形成されるようになる。また、このUIDは、前述したように幅の広いマークを使って記録されているので、ノントラッキングにて再生が可能である。
このように、UIDをミラー領域に記録する次世代MD2は、例えば、磁壁移動検出方式(DWDD:Domain Wall Displacement Detection)等の高密度化記録技術を適用した記録媒体であって、上述した第1世代MD及び次世代MD1とは、物理フォーマットが異なっている。次世代MD2は、トラックピッチが1.25μm、ビット長が0.16μm/bitであり、線方向に高密度化されている。
また、第1世代MD及び次世代MD1との互換を採るため、光学系、読出方式、サーボ処理等は、従来の規格に準じて、レーザ波長λは、λ=780nm、光学ヘッドの開口率は、NA=0.45とする。記録方式は、グルーブ記録方式、アドレス方式は、ADIPを利用した方式とする。また、筐体外形も第1世代MD及び次世代MD1と同一規格とする。
但し、第1世代MD及び次世代MD1と同等の光学系を用いて、上述のように従来より狭いトラックピッチ及び線密度(ビット長)を読み取る際には、デトラックマージン、ランド及びグルーブからのクロストーク、ウォブルのクロストーク、フォーカス漏れ、CT信号等における制約条件を解消する必要がある。そのため、次世代MD2では、グルーブの溝深さ、傾斜、幅等を変更した点が特徴的である。具体的には、グルーブの溝深さを160nm〜180nm、傾斜を60°〜70°、幅を600nm〜800nmの範囲と定める。
また、次世代MD2は、記録データの変調方式として、高密度記録に適合したRLL(1−7)PP変調方式(RLL;Run Length Limited、PP:Parity preserve/Prohibit rmtr(repeated minimum transition runlength))を採用している。また、誤り訂正方式としては、より訂正能力の高いBIS(Burst Indicator Subcode)付きのRS−LDC(Reed Solomon−Long Distance Code)方式を用いている。データインタリーブは、ブロック完結型とする。これによりデータの冗長度は、20.50%になる。またデータの検出方式は、PR(1,−1)MLによるビタビ復号方式を用いる。また、データの最小書換単位であるクラスタは、16セクタ、64kBで構成されている。
更に、ディスク駆動方式には、ZCAV(Zone CAV)方式を用い、その線速度を、2.0m/sとする。ZCAV方式によれば、同じゾーン内では、CAV再生になるが、記録/再生装置にあっては、スピンドルモータを従来通りに制御してCLVによりディスクを回転駆動するのと同じように見える。
図7には、ZCAV方式によって駆動される次世代MD2のような光磁気ディスク200のゾーンzone化フォーマットを示す。この光磁気ディスク200にあっては、光磁気ディスクをゾーンZ0からゾーンZ27までの28ゾーンに分ける。ゾーン内における隣接トラック間ではウォブルの波数(位相)を一致させる。例えば、ゾーンZ1とゾーンZ2とを拡大して示す図8において、ゾーンZ1内では領域A1で囲っているようにウォブルの波数(位相)を一致させている。ゾーンZ2内でも領域A1で囲っているようにウォブルの波数(位相)を一致させている。図9には、領域A1及び領域A2内におけるウォブルを取り出して示す。波数は、一致している。これは、ADIPのキャリアの波数を同じにすることである。これにより平均的にインフェーズ(inphase)とアウトフェーズ(Outphase)を合わせることができる。なお、隣接するゾーンZ1とゾーンZ2との間では、領域A3で囲っているようにウォブルの波数(位相)は一致させなくてもよい。
上記ZCAV方式の採用により、記録再生時の標準データレートは、9.8MB/sとなる。次世代MD2では、DWDD方式及びZCAV駆動方式を採用することにより、総記録容量を1GBにできる。
このように、次世代MD2では、予め書換え不能に記録されたUIDを有するため、これを利用すれば、コンテンツに固有の識別情報を簡単に付加することができ、これを使用して上述の著作権者証明システム等を提供することができる。
(3)次世代MD2の記録再生装置
このような次世代MD2に対して情報信号を記録再生する記録再生装置について図10を用いて説明する。この記録再生装置は、次世代MD2の記録のためのRLL(1−7)PP変調・RS−LDCエンコードを実行する構成を備える。また、次世代MD2の再生にPR(1,−1)ML及びビタビ復号を用いたデータ検出に基づくRLL(1−7)復調・RS−LDCデコードを実行する構成を備える。
この記録再生装置は、装填された次世代MD2(200)をスピンドルモータ401によって前述したZCAV方式にて回転駆動する。記録再生時には、この次世代MD2(200)に対して、光学ヘッド402からレーザ光が照射される。
光学ヘッド402は、記録時に記録トラックをキュリー温度まで加熱するための高レベルのレーザ出力を行い、また再生時には、磁気カー効果により反射光からデータを検出するための比較的低レベルのレーザ出力を行う。このため、光学ヘッド402は、レーザ出力手段としてのレーザダイオード、偏光ビームスプリッタや対物レンズ等からなる光学系及び反射光を検出するためのディテクタを搭載している。光学ヘッド402に備えられる対物レンズとしては、例えば2軸機構によってディスク半径方向及びディスクに接離する方向に変位可能に保持されている。
次世代MD2を挟んで光学ヘッド402と対向する位置には、磁気ヘッド403が配置されている。磁気ヘッド403は、記録データによって変調された磁界を次世代MD2に印加する。また、図示しないが光学ヘッド402全体及び磁気ヘッド403をディスク半径方向に移動させるためのスレッドモータ及びスレッド機構が備えられている。
この記録再生装置では、光学ヘッド402、磁気ヘッド403による記録再生ヘッド系、スピンドルモータ401によるディスク回転駆動系のほかに、記録処理系、再生処理系、サーボ系等が設けられる。記録処理系としては、次世代MD2に対する記録時にRLL(1−7)PP変調、RS−LDCエンコードを行う部位が設けられる。
また、再生処理系としては、次世代MD2の再生時にRLL(1−7)PP変調に対応する復調(PR(1,−1)ML及びビタビ復号を用いたデータ検出に基づくRLL(1−7)復調)、RS−LDCデコードを行う部位とが設けられる。
光学ヘッド402の次世代MD2に対するレーザ照射によりその反射光として検出された情報(フォトディテクタによりレーザ反射光を検出して得られる光電流)は、RFアンプ404に供給される。RFアンプ404では、入力された検出情報に対して電流−電圧変換、増幅、マトリクス演算等を行い、再生情報としての再生RF信号、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、グルーブ情報(次世代MD2にトラックのウォブリングにより記録されているADIP情報)等を抽出する。
次世代MD2の再生時には、RFアンプで得られた再生RF信号は、A/D変換回路405、イコライザ406、PLL回路407、PRML回路408を介して、RLL(1−7)PP復調部409及びRS−LDCデコーダ410で信号処理される。再生RF信号は、RLL(1−7)PP復調部409において、PR(1,−1)ML及びビタビ復号を用いたデータ検出によりRLL(1−7)符号列としての再生データを得て、このRLL(1−7)符号列に対してRLL(1−7)復調処理が行われる。さらに、RS−LDCデコーダ410にて誤り訂正及びデインタリーブ処理される。そして、復調されたデータが次世代MD2からの再生データとしてデータバッファ415に出力される。
RFアンプ404から出力されるトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEは、サーボ回路411に供給され、グルーブ情報は、ADIPデコータ413に供給され、UIDを読み出したMO信号は、UIDデコーダ420に供給される。
ADIPデコータ413は、グルーブ情報に対してバンドパスフィルタにより帯域制限してウォブル成分を抽出した後、FM復調、バイフェーズ復調を行ってADIPアドレスを抽出する。抽出された、ディスク上の絶対アドレス情報であるADIPアドレスは、次世代MD2アドレスとされてシステムコントローラ414に供給される。
UIDデコーダ420は、後述するように、読み出したMO信号からUIDが検出され、システムコントローラ414に供給される。
システムコントローラ414では、ADIPアドレスに基づいて、所定の制御処理を実行する。またグルーブ情報は、スピンドルサーボ制御のためにサーボ回路411に戻される。
サーボ回路411は、例えばグルーブ情報に対して再生クロック(デコード時のPLL系クロック)との位相誤差を積分して得られる誤差信号に基づき、ZCAVサーボ制御のためのスピンドルエラー信号を生成する。
またサーボ回路411は、スピンドルエラー信号や、上記のようにRFアンプ404から供給されたトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、或いはシステムコントローラ414からのトラックジャンプ指令、アクセス指令等に基づいて各種サーボ制御信号(トラッキング制御信号、フォーカス制御信号、スレッド制御信号、スピンドル制御信号等)を生成し、モータドライバ412に対して出力する。すなわち、上記サーボエラー信号や指令に対して位相補償処理、ゲイン処理、目標値設定処理等の必要処理を行って各種サーボ制御信号を生成する。
モータドライバ412では、サーボ回路411から供給されたサーボ制御信号に基づいて所定のサーボドライブ信号を生成する。ここでのサーボドライブ信号としては、2軸機構を駆動する2軸ドライブ信号(フォーカス方向、トラッキング方向の2種)、スレッド機構を駆動するスレッドモータ駆動信号、スピンドルモータ401を駆動するスピンドルモータ駆動信号となる。このようなサーボドライブ信号により、次世代MD2に対するフォーカス制御、トラッキング制御、及びスピンドルモータ401に対するZCAV制御が行われる。
次世代MD2に対して記録動作が実行される際には、図示しないメモリ転送コントローラから高密度データ、或いはオーディオ処理部からの通常のATRAC圧縮データが供給される。
次世代MD2に対する記録時には、RS−LCDエンコーダ416及びRLL(1−7)PP変調部417が機能する。この場合、高密度データは、RS−LCDエンコーダ416でインタリーブ及びRS−LDC方式のエラー訂正コード付加が行われた後、RLL(1−7)PP変調部417にてRLL(1−7)変調される。
RLL(1−7)符号列に変調された記録データは、磁気ヘッドドライバ418に供給され、磁気ヘッド403が次世代MD2に対して変調データに基づいた磁界印加を行うことでデータが記録される。
レーザドライバ/APC419は、上記のような再生時及び記録時においてレーザダイオードにレーザ発光動作を実行させるが、いわゆるAPC(Automatic Lazer Power Control)動作も行う。具体的には、図示しないが、光学ヘッド402内には、レーザパワーモニタ用のディテクタが設けられており、このモニタ信号がレーザドライバ/APC419にフィードバックされるようになっている。レーザドライバ/APC419は、モニタ信号として得られた現在のレーザパワーを予め設定されているレーザパワーと比較して、その誤差分をレーザ駆動信号に反映させることによって、レーザダイオードから出力されるレーザパワーが設定値で安定化されるように制御している。ここで、レーザパワーは、システムコントローラ414によって、再生レーザパワー及び記録レーザパワーとしての値がレーザドライバ/APC419内部のレジスタにセットされる。
システムコントローラ414は、以上の各動作(レーザ駆動、アクセス、各種サーボ、データ書込、データ読出の各動作)が実行されるように各構成を制御する。
次に、ADIPデコーダ413について更に詳細に説明する。上述においては、次世代MD2の記録再生装置は、UIDデコーダ420を有するものとしたが、UIDの書き込みのパターンは、ADIPと同じようなフォーマット、即ちFM変調、バイフェーズ変調、3ビット訂正BCH符号(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem code)を用いることにより、記録再生装置では、ADIPアドレス用のデコーダ413を用いてUIDをデコードでき、UIDの再生専用回路を不要とすることもできる。
図11には、ADIPデコーダ413を示すブロック図である。上記ADFG(ADIPFM)が入力端子501を介してRFアンプ404から供給されると、FM復調部502内のFVコンバータ503は周波数を電圧信号に変換する。この電圧信号は、フィルタ504にてフィルタリングされたのち、コンパレータ505により2値化されてFMDTがフェーズコンパレータ506、シンク検出回路509及びバイフェーズデコーダ510に供給される。
そして、フェーズコンパレータ506からのFMDTのコンパレート出力は、ループフィルタ507、VCO508によって構成されるPLLにより同期クロックFMCKとされる。この同期クロックFMCKは、上記フェーズコンパレータ506、シンク検出部509及びバイフェーズデコーダ510に供給される。
シンク検出回路509は、上記同期クロックFMCKに従ってFMDTからシンクsyncを検出し、タイミング制御回路511に供給する。このタイミング制御回路511は、セクタパルスXADSYを生成してシステムコントローラ414に供給する。また、タイミング制御回路511は、ウィンドウ情報Windowをシンク検出回路509に供給する。
バイフェーズデコード回路510は、上記FMDTを上記同期クロックFMCKに基づいてバイフェーズデコードし、NRZデータをBCHデコーダ512及びCRCデコーダ513に供給する。この実施例の場合には、BCHデコーダ512とCRCデコーダ513とを並列に接続し、それぞれのデコーダからの出力を切換スイッチ514及び515を用いて切り換えることによりUIDのアドレスエラーADER、クラスタ位置番号、セクタ番号(回転情報として用いられる)を取り出している。また、UIDのデータもこれら切り換えスイッチ514及び515の切り換えを介してBCHデコーダ512、CRCデコーダ513から取り出される。
(4)UID
次に、図12は、次世代MD2のデータフォーマットを示す図である。最内周側はミラー領域(BCA:Burst Cutting Area)とされ、その外周側にウォブルADIPグルーブエリアが設けられる。そして、ミラー領域に、バーコード状のパターンが放射状に形成されることで、上記UIDが記録される。
また、ウォブルADIPグルーブエリアには、内周側からリードインエリア(Lead-in area)、データ記録領域となるデータレコーダブルエリア(Data Recodable area)、リードアウトエリア(Lead-out area)が設けられている。
リードインエリアには、P−TOPと呼ばれるプリフォーマットされた管理情報が記録される。また、データレコーダブルエリアには、パワーキャリブレーションエリア(Power calibration area:PCA)と、コントロールエリア(Control area)と、レコーダブルデータエリア(Recodable data area)と、リードアウトのパワーキャリブレーションエリアPCAとが設けられる。
なお、上述のUMD1.5は、同様に最内周にUIDが記録されたBCAを有する点は同様であるが、リードインエリアには、P−TOPの変わりにP−TOCが記録される。P−TOCはエンボスピットによるピットエリアであり、基本的なエリア位置などが管理される。
次に、UIDのフォーマットについて説明する。図13は、UIDのフォーマットを示す図である。図13に示すように、UIDは、1列目がシンクエリアとなっており、2列目がデータエリアとなっている。そして、シンクエリアには、各行1byteの同期信号が記録され、データエリアには、各行4byteのデータが記録され。データエリアにおいては、1行目は、プリアンブル(pre-amble)、次の4×n行(1≦n≦12)はインフォメーション領域、その次の4行がECC領域、最後の1行がポルトアンブルとなっている。なお、シンクエリアは、データエリアの最終行の更に次の行にも同期信号を有する。
図14(a)乃至(c)は、夫々UIDレコードブロックを示す図、UIDコードのフォーマットを示す図、及びUIDレコードブロックの配列順を模式的に示す図である。
図14(a)において、RBPの相対位置(Relative byte position)RBPは、図13に示すI0〜I16n−5に対応する。即ち、RBP0(I0)〜RBP1(I1)には、夫々1バイトでUIDコードが記録され、RBP2(I2)には、1バイトでバージョンナンバが記録され、RBP3(I3)には、1バイトでデータ長が記録され、RBP(I4)〜RBP4m+3(I4m+3)には、レコードデータが記録される。
UIDコードは、図14(b)に示すように、ディスク種別により設定される4ビットのディスクタイプID(Disc Type ID)とアプリケーション固有のUID(Application UID)とからなる。また、これらのレコードブロックRBは、図14(c)に示すように、例えばアプリケーションUIDの小さい順等、アプリケーションUID毎に並べられている。
図15は、図10に示すUIDデコーダ(UID検出回路)420の一例を示すブロック図である。図15に示すように、UIDデコーダ420は、RFアンプ404からのMO信号が入力されるハイパスフィルタ(1st order High pass filter)301及びこの出力が供給されるローパスフィルタ(1st order Low pass filter)302と、ローパスフィルタ302の出力信号のピーク位置及びボトム位置を検出する夫々時定数τ=1msのピークホールド回路303及び時定数τ=1msのボトムホールド回路304と、ピークホールド回路303及びボトムホールド回路304の出力に抵抗Rを加算する夫々抵抗305a及び305bと、ピークホールド回路303及びボトムホールド回路304の出力が抵抗加算された値と、ローパスフィルタ302からの出力信号とを比較するコンパレータ306とを有する。
即ち、UIDを読み出したMO信号は、ピークホールド回路303にて検出されたピーク位置と、ボトムホールド回路304にて検出されたボトム位置との差の1/2、即ちMO信号の振幅差の1/2を閾値とするコンパレータ306にて、ローパスフィルタ102の出力と比較されることにより2値化される。
また、このUIDデコーダ420におけるハイパスフィルタ301及びローパスフィルタ302の、いわゆるカットオフ周波数(ターンオーバ周波数)fc(−3dB)は、夫々1KHz及び5MHzとすることができる。
次に、このようなUIDの読み出し方法について説明する。図16は、上記UIDを読み出すときの上記記録再生装置のシステムコントローラ414にて行われる処理手順を示すフローチャートである。
先ず、ステップS31にて光学ピックアップ402をディスクの内周へ移動する。上記PDPTまではADIPアドレスが形成されているので、そこまではアドレスでアクセスできる。その後、光学ヘッド402をさらに内周に振ることで光学ヘッド402がUID記録領域に達する。ここでは、検出スイッチを設けてメカ的に光学ヘッド402の上記UID記録領域への到達を検出するようにしてもよい。
次に、ステップS32にてRFアンプ404からUIDデコーダ420に読み込まれるADFG信号をプッシュプルからRF信号に切り替える。ADFG信号は、ADIPのウォブル信号のコンパレータ出力である。ウォブルは、プッシュプル信号から検出されるが、UIDはそれがMOで書かれているので、UIDを読み込むときには上記ADFG信号をRF信号として検出してやればよい。
次に、ステップS33にてUIDデコーダ420によりBCH情報及びcodeを読み出し、メモリに貯め込む。そして、ステップS34にてすべてのBCHがOKで、EDCもOKであれば、そのまま読み終わって終了となる。このステップS34にて、もしエラーがあり、NOと判定されると、ステップS35に進んでステップS33にてメモリに貯め込まれたBCH情報のフラグを使ってイレージャ訂正を行う。
次に、ステップS36にてEDCが正常でありOKであればUIDを読み終わり、もしEDCが正常でなければステップS37に進んでピックアップを少しだけ移動させてリトライする。
(5)記録再生装置の他の例
次に、従来MD(第1世代)及び次世代MDのいずれにも対応可能な記録再生装置について説明する。ここで、次世代MD1、次世代MD2は、UMD又はHiMD1、3とも呼ばれるものである。また、次世代MD1、2と同様、MD方式に準拠して高密度化を進めた次世代MDとして、UMD1.5(以下、次世代MD1.5という。)と呼ばれるものもある。次世代MD1.5は、U−TOC及びP−TOCを有し、U−TOCに「UMD」等と記述され、また次世代MD2と同様ミラー領域BCAに「1.5」の記述がなされる。ここで、上述したように、本実施の形態における著作権者判定システムにおいて説明したUIDを有するメディアとして、この次世代MD1.5も好適に利用することができる。そして、以下に説明する記録再生装置においては、これら第1世代MD及び次世代MD全てに対応可能な記録生成装置となっている。
図17には、従来MD(第1世代MD)、次世代MD1及び次世代MD2を記録再生するための記録再生装置11の構成を示す。この記録再生装置11は、次世代MD1、1.5、2の種類を判別する。また、第1世代MDと、次世代MD2を判別する場合もある。
記録再生装置11は、第1世代MD、次世代MD1及び次世代MD2を記録再生するために、特に、記録処理系として、第1世代MDの記録のためのEFM変調・ACIRCエンコードを実行する構成と、次世代MD1及び次世代MD2の記録のためのRLL(1−7)PP変調・RS−LDCエンコードを実行する構成とを備える点が特徴的である。また、再生処理系として、第1世代MDの再生のためのEFM復調・ACIRCデコードを実行する構成と、次世代MD1及び次世代MD2の再生にPR(1,2,1)ML、PR(1,−1)ML及びビタビ復号を用いたデータ検出に基づくRLL(1−7)復調・RS−LDCデコードを実行する構成を備えている点が特徴的である。
記録再生装置11は、装填されたディスク90をスピンドルモータ21によってCLV方式又はZCAV方式にて回転駆動する。記録再生時には、このディスク90に対して、光学ヘッド22からレーザ光が照射される。
光学ヘッド22は、記録時に記録トラックをキュリー温度まで加熱するための高レベルのレーザ出力を行い、また再生時には、磁気カー効果により反射光からデータを検出するための比較的低レベルのレーザ出力を行う。このため、光学ヘッド22は、レーザ出力手段としてのレーザダイオード、偏光ビームスプリッタや対物レンズ等からなる光学系及び反射光を検出するためのディテクタが搭載されている。光学ヘッド22に備えられる対物レンズとしては、例えば2軸機構によってディスク半径方向及びディスクに接離する方向に変位可能に保持されている。この光学ヘッド22には、内蔵のディスク判別装置に受光信号A、受光信号Bを供給するフォトディテクタPDが備えられている。また、対物レンズ、或いは光学ヘッド22全体は、ディスク判別時には、進行方向を決める必要があるのである一定の速度で、内周から外周へ移動させられる。偏芯による移動量に打ち勝つ速度で上記受光信号A、Bを検出することができる。
また、本具体例では、媒体表面の物理的仕様が異なる第1世代MD及び次世代MD1と、次世代MD2とに対して最大限の再生特性を得るために、光学ヘッド22の読取光光路中に位相補償板を設ける。この位相補償板により、読取り時におけるビットエラーレートを最適化できる。
ディスク90を挟んで光学ヘッド22と対向する位置には、磁気ヘッド23が配置されている。磁気ヘッド23は、記録データによって変調された磁界をディスク90に印加する。また、図示しないが光学ヘッド22全体及び磁気ヘッド23をディスク半径方向に移動させるためのスレッドモータ及びスレッド機構が備えられている。このスレッドモータ及びスレッド機構は、内蔵のディスク判別装置がディスクを判別する時に、上記光学ヘッド22を内周から外周に移動する。
この記録再生装置11では、光学ヘッド22、磁気ヘッド23による記録再生ヘッド系、スピンドルモータ21によるディスク回転駆動系のほかに、記録処理系、再生処理系、サーボ系等が設けられる。記録処理系としては、第1世代MDに対する記録時にEFM変調、ACIRCエンコードを行う部位と、次世代MD1及び次世代MD2に対する記録時にRLL(1−7)PP変調、RS−LDCエンコードを行う部位とが設けられる。
また、再生処理系としては、第1世代MDの再生時にEFM変調に対応する復調及びACIRCデコードを行う部位と、次世代MD1及び次世代MD2の再生時にRLL(1−7)PP変調に対応する復調(PR(1,2,1)ML及びビタビ復号を用いたデータ検出に基づくRLL(1−7)復調)、RS−LDCデコードを行う部位とが設けられる。
光学ヘッド22のディスク90に対するレーザ照射によりその反射光として検出された情報(フォトディテクタによりレーザ反射光を検出して得られる光電流)は、RFアンプ24に供給される。RFアンプ24では、入力された検出情報に対して電流−電圧変換、増幅、マトリクス演算等を行い、再生情報としての再生RF信号、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、グルーブ情報(ディスク90にトラックのウォブリングにより記録されているADIP情報)等を抽出する。
このRFアンプ24には、ディスク判別装置を構成するトラッキングエラー信号演算器と、プルイン信号演算器と、コンパレータと、コンパレータとが内蔵されている。
第1世代MDの再生時には、RFアンプで得られた再生RF信号は、コンパレータ25、PLL回路26を介して、EFM復調部27及びACIRCデコーダ28で処理される。再生RF信号は、EFM復調部27で2値化されてEFM信号列とされた後、EFM復調され、さらにACIRCデコーダ28で誤り訂正及びデインタリーブ処理される。オーディオデータであれば、この時点でATRAC圧縮データの状態となる。このとき、セレクタ29は、第1世代MD信号側が選択されており、復調されたATRAC圧縮データがディスク90からの再生データとしてデータバッファ30に出力される。この場合、図示しないオーディオ処理部に圧縮データが供給される。
一方、次世代MD1又は次世代MD2の再生時には、RFアンプで得られた再生RF信号は、A/D変換回路31、イコライザ32、PLL回路33、PRML回路34を介して、RLL(1−7)PP復調部35及びRS−LDCデコーダ36で信号処理される。再生RF信号は、RLL(1−7)PP復調部35において、PR(1,2,1)ML及びビタビ復号を用いたデータ検出によりRLL(1−7)符号列としての再生データを得て、このRLL(1−7)符号列に対してRLL(1−7)復調処理が行われる。さらに、RS−LDCデコーダ36にて誤り訂正及びデインタリーブ処理される。
この場合、セレクタ29は、次世代MD1・次世代MD2側が選択され、復調されたデータがディスク90からの再生データとしてデータバッファ30に出力される。このとき、図示しないメモリ転送コントローラに対して復調データが供給される。
RFアンプ24から出力されるトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEは、サーボ回路37に供給され、グルーブ情報は、ADIPデコータ38に、次世代MD1.5及び次世代MD2であればUIDを読み出したMO信号がUIDデコーダ50に供給される。
ADIPデコータ(復調部)38は、グルーブ情報に対してバンドパスフィルタにより帯域制限してウォブル成分を抽出した後、FM復調、バイフェーズ復調を行ってADIPアドレスを抽出する。抽出された、ディスク上の絶対アドレス情報であるADIPアドレスは、第1世代MD及び次世代MD1の場合であれば、MDアドレスデコーダ39を介し、次世代MD2の場合であれば、次世代MD2アドレスデコーダ40を介してシステムコントローラ41に供給される。
UIDデコーダ50は、上述したように、MO信号をデコードしたUIDの情報をシステムコントローラ41に供給する。
システムコントローラ41では、各ADIPアドレスに基づいて、所定の制御処理を実行する。またグルーブ情報は、スピンドルサーボ制御のためにサーボ回路37に戻される。
また、システムコントローラ41には、ディスク判別装置を構成するDフリップフロップ判別回路の機能が備えられている。そして、システムコントローラ41は、このDフリップフロップ判別回路の判別結果に基づいて上記MDの種類を判別する。
サーボ回路37は、例えばグルーブ情報に対して再生クロック(デコード時のPLL系クロック)との位相誤差を積分して得られる誤差信号に基づき、CLVサーボ制御及び前述したZCAVサーボ制御のためのスピンドルエラー信号を生成する。
またサーボ回路37は、スピンドルエラー信号や、上記のようにRFアンプ24から供給されたトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、或いはシステムコントローラ41からのトラックジャンプ指令、アクセス指令等に基づいて各種サーボ制御信号(トラッキング制御信号、フォーカス制御信号、スレッド制御信号、スピンドル制御信号等)を生成し、モータドライバ42に対して出力する。すなわち、上記サーボエラー信号や指令に対して位相補償処理、ゲイン処理、目標値設定処理等の必要処理を行って各種サーボ制御信号を生成する。
モータドライバ42では、サーボ回路37から供給されたサーボ制御信号に基づいて所定のサーボドライブ信号を生成する。ここでのサーボドライブ信号としては、2軸機構を駆動する2軸ドライブ信号(フォーカス方向、トラッキング方向の2種)、スレッド機構を駆動するスレッドモータ駆動信号、スピンドルモータ21を駆動するスピンドルモータ駆動信号となる。このようなサーボドライブ信号により、ディスク90に対するフォーカス制御、トラッキング制御、及びスピンドルモータ21に対するCLV制御又はZCAV制御が行われる。
ディスク判別装置は、光磁気ディスクを判別する際に、サーボ回路37、モータドライバ42をシステムコントローラ41で制御し、光学ヘッド22の対物レンズによるレーザ光のフォーカスをオンさせる。また、トラッキングサーボはかけていない状態にする。また、スレッドサーボについては、光学ヘッド22を内周から外周にある速度にて移動させる。
ディスク90に対して記録動作が実行される際には、図示しないメモリ転送コントローラから高密度データ、或いはオーディオデータの処理を行うオーディオ処理部からの通常のATRAC圧縮データが供給される。
第1世代MDに対する記録時には、セレクタ43が第1世代MD側に接続され、ACIRCエンコーダ44及びEFM変調部45が機能する。この場合、オーディオ信号であれば、後述するオーディオ処理部19からの圧縮データは、ACIRCエンコーダ44でインタリーブ及びエラー訂正コード付加が行われた後、EFM変調部45においてEFM変調される。EFM変調データがセレクタ43を介して磁気ヘッドドライバ46に供給され、磁気ヘッド23がディスク90に対してEFM変調データに基づいた磁界印加を行うことで変調されたデータが記録される。
次世代MD1及び次世代MD2に対する記録時には、セレクタ43が次世代MD1・次世代MD2側に接続され、RS−LCDエンコーダ47及びRLL(1−7)PP変調部48が機能する。この場合、再生データや記録データの送受信を制御するメモリ転送コントローラから送られた高密度データは、RS−LCDエンコーダ47でインタリーブ及びRS−LDC方式のエラー訂正コード付加が行われた後、RLL(1−7)PP変調部48にてRLL(1−7)変調される。
RLL(1−7)符号列に変調された記録データは、セレクタ43を介して磁気ヘッドドライバ46に供給され、磁気ヘッド23がディスク90に対して変調データに基づいた磁界印加を行うことでデータが記録される。
レーザドライバ/APC49は、上記のような再生時及び記録時においてレーザダイオードにレーザ発光動作を実行させるが、いわゆるAPC(Automatic Lazer Power Control)動作も行う。具体的には、図示しないが、光学ヘッド22内には、レーザパワーモニタ用のディテクタが設けられており、このモニタ信号がレーザドライバ/APC49にフィードバックされるようになっている。レーザドライバ/APC49は、モニタ信号として得られた現在のレーザパワーを予め設定されているレーザパワーと比較して、その誤差分をレーザ駆動信号に反映させることによって、レーザダイオードから出力されるレーザパワーが設定値で安定化されるように制御している。ここで、レーザパワーは、システムコントローラ41によって、再生レーザパワー及び記録レーザパワーとしての値がレーザドライバ/APC49内部のレジスタにセットされる。
システムコントローラ41は、外部からの指示に基づいて、以上の各動作(アクセス、各種サーボ、データ書込、データ読出の各動作)が実行されるように各構成を制御する。なお、図17において一点鎖線で囲った各部は、1チップの回路として構成することもできる。
また、各ディスク種別の判別方法としては、ディスク反射率、グルーブ深さによる位相差、U−TOC内容、P−TOC内容、ADIPアドレス構造、BCAの各判別要素等、様々あるが、例えば以下に示す方法等がある。
第1世代MD及び次世代MD1は、いずれもリードインエリアとして内周側からP−TOC、U−TOPを有しており、P−TOCでは基本的なエリア位置などが管理され、データエリアに記録されるトラックはU−TOCによって管理される。ここで、第1世代MDには、U−TOCエリアに「MINI」等のアスキーコードが記録され、次世代MD1には、U−TOCエリアにUMD等の記録がなされるため、これによりディスクの判別を行うことができる。
また、上述の次世代MD1.5は、P−TOC及びU−TOCからなるリードインエリアの内周に、次世代MD2と同様ミラー領域BCAを有している。これらミラー領域BCAには、次世代MD1.5であるか次世代MD2であるかの情報が記録されており、これによりディスク種別を判別することができる。
また、次世代MD2は、次世代MD1.5と異なり、リードインエリアには、P−TOC及びU−TOCではなく、P−TOPと呼ばれる管理情報が記録される。従って、例えばU−TOCが存在するか否かで次世代MD1.5と次世代MD2とのディスク種別を判別することができる。
101 著作権者判定システム、102 記録装置、103 著作権者判定装置、111 記憶部、112,136 ディスク、113 ウォータマークエンコーダ、114 記録部、115 撮像装置、116 記録領域、117,134 UID記憶部、131 ウォータマークデコーダ、132 著作権者判定部、133 ディスク、135 記録装置、136 記憶部