JP4544450B2 - 化成処理剤及び表面処理金属 - Google Patents
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Description
上記化成処理剤は、更に、亜鉛イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、アルミニウムイオン、マンガンイオン、鉄イオンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属イオン(A)、銅イオン(B)及びケイ素含有化合物(C)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
上記ケイ素含有化合物(C)は、シリカ、水溶性ケイ酸塩化合物、ケイ酸エステル類、アルキルシリケート類及びシランカップリング剤からなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
上記化成処理剤は、pHが1.5〜6.5であることが好ましい。
上記化成皮膜は、皮膜量が化成処理剤に含まれる金属の合計量とエポキシ化合物に含まれる炭素量との合計量で0.1〜500mg/m2であることが好ましい。
上記表面処理金属の被処理物は、鉄系基材、亜鉛系基材及び/又はアルミ系基材からなることが好ましい。
以下に、本発明を詳細に説明する。
上記ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の供給源としては、皮膜形成能が高いことからZrF6 2−、TiF6 2−、HfF6 2−からなる群より選ばれる少なくとも一種を有する化合物が好ましい。
特に好ましい組み合わせとしては、亜鉛イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、アルミニウムイオン、マンガンイオン、鉄イオンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属イオン(A)と銅イオン(C)、ケイ素含有化合物(B)と銅イオン(C)の組み合わせを挙げることができる。
上記脱脂後水洗処理は、脱脂処理後の脱脂剤を水洗するために、大量の水洗水によって1回又はそれ以上スプレー処理を行うことにより行われるものである。
また、本発明の化成処理剤を使用する化成処理は、表面調整処理等を行わなくてもよいことから、作業性の点でも優れている。
エポキシ等量190のビスフェノールFエピクロルヒドリン型エポキシ化合物190質量部にジエタノールアミン30部、酢酸セロソルブ110部を加え、100℃で2時間反応させ、不揮発分70%のアミノ基含有水溶性エポキシ化合物Aを得た。
エポキシ等量190のビスフェノールFエピクロルヒドリン型エポキシ化合物190質量部にリン酸モノエチル38部を配合し、130℃で3時間攪拌しリン元素を有するエポキシ樹脂を得た。さらにジエタノールアミン30部、酢酸セロソルブ110部を加え、100℃で2時間反応させ、不揮発分70%のリン元素を有するアミノ基含有水溶性エポキシ化合物Bを得た。
NCOが13.3%、不揮発分75%のトリメチロールプロパンの2,4−トルエンジイソシアネートプレコポリマーを100部、ノニルフェノール44部、ジメチルベンジルアミン5部、酢酸セロソルブ65部を混合し、窒素下80℃で3時間攪拌、反応させ、不揮発分70%、NCO%が20%の部分ブロック化ポリイソシアネートを得た。
上記製造例1で製造したアミノ基含有水溶性エポキシ化合物A70部と上記部分ブロック化ポリイソシアネート30部を混合し、80℃で4時間攪拌して反応させた後、赤外線分光分析でNCO基の吸収が完全になくなることを確認した。その後酢酸3部を混合し、さらにイオン交換水で希釈して不揮発分25%、pH4.1であるイソシアネート基を有するアミノ基含有水溶性エポキシ化合物Cを得た。
上記製造例1で製造したアミノ基含有水溶性エポキシ化合物Aの代わりに、上記製造例2で製造したリン元素を有するアミノ基含有水溶性エポキシ化合物Bを使用する以外は、上記製造例3と同様にしてリン元素及びイソシアネート基を有するアミノ基含有水溶性エポキシ化合物Dを得た。
エポキシ等量190のビスフェノールFエピクロルヒドリン型エポキシ樹脂の代わりにエポキシ等量500のビスフェノールAエピクロルヒドリン型エポキシ化合物を用い、さらにアミン付加の際にジエタノールアミン30部と酢酸セロソルブ110部の代わりにN−メチルエタノールアミン65部と酢酸セロソルブ245部を用いたこと以外は、上記製造例4と同様にして、リン元素及びイソシアネート基を有するアミノ基含有水溶性エポキシ化合物Eを得た。
市販の冷間圧延鋼板(SPCC−SD、日本テストパネル社製、70mm×150mm×0.8mm)、亜鉛系めっき鋼板(GA鋼板、日本テストパネル社製、70mm×150mm×0.8mm)、5000系アルミニウム(日本テストパネル社製、70mm×150mm×0.8mm)又は6000系アルミニウム(日本テストパネル社製、70mm×150mm×0.8mm)を基材として、下記の条件で塗装前処理を施した。
(1)塗装前処理
脱脂処理:2質量%「サーフクリーナーEC92」(日本ペイント社製脱脂剤)で40℃、2分間浸漬処理した。
脱脂後水洗処理:水道水で30秒間スプレー処理した。
水洗処理後の金属基材を乾燥せずにウェットなまま電着塗装を行った。
化成処理剤1L当たり1m2の金属基材を処理した後に、「パワーニクス110」(日本ペイント社製カチオン電着塗料)を用いて乾燥膜厚20μmになるように電着塗装し、水洗後、170℃で20分間加熱して焼き付け、試験板を作成した。
脱脂後水洗処理の後に、サーフファイン5N−8M(日本ペイント社製)を用いて室温で30秒間表面調整を行い、サーフダインSD−6350(日本ペイント社製リン酸亜鉛系化成処理剤)を用いて35℃で2分間浸漬処理を行うことで化成処理を施したこと以外は実施例1と同様にして試験板を得た。化成処理剤のpH及び処理条件は、表1に示した通りである。
ポリイソシアネート化合物としてデュラネートE402(旭化成工業社製)、メラミン樹脂としてサイメル385(三井サイアナミッド(株)製)を使用し、表2に示した組成を有する化成処理剤を調製し、実施例1と同様にして試験板を作成した。
〈皮膜量〉
皮膜中の化成処理剤に含まれる金属の合計量とエポキシ化合物に含まれる炭素量との合計量で表した。金属の合計量は、「XRF1700」(島津製作所製蛍光X線分析装置)を用いて分析し、エポキシ化合物中の炭素量は、「RC412」(LECO社製水分分析装置)を用いて分析した。
化成処理剤1L当たり1m2の金属基材を処理した後、化成処理剤中の濁りを目視観察した。評価結果を表3に示した。
〇:濁りなし
×:濁りあり
得られた試験板に、素地まで達する縦平行カットを2本入れた後、5%NaCl水溶液中において50℃で480時間浸漬した。その後、カット部をテープ剥離し、塗料の剥離を観察した。
◎:剥離なし
〇:若干剥離
×:剥離幅3mm以上
評価結果は、表3に示す。
実施例及び比較例において、電着塗装して得られた試験板をカッターナイフで傷つけた後、湿潤工程1(2時間、40℃、湿度95%)、塩水噴霧(2時間、5%NaCl水溶液、35℃)、乾燥工程1(2時間、60℃)、湿潤工程2(6時間、50℃、湿度95%)、乾燥工程2(2時間、60℃)、湿潤工程3(6時間、50℃、湿度95%)からなるサイクルを60サイクル実施した後、カット部両側最大ふくれ巾を測定した。評価基準は、以下の通りである。
◎:0〜3.5mm以下
〇:3.6〜7mm未満
×:7mm以上
評価結果は、表3に示す。
Claims (5)
- ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種、フッ素、並びに、イソシアネート基を有するアミノ基含有水溶性エポキシ化合物からなる化成処理剤であって、
前記ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種は、前記化成処理剤中の含有量が金属換算で20〜10000ppmであり、
前記イソシアネート基を含有するアミノ基含有水溶性エポキシ化合物は、アミノ基を含有させたビスフェノールFエピクロルヒドリン型エポキシ化合物に部分ブロック化ポリイソシアネートを反応させて得たものであって、前記化成処理剤中の含有量が固形分濃度で5〜5000ppmであり、
かつ、前記化成処理剤のpHは2.5〜5.0である
ことを特徴とする少なくとも一部に鉄系基材を含む被処理物のカチオン電着塗装前処理に用いる化成処理剤。 - 更に、亜鉛イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、アルミニウムイオン、マンガンイオン、鉄イオンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属イオン(A)、銅イオン(B)及びケイ素含有化合物(C)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1に記載の化成処理剤。
- ケイ素含有化合物(C)は、シリカ、水溶性ケイ酸塩化合物、ケイ酸エステル類、アルキルシリケート類及びシランカップリング剤からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項2に記載の化成処理剤。
- 少なくとも一部に鉄系基材を含む被処理物に請求項1〜3のいずれかに記載の化成処理剤により化成皮膜を形成した表面処理金属。
- 化成皮膜は、皮膜量が化成処理剤に含まれる金属の合計量とエポキシ化合物に含まれる炭素量との合計量で0.1〜500mg/m2である請求項4に記載の表面処理金属。
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