<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
第1実施形態では、シグナリングプロトコルとして、GMPLS拡張RSVP−TEを用い、リンクステート型ルーティングプロトコルとして、GMPLS拡張OSPF−TEを用いた場合について説明するが、IS−IS("OSI IS-IS Intra-domain Routing Protocol", IETF RFC1142)やGMPLS CR−LDP(IETF RFC3472, "Generalized Multi-Protocol Label Switching (GMPLS) Signaling Constraint-based Routed Label Distribution Protocol (CR-LDP) Extensions")等の他のプロトコルであっても同様に、本実施形態を適用することができる。
図1は、本発明の第1実施形態のネットワークシステムのブロック図である。
第1実施形態のネットワークシステムは、確立しようとする通信路61とは異なるリンク上で、GMPLS拡張RSVP−TE及びGMPLS拡張OSPF−TEのメッセージが送受信されるGMPLSネットワークである。
第1実施形態の通信路管理システム1は、監視マネージャ装置11、監視エージェント装置A21及び監視エージェント装置B22によって構成される。監視エージェント装置の台数は任意であり、管理対象の通信ネットワーク2の規模やトポロジに応じて必要な台数が設けられる。
通信ネットワーク2は、通信路管理システム1によって管理されるネットワークである。
通信ネットワーク2は、一つ以上のGMPLSスイッチA31〜C33と、これらの間でユーザデータを伝送する一つ以上のリンク51〜52、同じく制御情報を転送する制御情報転送装置A〜Bから構成される。各GMPLSスイッチはユーザデータをやり取りするための、一つ以上のインタフェースを持つ。
GMPLSスイッチは、ルータ識別子によって、通信ネットワーク2の中で一意に識別される。例えば、図1においてGMPLSスイッチA31のルータ識別子は192.168.100.1 である。
インタフェースは、あるGMPLSスイッチ中では、インタフェース識別子によって識別される。通信ネットワーク2の中ではルータ識別子とインタフェース識別子の組により、一意に識別される。例えば、図1においてインタフェース31bのインタフェース識別子は1002であり、[192.168.100.1, 1002]という組により、通信ネットワーク2の中で一意に識別される。
リンクは、リンク識別子によって、通信ネットワーク2の中で一意に識別される。リンク識別子は、該リンクが接続するインタフェースの、ルータ識別子とインタフェース識別子の組である。例えば、図1においてリンク51は、[192.168.100.1, 1002]と[192.168.100.2, 1001]を接続しているため、そのリンク識別子は[192.168.100.1, 1002, 192.168.100.2, 1001]となる。
通信ネットワーク2は、GMPLSに準拠して制御され、ユーザデータは確立された通信路61上を伝送される。通信路61は、一つ以上のクロスコネクション及び、一つ以上の部分コネクションによって構成される。
部分コネクションは、本明細書において定義される用語であり、図1に示される通信路61の詳細図における611及び612である。すなわち、部分コネクションは、GMPLSスイッチ間の各リンク内の帯域資源であり、その端点は該リンクの両端の通信インタフェースである。例えば、GMPLSスイッチが波長スイッチである場合、部分コネクションは通信路間の波長毎に設けられる。部分コネクションは、あるリンク中においてはラベル値によって識別される。通信ネットワーク2の中ではリンク識別子とラベル値の組によって一意に識別される。例えば、図1において部分コネクション611は、リンク51中ではラベル値label=30001 により識別される。
クロスコネクションは、図1に示される通信路61の詳細図における615〜617である。すなわち、クロスコネクションは、あるGMPLSスイッチ上に端点を持つ2つの部分コネクション間の接続である。クロスコネクションは、流入インタフェースにおけるインタフェース識別子、流入インタフェースにおけるラベル値、流出インタフェースにおけるインタフェース識別子、及び、流出インタフェースにおけるラベル値の組によって、GMPLSスイッチ内で識別される。通信ネットワーク2の中では、これらとGMPLSスイッチのルータ識別子の組によって、一意に識別される。例えば、図1においてクロスコネクション616は、GMPLSスイッチB内では、[1001, 30001, 1002, 30012]により識別される。
通信路確立要求装置71は、操作端末、装置管理システム(Element Management System)のネットワーク管理システム、ストレージ管理サーバやビデオサーバ等のアプリケーシ
ョンシステム等であり、通信路61の確立を要求する。図1では1台のみ示しているが、確立する通信路の端点に応じて、任意の台数を設置する。
通信路確立要求装置71がGMPLSネットワーク2に対して通信路61の確立を要求するプロトコルとしては、telnet(IETF,
RFC854)等を用いたコマンドの投入、RSVP−TEやO−UNI(Optical Internetworking Forum, User Network Interface (UNI) 1.0 Signaling Specification)等のシグナリングプロトコル、HTTP(IETF RFC1945)やSIP(IETF RFC2543)、RTSP(IETF RFC2326)等のアプリケーションプロトコル、SOAP(World Wide Web Consortium, SOAP Version 1.2)やIIOP(Object Management Group, CORBA(TM)/IIOP(TM) Specification)等のリモートプロシージャコールプロトコル等を使用可能である。
通信路確立要求装置71が通信路61の確立を要求すると、GMPLSスイッチA31、GMPLSスイッチB32及びGMPLSスイッチC33が、シグナリングプロトコル(例えば、GMPLS拡張RSVP−TE)によるメッセージを互いに送受信することによって、各スイッチ内のクロスコネクション615〜617を生成する。そして、各スイッチ間の部分コネクション611〜612間を接続することによって、通信路61が確立される。
GMPLSスイッチA31、GMPLSスイッチB32及びGMPLSスイッチC33は、ルーティングプロトコルの一つであるGMPLS拡張OSPF−TEのメッセージを送受信することによって、ネットワークのトポロジを入手することができる。GMPLS拡張OSPF−TEのメッセージは、制御情報転送装置A41及び制御情報転送装置B42を介してやり取りされる。
また、GMPLSスイッチA31、GMPLSスイッチB32及びGMPLSスイッチC33は、GMPLSスイッチ間のインタフェースの稼動状況等の属性値を、SNMP(Simple Network Management Protocol, IETF RFC3416)等のプロトコルとMIB-II(Management Information Base for Network Management of TCP/IP-based internets: MIB-II, IETF RFC1158)等の管理情報形式により、監視マネージャ装置11に送信する。尚、MIB-IIは非特許文献1とは異なり、殆どのネットワーク機器が実装しており、またその実装の差異も少ない。従って、MIB-IIを用いることは、本発明が解決しようとする課題であるところの、「GMPLSスイッチやMPLSルータの実装形態(機種)に依存しない情報を用いて通信路を管理する」こととは矛盾しない。
GMPLSでは、ユーザデータとシグナリングプロトコルとは、同じ経路上で転送される必要はない。本実施形態では、ユーザデータはGMPLSスイッチA31、B32及びC33(通信インタフェース31a、31b、32a、32b、33a、33b)を経由して転送されるのに対し、GMPLS拡張RSVP−TEやGMPLS拡張OSPF−TEのメッセージは、制御情報転送装置A41及び/又は制御情報転送装置B42を経由して転送される。
通信インタフェースには、同一GMPLSスイッチ内で一意なI/F識別子が割り当てられている。本実施形態中では、31a、31b、32a、32b、33a、33bのインタフェース識別子が、各々1001、1002、1001、1002、1001、1002であると仮定して説明する。
また、GMPLS拡張RSVP−TEやGMPLS拡張OSPF−TEのメッセージは、Generic Routing Encapsulation(IETF
RFC2784)等のトンネリングプロトコルによりカプセル化されていてもよい。
制御情報転送装置A41及び制御情報転送装置B42は、IP(Internet Protocol)ルータやIEEE 802.3D MACブリッジ等の、パケット転送機能を持つ装置である。また、転送されるGMPLS拡張RSVP−TEやGMPLS拡張OSPF−TEのメッセージを複写し、監視エージェント装置A21又は監視エージェント装置B22に転送する。この複写機能の実現手段としては、例えば、或るVLANや通信インタフェースを通過する全てのパケットを、本来の転送先とは独立した通信インタフェースに対して、パケット単位でコピーを送出する、ポートミラーリングとして広く知られ、IPルータやMACブリッジに実装されている方法を用いることができる。また、光スプリッタを用いた光学的方法、漏れ磁束を捕捉する磁気的方法、電気スプリッタによる電気的方法などを使用してもよい。
監視エージェント装置A21及び監視エージェント装置B22は、GMPLSスイッチからGMPLS拡張RSVP−TEやGMPLS拡張OSPF−TEのメッセージの複写を受信すると、このメッセージの複写に、自らの監視エージェント装置の識別子及び捕捉時刻を付加して、監視マネージャ装置11に送信する。
監視マネージャ装置11は、監視エージェント装置A21、B22から送信されたメッセージによって、通信ネットワーク2内で交換されるGMPLS拡張RSVP−TEやGMPLS拡張OSPF−TEメッセージを蓄積し分析する。これによって、GMPLS拡張RSVP−TEメッセージ60(図6参照)によって制御される通信路の確立状況を導出する。
制御情報転送装置A41、B42は、GMPLS拡張RSVP−TEやGMPLS拡張OSPF−TE以外の制御情報(例えば、ICMPや、IPルーティング情報)を転送することがある。また、GMPLS拡張RSVP−TEやGMPLS拡張OSPF−TEのメッセージの種類は多様であり、全てのメッセージを監視エージェント装置を介して監視マネージャ装置11に送信すると、そのデータ量は莫大となる。従って、監視マネージャ装置11が必要としないデータを監視エージェント装置が送信しないように選択するとよ
い。この選択処理(フィルタリング)は、監視エージェント装置又は制御情報転送装置のどちらが行ってもよい。
次に、監視マネージャ装置11の構成と動作について説明する。
図2は、監視マネージャ装置11のブロック図である。
監視マネージャ装置11は、CPU201、メモリ202、内部通信線(バス等)203、二次記憶装置204、通信インタフェース205及び入出力部206によって構成される。
通信インタフェース205は、監視エージェント装置A21、B22と接続されている。通信インタフェース205は、制御情報転送装置A41、B42からルーティングプロトコルやシグナリングプロトコル等の制御信号を受信する。
また、メモリ202には、図2の右側に示すように、CPU201で実行されるプログラム202、及び、プログラム202の実行時に使用されるデータ2022が、必要に応じて格納されている。
監視エージェント装置A21、B22もまた、監視マネージャ装置11と同様の構成であるが、通信インタフェース205の接続先は、監視マネージャ装置11と制御転送装置A41〜B42となる。また、負荷分散、アドレス体系等によって、通信インタフェース205の数が監視マネージャ装置11と異なってもよい。更に、入出力部206、二次記憶装置204は必須ではなく、備えなくてもよい。
図3は、監視マネージャ装置11の機能ブロック図である。
監視マネージャ装置11は、パス確立制御プロトコルメッセージ受信部301、パス確立制御情報蓄積部302、切断要求正当性判断部303、クロスコネクション情報導出部304、クロスコネクション情報蓄積部305、リンクステート型経路制御プロトコル受信部311、リンク状態情報蓄積部312、リンク状態変化検出部313、収容関係検索部314、監視結果表示部315、I/F状態情報受信部321、I/F状態情報蓄積部322、I/F状態変化検出部323、I/F接続関連保持部324、タイマ管理部325、装置情報保持部326及びパス情報327保持部によって構成される。なお、I/F接続関連保持部324は必須の構成ではないので、備えなくてもよい。
パス確立制御プロトコルメッセージ受信部301は、監視エージェント装置から、GMPLS拡張RSVP−TEメッセージの捕捉通知を受信する。捕捉通知は、図4を用いて後述するように、制御情報転送装置A41〜B42が複写したGMPLS拡張RSVP−TEメッセージに、捕捉日時と捕捉監視エージェント識別子を付加したものである。
そして、これらのメッセージによって制御されているリンクのリンク識別子を導出する。例えば、RSVP_HOPがGMPLSスイッチAのインタフェース31bを表す{192.168.100.1, 1002}である場合、その対向インタフェースである、GMPLSスイッチBのインタフェース32aを示す{192.168.100.2, 1001}を求めることによって、リンク識別子として該RSVP−TEメッセージが制御するリンクのリンク識別子{192.168.100.1, 1002, 192.168.100.2, 1001}が導かれる。
また、捕捉日時とリフレッシュ周期を用いて、リフレッシュタイムアウト時刻を導出する。
導出されたリンク識別子とリフレッシュタイムアウト時刻は、該メッセージと共にパス確立制御情報蓄積部302にテーブル形式で格納される。
クロスコネクション情報導出部304は、パス確立制御情報蓄積部302に追加されたレコードがPATHメッセージを保持していれば通信路が生成されたと判断し、RESVメッセージを保持していれば通信路が削除されたと判断する。そして、通信路が生成されたと判断したならば、パス情報保持部327のテーブルにレコードを追加し、通信路が削除されたと判断したならば、パス情報保持部327のテーブルからレコードを削除する。パスの生成及び削除の検出方法の詳細は、図9、図24A及び図24Bを用いて後述する。
クロスコネクション情報導出部304は、更に、パス確立制御情報蓄積部302に追加されたレコードについて、同一GMPLSスイッチ且つ同一セッションのメッセージ同士を関連付ける。これによって、クロスコネクションの生成及び削除を検出する、そして、クロスコネクションの生成及び削除を検出したならば、クロスコネクション情報蓄積部305のテーブルを更新する。クロスコネクションの生成及び削除の検出方法の詳細は、図9、図12を用いて後述する。
リンクステート型経路制御プロトコル受信部311は、監視エージェント装置からGMPLS拡張OSPF−TEメッセージのLS UPDATE捕捉通知を受信し、リンク状態情報蓄積部312のテーブルに格納する。捕捉通知は、図4を用いて後述するように、制御情報転送装置A41〜B42が複写したGMPLS拡張OSPF−TEのLS UPDATEメッセージに、捕捉日時と捕捉監視エージェント識別子を付加したものである。リンク状態変化検出部313は、リンク状態情報蓄積部312のテーブルを監視し、管理対象の通信ネットワーク2中のGMPLSスイッチ間のリンクの障害を検出したならば、その事象を該リンクの識別子と共に、収容関係検索部314に通知する。
I/F状態情報受信部321は、GMPLSスイッチからインタフェースの稼動状況に関する情報を受信し、I/F状態情報蓄積部322のテーブルに格納する。I/F状態変化検出部323は、I/F状態情報蓄積部322のテーブルを監視し、管理対象の通信ネットワーク2中のGMPLSスイッチの通信インタフェースの障害を検出したならば、その事象を該通信インタフェースの識別子と共に、収容関係検索部314に通知する。
なお、I/F状態情報受信部321がGMPLSスイッチから受信するインタフェースの稼動状況に関する情報(SNMPメッセージ)は、リンクステート型経路制御プロトコル受信部311が受信するOSPF情報と重複する内容を有する。よって、I/F状態情報受信部321、I/F状態情報蓄積部322及びI/F状態変化検出部323は、本実施形態において必須の構成ではない。しかし、OSPFメッセージより、SNMPメッセージの方が、早期に障害を検出できるので便宜である。
収容関係検索部314は、GMPLSスイッチ間のリンクの障害が発生した旨の通知をリンク状態変化検出部313から受信すると、パス確立制御情報蓄積部302の情報等を用いて、該リンクを通過する通信路61の一覧を導出する。また、収容関係検索部314は、通信インタフェースの障害が発生した旨の通知をI/F状態変化検出部323から受信すると、クロスコネクション情報蓄積部305等の情報を用いて、該通信インタフェースを通過する通信路61の一覧を導出する。通信インタフェースを通過する通信路61の一覧を導出する処理の詳細は、図15を用いて後述する。
そして、導出された一覧を、監視結果表示部315に出力することによって、入出力部206に表示する。表示の形態については、図25、図26A及び図26Bを用いて後述する。
切断要求正当性判断部303は、パス確立制御情報蓄積部302のレコードを監視し、追加されたレコードがパス切断要求を示すPATH_TEARメッセージである場合には、この要求が起点ノードからの正当な要求に基づくものか、或いは中間ノードの判断による予期せぬ切断であるかを判断する。その結果、予期せぬ切断であると判断したならば、その旨を監視結果表示部315に出力することによって、入出力部206に表示する。本判断処理の詳細は、図16、図17、図18を用いて後述する。
また、監視結果表示部315は、入出力部206を介して通信路管理システム1の操作者から検索要求を受け付る。そして、監視結果表示部315は、パス確立制御情報蓄積部302及びクロスコネクション情報蓄積部305の情報を用いて、検索要求によって指定
されたリンクを通過する通信路61の一覧を導出し、入出力部206に表示する。指定されたリンクを通過する通信路61の一覧を、検索要求に基づいて導出する処理の詳細は、図13を用いて後述する。
装置情報保持部は、GMPLSスイッチA31〜C33の装置構成を保持する。監視マネージャ装置11を使用するネットワーク管理者がネットワーク構成を理解し易くするための情報として、装置名称や設置場所などの属性を併せて保持してもよい。これらの情報は、監視結果表示部315が通信路一覧を表示する際に使用してもよい。
次に、監視エージェント装置A21及び監視エージェント装置B22の構成と動作について説明する。
監視エージェント装置A21及び監視エージェント装置B22もまた、監視マネージャ装置11(図2)と同様の構成を備える。但し、通信インタフェース205は、監視マネージャ装置11及びGMPLSスイッチA31、B32、C33に接続されている。各構成の数は、監視エージェント装置A21毎に異なってもよい。
図4は、監視エージェント装置A21、B22の機能ブロック図である。
監視エージェント装置A21は、制御メッセージ受信部401、制御メッセージ記憶部402及び制御メッセージ通知部403によって構成される。
制御メッセージ受信部401は、GMPLS拡張RSVP−TEメッセージ及びGMPLS拡張OSPF−TEのリンク状態広告メッセージの複写を、制御情報転送装置A41等から受信する。そして、受信したメッセージの複写を、制御メッセージ記憶部402のテーブルに格納する。制御メッセージ記憶部402のテーブルの列構成は、図9に示すパス確立情報蓄積テーブル及び、図10に示すリンク状態情報蓄積テーブルとほぼ同じであり、リンク識別情報8042を含まない事と捕捉監視エージェント識別子8012、9012を含まない点が異なる。捕捉日時欄には、メッセージの複写を受信した時刻を格納する。又は、メッセージの複写時刻を、制御情報転送装置が付加してもよい。この場合、時刻の精度を向上させることが出来る。更に、Framework for IP Performance Metrics(IETF RFC2330)に示されているように、NTP(The Network Time
Protocol, IETF RFC1305)やGPS(Global Positioning System)を用いることによって、監視エージェント装置のシステム時計又は制御情報転送装置のシステム時計を校正して、メッセージの到着順序を決定する精度を向上させることができる。
制御メッセージ通知部403は、制御メッセージ記憶部402のテーブルを監視している。そして、GMPLS拡張RSVP−TEメッセージが追加されると、当該追加されたレコードの内容に監視エージェント装置の識別子を付加して、監視マネージャ装置11のパス確立制御プロトコルメッセージ受信部301に送信する。また、GMPLS拡張OSPF−TEのリンク状態広告メッセージが追加されると、当該追加されたレコードの内容に監視エージェント装置の識別子を付加して、監視マネージャ装置11のリンクステート型経路制御プロトコル受信部311に送信する。
この監視マネージャ装置11への送信タイミングは、逐次的、一定時間毎、又は送信すべきデータ量が予め設定された値に達する毎等、様々とすることができる。
図5は、各メッセージの捕捉のパス確立、開放及びリンク状態広告を捕捉するシーケンス図である。
図5に示すシーケンスは、GMPLS拡張RSVP−TE及びGMPLS拡張OSPF−TEの動作規則に従う現象に対し、本発明による通信路管理システム1との間の送受信を加えたものである。すなわち、制御情報転送装置A41及びB42がGMPLS拡張RSVP−TE及びGMPLS拡張OSPF−TEメッセージを複写し、これに監視エージェント装置A21及び監視エージェント装置B22が捕捉点情報を付加し、監視マネージャ装置11に通知するシーケンスである。図示されるメッセージ521〜524、531〜536が加えられたメッセージである。
また、図5には示していないが、GMPLS拡張OSPF−TEメッセージは、通信路の確立有無に関わらず、リンクの状態を交換している。即ち、シーケンス500以前にメッセージを交換していてもよい。
通信路確立要求装置71が、LSP確立要求をGMPLSスイッチA31に送ると(500)、GMPLSスイッチA31〜C33は、GMPLS拡張RSVP−TEのPATHメッセージ及びRESVメッセージを交換する(501、502、503、504)。これによって、部分コネクション611〜612とクロスコネクション615〜617が割り当てられ、GMPLSスイッチA31〜C33によって通信路61が確立される。
制御情報転送装置A41及びB42は、GMPLSスイッチ間でやり取りされるRSVPメッセージを複写し、監視エージェント装置A21又は監視エージェント装置B22に送信する。前述したように、監視エージェント装置A21、B22は、監視エージェント装置の識別子及び捕捉時刻と共に、捕捉したメッセージを監視マネージャ装置11に送信する(521〜524)。監視マネージャ装置11は、受信したRSVPメッセージ、監視エージェント装置の識別子及び捕捉時刻を、パス確立制御情報蓄積部302に格納する。
また、GMPLSスイッチA31〜C33は、GMPLSスイッチ間のリンクの状態が変化すると、リンク状態広告を交換する。ンク状態広告は、GMPLS拡張OSPF−TEのLS UPDATEメッセージとしてやり取りされる。
リンクの状態とは、リンクの障害有無及び割当済み帯域資源量である。帯域資源には、部分コネクション611の本数や、各部分コネクション611の属性(要求帯域の合計値)等が含まれる。リンクの割当済み帯域資源の変化によって、リンク状態広告が交換される様子の例を、図中511〜516に示した。
制御情報転送装置A41及びB42は、GMPLSスイッチ間でやり取りされる、GMPLS拡張OSPF−TEメッセージを複写し、監視エージェント装置A21又は監視エージェント装置B22に送信する。前述したように、監視エージェント装置A21、B22は、監視エージェント装置の識別子及び捕捉時刻と共に、捕捉したメッセージを監視マネージャ装置11に送信する(531〜536)。監視マネージャ装置11は、受信したRSVPメッセージ、監視エージェント装置の識別子及び捕捉時刻を、リンク状態情報蓄積部312に格納する。
図6Aは、GMPLS拡張RSVP−TEメッセージのフォーマット図であり、通信路管理システム1に関連するフィールドを示す。
GMPLS拡張RSVP−TEメッセージ60は、RSVPメッセージ種別602、セッション識別子603、リフレッシュ周期604、ラベル605、RSVPホップ609、SENDER_TEMPLATE610及びその他のRSVPオブジェクト606〜608の各フィールドを含む。
RSVPメッセージ種別フィールド602は、このメッセージがPATHメッセージ、RESVメッセージ、又はPATH_TEARメッセージ等のいずれであるかを示す識別子である。
GMPLS拡張RSVP−TEメッセージは、Internet Protocol等によって伝送される。従って、メッセージは、ネットワーク中ではIPヘッダを伴っている。
また、GRE(Generic Routing Encapsulation)によってカプセル化される場合には、更にGREヘッダが先頭に付加される。
RSVPホップフィールド609は、RSVPメッセージ送信元ルータの識別子6091と上流側ルータの通信インタフェース識別子6092を含む。RSVPホップ609は、確立しようとする通信路61に割り当てる部分コネクションの、該RSVPメッセージ送信側のGMPLSスイッチの通信インタフェースを表す。
図6Bは、GMPLS拡張RSVP−TEメッセージの例であり、図5のシーケンス501のメッセージを表している。RSVPホップ609のIPv4AddrとIF_IDは、GMPLSスイッチA31のインタフェース31bを表している。パス確立制御プロトコルメッセージ受信部が、本メッセージをパス確立制御情報蓄積部のテーブルに格納する時には、前述した通り、RSVP_HOPが示すGMPLSスイッチA31のインタフェース31bの対向インタフェースであるところの、GMPLSスイッチB32のインタフェース32aを示す、{192.168.100.2, 1001}を、共に格納する。これにより、該RSVP−TEメッセージが制御するリンクのリンク識別子が導出される。
図7Aは、GMPLS拡張OSPF−TEのリンク状態広告のメッセージのフォーマット図であり、通信路管理システム1に関連するフィールドを示す。
GMPLS拡張OSPF−TEのリンク状態広告メッセージ70は、OSPFメッセージ種別702、及び、一つ以上のリンク状態703〜705の各フィールドを含む。OSPFメッセージ種別フィールド702は、このメッセージがリンク状態広告を表していることを示す識別子である。
リンク状態フィールド703〜705は、広告元ルータ識別子7031、リンク識別子7032及び一つ以上のリンク属性7033〜7035を含む。
GMPLS拡張OSPF−TEメッセージは、Internet Protocol等によって伝送される。従って、メッセージは、ネットワーク中ではIPヘッダを伴っている。
また、GRE(Generic Routing Encapsulation)によってカプセル化される場合には、更にGREヘッダが先頭に付加される。
図7Bは、GMPLS拡張OSPF−TEメッセージの例であり、GMPLSスイッチA31のインタフェース31bと、GMPLSスイッチB32のインタフェース32aの間のリンク51が正常であることを示す。
図8は、インタフェース接続関係管理テーブル210の構成図である。
インタフェース接続関係管理テーブル210は、I/F接続関連保持部324に保持される。
インタフェース接続関係管理テーブル210は、リンク端A2101及びリンク端B2102を含む。リンク端A2101とリンク端B2102は、接続されている二つの通信インタフェースの識別情報を表す。即ち、各行はリンク識別子と等価である。リンク端A2101は、ルータ識別子A21011とインタフェース識別子A21012を含む。また、リンク端B2102は、ルータ識別子B21021とインタフェース識別子B21022を含む。
本テーブルの内容は、予めネットワーク管理者により手動設定され、永続的に保持されてもよいし、リンク状態情報蓄積部312に格納されている情報に基づいて導いてもよい。後者の場合の処理を示す。リンク状態情報蓄積テーブル90の古い行から順に内容を調べる。[広告元ルータ識別子9031, リンク属性1 9033に示されたlink_local_id, リンク識別子9032, リンク属性2 9034に示されたlink_remote_id]の組はリンク識別子を示している。障害を示す行であるならば、該リンク識別子の行をインタフェース接続関係管理テーブル210から削除し、そうでないならば上書きする。これを、リンク状態情報蓄積テーブル90の全ての行に対して実行することにより、最新のインタフェース接続関係管理テーブル210を得ることが出来る。
本図の例は、通信インタフェース31bと32a、32bと33aが、夫々双方向に接続されている事を表している。通信インタフェース31b、32a、32b、33aのI/F識別子は、既に述べた通り、各々1002、1001、1002、1001であると仮定している。
図9は、パス確立制御情報蓄積テーブル80の構成図である。
パス確立制御情報蓄積テーブル80は、パス確立制御情報蓄積部302に保持される。
パス確立制御情報蓄積テーブル80は、捕捉点情報801、IPヘッダ情報802、RSVP情報803、リンク識別子804及びリフレッシュタイムアウト時刻805の各列を含む。各行には、監視エージェント装置A21、B22から受信したGMPLS拡張RSVP−TEメッセージ等が格納される。
捕捉点情報801は、捕捉日時8011及び捕捉監視エージェント識別子8012を含む。捕捉日時8011には、GMPLS拡張RSVP−TEメッセージを捕捉した時刻が格納される。捕捉監視エージェント識別子8012には、捕捉した監視エージェント装置の識別子が格納される。
IPヘッダ情報802は、送信元IPアドレス8021及び宛先IPアドレス8022を含む。これらには、捕捉したGMPLS拡張RSVP−TEメッセージパケットのIPヘッダから抽出された情報が格納される。
RSVP情報803は、RSVPメッセージ種別8031、セッション識別子8032、リフレッシュ周期8033、ラベル8034、RSVPホップ8038、SENDER_TEMPLATE8039及びその他のRSVPオブジェクト8035〜8037を含む。これらには、捕捉したGMPLS拡張RSVP−TEメッセージの内容がそのまま格納される。
リンク識別子804は、RSVP_HOPオブジェクトの内容を用い、リンク状態情報蓄積部312又はI/F接続関連保持部324のテーブルを参照して、パス確立制御プロトコルメッセージ受信部301によって導出される。
具体的には、PATHメッセージの場合には、RSVP_HOPオブジェクトに含まれる、IF_ID TLVのIF_IDフィールドの値を、上流側I/F識別子8041に格納する。更に、IF_ID TLVの、IPv4AddrフィールドとIF_IDフィールドで示される接続先インタフェースの識別子を、I/F接続関連保持部324を参照して求める。求めた接続先インタフェースの識別子は、下流側I/F識別子8042に格納される。RESVメッセージの場合には、RSVP_HOPオブジェクトに含まれる、IF_ID TLVのIF_IDフィールドの値を、下流側I/F識別子8042に格納する。更に、IF_ID TLVの、IPv4AddrフィールドとIF_IDフィールドで示される接続先インタフェースの識別子を、I/F接続関連保持部324を参照して求める。求めた接続先インタフェースの識別子は、上流側I/F識別子8041に格納される。
本図の例では、図5のPATHメッセージ捕捉通知521及び522、RESVメッセージ捕捉通知523及び524を受信し、各々4行のエントリが保持されている。
一行目はPATHメッセージであるため、RSVPホップ8038のIF_IDフィールドの値であるところの1002が、上流側I/F識別子8041に格納されている。更に、RSVPホップ8038のIPv4AddrフィールドとIF_IDフィールドの値であるところの(192.168.100.1, 1002)の組が、インタフェース接続関係テーブル210のリンク端Aに一致する行が選ばれ、対応するリンク端BのI/F識別子Bの値として1001が得られる。これが、下流側I/F識別子8042に格納されている。
二行目もまた一行目と同様の手順により、上流側I/F識別子8041及び下流側I/F識別子8042の値が求められ、格納されている。
三行目はRESVメッセージであるため、RSVPホップ8038のIF_IDフィールドの値であるところの1001が、下流側I/F識別子8042に格納されている。更に、RSVPホップ8038のIPv4AddrフィールドとIF_IDフィールドの値であるところの(192.168.100.3, 1001)の組が、インタフェース接続関係テーブル210のリンク端Aに一致する行が選ばれ、対応するリンク端BのI/F識別子Bの値として1002が得られる。これが、上流側I/F識別子8041に格納されている。
四行目もまた三行目と同様の手順により、上流側I/F識別子8041及び下流側I/F識別子8042の値が求められ、格納されている。
リフレッシュタイムアウト時刻805は、捕捉日時8011とリフレッシュ周期8033を用いて導かれる。GMPLS RSVP−TEの前提仕様であるRSVP Version1(IETF, RFC2205, R.Braden他, "Resource ReSerVation Protocol (RSVP) -- Version 1 Functional Specification")によれば、タイムアウト時間Lは、リフレッシュ周期Rと定数Kを用いて、L≧(K+0.5)×1.5×Rと規定されており、定数Kの推奨値は3である。従って、L≧5.25Rとなる。すなわち、(捕捉日時8011)+5.25×(リフレッシュ周期8033)の値をリフレッシュタイムアウト時刻805に格納する。
例えば、一行目は、リフレッシュ周期が30秒であるので、5.25×リフレッシュ周期の値は2'37.5''となる。これを捕捉時刻の値である2004/6/1 10:20:30.351に加算することにより、リフレッシュタイムアウト時刻2004/6/1 10:23:07.851を導出し、リフレッシュタイムアウト時刻805に格納している。
図10は、リンク状態情報蓄積テーブル90の構成図である。
リンク状態情報蓄積テーブル90は、リンク状態情報蓄積部312に保持される。
リンク状態情報蓄積テーブル90は、捕捉点情報901、IPヘッダ情報902及びSPFリンク状態情報903の各列を含む。
捕捉点情報901は、捕捉日時9011及び捕捉監視エージェント識別子9012を含む。捕捉日時9011には、GMPLS拡張OSPF−TEメッセージを捕捉した時刻が格納される。捕捉監視エージェント識別子9012には、捕捉した監視エージェント装置の識別子が格納される。
IPヘッダ情報902は、送信元IPアドレス9021及び送信先IPアドレス9022を含む。これらの列には、捕捉したGMPLS拡張OSPF−TEメッセージパケットのIPヘッダの情報が格納される。
OSPFリンク状態情報903は、広告元ルータ識別子9031、リンク識別子9032及びリンク属性9033〜9035を含む。これらには、捕捉したGMPLS拡張OSPF−TEメッセージの対応する各フィールドの値がそのまま格納される。
すなわち、広告元ルータ識別子9031には、GMPLS拡張OSPF−TEメッセージ70の広告元ルータ7031が格納される。また、リンク識別子9032には、GMPLS拡張OSPF−TEメッセージ70のリンク識別子7032が格納される。リンク属性9033〜9035には、GMPLS拡張OSPF−TEメッセージ70のリンク属性7033〜7035が格納される。
リンク属性n(9035)に格納された属性metricの値は、特殊値∞をとることがあり、その場合、該リンクが使用不能になったことを表す。またGMPLS拡張OSPF−TEにおいては、リンク属性として使用可能な帯域などの属性を交換することが可能であり、使用可能な帯域が一定値を下回った場合にはリンクが使用不能になったと見なしても良い。
リンク状態変化検出部313は、これらの値を監視することにより、リンクの障害を検出する。
本図の例は、図1の通信ネットワークにおいて、GMPLSスイッチ31〜33が相互に交換しているOSPFメッセージを、受信し蓄積したある瞬間のテーブル状態を表している。
各行は、広告元ルータ9031で示されるGMPLSスイッチから、リンク識別子9032で表されるGMPLSスイッチに向かう片方向リンクの、状態を表している。OSPFにおいては、あるGMPLSスイッチが生成したリンク状態広告の内容は、ネットワーク全体に伝播されるため、同一のOSPFリンク状態情報903のメッセージが複数の監視エージェント装置にて捕捉される。例えば、本図の1行目と2行目は同一のOSPFリンク状態情報903の値を持つが、捕捉点情報901及びIPヘッダ情報902の値が異なっている。1行目は広告元ルータ識別子192.168.100.1で示されるGMPLSスイッチAが生成したメッセージであり、2行目は、1行目のメッセージを受信したGMPLSスイッチBがGMPLSスイッチCに対して転送したメッセージである。即ち、これらは同一のリンクの状態を表している。
本図の内容を用いて、インタフェース接続関係管理テーブル210の内容を決定しても良い。その手順を説明する。本テーブルから、時刻の古い順に、4つの属性値の組(リンク識別子9032、link_local_idを含んだリンク属性1(9033)、link_remote_id
を含んだリンク属性2(9034))を取り出す。属性metricを評価するなどして、使用可能なリンクと判断されたなら、これら4つの属性値の組を、インタフェース接続関係管理テーブル210の4つのフィールド(ルータ識別子A21011、I/F識別子A21012、ルータ識別子B21021、I/F識別子B21022)に、各々格納する。利用可能でないリンクと判断されたなら、これら4つの属性値の組に一致する、インタフェース接続関係管理テーブル210の行を削除する。
図11は、I/F状態情報蓄積テーブル100の構成図である。
I/F状態情報蓄積テーブル100は、I/F状態情報蓄積部322に保持される。
I/F状態情報蓄積テーブル100は、取得点情報1001、インタフェース識別子1002及びインタフェース属性1003の各列を含む。
取得点情報1001は、取得日時10011及びルータ識別子10012を含む。取得日時10011には、インタフェース属性1003を受信した日時が格納される。ルータ識別子10012には、GMPLSスイッチの識別子が格納される。
インタフェース識別子1002は、GMPLSスイッチの通信インタフェースの識別子
である。インタフェース識別子1002は、ルータ識別子10012との組み合わせによって、管理対象の通信ネットワーク2内で一意に識別される。
インタフェース属性1003は、IPアドレス10031及び稼動状態10032を含む。通信インタフェースにIPアドレス10031を割り当てないネットワーク構成の場合には、IPアドレス10031は空欄としておく。IPアドレス10031に値が格納される場合、IPアドレス10031によって、GMPLSスイッチの通信インタフェースを識別することができる。また、インタフェース属性1003には、通信インタフェースの通過パケット数、受信レーザ光の電力、ビット誤り率(BER)等の通信品質に関する通信インタフェースの属性を含んでもよい。通信インタフェースの通信品質に関する情報を含めると、光経路の品質を把握することができる。
図12は、クロスコネクション情報蓄積テーブル110の構成図である。
クロスコネクション情報蓄積テーブル110は、クロスコネクション情報蓄積部305に保持される。
クロスコネクション情報蓄積テーブル110は、状態変化日時1101、ルータ識別子1102、データ流入インタフェース情報1103、データ流出インタフェース情報1104、稼動状態1105、セッション識別子1106及びSENDER_TEMPLATE1107の各列を含む。クロスコネクション情報蓄積テーブル110は、これらの情報によって、GMPLSスイッチ上のクロスコネクションの状態を表す。
データ流入インタフェース情報1103は、流入インタフェース識別子11031及び流入ラベル値11032を含む。また、データ流出インタフェース情報1104は、流出インタフェース識別子11041及び流出ラベル値11042を含む。
本テーブルの各行は、パス確立制御情報蓄積部302のパス確立制御情報蓄積テーブル80及びリンク状態情報蓄積テーブル90に基づいて、クロスコネクション情報導出部304が、GMPLSスイッチ上のクロスコネクションの状態を類推することによって生成される。このクロスコネクション情報導出処理は、図19及び図22A〜Cを用いて後述する。
本図の値の例は、PATHメッセージ捕捉通知521〜522及びRESVメッセージ捕捉通知523〜524を受信し、クロスコネクション情報導出処理を完了した時点でのテーブルの状態を表している。
図23は、装置管理テーブル230の構成図である。
装置管理テーブル230は、装置情報保持部326に保持される。
装置管理テーブル230は、ルータ識別子2301、装置種別2302、装置表示名2303及び設置場所2304の各列を含む。装置管理テーブル230は、これらの情報によって、通信ネットワーク2に含まれる各GMPLSスイッチA31〜C33の属性を、ルータ識別子2301で識別されるGMPLSスイッチ毎に表す。本テーブルの内容は、予めネットワーク管理者により手動設定され、永続的に保持される。
図24Aは、パス管理テーブル240の構成図である。
パス管理テーブル240は、パス情報保持部327に保持される。
パス管理テーブル240は、パス種別2401、セッション識別子2402、LSP_ID2403、確立状態2404及び通過点リスト2405の各列を含む。パス管理テーブル240は、これらの情報によって、管理対象ネットワーク2に確立されている通信路の属性を表す。各行は、クロスコネクション情報導出部のパス確立検出処理により導かれる。
パス種別2401は、パスを構成する部分コネクションの多重化方式及び、又は、クロスコネクションのスイッチング単位を表し、GMPLS標準におけるパスのスイッチングケーパビリティと呼ばれる属性に基づく値を格納する。図24Aの1行目の例では、スイッチングケーパビリティがLSC(Lambda Switching Capable)という、光波長多重における波長単位でのクロスコネクションにより構成されるパスであるため、値LSCが格納されている。
本テーブルの各行は、パス確立制御情報蓄積部302のパス確立制御情報蓄積テーブル80及びリンク状態情報蓄積テーブル90に基づいて、クロスコネクション情報導出部304が、GMPLSスイッチ上のクロスコネクションの状態を類推することによって生成される。このクロスコネクション情報導出処理は、図19及び図22A〜Cを用いて後述する。
以上で、クロスコネクション状態をクロスコネクション情報蓄積部305に、部分コネクション状態をパス確立制御情報蓄積部302に導出する処理が完結し、通信路の構成管理に必要な情報が揃う。
以下では、これらの情報を用いて、ネットワークの管理業務を支援する情報を引き出す方法について述べる。
図25は、通信路管理システム1の操作者からのパス検索要求を受付ける画面構成例であり、監視結果表示部315の処理により、入出力部206に表示される。
パス検索要求画面2501は、パス検索条件部25011とパス検索結果部25012を含む。操作者がパス検索条件部25011において、検索条件種別に応じた条件を指定し、検索ボタンを操作すると、収容関係検索部314に問い合わせることにより、条件に合致したパスの一覧を導出する。そして、導出されたパスの一覧がパス検索結果部25012に表示される。操作者が、表示されたパスの一覧の中から、その構成を表示したいものを選択した上で、詳細ボタンを操作すると、以下に示すように、パス詳細が表示される。
図26Aは、パス詳細を表示する画面の構成例であり、監視結果表示部315の処理により、入出力部206に表示される。
パス詳細表示画面2601は、パス概要部26011と、パス詳細部26012を含む。パス詳細部26012は、GMPLSスイッチアイコン2601_31〜2601_33、リンクアイコン2601_51〜2601_52、通信インタフェース属性アイコン2601_31b_2、2601_32a_2、2601_32b_2、2601_33a_2、部分パス属性アイコン2601_611_2、2601_612_2などにより、パス構成の詳細を表す。
図13は、指定されたリンクを通過するパスの一覧を導出する処理のフローチャートである。この処理は、収容関係検索部314が、通信路管理システム1の操作者からの検索要求を受付けると、実行される。すなわち、パス検索要求画面2501において、検索条件種別として「通過リンク」を選択し、ルータ1、ルータ2、SW_CAP及びリンク識別子を選択し、検索ボタンを操作すると、実行される。
まず、入出力部206を介して通信路管理システム1の操作者から検索要求によって指定されたリンクの上流側ルータのルータ識別子とリンク識別子を受け取る(1201)。
その後、パス確立制御情報蓄積テーブル80から、該リンクを通過している全てのパスのセッション識別子8032を取り出す(1202)。
次に、取り出された全てのセッションについて、該セッションの起点ルータを求める(1203)。起点ルータを求める処理は、図14を用いて後述する。
その後、パス確立制御情報蓄積テーブル80の、該セッションに関するエントリと、求めた起点ルータの識別子を、監視結果表示部315に出力することによって、入出力部206に表示する(1204)。
以上のステップ1203〜ステップ1204の処理を、取り出された全てのセッションについて実行する。
図14は、指定されたセッションの起点ルータを求める処理のフローチャートであり、収容関係検索部314によって実行される。
まず、セッション識別子、リンクの上流側ルータのルータ識別子及びリンク識別子を受取る。そして、これらの識別子で識別される部分コネクションを、着目部分コネクションと決める(1301)。
その後、クロスコネクション情報蓄積テーブル110を参照して、着目部分コネクションに対する上流側ホップの部分コネクションを求める。求められた上流側ホップの部分コネクションを、新たな着目部分コネクションとする(1302)。
次に、新たな部分コネクションが求まったか否かを判定する(1303)。新たな部分コネクションが求まったときは、ステップ1302に戻り、さらに上流の部分コネクションを求める。
次に、新たな部分コネクションが求まらなかったときは、着目部分コネクションの上流側ルータを、起点ルータとする(1304)。そして、この処理を終了する。
図15は、リンク障害検出時に障害が波及する通信路を導出する処理のフローチャートであり、収容関係検索部314によって実行される。
まず、リンク状態変化検出部313又はI/F状態変化検出部323から、障害発生リンクのリンク識別子を受け取る(1401)。
その後、パス確立制御情報蓄積テーブル80から、障害発生直前に該リンクを通過していた全てのパスのセッション識別子8032を取り出す(1402)。
次に、取り出された全てのセッションについて、以下の処理を実行する。
まず、障害発生リンク上において、該セッションのPATHメッセージを送信したルータを、パス確立制御情報蓄積テーブル80を用いて求めて、着目ルータとする(1403)。この送信元ルータを求める処理では、パス確立制御情報蓄積テーブル80を参照して、指定されたリンク識別子に含まれるルータ識別子が送信元IPアドレス8021と一致し、かつ、指定されたリンク識別子に含まれるインタフェース識別子がRSVPホップ8
038の上流側ルータの通信インタフェース識別子と一致する行を求める。
次に、着目ルータが、該セッションの障害通知メッセージ(NOTIFY、又は、RESV_TEAR)を発行しているか否かを判定する(1404)。着目ルータが該セッションの障害通知メッセージを発行しているときは、障害通知メッセージの宛先ルータを、新たな着目ルータとする(1405)。そして、ステップ1404に戻り、障害通知メッセージを更に上流側にたどる。
一方、着目ルータが該セッションの障害通知メッセージを発行していないときは、ステップ1406に進む。
すなわち、障害通知メッセージを発行しているルータを上流側にたどっていき、たどれなくなるまで繰り返す。
次に、着目ルータが障害発生前と異なる方路(direction)にPATHメッセージを発行しているか否かを、パス確立制御情報蓄積テーブル80を用いて判定する(1406)。障害発生前と異なる方路にPATHメッセージを発行しているか否かは、クロスコネクション情報蓄積テーブル110上において、状態変化日時1101フィールドを遡り、直近に同一セッションの異なるエントリが存在するか否かによって判定する。
その結果、着目ルータが異なる方路にPATHメッセージを発行していれば、着目ルータがパス切り替え元であると判定する(1407)。一方、着目ルータが異なる方路にはPATHメッセージを発行していなければ、パスの切り替えは着手されていないと判定する(1411)。
次に、新たなPATHメッセージ発行方路から、RESVメッセージを受信しているかを判定する(1408)。RESVメッセージを受信済みであるかは、クロスコネクション情報蓄積テーブル110上において、対応するエントリの流出ラベル値11042に値が格納されているかによって判定する。すなわち、流出ラベル値11042に値が格納されていれば、既にRESVメッセージを受信している。一方、流出ラベル値11042に値が格納されていなければ、RESVメッセージを受信していない。
その結果、既にRESVメッセージを受信していれば、パスの切り替えは完了していると判定する(1409)。一方、未だRESVメッセージを受信していなければ、パスの切り替え中であると判定する(1410)。
次に、該セッションの起点ルータを、図14において前述した方法によって求める(1412)。そして、パス確立制御情報蓄積テーブル80の、該セッションに関するエントリと共に、起点ルータ、切替え元ルータ及び切替え状況を、監視結果表示部315に出力することによって、入出力部206に表示する(1413)。
以上のステップ1403〜ステップ1413の処理を、取り出された全てのセッションについて実行する。
なお、ステップ1403〜ステップ1413の処理中に、操作者から表示中止が要求されたか否かを判定する。表示中止が要求されていないなら、取り出された全てのセッションについてステップ1403〜ステップ1413の処理を繰り返す。一方、表示中止が要求されたなら、取り出された全てのセッションについての処理の終了を待たずに、処理を終了する。
図16は、中間ノードの判断による予期せぬ通信路切断が発生する状況のシーケンス図である。
図16に示すシーケンスは、GMPLS拡張RSVP−TEの動作規則に従う現象に対し、本発明による通信路管理システム1との間の送受信を加えたものである。
GMPLS拡張RSVP−TEでは、GMPLS拡張RSVP−TEメッセージ60のリフレッシュ周期604の値を周期として、定期的に同一メッセージをGMPLSスイッチ間でやり取りする(1501、1503、1505)。
受信側のGMPLSスイッチは、メッセージを受信する毎にタイマ値をリセットする(1502、1504、1506)。そして、リフレッシュ周期604から導かれる一定時間(例えば、リフレッシュ周期の3倍)以内に、同一セッションの次のメッセージが到着しない場合には、PATH_TEARメッセージを発行する(1522)。このPATH_TEARメッセージの発行によって、下流側の部分コネクション及びクロスコネクションの資源を解放する。これは、メッセージの喪失や中間ノードの障害等によって、下流の資源の開放漏れが発生することを防止するためである。しかし、制御情報転送装置や制御情報転送装置間のリンクの一時的な障害や品質低下等によって、通信路61の予期せぬ切断が発生しうる。
また、本図では省略しているが、GMPLSスイッチB32からGMPLSスイッチC33へのPATHメッセージ、GMPLSスイッチC33からGMPLSスイッチB32へのRESVメッセージ、GMPLSスイッチB32からGMPLSスイッチA31へのRESVメッセージに関しても、同様にリフレッシュ周期毎にメッセージが送受信される。リフレッシュ周期は、各リンクごと、メッセージ毎に異なってもよい。
本図に示す例では、本来GMPLSスイッチB32が受信すべきPATHメッセージ1507〜1509が欠落したために、GMPLSスイッチB32がタイムアウトと判定し(1521)、通信路61の下流の資源が誤って解放されている(1522)。
これらのPATHメッセージ1501、1503、1505は、監視エージェント装置A21によって捕捉され、監視マネージャ装置11に通知される(1511〜1513)。また、タイムアウトによるPATH_TEARメッセージは、監視エージェント装置B22によって捕捉され、監視マネージャ装置11に通知される(1523)。
監視マネージャ装置11は、受け取ったPATH_TEARメッセージの複写1523が、正常なパス切断によるものか、タイムアウト等による予期せぬ通信路切断によるものかを判定するタイムアウト類推処理を実行する(1524)。このタイムアウト類推処理の詳細は、図18を用いて後述する。
その結果、PATH_TEARメッセージが、タイムアウト等による予期せぬ通信路切断に起因するものであれば、その旨を監視結果表示部315に出力することによって、入出力部206に表示する。
図17は、正常なパス切断が発生する状況のシーケンス図である。
図17に示すシーケンスは、GMPLS拡張RSVP−TEの動作規則に従う現象に対し、本発明による通信路管理システム1との間の送受信を加えたものである。また、図16に示したシーケンスと同様に、本図でもGMPLSスイッチB32からGMPLSスイッチC33へのPATHメッセージと、RESVメッセージに関する、リフレッシュ周期毎の送受信は省略している。
正常なパス切断の場合、切断しようとする通信路61の起点ノードであるGMPLSスイッチA31からPATH_TEARメッセージが発行され、これが終点ノードであるGMPLSスイッチC33まで転送される(1607、1608)。これによって、通信路61が使用している全ての部分コネクション及びクロスコネクション資源が解放される。
これらのPATH_TEARメッセージ1607、1608は、監視エージェント装置A21又は監視エージェント装置B22により捕捉され、監視マネージャ装置11に通知される(1614、1616)。
正常なパス切断の場合、PATH_TEARメッセージの送受信に先立って、タイムアウトは発生しない(1601、1603、1605)。PATH_TEARメッセージは必ず通信路61上の全ての区間に渡って、必ず上流から下流に向かって転送される(1607、1608)。
監視マネージャ装置11は、PATH_TEARメッセージの複写を監視エージェント装置から受け取る毎に、これが正常なパス切断によるものか、或いはタイムアウト等の予期せぬ通信路切断によるものかを判定するタイムアウト類推処理を実行する(1615、1617)。このタイムアウト類推処理はステップ1524(図16)と同一であり、処理の詳細は、図18を用いて後述する。
その結果、PATH_TEARメッセージが、タイムアウト等による予期せぬ通信路切断に起因するものであれば、その旨を監視結果表示部315に出力することによって、入出力部206に表示する。なお、本図の例では正常なパス切断と判定される。
図18は、中間ノードの判断による予期せぬパス切断を類推するタイムアウト類推処理のフローチャートであり、切断要求正当性判断部303によって実行される。
PATH_TEARを検出したリンクのリンク識別子を切断要求正当性判断部303から受け取ると、当該リンクを着目リンクとする(1701)。
次に、クロスコネクション情報蓄積テーブル110を参照して、着目リンクに対する上流のリンク識別子を求める。そして、求められたリンクを、新たな着目リンクとする(1702)。その後、上流のリンク(上流ホップ)が見つかったか否かを判定する(1703)。
その結果、上流ホップが見つからなければ、正常な削除シーケンスであると判定する(1707)。すなわち、起点ルータまでの全てのホップについて、PATH_TEARメッセージが観測されている。
一方、上流ホップが見つかれば、パス確立制御情報蓄積テーブル80を参照して、着目リンクにおいて該セッションに対するPATH_TEARメッセージが捕捉されているかを調べる(1704)。
その後、PATH_TEARメッセージが捕捉されているか否かを判定する(1705)。
その結果、PATH_TEARメッセージが捕捉されていれば、ステップ1702に戻り、リンクを更に上流側にたどる。一方、PATH_TEARメッセージが捕捉されてい
なければ、中間ノードの判断による予期せぬ通信路切断であると判定する。そして、その旨を監視結果表示部315に出力することによって、入出力部206に表示する(1706)。
図19A〜図19Dは、クロスコネクションの状態を導出する処理のフローチャートである。図19Aは、メイン処理を示す。図19Bは、メッセージがPATHメッセージである場合の処理である。図19Cは、メッセージがRESVメッセージである場合の処理である。図19Dは、メッセージがPATH_TEARメッセージである場合の処理である。
このクロスコネクション状態導出処理では、クロスコネクション情報導出部304が、パス確立制御情報蓄積部302とリンク状態情報蓄積部312を用いてクロスコネクションの状態を導出する。そして、導出されたクロスコネクションの情報を、クロスコネクション情報導出部304に格納する。また、クロスコネクション状態導出処理は、パス確立制御情報蓄積部302の各行が更新されることを契機に実行される。
クロスコネクション情報導出部304は、RSVPメッセージを受け取ると(1801)、そのRSVPメッセージ種別602を調べる(1802)。
その結果、受け取ったRSVPメッセージがPATHメッセージであれば、PATHメッセージ処理を実行する(1810)。一方、受け取ったRSVPメッセージがRESVメッセージであれば、RESVメッセージ処理を実行する(1820)。また、受け取ったRSVPメッセージがPATH_TEARメッセージであれば、PATH_TEARメッセージ処理を実行する(1830)。
また、PATHメッセージのタイムアウトを、タイマ管理部325が検出した際には、擬似的にPATH_TEARメッセージと同等の情報を生成する(1840)ことにより、あたかもPATH_TEARメッセージを受信したかのように、PATH_TEARメッセージ処理を実行する(1830)。この際に生成する擬似PATH_TEARメッセージは、パス確立制御情報蓄積テーブル80において、タイムアウトと見なされたPATHメッセージの、IPヘッダ情報802、セッション識別子8032、RSVPホップ8038及びSENDER_TEMPLATE8039を用い、RSVPメッセージ種別8031の値をPATH_TEARとしたものである。
次に、図19Bを参照して、受け取ったRSVPメッセージがPATHメッセージである場合の処理1810について説明する。また、図22A〜Bを参照して、PATHメッセージ捕捉通知521〜522を受信した際の、クロスコネクション情報蓄積テーブル110の変化を、併せて説明する。
この処理では、まず、パス確立要求検出を行い、新規のパス確立が要求されたならばパス管理テーブルに登録する(18102〜18103)。次に、PATHメッセージを捕捉したリンクの上流側インタフェースに関するクロスコネクション状態を更新する(1811〜1814)。次に、PATHメッセージを捕捉したリンクの下流側インタフェースに関するクロスコネクション状態を更新する(1815〜1819)。
ここで、上流側インタフェースとは、PATHメッセージが制御しようとしているリンクに着目した際に、その両端のインタフェースの内、下流側へ流れるユーザデータ(ダウンストリームユーザデータ)を該リンクに流入させるインタフェースであり、下流側インタフェースとは、もう一方のインタフェースである。
まず、パス管理テーブル240上で、セッション識別子2402とLSP_ID2403が、夫々PATHメッセージのセッション識別子8032とSENDER_TEMPLATE8039のlspIdに、共に一致するレコードを検索し(18102)、見つからないならば新たなパスの確立が要求されたの判断して、パス管理テーブルに新たなレコードを追加する(18103、18104)。新たなレコードのパス種別2401には、その他のオブジェクト8035に格納されているlabel_reqオブジェクトに含まれるスイッチングケーパビリティSCの値を、パス確立状態2404には値establishingを、夫々格納する。
次に、クロスコネクション情報蓄積テーブル110において、セッション識別子1106と受信メッセージのセッション識別子603が一致し、かつ、ルータ識別子1102とIPヘッダの送信元アドレスが一致するレコードを検索する(1811)。そして、条件に合致するレコードが検索されたか否かを判定する(1812)。
その結果、条件に合致するレコードが見つからなかった場合には、クロスコネクション情報蓄積テーブル110にレコードを追加する。その際、ルータ識別子フィールド1102を、受信メッセージのIPヘッダの送信元フィールドの値とし、稼動状態フィールド1105を、”idle”として、初期化する(1813)。
次に、レコードの流出インタフェース識別子11041フィールドに、受信メッセージの「上流側ルータの通信インタフェース識別子6092」の値を格納する。さらに、状態変化日時1101フィールドに、受け取ったPATHメッセージ捕捉通知の捕捉日時を格納する(1814)。
以上で、上流側インタフェースに関するクロスコネクション状態の更新が完了する。
次に、クロスコネクション情報蓄積テーブル110において、セッション識別子1106と受信メッセージのセッション識別子603が一致し、かつ、ルータ識別子1102とIPヘッダの宛先アドレスが一致するレコードを検索する(1815)。そして、条件に合致するレコードが検索されたか否かを判定する(1816)。
その結果、条件に合致するレコードが見つからなかった場合には、クロスコネクション情報蓄積テーブル110にレコードを追加する。その際、ルータ識別子フィールド1102を、受信メッセージのIPヘッダの送信元フィールドの値とし、稼動状態フィールド1105を、”idle”として、初期化する(1817)。
次に、リンク状態情報蓄積テーブル90を参照して、受信メッセージの「上流側ルータの通信インタフェース識別子6092」の接続先インタフェースを求める(1818)。
なお、リンク状態情報蓄積テーブル90に予め設定された接続先情報を参照して、接続先インタフェースを求めてもよい。このようにすれば、メッセージがOSPF形式でない場合にも対応可能となる。
そして、レコードの流出インタフェース識別子フィールド1104に、求めた接続先インタフェースのインタフェース識別子の値を格納する。さらに、状態変化日時フィールド1101に、受け取ったPATHメッセージ捕捉通知の捕捉日時を格納する(1819)。
PATHメッセージ捕捉通知521を受信すると、処理1814により図22Aの1行目に示すレコードが作成され、処理1819により2行目に示すレコードが作成され、処理18104により、パス管理テーブル240に、図24Bの1行目に示すレコードが作成される。また、PATHメッセージ捕捉通知522を受信すると、処理1814により図22Bの2行目の流出インタフェース識別子が格納され、処理1819により2行目が作成される。
次に、図19Cを参照して、受け取ったRSVPメッセージがRESVメッセージである場合の処理について説明する。また、図22C及び図12を参照して、RESVメッセージ捕捉通知523〜524を受信した際の、クロスコネクション情報蓄積テーブル110の変化を、併せて説明する。
この処理では、まず、RESVメッセージを捕捉したリンクの下流側インタフェースに関するクロスコネクション状態を更新する(1821、1822)。次に、RESVメッセージを捕捉したリンクの上流側インタフェースに関するクロスコネクション状態を更新する(1823、1824)。次に、パス確立完了検出を行い、パスの確立が完了したならば、パス管理テーブルの確立状態をestablishedに更新する(1825〜1827)。次に、更に、パスの通過点を導出してパス管理テーブルに格納する(1828)。
ここで、上流側インタフェースとは、既に説明したPATHメッセージの場合と同様、ダウンストリームユーザデータを該リンクに流入させるインタフェースであり、下流側インタフェースとは、もう一方のインタフェースである。
まず、クロスコネクション情報蓄積テーブル110において、セッション識別子1106と受信メッセージのセッション識別子603が一致し、かつ、ルータ識別子1102と
IPヘッダの送信元アドレスが一致するレコードを検索する(1821)。
次に、検索の結果、見つかったレコードの流入ラベル値フィールド11032に、受信メッセージのラベル605値を格納する。さらに、状態変化日時フィールド1101に、受け取ったRESVメッセージ捕捉通知の捕捉日時を格納する。さらに、当該クロスコネクションの流入側及び流出側の情報が揃ったならば、稼動状態フィールド1105に”busy”を格納する(1822)。但し、当該クロスコネクションのデータ流出インタフェース情報1104が全て空であるならば、流入インタフェース情報が全てそろった時点で、稼動状態フィールド1105に”busy”を格納する。
以上で、下流側インタフェースに関するクロスコネクション状態の更新が完了する。
次に、クロスコネクション情報蓄積テーブル110において、セッション識別子1106と受信メッセージのセッション識別子603が一致し、かつ、ルータ識別子1102とIPヘッダの宛先アドレスが一致するレコードを検索する(1823)。
次に、見つかったレコードの流出ラベル値フィールド11042に、受信メッセージのラベル605値を格納する。さらに、状態変化日時フィールド1101に、受け取ったRESVメッセージ捕捉通知の捕捉日時を格納する。さらに、当該クロスコネクションの流入側及び流出側の情報が揃ったならば、稼動状態フィールド1105に、”busy”を格納する(1824)。但し、当該クロスコネクションの流入インタフェース情報1103が全て空であるならば、流出インタフェース情報が全てそろった時点で、稼動状態フィールド1105に”busy”を格納する。
次に、RESVメッセージのRSVP_HOPオブジェクト8038に含まれるIPv4Addrの値を、SENDER_TEMPLATE8039に含まれるtunnel_srcの値と比較し、等しいならば最初のホップであると判断し、異なるならば最初のホップ以外であると判断する(1825)。
最初のホップである場合、パス管理テーブル240上で、セッション識別子2402とLSP_ID2403が、夫々PATHメッセージのセッション識別子8032とSENDER_TEMPLATE8039のlspIdに、共に一致するレコードを検索し(1826)、パス確立状態2404に値establishedを格納する(1827)。
次に、クロスコネクション情報蓄積テーブル上で、パスの起点から終点までを手繰ることで通過点リストを導き、パス管理テーブル上のレコードの通過点リスト2404を更新する(1828)。
RESVメッセージ捕捉通知523を受信すると、処理1822により図22Cの3行目の流入側ラベル値11032と稼動状態1105が、処理1824により2行目の流出ラベル値11042が格納される。3行目は、データ流出インタフェース情報1104が空欄であるため、データ流入インタフェース情報1103が全て揃ったことを以って、稼動状態フィールド1105に”busy”を格納している。一方、2行目は、流入インタフェース識別子11031が格納されているにもかかわらず、流入ラベル値が格納されていないため、稼動状態フィールド1105は”idle”のままとしている。
また、RESVメッセージ捕捉通知524を受信すると、処理1822により図12の2行目の流入インタフェース識別子が、処理1824により1行目の流出ラベル値11042が格納される。2行目については、流入側及び流出側の情報が揃うため、稼動状態フィールド1105に”busy”を格納している。また1行目については、データ流入インタフェース情報1103が空欄であるため、データ流出インタフェース情報1104が全て揃ったことを以って、稼動状態フィールド1105に”busy”を格納している。更に、処理1827により、図24Aに示すように、パス管理テーブル240の確立状態フィールド2404には、“established”が格納される。
更に、クロスコネクション情報テーブル110の1行目の{ルータ識別子1102、流出インタフェース識別子11041}の組で示される通信インタフェースの接続先を、インタフェース接続関係テーブル210から導き、それを{ルータ識別子1101、流入インタフェース11031}の組として持つレコードを、クロスコネクション情報テーブル110から検索し、2行目が該当することを知る。以上より、該パスが(nodeId=192.168.100.1, IF_ID=1002)及び(nodeId=192.168.100.2, IF_ID=1001)を通過することを導く。更に、これらの通信インタフェース上うにて割当てているラベル値を組み合わせて、(nodeId=192.168.100.1, IF_ID=1002, label=30012), (nodeId=192.168.100.2, IF_ID=1001, label=30012)を通過点リストフィールド2405に追記する。
以後、検索結果のレコードの{ルータ識別子1102、流出インタフェース識別子11041}の組に対して、同様の操作を繰り返すことにより、図24Aに示すように、通過点リストフィールドの値として、((nodeId=192.168.100.1, IF_ID=1002, label=30012), (nodeId=192.168.100.2, IF_ID=1001, label=30012), (nodeId=192.168.100.2, IF_ID=1002, label=30001), (nodeId=192.168.100.3, IF_ID=1002, label=30001))を得る。
最後に、図19Dを参照して、受け取ったRSVPメッセージがPATH_TEARメッセージである場合の処理について説明する。
この処理では、まず、パス開放検出処理を行い、最終ホップでのPATH_TEARメッセージを検出したならば、パス管理テーブルから該当する行を削除する(18301〜18304)。次に、PATH_TEARメッセージを捕捉したリンクの上流側インタフェースに関するクロスコネクション状態を削除する(1831〜1833)。次に、PATH_TEARメッセージを捕捉したリンクの下流側インタフェースに関するクロスコネクション状態を削除する(1834〜1836)。
まず、PATH_TEARメッセージの送信先IPアドレス8022を、セッション識別子8032中のdstと比較し、値が等しいならば最後のホップであると判断し、異なるならば最後のホップ以外であると判断する(18301)。
最後のホップである場合、パス管理テーブル240上で、セッション識別子2402とLSP_ID2403が、夫々PATH_TEARメッセージのセッション識別子8032とSENDER_TEMPLATE8039のlspIdに、共に一致するレコードを検索し、削除する(18302、18303)。
次に、クロスコネクション情報蓄積テーブル110において、セッション識別子1106と受信メッセージのセッション識別子603が一致し、かつ、ルータ識別子1102とIPヘッダの送信元アドレスが一致するレコードを検索する(1831)。そして、条件に合致
するレコードが検索されたか否かを判定する(1832)。
その結果、条件に合致するレコードが見つかった場合には、クロスコネクション情報蓄積テーブル110から、そのレコードを削除する(1833)。
以上で、上流側インタフェースに関するクロスコネクション状態の削除が完了する。
次に、クロスコネクション情報蓄積テーブル110において、セッション識別子1106と受信メッセージのセッション識別子603が一致し、かつ、ルータ識別子1102とIPヘッダの宛先アドレスが一致するレコードを検索する(1834)。そして、条件に合致するレコードが検索されたか否かを判定する(1835)。
その結果、条件に合致するレコードが見つかった場合には、クロスコネクション情報蓄積テーブル110から、そのレコードを削除する(1836)。
以上説明した第1実施形態によると、以下の課題が解決される。
まず、機種に依存しない情報のみを用いて、通信路の一覧、稼動状態、及び通信経路を把握できるので、従来の技術では困難であった、あらゆる機種のMPLSルータやGMPLSスイッチによって構成されるネットワークを対象として、通信路の構成管理が可能となる。
さらに、機種に依存しない情報のみを用いて、障害が発生したリンクに収容されている通信路の一覧を把握できるので、あらゆる機種のMPLSルータやGMPLSスイッチによって構成されるネットワークの、通信路の障害を監視することができる。
さらに、通信路切断制御信号捕捉時に、その上流の全てのホップについて、同様の通信路切断制御信号が発行されているかを把握できるので、タイムアウト等による予期せぬパス切断の有無を検出することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、シグナリングプロトコルとして、GMPLS拡張RSVP−TE又はMPLS RSVP−TE(IETF RFC3209, "RSVP-TE: Extensions to RSVP for LSP Tunnels")を用い、リンクステート型ルーティングプロトコルとして、GMPLS拡張O
SPF−TE又はMPLS OSPF−TEを用いた場合について説明するが、IS−ISやGMPLS CR−LDP等の他のプロトコルであっても同様に、本実施形態を適用することができる。
図20は、本発明の第2実施形態のネットワークシステムのブロック図である。
第2実施形態のネットワークシステムは、MPLSによって制御される通信ネットワークである。又は、シグナリングプロトコル及びリンクステート型ルーティングプロトコルが、確立される通信路65と同一リンク55、56上でやり取りされるGMPLSネットワークであってもよい。
MPLSでは、GMPLSとは異なり、シグナリングプロトコルとルーティングプロトコルは必ず通信路65と同一リンク55、56によって送受信される。従って、第1実施形態における制御情報転送装置A41等は存在しない。
そこで、監視エージェント装置は、MPLSルータ間のリンク上から、直接、メッセージを光学的、磁気的、電気的、又はパケット単位で複写する。具体的には、監視エージェント装置A25は、MPLSルータA35、B36間のリンク55においてシグナリングプロトコルメッセージ及びリンクステート型ルーティングプロトコルメッセージを複写する。また、監視エージェント装置B26は、MPLSルータB35、C37間のリンク56においてシグナリングプロトコルメッセージ及びリンクステート型ルーティングプロトコルメッセージを複写する。 シグナリングプロトコル及びリンクステート型ルーティングプロトコルが、確立される通信路65と同一リンク55、56上で送受信されるGMPLSネットワークについても同様であり、リンク55、56上でシグナリングプロトコル及びリンクステート型ルーティングプロトコルを複写する。
監視エージェント装置A25、B26の構成及び動作も、第1実施形態の監視エージェント装置A21等と同じである。また、監視マネージャ装置15の構成及び動作は、第1実施形態の監視マネージャ装置11と同じである。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、シグナリングプロトコルとして、GMPLS拡張RSVP−TEを用い、リンクステート型ルーティングプロトコルとして、GMPLS拡張OSPF−TEを用いた場合について説明するが、IS−ISやGMPLS CR−LDP等の他のプロトコルであっても同様に、本実施形態を適用することができる。
図21は、本発明の第3実施形態のネットワークシステムのブロック図である。
第3実施形態のネットワークシステムは、第1実施形態と同様に、確立しようとする通信路61とは異なるリンク上で、GMPLS拡張RSVP−TE及びGMPLS拡張OSPF−TEのメッセージが送受信されるGMPLSネットワークである。しかし、第1実施形態のように、監視エージェント装置A21等が制御情報転送装置A41等からメッセージを取得するのではなく、監視エージェント装置A27、B28、C29がGMPLSスイッチA38等と制御情報転送装置A43等との間のリンク上から、直接、メッセージを複写する。
具体的には、監視エージェント装置A27は、GMPLSスイッチA38と制御情報転送装置A43との間のリンクにおいてシグナリングプロトコル及びリンクステート型ルーティングプロトコルのメッセージを光学的、磁気的、電気的、或いはパケット単位で複写する。また、監視エージェント装置B28は、GMPLSスイッチB39と制御情報転送装置A43との間のリンクにおいてシグナリングプロトコル及びリンクステート型ルーティングプロトコルのメッセージを複写する。また、監視エージェント装置C29は、GMPLSスイッチA38と制御情報転送装置B44との間のリンクにおいてシグナリングプロトコル及びリンクステート型ルーティングプロトコルのメッセージを複写する。
監視エージェント装置A27、B28、C29の構成及び動作も、第1実施形態の監視エージェント装置A21等と同じである。また、監視マネージャ装置12の構成及び動作は、第1実施形態の監視マネージャ装置11と同じである。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
第4実施形態では、シグナリングプロトコルとして、GMPLS拡張RSVP−TEを用い、リンクステート型ルーティングプロトコルとして、GMPLS拡張OSPF−TEを用いた場合について説明するが、IS−ISやGMPLS CR−LDP等の他のプロトコルであっても同様に、本実施形態を適用することができる。
図27は、本発明の第4実施形態のネットワークシステムのブロック図である。
第4実施形態のネットワークシステムは、第1及び第3実施形態と同様に、確立しようとする通信路61とは異なるリンク上で、GMPLS拡張RSVP−TE及びGMPLS拡張OSPF−TEのメッセージが送受信されるGMPLSネットワークである。第1実施形態の通信ネットワーク2及び第3実施形態の通信ネットワーク6において、一つのRSVPセッションが制御するパスはただ一つであった。しかし、第4実施形態では、一つのRSVPセッションが、複数のパスを制御する。
本図の例では、通信ネットワーク8は、GMPLSパスリカバリ(IETF, Internet-Draft, draft-ietf-ccamp-gmpls-recovery-functional-04, Jonathan P. Lang他, "Generalized Multi-Protocol Label Switching (GMPLS) Recovery Functional Specification")が規定する、障害時自動復旧機能を有している。
通信路63は、GMPLSスイッチOSAKA1 31、NAGOYA1 32、TOKYO1 33を通過するプライマリパスと、GMPLSスイッチOSAKA1 31、KANAZAWA1 34、TOKYO1 33を通過するリカバリパスとで、冗長化されている。
前記GMPLSパスリカバリ仕様では、これらのパスは、図28に示すように、SENDER_TEMPLATE8039のlspIdの値により識別され、現在どちらのパスが使用されているかの切替状態は、protectionオブジェクト8035により識別される。これらは、図29に示すように、LSP_ID2403及びPROTECTION状態2406として、夫々パス管理テーブル240に格納され。同様に、図30に示すように、SENDER_TEMPLATE1107及びPROTECTION状態1108として、夫々クロスコネクション情報蓄積テーブル110に格納される。
以上の情報を用いることにより、図31に示すように、パス詳細画面2601を得る。パス管理テーブル240において、セッション識別子2402が等しく、LSP_ID2403が異なる複数のパスを束ね、パス概要部31011のように表示する。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
第5実施形態では、シグナリングプロトコルとして、GMPLS拡張RSVP−TEを用い、リンクステート型ルーティングプロトコルとして、GMPLS拡張OSPF−TEを用いた場合について説明するが、IS−ISやGMPLS CR−LDP等の他のプロトコルであっても同様に、本実施形態を適用することができる。
図32は、本発明の第5実施形態のネットワークシステムのブロック図である。
第5実施形態のネットワークシステムは、第1及び第3〜4実施形態と同様に、確立しようとする通信路61とは異なるリンク上で、GMPLS拡張RSVP−TE及びGMPLS拡張OSPF−TEのメッセージが送受信されるGMPLSネットワークである。第1及び第3〜4実施形態の通信ネットワーク2、4、6において、ある通信路が、互いにクライアントサーバ関係にある、マルチレイヤ通信路の取り扱いを、明確には記載されていなかった。
第5実施形態のネットワークシステムにおける通信ネットワーク10は、通信路61を用いて、通信路通信路69が確立されている。即ち通信路69と通信路61の関係は、通信路69がクライアント、通信路61がサーバである、マルチレイヤネットワークである。
通信路61のパス端点は、GMPLSスイッチA31の通信インタフェース31βと、GMPLSスイッチC33の通信インタフェース31αである。
本実施形態において、通信路61と通信路69のスイッチングケーパビリティは、夫々LSC(Lambda Switching Capable)及びPSC(Packet Switching Capable)であり、それぞれ独立したRSVPセッションにて確立される。
GMPLS標準では、このようなマルチレイヤネットワークにおいて、サーバレイヤのパスの端点情報を、クライアントレイヤに知らせるためのオブジェクトとして、LSP_TUNNEL IF_IDを規定している(IETF, RFC3477, K. Kompella他, "Signalling Unnumbered Links in Resource ReSerVation Protocol - Traffic Engineering (RSVP-TE)")。
図33のパス確立制御情報蓄積テーブルにおいて、1〜4行目は通信路61、5〜10行目は通信路69を制御している。
1〜2行目のPATHメッセージにおいて、その他のRSVPオブジェクト8036のlsp_tunnel_ifid=2002は、通信路61の起点側端点が、起点ルータ上のIF_ID=2002で表される通信インタフェース31βであることを示している。同様に、3〜4行目のRESVメッセージにおいて、その他のRSVPオブジェクト8036のlsp_tunnel_ifid=2001は、通信路61の終点側端点が、終点ルータ上のIF_ID=2002で表される通信インタフェースであることを示している。
これらのインタフェースは、トンネルインタフェースと呼ばれる。一方、通信路61の起点及び終点のルータは、SENDER_TEMPLATE8039のtunnel_src及びセッション識別子8032のdstにより示されている。これらは、GMPLS標準に基づく。
以上により、通信路61の起点及び終点は、クライアントレイヤにおいては、ルータ識別子とインタフェース識別子の組[192.168.100.1, 2002]と[192.168.100.3, 1001]であることが導かれる。この情報は、図37Bを用いて後に示す通り、インタフェース接続関係管理テーブルに追記される。
図37A及び図37Bは、本実施形態におけるインタフェース接続関係管理テーブルの構成図であり、各フィールドの意味は実施形態1〜4と同じである。しかし、LSP_TUNNEL IF_IDオブジェクトを含むメッセージにより、通信路が確立された場合、それらの値を用いて、新たなレコードを、インタフェース接続状態管理テーブル210に追加する。
また、LSP_TUNNEL IF_IDオブジェクトを含むメッセージにより確立された通信路が開放された場合、確立された場合に追加したレコードを、インタフェース接続状態管理テーブル210から削除する。
本実施の形態においては、リンクが静的なものであるか、サーバレイヤでの通信路確立によるものであるかを区別するために、サーバレイヤコネクションフィールド2103を付加している。サーバレイヤでの通信路確立によるものである場合、サーバレイヤの通信路の種別と、セッション識別子を、本フィールドに格納する。
図37Aは、通信路61を確立する前の初期状態であり、図37Bは、通信路61を確立した後の状態である。
図37Bの9〜10行目に示す通り、既に導いた、通信路61の端点であるトンネルインタフェース間の接続関係を、追加している。サーバレイヤコネクションフィールド2103には、通信路61のスイッチングケーパビリティが“LSC”であること、セッション識別子が“dst=192.168.100.3,tunnelId=1,extId=192.168.100.1”であることを、セッション識別子8032とその他のオブジェクト8035から求め、インタフェース接続関係管理テーブル210に格納している。
以上により、サーバレイヤの通信路確立による、クライアントレイヤにおけるリンク状態の変化が、反映された。
一方、サーバレイヤのトンネルインタフェースは、クライアントレイヤである通信路69確立シーケンスにおける、RSVP_HOPオブジェクトやEXPLICIT_ROUTEオブジェクト、RECORD_ROUTEオブジェクトにより参照される。
図33の6行目と9行目のRSVPホップフィールド8038の値[IPv4Addr=192.168.100.1 ,IF_ID=2002]と[IPv4Addr=192.168.100.3 ,IF_ID=2001]は、夫々、GMPLSスイッチ31のトンネルインタフェース31αと、GMPLSスイッチ31のトンネルインタフェース31βを表しており、通信路69が、これらのトンネルインタフェースを通過していることを示している。
図34は、パス管理テーブルの構成図である。
各フィールドの意味は、実施形態1〜4と同様である。しかし、マルチレイヤネットワークのクライアントレイヤの通信路に関しては、サーバレイヤLSPとの関連が、通過点リスト2405にて表現されている。
2行目において、(LSC_LSP, dst=192.168.100.3,tunnelId=1,extId=192.168.100.1)と記載されている部分が、通過点(nodeId=192.168.100.1, IF_ID=2002, label=100001)と(nodeId=192.168.100.3, IF_ID=2001, label=100001)の間で使用している、サーバレイヤの通信路を表している。
以上の情報を用いることにより、図36に示すように、パス詳細画面3601を得る。
パス概要部36011において、独立した2つのセッションにより制御された2本の通信路が列挙されている。また、各々について、その通過点が、パス詳細部36012に示されている。更に、2つの通信路のクライアント/サーバ関係が示されている。